JP2007226907A - 多層情報記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】信号層間を分離するための透明層を膜厚の変動を少なく高速に形成する。
【解決手段】2つ以上の情報記録層を有し、前記情報記録層の間には樹脂層が形成されている多層情報記録媒体の製造方法であって、樹脂層の形成方法は少なくとも、スクリーン印刷により、樹脂層を形成する際に、温風を吹き付け、得られる塗布後の樹脂層の表面性を向上させることにより、転写基板との貼り合せ時の欠陥を低減することのできる多層情報記録媒体の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、再生または記録再生を目的とした情報記録媒体とその製造方法に関するものである。
近年、情報機器・映像音響機器等が必要とされる情報量の拡大化に伴い、データアクセスの容易さ、大容量データの蓄積、機器の小型化に優れている光ディスクなどの情報記録媒体が注目され、記録情報の高密度化がなされている。例えば光ディスクの高密度化の手段として、レーザ光の波長を約400nmとし、レーザ光を絞り込むための集光レンズとして開口数(NA)を0.85の再生ヘッドを用いて、単層で25GB程度、2層で50GB程度の容量の光記録媒体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
以下に、特許文献1に記載された従来の多層情報記録媒体の構造及び製造方法について図2及び3を用いて説明する。
図2は、従来の多層情報記録媒体の断面図を示している。この多層情報記録媒体は、片面に凹凸形状からなるピットや案内溝の情報面が転写形成された第1信号基板201と、第1信号基板201の凹凸形状が設けられた面上に配置された第1薄膜層202と、第1薄膜層202と接着している面とは反対の面に凹凸形状からなるピットや案内溝の情報面が転写形成された第2信号基板203と、第2信号基板203の凹凸形状が設けられた面上に配置された第2薄膜層204と、第2信号基板203に対向配置された透明基板206と、第2薄膜層204と透明基板206とを貼り合わせるために設けられた透明層205により構成されている。第1信号基板201には、スタンパを用いて、射出圧縮成形等により片面にピットや案内溝が凹凸形状として転写形成されている。このように、情報面に薄膜層が形成されることで情報記録層が形成されている。第1信号基板201の厚みは1.1mm程度である。第1薄膜層202および第2薄膜層204は、記録膜や反射膜を含んでおり、第1信号基板201や第2信号基板203のピットや案内溝が形成された面側にスパッタリングや蒸着等の方法により形成されている。第2信号基板203は、光硬化性樹脂のスピンコート法によって形成され、金属製スタンパや樹脂製の転写基板を、情報面が第1信号基板201と対向するように光硬化性樹脂を介して貼り合わせ、光硬化性樹脂の光硬化後に転写基板を光硬化性樹脂との界面から剥離することによって形成されている。透明基板206は、記録再生光に対して透明な(透過性を有する)材料からなり、厚みが0.1mm程度である。透明層205は、2枚の基板206、207を互いに接着するために設けられており、光硬化性樹脂や感圧接着剤等の接着剤から形成されている。このような多層情報記録媒体の記録再生は、透明基板206側から記録再生レーザ光を入射することによって行う。
図3に、従来の多層情報記録媒体の製造方法について示し、これを用いて説明する。
まず、第1信号基板301は、ピットや案内溝の信号面が形成された面にスパッタリングや蒸着等の方法により記録膜材料や反射膜材料を含んだ第1薄膜層302が形成されることにより情報記録層が形成される。第1信号基板301は、第1薄膜層302が形成された面とは反対側の面でバキューム等の手段によって回転テーブル303上に固定される(図3A参照)。回転テーブル303に固定された第1信号基板301上の第1薄膜層302には、ディスペンサーによって光硬化性樹脂304(樹脂A)が所望の半径上に同心円状に塗布され(図3B参照)、回転テーブル303をスピン回転させることにより光硬化性樹脂304の延伸を行う(図3C参照)。延伸された光硬化性樹脂304は遠心力によって余分な樹脂と気泡を除去することができる。このとき、延伸される光硬化性樹脂¥304の厚みは、光硬化性樹脂304樹脂の粘度やスピン回転の回転数、時間、スピン回転をさせている周りの雰囲気(温度や湿度など)を任意に設定することにより、所望の厚みに制御することができる。スピン回転停止後、延伸された光硬化性樹脂304(樹脂A)は光照射機305からの光照射によって硬化される。
次に、第1信号基板301の上に第2の情報面を形成するために、金属製スタンパ208や樹脂製の転写基板306が回転テーブル307上に固定される(図3D参照)。回転テーブル307に固定された転写基板306の上には、ディスペンサーによって光硬化性樹脂B308が所望の半径上に同心円状に塗布され(図3E参照)、回転テーブル307をスピン回転させることにより光硬化性樹脂308(樹脂B)の延伸を行う(図3F参照)。延伸される光硬化性樹脂308は光硬化性樹脂304(樹脂A)と同様に、所望の厚みに制御することができる。延伸された光硬化性樹脂308はスピン回転停止後、光照射機309の光照射によって硬化される。
2枚の基板310、311は、1つの回転テーブル303の上で、双方の光硬化性樹脂層が対向するように光硬化性樹脂312(樹脂C)を介して重ね合わされ(図3G参照)、一体化させた状態で回転テーブル303によってスピン回転させられる。光硬化性樹脂312はスピン回転によって所望の厚みに制御された後に光照射機305の光照射によって硬化される(図4H参照)。光硬化性樹脂312によって基板310、311が一体化された後に、転写基板306と光硬化性樹脂308(樹脂B)の界面より、転写基板306を剥離することによって第1信号基板301の上に第2の情報面が形成される(図3I参照)。
ここで用いられている光硬化性樹脂304(樹脂A)は第1薄膜層302と光硬化性樹脂312(樹脂C)との接着性が良好なものを選定している。また、光硬化性樹脂308(樹脂B)は転写基板305との剥離性が良く、且つ光硬化性樹脂312(樹脂C)との接着性が良好なものを選定している。また、各々の光硬化性樹脂は出来るだけ薄く形成するために、粘度は約150Pa・s程度としている。
第1信号基板301の上に形成された第2の情報面には、スパッタリングや蒸着等の方法により記録膜材料や反射膜材料を含んだ第2薄膜層313が形成される。さらに、第2薄膜層313と透明基板314を貼り合わせるときに形成される透明層415は、記録再生光に対してほぼ透明で(ほぼ透過し)、第2薄膜層313に光硬化性樹脂を塗布した後にスピン回転させることによって光硬化性樹脂に混入する気泡の除去や厚み制御を行い、延伸された後に光照射されることによって硬化することで形成される。
上述したように特許文献1では3種類の光硬化性樹脂(樹脂A、B、C)を用いて複数の情報記録層の間の樹脂層(中間層ともいう)を形成しているが、特許文献2、3には、2種類の光硬化性樹脂をそれぞれ転写基板及び基板にスピンコートし、貼り合わせ、硬化させるなどして中間層を形成する多層情報記録媒体の製造方法が記載されている。
また、基板上に塗布した樹脂の厚みバラツキを小さくする目的で、液体状の樹脂をスピンコート法により塗布した後、基板を振動させたり、気体を吹付けたり、ヒータで加熱したりすることが特許文献4に記載されている。
特開2002−092969号公報 特開2002−260307号公報 特開2004−220750号公報 特開2001−046953号公報
しかしながら、スピンコート法によって複数の情報面(情報記録層)を分離するための透明な樹脂層(中間層)を形成すると、周方向の細かな膜厚変動や、半径方向の大きな膜厚変動を発生しやすいため、特に複数積層する際には膜厚変動の足し合わせで厚みバラツキが大きくなる。また、被塗布基板の端面まで液体状の樹脂が行き渡るため、スピン回転を停止させて光照射によって樹脂を硬化させる時に、被塗布基板の外周端部分において、樹脂が表面張力により盛り上がり、膜厚が厚く構成されてしまう(図4J参照)。これにより、レーザを用いて媒体への信号の記録再生を行う際に、膜厚変動により発生する球面収差によって光スポットの絞りの変動や情報面上へ光スポットのフォーカス制御、信号列に光スポットを追従させるトラッキング制御に影響を与えてしまうことが問題となる。
また、基板の外周端部分での樹脂の盛り上がりを防止するために、基板を回転させたまま光照射を行って樹脂を硬化させる方法もあるが、樹脂の塗布時や光照射時の基板の回転数の制御が難しく、タクト時間の短縮が困難であるという課題があった。
なお、スピンコート法により基板に塗布した液体状の樹脂の厚みバラツキを小さくするため、基板を振動させたり、気体を吹付けたりすることが提案されているが、効果的な風量や風速、温度範囲については明らかにされていなかった。
そこで、情報面を作製する工程をスピンコートではなく、スクリーン印刷技術を応用することにした。図4を用いてこの工程の説明を行う。
まず、表面に第1薄膜層402を有する信号基板401を、真空吸着などの手段によって、ターンテーブル403で固定する(図4A参照)。この上に、スクリーン枠406を固定し、紫外線硬化樹脂405を穴が開いていない部分に供給し、スクレッパー407を摺動することにより、スクリーン504部に樹脂を充填する(図4B参照)。次にスキージ408がスクリーン404の上部に圧力を加えながら、摺動することによって孔板404の開口部から紫外線硬化樹脂405を第1信号基板401へ押し出すことによって行う(図4C参照)。この動作、いわゆるスクリーン印刷によって、樹脂が塗布された信号基板を得ることができる(図4D参照)。また、信号基板401を入れ替え、図4Aからの作業を繰り返すことによって、表面に樹脂を形成した信号基板を複数得ることができる。このスクリーン印刷では、信号基板を設置する時間と、スクレッパー407及びスキージ408がスクリーン上を摺動する時間の和が、樹脂形成のタクト時間に相当するため、タクト時間短縮も比較的容易である。しかしながら、この製造方法では、紫外線硬化樹脂405の表面上に気泡409が発生しやすい(図4E参照)。
この後の工程を図5を用いて説明する。紫外線硬化樹脂502が形成された第1信号基板503をテーブル台505の上におく。紫外線硬化樹脂502の表面上には、気泡504が発生している(図5A参照)。第1信号基板503の上方から、転写基板501を押し付けて、案内溝を形成する(図6B参照)。転写基板601を押し付ける瞬間は、紫外線硬化樹脂502上に存在している気泡504は破泡するものと、その形状を維持するものがある。ここで問題にしているのは、形状を維持する気泡506である。この後、転写基板501の上方から紫外線照射機507により紫外線を照射し、紫外線硬化樹脂502を硬化させる(図5C参照)。その後、転写基板501と紫外線硬化樹脂502を剥離する(図5D参照)。この工程を経ることにより、第1信号基板503上に、転写基板501と凹凸の反転した紫外線硬化樹脂502の層が形成できる。また、この紫外線硬化樹脂502の特性は、あらかじめ、転写基板501と剥離性の高いものを選択することにより、良好な剥離性を維持することができる。
しかしながら、転写基板501を貼り合せる前に、紫外線硬化樹脂502の表面に気泡504が存在していた箇所は、転写基板601の凹凸形状を転写することができない。これは、転写基板501と紫外線硬化樹脂502の間に、空気が介在することにより、その転写を妨げるためである。よって、紫外線硬化樹脂502の表面上に気泡504が存在していた場所には、形成すべき案内溝またはピットを形成することができない(図5E参照)。なお、図5Eの図面上、点線で示した形状が本来形成するべき、溝形状を表している。このような欠陥箇所がディスク上に存在すると、照射された再生レーザ光の本来得られるべき反射光が得られないため、正確に信号が再生できない、もしくは再生レーザ光が追随すべき箇所に集光できないなどのエラーが生じる。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、高速に樹脂層を形成し、かつ、記録膜間に形成される樹脂には、案内溝またはピットを面内均一に形成することを目的とした多層情報記録媒体及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の多層情報記録媒体製造方法は、2つ以上の情報記録層を有し、前記情報記録層の間には樹脂層が形成されている多層情報記録媒体の製造方法であって、下記のようなスクリーン印刷工法により、樹脂層を形成する。
スクリーン版の下に樹脂層を形成するべき、基板を設置し、ペースト状の樹脂層をスクリーン版上に樹脂をのせ、スキージがスクリーン版表面を摺動することにより、所望の樹脂層を得る。
この際に、スキージの上方に設けられたブロアーから温風を吐出させながら、印刷を行う。
また、ブロアーから吐出される温風は、スクリーン版よりも20mm以上300mm以下の高さに設けられ、かつ、ブロアー吐出口から噴出される温風の風速は5mm/s以上30mm/s以下であることが好ましい。
また、ブロアーの吐出口での、温風の温度が50〜200℃であることが好ましい。
また、印刷工程を始める前に毎回、樹脂を供給することが好ましい。
また、印刷に使用されなかった樹脂の余剰分は、リサイクルシステムに供給され、異物や気泡を取り除かれた後、再度スクリーン上に供給されることが好ましい。
また、樹脂の余剰分をスクリーン上から除去するシステムとして、樹脂層形成領域以外に樹脂が前記スクリーンを通過できる樹脂除去領域を設け、樹脂除去領域の下部に、落下してくる樹脂を回収する受けを設けることが好ましい。
また、樹脂は光硬化性樹脂であることが好ましい。
また、液体樹脂が紫外線硬化性樹脂であることが好ましい。
上記の情報記録面と、信号転写基板を貼り合わせ工程は真空雰囲気中で行うことが好ましい。
また、信号転写基板はポリオレフィン樹脂であることが好ましい。
本発明の多層情報記録媒体は、上記した本発明の多層情報記録媒体製造方法によって作製されたことを特徴とする。これにより、各々の情報面までの厚み変動(媒体を通る光路長の変動)が少なく、収差による光スポットの絞り変動を抑え、フォーカス制御、トラッキング制御を安定化させることができる多層情報記録媒体を提供することができるからである。
本発明の多層情報記録媒体及びその製造方法によれば、良好に信号の記録再生が行える多層情報記録媒体を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態は光ディスク形状の情報記録媒体の構造例について説明するが、光ディスクの形状に限定されるものではなく、例えばメモリカードなどの一般的な情報記録媒体にも採用することができる。
(実施の形態1)
図6は本発明の実施の形態における多層情報記録媒体の断面図である。本発明の多層情報記録媒体は、片面に凹凸で形成されたピットや案内溝などの情報面が形成された厚基板である第1信号基板601と、第1信号基板601の情報面上に配置された第1薄膜層602と、第1信号基板601と反対側の面に凹凸で形成されたピットや案内溝などの情報面が形成された第2信号基板603と、第2信号基板603の情報面上に配置された第2薄膜層604と、第2信号基板603と反対側の面に凹凸で形成されたピットや案内溝などの情報面が形成された第3信号基板605と、第3信号基板605の情報面上に配置された第3薄膜層606と、第3信号基板605と反対側の面に凹凸で形成されたピットや案内溝などの情報面が形成された第4信号基板607と、第4信号基板607の情報面上に配置された第4薄膜層608と、第4薄膜層608の上に配置された透明層609とを含んでいる。
第1信号基板601は情報記録媒体の反りや剛性を良くして、さらにCDやDVD、Blu−ray Discなどの光ディスクと厚み互換を有するように、外径φ120mm、厚さが1.0〜1.1mm程度のポリカーボネイトやアクリル系樹脂の円板から形成されており、従来のスタンパを用いて、射出圧縮成形等の樹脂成形によって片面に凹凸で形成されたピットや案内溝などの情報面が作製されている。基板の中心部にはプレーヤが信号を記録再生する際に、ディスクを保持して回転させるために用いる直径φ15mmの中心穴が設けられている(図示せず)。本実施の形態においては代表例としてポリカーボネイトを用いた場合について説明する。
第1信号基板601の上には、光硬化性樹脂材料の信号基板603、605、607や透明層609が積層形成されるため、積層後の情報記録媒体の形状は光硬化性樹脂特有の特徴といえる光硬化収縮によって、例えば情報面を上にした場合は凹形状の反りとなってしまう。従って、第1信号基板601の反りは予め情報面を上にして凸形状の反りに形成することで信号基板603、605、607や透明層609の積層後の情報記録媒体の反りが平坦になるように成形している。
第1薄膜層602は、情報記録媒体の目的がROMの場合、再生されるレーザ光に対して反射の特性を有する。例えば、Al、Ag、Au、Si、SiO2などの金属や半導体、誘電体をスパッタリングや蒸着等の方法を用いて薄膜形成する。
情報記録媒体の目的とすることがWrite Once型の場合の記録膜の構成について図7を用いて以下に説明する。まず第1信号基板701上に形成されたピットや案内溝などの情報面702に対して、スパッタリングや蒸着等の方法により、AlCrからなる反射膜703、ZnS膜804、TeOPd記録膜705、ZnS膜706が順次形成されている。本代表例として反射膜703としてAlを使用した場合について説明しているが、ROMと同様に、AgやAu等の金属を主成分とする材料を用いてもよい。また、薄膜層として色素膜等を含む構成を用いることでも実現できる。図6における第2薄膜層604および第3薄膜層606、第4薄膜層608についても、上記第1薄膜層602と同様の薄膜が形成されている。記録再生される際の光学特性によっては反射膜703の厚みを調整することや、反射膜703自体の除去、ZnS膜704やTeOPd記録膜705記録膜の厚みを調整することもある。
第2信号基板603は、記録再生光に対してほぼ透明(透過性を有する)で、例えばアクリルを主成分とした紫外線硬化樹脂から形成されている。紫外線硬化樹脂は硬化光波長を紫外線帯域に設けることにより、紫外線以外の波長に対して硬化を防ぐことができ、また任意の機会で紫外線を照射することにより硬化させることができる特徴を有しているので、樹脂層の形状制御において有効である。液体の紫外線硬化樹脂を第1薄膜層602の上に塗布した後に凹凸形状で形成されたピットや案内溝などの情報面を有する基板などの信号転写基板を押し当て、紫外線を照射することによって硬化させて信号転写基板を紫外線硬化樹脂との界面から剥離することによって形成される。紫外線硬化樹脂の塗布は第1信号基板601の外径よりも小さく、また第1信号基板601の中心穴よりも大きく形成されている(図示せず)。第3信号基板605および第4信号基板607についても、上記第2信号基板603と同様の方法および形状で形成されている。透明層609は、記録再生光に対してほぼ透明(透過性を有する)で、例えばアクリルを主成分とした紫外線硬化樹脂から形成されている。紫外線硬化樹脂には液体を使用し、第4薄膜層608の上に塗布することによって形成される。形成された紫外線硬化樹脂は、各信号基板や薄膜層を覆うように形成され、内周部と外周部において第1信号基板と接着するように形成されている。
以下に、本発明の多層情報記録媒体の製造方法について図1を用いて説明する。
図1は本発明の実施の形態における樹脂の塗布工程の一例を示す図である。
図1Aが印刷前の製造装置の断面図、図1Bが印刷中の製造装置の断面図、図1Cが印刷後の製造装置の断面図を示す。図中で、101はスキージ、102は版枠、103は紫外線硬化樹脂、104はスクリーン、105は信号基板、106はテーブル、107はブロアー、108は形成した樹脂層を表す。
まず、信号基板105の上部表面には、ピットや案内溝の情報面が形成された面にスパッタリングや蒸着等の方法により記録膜材料や反射膜材料を含んだ薄膜層が形成され、必要に応じて薄膜層が形成された面とは反対側の面でバキューム等の手段によってテーブル106上に固定される。
一方、スクリーン104面は、開口部を通過する紫外線硬化樹脂の量を制限することによって膜厚を均一に形成できるように設けられている。
次にスクリーン104の作製方法について説明する。版枠102に、スクリーン材料となる紗を張り、その上に感光乳剤をコーティングする。次いで、コーティングされたスクリーン用材料の所定の位置(複数の穴を形成する位置)以外を遮光マスクによりマスクし、スクリーン用材料に露光装置を用いて紫外線を一定時間照射する。紫外線照射によって露光された感光乳剤を水噴射などによって水洗することにより現像して、スクリーン104を得る。
なお、版枠102には、例えば、木材、アルミ、ステンレス、プラスチックなどの材料を用いることができるが、なかでも、軽量かつ剛性の高いアルミニウムが好ましい。スクリーン材料となる紗は、シルク、ナイロン(登録商標)、テトロン(登録商標)、Vメッシュ、ステンレスなどを用いることができるが、外圧に対する復元性の面から、Vメッシュが好ましい。感光乳剤には、例えば、ジアゾニウム塩または重クロム酸塩を、PVAまたは酢酸ビニルエマルジョンに混合し溶解させたものなどを用いることができる。スクリーン材料の所定の位置におけるメッシュ数(1インチあたりの線材の本数)は、100〜600であると好ましい。メッシュ数がこの範囲内にあれば、樹脂含有塗料の通過不良や塗布ムラを生じさせることなく、樹脂含有材料と塗布できる。なお、スクリーンの穴は網目に限定されない。
尚、本実施の形態においては版枠102として軽量且つ剛性の高いアルミを使用し、信号基板105への負荷が小さくなるようにテトロンを使用した場合について説明するが、他の材料を用いても実現することができる。
樹脂の粘度が低い場合は塗布後の樹脂の流動が発生し、端面への樹脂はみ出しや樹脂盛り上がりを生じてしまう。樹脂粘度が高い場合はスクリーンを通って樹脂が転移し難くなる。工程中の温湿度変化による樹脂粘度の低下影響等を考慮すると、樹脂の粘度は30cpsから10000cps範囲内であることが好ましい。
本実施の形態においては、レンズの開口数0.85、レーザ波長405nmの構成の記録再生ヘッドで再生可能とするために樹脂層の形成厚みを5から25μmとした。このため、メッシュ数200、樹脂粘度2500cpsの材料を用いて、樹脂層の形成を行った。
さらにスクリーン104は、開口部の形成領域を選択することにより、紫外線硬化樹脂103の信号基板105上への塗布範囲を制限することが可能であり、本実施の形態においては、信号基板105内径よりも大きく(φ20mm以上)、また外径よりも小さい領域(φ119mm以下)に紫外線硬化樹脂103が塗布できるようにスクリーン104が形成されている。信号基板105の内径端部や外径端部にまで紫外線硬化樹脂103を塗布した場合、紫外線硬化樹脂103の表面張力によって紫外線硬化樹脂103の厚みがその端部で盛り上がることで膜厚が均一化できない、もしくは信号基板105から紫外線硬化樹脂103がはみ出すことにより、内外径各々の寸法精度が悪化するもしくは美観を損なうなどの問題が発生するが、上記で説明した方法で紫外線硬化樹脂の塗布領域を限定することにより、樹脂の表面張力による盛り上がりやはみ出しを抑えることができる。
次に、図1Aに示すように、紫外線硬化樹脂103は、スキージ101の進行方向に対して手前に滴下しておく。
次に、スキージ101をスクリーン104に押し込みながら、摺動させることによって、信号基板105上に、紫外線硬化樹脂103を塗布する。このとき、スキージ101の進行方向に対して逆側に設けられたブロアー107から、温風を吹き出させる。温風を噴出しながら、スキージ101を摺動させ、樹脂を信号基板105上に転写することによって、図1Cに示した塗布後の樹脂層108表面に気泡を発生することなく、塗布が可能となる。
一般的には、スクリーン印刷では塗布後の樹脂層108に気泡が混入することが知られている。また、この気泡には、塗布後の樹脂層108の樹脂中に含まれる気泡と、塗布後の樹脂層108の表層に現れる気泡の2種類が存在する。それぞれの発生メカニズムは以下のように類推できる。
塗布後の樹脂層108の樹脂中に気泡が混入する原因は、スクリーン104上の樹脂をスキージ101によって移動させるため、樹脂中に気泡を巻き込んでしまうためと考えられる。樹脂中に気泡がとりこまれたまま、スクリーン104の網目を通過した場合に、起こりえる現象である。ただし、これらの樹脂中に含まれる気泡は、紫外線硬化樹脂103の物性値によっても含有量が変化する。たとえば、粘性が高く、表面張力が大きい樹脂ほど、樹脂中に含む気泡を保持しやすくなる。なお、樹脂中の気泡は、樹脂の表層に出てきたり、スクリーン104の網目に衝突すると、破泡したり小さな泡に分裂したりすることがある。なお、樹脂中の気泡の含有量は、スクリーン104上を摺動する回数に比例して大きくなるため、大量生産にスクリーン印刷を採用して、樹脂層を形成する際には、なるべく新しい紫外線硬化樹脂103を供給しながら、印刷を行うことが好ましい。
一方、塗布後の樹脂層108の表層に現れる気泡は、上記と発生メカニズムが異なる。この気泡は印刷中の図1Bで、スクリーン104と信号基板105が離れる際に発生する。以下、スクリーン104が信号基板105から離れる動作を版離れと呼ぶことにする。版離れの際には、紫外線硬化樹脂103が、スクリーン104と信号基板105の双方に引っ張られて、信号基板105上に残った樹脂が塗布後の樹脂層108となる。このときには、スクリーン104と信号基板105の間で張力が必要となる。紫外線硬化樹脂103を引き離すのに必要な張力は、信号基板105がテーブル106に固定されていること、スクリーン104の引っ張り応力により、算出されるが、紫外線硬化樹脂103の粘性が大きい場合には、紫外線硬化樹脂103が不均等に引き離されるため、塗布後の樹脂層108の表層には、気泡が発生する。
この気泡が発生は、この後の貼り合わせ工程での図6Eのような欠陥の原因となるため、塗布後の樹脂層108の表面上では皆無にしなければならない。
版離れの容易さは紫外線硬化樹脂103の粘度や、スクリーン104の紗の圧力、スクリーン104の紗のメッシュ数、スキージ101の押し込み量、及び、スキージ101の押し込み圧力に起因するが、所望の厚みの樹脂層108を得るためには、これらのパラメータを変更することができない。
そこで、版離れを促進させるために、ブロアー107によって温風をふきつける。温風をふきつけることにより、紫外線硬化樹脂103の温度が上昇し、粘度が低下する。また、樹脂の中に含まれていた気泡が表出する際には、空圧により、破泡させる効果がある。
また、紫外線硬化樹脂103の温度上昇と、気泡の破泡を実現させるためには、一定量以上の温風の温度と空圧が必要になる。実験の結果、ブロアー107の吐出口での温風温度が50度以上でなければ、この効果が得られないことがわかった。また、気泡を破泡せしめるためにはブロアー107の吐出口を塗布後の樹脂層108の表面から300mm以下の距離にし、かつ、5mm/sec以上の温風を吐出しないと効果が得られないことがわかった。
しかしながら、温風の温度が高すぎる、または、ブロアー107吐出口の高さがスクリーン104と近すぎる場合には、紫外線硬化樹脂103の温度が上がりすぎて、樹脂が変質したり、樹脂層108の厚みにばらつきがでるようになる。このため、ブロアー107の吐出口での温風温度は、200度以下であり、ブロアー107吐出口の高さがスクリーン104と20mm以上離れていることが好ましい。また、温風の風力が大きすぎると、樹脂層108の表面を逆に荒らしてしまうため、300mm/sec以下の温風であることが好ましい。
本実施の形態では、塗布後の樹脂層108の表面から、200mm離れた位置にブロアー107の吐出口を設け、100度の温風を10mm/secで噴出した。
なお、本実施例では、ブロアー107をスクリーン104の上方に設置したが、同様の効果が得られれば、設置場所は問わない。スクリーン104と信号基板105の間から噴射した場合も、高い効果が得られると類推される。
また、樹脂中の泡の混入を低減するには、あらかじめ樹脂を金属製のドラム容器等に入れ、ロータリーポンプなどで真空に保持し、脱泡することが有効である。真空の放置時間などは、樹脂の材料、粘度、樹脂の量にもよるが、樹脂中の泡を大幅に低減することができる。
これらの工程により、高速で且つ高精度・均一な厚みの紫外線硬化樹脂の樹脂層110を形成することができる(図1C参照)。
これで、信号基板への樹脂の塗布工程が終了し、テーブル106から信号基板105を取り出し、新たな信号基板105をテーブル106に固定する。スクリーン印刷工程では、信号基板105を入れ替え、スクリーン104上の紫外線硬化樹脂103をスキージ101により、摺動させる工程を繰り返すことによって、複数の製品を製造できる。たとえば、図中の樹脂を紙面上、左から右にスキージ101で摺動させることによって、次の信号基板105への樹脂層形成のタクト時間を短縮することも可能である。
図8は本発明の実施の形態における樹脂への信号転写工程の一例を示す断面図である。紫外線硬化樹脂103の形成が完了した信号基板105は、次に真空槽801の中に搬送される。このとき同時に信号転写基板802についても真空槽801の中に搬送される。信号転写基板802は、紫外線硬化樹脂103との剥離性が良好な材料であるポリオレフィン材料を用いており、厚みが0.6mmに形成されている。厚みが1.1mmの基板の信号基板105から信号転写基板802を剥離する際に、基板の厚みが異なることによる剛性の差を利用し、反らせて剥離することを目的としたものである。ポリオレフィン材料は、信号基板105の成形時と同様に従来のスタンパを用いて、射出圧縮成形等の樹脂成形で片面に凹凸で形成されたピットや案内溝などの情報面を容易に作製できる材料である。また紫外線を透過する特性も有しており、信号転写基板802を通して紫外線照射することにより紫外線硬化樹脂103を効率良く硬化させることができるという特徴を持っている。基板の中心部には、信号基板105とセンターボスを介して偏芯をとるための中心穴が設けられている(図8A参照)。真空槽901内は、ロータリーポンプやメカニカルブースターポンプなどの真空ポンプ803などによって排気され、短時間で真空雰囲気となる。本実施の形態においては、真空槽801内が100Pa以下の真空度に達したときに、信号転写基板802を信号基板105上に重ね合わせている。このとき、信号転写基板802の上部に設置されている加圧プレート904が信号転写基板802を加圧することによって紫外線硬化樹脂103に信号転写基板802に形成されている信号が転写される。真空槽801内が真空雰囲気であることから、紫外線硬化樹脂103と信号転写基板802の間には気泡が混入することなく貼り合せることが可能となる(図8B参照)。貼り合わされた信号基板105と信号転写基板802は真空層801から取り出され、信号転写基板802の上部に配置されている紫外線照射装置805によって紫外線が照射され、信号転写基板802を介して全面を照射することにより紫外線硬化樹脂103が硬化される。次いで、紫外線硬化樹脂103と信号転写基板802の界面から信号転写基板802を剥離するために、信号転写基板802と紫外線硬化樹脂信号103の間に圧縮エアーを吹き込む。上記方法により転写された樹脂層806が形成される。
樹脂層806が形成された基板上への薄膜層及び樹脂層の積層は、第1薄膜層602と同様にスパッタリング等の方法による薄膜層の形成と、上記で説明した樹脂の塗布工程、樹脂への信号転写工程を繰り返し実施することにより4つの信号面を信号基板105の上に積層した。また、再生面である透明層609の形成は記録再生光に対してほぼ透明(透過性を有する)なアクリルを主成分とした紫外線硬化樹脂を使用し、第4薄膜層608の上に孔版を通過させて塗布することによって形成されている。透明層609の厚みは透明層の表面から信号基板105の情報記録層までの厚みが記録再生ヘッドの球面収差が厚い側で補正可能な範囲である100μm程度となるように間に挟まれる樹脂層の厚みに応じて選定・形成される。例えば、形成される樹脂層の厚みが、9.5um、13.5um、17.5umの場合は、透明層609の厚み=100μm−9.5μm−13.5um−17.5um=59.5μmとなるように選定している。また、樹脂層の厚さが全て10μmの場合は、透明層609の厚み=100μm−10μm×3層=70μmとなるように選定している。このとき、紫外線硬化樹脂で形成された各々の樹脂層の外径を第1信号基板105の外径よりも小さく形成し、また内径を信号基板105の内径よりも大きく形成しているので、透明層609の形成はその領域よりも大きくすることにより、紫外線硬化樹脂で形成された各々の樹脂層は紫外線硬化樹脂と信号基板105の間に包まれた構造となる。透明層609の紫外線硬化樹脂と信号基板105のポリカーボネイト材料は、紫外線硬化樹脂の硬化前後でも接着性が高いことが知られており、媒体の端面でポリカーボネイト製の基板と紫外線硬化樹脂でできた透明層が接着されることにより各樹脂層は密閉され、各々の樹脂層や薄膜層からの剥離を防ぐことができる。
上記においては、信号基板上にスクリーンを用いて樹脂層を形成した後に信号転写基板を重ね合わせることで樹脂層表面に対して信号を転写する方法について説明したが、例えば、信号基板上にスクリーンを用いて樹脂層を形成したときに樹脂層の厚みが、樹脂の粘度が低い場合などの理由により所望の厚みよりも薄く形成される場合、予め信号転写基板に対してスクリーンを用いた樹脂の塗布を行っておくことでも上記と同様の効果を実現できる。
第1信号基板上の樹脂層と信号転写基板上の樹脂層が対面するように貼り合せ、互いの樹脂が真空雰囲気中で密着した後に、信号転写基板を介して紫外線を照射し、両樹脂層を一度に硬化させることによって各樹脂層の厚みを足し合わせた厚みを持つ樹脂層を形成することができる。
上記のような工程を経ることで、4つの層を有する光記録媒体を作成することができるが、比較例として、製造途中に、ブロアー107からの温風送風を行わずに、信号転写基板との貼り合せ工程を行い、樹脂層の転写を行った。
比較例として製造した工程を図9を用いて説明する。図中で、図9Aは印刷前の状態、図9Bは印刷中の状態、図9Cは印刷後の状態を示す断面図である。また、図中の記号はそれぞれ、901はスキージを、902は版枠を、903は紫外線硬化樹脂を、904はスクリーンを、905は信号基板を、906はテーブルを、907は形成された樹脂層をそれぞれ表している。基本的な工程は、本実施の形態と同様であるが、印刷中にブロアーによる温風送風を行わない。このようにして得られた樹脂層907の表面には気泡や、気泡が弾けた跡に形成される凹凸が残留する。この状態では、樹脂層907は液体のため、表面粗さを定量的に計測することが困難であり、放置時間によって気泡の数や表面粗さが変化すため、ここでの定量的な気泡の検査比較は行わず、次の工程へと進んだ。
樹脂層907に信号を転写する工程は、図8で説明したものと全く同様のため、ここでは説明を省略する。比較例の場合は、樹脂層907形成時に表面形状が悪化しており、気泡も発生していたため、信号転写基板を剥離すると多数の欠陥が観測された。原因としては、転写基板と樹脂層の間に気泡が介在するために、樹脂層と信号転写基板が密着していない箇所が存在したためと考えられる。
本実施の形態によれば、スキージがスクリーンを摺動する際に、スクリーンの上方から温風を送ることによって、信号基板上に形成する樹脂層の表面性を良好に保つことができる。また、この表面性の向上により、信号転写基板を樹脂上に貼り合せる工程での歩留まりを大幅に向上させることができる。
上記効果により、良好な多層情報記録媒体を実現することができ、生産性を向上することができた。本実施の形態においては、4層の光情報記録媒体を例にとって説明したが、第1信号基板と各々の樹脂層の厚み、透明層の厚みを調整することにより、2層以上の多層構造の情報記録媒体を実現することが出来る。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1を用いて、大量に多層記録媒体を製造する場合の製造設備及び方法を記述する。
図10は本発明の実施の形態2における印刷装置を示す断面図である。図10Aが印刷前の製造装置の断面図、図11Bが印刷中の製造装置の断面図、図10Cが印刷後の製造装置の断面図を示す。図中で、1001はスキージ、1002は版枠、1003は紫外線硬化樹脂、1004はスクリーン、1005は信号基板、1006はテーブル、1007はブロアー、1008は塗布後の樹脂層、1009は樹脂除去領域、1010は樹脂余剰分の樹脂受けを表す。
工程の中の信号基板1005の保持、スキージ1001の摺動機構は、実施の形態1と同様であるが、本実施の形態では、複数のディスク上に樹脂を塗布する場合にでも、樹脂の厚み及び表面形状のばらつきが小さくなるように、樹脂除去領域1009をスクリーン1004上に設けた。また、樹脂除去領域1009から、降下される樹脂を回収する目的で、樹脂余剰分の樹脂受け1010を設置した。
通常のスクリーン印刷では、スクレッパー(図示せず)と呼ばれる治具を用いて、スクリーン上の樹脂を移動させ、スキージの摺動動作を繰り返すことにより、複数のサンプルに印刷を行う。
しかしながら、本実施の形態で用いる紫外線硬化樹脂1003は複数回スクリーン1004上を移動することにより、紫外線硬化樹脂1003中に気泡や異物を取り込む、及び、紫外線硬化樹脂1003の特性が変化してしまう。気泡の混入は大気圧で、印刷を行う限り、取り除くことができない課題であり、異物の混入は、極めてクリーン度の高い環境設備が必要になる。また、紫外線硬化樹脂1003の特性の変質は、材料によるところも大きいが、揮発性の樹脂が混入している場合は、大気に複数回にわたってさらされることにより、この成分が蒸発し、粘性が変化することが容易に想定できる。
本実施の形態では、上記の課題を克服するために、一度印刷工程が終了するたびに、紫外線硬化樹脂1003を供給することで、気泡及び異物の混入、紫外線硬化樹脂1003の特性の変化を抑制することができる。この結果、得られる多層記録媒体の層間の樹脂中に欠陥が存在する確率が極めて小さくなるほか、層の厚みを一定に制御することが可能になり、生産効率を向上させることができる。
また、樹脂余剰分の樹脂受け1010に貯蔵された樹脂は、リサイクル機構を経て再利用することが好ましい。スクリーン1004上に供給された樹脂中は、スクリーン上を摺動したり、大気に長時間さらされることにより、気泡や異物が混入している可能性が高い。樹脂中に気泡や異物が混入すると、信号基板1005に記録する情報を誤って記録、再生してしまうため、樹脂中の気泡や異物は取り除いておかなければならない。
ここでいうリサイクル機構とは、異物を取り除くためフィルターを通す、または、気泡を取り除くために真空中で保持、または、遠心力による気泡除去、または、超音波をかけることにより気泡を浮き上がらせ、破泡させる等の手法が有効である。本実施例では、樹脂を、カートリッジフィルター10μmに通し、不純物を除去した後、遠心脱泡機により気泡を除去した。
上記のリサイクル機構を経て、不純物の無い紫外線硬化樹脂を得て、再度スクリーン1004上に供給することで、紫外線硬化樹脂1003の有効使用率を高めることが可能である。
なお、樹脂の余剰分の除去領域1009は、より表面積が広いほど、効率良く樹脂を回収できるが、本発明の目的を達するものであれば、形状は任意であり、樹脂余剰分の樹脂受け1010の形状もまた、同様である。
本実施の形態では、5000枚連続してサンプルを作製し、全てのサンプルの塗布後の樹脂層の厚みを測定した結果、厚みのばらつきは厚みの絶対値に対して±5%以内に収めることができた。なお、多層記録媒体の中間層の厚み分布が中間層の厚みの絶対値に対して±5%以内であれば、多層記録媒体の再生装置を用いて、正確な信号を再生するためのマージンが確保できる。よって、本実施例の印刷装置を用いれば、
(1)樹脂層の形成に印刷を用いることにより早いタクトでサンプルを作成することができる
(2)印刷時に温風を噴射することにより、塗布後の樹脂表面形状を均質化することができる
(3)印刷ごとに樹脂を供給することにより、樹脂中の気泡や異物の混入を防ぎ、樹脂の粘度の変化を小さくすることができる
の3項目が実現できるため、高い生産性を得ることができる。
なお、本実施例の塗布後の工程は、実施の形態1と同様の手段により、樹脂層上に転写すべき形状の凹凸が反転した転写基板を貼り合せ、紫外線を照射した後、転写基板を剥がすことにより、樹脂層上に所望の凹凸を得ることができる。
なお、この転写基板は複数回再利用することができる。転写基板を再利用することにより、転写基板の材料費を削減することができる。
なお、転写基板上に樹脂を形成した後に、記録層上に貼り合せ、同サンプルを得ることも可能である。
本発明にかかる多層記録媒体及びその製造方法は、欠陥が少ない多層記録媒体を高速で製造することが可能であり、正確に大容量情報を再生可能な多層記録媒体、均一に液状の樹脂を塗布する手段等として有用である。また、大容量メモリーの製造等の用途にも応用できる。
本発明の実施の形態における樹脂の塗布工程の一例を示す断面図 従来の多層情報記録媒体の断面図 従来の多層情報記録媒体の製造方法を示した断面図 スクリーン印刷による多層情報記録媒体の製造方法を示した断面図 多層情報記録媒体の製造方法を示した断面図 本発明の実施の形態における多層情報記録媒体の断面図 記録膜の構成について示した断面図 発明の実施の形態における樹脂への信号転写工程の一例を示す断面図 スクリーン印刷による多層情報記録媒体の製造方法比較例の断面図 本発明の第2の実施の形態における樹脂の塗布工程の一例を示す断面図
符号の説明
101 スキージ
102 版枠
103 紫外線硬化樹脂
104 スクリーン
105 信号基板
106 テーブル
107 ブロアー
108 樹脂層

Claims (12)

  1. 2つ以上の情報記録層を有し、前記情報記録層の間には樹脂層が形成されている多層情報記録媒体の製造方法であって、前記樹脂層の形成方法は、被印刷物を印刷テーブルの所定位置に設置し、スクリーン版の上に液体状の樹脂をのせ、前記スクリーン版の表面をスキージが摺動することにより、前記液体状の樹脂を被印刷物へ塗布するスクリーン印刷方法において、
    前記スキージが前記スクリーン版表面を摺動し、前記液体状の樹脂が被印刷物へ塗布されると同時に、塗布された前記液体状の樹脂の表面に、温風をあてることを特徴とする多層情報記録媒体の製造方法。
  2. 前記温風を吐出するブロアーの送風口は、前記塗布された液体状の樹脂表面よりも20mm以上300mm以下の距離に設けられ、かつ、前記送風口から噴出される温風の風速は5mm/s以上30mm/s以下であることを特徴とする請求項1に記載の多層情報記録媒体の製造方法。
  3. 前記ブロアーの送風口での、温風の温度が50〜200℃であることを特徴とする請求項1に記載の多層情報記録媒体の製造方法。
  4. 前記ブロアーの送風口が、前記スクリーンより上方にあることを特徴とする請求項1に記載の多層情報記録媒体の製造方法。
  5. 前記被印刷物へのスクリーン印刷が1回終了するごとに、前記樹脂をスクリーン上に供給することを特徴とする請求項1に記載の多層情報記録媒体の製造方法。
  6. 前記スクリーンは、樹脂層形成領域以外に樹脂が前記スクリーンを通過できる樹脂除去領域を有し、少なくとも前記樹脂除去領域を通過した樹脂を回収する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の多層情報記録媒体の製造方法。
  7. 前記樹脂除去領域を通過した樹脂は、
    回収手段によって回収される工程と、
    樹脂タンクによって蓄積される工程と、
    リサイクルプロセスに注入されリサイクル処理される工程と、
    の一連の工程を経て、再度スクリーン上に塗布されることを特徴とする請求項1に記載の多層情報記録媒体の製造方法。
  8. 前記液体状の樹脂が光硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の多層情報記録媒体の製造方法。
  9. 前記液体状の樹脂が紫外線硬化性樹脂であることを特徴とする請求項8に記載の多層情報記録媒体の製造方法。
  10. 2つ以上の情報記録層を有し、前記情報記録層の間には樹脂層が形成されている多層情報記録媒体の製造装置であって、前記樹脂層の形成方法は被印刷物を印刷テーブルの所定位置に設置し、スクリーン版表面をスキージが摺動することにより、スクリーン上の液体状の樹脂を被印刷物へ塗布するスクリーン印刷装置において、
    前記スキージが前記スクリーン版表面を摺動する際に、塗布された前記液体状の樹脂の表面へ温風をあてることを特徴とする多層情報記録媒体の製造装置。
  11. 前記製造装置は、少なくとも、
    前記被印刷物に塗布されずに樹脂除去領域を通過した樹脂を回収する手段と、
    回収した前記樹脂を溜めるための樹脂タンクと、
    前記樹脂タンクに溜めた樹脂をリサイクルするためのリサイクル手段と、
    前記リサイクル手段により浄化された樹脂も、スクリーン上へ供給することが可能な樹脂供給手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項10に記載の多層情報記録媒体の製造装置。
  12. 請求項1に記載の製造方法で作成された多層情報記録媒体。
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