明 細 書
重合体組成物の製造方法および重合体組成物
関連出願
[0001] 本出願は、曰本国特願 2005— 225660及び曰本国特願 2005— 378781を基礎 とするパリ優先権主張出願を伴ったものであり、これら特許出願の内容は本願明細書 の内容をなす。
技術分野
[0002] 本発明は、重合体組成物の製造方法および重合体組成物に関するものである。さ らに詳しくは、本発明の第一の態様は、溶媒に対する溶解性が高い重合体組成物の 製造方法および重合体組成物に関するものである。本発明の第二の態様は、インキ 用組成物の構成成分として好適な、優れた相溶性を有する重合体組成物の製造方 法に関するものである。
背景技術
[0003] 本発明の第一の餱様
重合体組成物は、従来より種々の分野において用いられており、例えばインキ組成 物におけるバインダー榭脂として従来力も広く用いられている。インキ用組成物は、 通常、顔料、バインダー榭脂、添加剤、溶媒等から構成されている。
[0004] インキ組成物のバインダー榭脂には、インキ組成物の調製およびその塗布作業が 良好に行われるようにするために、溶媒に対する十分な溶解性や、顔料等との親和 性、および乾燥硬化させて塗膜を形成した後の耐久性等が要求されて 、る。
[0005] インキ組成物として優れた性能を発揮させるためには、これらの構成成分の相溶性 を制御することが極めて重要である。例えば、バインダー榭脂と溶媒との相溶性が良 好でない場合には、高濃度のインキ組成物を調製することが困難であったり、インキ 組成物の調製を効率的に行えな力つたり、塗布作業な 、し乾燥硬化に時間がかかつ たり、十分な耐久性を備えた塗膜を形成させるのが難しい、等の問題が発生する場 合があった。
[0006] インキ糸且成物のバインダー榭脂として従来力も広く用いられているものとしては、ァ
クリル系榭脂を挙げることができる。アクリル系榭脂は、重合させるアクリル系モノマー の種類や組成、分子量を変えることによって物性の変更等が容易であるため、インキ 用のバインダー榭脂として好適に用いられて 、る。
[0007] そのようなアクリル系モノマーを重合してバインダー榭脂を製造する方法としては、 通常、ラジカル重合反応が用いられている。特にラジカル重合開始剤の存在下に溶 媒中にてモノマーの重合を行う溶液重合法は、重合反応終了後、榭脂溶液をそのま ま用いることができるため、溶剤系インキ用バインダー榭脂の製造方法として工業的 に実施されている。
[0008] インキ組成物を調製する際にはバインダー榭脂を溶媒に溶解させるが、バインダー 榭脂として好んで使用されているアクリル系榭脂は、インキ用組成物の溶媒として一 般的なアルキルエステルやポリアルキレングリコールアルキルエーテル等には溶解し にく 、う問題点があった。
[0009] そこで、アクリル系榭脂の溶解性を向上させる技術として、アクリル系モノマーとして アクリル酸またはメタクリル酸のダリコールモノエステルを用いる方法 (例えば、特公平 6— 4810号公報)、特定の有機珪素化合物を共重合モノマーとして用いる方法 (特 開 2000— 313725号公報)、榭脂の低分子量ィ匕によって溶解性向上させる技術 (例 えば、特許第 2727398号公報)等が提案されている。
[0010] 上記各方法は、アクリル系榭脂の溶解性向上技術として有用なものと認められる。
しかし、本発明者が知る限りでは、上記方法で溶解性を向上させた榭脂をインキのバ インダ一として利用した場合、印字物の物性、例えば乾燥性、耐久性が不十分であ ることが多ぐ従って、榭脂の溶解性の向上ならびに印字物の物性の向上が一層求 められている。
[0011] 耐擦過性等に優れ、塗膜強度が高いインキ組成物は、ガラス転移点 (Tg)が高い バインダー榭脂を用いることによって得ることができる。しかし、そのような Tgが高い 榭脂は、一般に溶媒との相溶性が非常に悪くて、溶媒、特にインキ組成物用溶媒、 に溶解させることが非常に難し力つた。
[0012] このように、溶媒への溶解性が優れた重合体組成物、特に Tgが高 ヽ榭脂組成物、 を得ることは難しカゝつた。そして、このことから、そのような溶解性が優れた重合体組
成物をバインダー榭脂として用いてなる耐久性に優れた塗膜を形成可能なインキ組 成物も、得られていな力つた。
[0013] 本発明の第二の餱様
重合体組成物は、従来より種々の分野において用いられており、例えばインキ用組 成物におけるバインダー榭脂として従来力も広く用いられて 、る。
[0014] インキ用組成物は、通常、顔料、バインダー榭脂、溶剤を必須成分とし、これらと必 要に応じて用いられた例えば顔料分散剤等の助剤カゝら構成されて 、る。インキ組成 物として優れた性能を発揮させるためには、これらの構成成分の相溶性や親和性を 制御することがきわめて重要である。例えば、顔料とバインダー榭脂との親和性が良 好でない場合には、インキの保存安定性が悪くなり、安定した物性のインキを作製す ることができなくなる。
[0015] そこで、従来、顔料をインキ用組成物中に安定的に分散させるために、顔料分散剤 を、インキ用組成物を調製する際に、顔料やバインダー榭脂等のインキ用組成物の 他の構成成分と混合することが行われている。そのような顔料分散剤としては、顔料 に親和性を持つ顔料吸着部分と、バインダー榭脂と相互作用する部分とで構成され たものが広く用いられている。顔料分散剤のバインダー榭脂と相互作用する部分は、 一般にポリエステル基や炭化水素基で構成されているが、バインダー榭脂に例えば アクリル系榭脂を用いた場合、顔料分散剤との相溶性が悪ぐインキにした場合に十 分な性能が得られないことがしばしばあった。
[0016] ビュル重合体との相互作用を向上させた分散剤の例として、特開 2004— 344795 号公報にビュル重合体グラフトポリエチレンィミンの合成方法について開示されてい る。しかし、ビュル重合体グラフトポリエチレンイミンは合成工程が多ぐ合成条件によ つてゲルィ匕を起こすなどするために汎用性が乏し力つた。
[0017] そして、依然として、顔料分散剤とアクリル系榭脂との相溶性を容易に改善できる方 法が求められている。
発明の開示
[0018] 本発明の第一の餱様
本発明の第一の態様は、溶媒に対する溶解性が高!、重合体組成物の製造方法お
よび重合体組成物を提供するものである。このような本発明によれば、ラジカル重合 性モノマーを特定の溶媒中にお 、て重合させることにより、同ラジカル重合性モノマ 一から生成された従来の重合体に比べて溶媒に対する溶解性が著しく向上している 。従って、本発明は、溶解性が不良であるためにインキ用バインダーに使用できなか つた榭脂を溶解可能にするための、榭脂の改良方法もしくは榭脂の変性方法として 捉えることも可會である。
本発明者は、鋭意検討した結果、以下の手段によって上記課題が解決されることを 見出した。
すなわち、本発明による重合体組成物の製造方法は、ラジカル重合性モノマーを、 下記の式(1)または(2)で示される化合物を含んでなる溶媒中にお!、て、ラジカル重 合開始剤の共存下で重合させるものである。
[化 1]
Y
^-(-X1— CH— R2-)— X2— R3 式 ( 1 )
〔式中、 R1および R3は、それぞれ独立して、水素または 1価の炭化水素基を示し、 R2 および R4は、それぞれ独立して、 2価の炭化水素基を示し、必要に応じて R2は、 nil. を示し、 Yは、水素、 1価の炭化水素基またはヒドロキシアルキル基を示す。 mは 0ま たは 1の整数を示し、 nは 1〜10の整数を示す。また、 X1および X2は、それぞれ独立 して、下記のいずれかの 2価の置換基を示す。下記において、 R5および R6は、それ ぞれ独立して、水素、 1価の炭化水素基またはヒドロキシアルキル基を示す。〕
[0020] このような本発明による重合体組成物の製造方法は、好ま 、態様として、前記の R1および R3が、水素または炭素数 1〜6のアルキル基であり、前記の R2および R4が、 炭素数 1〜6のアルキレン基であり、 Y力 水素、炭素数 1〜6のアルキル基または炭 素数 1〜6のヒドロキシアルキル基であり、 nが 1〜6であり、 R5および R6が、水素、炭 素数 1〜6のアルキル基または炭素数 1〜6のヒドロキシアルキル基であるもの、を包 含する。
[0021] このような本発明による重合体組成物の製造方法は、好ましい態様として、前記の ラジカル重合開始剤力 ハイド口パーオキサイド系、ジアルキルパーオキサイド系、パ 一ォキシエステル系、ジァシルバーオキサイド系、パーォキシカ OCHーボネート系、パー ォキシケタール系、ケトンパーオキサイド系有機過酸ィ匕物から選ばれる 1種または 2 種以上からなるもの、を包含する。
OOSHH
[0022] そして、本発明による重合体組成物は、下記の重合体 (A): OoSHn
[化 3]
S+M H (A)
〔式中、 Sは溶媒由来成分を示し、(M) は、ラジカル重合性モノマー単位 M力もなる
P
重合部分を示す。 pは任意の整数を示す。〕
を含むものである。
[0023] 発明の効巣
本発明によれば、溶解性が高い重合体を得ることができる。従って、榭脂設計にお いて、本来溶解しにくかった難溶性榭脂を、所望の溶媒に溶解させることができるよう になるため、溶解性を懸念することなく設計が可能となる。
[0024] さらに、本発明の製造方法を、例えばメチルメタタリレートホモポリマーなど高 Tgの
榭脂の製造に適応した場合、従来の、共重合ゃ榭脂の低分子量化により溶解性を 向上させる方法では得ることのできな力つた塗膜強度が得られる。このことにより、本 発明による榭脂組成物をインキのバインダーに使用した場合、インキ要求物性、例え ば乾燥性、耐擦過性等を向上させることができる。
[0025] 産業十.の利用可能件
本発明によって得られた重合体組成物は、例えば印刷インキ用およびこれらのコー ティング用のバインダー榭脂、塗料およびこれらのコーティング用のバインダー榭脂、 フォトレジスト、カラーレジスト、ブラックマトリクス等のバインダー榭脂、接着剤用榭脂 等のの各利用分野に加えて、本発明による重合体組成物を単独で、あるいは必要に 応じて他の有機材料または無機材料と共に、本発明による重合体組成物を溶媒中 に溶解ないし混合することがある各種の分野、及びこの溶解物を利用する分野、並 びにこれに関連した分野等の広範な分野において利用可能なものである。
[0026] 本発明の第二の餱様
本発明の第二の態様は、インキ用組成物の構成成分として好適な、優れた相溶性 を有する重合体組成物の製造方法を提供することを課題とし、この課題は、ラジカル 重合性モノマーの重合を特定の条件下に行うことによって解決するものである。
[0027] したがって、本発明による重合体組成物の製造方法は、ラジカル重合性モノマーを 、顔料分散剤または顔料分散剤を含有する溶液中で、ラジカル重合開始剤の共存 下で重合させるものである。
[0028] このような本発明による重合体組成物の製造方法は、好ま 、態様として、前記の 顔料分散剤が、 O 、 一 COO 、 一 NR7 、 一 NR8CO または一 NR9COO— 基〔ここで、 R7、 R8および R9は、それぞれ独立して、水素または炭素数 1〜20の 1価 の炭化水素基または炭素数 1〜20の 1価のヒドロキシアルキル基を示す〕に隣接する 炭素原子に水素原子が結合しているウレタン系分散剤、ポリアミン系分散剤または側 鎖に 4級アンモ-ゥム塩基を有する Aブロックと 4級アンモ-ゥム塩基を有さない ブ ロックと力 なる A—Bブロック共重合体および (または) B—A—Bブロック共重合体 であるもの、を包含する。
[0029] このような本発明による重合体組成物の製造方法は、好ま 、態様として、前記の
ラジカル重合開始剤力 ハイド口パーオキサイド系、ジアルキルパーオキサイド系、パ 一ォキシエステル系、ジァシルバーオキサイド系、パーォキシカーボネート系、パー ォキシケタール系、ケトンパーオキサイド系有機過酸ィ匕物から選ばれる 1種類または 2種類以上力 なるもの、を包含する。
このような本発明による重合体組成物の製造方法は、好ま 、態様として、溶媒とし て、下記の式(1)または(2)で示される化合物を用いるものである。
[化 4]
〔式中、 R1および R3は、それぞれ独立して、水素または 1価の炭化水素基を示し、 R2 および R4は、それぞれ独立して、 2価の炭化水素基を示し、必要に応じて R2は、 nil. を示し、 Yは、水素、 1価の炭化水素基またはヒドロキシアルキル基を示す。 mは 0ま たは 1の整数を示し、 nは 1〜10の整数を示す。また、 X1および X2は、それぞれ独立 して、下記のいずれかの 2価の置換基を示す。下記において、 R5および R6は oos==、それ
OOSHH
ぞれ独立して、水素、 1価の炭化水素基またはヒドロキシアルキル基を示す。〕
[化 5]
本発明によれば、優れた相溶性を有する重合体組成物を得ることができる。従って 、本発明によれば、従来相溶性が悪いためにインキに使用できなカゝつた顔料分散剤 とアクリル系バインダー榭脂の組合せにぉ 、て、相溶性を改善させることができるた
め、自由なインキ設計が可能となる。
[0032] このように、本発明によれば各構成成分の相溶性が良好なインキ用組成物を調製 可能な重合体組成物が得られるので、インキの経時安定性が向上しており、かつ良 好な塗膜物性を示す塗膜を形成可能なインキ用組成物を提供できる。特に、本発明 によれば、相溶性が十分でないことから従来使用が困難とされてきたガラス転移温度 (Tg)が高い榭脂であってもインキ組成物の構成成分として使用可能になり、そして そのような榭脂であっても良好な相溶性が得られるので、これらの相乗的効果により 塗膜強度が著しく向上した塗膜を容易に得ることができる。そして、印刷面の光沢も 顕著に向上する。
[0033] 産奪ト.の禾 , Γ亩
本発明によって得られた重合体組成物は、例えば印刷インキ用およびこれらのコー ティング用のバインダー榭脂、塗料およびこれらのコーティング用のバインダー榭脂、 フォトレジスト、カラーレジスト、ブラックマトリクス等のバインダー榭脂、接着剤用榭脂 等のの各利用分野に加えて、本発明による重合体組成物を単独で、あるいは必要に 応じて他の有機材料または無機材料と共に本発明による重合体組成物を溶媒中に 溶解ないし混合することがある各種の分野、及びこの溶解物を利用する分野、並び にこれに関連した分野等の広範な分野において利用可能なものである。
図面の簡単な説明
[0034] [図 1]図 1は、実施例 A1により得られた重合体 1を、レーザーイオン化飛行時間型質 量分析装置によって測定したときのデータを示す。
[図 2]図 2は、実施例 Α2により得られた重合体 2を、レーザーイオン化飛行時間型質 量分析装置によって測定したときのデータを示す。
[図 3]図 3は、実施例 Α6により得られた重合体 6を、レーザーイオン化飛行時間型質 量分析装置によって測定したときのデータを示す。
発明の具体的な説明
[0035] <定義 >
1)「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」および「メタクリル」の両者を意味するものである 。同様に、「(メタ)アタリレート」とは、「アタリレート」および「メタタリレート」の両者を意
味する。
2)「2価の炭化水素基」又は「2価の置換基」は 2本鎖 (一の鎖と他の鎖)を有する為 、一の鎖と他の鎖のいずれもが他の基と結合することができる。よって、本発明にお いて、「2価の炭化水素基」又は「2価の置換基」は、その例示された 2価の基 (例えば 、—AB )とそれを 180度回転した基 (例えば、—BA-)の両者を包含するものであ る。
3)「nil.」とは、該当する基が存在しないことを意味する。具体的には、本発明にお いて、 R2および X2が「nil.」を示すことがある力 この場合、 R2および X2は存在しない ことを意味する。
[0036] 本発明の第一の餱様
本発明の第一の態様による重合体の製造方法について以下詳細に説明する。 <ラジカル重合性モノマー >
本発明におけるラジカル重合性モノマーとしては、ラジカル重合可能なエチレン性 二重結合を分子中に少なくとも一個有し、後述する溶媒中においてラジカル重合開 始剤の共存下で重合可能なものであれば各種のモノマーを用いることができる。
[0037] そのようなラジカル重合性モノマーとしては、例えば、(ィ)スチレン、
(口)スチレンのひ—、。一、 m—、 p アルキル、ニトロ、シァ入アミド、エステル誘導 体、
(ハ)(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ェチル、(メタ)アタリ ル酸— n—プロピル、(メタ)アクリル酸— iso プロピル、(メタ)アクリル酸— n—ブチ ル、(メタ)アクリル酸— sec ブチル、(メタ)アクリル酸— iso ブチル、(メタ)アクリル 酸—tert ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ) アクリル酸へキシル、(メタ)アクリル酸 2—ェチルへキシル、(メタ)アクリル酸ォクチ ル、(メタ)アクリル酸— iso—ォクチル、(メタ)アクリル酸ノエル、(メタ)アクリル酸— iso ノエル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ス テアリル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロへキシル、(メタ)ァ クリル酸 2—メチルシクロへキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタ-ル、(メタ)ァク リル酸ジシクロペンテ-ルォキシェチル、(メタ)アクリル酸ジシクロへキシル、(メタ)ァ
クリル酸イソボル-ル、(メタ)アクリル酸ァダマンチル、(メタ)アクリル酸ァリル、(メタ) アクリル酸プロパギル、(メタ)アクリル酸フエ-ル、(メタ)アクリル酸ナフチル、(メタ)ァ クリル酸アントラセ-ル、(メタ)アクリル酸アントラ-ノエル、(メタ)アクリル酸ピぺ口- ル、(メタ)アクリル酸サリチル、(メタ)アクリル酸フリル、(メタ)アクリル酸フルフリル、( メタ)アクリル酸テトラヒドロフリル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アタリ ル酸ビラ-ル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フヱネチル、(メタ)アクリル 酸クレジル、(メタ)アクリル酸グリシジル、 4—ヒドロキシブチル (メタ)アタリレートグリシ ジルエーテル、(メタ)アクリル酸— 3, 4—エポキシシクロへキシルメチル、(メタ)アタリ ル酸— 3, 4 エポキシシクロへキシルェチル、(メタ)アクリル酸— 1, 1, 1 トリフル ォロェチル、(メタ)アクリル酸パーフルオルェチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロー n—プロピル、(メタ)アクリル酸パーフルオロー iso プロピル、(メタ)アクリル酸ヘプタ デカフルォロデシル、(メタ)アクリル酸トリフ -ルメチル、(メタ)アクリル酸タミル、(メ タ)アクリル酸 3— (N, N ジメチルァミノ)プロピル、(メタ)アクリル酸— 2 ヒドロキシ ェチル、(メタ)アクリル酸— 2 ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸— 2, 3 ジヒドロ キシプロピル、(メタ)アクリル酸— 4—ヒドロキシブチル、グリセロール (メタ)アタリレー ト、(メタ)アクリル酸メトキシェチル、(メタ)アクリル酸エトキシェチル、(メタ)アクリル酸 ブトキシェチル、(メタ)アクリル酸 2—シァノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルァミノ ェチル、(メタ)アクリル酸ジェチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸トリメトキシシリルプロ ピル、(メタ)アクリル酸トリエトキシシリルプロピル、 3—メタクリロキシプロピルメチルジ 酸エステル類、
(二)(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸 N, N ジメチルアミド、(メタ)アクリル 酸 N, N ジェチルアミド、(メタ)アクリル酸 N, N—ジプロピルアミド、(メタ)アクリル 酸 N, N ジ— iso プロピルアミド、(メタ)アクリル酸ブチルアミド、(メタ)アクリル酸ス テアリルアミド、(メタ)アクリル酸シクロへキシルアミド、(メタ)アクリル酸フエ-ルアミド 、(メタ)アクリル酸ベンジルアミド、(メタ)アクリル酸アントラセ-ルアミドなどの(メタ)ァ クリル酸アミド、
(ホ)(メタ)アクリル酸ァ-リド、(メタ)アタリロイル-トリル、ァクロレイン、塩化ビュル
、塩化ビ-リデン、フッ化ビュル、フッ化ビ-リデン、 N—ビュルピロリドン、ビュルピリ ジン、 N—ビュルカルバゾール、ビュルイミダゾール、酢酸ビュルなどのビュル化合 物、
(へ) Ν—ベンジルマレイミド、 Ν—フエ-ルマレイミド、 Ν—シクロへキシルマレイミド 、 Ν—ラウリンマレイミド、 Ν— (4—ヒドキシフエ-ル)マレイミドなどのモノマレイミド、 (ト) Ν— (メタ)アタリロイルフタルイミドなどのフタルイミド、を挙げることができる。
[0038] なお、本発明では、上記で例示したラジカル重合性モノマーの一種類を単独で用 V、ることもできるし、上記で例示したラジカル重合性モノマーの二種類以上を組み合 わせて用いることも出来る。また、上記ラジカル重合性モノマーと共重合可能な他の モノマーを必要に応じて併用することができる。従って、本発明によって製造される重 合体組成物には、上記ラジカル重合性モノマーの単独重合体および共重合体、なら びにこれらと他のモノマーとの共重合体力 なるものが包含される。
[0039] <溶 媒 >
本発明にお 、て用いられる溶媒は、下記の式(1)または(2)で示される化合物から なるものである。
[化 6]
Υ
Ri X1— CH― R2+j-X2— R3 式 ( 1 )
〔式中、 R1および R3は、それぞれ独立して、水素または 1価の炭化水素基を示し、 R2 および R4は、それぞれ独立して、 2価の炭化水素基を示し、必要に応じて R2は、 nil. を示し、 Yは、水素、 1価の炭化水素基またはヒドロキシアルキル基を示す。 mは 0ま たは 1の整数を示し、 nは 1〜10の整数を示す。また、 X1および X2は、それぞれ独立 して、下記のいずれかの 2価の置換基を示す。下記において、 R5および R6は、それ ぞれ独立して、水素、 1価の炭化水素基またはヒドロキシアルキル基を示す。〕
[0040] R1および R3は、それぞれ独立して、水素または 1価の炭化水素基を示す。本発明 では、水素および炭素数 1〜12、特に炭素数 1〜6、のアルキル基が好ましい。炭素 数 1〜4のアルキル基が更に好ましい。
R2は、 2価の炭化水素基を示す。本発明では、炭素数 1〜8、特に炭素数 1〜6、の アルキレン基が好ましい。炭素数 1〜4のアルキル基が更に好ましい。また、 R2は、必 要に応じて nil.を示す。
R4は、 2価の炭化水素基を示す。本発明では、炭素数 1〜8、特に炭素数 1〜6、の アルキレン基が好ましい。炭素数 1〜4のアルキル基が更に好ましい。 m力 SOである場 合、式(2)の化合物は、 R4が存在しないものであって X2と X1とが OCH直接結合したものと なる。
Yは、水素、 1価の炭化水素基またはヒドロキシアルキル基を示す。本発明では、水
oOsnH 素、炭素数 1〜6、特に炭素数 1〜4、のアルキル基が好ましい。水素および炭素 OOSHH数 1 〜3のアルキル基が更に好ましい。
nは 1〜10の整数を示す。好ましい nは 1〜8、特に好ましい nは 1〜6、である。
[0041] X1として好ましいのは、一 O 、 一 CO— O—、 -NR5-および一 NR6— CO—で あり、特に好ましいのは、—O および—CO— O である。
X2として好ましいのは、 O 、 一 CO— O—、 -NR5-および NR6— CO—で あり、特に好ましいのは、 O—および CO— O—である。ここで、「nil.」とは、 X2 が存在しないこと意味する。従って、 X2力 S「nil.」の場合、該化合物(2)は、 R2と R4と が直接結合したもの、あるいは同時に m力 SOである場合には X1と R2とが直接結合した ものとなる。
R5は、水素、 1価の炭化水素基または 1価のヒドロキシアルキル基を示す。本発明 では、水素および炭素数 1〜8、特に炭素数 1〜6、のアルキル基またはヒドロキシァ
ルキル基が好ましぐ水素、炭素数 1〜3のアルキル基または炭素数 1〜3のヒドロキ シアルキル基が特に好ま U ヽ。
R6は、水素、 1価の炭化水素基または 1価のヒドロキシアルキル基を示す。本発明 では、水素および炭素数 1〜8、特に炭素数 1〜6、のアルキル基またはヒドロキシァ ルキル基が好ましぐ水素、炭素数 1〜3のアルキル基または炭素数 1〜3のヒドロキ シアルキル基が特に好ま U ヽ。
[0042] 本発明では、式(1)で示される化合物のみカゝらなる溶媒、式(2)で示される化合物 のみカゝらなる溶媒、上記の式(1)で示される化合物と式(2)で示される化合物との混 合溶媒、上記の式(1)で示される化合物および式(2)で示される化合物の何れか一 方あるいは両方と他の溶媒ィ匕合物(即ち、(1)および(2)の化合物以外の溶媒化合 物)とからなるもの、を用いることができる。他の溶媒ィ匕合物としては、例えばトルエン 、キシレンを挙げることができる。これらの他の溶媒化合物を併用する場合、上記の( 1)および(2)の化合物の存在量が全溶媒量 100重量%に対して少なくとも 30重量 %以上となるようにすることが好ま 、。 (1)および(2)の化合物の存在量が 30重量 %未満である場合には、本発明の効果が十分得られない場合がある。
[0043] 本発明における上記式(1)または式(2)で示される化合物としては、後で記述する 反応機構より、脱離しやすい水素を分子内に有しているものが適切である。ここで、 「 脱離しやすい水素」とは、 X1または X2に隣接する炭素原子に結合している水素であ る。 X1、 X2は、孤立電子対や Π電子を有する原子または原子団であるため、水素が 脱離した後の炭素原子を電気的に安定ィ匕するものと考えられる。
[0044] 上記式(1)または式(2)で示される化合物のうち特に好ましいものとしては、例えば
(ィ)ポリアルキレングリコール類、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール 、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなど、
(口)ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル類、例えば、エチレングリコー ノレモノメチノレエーテノレ、エチレングリコーノレモノェチノレエーテノレ、エチレングリコーノレ モノプロピノレエーテノレ、エチレングリコーノレモノブチノレエーテノレ、エチレングリコーノレ モノェチルへキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレン
グリコーノレモノェチノレエーテノレ、プロピレングリコーノレモノプロピノレエーテノレ、プロピレ ングリコーノレモノブチノレエーテノレ、ジエチレングリコーノレモノメチノレエーテノレ、ジェチ レングリコールモノェチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジ エチレングリコーノレモノブチノレエーテノレ、ジプロピレングリコーノレモノメチノレエーテノレ 、ジプロピレングリコールモノェチルエーテル、トリエチレングリコーノレモノメチノレエー テル、トリエチレングリコールモノェチルエーテル、トリエチレングリコーノレモノブチノレ エーテル、トリプロピレングリコーノレモノメチノレエーテル、トリプロピレングリコーノレモノ ェチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルなど、
(ハ)ポリアルキレングリコールジアルキルエーテル類、例えばエチレングリコールジ メチノレエーテノレ、エチレングリコーノレジェチノレエーテノレ、エチレングリコーノレジプロピ ノレエーテノレ、エチレングリコーノレジブチノレエーテノレ、エチレングリコーノレメチノレエチ ノレエーテノレ、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジェチル エーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチル エーテル、プロピレングリコールメチルェチルエーテル、ジエチレングリコーノレジメチ ノレエーテノレ、ジエチレングリコールジェチルエーテル、ジエチレングリコーノレジブチ ノレエーテノレ、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジ ブチルエーテルなど、
(二)ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、例えばエチレン グリコーノレモノメチノレエーテノレアセテート、エチレングリコーノレモノェチノレエーテノレア セテート、エチレングリコーノレモノプロピノレエーテノレアセテート、エチレングリコーノレモ ノイソプロピノレエーテノレアセテート、エチレングリコーノレモノブチノレエーテノレアセテー ト、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコーノレモノェチ ノレエーテノレアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピ レングリコーノレモノイソプロピノレエーテノレアセテート、プロピレングリコーノレモノブチノレ エーテノレアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジェチレ ングリコーノレモノェチノレエーテノレアセテート、ジエチレングリコーノレモノブチノレエーテ ルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートなど、
(ホ)アルキルエステル類、例えばブチルアセテート、 3—メトキシブチルアセテート、
へキシルアセテート、 2—ェチルへキシルアセテート、プロピオン酸ェチルエステル、 プロピオン酸プロピルエステル、乳酸ェチルエステルなど、
(へ)環状エーテル類、例えばジォキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランなど
(ト)環状アミン類、例えばモルホリン、 4一(2 ヒドロキシェチル)モルホリン、 4一(3 —ヒドロキシプロピル)モルホリン、 4—メチルモルホリンなど、
(チ)アミド類、例えば N, N ジメチルホルムアミド、 N, N ジメチルァセトアミド、 2 —ピロリドン、 N—メチル 2—ピロリドン、 N—ェチル 2—ピロリドン、 N— (2—ヒドロ キシェチル) 2 ピロリドン、力プロラタタム、 1, 3 ジメチルイミダゾリドンなど、
(リ)環状エステル類、例えば力プロラタトン、 γ—プチ口ラタトン、バレロラタトンなど
(ヌ)環状ケトン類、例えばシクロへキサノンなど、
(ル)スルホラン類、例えばテトラメチレンスルホンなど、が挙げられる。
[0045] <ラジカル重合開始剤 >
本発明で使用されるラジカル重合開始剤は、ハイド口パーオキサイド系、ジアルキ ルパーオキサイド系、パーォキシエステル系、ジァシルバーオキサイド系、パーォキ シカーボネート系、パーォキシケタール系、ケトンパーオキサイド系有機過酸化物が 良ぐ具体的には下記化合物を挙げることができる。尚、下記において、化合物名の 右肩に「 *」が付されたものは本発明にお 、て特に好ま 、ィ匕合物である。
[0046] (ィ)ハイド口パーオキサイド類、例えば t—ブチルハイド口パーオキサイド *、 1, 1, 3 , 3—テトラメチルブチルハイド口パーオキサイド *、 p—メンタンハイド口パーォキサイ ド、クメンハイド口パーオキサイド *、ジイソプロピルベンゼンハイド口パーオキサイドな ど、
(口)ジアルキルパーオキサイド類、例えばジー t—ブチルパーオキサイド *、ジー t— へキシルバーオキサイド *、 t ブチルタミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、 2, 5 ジメチルー 2, 5 ジ(t—ブチルパーォキシ)へキサン、 2, 5 ジメチルー 2, 5 ージ(t ブチルパーォキシ)へキシン 3、ジ(2 t ブチルパーォキシイソプロピ ノレ)ベンゼンなど、
(ハ)パーォキシエステル類、例えば 1, 1, 3, 3—テトラメチルブチルバ一才キシネ ォデカノ ト * a タミルパーォキシネオデカノ ト *、 t ブチルパーォキシネ ォデカノ ト *、 t キシルバーォキシネオデカノ ト *、 1ーシクロへキシルー 1 メチルェチルパーォキシネオデカノ ト *、 t ブチルパーォキシネオへプタノエ ート、 t キシルバーォキシピバレート *、 t—ブチルパーォキシピバレート *、 1, 1, 3, 3—テトラメチルブチルパーォキシ 2 ェチルへキサノエート *、 tーァミルパー ォキシ 2—ェチ キサノエ t ブチ ォキシ 2—ェチ キサノエ ート *、 t キシルバーォキシー2—ェチルへキサノエート *、 t—ブチルパーォキシ —2 ェチルへキシルモノカーボネート *、 t—ァミルパーォキシ 3, 5, 5 トリメチ ルへキサノエート、 t—ブチルパーォキシ 3, 5, 5—トリメチルへキサノエート *、 t— ブチルパーォキシアセテート *、 t ブチルパーォキシイソブチレート *、 tーブチルバ ォキシベンゾ ト *、 t ブチルパーォキシ 3—メチルベンゾ ト *、 t キ シルバーォキシベンゾ ト * ジー t—ブチルパーォキシトリメチルアジペート、ジー t ブチルパーォキシへキサヒドロテレフタレート、 t ブチルパーォキシマレイン酸、 t ブチルパーォキシラウレート *、 t—ブチルパーォキシイソプロピルモノカーボネート * t一へキシルバーォキシイソプロピルモノカーボネート *、 2, 5 ジメチノレー 2, 5— ジ(2 ェチルへキサノィルパーォキシ)へキサン *、 2, 5 ジメチルー 2, 5 ジ(3— メチルベンゾィルパーォキシ)へキサン *、 2, 5 ジメチルー 2, 5 ジ(ベンゾィルパ ーォキシ)へキサン *など、
(二)ジァシルバーオキサイド類、例えばジイソプチリルパーオキサイド、ジ(3, 5, 5 トリメチルへキサノィル)パーオキサイド *、ジラウロイルパーオキサイド *、ジベンゾ ィルパーオキサイド *、ジ(3—メチルベンゾィル)パーオキサイド *、ベンゾィル(3—メ チルベンゾィル)パーオキサイド *、ジー n オタタノィルパーオキサイド、ジステアロイ ルパーオキサイド *、ジコハク酸パーオキサイド *、ジ(4 メチルベンゾィル)パーォキ サイドなど、
(ホ)パーォキシカーボネート類、例えばジ(2—エトキシェチル)パーォキシジカー ボネート、ジー n プロピルパーォキシジカーボネート、ジイソプロピルパーォキシジ カーボネート、 t ブチルパーォキシイソプロピルカーボネート、 1, 6 ビス(tーブチ
ルパーォキシカルボ-ルォキシ)へキサン、ジ(3—メトキシブチル)パーォキシジカー ボネート、ジー sec ブチルパーォキシジカーボネート、 t ブチルパーォキシ 2—ェ チルへキシルカーボネート、ジ(2—ェチルへキシル)パーォキシジカーボネート、ジ 1 メチルヘプチルバ一才キシジカーボネート、ジ(4 tーブチルシクロへキシル) パーォキシジカーボネート *など、
(へ)パーォキシケタール類、例えば 2, 2 ジ(4, 4ージー t ブチルパーォキシシ クロへキシル)プロパン、 2, 2—ジ(t—ブチルパーォキシ)ブタン *、 1, 1ージ(tーブ チルバ一才キシ)シクロへキサン *、 1, 1ージ(t ブチルパーォキシ) 2—メチルシ クロへキサン *、 1 , 1ージ(t—ブチルパーォキシ)ー3, 3, 5 トリメチルシクロへキサ ン、 1, 1ージ(t一へキシルバーォキシ)シクロへキサン *、 1, 1ージ(t一へキシルパ 一ォキシ)—3, 3, 5—トリメチルシクロへキサン *、 n—ブチル—4, 4—ジ(t—ブチル パーォキシ)バレレート *など、
(ト)ケトンパーオキサイド類、例えばァセチルアセトンパーオキサイド、シクロへキサ ノンパーオキサイド、メチルシクロへキサノンパーオキサイドなど、が挙げられる。
[0047] 中でも、ジアルキルパーオキサイド系、パーォキシエステル系、ジァシルバーォキ サイド系有機過酸ィ匕物が好まし 、。
これらのラジカル重合開始剤は、 1種類を単独で用いても、 2種類以上を組み合わ せて用いても良い。
[0048] <重合体組成物の製造方法 >
本発明による重合体組成物の製造方法は、前記のラジカル重合性モノマーを、上 記の式(1)または(2)で示される化合物からなる溶媒中にお!、て、ラジカル重合開始 剤の共存下で重合させることからなるものである。
[0049] 本発明では、上記式(1)または(2)で示される化合物力もなる溶媒中に、(ィ)ラジ カル重合性モノマーとラジカル重合開始剤の混合物を添加する方法、(口)ラジカル 重合性モノマーを添加し、その後ラジカル重合開始剤を添加する方法が好ま 、が 、(ハ)式(1)または(2)で示される化合物力 なる溶媒中にラジカル重合開始剤を添 カロした後、ラジカル重合性モノマーを添加することもできる。
[0050] 複数種のラジカル重合性モノマー力もなるランダム、ブロックまたはグラフト共重合
体として本発明による榭脂組成物を得る場合には、上記各共重合体の製造に適する ように、ラジカル重合性モノマーの供給方法、重合工程を複数工程に分割したり、複 数の重合工程を組み合わせることができる。
[0051] 本発明において、ラジカル重合性モノマーの使用量は、溶媒中における当該ラジ カル重合性モノマーのモノマー濃度が 10〜80重量0 /0、特に 20〜60重量0 /0、となる 範囲が好ましい。モノマー濃度が 10重量%未満では、モノマーが十分に重合せずに 未反応モノマーが多くなる傾向がある。一方、 80重量%を超えると、重合時の発熱の 制御が難しぐまた、得られた重合体溶液の粘度が高くなりすぎて工業的に好ましく ない。
[0052] ラジカル重合開始剤は任意の量で使用することができる力 ラジカル重合性モノマ 一 100重量0 /0あたり、 0. 05〜25重量0 /0、好ましくは 0. 1〜20重量0 /0の範囲で添カロ するのが良い。 0. 05重量%より少ないと未反応モノマーが残り、モノマー臭や、皮膚 刺激性などの観点力も好ましくない。一方、 25重量%を超えると、反応時の発熱など の観点から、工業的に好ましくない。
[0053] 重合温度は、使用する開始剤により異なってくるが、開始剤の 1時間半減温度 ± 2 0°Cの範囲で行うのが好ましい。これより低い温度で反応を行うと、未反応の開始剤 やモノマーが多く残ったり、合成に時間が力かるため好ましくない。また、これより高い 温度で反応を行うと、開始剤の分解が速過ぎるために、モノマーが十分に反応せず 、未反応モノマーが多く残る結果となる。
[0054] 以下に本発明により榭脂の溶解性が向上する機構につ!ヽて、末端溶剤付加型榭 脂の生成反応をもとに説明するが、本発明はこの反応機構に何ら制限されるもので はない。
[0055] 通常、ラジカル重合はラジカル重合性モノマー、ラジカル重合開始剤、及び必要に 応じて連鎖移動剤を用いた方法により行われ、以下の三段階よりなる。(参考文献;「 改訂
高分子合成の化学」、(株)化学同人発行、第 2版 (1979年 1月 10日発行))
<反応機構 1 >
開 始 I → I · + I · (0
I · + M → I -M- (ii)
生 長 I Μ· + M → I -Μ-Μ· (iii)
停止 (再結合) 21 Μ· ··Μ· → I Μ· ··Μ— Μ· ··Μ— I (iv) 停止 (不均化) 21— Μ· ··Μ· → I— Μ· ··Μ— H + I— Μ· ··Μ— M (v) 〔ここで、 Iはラジカル重合開始剤を、 I ·および I 'は、ラジカル重合開始剤由来のラ
1 2
ジカルを、 Mはラジカル重合性モノマーを、 M—Mは重合体を、表す。〕
[0056] また、ラジカル重合の場合、ラジカルの置換反応である連鎖移動が、生長反応と競 争して起こることは、よく知られている。重合系に存在するすべての物質が連鎖移動 に関与するものとして挙げられる力 溶液重合の場合、以下のような、溶媒への連鎖 移動反応が停止反応に関与すると考えられて 、る。
I Μ· ··Μ· + S-H → I -Μ- --Μ-Η + S - (vi) 〔ここで、 S— Hは溶媒を、 S 'は連鎖移動反応により生成するラジカルを表す。〕 ここで生成した溶媒由来ラジカル「S ·」力 系中に存在するラジカル重合性モノマー Mと反応すると (再開始反応)、以下のような反応により、重合体 (A)が生成可能であ る。
[0057] <再開始反応 >
開 始 S ' + M → S-M- (vii)
生 長 S— Μ· + M → S -M-M- (viii)
停 止 S— Μ· ··Μ· + S -H → S-M- --M-H + S - (ix)
〔ここで、 S 'は溶媒由来ラジカルを、 Mは、ラジカル重合性モノマーを、 M〜Mは重 合体を、表す。〕
[0058] 上記 <再開始反応 >によれば、重合体 (A)の生成割合は、開始剤の種類により変 わらないはずである。し力しながら、本発明の製造方法により得られた重合体組成物 を、 MALDI TOF— MS (レーザーイオンィ匕飛行時間型質量分析装置)(島津製作 所 (株)製 AXIMA— CFR plus、マトリックス;ジチラノール、カチオン化剤; Nal) にて分析したところ、重合体 (A)の生成割合は、開始剤の種類により異なっている( 図 2、図 3)。すなわち、開始剤の種類が、重合体 (A)の生成割合に関係する別の反 応機構の存在が示唆される。
[0059] <反応機構 2>
開 始 I → I · + I · (x)
1 2
+ S— H→ ^-H + S - (xi) (溶媒分子への連鎖移動)
S - + M → S -M- (xii)
生 長 S— Μ· + M → S-M-M- (xiii)
停 止 S— Μ· ··Μ· + S -H → S-M- --M-H + S - (xiv) 〔ここで、 Iはラジカル重合開始剤を、 I 'および I 'は、ラジカル重合開始剤分解由来
1 2
のラジカルを、 S— Hは溶媒分子を、 Mはラジカル重合性モノマーを、 M〜Mは重合 体を、表す。〕
[0060] 上記の反応機構によれば、開始剤種により重合体 (A)の生成割合が変化するとい う分析結果が説明可能である。このような機構により、溶媒由来成分 Sを末端に有す る下記の重合体 (A)を含む本発明による重合体組成物が提供されると考えられる。
〔ここで、 Sは溶媒由来成分を示し、(M) はラジカル重合性モノマー単位 Mカゝらなる
P
重合部分を示す。 pは任意の整数を示す。〕
[0061] なお、本発明による重合体組成物を製造する場合、上記の重合体 (A)と共に、下 記重合体 (B)が副生することがあるが、このような重合体 (B)は本発明による重合体 組成物中に共存していても差し支えない。従って、本発明による重合体組成物は、 必須成分として重合体 (A)を含んでなり、場合により重合体 (A)以外の成分 (例えば 、重合体 (B)等)とを含んでなる組成物を意味する。
[化 9] H (B )
〔ここで、 Iはラジカル重合開始剤由来成分を示し、(M) は、ラジカル重合性モノマ
1 q
一単位 Mからなる重合部分を示す。 qは任意の整数を示す。〕
[0062] このような本発明による重合体組成物は、溶媒に対する溶解性が高いものである。
また、本発明では、ラジカル重合性モノマー、溶媒、ラジカル重合開始剤の選択な らびに重合条件の選定等によって、重合体組成物の内容、特性などを容易に制御 することが可能である。従って、具体的用途に特に適した重合体組成物を任意に製 造することができる。このことから、本発明による重合体組成物は、広範な用途に利用 可能なものである。
[0063] 本発明は、インキに含まれる他の成分、例えば顔料、分散剤、ポリマー、添加剤な どの共存下に実施しても、何ら問題はない。
[0064] 本発明による重合体組成物を、例えばインキ組成物、特にインキ組成物用バインダ ー榭脂として用いた場合には、インキ組成物の耐久性、耐擦過性、速乾性、発色性 等を従来より改良することができる。
[0065] 本発明の第二の餱様
<顔料分散剤 >
本発明における顔料分散剤としては、任意の顔料分散剤を用いることができる。
[0066] 本発明にお 、て、好ま 、顔料分散剤としては、(ィ)ウレタン系分散剤、(口)ポリア ミン系分散剤、(ハ)側鎖に 4級アンモ-ゥム塩基を有する Aブロックと 4級アンモ-ゥ ム塩基を有さない Bブロックとからなる A— Bブロック共重合体および Zまたは B— A —Bブロック共重合体等を挙げることができ、特に好ましい顔料分散剤としては、 O 一, COO 、 一 NR7 、 一 NR8CO または NR9COO 基〔ここで、 R7、 R8お よび R9は、それぞれ独立して、水素または炭素数 1〜20 (好ましくは炭素数 1〜10) の 1価の炭化水素基または炭素数 1〜20 (好ましくは炭素数 1〜 10)の 1価のヒドロキ シアルキル基を示す〕に隣接する炭素原子に水素原子が結合している、ウレタン系 分散剤、ポリアミン系分散剤または側鎖に 4級アンモ-ゥム塩基を有する Aブロックと 4級アンモ-ゥム塩基を有さない Bブロックと力もなる、 A—Bブロック共重合体および Zまたは B—A—Bブロック共重合体を挙げることができる。
[0067] 本発明にお 、て顔料分散剤として使用できる化合物の 、くつかは公知であって、 上記の (ィ)ウレタン系分散剤は、例えば特許第 1879529号公報、特開昭 60— 166 318号公報、特開 2002— 37845号公報、特許第 3101824号公報に、(口)ポリアミ
ン系分散剤は、例えば特許第 1940521号公報、特許第 1570685号公報、特許第 3504268号公報、特表 2003— 509205号公報【こ、 (ノヽ)ィ則鎖【こ 4級アンモユウム塩 基を有する Aブロックと 4級アンモ-ゥム塩基を有さない Bブロックとからなる A— ブ ロック共重合体および/または B—A—Bブロック共重合体は、例えば特許第 26805 94号公報、特開 2004— 66235号公報、特許第 3590382号公報に、記載されてい る。
[0068] また、本発明における顔料分散剤として利用可能な化合物は、商品として入手する ことも可能である。例えば、ビックケミー(株)製の「Disperbyk-161」、「Disperbyk- 164」 、「Disperbyk- 165」、「Disperbyk- 182」、「Disperbyk- 184」、エフ力ケミカルス(株)製の 「EFKA46」、「EFKA47」(いずれも商品名)は (ィ)ウレタン系分散剤に相当するも のとして、 The Lubrizol Corporation製の「Solsperse 33500」、「Solsperse 32000」、「So lsperse 24000」、味の素ファインテクノ(株)製の「ァジスパー PB821」、「ァジスパー P B822J (いずれも商品名)は(口)ポリアミン系分散剤に相当するものとして、ビックケミ 一(株)製の「Disperbyk-2000」、「Disperbyk-2001」(いずれも商品名)は(ハ)側鎖に 4級アンモ-ゥム塩基を有する Aブロックと 4級アンモ-ゥム塩基を有さない Bブロック とからなる A—Bブロック共重合体および Zまたは B—A— Bブロック共重合体等とし て、本発明の好ましい分散剤にあたるものである。
[0069] 本発明の顔料分散剤は、ラジカル重合性モノマーの重合が、当該顔料分散剤を含 有する溶液中において、ラジカル重合性開始剤の共存下で可能となるように、常温 あるいはラジカル重合性モノマーの重合が行われる形態または温度条件にお!、て液 状または粘稠液状の形態にあるものが好ましい。
[0070] <溶 媒 >
本発明の重合方法において溶媒を使用する場合、好ましく用いられる溶媒は下記 式(1)または(2)で示される化合物力もなるものである。
[化 10]
式 (1 )
〔式中、 R1および R3は、それぞれ独立して、水素または 1価の炭化水素基を示し、 R2 および R4は、それぞれ独立して、 2価の炭化水素基を示し、必要に応じて R2は、 nil. を示し、 Yは、水素、 1価の炭化水素基またはヒドロキシアルキル基を示す。 mは 0ま たは 1の整数を示し、 nは 1〜10の整数を示す。また、 X1および X2は、それぞれ独立 して、下記のいずれかの 2価の置換基を示す。下記において、 R5および R6は、それ ぞれ独立して、水素、 1価の炭化水素基またはヒドロキシアルキル基を示す。〕
[化 11]
R1および R3は、それぞれ独立して、水素または 1価の炭化水素基を示す。本発明 では、水素および炭素数 1〜20、特に炭素数 1〜16、のアルキル基が好ましい。炭 〜 12のアルキル基が更に好ましい。
R2は、 2価の炭化水素基を示す。本発明では、炭素数 1〜12、特に炭素数 1〜10 、のアルキレン基が好ましい。炭素数 1〜8のアルキル基が更に好ましい。 R2は、必 要に応じて nil.を示す。
R4は、 2価の炭化水素基を示す。本発明では、炭素数 1〜12、特に炭素数 1〜10 、のアルキレン基が好ましい。炭素数 1〜8のアルキル基が更に好ましい。 mが 0であ る場合、式(2)の化合物は、 R4が存在しないものであって X2と X1とが直接結合したも のとなる。
Yは、水素、 1価の炭化水素基またはヒドロキシアルキル基を示す。本発明では、水 素、炭素数 1〜12、特に炭素数 1〜10、のアルキル基が好ましい。水素および炭素 数 1〜8のアルキル基が更に好ましい。
ηは 1〜10の整数を示す。好ましい ηは 1〜8、特に好ましい ηは 1〜6、である。
X1として好ましいのは、 Ο 、 一 CO— O—、 -NR5-および NR6— CO—で ある。
X2として好ましいのは、 O 、 一 CO— O—、 -NR5-および NR6— CO—で ある。ここで、 「nil.」とは、 X2が存在しないこと意味する。従って、 X2が「nil.」の場合、 該化合物(2)は、 R2と R4とが直接結合したもの、あるいは同時に m力^である場合に は X1と R2とが直接結合したものとなる。
R5は、水素、 1価の炭化水素基または 1価のヒドロキシアルキル基を示す。本発明 では、水素および炭素数 1〜12、特に炭素数 1〜8、のアルキル基またはヒドロキシァ ルキル基が好ましぐ水素、炭素数 1〜6のアルキル基または炭素数 1〜6のヒドロキ シアルキル基が特に好ま U ヽ。
R6は、水素、 1価の炭化水素基または 1価のヒドロキシアルキル基を示す。本発明 では、水素および炭素数 1〜12、特に炭素数 1〜8、のアルキル基またはヒドロキシァ ルキル基が好ましぐ水素、炭素数 1〜6のアルキル基または炭素数 1〜6のヒドロキ シアルキル基が特に好ま U ヽ。
[0072] 本発明では、式(1)で示される化合物のみカゝらなる溶媒、式(2)で示される化合物 のみカゝらなる溶媒、上記の式(1)で示される化合物と式(2)で示される化合物との混 合溶媒、上記の式(1)で示される化合物および式(2)で示される化合物の何れか一 方あるいは両方と他の溶媒ィ匕合物(即ち、(1)および(2)の化合物以外の溶媒化合 物)とからなるもの、を用いることができる。他の溶媒ィ匕合物としては、例えばトルエン 、キシレンを挙げることができる。これらの他の溶媒化合物を併用する場合、上記の( 1)および(2)の化合物の存在量が全溶媒量 100重量%に対して少なくとも 30重量 %以上となるようにすることが好ま 、。 (1)および(2)の化合物の存在量が 30重量 %未満である場合には、本発明の効果が十分得られない場合がある。
[0073] 上記式(1)または式(2)で示される化合物のうち特に好ましいものとしては、例えば
、本発明の第一の態様で例示したものが挙げられる。また、本発明の第一の態様で 説明した内容は本発明の第二の態様の内容をなす。
[0074] <ラジカル重合性モノマー >Z<ラジカル重合開始剤 >
ラジカル重合性モノマー及びラジカル重合開始剤は、本発明の第一の態様で説明 したのと同様であってよい。
[0075] <重合体組成物の製造方法 >
本発明による重合体組成物の製造方法は、ラジカル重合性モノマーを、顔料分散 剤または顔料分散剤を含有する溶液中で、ラジカル重合開始剤の共存下で重合さ せることからなるちのである。
[0076] 本発明では、(ィ)顔料分散剤または顔料分散剤を含有する溶液中に、ラジカル重 合性モノマーを添加し、その後にラジカル重合開始剤を添加する方法および (口)顔 料分散剤または顔料分散剤を含有する溶液中に、ラジカル重合性モノマーとラジカ ル重合開始剤の混合物を添加する方法が好ま 、が、(ハ)顔料分散剤または顔料 分散剤を含有する溶液中に、ラジカル重合開始剤を添加した後、ラジカル重合性モ ノマーを添カロすることちでさる。
[0077] 複数種のラジカル重合性モノマー力もなるランダム、ブロックまたはグラフト共重合 体として本発明による榭脂組成物を得る場合には、上記各共重合体の製造に適する ように、ラジカル重合性モノマーの供給方法や重合工程等を適宜定めることができる
[0078] 本発明による重合体組成物を製造する際のラジカル重合性モノマー、ラジカル重 合開始剤および顔料分散剤の使用量は特に限定されない。
[0079] 好ま 、本発明の重合体組成物を効率的に製造するためには、ラジカル重合性モ ノマーの使用量は、顔料分散剤または顔料分散剤を含有する溶液中における当該 ラジカル重合性モノマーのモノマー濃度が 10〜80重量0 /0、特に 15〜70重量0 /0、と なる範囲が好ましい。モノマー濃度が 10重量%未満では、モノマーが十分に重合せ ずに未反応モノマーが多くなる傾向がある。一方、 80重量%を超えると、重合時の発 熱の制御が難しぐまた、得られた重合体溶液の粘度が高くなりすぎて工業的に好ま しくない。
[0080] 顔料分散剤の使用量は任意の量で使用することができるが、分散剤 Z溶媒重量比 力 SlZ99〜99Zl、好ましくは 5Z95〜95Z5の範囲で添カ卩するのが良い。この範 囲外では本発明の効果が十分に得られず、好ましくない。
[0081] ラジカル重合開始剤は任意の量で使用することができる力 ラジカル重合性モノマ 一 100重量0 /0あたり、 0. 05〜30重量0 /0、好ましくは 0. 1〜25重量0 /0の範囲で添カロ するのが良い。 0. 05重量%より少ないと未反応モノマーが残り、モノマー臭や、皮膚 刺激性などの観点力も好ましくない。一方、 30重量%を超えると、反応時の発熱など の観点から、工業的に好ましくない。
[0082] 重合温度は、使用する開始剤により異なってくるが、開始剤の 1時間半減温度 ± 2 0°Cの範囲で行うのが好ましい。これより低い温度で反応を行うと、未反応の開始剤 やモノマーが多く残ったり、合成に時間が力かるため好ましくない。また、これより高い 温度で反応を行うと、開始剤の分解が速過ぎるために、モノマーが十分に反応せず 、未反応モノマーが多く残る結果となる。
[0083] 本発明により製造された重合体組成物は、 GPC測定によって測定された重量平均 分子量が好ましくは 3, 000〜200, 000 (ポリスチレン換算)のものであって、各種成 分、例えば顔料、および必要に応じて溶剤ならびに各種補助剤等を配合することに よって、インキ用組成物を調製可能なものである。
[0084] 本発明では、ラジカル重合性モノマー、ラジカル重合開始剤の選択ならびに重合 条件等の選定によって、重合体組成物の内容、特性などを容易に制御することが可 能である。従って、具体的用途に特に適した重合体組成物を任意に製造することが できる。このことから、本発明による重合体組成物は、広範な用途に利用可能なもの である。
[0085] なお、本発明による重合体組成物を製造する際には、インキに含まれる他の成分、 例えば顔料、ポリマー、添加剤などの共存下に実施しても何ら問題はない。
[0086] 本発明による重合体組成物を、例えばインキ組成物用バインダー榭脂として用いた 場合には、インキ組成物の耐久性、耐擦過性、速乾性、発色性、印刷面の光沢等を 従来より大幅に改良することができる。
実施例
[0087] 本発明を実施例および比較例によって更に具体的に説明するが、本発明はこの実 施例によって限定されるものではない。
[0088] 本発明の第一の餱様
<実施例 Al > 重合体 Alの合成
攪拌機、窒素導入管を備えた 4つ口フラスコに、 γ—プチ口ラタトン (以下、「GBL」 と云う) 300重量部を入れ、マントルヒーターで 100°Cに加熱した。そこに、メチルメタ クリレー卜(「MMA」;三菱レイヨン (株)製、「アタリエステル M」) 200重量部と t—ブ チルパーォキシ 2—ェチルへキサノエート(日本油脂 (株)製、以下「パーブチル O 」と云う) 3. 60重量部の混合液を、滴下漏斗より 1. 5時間かけて滴下した。滴下中は フラスコ内の温度が 100± 1°Cとなるようにした。滴下終了後、「パーブチル 0」を 0. 6 重量部添加し、 100°Cに保ったまま 1時間加熱撹拌した。その後、「パーブチル o」を 0. 6重量部添加し、さらに 100°Cで 2時間反応させることにより、無色透明の MMA 重合体溶液を得た。
[0089] 反応終了後、冷却し、 GPC測定装置 (東ソ一 (株)製、「HLC— 8220GPC」)にて、 ゲル浸透クロマトグラフにより分子量を確認したところ、得られた重合体 Alの重量平 均分子量は 29000 (ポリスチレン換算)であった。また、 150°Cオーブンで 2時間加熱 することにより、固形分を測定したところ、 42. 0%であった。
[0090] <実施例 A2> 重合体 A2の合成
溶媒をジエチレングリコールジェチルエーテル(以下、「DEDG」と云う)とし、滴下 時の「パーブチル 0」の量を 2. 40重量部とした以外は重合体 A1の合成法と同様に 行って、無色透明の MMA重合体溶液を得た。実施例 A1と同様に、 GPC測定により 分子量を確認したところ、得られた重合体 A2の重量平均分子量は 29900 (ポリスチ レン換算)であった。また、 150°Cオーブンで 2時間加熱することにより、固形分を測 定したところ、 40. 8%であった。
[0091] <実施例 A3 > 重合体 A3の合成
溶媒をエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(以下、「BGAc」と云う)と し、滴下時の「パーブチル 0」の量を 2. 80重量部とした以外は重合体 A1の合成法と 同様に行って、無色透明の MMA重合体溶液を得た。実施例 A1と同様に、 GPC測
定により分子量を確認したところ、得られた重合体 A3の重量平均分子量は 28900 ( ポリスチレン換算)であった。また、 150°Cオーブンで 2時間加熱することにより、固形 分を測定したところ、 40. 2%であった。
[0092] <実施例 A4> 重合体 A4の合成
ラジカル重合性モノマーを、 MMA180重量部、ブチルメタタリレート(BMA) (三菱 レイヨン (株)製、「アタリエステル B」 ) 20重量部の混合物とした以外は重合体 A2の合 成法と同様に行って、無色透明の MMAZBMA共重合体溶液を得た。
実施例 A1と同様に、 GPC測定により分子量を確認したところ、得られた重合体 A4 の重量平均分子量は 30500 (ポリスチレン換算)であった。また、 150°Cオーブンで 2 時間加熱することにより、固形分を測定したところ、 40. 0%であった。
[0093] <実施例 A5 > 重合体 A5の合成
ラジカル重合性モノマーを、 MMA180重量部、エトキシェチルメタタリレート(ET MA) (三菱レイヨン (株)製、「アタリエステル ET」) 20重量部の混合物とした以外は 重合体 A2の合成法と同様に行って、無色透明の MMAZETMA共重合体溶液を 得た。実施例 A1と同様に、 GPC測定により分子量を確認したところ、得られた重合 体 A5の重量平均分子量は 30200 (ポリスチレン換算)であった。また、 150°Cオーブ ンで 2時間加熱することにより、固形分を測定したところ、 40. 1%であった。
[0094] <実施例 A6 > 重合体 A6の合成
溶媒を DEDGとし、ラジカル重合開始剤をジベンゾィルパーオキサイド(日本油脂( 株)製、「ナイパー BW」)とした以外は重合体 A1の合成法と同様に行って、無色透明 の MMA重合体溶液を得た。実施例 A1と同様に、 GPC測定により分子量を確認し たところ、得られた重合体 A6の重量平均分子量は 29500 (ポリスチレン換算)であつ た。また、 150°Cオーブンで 2時間加熱することにより、固形分を測定したところ、 40. 5%であった。
[0095] <実施例 A7> 重合体 A7の合成
溶媒を N, N—ジメチルァセトアミド(以下、「DMAc」と云う)とし、滴下時の「パーブ チル 0」の量を 3. 20重量部とした以外は重合体 A1の合成法と同様に行って、無色 透明の MMAの重合体溶液を得た。実施例 A1と同様に、 GPC測定により分子量を
確認したところ、得られた重合体 A7の重量平均分子量は 29000 (ポリスチレン換算) であった。また、 150°Cオーブンで 2時間加熱することにより、固形分を測定したところ 、 39. 3%であった。
[0096] <実施例 A8 > 重合体 A8の合成
溶媒を乳酸ェチルとし、滴下時の「パーブチル 0」の量を 2. 65重量部とした以外は 重合体 1の合成法と同様に行って、無色透明の MMAの重合体溶液を得た。実施例 A1と同様に、 GPC測定により分子量を確認したところ、得られた重合体 A8の重量平 均分子量は 30000 (ポリスチレン換算)であった。また、 150°Cオーブンで 2時間加熱 することにより、固形分を測定したところ、 39. 8%であった。
[0097] <実施例 A9 > 重合体 A9の合成
溶媒をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」と云う )とし、滴下時の「パーブチル 0」の量を 3. 00重量部とした以外は重合体 A1の合成 法と同様に行って、無色透明の MMAの重合体溶液を得た。実施例 A1と同様に、 G PC測定により分子量を確認したところ、得られた重合体 A9の重量平均分子量は 30 300 (ポリスチレン換算)であった。また、 150°Cオーブンで 2時間加熱することにより 、固形分を測定したところ、 39. 5%であった。
[0098] <実施例 A10> 重合体 A10の合成
溶媒を N—メチル—2—ピロリドン(以下、「NMP」と云う)とし、滴下時の「パーブチ ル 0」の量を 4. 00重量部とした以外は重合体 A1の合成法と同様に行って、無色透 明の MMAの重合体溶液を得た。実施例 A1と同様に、 GPC測定により分子量を確 認したところ、得られた重合体 A10の重量平均分子量は 30300 (ポリスチレン換算) であった。また、 150°Cオーブンで 2時間加熱することにより、固形分を測定したところ 、 39. 9%であった。
[0099] く実施例 Al l > 重合体 Al lの合成
溶媒を ε—力プロラタトン (以下、「ε—cap」と云う)とし、滴下時の「パーブチル 0」 の量を 4. 50重量部とした以外は重合体 A1の合成法と同様に行って、無色透明の ΜΜΑの重合体溶液を得た。実施例 A1と同様に、 GPC測定により分子量を確認し たところ、得られた重合体 Al 1の重量平均分子量は 29300 (ポリスチレン換算)であ
つた。また、 150°Cオーブンで 2時間加熱することにより、固形分を測定したところ、 4 2. 4%であった。
[0100] <比較例 Al > 重合体 A12の合成
溶媒をトルエンとし、滴下時の「パーブチル 0」の量を 1. 00重量部とした以外は重 合体 A1の合成法と同様に行って、無色透明の MMAの重合体溶液を得た。
実施例 A1と同様に、 GPC測定により分子量を確認したところ、得られた重合体 A1 2の重量平均分子量は 28400 (ポリスチレン換算)であった。また、 150°Cオーブンで 2時間加熱することにより、固形分を測定したところ、 39. 7%であった。
[0101] く比較例 A2 > 重合体 Al 3の合成
溶媒をトルエンとし、滴下時の「パーブチル 0」の量を 1. 00重量部とした以外は重 合体 A4の合成法と同様に行って、無色透明の MMAZBMA共重合体溶液を得た 実施例 A1と同様に、 GPC測定により分子量を確認したところ、得られた重合体 A1 3の重量平均分子量は 29400 (ポリスチレン換算)であった。また、 150°Cオーブンで 2時間加熱することにより、固形分を測定したところ、 39. 5%であった。
[0102] 評価試験 A
<質量分析結果 >
'熱分解 ガスクロマトグラフ質量分析計
重合体 A1につ 、て、熱分解 ガスクロマトグラフ質量分析計 (熱分解部:フロンティ ァ 'ラボ (株)製、「PY— 2020D」、 GC部:アジレント'テクノロジー (株)製「6890」、 MS部:アジレント'テクノロジー (株)製「5973N」)にて分析したところ、質量数 / z : 186の成分が検出された。ここで、分析には榭脂溶液カも榭脂のみをへキサンに て精製したサンプノレを用いた。
[0103] この数値は、溶媒である γ ブチロラタトンと MMAが 1分子結合した分子の質量 数と一致する。
[0104] レーザーイオン化飛 分析
重合体 Al、重合体 A2および重合体 A6について、 MALDI TOF— MS (レーザ 一イオン化飛行時間型質量分析装置)(島津製作所 (株)製 AXIMA— CFR plus
、マトリックス;ジチラノール、カチオン化剤; Nal)にて質量数を測定したところ、以下 のような結果を得た(図 1、図 2、図 3)。
検出ピークの一部を示す。
重合体 A1 質量数 1109、 1123, 1209, 1223, 1309, 1323
重合体 A2 質量数 1085, 1123, 1185, 1223, 1285, 1323
重合体 A6 質量数 1085, 1101、 1185, 1201, 1285, 1301
(これらの数値は、 Na+でイオンィ匕したポリマーの質量を表す)
[0105] これらの検出ピークのうち、重合体 A1については「1109、 1209、 1309」力 重合 体 A2、重合体 A6については「1085、 1185、 1285」力 溶媒由来構造を末端に有 する重合体の Naイオンの質量数と一致する。また、重合体 Al、重合体 A2に共通し て検出されている、「1123、 1223、 1323」は、ラジカル重合開始剤 t—ブチルパー ォキシ 2—ェチルへキサノエート由来のへプチル基を末端に有する重合体の Naィ オンの質量数と一致し、重合体 A6において検出されている、「1101、 1201、 1301」 は、ラジカル重合開始剤ベンゾィルパーオキサイド由来のフエ-ル基を末端に有する 重合体の Naイオンの質量数と一致する。
[0106] く溶解性評価 >
上記で得られた重合体 A1〜A13をそれぞれへキサン中で精製することにより重合 溶剤を取り除き、さらに真空下で 12時間乾燥させることで、榭脂粉末を得た。これら の榭脂粉末を用いて、 GBL、 DEDG、 BGAc、 DM Ac,乳酸ェチルエステル、 PG MEA、 NMP、 ε capへの溶解性を調べた。
[0107] 評価方法
榭脂粉末 lOOmgと溶解させたい溶媒 5. Ogを混合、撹拌し、榭脂粉末が完全に溶 解するまでの時間を測定した。溶解性の評価は下記基準に従って評価し、その結果 は下記表 1に記載した通りであった。
評価 A : 5分以内
評価 B: 10分以内
評価 C : 10分以上
[表 1]
ラジカル重合開始剤
a: t-ブチル / 一ォキシ -2-ェチルへキサノエート b:ジベンゾィルパーオキサイド
[0108] 表 1から明らかなように、トルエン中で合成した榭脂は GBL、 DEDG、 BGAc、 DM Ac、乳酸エステル、 PGMEA、 NMP、 ε capへの溶解性は低いが、溶解させたい 溶剤中で合成した榭脂はその溶剤への溶解性が向上している。
[0109] 本発明の第二の餱様
本発明の第二の態様を実施例および比較例によって更に具体的に説明するが、 本発明はこの実施例によって限定されるものではない。下記の実施例 Bまたは比較 例 Bにおいて、溶媒を含む顔料分散剤については、真空下で 40°Cにて 12時間乾燥 させたものを用いた。以下、顔料分散剤配合量については、乾燥物の固形分換算に て表す。
[0110] <実施例 Bl > 重合体 B1の合成
攪拌機、窒素導入管を備えた 4つ口フラスコに、「Disperbyk- 161」(ビックケミー (株) 製) 300重量部を入れ、マントルヒーターで 100°Cに加熱した。そこに、 MMA180重 量部、 BMA20重量部、「パーブチル 0」 5. 00重量部の混合液を、滴下漏斗より 1. 5時問かけて滴下した。滴下終了後、「パーブチル 0」を 0. 6重量部添加し、 100°C に保ったまま 3時間反応させることにより、褐色の MMAZBMA共重合体を得た。反 応終了後冷却し、 GPC測定装置 (東ソ一 (株)製、「HLC— 8220GPC」)にてゲル浸 透クロマトグラフにより分子量を確認したところ、得られた重合体 B1の重量平均分子 量は 21000 (ポリスチレン換算)であった。
[0111] <実施例 B2> 重合体 B2の合成
滴下時のラジカル重合性モノマーを MMA180重量部、ベンジルメタタリレート(Bz MA;三菱レイヨン (株)製「アタリエステル Bz」 ) 20重量部の混合物とした以外は重合 体 B1の合成法と同様に行!ヽ、褐色の MMAZBzMA共重合体を得た。
実施例 B1と同様に、 GPC測定により分子量を確認したところ、得られた重合体 B2 の重量平均分子量は 20500 (ポリスチレン換算)であった。
[0112] <実施例 B3 > 重合体 B3の合成
分散剤を「ァジスパー PB822」(味の素ファインテクノ (株)製)とした以外は重合体 B 1の合成法と同様に行い、淡褐色の MMAZBMA共重合体を得た。実施例 B1と同 様に、 GPC測定により分子量を確認したところ、得られた重合体 B3の重量平均分子
量は 21500 (ポリスチレン換算)であった。
[0113] <実施例 B4> 重合体 B4の合成
分散剤を「Disperbyk-2001」(ビックケミー (株)製)とした以外は重合体 B1の合成法 と同様に行い、淡褐色の MMAZBMA共重合体を得た。実施例 B1と同様に、 GPC 測定により分子量を確認したところ、得られた重合体 B4の重量平均分子量は 19500 (ポリスチレン換算)であった。
[0114] <実施例 B5 > 重合体 B5の合成
分散剤を「Solsperse 33500」(The Lubrizol Corporation製)とした以外は重合体 Bl の合成法と同様に行い、褐色の MMAZBMA共重合体を得た。実施例 B1と同様に 、 GPC測定により分子量を確認したところ、得られた重合体 B5の重量平均分子量は 20000 (ポリスチレン換算)であった。
[0115] <実施例 B6 > 重合体 B6の合成
重合時のラジカル重合開始剤をジベンゾィルパーオキサイド(日本油脂 (株)製「ナ ィパー BW」)5. 00重量部とした以外は、重合体 B5の合成法と同様に行い、褐色の MMAZBMA共重合体を得た。実施例 B1と同様に、 GPC測定により分子量を確認 したところ、得られた重合体 B6の重量平均分子量は 19000 (ポリスチレン換算)であ つた o
[0116] <実施例 B7> 重合体 B7の合成
攪拌機、窒素導入管を備えた 4つ口フラスコに、 GBL270重量部、「Solsperse 3350 0」 30重量部を入れ、マントルヒーターで 100°Cに加熱した。そこに、 MMA200重量 部と、「パーブチル 0」 3. 60重量部の混合液を、滴下漏斗より 1. 5時問かけて滴下し た。滴下終了後、「パーブチル O」0. 6重量部添加し、 100°Cに保ったまま 3時間反 応させること〖こより、褐色の MMA重合体溶液を得た。実施例 B1と同様に、 GPC測 定により分子量を確認したところ、得られた重合体 B7の重量平均分子量は 29500 ( ポリスチレン換算)であった。また、 150°Cオーブンにて 2時間加熱することにより固形 分を測定したところ 45. 6%であった。
[0117] <実施例 B8 > 重合体 B8の合成
溶媒を DEDGとし、滴下時のラジカル重合性モノマーを MMA190重量部、 BMA
10重量部の混合物とし、滴下時の「パーブチル 0」の量を 2. 40重量部とした以外は 重合体 B8の合成法と同様に行!ヽ、褐色の MMAZBMA共重合体溶液を得た。 実施例 B1と同様に、 GPC測定により分子量を確認したところ、得られた重合体 B8 の重量平均分子量は 29000 (ポリスチレン換算)であった。また、 150°Cオーブンに て 2時間加熱することにより固形分を測定したところ 45. 8%であった。
[0118] <実施例 B9 > 重合体 B9の合成
分散剤を「Disperbyk-2001」とし、ラジカル重合性モノマーを MMA180重量部、 B MA20重量部の混合物とした以外は重合体 B8の合成法と同様に行い、褐色の MM AZBMA共重合体溶液を得た。実施例 B1と同様に、 GPC測定により分子量を確認 したところ、得られた重合体 B9の重量平均分子量は 30000 (ポリスチレン換算)であ つた。また、 150°Cオーブンにて 2時間加熱することにより固形分を測定したところ 46 . 0%であった。
[0119] <実施例 B10> 重合体 B10の合成
分散剤を「Disperbyk 161」とした以外は重合体 B9の合成法と同様に行い、褐色の MMAZBMA共重合体溶液を得た。実施例 B1と同様に、 GPC測定により分子量を 確認したところ、得られた重合体 B10の重量平均分子量は 29100 (ポリスチレン換算 )であった。また、 150°Cオーブンにて 2時間加熱することにより固形分を測定したとこ ろ 46. 1%であった。
[0120] く実施例 Bl l > 重合体 B 11の合成
分散剤を「ァジスパー PB822」とした以外は重合体 B9の合成法と同様に行い、淡 褐色の MMAZBMA共重合体溶液を得た。実施例 B1と同様に、 GPC測定により 分子量を確認したところ、得られた重合体 Bl 1の重量平均分子量は 30100 (ポリス チレン換算)であった。また、 150°Cオーブンにて 2時間加熱することにより固形分を 測定したところ 45. 9%であった。
[0121] く比較例 Bl > 重合体 B 12の合成
攪拌機、窒素導入管を備えた 4つ口フラスコに、トルエン 300重量部を入れ、マント ルヒーターで 100°Cに加熱した。そこに、 MMA180重量部と、 BMA20重量部と、ァ ゾビスイソプチ口-トリル (AIBN;和光純薬 (株)製) 2. 50重量部との混合液を、滴下
漏斗より 1. 5時問かけて滴下した。滴下終了後、 AIBNを 0. 6重量部添加し、 100°C に保ったまま 3時間反応させることにより、無色透明の MMAZBMA共重合体を得 た。反応終了後冷却し、 GPC測定により分子量を確認したところ、得られた重合体 1 2の重量平均分子量は 20300 (ポリスチレン換算)であった。また、 150°Cオーブンに て 2時間加熱することにより固形分を測定したところ 39. 1%であった。
[0122] く比較例 B2> 重合体 B13の合成
重合時のラジカル重合開始剤を「パーブチル 0」 2. 50重量部とした以外は重合体 B12の合成法と同様に行い、無色透明の MMAZBMA共重合体を得た。実施例 B 1と同様に、 GPC測定により分子量を確認したところ、得られた重合体 B 13の重量平 均分子量は 19800 (ポリスチレン換算)であった。また、 150°Cオーブンにて 2時間加 熱することにより固形分を測定したところ 38. 9%であった。
[0123] <比較例 B3 > 重合体 B14の合成
滴下時のラジカル重合性モノマーを MMA180重量部、 BzMA20重量部の混合 物とした以外は、重合体 B13の合成法と同様に行い、無色透明の MMAZBzMA 共重合体を得た。実施例 B1と同様に、 GPC測定により分子量を確認したところ、得 られた重合体 B14の重量平均分子量は 20100 (ポリスチレン換算)であった。また、 1 50°Cオーブンにて 2時間加熱することにより固形分を測定したところ 39. 1%であつ た。
[0124] <比較例 B4> 重合体 B15の合成
重合時のラジカル重合開始剤「パーブチル 0」の量を 5. 20重量部とした以外は重 合体 B13の合成法と同様に行い、無色透明の MMAZBMA共重合体を得た。実施 例 B1と同様に、 GPC測定により分子量を確認したところ、得られた重合体 B15の重 量平均分子量は 10800 (ポリスチレン換算)であった。また、 150°Cオーブンにて 2時 間加熱することにより固形分を測定したところ 38. 8%であった。
[0125] <比較例 B5 > 重合体 B16の合成
攪拌機、窒素導入管を備えた 4つ口フラスコに、 DEDG300重量部を入れ、マント ルヒーターで 100°Cに加熱した。そこに、 MMA180重量部と、 BMA20重量部と、「 パーブチル 0」 3. 60重量部との混合液を、滴下漏斗より 1. 5時問かけて滴下した。
滴下終了後、「パーブチル 0」を 0. 6重量部添加し、 100°Cに保ったまま 3時間反応 させること〖こより、無色透明の MMAZBMA共重合体溶液を得た。反応終了後冷却 し、実施例 B1と同様に、 GPC測定により分子量を確認したところ、得られた重合体 B 16の重量平均分子量は 29800 (ポリスチレン換算)であった。また、 150°Cオーブン にて 2時間加熱することにより固形分を測定したところ 39. 5%であった。
[0126] <比較例 B6 > 重合体 B 17の合成
重合時のラジカル重合開始剤を「パーブチル 0」の量を 10. 00重量部とした以外 は重合体 B16の合成法と同様に行!ヽ、無色透明の MMAZBMA共重合体溶液を 得た。
実施例 B1と同様に、 GPC測定により分子量を確認したところ、得られた重合体 B1 7の重量平均分子量は 15000 (ポリスチレン換算)であった。また、 150°Cオーブンに て 2時間加熱することにより固形分を測定したところ 39. 4%であった。
[0127] 評価試,験 B
<相溶性評価 >
上記の実施例 Bl〜6により得られた重合体 Bl〜6については、希釈溶媒 (詳細は 表 1に記載)にて 3倍 (重量比)に希釈して評価サンプルを調製し、実施例 B7〜l lに より得られた重合体 B7〜l lの榭脂溶液は重合溶媒にて固形分 30%となる様に希 釈し、評価サンプルとした。一方、上記の比較例 Bl〜4により得られた重合体 B12〜 15については、榭脂固形分に対し 1. 5倍 (重量比)の顔料分散剤(「添加分散剤」の 詳細は表 3に記載)と 3. 5倍 (重量比)のトルエンを添加して評価サンプルを調製した 。また、上記の比較例 B5、 6により得られた重合体 B16、 17については、榭脂固形分 に対し、 15%の添加剤分散剤、 2. 7倍 (重量比)の DEDGを混合して評価サンプル を調製した。
[0128] 各評価サンプルを、 12時間以内に充填し、密閉後、 25°Cにて放置して、分散剤と アクリル榭脂が分離するまでの日数を調べることによって、相溶性の評価を行った。 得られた結果は、表 2〜5に示される通りであった。表中の「相溶性評価」において、「 AJは 30日以上経過しても分離が観察されないことを、「B」は 15日以内に分離が観 察されたことを、「C」は 7日以内に分離が観察されたことを、意味する。
実験例 モノマー (重量%) 使用分散剤 分散剤種 重合開始剤 Mw 評価サンプ相溶性評価
ル調製時の
希釈溶媒
¾SS例 B 1(重合体 B 1) MMA/BMA : 90/10 Disperbyk 161 I パーブチル o 21000 トルエン A
魏例 B 2(重合体 B2) MMA/BzMA = 90/10 Disperbyk 161 I パーブチル 0 20500 トルエン A
¾JE例 B3(重合体 B3) MMA/BMA = 90/10 ァジスパー PB822 II パーブチル o 21500 トルエン A
実施例 B 4(重合体 B4) MMA/BMA = 90/10 Disperbyk 2001 III パ一ブチル 0 19500 トルエン A
トルエン A
錢例 B 5(重合体 B5) MMA/BMA = 90/10 Solsperse 33500 II パーブチル 0 20000 PGMEA A
DEDG A
¾5S例 B6(重合体 B6) MMA/BMA = 90/10 Solsperse 33500 II ナイパー BW 19000 トルエン A モノマー MMA:メチルメタクリレート、 BMA:ブチルメタクリレート、 BzMA : ベンジルメタクリレート
分散剤種 I :ウレタン系分散剤、 Π :ポリアミン系分散剤、 III:側鎖に 4級アンモニゥム塩基を有する Aブロックと 4級アンモニゥム塩基を 有さない Bブロックとからなる A—Bブロック共重合体および (または) B— A— Bブロック共重合体
重合開始剤 パーブチル O: t—ブチルパーォキシ一 2—ェチルへキサノエート、 ナイパー BW:ジペンゾィルパーォキサイ ド
希釈溶媒 PGMEA: プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、 DEDG: ジエチレングリコールジェチルエーテル
相 件評価 A: 30日以上^ 3 しても分離しない、 B : 15日以内に分離、 C: 7日以内に分離
l〔s
モノマー MMA:メチルメタクリレート、 BMA:ブチルメタクリレート
重合溶媒 GBL:ァーブチロラクトン、 DEDG:ジエチレングリコ一ルジェチルェ一テル
分散剤種 I :ウレタン系分散剤、 II:ポリアミン系分散剤、 III:側鎖に 4級アンモニゥム塩基を有する Aブロックと 4級アンモニゥム塩基を 有さない Bブロックとからなる A— Bブロック共重合体および (または) B— A— Bブロック共重合体
相溶性評価 A: 30日以上経過しても分離しない、 B : 15日以内に分離、 C: 7日以内に分離
モノマー MMA:メチルメタクリレート、 BMA:ブチルメタクリレート、 BzMA : ベンジルメタクリレート
重合開始剤 AI BN:ァゾビスイソプチロニトリル、 パーブチル 0 : t—ブチルパーォキシ一2—ェチルへキサノエート
添加分散剤種 I :ウレタン系分散剤、 II:ポリアミン系分散剤、 III:側鎖に 4級アンモニゥム塩基を有する Aブロックと 4級アンモニゥム塩基を 有さない Bブロックとからなる A—Bブロック共重合体および (または) B— A— Bブロック共重合体
相溶性評価 A: 30日以上^!しても分離しない、 B : 15日以内に分離、 C: 7日以内に分離
モノマー MMA:メチルメタクリレート、 B M A:ブチルメタクリレート、
重合開始剤 パーブチル O: t—ブチルパーォキシ—2—ェチルへキサノエート
添加分散剤種 I :ウレタン系分散剤、 I I:ポリアミン系分散剤、 I I [:側鎖に 4級アンモニゥム塩基を有する Aブロックと 4級アンモニゥム塩基を 有さない Bブロックとからなる A— Bブロック共重合体および (または) B— A— Bブロック共重合体
相溶性評価 A: 3 0日以上 しても分離しない、 B : 1 5日以内に分離、 C: 7日以内に分離