JP6463613B2 - 重合体およびその用途 - Google Patents
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Description
本発明はまた、(A)前記重合体と、(B)多官能(メタ)アクリレートを含有する硬化性樹脂組成物でもある。そして、本発明はまた、前記重合体およびまたは前記硬化性樹脂組成物を硬化させてなる硬化層が基板上に設けられてなる積層体でもある。
この一般式(1)で示される単量体(以下では「エーテルダイマー」と称することもある。)は、重合の際にエーテルダイマーが環化反応して、重合体の構成単位中にテトラヒドロピラン環構造が形成されていると推測される。
また、本発明の重合体の必須成分である水酸基を含有する不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸モノ(ポリ)エチレングリコール、(メタ)アクリル酸モノ(ポリ)プロピレングリコールなどが挙げられるが、これらの中でも特に(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルが好ましい。水酸基を含有する不飽和単量体の含有割合は全単量体成分中、0.5〜50質量%であるが、好ましくは2〜40質量%、さらに好ましくは5〜30質量%であるのがよい。水酸基を含有する不飽和単量体の含有量が0.5質量%未満であると、耐熱性が不充分となる恐れがある。また、50質量%より多いと溶媒に対する溶解性が低下する場合や、重合体の粘度が高くなり取り扱い性が悪くなる恐れがある。
なお、二重結合当量は、分子中に含まれる二重結合量の尺度となるものであり、同じ分子量の化合物であれば、二重結合当量の数値が大きいほど二重結合の導入量が少なくなる。重合体や二重結合を導入する化合物の仕込み量から計算できる。また、滴定及び元素分析、NMR、IR等の各種分析や示差走査熱量計法を用いて測定できる。
<重量平均分子量>
ゲルパーミエーションクロマトグラフ測定装置(「Shodex GPC System−21H」昭和電工製)を用い、ポリスチレン換算で測定した。
<重合体溶液中の重合体濃度>
重合体溶液1gにアセトン4gを加えて溶解させた溶液を常温で自然乾燥させ、さらに5時間減圧乾燥(160℃/5mmHg)した後、デシケータ内で放冷し重量を測定した。そして、重量減少量から、重合体溶液の不揮発分を算出し、これを重合体濃度とした。
<酸価>
重合体溶液0.5〜1gに、アセトン80mlおよび水10mlを加えて攪拌して均一に溶解させ、0.1mol/LのKOH水溶液を滴定液として、自動滴定装置(「COM−555」平沼産業製)を用いて滴定し、溶液の酸価を測定した。そして、溶液の酸価と重合体濃度から、重合体の酸価を算出した。
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、他方、モノマー滴下槽として、ジメチル−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート(以下「MD」と称する)20質量部、メタクリル酸シクロヘキシル(以下「CHMA」と称する)20質量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(以下「HEMA」と称する)10質量部、メタクリル酸メチル(以下「MMA」と称する)19質量部、メタクリル酸(以下「MAA」と称する)31質量部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(商品名「パーブチルO」、日本油脂製;以下「PBO」と称する)2質量部をよく攪拌混合したものを準備し、連鎖移動剤滴下槽として、n−ドデカンチオール(以下「n−DM」と称する)4質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下「PGMEA」と称する)32質量部をよく攪拌混合したものを準備した。
反応槽にPGMEA128質量部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー滴下槽および連鎖移動剤滴下槽から滴下を開始した。滴下は、温度を90℃に保ちながら、それぞれ135分間かけて行った。滴下が終了してから60分後に昇温を開始して反応槽を110℃とし、3時間110℃を維持した。一旦室温まで内温を冷却した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=5/95(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、メタクリル酸グリシジル(以下「GMA」と称する)28部、6−t−ブチル−2,4−キシレノール 0.10部、トリエチルアミン(以下「TEA」と称する)0.4部を仕込み、そのまま110℃で12時間反応させた。その後、PGMEA96部を加えて室温まで冷却し、濃度が33%の樹脂溶液1を得た。重合体成分の重量平均分子量は16000、酸価は72mgKOH/g、二重結合当量は650g/molであった。
<合成例2(実施例2)>
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、他方、モノマー滴下槽として、MD20質量部、CHMA20質量部、HEMA20質量部、MMA26.1質量部、MAA13.9質量部、PBO3質量部をよく攪拌混合したものを準備し、連鎖移動剤滴下槽として、n−DM3.5質量部、PGMEA32質量部をよく攪拌混合したものを準備した。
反応槽にPGMEA128質量部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー滴下槽および連鎖移動剤滴下槽から滴下を開始した。滴下は、温度を90℃に保ちながら、それぞれ135分間かけて行った。滴下が終了してから60分後に昇温を開始して反応槽を110℃とし、3時間110℃を維持した。一旦室温まで内温を冷却した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=5/95(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、GMA4部、6−t−ブチル−2,4−キシレノール 0.10部、TEA0.4部を仕込み、そのまま110℃で12時間反応させた。その後、PGMEA48部を加えて室温まで冷却し、濃度が33%の樹脂溶液2を得た。重合体成分の重量平均分子量は16000、酸価は72mgKOH/g、二重結合当量は3697g/molであった。
<比較合成例1>
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、他方、モノマー滴下槽として、MD20質量部、CHMA20質量部、MMA29質量部、MAA31質量部、PBO2質量部をよく攪拌混合したものを準備し、連鎖移動剤滴下槽として、n−DM4質量部、PGMEA32質量部をよく攪拌混合したものを準備した。
反応槽にPGMEA128質量部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー滴下槽および連鎖移動剤滴下槽から滴下を開始した。滴下は、温度を90℃に保ちながら、それぞれ135分間かけて行った。滴下が終了してから60分後に昇温を開始して反応槽を110℃とし、3時間110℃を維持した。一旦室温まで内温を冷却した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=5/95(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、メタクリル酸グリシジル(以下「GMA」と称する)28部、6−t−ブチル−2,4−キシレノール 0.10部、TEA0.4部を仕込み、そのまま110℃で12時間反応させた。その後、PGMEA96部を加えて室温まで冷却し、濃度が33%の樹脂溶液3を得た。重合体成分の重量平均分子量は16000、酸価は72mgKOH/g、二重結合当量は650g/molであった。
<比較合成例2>
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、他方、モノマー滴下槽として、MD20質量部、CHMA20質量部、MMA46.1質量部、MAA13.9質量部、PBO3質量部をよく攪拌混合したものを準備し、連鎖移動剤滴下槽として、n−DM3.5質量部、PGMEA32質量部をよく攪拌混合したものを準備した。
反応槽にPGMEA128質量部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー滴下槽および連鎖移動剤滴下槽から滴下を開始した。滴下は、温度を90℃に保ちながら、それぞれ135分間かけて行った。滴下が終了してから60分後に昇温を開始して反応槽を110℃とし、3時間110℃を維持した。一旦室温まで内温を冷却した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=5/95(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、GMA4部、6−t−ブチル−2,4−キシレノール 0.10部、TEA0.4部を仕込み、そのまま110℃で12時間反応させた。その後、PGMEA48部を加えて室温まで冷却し、濃度が33%の樹脂溶液4を得た。重合体成分の重量平均分子量は16000、酸価は72mgKOH/g、二重結合当量は3697g/molであった。
<比較合成例3>
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、他方、モノマー滴下槽として、MD20質量部、CHMA20質量部、HEMA10質量部、MMA39質量部、MAA11質量部、PBO3質量部をよく攪拌混合したものを準備し、連鎖移動剤滴下槽として、n−DM3質量部、PGMEA32質量部をよく攪拌混合したものを準備した。
反応槽にPGMEA128質量部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー滴下槽および連鎖移動剤滴下槽から滴下を開始した。滴下は、温度を90℃に保ちながら、それぞれ135分間かけて行った。滴下が終了してから60分後に昇温を開始して反応槽を110℃とし、3時間110℃を維持した。その後、PGMEA40部を加えて室温まで冷却し、濃度が33%の樹脂溶液5を得た。重合体成分の重量平均分子量は16000、酸価は72mgKOH/gであった。
以上の物性を表1に示す。
分光光度計(「UV−3100」島津製)を用いて波長400nmにおける透過率(%)を測定した。
<耐熱性>
試験片1をホットプレートにて230℃で4時間加熱し、室温に冷却してから再度透明性を測定し、耐熱試験後の光線透過率を算出した。
<現像性評価>
○:現像後の残存パターンの形状が良好で紫外線未照射部に残渣が見られない。
×:現像後の残存パターンの形状の一部に欠けが見られる場合や、紫外線未照射部に残渣
が見られる。
<実施例3>
合成例1で得られた樹脂溶液1を100質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名「ライトアクリレートDPE−6A」、共栄社化学株式会社製;以下「DPE−6A」と称する)20部、光開始剤(商品名「イルガキュア907」、チバ・ガイギー社製;以下「Irg907」と称する)2部、PGMEA55部を均一になるよう攪拌混合し、硬化性樹脂組成物1を得た。
得られた硬化性樹脂組成物1を、スピンコーターを用いて無アルカリガラス板上に全乾燥後の厚さが2μmとなるように塗布し、ホットプレートにて100℃で3分間乾燥した後、超高圧水銀ランプを用いて照射量が100mJ/cm2となるように紫外線を照射した。照射後、更にホットプレートにて220℃で20分間乾燥させ試験片1を得た。得られた試験片1の透明性を下記の方法で測定した。そしてこの試験片1を用いて下記の方法で耐熱性を評価した。耐熱試験前の透過率は100%であり、耐熱試験後の透過率98%と耐熱試験後の透過率も高い結果となった。
先程と同様、得られた硬化性樹脂組成物1を、スピンコーターを用いて無アルカリガラス板上に全乾燥後の厚さが2μmとなるように塗布し、ホットプレートにて100℃で3分間乾燥した後、超高圧水銀ランプを用いて照射量が100mJ/cm2となるように紫外線を照射した。照射後、0.04%水酸化カリウム水溶液にて現像を行い、更に230℃のクリーンオーブンにて1時間加熱し、硬化を完結させた。得られたパターンを光学顕微鏡にて観察を行ったところ、パターン形状は良好であり、未露光部に現像残渣は認められなかったことから現像性評価は良好であった。
<実施例4>
樹脂溶液1を樹脂溶液2に変更したこと以外は、実施例3と同様にして、硬化性樹脂組成物2を調整した後、同様に試験片2を作成して耐熱性を評価した。耐熱試験前の透過率は100%であり、耐熱試験後の透過率は99%と同様に耐熱試験後の透過率も高い結果となった。また、現像試験を行ったところ、パターン形状は良好であり、未露光部に現像残渣は認められなかったことから現像性評価は良好であった。
<比較例1>
樹脂溶液1を樹脂溶液3に変更したこと以外は、実施例3と同様にして、硬化性樹脂組成物3を調整した後、同様に比較用試験片1を作成して耐熱性を評価した。耐熱試験前の透過率は99%で、耐熱試験後の透過率は93%と耐熱試験後に透過率が大きく低下した。また、現像試験を行ったところ、パターン形状は良好であり、未露光部に現像残渣は認められなかったことから現像性評価は良好であった。
<比較例2>
樹脂溶液1を樹脂溶液4に変更したこと以外は、実施例3と同様にして、硬化性樹脂組成物4を調整した後、同様に比較用試験片2を作成して耐熱性を評価した。耐熱試験前の透過率は99%で、耐熱試験後の透過率は94%と耐熱試験後に透過率が大きく低下した。また、現像試験を行ったところ、パターン形状は良好であり、未露光部に現像残渣は認められなかったことから現像性評価は良好であった。
<比較例3>
樹脂溶液1を樹脂溶液5に変更したこと以外は、実施例3と同様にして、硬化性樹脂組成物5を調整した後、同様に比較用試験片2を作成して耐熱性を評価した。耐熱試験前の透過率は100%で、耐熱試験後の透過率も100%と耐熱試験後の透過率は高い結果であった。しかし、現像試験を行ったところ、パターン形状の一部に欠けが見られたことから現像性評価は不良であった。
以上の評価結果を表2に示す。
Claims (4)
- (A)重合体と、(B)多官能(メタ)アクリレートを含有する硬化性樹脂組成物であって、
該重合体は、単量体成分として、(a)下記一般式(1)
で示される単量体と、(b)カルボキシル基を含有する不飽和単量体と、(c)水酸基を含有する不飽和単量体とを必須成分として重合してなる重合体であって、重合体を構成する全単量体成分の合計に対し、該カルボキシル基を含有する不飽和単量体の含有割合が0.5〜50質量%、該水酸基を含有する不飽和単量体の含有割合が0.5〜50質量%であり、更に当該重合体の側鎖に重合性二重結合を有し、二重結合当量が500〜3800g/molであることを特徴とする硬化性樹脂組成物(ただし、シルセスキオキサン化合物を含むものを除く。)。 - 前記重合体は、酸価が40〜300mgKOH/gであることを特徴とする請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記硬化性樹脂組成物は、カラーフィルター用であることを特徴とする請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を硬化させてなる硬化層が基板上に設けられてなることを特徴とする積層体。
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