WO2007013488A1

WO2007013488A1 - ロック装置及びシートリクライニング装置

Info

Publication number: WO2007013488A1
Application number: PCT/JP2006/314730
Authority: WO
Inventors: Mikihito Nagura; Yasuhiro Kojima
Original assignee: Aisin Seiki Kabushiki Kaisha
Priority date: 2005-07-27
Filing date: 2006-07-26
Publication date: 2007-02-01
Also published as: EP1908373B1; CN101227845A; JP2007029440A; US7810886B2; EP1908373A4; JP4716097B2; CN101227845B; EP1908373A1; US20090224583A1

Abstract

　ロック解除動作時に引っ掛かりが生じることを抑制するとともに、カム部材により動作するロック部材が複数存在する場合に、ロック動作時における当該複数のロック部材の係合タイミングのばらつきを抑制することができるロック装置を提供する。　ロアガイド１５のガイド部１４は、円周方向に沿って互いに離間して配置された複数のカム案内面１４ａを有し、カム１３は、解除位相にある状態で複数のカム案内面１４ａに対してそれぞれ当接する複数の被案内面１３ｂを有し、ロックスプリング１６の付勢力によるカム１３の偏心方向にある被案内面１３ｂが、他の被案内面１３ｂに対して解除位相側に延長されている。

Description

明細書

ロック装置及びシートリクライニング装置

技術分野

[0001] 本発明は、 2つの部材の係合及び解除を行うことが可能なロック装置、及びそれをシートクッションとシートバックとの角度調節に用いたシートリクライニング装置に関する。

背景技術

[0002] シートリクライニング装置に用いるロック装置に関する技術として、例えば下記の特許文献 1には、以下のような技術が開示されている。このロック装置は、後述する本発明の実施形態と概略同様に構成されている。すなわち、図 7及び図 8に示すように、ロアガイド 51、アツパギヤ 52、リングホルダ 53、 3個のポール 54、カム 55、及びスプリング 56を備えている。アツパギヤ 52は、内周面に内歯 52aが形成されている。一方、 3個のポール 54の外周側端面には、前記内歯 52aに係合する外歯 54aが形成されている。カム 55は、ロック位相と解除位相との間で揺動することによって、 3個のポール 54を同期させて、前記内歯 52aに対して係合又は解除させる動作を行わせる。スプリング 56は、ポール 54を前記内歯 52aに対して係合させる方向に、カム 55を付勢している。ロアガイド 51は、カム 55及びポール 54を案内するガイド部 57を有しており、アツパギヤ 52と対向する状態で相対回転可能に組み合わされている。

[0003] 図 8に示すように、カム 55は、ロアガイド 51に形成されたガイド部 57の内周面により構成される案内面 57aによって径方向の移動が規制されており、周方向にのみ揺動可能に案内されている。但し、案内面 57aとカム 55の外周の被案内面 55aとの間には隙間があり、カム 55は径方向にある程度のガタを有している。ここで、案内面 57aとカム 55の被案内面 55aとの間の隙間は、カム 55がロック位相の近傍にある状態では広ぐカム 55が解除位相の近傍にある状態では狭くなつている。一方、カム 55がロック位相にある状態では、カム 55により径方向外側に押し出された 3個のポール 54がアツパギヤ 52の内歯 52aに係合する。よって、カム 55は 3個のポール 54によりアツパギヤ 52に対して支持された状態となる。特許文献 1 :特開 2002— 101996号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] 上記のロック装置では、カム 55がロック位相の近傍にあり、且つポール 54がアツパギヤ 52の内歯 52aに係合していない状態では、カム 55は、前記案内面 57aと被案内面 55aとの隙間の分だけ径方向に移動し得る状態となる。したがって、カム 55は、スプリング 56の付勢力により、いずれかの方向に偏心することになる。このため、カム 5 5を解除位相からロック位相に変位させてロックを行う際に、 3個のポール 54が同期せず、アツパギヤ 52の内歯 52aに対する係合のタイミングにばらつきが生じる場合がある。また、カム 55をロック位相から解除位相に変位させてロック解除を行う際には、スプリング 56の付勢力により、カムの偏心方向にある被案内面 55aの端部付近が、案内面 57aに押し付けられることになる。このため、案内面 57aと被案内面 55aとの間の摩擦力が大きくなり、ロック解除動作に際して引っ掛力りが生じる場合がある。

[0005] 本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ロック解除動作時に引っ掛力りが生じることを抑制するとともに、カム部材により動作するロック部材が複数存在する場合に、ロック動作時における当該複数のロック部材の係合タイミングのばらつきを抑制することができるロック装置及びそれを用いたシートリクライニング装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0006] 上記目的を達成するための本発明に係るロック装置の特徴構成は、被係合部を有する第一部材と、前記被係合部に対して係合可能なロック部材と、所定のロック位相と解除位相との間で揺動し、前記ロック部材を前記被係合部に対する係合姿勢と解除姿勢との間で動作させるカム部材と、前記カム部材の揺動を案内する案内部を有する第二部材と、前記カム部材を周方向に付勢する付勢部材と、を備え、前記案内部は、円周方向に沿って互いに離間して配置された複数の案内面を有し、前記カム部材は、前記解除位相にある状態で前記複数の案内面に対してそれぞれ当接する複数の被案内面を有し、前記付勢部材の付勢力による前記カム部材の偏心方向にある前記被案内面力他の被案内面に対して前記解除位相側に延長されている点にある。

[0007] この特徴構成によれば、付勢部材によってカム部材に偏心方向の付勢力が作用した際に、当該偏心方向にある延長された被案内面が案内部の案内面に当接することにより、カム部材の径方向の移動を制限して偏心を抑制することができる。またこの際、案内面と被案内面との接触面積を広くすることができ、更にそれらの面の接触角度を小さくすることができる。したがって、ロック解除動作時に被案内面と案内面との間で引っ掛力りが生じることを抑制できる。また、カム部材により動作するロック部材が複数存在する場合に、ロック動作時における複数のロック部材の係合タイミングのばらつきを抑制できる。

[0008] 本発明に係るロック装置のもう一つの特徴構成は、被係合部を有する第一部材と、前記被係合部に対して係合可能なロック部材と、所定のロック位相と解除位相との間で揺動し、前記ロック部材を前記被係合部に対する係合姿勢と解除姿勢との間で動作させるカム部材と、前記カム部材の揺動を案内する案内部を有する第二部材と、前記カム部材を周方向に付勢する付勢部材と、を備え、前記案内部は、円周方向に沿って互いに離間して配置された複数の案内面を有し、前記カム部材は、径方向外側に突出形成された複数のカム凸部と、各カム凸部の外周部に形成され、前記解除位相にある状態で前記複数の案内面に対してそれぞれ当接する複数の被案内面とを有し、少なくとも前記付勢部材の付勢力による前記カム部材の偏心方向にある前記カム凸部が、前記カム部材が前記ロック位相にある状態で前記ロック部材の動作方向に対して径方向外側に向かうに従って離れるように、前記解除位相側に広げられた延長部を有し、前記被案内面が前記延長部の外周部を含んで形成されてヽるにめる。

[0009] この特徴構成によれば、付勢部材によってカム部材に偏心方向の付勢力が作用した際に、当該偏心方向にあるカム凸部の延長部により解除位相側に延長された被案内面が案内部の案内面に当接することにより、カム部材の径方向の移動を制限して偏心を抑制することができる。またこの際、案内面と被案内面との接触面積を広くすることができ、更にそれらの面の接触角度を小さくすることができる。したがって、ロック解除動作時に被案内面と案内面との間で引っ掛力りが生じることを抑制できる。また、カム部材により動作するロック部材が複数存在する場合に、ロック動作時における複数のロック部材の係合タイミングのばらつきを抑制できる。

[0010] 本発明に係るロック装置の更にもう一つの特徴構成は、被係合部を有する第一部材と、前記被係合部に対して係合可能なロック部材と、所定のロック位相と解除位相との間で揺動し、前記ロック部材を前記被係合部に対する係合姿勢と解除姿勢との間で動作させるカム部材と、前記カム部材の揺動を案内する案内部を有する第二部材と、前記カム部材を周方向に付勢する付勢部材と、を備え、前記案内部は、円周方向に沿って互いに離間して配置された複数の案内面を有し、前記カム部材は、前記解除位相にある状態で前記複数の案内面に対してそれぞれ当接する複数の被案内面を有し、前記カム部材が前記ロック位相にある状態で、少なくとも前記付勢部材の付勢力による前記カム部材の偏心方向にある前記被案内面とそれに対向する前記案内面とが互いに対向する領域を有し、当該対向する領域の周方向長さが、前記カム部材の摇動軸心力も前記被案内面までの距離の 10分の 1以上である点にある。なお、好ましくは、対向する領域の周方向長さを、前記カム部材の摇動軸心から前記被案内面までの距離の 8分の 1以上、更に好ましくは 5分の 1以上とすると好適である

[0011] この特徴構成によれば、カム部材がロック位相の近傍にあり、且つロック部材が被係合部に係合していない状態で、カム部材の被案内面と案内部の案内面との対向する部分が当接することにより、カム部材の径方向の移動を制限し、付勢部材の付勢力によりカム部材が偏心することを抑制することができる。したがって、カム部材により動作するロック部材が複数存在する場合には、ロック動作時における複数のロック部材の係合タイミングのばらつきを抑制することができる。また、カム部材が前記ロック位相にある状態での被案内面と案内面との対向する領域の周方向長さが、カム部材の揺動軸心力も被案内面までの距離の 10分の 1以上となるようにしているので、案内面と被案内面との接触面積を広くすることができ、更にそれらの面の接触角度を小さくすることができる。したがって、ロック解除動作時に被案内面と案内面との間で引つ掛カりが生じることを抑制できる。

[0012] 更に、前記カム部材が前記ロック位相にある状態で、前記対向する領域における前記案内面の接線と前記被案内面の接線とのなす角度が 5° 以下である構成とすると好適である。なお、好ましくは、前記対向する領域における前記案内面の接線と前記被案内面の接線とのなす角度が 3° 以下であるとより好適である。

[0013] これにより、ロック部材の被係合部に対する係合が解除され、案内面と被案内面とが実際に接触する際の接触角度を小さく抑えることができる。したがって、ロック解除動作時に被案内面と案内面との間で引っ掛力りが生じることを抑制できる。

[0014] また、前記被係合部は円周方向に沿って設けられ、前記カム部材は、前記被係合部に対向して円周方向に沿って複数配置された前記ロック部材を同期動作させるものであって、前記案内面と前記被案内面とは、前記カム部材が前記ロック位相にあつて全ての前記ロック部材が前記被係合部に係合して、る状態で、互、に接触しなヽように構成されて、ると好適である。

[0015] これにより、カム部材がロック位相となりロック部材が被係合部に係合した際に、カム部材、ロック部材、第一部材等の加工誤差等によりカム部材が設計上の揺動軸心から偏心した場合であっても、カム部材の径方向の移動が案内部の案内面により規制されないようにすることができる。したがって、複数のロック部材のそれぞれに対して均等に荷重が作用する状態とすることができる。

[0016] また、前記案内面及び前記被案内面は、前記カム部材が前記ロック位相から前記解除位相側に変位するに従って、前記案内面と前記被案内面との隙間が減少するように形成されてヽると好適である。

[0017] これにより、ロック位相にある状態でのカム部材の径方向の移動をある程度許容し、更にカム部材がロック位相から解除位相側に変位する際の被案内面と案内面との間での引っ掛力りを抑制しつつ、カム部材を回転方向に適切に案内することができる。

[0018] また、上記の特徴を備えたロック装置を備え、シートクッションとシートバックとの角度を調節可能とするシートリクライニング装置であって、前記第一部材が前記シートクッシヨン及び前記シートバックの何れか一方に取り付けられ、前記第二部材が前記シートクッション及び前記シートバックの何れか他方に取り付けられるとともに、前記第一部材と前記第二部材とが相対回転可能に係合されており、前記カム部材を揺動させる操作部を備えてヽる構成とすると好適である。 [0019] これにより、操作部を操作することによりカム部材を揺動させてリクライニング角度を変更する際において、ロック解除動作時に被案内面と案内面との間で引っ掛かりが生じることを抑制できるとともに、カム部材により動作するロック部材が複数存在する場合に、ロック動作時における複数のロック部材の係合タイミングのばらつきを抑制することができる。したがって、操作感の良いシートリクライニング装置とすることができる。

発明を実施するための最良の形態

[0020] 以下に、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態においては、ロック装置 1を、車両用のシートリクライニング装置 2に適用する場合について説明する。図 1は、本実施形態に係るシートリクライニング装置 2の骨格を示す斜視図である。

[0021] 1.シートリクライニング装置 2の全体構成

図 1に示すように、シートリクライニング装置 2は、シートバックの骨格を構成するシ一トバックフレーム 3と、シートクッションの骨格を構成するシートクッションフレーム 4と、これらシートバックフレーム 3とシートクッションフレーム 4との接続部に設けられた口ック装置 1と、ロック装置 1の操作部としての操作レバー 5及びレバー軸 6と、を有している。そして、ロック装置 1がロック状態にあるときには、シートクッションフレーム 4に対するシートバックフレーム 3の角度は固定される。一方、操作レバー 5が操作されて口ック装置 1がロック解除状態になったときには、シートクッションフレーム 4に対するシ一トバックフレーム 3の角度は変更可能となる。

[0022] また、シートバックフレーム 3には外側係止部材 7が、シートクッションフレーム 4には内側係止部材 8が、それぞれ取り付けられている。そして、渦巻きばねで構成されるシートバック付勢ばね 9の内側端部 9aが内側係止部材 8に係止され、シートバック付勢ばね 9の外側端部 9bが外側係止部材 7に係止されて、る。これによりシートバック付勢ばね 9は、シートバックフレーム 3をシート前方側（図 1における左側）に付勢している。なお、図示は省略するが、シートの幅方向反対側にも操作レバー 5を除いて同様の構成が設けられている。そして、レバー軸 6はシートの幅方向反対側に設けられた同様の構成の軸と連結されており、操作レバー 5の操作により、シートの幅方向両側にそれぞれ設けられたロック装置 1が連動する構成となっている。

[0023] 2.ロック装置 1の全体構成

次に、ロック装置 1の構成について詳細に説明する。図 2は、ロック装置 1の分解斜視図である。図 3は、ロック装置 1の断面図である。図 4は、ロック装置 1のカム 13が口ック位相にある際のカム 13及びポール 12の状態を示す図であり、図 5は、ロック装置 1のカム 13が解除位相にある際のカム 13及びポール 12の状態を示す図である。図 6 は、図 4の要部拡大図である。これらの図に示すように、ロック装置 1は、内周面に内歯 1 laが設けられて、るアツパギヤ 11と、内歯 1 laに対して係合可能な外歯 12aが外周側端面に設けられている 3個のポール 12と、所定のロック位相と解除位相との間で揺動し、ポール 12をアツパギヤ 11の内歯 11aに対する係合姿勢と解除姿勢との間で動作させるカム 13と、カム 13の揺動を案内するガイド部 14を有するロアガイド 15と、カム 13を周方向に付勢するロックスプリング 16とを備えている。また、アツパギヤ 11 とロアガイド 15とは相対回転可能に係合しており、リングホルダ 17が、アツパギヤ 11 及びロアガイド 15の双方の外周部分に外嵌することにより、アツパギヤ 11とロアガイド 15とが分離しな、ように係止して、る。

[0024] 本実施形態においては、アツパギヤ 11が本発明における「第一部材」に相当し、その内歯 11aが本発明における「被係合部」に相当する。また、本実施形態においては、ロアガイド 15が本発明における「第二部材」に相当し、そのガイド部 14が本発明における「案内部」に相当する。また、本実施形態においては、ポール 12が本発明における「ロック部材」に相当し、カム 13が本発明における「カム部材」に相当し、ロックスプリング 16が本発明における「付勢部材」に相当する。

[0025] 3.アツパギヤ 11

アツパギヤ 11は、概略円盤状に形成されている。このアツパギヤ 11のロアガイド 15 側には、その外周面 l ibと同心の円筒形内周面を有する凹形の第一凹部 11c (図 3 参照）が形成されている。そして、この第一凹部 11cの円筒形内周面に内歯 11aが形成されている。また、第一凹部 11cの径方向内側には、外周面 l ibと同心の円筒形内周面を有して第一凹部 11cの底面より更に窪んだ凹形の第二凹部 l idが形成されている。これらの第一凹部 11c及び第二凹部 l idは、アツパギヤ 11がロアガイド 15 に係合した状態で、後述するロアガイド 15の第三凹部 15a及び第四凹部 15bとともに、ポール 12、カム 13及びロックスプリング 16の収納空間を構成する。また、アツパギヤ 11の径方向中央部には、レバー軸 6が揷通される揷通孔 1 Ifが設けられて、る

[0026] 更に、アツパギヤ 11は、ロアガイド 15側とは反対側の面に、円周方向に沿って一定間隔で設けられた複数 (ここでは 6個）の係合凸部 1 leを有して、る。図 1及び図 3に示すように、シートバックフレーム 3には、この係合凸部 l ieに対応する位置に、複数 (ここでは 6個）の係合孔 3aが設けられている。そして、係合凸部 l ieが係合孔 3aに係合された状態で、アツパギヤ 11は、シートバックフレーム 3に対して溶接等により一体的に固定されている。一方、アツパギヤ 11のロアガイド 15側は、後述するロアガイド 15の第三凹部 15a内に嵌め込まれている。この際、アツパギヤ 11の外周面 l ibは、第三凹部 15aの内周面 15cに対して摺動可能に嵌合している。これにより、アツパギヤ 11とロアガイド 15とは、相対回転可能に係合されている。以上のようなアツパギャ 11の形状は、例えば半抜き加工 (不完全打抜き加工)等により成形される。

[0027] 4.ロアガイド 15

ロアガイド 15は、概略円盤状に形成されている。このロアガイド 15のアツパギヤ 11 側には、その外周面 15eと同心の円筒形内周面 15cを有する凹形の第三凹部 15a が形成されている。そして、この第三凹部 15aの内周面 15cにアツパギヤ 11の外周面 l ibが嵌合している。これにより、第三凹部 15a内にアツパギヤ 11が嵌め込まれて係合されている。また、第三凹部 15aの底面 15dに対して突出するように形成されたガイド部 14が、円周方向に沿って互いに離間して複数 (ここでは 6個）配置されている。ガイド部 14は、円周方向に沿って形成されてカム 13を揺動案内するカム案内面 14aを有している。したがって、図 4及び図 5に示すように、複数（ここでは 6個）のカム案内面 14aが、円周方向に沿って互いに離間して配置されることになる。また、ガイド部 14は、隣接するガイド部 14との間で互いに平行となるように概略径方向に沿って形成され、ポール 12の径方向の移動を案内するポール案内面 14bも有している。なお、本実施形態においては、カム案内面 14aが本発明における「案内面」に相当する。 [0028] また、第三凹部 15aの径方向内側には、外周面 15eと同心の円筒形内周面を有して第三凹部 15aの底面 15dより更に窪んだ凹形の第四凹部 15bが形成されている。この第四凹部 15bの径方向内側には、ロックスプリング 16が配置される。第四凹部 1 5bの内周面の一部には、径方向外側に延びる切込溝 15fが形成されている。この切込溝 15fに、渦巻きばねで構成されるロックスプリング 16の外側端部 16aが係止されている。また、ロアガイド 15の径方向中央部には、レバー軸 6が揷通される揷通孔 15 gが設けられている。

[0029] 更に、ロアガイド 15は、アツパギヤ 11側とは反対側の面に、円周方向に沿って一定間隔で設けられた複数の係合凸部 15hを有している。図 1及び図 3に示すように、シートクッションフレーム 4には、この係合凸部 15hに対応する位置に、複数の係合孔 4 aが設けられている。そして、係合凸部 15hが係合孔 4aに係合された状態で、ロアガイド 15は、シートクッションフレーム 4に対して溶接等により一体的に固定されて!/、る。以上のようなロアガイド 15の形状は、例えば半抜き加工 (不完全打抜き加工)等により成形される。

[0030] 5.リングホルダ 17

リングホルダ 17は、リング状に形成されている。そして、リングホルダ 17は、アツパギャ 11の外周面 l ib力ロアガイド 15の第三凹部 15aの内周面 15cに嵌合してアツパギヤ 11とロアガイド 15とが係合した状態で、アツパギヤ 11及びロアガイド 15の双方の外周部分に対して外嵌するように設けられる。これにより、アツパギヤ 11とロアガイド 1 5とは、相対回転が許容されつつ、軸方向に分離しないように係止されている。

[0031] 6.カム 13

カム 13は、後述するボス部 13eが設けられている径方向中央部力径方向外側に突出形成された複数 (ここでは 3個）のカム凸部 13aが、円周方向に互いに離間して設けられた異形板状に形成されている。各カム凸部 13aの最外周部の回転軌跡が構成する案内円周 C (図 6参照）上の面が、ガイド部 14のカム案内面 14aにより案内される被案内面 13bを構成する。したがって、図 4及び図 5に示すように、複数 (ここでは 3個）の被案内面 13bが、案内円周 C上に沿って互いに離間して配置されることになる。また、被案内面 13b以外の平面視（図 4〜6に示される形状)で凹凸形状の各カム凸部 13aの外周側端面が、後述するポール 12の接触面 12dに当接するカム面 1 3cを構成する。また、カム凸部 13aのアツパギヤ 11側の面には、カム 13の摇動軸心 Xと平行に突出する突起部 13dが形成されている。この突起部 13dは、後述するように、ポール 12に形成された係合長孔 12cに挿入される。

[0032] 一方、カム 13のロアガイド 15側の面には、摇動軸心 Xと同軸の円筒形のボス部 13 eが突出形成されている。このボス部 13eを含むカム 13の径方向中央部には、揺動軸心 Xに沿って嵌合孔 13fが設けられている。そして、この嵌合孔 13fにはレバー軸 6 が挿入されて内嵌される。これにより、カム 13は、レバー軸 6及び操作レバー 5と一体的に回転するように構成されている。すなわち、操作レバー 5は、カム 13を揺動させる操作部として機能する。また、ボス部 13eの外周面の一部には、径方向内側に延びる切込溝 13g (図 4〜6参照）が形成されている。この切込溝 13gに、渦巻きばねで構成されるロックスプリング 16の内側端部 16bが係止されている。

なお、カム 13の被案内面 13b、及びそれに対向するガイド部 14のカム案内面 14a の構成については、後で詳細に説明する。

[0033] 7. ロックスプリング 16

ロックスプリング 16は、上記のとおり、外側端部 16aがロアガイド 15の切込溝 15fに、内側端部 16bがカム 13の切込溝 13gに、それぞれ係止されている。また、ロックスプリング 16は、アツパギヤ 11側力見て、内周側から外周側に向かって反時計方向に卷回された渦巻きばねとなつている。したがって、ロックスプリング 16は、カム 13を、アツパギヤ 11側から見て反時計方向（図 4〜6における反時計方向）に回転させる方向に付勢している。すなわち、ロックスプリング 16は、カム 13を回転方向ロック位相側に付勢している。よって、ポール 12は、ロックスプリング 16により、アツパギヤ 11の内歯 11aに対する係合姿勢を保持する方向に付勢される。ところで、ロックスプリング 16は、カム 13をほぼ周方向に付勢する力その付勢力の方向は厳密な意味での周方向ではなぐカム 13を偏心させる方向の付勢力も作用させる。本実施形態においては、ロックスプリング 16は、内側端部 16bが係止されているカム 13の切込溝 13gに対して、内側端部 16b近傍の円周部分の接線方向（図 4及び図 6における略上方向）の付勢力を作用させる。よって、カム 13は、ロックスプリング 16により、図 4及び図 6における略上方向に偏心する付勢力を受ける。

[0034] 8.ポール 12

ポール 12は、概略矩形板状に形成されている。ここでは、ポール 12は円周方向に互いに離間して放射状に複数 (ここでは 3個）配置されている。各ポール 12は、互いに平行な平面形状に形成された両側面 12bが、ロアガイド 15に設けられたガイド部 1 4のポール案内面 14bに摺接することより径方向に移動可能に案内されている。各ポール 12の外周側端面には、アツパギヤ 11の内歯 11aに係合する外歯 12aが形成されて、る。この外歯 12aは内歯 1 laに対向して配置されて!、る。

[0035] また、各ポール 12の内周側部近傍には、厚さ方向に貫通する係合長孔 12cが形成されている。この係合長孔 12cは、その長さ方向がカム 13の摇動軸心 Xを中心とする円周に対して傾斜するように形成されている。ここでは、係合長孔 12cは、カム 13の回転方向のロック位相側（図 4〜6における反時計方向側）に向力うに従って径方向内側に位置するように傾斜している。そして、係合長孔 12cには、カム 13の突起部 1 3dが挿入される。これにより、ポール 12とカム 13が連動するように係合されている。また、ポール 12の外歯 12aと係合長孔 12cとの間の長さ方向中間部における、ロアガイド 15側の面には段差部が形成されている。そして、この段差部の内周面は、カム 1 3のカム面 13cに当接する接触面 12dを構成する。この接触面 12dは、カム面 13cに対応して平面視（図 4〜6に示される形状)で凹凸形状となるように形成されて！ヽる。

[0036] そして、カム 13が、図 4に示すロック位相から図 5に示す解除位相側に揺動する際には、カム 13の突起部 13dが、係合長孔 12c内を時計方向に相対移動して係合長孔 12cの側面を径方向内側に押圧する。これにより、ポール 12は、ガイド部 14のポール案内面 14bに沿つて径方向内側に移動し、図 5に示すように外歯 12aがアツパギヤ 11の内歯 11aに係合しない解除姿勢となる。一方、カム 13が図 5に示す解除位相から、図 4に示すロック位相側に揺動する際には、カム 13の突起部 13dが、係合長孔 12c内を反時計方向に相対移動して係合長孔 12cの側面を径方向外側に押圧する。更に、カム 13のカム面 13cが、ポール 12の接触面 12dを径方向外側に押圧する。これにより、ポール 12は、ガイド部 14のポール案内面 14bに沿って径方向外側に移動し、図 4に示すように外歯 12aがアツパギヤ 11の内歯 1 laに係合する係合姿勢となる。したがって、カム 13がロック位相と解除位相との間で揺動することにより、ポール 12は、アツパギヤ 11の内歯 11aに係合する係合姿勢とその係合が解除される解除姿勢との間で動作する。そして、ポール 12が解除姿勢にあるときは、アツパギヤ 11 とロアガイド 15との相対回転が許容され、ポール 12が係合姿勢にあるときは、アツパギヤ 11とロアガイド 15との相対回転が禁止される。なお、図 4に示すように、カム 13 力ック位相であり、全てのポール 12が係合姿勢となっている状態では、カム 13は複数 (ここでは 3個）のポール 12により径方向に支持される。

[0037] 9.被案内面 13b及びカム案内面 14aの構成

カム 13の複数 (ここでは 3個）の被案内面 13b (後述する延長された被案内面 13b を含む）と、これらに対向するガイド部 14のカム案内面 14aとは、図 4及び図 6に示すように、カム 13がロック位相にある状態であって全てのポール 12の外歯 12aがアツパギヤ 11の内歯 1 laに係合して、る状態で、互、に接触しな、ように構成されて、る。すなわち、カム 13は、ロック位相では、ガイド部 14ではなくポール 12によって径方向に支持される。このように構成することにより、ロック位相において、カム 13の径方向の移動がガイド部 14により規制されることがなぐカム 13の偏心が許容される。したがつて、カム 13、ポール 12及びアツパギヤ 11の加工誤差がある場合であっても、複数のポール 12のアツパギヤ 11に対する係合タイミングのばらつきを抑制することができる。このような構成とするため、カム 13がロック位相にある状態での被案内面 13bと力ム案内面 14aとの間の最も接近する位置における設計上の間隔 N力カム 13、ポール 12及びアツパギヤ 11の加工誤差により生じるカム 13の摇動軸心 Xの偏心量以上となるように設計するとよい。

[0038] 一方、被案内面 13bとカム案内面 14aとは、図 5に示すように、カム 13が解除位相にある状態で互いに当接するように構成されている。すなわち、カム 13の被案内面 1 3bとガイド部 14のカム案内面 14aとは、カム 13がロック位相力も解除位相側に変位するに従って、対向する面間の隙間が減少するように形成されている。ここでは、図 6 にも示すように、カム 13の被案内面 13bが案内円周 C上の面となるように形成されているので、ガイド部 14のカム案内面 14aが、カム 13の回転方向のロック位相側（以下単に「ロック位相側」という）力もカム 13の回転方向の解除位相側（以下単に「解除位相側」という）に向かって案内円周 cに漸近し、解除位相側端部近傍において案内円周 Cと一致する面を有するように形成されている。よって、カム案内面 14aの案内円周 Cと一致する領域が、実質的にカム 13の揺動軸心 Xの偏心を規制しつつ揺動案内する規制領域となり、案内円周 Cよりも径方向外側に引退している領域が、カム 13 の被案内面 13bを規制領域に滑らかに導入するための導入領域となる。

また、本実施形態においては、カム 13の複数 (ここでは 3個）のカム凸部 13aのうち、ロックスプリング 16の付勢力によるカム 13の偏心方向（図 4〜図 6における略上方向）にあるカム凸部 13aが、図 6に示すようにカム 13がロック位相にある状態でポール 12の動作方向（ここではポール案内面 14bに平行な方向）に対して径方向外側に向かうに従って離れるように、解除位相側に広げられた延長部 (拡張部) Eを有して、る。ここでは、延長部 Eは、カム 13がロック位相にある状態で、ポール 12の動作方向に対して所定の角度を有して径方向外側に向かうに従って解除位相側に離れるように形成された平面状の側面 Eaを有するように形成されている。なお、延長部 Eの側面 E aの形状は、平面に限定されるものではなぐ径方向外側に向力うに従って解除位相側に離れるように形成された曲面としても良い。そして、この延長部 Eを有するカム凸部 13aについての被案内面 13bは、延長部 Eの外周部を含んで形成されている。ここでは、延長部 Eの外周面の全体力案内円周 C上にある被案内面 13bとなっている。これにより、カム 13の複数（ここでは 3個）の被案内面 13bの内、ロックスプリング 16の付勢力によるカム 13の偏心方向にある被案内面 13bが、他の被案内面 13bに対して解除位相側に延長された構成となっている。そして、カム 13がロック位相にある状態で、延長部 Eが設けられたカム凸部 13aの被案内面 13bと、それに対向するガイド部 14のカム案内面 14aとは互いに対向する対向領域 Aを有している。ここで、この対向領域 Aの案内円周 Cに沿った方向の円弧の長さは、カム 13の摇動軸心 Xから被案内面 13bまでの距離 D (ここでは案内円周 Cの半径）の 10分の 1以上とし、好ましくは 8 分の 1以上、更に好ましくは 5分の 1以上とすると好適である。なお、対向領域 Aの案内円周 Cに沿った方向の円弧の長さの上限については、カム凸部 13a及びガイド部 14の形状及び配置による制約を除いて特に制約はなぐ任意の長さとすることが可能である。ただし、対向領域 Aの案内円周 Cに沿った方向の円弧の長さを、一定以上に長くしてもカム 13の偏心を抑制する効果はほとんど変わらない。このような対向領域 Aの案内円周 Cに沿った方向の円弧の長さの上限は、カム凸部 13a及びその被案内面 13b並びにガイド部 14及びそのカム案内面 14aの形状により異なる力例えばカム 13の摇動軸心 X力被案内面 13bまでの距離 Dの 2分の 1から 3分の 1程度となる。

[0040] このように、カム 13の被案内面 13bとガイド部 14のカム案内面 14aとの対向領域 A を設けたことにより、ロック位相から解除位相に揺動する際、及び解除位相からロック位相に揺動する際の、カム 13の偏心を抑制することができる。すなわち、カム 13が口ック位相より解除位相側にあって、ポール 12がアツパギヤ 11に対して係合して!/、ない状態では、ロックスプリング 16の付勢力によりカム 13が偏心しょうとする。しかし、対向領域 Aにおいてカム 13の被案内面 13bとガイド部 14のカム案内面 14aとが当接することにより、カム 13の径方向の移動が制限され、カム 13の偏心が抑制される。したがって、カム 13が解除位相側からロック位相に揺動してポール 12がアツパギヤ 11に係合する際（ロック動作時）に、複数のポール 12の係合タイミングのばらつきを抑制することができる。また、上記のように対向領域 Aの長さを十分に長くしたことにより、被案内面 13bとカム案内面 14aとの接触面積を広くすることができ、更にそれらの面の接触角度を小さくすることができる。したがって、カム 13がロック位相から解除位相側に揺動する際 (ロック解除動作時）に、被案内面 13bとカム案内面 14aとの間で引つ掛かりが生じることを抑制できる。

[0041] また、カム 13がロック位相にある状態で、対向領域 Aにおけるカム凸部 13aの被案内面 13bと、それに対向するガイド部 14のカム案内面 14aとの最も接近している位置での接線のなす角度 Θを、 5° 以下とすると好適である。なお、この角度 Θを 3° 以下とすると更に好適である。このようにすれば、カム 13がロック位相から解除位相側に揺動する際における、被案内面 13bとカム案内面 14aとの接触角度が小さくなる。したがって、ロック解除動作時に、被案内面 13bとカム案内面 14aとの間で引っ掛かりが生じることを抑制できる。

[0042] 10.動作説明

以上のように構成されたロック装置 1によれば、操作レバー 5が操作されて、ロックスプリング 16の付勢力に反して、カム 13が図 4に示すロック位相力も解除位相側（図 4 の時計方向側）に揺動することにより、ロック解除動作が行われる。この際、カム 13がロック位相力も解除位相側への揺動を開始した直後は、ポール 12のアツパギヤ 11に対する係合が解除されてロックスプリング 16の付勢力によりカム 13が偏心しょうとする。しかし、僅かな間隔 Nで対向しているカム 13の被案内面 13bとガイド部 14のカム案内面 14aとが広い面積で当接することにより、カム 13の径方向の移動が制限され、力ム 13の偏心が抑制される。また、被案内面 13bとカム案内面 14aとの接触角度を小さくすることもできる。したがって、カム 13がロック位相から解除位相側に揺動する際に、被案内面 13bとカム案内面 14aとの間で引っ掛力りが生じることを抑制できる。その後、カム 13が更に解除位相側に変位すると、カム 13の被案内面 13bが、カム案内面 14aの案内円周 C (図 6参照）と一致する規制領域に対向する状態となる。これにより、カム 13の偏心はほぼ完全に規制される。そして、図 5に示される解除位相となるまで、カム 13は、カム案内面 14aにより偏心が規制された状態のまま揺動する。以上のようなカム 13のロック位相力も解除位相側への揺動により、複数のポール 12が同期して径方向内側に移動して図 5に示す解除姿勢となる。これにより、ロアガイド 15に対するアツパギヤ 11の相対回転が許容され、シートクッションフレーム 4に対するシートバックフレーム 3の角度が変更可能となる。

また、操作レバー 5が戻されると、ロックスプリング 16の付勢力によりカム 13は図 5に示す解除位相からロック位相側（図 5における反時計方向側）に揺動する。これによりロック動作が行われる。この際、カム 13は、被案内面 13bが、カム案内面 14aの案内円周 C (図 6参照）と一致する規制領域に対向する状態にあるときには、偏心がほぼ完全に規制されている。その後、カム 13がロック位相側に変位すると、被案内面 13b に対向するカム案内面 14aは、案内円周 Cよりも径方向外側に引退した位置となるが、被案内面 13bとカム案内面 14aとが広い面積で当接することにより、カム 13の径方向の移動が制限され、カム 13の偏心が抑制される。したがって、複数のポール 12がアツパギヤ 11に係合する際に、複数のポール 12の係合タイミングのばらつきを抑制することができる。以上のようなカム 13の解除位相からロック位相側への揺動により、複数のポール 12が同期して径方向外側に移動して図 4に示すロック姿勢となる。これにより、ロアガイド 15に対するアツパギヤ 11の相対回転が禁止され、シートクッションフレーム 4に対するシートバックフレーム 3の角度が固定される。

[0044] 〔その他の実施形態〕

(1)上記実施形態においては、カム 13の複数 (ここでは 3個）の被案内面 13bの内、ロックスプリング 16の付勢力によるカム 13の偏心方向にある被案内面 13bのみが、他の被案内面 13bに対して解除位相側に延長された構成となっている場合について説明した。しかし、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。すなわち、複数の被案内面 13bの内、少なくともロックスプリング 16の付勢力によるカム 13の偏心方向にある被案内面 13bが、カム案内面 14aに対して、十分な長さの対向領域 A を有して対向するように構成されていればよい。したがって、ロックスプリング 16の付勢力によるカム 13の偏心方向にある被案内面 13bのみではなぐ他の被案内面 13b も同様に延長した構成とすることも好適な実施形態の一つである。この場合にも、複数の被案内面 13bの内の一部を延長することも可能であるし、全ての被案内面 13b を同様に延長することも可能である。

[0045] (2)上記実施形態においては、カム 13の被案内面 13bが案内円周 C (図 6参照）上の面となるように形成され、ガイド部 14のカム案内面 14aが、ロック位相側から解除位相側に向力つて案内円周 Cに漸近し、解除位相側端部近傍において案内円周じと一致する面を有するように形成されている場合について説明した。しかし、このような構成に限定されず、被案内面 13bとカム案内面 14aとは、カム 13がロック位相から解除位相側に変位するに従って、対向する面間の隙間が減少するように形成されていれば好適である。したがって、例えば、被案内面 13bとカム案内面 14aとの関係を逆にし、ガイド部 14のカム案内面 14aが案内円周 C上の面となるように形成され、カム 1 3の被案内面 13bが、解除位相側からロック位相側に向力つて案内円周 Cに漸近し、ロック位相側端部近傍において案内円周 Cと一致する面を有するように形成された構成とすることも好適な実施形態の一つである。

[0046] (3)上記実施形態においては、ロック装置 1を、車両用のシートリクライニング装置 2 に適用する場合について説明した力本発明に係るロック装置の適用範囲はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明に係るロック装置は、車両用以外のシートにも好適に利用することができる。また、このロック装置は、 2個の部材の相対回転角度を任意の角度に調節及び拘束可能とするものであるので、シートリクライニング装置以外にも様々なものに使用することが可能である。

図面の簡単な説明

[0047] [図 1]本発明の実施形態に係るシートリクライニング装置の骨格を示す斜視図

[図 2]本発明の実施形態に係るロック装置の分解斜視図

[図 3]本発明の実施形態に係るロック装置の断面図

[図 4]本発明の実施形態に係るロック装置のカムがロック位相にある際の状態を示す図

[図 5]本発明の実施形態に係るロック装置のカムが解除位相にある際の状態を示す図

[図 6]図 4の要部拡大図

[図 7]背景技術に係るロック装置の分解斜視図

[図 8]背景技術に係るロック装置の要部拡大図

符号の説明

[0048] 1 :ロック装置

2 :シートリクライニング装置

3 :シートバックフレーム

4：シートクッションフレーム

5 :操作レバー (操作部）

11 :アツパギヤ (第一部材）

11a :内歯 (被係合部）

12 :ポール（ロック部材）

13 :カム（カム部材）

13b :被案内面

14 :ガイド部 (案内部）

14a :カム案内面（案内面）

15 :ロアガイド (第二部材） 16：ロックスプリング (付勢部材）

A：対向領域

C :案内円周

D：カムの摇動軸心力被案内面までの距離 E :延長部

N：被案内面とカム案内面との間隔

X：摇動軸心

Θ：被案内面とカム案内面との接線のなす角度

Claims

請求の範囲

[1] 被係合部を有する第一部材と、

前記被係合部に対して係合可能なロック部材と、

所定のロック位相と解除位相との間で揺動し、前記ロック部材を前記被係合部に対する係合姿勢と解除姿勢との間で動作させるカム部材と、

前記カム部材の揺動を案内する案内部を有する第二部材と、

前記カム部材を周方向に付勢する付勢部材と、

を備えたロック装置であって、

前記案内部は、円周方向に沿って互いに離間して配置された複数の案内面を有し前記カム部材は、前記解除位相にある状態で前記複数の案内面に対してそれぞれ当接する複数の被案内面を有し、

前記付勢部材の付勢力による前記カム部材の偏心方向にある前記被案内面が、他の被案内面に対して前記解除位相側に延長されているロック装置。

[2] 被係合部を有する第一部材と、

前記被係合部に対して係合可能なロック部材と、

前記カム部材を周方向に付勢する付勢部材と、

を備えたロック装置であって、

前記案内部は、円周方向に沿って互いに離間して配置された複数の案内面を有し前記カム部材は、径方向外側に突出形成された複数のカム凸部と、各カム凸部の外周部に形成され、前記解除位相にある状態で前記複数の案内面に対してそれぞれ当接する複数の被案内面とを有し、

少なくとも前記付勢部材の付勢力による前記カム部材の偏心方向にある前記カム凸部が、前記カム部材が前記ロック位相にある状態で前記ロック部材の動作方向に対して径方向外側に向かうに従って離れるように、前記解除位相側に広げられた延長部を有し、前記被案内面が前記延長部の外周部を含んで形成されているロック装置。

[3] 被係合部を有する第一部材と、

前記被係合部に対して係合可能なロック部材と、

前記カム部材を周方向に付勢する付勢部材と、

を備えたロック装置であって、

前記カム部材が前記ロック位相にある状態で、少なくとも前記付勢部材の付勢力による前記カム部材の偏心方向にある前記被案内面とそれに対向する前記案内面とが互いに対向する領域を有し、当該対向する領域の周方向長さが、前記カム部材の摇動軸心力も前記被案内面までの距離の 10分の 1以上であるロック装置。

[4] 前記カム部材が前記ロック位相にある状態で、前記対向する領域における前記案内面の接線と前記被案内面の接線とのなす角度が 5° 以下である請求項 3に記載のロック装置。

[5] 前記被係合部は円周方向に沿って設けられ、前記カム部材は、前記被係合部に対向して円周方向に沿って複数配置された前記ロック部材を同期動作させるものであって、

前記案内面と前記被案内面とは、前記カム部材が前記ロック位相にあって全ての前記ロック部材が前記被係合部に係合して、る状態で、互ヽに接触しな、ように構成されて!/ヽる請求項 1に記載のロック装置。

[6] 前記案内面及び前記被案内面は、前記カム部材が前記ロック位相から前記解除位相側に変位するに従って、前記案内面と前記被案内面との隙間が減少するように形成されてヽる請求項 1に記載のロック装置。

前記請求項 1から 6の何れか一項に記載のロック装置を備え、シートクッションとシ一トバックとの角度を調節可能とするシートリクライニング装置であって、

前記第一部材が前記シートクッション及び前記シートバックの何れか一方に取り付けられ、前記第二部材が前記シートクッション及び前記シートバックの何れか他方に取り付けられるとともに、前記第一部材と前記第二部材とが相対回転可能に係合されており、前記カム部材を揺動させる操作部を備えて、るシートリクライニング装置。