JP5221923B2 - リクライニング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両等において用いられるリクライニング装置に関し、更に詳しくは、シートバックの傾斜角を無段階に調整するタウメル式リクライニング装置に関する。
いわゆるタウメル式のリクライニング装置は、シートクッションに固定されるロアアームとシートバックに固定されるアッパアームの枢軸部分の一方と他方に、外歯歯車と、この外歯歯車の外歯よりも歯数の多い内歯を有する内歯歯車を固定し、この外歯歯車または内歯歯車に同軸に回転自在に嵌合させた回転シャフトによって、該外歯歯車と内歯歯車のいずれか一方を他方の軸を中心に偏心運動させながら外歯と内歯の噛合位置を変化させることで、シートバックの無段階の角度調整を可能としている。
より詳細には、外歯歯車と内歯歯車のいずれか一方の軸部には円形穴が形成され、他方の軸部には、該円形穴より小径の外面を有する円筒部が設けられており、外歯歯車と内歯歯車が噛合する状態では、円形穴の中心に対して円筒部の中心が偏心して位置される。そして、この円形穴と円筒部の間の偏心空間に一対の楔状部材が挿入される。一対の楔状部材は、円形穴と円筒部の間に楔を打ち込む方向に付勢されており、常時は外歯歯車と内歯歯車の相対運動が禁止される。一方、円筒部の中心を回転軸とする楔解除部材の回転操作により、付勢力に抗して楔を引き抜く方向に楔状部材を移動させると、外歯歯車と内歯歯車の相対運動が許され、ロアアームに対するアッパアームの角度変更が可能になる。
楔状部材と楔解除部材の関係として、特許文献1のように、楔状部材の外筒面部に凹部を形成し、この凹部に係合する突起部を楔解除部材側に設けた構造が知られている。
特開2006-204891号公報
楔状部材に楔解除方向の操作力(回転力)を与えたとき、本来の移動方向に対する倒れ(こじれ)方向の分力が生じると、円滑な動作が妨げられたり、負荷によるダメージが加わったりするため、好ましくない。例えば、特許文献1では、楔状部材を楔打ち込み方向に付勢するばね部材は、該楔状部材の幅方向における中央部に当て付いているのに対し、楔状部材側の凹部と楔解除部材側の突起部との係合箇所が、該楔状部材の外筒面側に位置している。そのため、楔解除部材の突起部は、楔状部材に対して、ばね部材による付勢力の着力部の周方向延長上からずれた位置を押圧することになり、楔状部材には、正規の移動方向に対して傾いたモーメントが作用してしまう。
また、特許文献1の構造では、楔状部材において外筒面の一部を切除して操作力伝達用の凹部を形成しているため、外筒面の面積が小さくなり、外筒面の十分な接触面積を確保するために楔状部材が大型化するおそれがある。
従って本発明は、外歯歯車と内歯歯車の軸部間の偏心空間に一対の楔状部材を挿入し、該一対の楔状部材を楔解除部材の回転によって楔解除方向に移動させるリクライニング装置において、楔状部材の倒れが生じにくく円滑に動作し、かつ小型に構成可能なリクライニング装置を提供することを目的とする。
本発明は、シートクッションとシートバックのいずれか一方に、該シートバックの傾動中心部に位置させて固定される外歯歯車と、該外歯歯車の外歯に噛み合う該外歯よりも歯数が多い内歯が形成され、シートクッションとシートバックの他方に固定される内歯歯車と、外歯歯車と内歯歯車の一方と他方にそれぞれの軸を中心として設けられた大径の円形穴と該円形穴より小径の円筒部と、該円形穴の内面と円筒部の外面の間の偏心空間に挿入され、中心軸位置が異なる外筒面と内筒面を有し肉厚が楔状に変化する一対の楔状部材と、該一対の楔状部材を、外歯歯車と内歯歯車の相対運動を規制する楔打ち込み方向に付勢する付勢手段と、円筒部の内筒面に回転可能に支持され、一対の楔状部材を付勢手段による楔打ち込み方向と反対の緩み方向へ回転させることにより、外歯歯車と内歯歯車の一方を他方に対して偏心運動させながら外歯と内歯の噛合位置を変化させる楔解除部材とを備えたリクライニング装置において、一対の楔状部材のそれぞれに、外筒面と内筒面を結ぶ幅方向の中間部に位置させて、該外筒面と内筒面を接続する接続面上に開口される被押圧用の肉抜き部を形成し、該肉抜き部を挟んだ内周側と外周側の両方に楔状部材の肉部が存在すること;及び、楔解除部材に、一対の楔状部材の接続面の少なくとも一部を覆う重畳部と、該重畳部から突設され一対の楔状部材のそれぞれの肉抜き部に係合して楔解除方向の操作力を伝達する一対の突起部を設けたことを特徴としている。
肉抜き部は、楔状部材の周方向の中間部に形成された長穴によって構成することができる。あるいは、楔状部材の周方向の一方の側端面を付勢手段が押圧し、これと反対の側端面に形成された凹部を肉抜き部とした構成も可能である。
一対の楔状部材のそれぞれで、付勢手段による付勢力の着力領域と、楔解除部材の突起部による楔解除操作力の着力領域とが、該楔解除部材の回転軸と直交する同一平面上に位置していると、該回転軸直交平面に対する楔状部材の倒れも効果的に防ぐことができる。
楔解除部材は、円筒部の内筒部に相対回転自在に嵌る軸部を有し、該軸部の先端部に重畳部を設けることが好ましい。
以上の本発明のリクライニング装置によれば、一対の楔状部材を楔解除方向に操作したときに倒れが生じにくく円滑に楔解除操作が行われ、かつ小型に構成可能なリクライニング装置を得ることができる。
まず、本発明の対象とするタウメル式両リクライニング装置の概略構成を説明する。図1に一部断面を示すロアアーム10は、シートクッションのフレーム(図示せず)にボルト等により固定される。このロアアーム10における、シートバックの傾動中心位置(シートバックの傾動中心軸と交差する部位)の周囲には、6個(図1にはこのうち2個が表れている)の嵌合穴11が同一円周上に位置するよう穿設されている。
アッパアーム20は、シートバックのフレーム(図示せず)にボルト等により固定される。このアッパアーム20における、シートバックの傾動中心位置(シートバックの傾動中心軸と交差する部位)の周囲には、6個(図1にはこのうち2個が表れている)の嵌合穴21が同一円周上に位置するように穿設されている。
歯車機構30は、ロアアーム10とアッパアーム20との間に装着され、アッパアーム20の傾斜角を調整するもので、この歯車機構30内の外歯歯車31と内歯歯車32に、ロアアーム10の嵌合穴11とアッパアーム20の嵌合穴21とに嵌合する複数の固定突起31a、32aが設けられている。
外歯歯車31は、図4に示すように略円板状をしており、外周面には外歯31bが形成され、中央には、円筒部31cが形成されている。円筒部31cの周囲には環状の凹部31dが形成されている。この外歯歯車31は、側面に形成された6個の固定突起31aをロアアーム10の嵌合穴11に嵌入することで位置決めがなされ、この位置決め後、ロアアーム10に溶接される。
内歯歯車32も、図5に示すように略円板状をしている。内歯歯車32には、外歯歯車31の外歯31bよりも歯数が少なくとも一つ多く形成された、外歯31bと内接する内歯32bが刻設されている。又、内歯歯車32の中央には、円形の貫通穴(円形穴)32cが穿設されている。貫通穴32cは、円筒リブ状部32fの内側に形成されており、円筒リブ状部32fと内歯32bの間の領域には環状の凹部32dが形成されている。内歯歯車32は、側面の6個の固定突起32aをアッパアーム20の嵌合穴21に嵌入することで位置決めがなされ、この位置決め後、アッパアーム20に溶接される。
外歯歯車31の円筒部31cには、図3及び図6に示す円筒形回転シャフト(楔解除部材)33の円筒軸部33aが回転自在に嵌入されている。回転シャフ33は、この円筒部31cの内筒面の中心を回転軸として正逆に回転される。回転シャフト33の円筒軸部33aの先端に、回転軸(円筒軸部33aの軸線)を中心とする外径方向に突出する一対の扇形のフランジ部(重畳部)33b、33cを有し、それぞれのフランジ部33b、33cの裏面側(円筒軸部33aが突設されている側の面)からは、図6に示すように、円筒軸部33aと略平行な方向に向けて解除操作突起(突起部)33d、33eが突設されている。円筒軸部33aの内筒面には、連結用のセレーション33gが切られている。
内歯歯車32の貫通穴32cには、耐摩耗性に優れた円筒形のブッシュ34が嵌め込まれ、固定されている。更に、ブッシュ34の内筒面と外歯歯車31の円筒部31cの外筒面との間には、両者に接触するように、一対の楔状部材35、36が挿入されている。
楔状部材35、36は面対称の形状を有するもので、楔状部材35、36の内筒面35a、36aはそれぞれ、外歯歯車31の円筒部31cの外径と略同一の内径を有し、楔状部材35、36の外筒面35b、36bはそれぞれ、ブッシュ34の内径と略同一の外径を有している。楔状部材35の内筒面35aと外筒面35bは、その中心軸が一致していないことにより、楔状部材35の肉厚が楔状に変化している。同様に、楔状部材36の内筒面36aと外筒面36bは、その中心軸が一致していないことにより、楔状部材36の肉厚が楔状に変化している。
楔状部材35、36には、内筒面35a、36aと外筒面35b、36bを結ぶ幅方向(厚み方向)の中間部に、被押圧用の肉抜き部として長穴35c、36cが形成されている。楔状部材35の長穴35cは、回転シャフト33の回転軸を中心とする周方向に長く、回転シャフト33の回転軸と平行な方向(穴の深さ方向)には楔状部材35を貫通しており、内筒面35aと外筒面35bを接続する接続面35d上に開口されている。楔状部材36の長穴36cも同じく、回転シャフト33の回転軸を中心とする周方向に長く、回転シャフト33の回転軸と平行な方向(穴の深さ方向)には楔状部材36を貫通しており、内筒面36aと外筒面36bを接続する接続面36d上に開口されている。回転シャフト33のフランジ部33b、33cは、楔状部材35の接続面35dと楔状部材36の接続面36dの一部を覆うように、円筒軸部33aから外径方向に張り出している。そして、図8ないし図10に示すように、フランジ部33bに設けた楔解除操作突起33dが一方の楔状部材35の長穴35cに挿入され、フランジ部33cに設けた楔解除操作突起33eが他方の楔状部材36の長穴36cに挿入されている。楔解除操作突起33d、33eはそれぞれ長穴35c、36cに対して周方向に摺動可能である。回転シャフト33が図8において反時計方向に回転すると、回転シャフト33の楔解除操作突起33dが、楔状部材35の長穴35cの端壁(被押圧面)35eに当接し、逆に、回転シャフト33が図8において時計方向に回転すると、回転シャフト33の楔解除操作突起33eが、反対側の楔状部材36の長穴36cの端壁(被押圧面)36eに当接する。
楔状部材35、36は、厚肉側が対向するように、ブッシュ34の内筒面と外歯歯車31の円筒部31cの外筒面との間に配置され、外歯歯車31に対して内歯歯車32を偏心させ、外歯31bに内歯32bを噛合させるものである。この楔状部材35、36により、回転シャフト33は、内歯32bと外歯31bを噛み合わせ、円筒部31cに対して貫通穴32cを偏心運動させながら外歯31bと内歯32bの噛合位置を変化させるように、外歯歯車31と内歯歯車32を相対運動させることができる。楔状部材35、36は、弾性部材としてのスプリング37から互いに離反する方向の付勢力を受けている。
このスプリング37は、1ターンの環状部分37aと、この環状部分37aから立ち上がったばね端部37b、37cからなり、環状部分37aは、内歯歯車32の円筒リブ状部32fによって形成された環状の段部内に支持されている。ばね端部37b、37cは、環状部分37aからロアアーム10に接近する方向(図1の右方向)に向けて突出されており、ばね端部37bは、楔状部材35の厚肉側の側端面に形成されたばね係合溝部35fに係止され、ばね端部37cは、楔状部材36の厚肉側の側端面に形成されたばね係合溝部36fに係止されている。
円筒状の押さえ部材38は、内歯歯車32の外周面に嵌合しており、かつ、その両端部は中心軸側に突出され、外歯歯車31と内歯歯車32を挟んでいる(図1参照)。これにより、外歯歯車31と内歯歯車32とが軸方向に離れることを規制できる。なお、回転シャフト33の先端部には、環状溝33fが切られ、ここに抜け止めリング(抜け止め手段)39が係止されている。
以上のリクライニング装置は、各シートの両側に対称形に一対が配置され、その左右の回転シャフト33は、円筒軸部33aのセレーション33gの間に挿入固定した連結軸13(図1)を介して連結されている。連結軸13及び回転シャフト33は、シートバックの傾斜角の調整時に回転駆動される。
以上のリクライニング装置は、連結軸13(回転シャフト33)に外部から回転操作力を加えない状態では、スプリング37は、楔状部材35、36を離反する方向に付勢し、両楔状部材35、36に楔を打ち込む方向の力を与えている。このため、内歯歯車32と回転シャフト33との相対運動は禁止され、歯車機構30はロック状態にあり、シートバックはその位置にロックされている。
このロック状態において、回転シャフト33を例えば図2及び図8における反時計方向に回すと、回転シャフト33の楔解除操作突起33dが楔状部材35の長穴35cの端壁35eに当て付いて、楔状部材35を隙間から引き抜く方向の力が付与され、回転シャフト33及び楔状部材35は、内歯歯車32に対して反時計方向に回転する。この結果、楔状部材35と周辺部材との間に隙間が発生し、内歯歯車32が移動可能になる。すると、スプリング37の付勢力を受けている楔状部材36がこの隙間を埋めるべく、反時計方向に回転する。
この連動動作により、楔状部材35、36は回転シャフト33と共に反時計方向に回転することになる。時計方向の回転についても同様に、回転シャフト33の楔解除操作突起33eが楔状部材36の長穴36cの端壁36eに当て付き、楔状部材36を隙間から引き抜く方向の力が付与されることによって、楔状部材36、35が回転シャフト33と共に時計方向に回転される。よって、内歯歯車32は、内歯32bが外歯31bに噛み合う偏心位置で回転シャフト33に支持されることになり、外歯歯車31、内歯歯車32及び回転シャフト33は、歯車機構を構成していることになる。このように、回転シャフト33を回転させることにより、歯車機構30がロック状態からアンロック状態になり、外歯歯車31に対して内歯歯車32が偏心運動しながら外歯31bと内歯32bの噛合位置を変化させる。その結果、アッパアーム20をロアアーム10に対して傾動させ、シートバックの傾斜角を調整することができる。
歯車機構30には、ロアアーム10に対するアッパアーム20の最大傾動角を規制するために、外歯歯車31と内歯歯車32にストッパ突起31e、32eが設けられている。外歯歯車31のストッパ突起31eは、外歯31bの内周部から円筒部31c側へ向けて凹部31d内に突出されており、内歯歯車32のストッパ突起32eは、円筒リブ状部32fの外周部から内歯32b側へ向けて凹部32d内に突出されている。外歯歯車31と内歯歯車32の間に所定量の相対回転が発生すると、ストッパ突起31e、32eの互いの側面が当接して回転動作が規制され、シートバックのそれ以上の角度変化が制限される。
以上のように構成されるリクライニング装置では、一対の楔状部材35、36のうち、シートの側方を向く接続面35d、36dの一部が、回転シャフト33に設けたフランジ部33b、33cによって覆われており、この接続面35d、36dに開口された長穴35c、36cに対して、フランジ部33b、33cから突出する楔解除操作突起33d、33eが挿入されている。そして、楔解除操作突起33dと長穴35c(端壁35e)、楔解除操作突起33eと長穴36c(端壁36e)の係合関係によって、回転シャフト33から楔状部材35、36に対して、前述した楔解除方向の回転操作力が付与される。
図9に示すように、楔解除操作突起33dが係合する長穴35cは、楔状部材35における内筒面35aと外筒面35bを結ぶ幅方向(肉厚方向)の略中央部に形成されている。本実施形態とは異なり、回転シャフト33の回転操作力を受ける部分を、内筒面35a上や外筒面35b上の凹部として形成するものと仮定すると、当該凹部によって内筒面35aや外筒面35bの一部が欠損するので、ブッシュ34や円筒部31cに対する接触面積が減り、楔としての機能に影響を及ぼすおそれがある。あるいは、摺接面の欠損分を補うために楔状部材を大型化させる必要が生じる。これに対して、内筒面35aと外筒面35bのいずれにも露出しない幅方向の中間部に長穴35cが形成されている本実施形態の楔状部材35では、コンパクトさを保ちつつ、楔として確実に機能させることができる。楔状部材36も同様であり、内筒面36aと外筒面36bのいずれにも露出しない幅方向(肉厚方向)の中間部に長穴36cが形成されているため、コンパクトを保ちつつ、ブッシュ34と円筒部31cの間に挿入させたときに楔として確実に機能させることができる。
また、楔解除操作突起33dが係合する長穴35cが楔状部材35の幅方向(肉厚方向)の略中央部に形成されている一方で、図8に示すように、スプリング37のばね端部37bが係合されるばね係合溝部35fも、楔状部材35において幅方向(肉厚方向)の略中央部に形成されている。つまり、楔状部材35においては、スプリング37による楔打ち込み方向への付勢力の着力部であるばね係合溝部35fと、回転シャフト33による楔解除方向の回転操作力の着力部である長穴35cとが、概ね同一の円周上に位置している。そのため、楔解除操作突起33dによって長穴35cの端壁35eを押圧して楔解除動作を行わせるとき、回転シャフト33の回転軸と直交する平面方向への倒れのモーメントが発生しにくく、楔状部材35を楔解除方向へスムーズに移動させることができる。楔状部材36においても同様で、スプリング37による楔打ち込み方向への付勢力の着力部であるばね係合溝部36fと、回転シャフト33による楔解除方向の回転操作力の着力部である長穴36cが概ね同一の円周上に位置しているため、回転シャフト33の回転軸と直交する平面方向への倒れのモーメントが発生しにくく、楔状部材36を楔解除方向へスムーズに移動させることができる。
また、図8ないし図10から分かるように、回転シャフト33のフランジ部33bは、楔状部材35の接続面35dの一部を覆っている。回転シャフト33は、抜け止めリング39によって接続面35dから離れる方向の移動が規制されているため、フランジ部33bと接続面35dの当接関係によって、回転シャフト33の回転軸に沿う方向、すなわちシート左右方向への楔状部材35の傾きやガタつき、あるいは歯車機構30からの楔状部材35の脱落が防がれている。楔状部材36においても同様で、接続面36dがフランジ部33cに当接することによって、回転シャフト33の回転軸に沿う方向への楔状部材36の傾き、ガタつき、脱落が防がれている。すなわち、フランジ部33b、33cは、楔解除操作突起33dと楔解除操作突起33eの基部を支持する突起のベース部としての機能と、回転シャフト33の回転軸方向において楔状部材35、36を安定保持させるカバー部としての機能を兼ね備えている。
また、図10から分かるように、楔状部材35に対するスプリング37による着力部(ばね係合溝部35fとばね端部37bの係合領域)と、回転シャフト33による着力部(長穴35cの端壁35eと楔解除操作突起33dの係合領域)は、互いにその大部分が、回転シャフト33の回転軸と直交する平面方向(図10の左右方向)でオーバーラップしている。換言すれば、スプリング37と楔解除操作突起33dが互いに、回転シャフト33の回転軸に沿う高さ方向(図10の上下方向)において略同じ位置で楔状部材35を押圧する関係にある。これにより、楔解除操作突起33dによって長穴35cの端壁35eを押圧するとき、回転シャフト33の回転軸と直交する平面に対して楔状部材35を傾けさせようとするモーメントが発生しにくくなっている。楔状部材36においても同様で、楔状部材36に対するスプリング37からの着力部(ばね係合溝部36fとばね端部37cの係合領域)と、回転シャフト33からの着力部(長穴36cの端壁36eと楔解除操作突起33eの係合領域)が、回転シャフト33の回転軸に沿う高さ方向において略同じ位置で楔状部材36を押圧するため、楔解除操作突起33eによって端壁36eを押圧するとき、回転シャフト33の回転軸と直交する平面に対して楔状部材36を傾けさせようとするモーメントが発生しにくい。
また、図8から分かるように、楔状部材35に対するスプリング37による着力部(ばね係合溝部35fとばね端部37bの係合領域)と、回転シャフト33による着力部(長穴35cの端壁35eと楔解除操作突起33dの係合領域)は、回転シャフト33の回転軸を中心とする周方向において近接した位置関係にある。このように楔状部材35に対する楔打ち込み方向の着力部と楔解除方向の着力部が近接していると、該着力部の相対位置に関する精度管理が容易であり、楔状部材35のスムーズな動作を実現しやすい。同様に、楔状部材36においても、スプリング37による着力部(ばね係合溝部36fとばね端部37cの係合領域)と、回転シャフト33による着力部(長穴36cの端壁36eと楔解除操作突起33eの係合領域)は、回転シャフト33の回転軸を中心とする周方向において近接した位置関係にあるため、着力部相互の精度管理が容易で楔状部材36のスムーズな動作を実現しやすい。
以上の実施形態では、楔状部材35、36の周方向(長手方向)の中間部に貫通穴の態様で長穴35c、36cを形成しているが、図11のような形態にすることも可能である。図11の実施形態において特に言及しない部分については、先の実施形態と共通の構造を有しているものとする。
図11に示す楔状部材135、136はそれぞれ、スプリング37のばね端部37b、37cが係合するばね係合溝部135f、136fとは反対の薄肉側の周方向側端面に、被押圧用の肉抜き部として凹部135c、136cを有している。回転シャフト133は、楔状部材135、136の接続面135d、136dの大部分を覆うフランジ部(重畳部)133b、133cを有し、フランジ部133bからは、凹部135cに対して係合可能な楔解除操作突起(突起部)133dが突設され、フランジ部133cからは、凹部136cに対して係合可能な楔解除操作突起(突起部)133eが突設されている。先の実施形態の楔解除操作突起33d、33eと同じく、楔解除操作突起133d、133eは、回転シャフト33の回転軸に沿う高さ方向において、スプリング37のばね端部37b、37cと略同じ位置で凹部135c、136cを押圧するように、フランジ部133b、133cからの突出量が設定されている。
図11において回転シャフト133を反時計方向に回転させると、楔解除操作突起133dが凹部135cに係合し、楔状部材135が、溝部135fを有する厚肉側を楔状部材136に接近させる楔解除方向に移動される。回転シャフト133を時計方向に回転させると、楔解除操作突起133eが凹部136cに係合し、楔状部材136が、溝部136fを有する厚肉側を楔状部材135接近させる楔解除方向に移動される。
この図11の構成においても、回転シャフト133からの楔解除方向の操作力を受ける凹部135c、136cが、楔状部材135、136の幅方向(肉厚方向)の中央部に位置しているため、楔解除操作時に、楔状部材135、136をそれぞれの内径側または外径側に傾かせるようなモーメントが発生しにくい。また、回転シャフト133のフランジ部133b、133cによって、回転シャフト133の回転軸に沿う方向への楔状部材135、136の倒れや脱落を防ぐことができる。さらに、回転シャフト33の回転軸に沿う高さ方向において、スプリング37のばね端部37b、37cと略同じ位置(高さ領域)で楔解除操作突起133d、133eが凹部135c、136cを押圧するため、回転シャフト133の回転軸と直交する平面に対して楔状部材135、136の倒れを生じさせるモーメントが発生しにくくなっている。
以上、図示実施形態に基づいて説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、発明の要点を逸脱しない限りにおいて異なる構成にすることが可能である。例えば、実施形態の回転シャフト33(133)では、周方向に位置を異ならせて2つのフランジ部33b、33c(133b、133c)が形成されているが、これを周方向に切れ目のない一続きの環状フランジとして形成することも可能である。
また、第1の実施形態において楔状部材35、36に形成される長穴35c、36cは貫通穴であるが、貫通穴に代えて有底穴であってもよい。
本発明による外歯歯車と内歯歯車を備えたタウメル式リクライニング装置の一例を示す縦断面図である。 図1のリクライニング装置を、アッパアームとロアアームを除いて示した左側面図である。 図1のリクライニング装置の主要部の分解斜視図である。 外歯歯車を示す図で、(a)は正面図、(b)は(a)のA-A断面図である。 内歯歯車を示す図で、(a)は正面図、(b)は(a)のB-B断面図である。 回転シャフトを図3とは反対側から見た斜視図である。 一対の楔状部材の拡大斜視図である。 図2における内歯歯車と外歯歯車の間の偏心軸部付近を拡大して示した側面図である。 図8のC-C断面図である。 図8のD-D断面図である。 図8とは異なり、楔状部材の薄肉側の側端面に被押圧用の凹部を形成した実施形態における偏心軸部付近を拡大して示した側面図である。
符号の説明
10 ロアアーム
11 嵌合穴
13 連結軸
20 アッパアーム
21 嵌合穴
30 歯車機構
31 外歯歯車
31a 固定突起
31b 外歯
31c 円筒部
31d 凹部
31e ストッパ突起
32 内歯歯車
32a 固定突起
32b 内歯
32c 貫通穴(円形穴)
32d 凹部
32e ストッパ突起
32f 円筒リブ状部
33 回転シャフト(楔解除部材)
33a 円筒軸部
33b 33c フランジ部(重畳部)
33d 33e 楔解除操作突起(突起部)
33f 環状溝
33g セレーション
34 ブッシュ
35 36 楔状部材
35a 36a 内筒面
35b 36b 外筒面
35c 36c 長穴(肉抜き部)
35d 36d 接続面
35e 36e 端壁(被押圧面)
35f 36f ばね係合溝部
37 スプリング
37a 環状部分
37b 37c ばね端部
38 押さえ部材
39 抜け止めリング(抜け止め手段)
133 回転シャフト
133b 133c フランジ部(重畳部)
133d 133e 楔解除操作突起(突起部)
135 136 楔状部材
135c 136c 凹部(肉抜き部)

Claims (5)

  1. シートクッションとシートバックのいずれか一方に、該シートバックの傾動中心部に位置させて固定される外歯歯車と、
    該外歯歯車の外歯に噛み合う該外歯よりも歯数が多い内歯が形成され、シートクッションとシートバックの他方に固定される内歯歯車と、
    外歯歯車と内歯歯車の一方と他方にそれぞれの軸を中心として設けられた大径の円形穴と該円形穴より小径の円筒部と、
    上記円形穴の内面と円筒部の外面の間の偏心空間に挿入される、中心軸位置が異なる外筒面と内筒面を有し肉厚が楔状に変化する一対の楔状部材と、
    該一対の楔状部材を、上記外歯歯車と内歯歯車の相対運動を規制する楔打ち込み方向に付勢する付勢手段と、
    上記円筒部の内筒部に回転可能に支持され、上記一対の楔状部材を、上記付勢手段による楔打ち込み方向と反対の緩み方向へ回転させることにより、外歯歯車と内歯歯車の一方を他方に対して偏心運動させながら外歯と内歯の噛合位置を変化させる楔解除部材とを備えたリクライニング装置において、
    上記一対の楔状部材のそれぞれに、上記外筒面と内筒面を結ぶ幅方向の中間部に位置させて、該外筒面と内筒面を接続する接続面上に開口する被押圧用の肉抜き部を形成し、該肉抜き部を挟んだ内周側と外周側の両方に上記楔状部材の肉部が存在すること;及び
    上記楔解除部材に、一対の楔状部材の上記接続面の少なくとも一部を覆う重畳部と、該重畳部から突設され一対の楔状部材のそれぞれの上記肉抜き部に係合して楔解除方向の操作力を伝達する一対の突起部を設けたこと
    を特徴とするリクライニング装置。
  2. 請求項1記載のリクライニング装置において、上記肉抜き部は、上記楔状部材の周方向の中間部に形成された長穴からなるリクライニング装置。
  3. 請求項1記載のリクライニング装置において、上記付勢手段は、上記楔状部材の周方向の一方の側端面を押圧し、上記肉抜き部は、該楔状部材の周方向の他方の側端面に形成された凹部からなるリクライニング装置。
  4. 請求項1ないし3いずれか1項記載のリクライニング装置において、上記一対の楔状部材のそれぞれで、上記付勢手段による付勢力の着力領域と、上記楔解除部材の突起部による楔解除操作力の着力領域とが、該楔解除部材の回転軸と直交する同一平面上に位置しているリクライニング装置。
  5. 請求項1ないし4いずれか1項記載のリクライニング装置において、上記楔解除部材は、上記円筒部の内筒部に相対回転自在に嵌る軸部を有し、該軸部の先端部に上記重畳部が設けられているリクライニング装置。
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