JP4710711B2 - 継手装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用シートに用いられるリクライニング装置等の継手装置に関する。詳しくは、同軸上に相対回動可能に配設された第1部材と第2部材との間に位置して第1部材と第2部材とを連結し、第1部材と第2部材との相対回動を許容するアンロック状態と、第1部材と第2部材との相対回動を阻止しその状態を保持するロック状態と、を成す継手装置に関する。
従来、この種の継手装置としては、例えば特許文献1に開示された車両用シートのリクライニング装置にかかる技術が知られている。この開示技術では、背もたれ部たるシートバックがリクライニング装置に連結されており、シートクッションに対する傾き角度位置の調整が行えるようになっている。
詳しくは、リクライニング装置は、シートバック側に接合される円盤形状のラチェットと、シートクッション側に接合される円盤形状のガイドとが、互いの盤面を対向させた状態で相対回動可能に組み付けられている。ここで、ラチェットは、その外周縁部位において軸方向に突出した形状の円筒形状部位を有する。この円筒形状部位には、その内周面に沿って内歯が形成されており、ラチェットがガイドに組み付けられた状態では、内歯が両円盤に囲まれた内部空間に露呈して配置される。一方、ガイドには、その盤面上に、半径方向の外側面に外歯を有する複数のポールを保持する窪み形状の案内部が形成されている。この案内部は、各ポールをそれぞれガイドの半径方向に対してのみ移動可能に保持している。更に、ガイドの軸上位置には、リクライニング操作用の解除レバーに連結されてこれに回動操作されるカムが配置されている。このカムは、解除レバーの回動操作状態によって、前述した各ポールを半径方向の内側から外側に押し出して(前進させて)各ポールの外歯をラチェットの内歯と噛合させる状態と、この噛合状態を外すべく各ポールを後退可能とする状態と、に切換えられる。この、各ポールの外歯とラチェットの内歯とが噛合した状態では、ラチェットとガイドとの相対回動が阻止されるため、リクライニング装置がシートバックの傾き角度位置を保持可能なロック状態となる。ここで、解除レバーは、常時は、各ポールをラチェットの内歯に押し付ける回動方向に附勢されており、リクライニング装置をロック状態として保持している。そして、この附勢力に抗して解除レバーの回動操作(解除操作)を行うことにより、各ポールをラチェットの内歯から後退させ、リクライニング装置の相対回動を許容するアンロック状態に切換えることができる。
ところで、上記リクライニング装置には、乗員がシートに着座する際には使用することのない回動領域、例えばシートバックがシートクッションに対して車両の前方側寄りに傾倒した姿勢となる回動領域において、解除レバーの解除操作を止めてもリクライニング装置がアンロック状態のまま保持されるフリーゾーンが設定されている。具体的には、特許文献1の開示技術では、ラチェットの内盤面とガイドの内盤面との間に、円盤形状のフリーゾーンプレートを設けている。このフリーゾーンプレートは、ラチェットと一体となって回動し、その回動位置によって少なくとも一つのポールと係合する構成となっており、この係合によって、各ポールの前進移動をラチェットの内歯と噛合する前の途中位置までに止めることができる。詳しくは、フリーゾーンプレートは、上記少なくとも一つのポールとは係合するものの、これに隣接するポールとは係合しない構成となっている。これにより、ラチェットとガイドとの相対回動領域において、各ポールをラチェットの内歯に噛合させることのできるロックゾーンを広く確保することができる。
特開2002−209660号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来の技術では、リクライニング装置(継手装置)にフリーゾーンを設定するために、別途、フリーゾーンプレートを組み付ける必要があったため、かかる部品点数の増加に伴って装置全体の製造コストが高くなったり重量が増加したりする問題があった。
そこで、本発明者は、先に、フリーゾーンプレート等の別途の組付部品を設けることなく、継手装置に広い領域のロックゾーンやフリーゾーンを設定できるようにする技術を提案している(特願2005−278330号参照)。具体的には、ガイドの円周上に3個のポールを配置して、かかる3つの配置間寸法のうち、1つの配置間寸法が他の2つの配置間寸法よりも大きくなるように設定したものである。そして、更に、ラチェットの円筒形状部位の内周面の一部に内歯を持たない欠歯部位を設定し、これを内歯の歯先よりも半径方向の内方に突出させた形状に形成している。これにより、欠歯部位とポールとが干渉する関係位置にある時には、押し出されたポールが欠歯部位と当接するため、他の全てのポールの前進移動を阻止することができる。すなわち、この欠歯部位と干渉する回動領域がフリーゾーンとして設定される。そして、この欠歯部位は上記配置間寸法の大きく設定された領域を回動変位するようになっている。したがって、ラチェットとガイドとが相対回動する回動領域のうち、ポールをラチェットに噛合させることのできるロックゾーンの回動領域を広く確保することができる。
ところで、これらガイドやラチェットの外盤面には、突出形状のダボが複数形成されている。これらダボは、ガイドやラチェットが接合されるフレーム部材側の孔部に嵌め込まれて固定されるようになっている。ここで、ガイド側のダボは、ポールが保持される各ガイド溝部の外盤面側に形成されている。これらガイド溝部は、ガイドの内盤面が外盤側に押し出されて凹み形状に形成されている。そして、この押し出しにより突出形成されたガイド溝部の外盤面は、フレーム部材との接合時にフレーム部材の板面に当て交われる当接面となる。したがって、この当接面から突出している3個のダボを孔部にそれぞれ嵌め込んで溶接することにより、ガイドとフレーム部材とを面当接させた状態で接合することができる。
しかし、ガイドの配置間寸法の大きく設定された領域では、ポールが配置されないため、ガイド溝部やダボが形成されず、ガイドとフレーム部材とを面当接させた状態で接合することができない。そのため、この配置間寸法の大きく設定された領域における溶接強度の向上が望まれている。
本発明は、上記した問題を解決するものとして創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、フリーゾーンプレート等の別途の組付部品を設けることなく継手装置に広い領域のロックゾーンやフリーゾーンを設定することのできる構成において、継手装置と連結部材との溶接強度を向上させることにある。
上記課題を解決するために、本発明の継手装置は次の手段をとる。
先ず、第1の発明は、同軸上に相対回動可能に配設された第1部材と第2部材との間に位置して第1部材と第2部材とを連結し、第1部材と第2部材との相対回動を許容するアンロック状態と、第1部材と第2部材との相対回動を阻止しその状態を保持するロック状態と、を成す継手装置であって、第1部材及び第2部材の一方側の部材と接合され、円盤形状を成し、円盤形状の外周縁部位に沿って軸方向に突出して成る円筒形状部位が形成されており、円筒形状部位の内周面に内歯が形成されているラチェットと、第1部材及び第2部材の他方側の部材と接合され、円盤形状を成し、ラチェットに対して相対回動可能に互いの内盤面を対向させた状態で組み付けられるガイドと、ガイドの内盤面上に円周方向に間隔を置いて3個配置され、半径方向の外側面に外歯を有し、ガイドに対してそれぞれ半径方向にのみ移動可能となるように保持されたポールと、ガイドの軸上の位置に軸回動可能に配置され、軸回動に伴って3個の各ポールをガイドの半径方向の内側から外側に押し出して、各ポールの外歯をラチェットの円筒形状部位の内周面に形成された内歯に噛合させることのできるカムと、ガイドとラチェットとの外周縁部位同士を軸方向かつ半径方向に挟み込んだ状態として取り付けられ、ガイドをラチェットに対して相対回動可能に保持する外周リングと、を有し、3個のポールの配置により形成される円周方向の3つの配置間寸法は、1つの配置間寸法が他の2つの配置間寸法よりも大きく設定されており、ラチェットの円筒形状部位の内周面の周方向の一部には、内歯が欠歯とされていると共に内歯の歯先よりも半径方向の内方に突出した突出部位面が形成されており、突出部位面は配置間寸法の大きく設定された領域を回動変位するように配置されており、ガイドの内盤面には、各ポールを半径方向にのみ移動可能となるように保持するガイド溝部が形成されており、ガイド溝部はガイドの内盤面が外盤側に押し出された凹み形状に形成されており、押し出しにより形成されたガイド溝部の外盤面には、第1部材及び第2部材の他方側の部材に形成された嵌合孔に嵌め込まれる嵌合突起が形成されており、更に、ガイドの外盤面には、配置間寸法の大きく設定された領域に、ガイド溝部の外盤面と面一な接合面が形成されており、接合面は、ガイド溝部の外盤面と共に、第1部材及び第2部材の他方側の部材に当て交われた状態で他方側の部材との当接部位同士が溶接により接合されることを特徴とする。
この第1の発明によれば、ラチェットに形成された突出部位面とカムに押し出されたポールとが干渉する関係位置にある時には、カムに押し出されたポールは、突出部位面と当接する位置でその前進移動が阻止される。これにより、カムの押し出し方向の回動が阻止されて、各ポールがラチェットの内歯と噛合する前の状態として保持される。すなわち、このポールと突出部位面とが干渉する回動領域は、継手装置をロック状態にするように作動させても第1部材と第2部材との相対回動が許容されるフリーゾーンとして設定される。また、突出部位面は、配置間寸法の大きく設定された1つの領域を回動変位する。したがって、ラチェットとガイドとが相対回動する回動領域のうち、突出部位面とポールとが干渉しない回動領域、すなわち押し出されたポールの外歯をラチェットの内歯と噛合させることのできるロックゾーンの回動領域が広く確保される。また、ガイドの外盤面に形成された接合面は、上記配置間寸法の大きく設定された領域に形成されており、ガイド溝部の外盤面と面一に形成されている。そして、この接合面は、ガイド溝部の外盤面と共に、第1部材及び第2部材の他方側の部材に当て交われた状態で、この他方側の部材との当接部位同士が溶接によって接合される。
更に、第2の発明は、上述した第1の発明において、ガイドには、3個のポールを押し出した状態のカムの外周面と当接しその半径方向外方にかかる押圧力を受け止めることのできる支持部が形成されており、支持部はガイドの内盤面が外盤側から押し出されて突出した形状として配置間寸法の大きく設定された領域に形成されており、接合面は、押し出しによりガイドの外盤面から凹んで形成された支持部の半径方向の外側の部位に形成されていることを特徴とする。
この第2の発明によれば、3個のポールをラチェットの内歯に向けて押し出そうとするカムの押圧力は、配置間寸法の大きく設定された領域では作用しないため、かかる反力がカムに偏向して作用する。しかし、この偏向した作用力は、上記領域に形成された支持部によって受け止められる。この支持部は、ガイドの内盤面が外盤側から押し出されて突出した形状に形成されている。そして、この支持部の半径方向の外側の部位には、ガイド溝部の外盤面と面一な接合面が形成されている。
次に、第3の発明は、上述した第2の発明において、3個のポール及び支持部は、ガイドの円周方向に互いに90度間隔を置いて配置されていることを特徴とする。
この第3の発明によれば、3個のポール及び支持部は、ガイドの円周方向に均等配置される。したがって、この均等配置されたポールや支持部に対するカムの押圧力が、円周方向に均衡に作用する。
次に、第4の発明は、上述した第1から第3のいずれかの発明において、接合面と第1部材及び第2部材の他方側の部材との溶接の施工方向は、ガイドの円周方向になっていることを特徴とする。
この第4の発明によれば、接合面と第1部材及び第2部材の他方側の部材との間は、これらの間に生じる相対的な負荷の作用方向に向けて溶接が施されている。
本発明は上述した手段をとることにより、次の効果を得ることができる。
先ず、第1の発明によれば、配置間寸法の大きく設定された1つの領域に突出部位面を設定したことにより、フリーゾーンプレート等の別途の組付部品を設けることなく、継手装置に広い領域のロックゾーンやフリーゾーンを設定することができる。そして、同領域に、ガイド溝部の外盤面と面一となる接合面を形成したことにより、継手装置と連結部材との溶接強度を向上させることができる。
更に、第2の発明によれば、支持部を形成したことにより、円周方向に偏向配置された3個のポールを押し出すカムの押圧力を、円周方向に安定して作用させることができる。
更に、第3の発明によれば、3個のポールや支持部をガイドの円周方向に均等配置したことにより、3個のポールを押し出すカムの押圧力を、円周方向により安定して作用させることができる。
更に、第4の発明によれば、溶接の施工方向を負荷の作用方向である円周方向としたことにより、継手装置と連結部材との溶接強度をより向上させることができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態の実施例について、図面を用いて説明する。以下の実施例では、本発明の継手装置の構成を、車両用シートのリクライニング装置として採用している。
始めに、実施例1のリクライニング装置4の構成について、図1〜図9を用いて説明する。図1はリクライニング装置4の分解斜視図である。図2はシートバック2の傾き角度の調整可能な範囲を表した構成図である。図3はリクライニング装置4のロック状態とアンロック状態とを表した構成図である。図4はリクライニング装置4がロックゾーンLにある状態を表した構成図である。図5はリクライニング装置4がフリーゾーンFにある状態を表した構成図である。図6はリクライニング装置4のロックゾーンLとフリーゾーンFとを表した構成図である。図7はラチェット10とバックフレーム2fとの接合部分を拡大して表した構成図である。図8はガイド20とクッションフレーム3fとの接合部分を拡大して表した構成図である。図9はリクライニング装置4の内部構造を拡大して表した側面図である。なお、図2〜図6では、リクライニング装置4の配置が同じ向きに表されている。また、図3において仮想線で引き出し線の示された外歯41a〜41cは、実線で表されているが、仮想線で表した状態を意図している。
本実施例のリクライニング装置4は、図2に良く示されるように、車両の座席用シート1のシートバック2とシートクッション3とを連結する継手装置として構成されている。このリクライニング装置4は、シート1の左右両サイドに一対で配設されており、シートバック2の骨格を成すバックフレーム2fとシートクッション3の骨格を成すクッションフレーム3fとの間に位置してこれらを連結している。ここで、バックフレーム2fが本発明の第1部材及び第2部材の一方の部材に相当し、クッションフレーム3fが本発明の第1部材及び第2部材の他方の部材に相当する。
詳しくは、リクライニング装置4は、シートバック2がシートクッション3に対して軸部4rのまわりに相対回動可能となるように連結している。ここで、リクライニング装置4は、シート1の片側に設けられた操作レバーUに連結されており、操作レバーUの動きに連動して作動するようになっている。具体的には、リクライニング装置4は、操作レバーUの操作を行う前の常時は、上記シートバック2の相対回動を規制したロック状態に附勢されて保持されている。そして、リクライニング装置4は、操作レバーUを引き上げる解除操作を行うことにより、上記の相対回動を許容するアンロック状態に切換えられるようになっている。
したがって、操作レバーUの解除操作を行う前の状態では、リクライニング装置4はロック状態とされており、シートバック2の傾き角度(背もたれ角度)が固定された状態として保持される。そして、操作レバーUの解除操作を行うことにより、リクライニング装置4がアンロック状態に切換えられて、シートバック2の傾き角度の調整が行えるようになる。そして、その後に操作レバーUの解除操作をやめると、リクライニング装置4は再びロック状態に切換えられる。これにより、シートバック2は、その調整された傾き角度の位置に保持される。なお、操作レバーUは、解除操作をやめることにより、引き上げられる前の状態位置(実線位置)に附勢によって戻されるようになっている。
また、シートバック2とシートクッション3との間には、シートバック2をシートクッション3側に前倒しする回動方向に附勢する附勢バネ(図示省略)が設けられている。これにより、シートバック2は、リクライニング装置4がアンロック状態に切換えられることにより、自動的に前倒しされるようになっている。
ここで、リクライニング装置4は、シートバック2側に連結される継手部材とシートクッション3側に連結される継手部材とが相対回動可能に組み付けられて構成されている。したがって、リクライニング装置4は、両継手部材の相対回動を伴いながら、シートバック2の傾き角度の調整が行われるようになっている。そして、このリクライニング装置4が相対回動する領域には、ロックゾーンLの回動領域とフリーゾーンFの回動領域とが設定されている。前者のロックゾーンLは、一旦解除操作した操作レバーUの解除操作をやめることにより、リクライニング装置4が再びロック状態に戻される領域となっている。後者のフリーゾーンFは、一旦解除操作した操作レバーUの解除操作をやめても、リクライニング装置4がロック状態に戻されずにアンロック状態のまま保持される領域となっている。すなわち、このフリーゾーンFでは、一旦解除操作した操作レバーUの操作状態を維持しなくても、リクライニング装置4をアンロック状態のまま保持することができるようになっている。本実施例では、このフリーゾーンFを、乗員がシート1に着座する際には使用することのない回動領域に設定している。詳しくは、図2に示されるように、シートバック2が起立姿勢となる回動位置(実線位置)を境界として、その前側に畳み込まれるまでの回動領域をフリーゾーンFとして設定している。これにより、上記起立姿勢の位置にあるシートバック2をシートクッション3側に前倒しして折畳もうとする際には、一端解除操作を行った操作レバーUの操作状態を維持しなくても、シートバック2を自動的に前倒しすることができ、かかる操作が簡便となる。
次に、リクライニング装置4の構成について詳しく説明する。
すなわち、リクライニング装置4は、図1に示されるように、ラチェット10、ガイド20、セットプレート30、ポール40a〜40c、回動カム50、ヒンジカム60、バネ部材70が1つに組み合わされて構成されている。ここで、セットプレート30が本発明の外周リングに相当し、回動カム50が本発明のカムに相当する。
詳しくは、ラチェット10は、概略円盤形状に形成されている。このラチェット10には、円盤形状の周縁に沿って内盤面10aから軸方向に突出した円筒形状の内歯部11が形成されている。この内歯部11は、ラチェット10の板厚方向への半抜き加工によって形成されており、その円筒形状の内周面に沿って内歯11aが形成されている。しかし、この内周面の円周方向の一部には、歯を持たない歯無面11bが形成されている。この歯無面11bは、内歯11aの歯先よりも半径方向の内方に突出した形状に形成されている。ここで、内歯部11が本発明の円筒形状部位に相当し、歯無面11bが本発明の突出部位面に相当する。
また、ラチェット10の円盤形状の中心部には、軸方向に貫通した軸孔10cが形成されている。この軸孔10cには、図示しない軸部材が挿通されるようになっている。これにより、ラチェット10が軸部材によって軸支されるようになっている。
また、図7に示されるように、ラチェット10の外盤面10bには、軸孔10cから径方向に離間した位置に、ダボ12a及びDダボ12bが円周方向に並べて形成されている。これらダボ12aやDダボ12bは、ラチェット10の板厚方向への半抜き加工によって外盤面10bから軸方向に突出して形成されており、バックフレーム2fに形成された対応するダボ孔2aやDダボ孔2bにそれぞれ嵌め込まれるようになっている。ここで、Dダボ12bは、円柱形状の一部が断面D字状に切り欠かれた形状に形成されており、円柱形状のダボ12aとは形状が区別されるようになっている。これにより、ラチェット10を常に定められた向きにしてバックフレーム2f側に嵌め込めるようになっている。そして、これにより、ラチェット10の軸孔10cとバックフレーム2fに形成された貫通孔2cとを同軸上に位置合わせした状態で両者を接合することができる。このラチェット10とバックフレーム2fとの接合は、ラチェット10の外盤面10bとバックフレーム2fの板面とを面当接させた状態で上記ダボ12aやDダボ12bが嵌め込まれた部位(当接部位)にアーク溶接が施されて行われている。
次に、ガイド20について説明する。すなわち、ガイド20は、図1に示されるように、概略円盤形状に形成されている。このガイド20は、円盤形状の内盤面20aをラチェット10の内盤面10aと対向させた状態で、これに重ね合わせるようにして組み付けられている。ここで、本実施例では、ガイド20の内盤側の面を、全て、「内盤面20a」として表現している。また、図9に示されるように、ガイド20には、円盤形状の周縁に沿って内盤面20aから軸方向に突出する円筒形状の囲い部21が形成されている。この囲い部21は、ガイド20の板厚方向への半抜き加工によって形成されており、ラチェット10の円筒形状の内歯部11に外周側から嵌まり込んで囲い込む大きさに形成されている。したがって、ガイド20とラチェット10とが組み付けられた状態では、囲い部21によってラチェット10の径方向への移動が規制される。そして、この組み付け状態では、ラチェット10の内歯部11に形成された内歯11aが、ラチェット10とガイド20との間の内部空間に露出した状態となっている。
また、図1に示されるように、ガイド20の円盤形状の中心部には、軸方向に貫通した軸孔20cが形成されている。この軸孔20cは、図9に示されるように、ガイド20とラチェット10とが組み付けられた状態では、ラチェット10の軸孔10cと同軸上に位置合わせされる。そして、この軸孔20cには、前述した軸部材(図示省略)が挿通されるようになっている。これにより、ガイド20が軸部材によって軸支されるようになっている。そして、この軸部材により、ラチェット10及びガイド20が、互いの円盤形状の中心部のまわりに相対回動可能に支持されている。
また、図1に示されるように、ガイド20の内盤面20aには、外盤側に押し出されて凹状に窪んだガイド溝部22a〜22cが形成されている。これらガイド溝部22a〜22cは、ガイド20の板厚方向への半抜き加工によって形成されており、互いに円周方向に90度の間隔を置いた3箇所の位置に一繋ぎに形成されている。そして、各ガイド溝部22a〜22cには、ポール40a〜40cが1つずつ配置されており、各ポール40a〜40cをそれぞれ一の径方向にのみ摺動可能となるように保持している。
また、ガイド20の内盤面20aには、外盤側から押し出されて突出した形状の支持部23が形成されている。この支持部23は、ガイド20の板厚方向への半抜き加工によって形成されており、図3に示されるように、ガイド溝部22a,22cの間の位置(90度間隔を置いた位置)に形成されている。更に、図1に戻って、この支持部23の半径方向の外側の部位には、外盤面20bが内盤側から押し出されて突出した形状の接合面26が形成されている。ここで、本実施例では、ガイド20の外盤側の面を、全て、「外盤面20b」として表現している。この接合面26は、ガイド20の板厚方向への半抜き加工によって形成されており、同じように外盤側に押し出されて形成されたガイド溝部22a〜22cの外盤面20bと面一に形成されている。
また、図8に示されるように、ガイド溝部22a〜22cの外盤面20bには、軸孔20cから径方向に離間した位置に、3個のダボ24が形成されている。これらダボ24は、ガイド20の板厚方向への半抜き加工によって外盤面20bから軸方向に突出して形成されており、クッションフレーム3fに形成された対応するダボ孔3aにそれぞれ嵌め込まれるようになっている。そして、これにより、ガイド20の軸孔20cとクッションフレーム3fに形成された貫通孔3cとを同軸上に位置合わせした状態で両者を接合することができる。このガイド20とクッションフレーム3fとの接合は、ガイド溝部22a〜22cの外盤面20bとクッションフレーム3fの板面とを面当接させた状態で、上記ダボ24の嵌め込まれた部位(当接部位)にアーク溶接が施されることによって行われている。ここで、前述したように、接合面26は上記ガイド溝部22a〜22cの外盤面20bと面一に形成されている。したがって、ガイド溝部22a〜22cの外盤面20bとクッションフレーム3fの板面とを面当接させた状態では、接合面26も併せてクッションフレーム3fの板面と面当接する。そのため、本実施例では、この接合面26とクッションフレーム3fとの当接部位にもアーク溶接が施されている。具体的には、クッションフレーム3fは、ガイド20に当て交われた際に接合面26を露出させることができるように、その上端側の周縁部が切り欠かれた形状となっている。そして、この切り欠かれた周縁部と接合面26との合わせ部にアーク溶接が施されている。詳しくは、このアーク溶接は、ガイド20の円周方向に沿って施工されている。なお、上記アーク溶接の施工部位は、図8や図9において黒塗りの太線や円弧で示されている。ここで、ダボ24が本発明の嵌合突起に相当し、ダボ孔3aが本発明の嵌合孔に相当する。
次に、セットプレート30について説明する。すなわち、セットプレート30は、図1に示されるように、薄い中空円盤状の部材がその板厚方向に半抜き加工されて、段差のある円筒形状(環状)に形成されている。このセットプレート30は、互いに重ね合わされているラチェット10とガイド20とを板厚方向や半径方向に挟み込んだ状態として保持する押さえ部材として機能する。ここで、セットプレート30の断面形状は、図9において詳しく表されている。すなわち、セットプレート30は、その内周縁側の部位面が、ラチェット10の外盤側の外周縁面と当接するラチェット保持面31として形成されている。そして、セットプレート30は、上述したラチェット保持面31から、ラチェット10やガイド20の周縁形状に沿って段差状に折り曲げられている。そして、セットプレート30の外周縁側の部位面は、カシメ処理によって内側に折り曲げられており、ガイド20の外盤側の周縁面と当接するガイド保持面32として形成されている。ここで、セットプレート30は、ラチェット10とガイド20との間に僅かな隙間を持たせた状態に組み付けられる。したがって、このセットプレート30の組み付けにより、ラチェット10やガイド20が、上記ラチェット保持面31とガイド保持面32との間で相対回動可能な状態として保持される。
次に、3個のポール40a〜40cについて説明する。すなわち、ポール40a〜40cは、図1に良く示されるように、それぞれが板片状に形成されている。そして、これらポール40a〜40cは、図3に示されるように、ガイド20の内盤面20aに形成されたガイド溝部22a〜22cに1つずつ配置されている。これにより、各ポール40a〜40cは、ガイド溝部22a〜22cの溝形状によってその両サイドが当て交われた状態となり、半径方向にのみ進退移動可能な状態として保持される。ここで、各ポール40a〜40cには、その半径方向の外側面に、外歯41a〜41cがそれぞれ形成されている。したがって、リクライニング装置4が組み付けられた状態では、各ポール40a〜40cを半径方向の外方に前進移動させることにより、それらの外歯41a〜41cをラチェット10の内歯11aに噛合させることができる。これにより、ラチェット10及びガイド20は、各ポール40a〜40cを介して、互いの相対回動が規制された状態となる。これにより、リクライニング装置4がロック状態となる。
ここで、各ポール40a〜40cの進退移動は、その半径方向の内側に設けられた回動カム50の回動操作に伴って行われる。そのために、各ポール40a〜40cの半径方向の内側の面部には、回動カム50に形成された操作腕51a〜51cによって押引操作を受けることのできる操作受部42a〜42cが形成されている。これら操作受部42a〜42cは、操作腕51a〜51cを受け入れてこれと常に係合するように、引き込み形状に形成されている。
ところで、上記3個のポール40a〜40cの配置によって形成される円周方向の3つの配置間寸法D1〜D3は、ポール40aとポール40cとの間の配置間寸法D1が、ポール40aとポールと40bの間の配置間寸法D2や、ポール40bとポール40cとの間の配置間寸法D3よりも大きく設定されている。具体的には、配置間寸法D1が180度の角度領域となっているのに対し、配置間寸法D2,D3は、共に、90度の角度領域となっている。
次に、回動カム50は、図1に示されるように、ガイド20の内周面上の中心部に、軸回動可能に配置されている。
この回動カム50は、3つのポール40a〜40cよりも半径方向の内側の位置に配置されている。そして、回動カム50は、各ポール40a〜40cに対向する円周方向の3箇所の部位に、半径方向の外方に伸びる操作腕51a〜51cを有する。これら操作腕51a〜51cは、図3に示されるように、回動カム50から時計回り方向に伸び出す形状に形成されている。そして、これら操作腕51a〜51cは、リクライニング装置4が組み付けられた状態では、各ポール40a〜40cの操作受部42a〜42cの引き込み形状に入り込んで常に係合するように配置されている。したがって、回動カム50を図3の仮想線で示される位置状態から反時計回りに回動させることにより、時計回りに半径方向の外方に伸び出した形状の操作腕51a〜51cが、各ポール40a〜40cを半径方向の内側から外側に押し出す。これにより、図3の実線で示されるように、各ポール40a〜40cをラチェット10の内歯11aに押し付けることができる。また、回動カム50を図3の実線で示される位置状態から時計回りに回動させることにより、操作腕51a〜51cが、各ポール40a〜40cをガイド20の半径方向の内側に引き寄せて内歯11aから後退させる。
また、回動カム50には、支持部23に対向する円周方向の1箇所の部位に、外周面が半径方向の外方に膨らんだ形状の支承部51dが形成されている。この支承部51dは、リクライニング装置4が組み付けられた状態では、常に、外周面を支持部23に当接させた姿勢状態をとる。ここで、3個のポール40a〜40cを内歯11aに向けて押圧する回動カム50には、円周方向に偏向した押圧力の反力が作用する。そして、この偏向した反力は、配置間寸法D1の領域、すなわち支持部23の配置されている方向に向けて作用する。しかし、この反力は、支承部51dの当接によって支持部23に受け止められる。したがって、回動カム50の押圧力を、円周方向に均等に作用させることができる。
ここで、図1に良く示されるように、回動カム50の中心部には、ヒンジカム60を嵌め込むことのできる嵌込孔52が形成されている。
次に、ヒンジカム60は、図1に良く示されるように、ガイド20の軸孔20cに差し込まれた状態として、軸回動可能に配置されている。このヒンジカム60は、回動カム50や操作レバーU(図2参照)と一体に組み付けられるようになっている。これにより、操作レバーUの回動操作力を回動カム50に伝達して、回動カム50を同方向に回動変位させることができる。具体的には、ヒンジカム60は、回動カム50に形成された嵌込孔52に嵌め込まれて回動方向に一体に組み付けられている。詳しくは、ヒンジカム60は、その円周方向の一部分が径方向の外方に突出した鉤形状に形成されている。そして、この鉤形状のヒンジカム60が回動カム50の嵌込孔52に嵌め込まれることにより、ヒンジカム60と回動カム50とが回動方向に一体に組み付けられる。
また、ヒンジカム60には、ガイド20の軸孔20cに差し込まれる側の軸方向の端部に、巻バネから成るバネ部材70の内側の端部を掛着させることのできる角形状の掛部61が形成されている。そして、ガイド20の外盤面20bには、バネ部材70の外側の端部を掛着させることのできる掛部25が形成されている。そして、この両掛部61,25に対して、バネ部材70が捩り込まれた状態で掛着されている。このバネ部材70の設置により、ヒンジカム60は、ガイド20に対して、図3に示す反時計回りに回動附勢されている。そして、ヒンジカム60は、この回動附勢力によって、前述した回動カム50を反時計回りに回動させる。これにより、各ポール40a〜40cをラチェット10の内歯部11の内周面に向けて押し出すことができる。また、このバネ部材70(図1参照)の回動附勢力によって、操作レバーU(図2参照)を、操作前の位置に向けて回動させることができる。すなわち、バネ部材70の回動附勢力によって、操作レバーUが操作前の状態に戻されるように附勢されると共に、各ポール40a〜40cが内歯部11の内周面に向けて押し出されるように附勢される。
ところで、図4や図5に示されるように、リクライニング装置4が組み付けられた状態では、前述したラチェット10の歯無面11bは、配置間寸法D1(図3参照)の領域を回動変位するように配置されている。具体的には、歯無面11bは、図4の仮想線で示される回動角度位置と、図5の仮想線で示される回動角度位置と、の間の180度の回動領域を回動変位するようになっている。これにより、図2に示されるように、シートバック2は、上記リクライニング装置4の回動変位に対応して、紙面内右側に仮想線で示されている後倒位置と、紙面内左側に仮想線で示される前倒位置と、の間の180度の回動領域において、傾き角度位置の調整が行えるようになっている。
ここで、図4に戻って、歯無面11bは、前述したように内歯11aの歯先よりも半径方向の内方に突出して形成されている。したがって、同図の実線や仮想線で示されるように、歯無面11bがポール40a〜40cと干渉しない位置関係にある時には、ポール40a〜40cを内歯部11の内周面に向けて前進移動させることにより、外歯41a〜41cを内歯11aに噛合させることができる。すなわち、この回動領域は、操作レバーU(図2参照)の回動操作をやめることで、ラチェット10とガイド20との相対回動を阻止することのできるロックゾーンLとなっている。
一方、図5に示されるように、歯無面11bがポール40aと干渉する位置関係にある時には、ポール40a〜40cを内歯部11の内周面に向けて前進移動させることにより、外歯41aが歯無面11bと当接する。これにより、ポール40aの前進移動が阻止される。そして、これに伴って、回動カム50の押し出し方向の回動も阻止されて、全てのポール40a〜40cの前進移動が阻止される。これにより、外歯41a〜41cがラチェット10の内歯11aに噛合していない状態として保持される。すなわち、この回動領域が、操作レバーU(図2参照)の回動操作を止めてもラチェット10とガイド20との相対回動を許容することのできるフリーゾーンFとなっている。なお、図5では、フリーゾーンFの境界位置を示すために、歯無面11bがポール40aと干渉しない位置関係となっているが、この境界に挟まれた領域がフリーゾーンFであることを表現している。具体的には、図4の仮想線で示された回動位置から実線で示された回動位置までの領域(図2においては紙面内右側に仮想線で示される後倒位置から実線位置までの領域)が、ロックゾーンLとして、94度の角度領域に設定されている。また、同実線で示された回動位置を境界として、図5の仮想線で示された回動位置までの領域(図2においては実線位置を境界として、紙面内左側に仮想線で示される前倒位置までの領域)が、フリーゾーンFとして、86度の角度領域に設定されている。これらロックゾーンL及びフリーゾーンFの設定された領域は、図6においてまとめて示されている。
続いて、本実施例の使用方法を説明する。ここで、図2に示されるように、シート1は、その初期状態として、シートバック2が実線で示されている起立姿勢の状態となっており、操作レバーUは操作前の状態(実線状態)となっている。この状態では、リクライニング装置4は、ロックゾーンLにあるため、ロック状態となっており、シートバック2の傾き角度が固定された状態となっている。
先ず、上記の初期状態から、シートバック2をシートクッション3側に前倒しして折畳姿勢とする方法について説明する。始めに、操作レバーUを引き上げて解除操作し、リクライニング装置4をアンロック状態に切換える。そして、シートバック2にかかる前倒し方向の回動附勢力に従って、シートバック2を少し前倒しすると、リクライニング装置4はフリーゾーンFに入る。したがって、この状態では、操作レバーUの解除操作をやめてもリクライニング装置4がアンロック状態のまま保持されるため、そのままシートバック2をシートクッション3側に倒し込んで折畳姿勢とすることができる。そして、折畳姿勢としたシートバック2を元の起立姿勢の状態に戻す場合には、シートバック2をその前倒し方向にかかる回動附勢力に抗してそのまま起こし上げていけばよい。これにより、シートバック2が自動的にロックゾーンLに入り、リクライニング装置4がロック状態に切り換えられ、シートバック2を起立姿勢の傾き角度で固定することができる。
次に、シートバック2を初期状態から後倒しする方法について説明する。始めに、操作レバーUを引き上げて解除操作し、リクライニング装置4をアンロック状態に切換える。そして、操作レバーUの解除操作を継続したまま、シートバック2をその前倒し方向にかかる回動附勢力に抗して後傾させて傾き角度位置の調整を行う。そして、その後に、操作レバーUの解除操作をやめれば、リクライニング装置4がロック状態に切換えられる。これにより、シートバック2を、その傾き角度を調整した位置にて固定することができる。なお、シートバック2は、リクライニング装置4がロックゾーンLにある回動領域では、上記の方法によって傾き角度の調整を行うことができ、最大で、図2の紙面内右側に仮想線で示される後傾位置まで傾き角度を調整することができる。
このように、本実施例のリクライニング装置4によれば、配置間寸法D1の領域に歯無面11bを設定したことにより、フリーゾーンプレート等の別途の組付部品を設けることなく、広い領域のロックゾーンLやフリーゾーンFを設定することができる。そして、同領域に、ガイド溝部22a〜22cの外盤面20bと面一となる接合面26を形成したことにより、ガイド20とクッションフレーム3fとの溶接強度を向上させることができる。更に、支持部23を形成したことにより、円周方向に偏向配置された3個のポール40a〜40cを押し出す回動カム50の押圧力を、円周方向に安定して作用させることができる。更に、3個のポール40a〜40cや支持部23をガイド20の円周方向に90度間隔で均等配置したことにより、3個のポール40a〜40cを押し出す回動カム50の押圧力を、円周方向により安定して作用させることができる。更に、溶接の施工方向を負荷の作用方向である円周方向としたことにより、ガイド20とクッションフレーム3fとの溶接強度をより向上させることができる。
続いて、実施例2のリクライニング装置4の構成について、図10を用いて説明する。
本実施例では、ガイド20とクッションフレーム3fとの接合が、レーザー溶接によって行われている。ここで、レーザー溶接による接合では、ガイド20にクッションフレーム3fを当て交った状態で、その外側からは見えない当接面同士を溶着させることができる。すなわち、ガイド溝部22a〜22cの外盤面20bとクッションフレーム3fの板面との当接面同士や、接合面26とクッションフレーム3fの板面との当接面同士を溶着することができる。ここで、上記レーザー溶接が施工された部位は、同図における黒塗りの太線で示されている。すなわち、接合面26とクッションフレーム3fの板面との溶接は、ガイド20の円周方向に沿って施工されている。そして、外盤面20bとクッションフレーム3fの板面との溶接は、ダボ24を取り囲むようにコ字状に施工されている。
このように、ガイド20とクッションフレーム3fとの接合は、レーザー溶接によっても行うことができる。これにより、アーク溶接による場合と比べて、接合を短時間で行うことができる。また、溶接しようとする面が外部に露出していなくても接合することができるため、実施例1で示したようにクッションフレーム3fの上端側の周縁部を切り欠いて接合面26を露出させる必要がなく、簡便である。
続いて、実施例3のリクライニング装置4の構成について、図11を用いて説明する。
本実施例では、ガイド20とクッションフレーム3fとの接合が、アーク溶接とレーザー溶接との併用によって行われている。具体的には、接合面26とクッションフレーム3fの板面との当接面にレーザー溶接が施工されており、各ダボ24が嵌め込まれている部位(当接部位)にアーク溶接が施工されている。なお、接合面26のレーザー溶接の施工状態は、実施例2で示したものと同じである。また、各ダボ24のアーク溶接の施工状態は、実施例1で示したものと同じである。これらの溶接の施工部位は、同図における黒塗りの太線で示されている。
このように、ガイド20とクッションフレーム3fとの接合は、レーザー溶接とアーク溶接とを併用させて行うことができる。すなわち、溶接の施工部位に応じた溶接方法を適宜選択して接合をすることができ、好適である。
以上、本発明の実施形態を1つの実施例について説明したが、本発明は上記実施例のほか各種の形態で実施できるものである。
例えば、本発明の継手装置は、上記実施例で示したリクライニング装置に限定されず、同軸上に相対回動可能に配設される部材同士を連結する種々の継手構造に適用することができる。
また、リクライニング装置において、ラチェットがシートクッション側に連結されて、ガイドがシートバック側に連結される構成であっても良い。
また、回動カムの押圧力を受け止める支持部のない構成であっても構わないが、回動カムに押圧力の反力が偏向して作用し、ヒンジカム等の他の構成部材に負荷がかかることに留意が必要である。
また、3個のポールがガイドの円周方向に90度間隔に配置されたものを示したが、3つの配置間寸法のうち、1つの配置間寸法が他の2つの配置間寸法よりも大きく設定される間隔に配置されていれば良く、その配置間寸法は特に限定されない。
実施例1のリクライニング装置の分解斜視図である。 シートバックの傾き角度の調整可能な範囲を表した構成図である。 リクライニング装置のロック状態とアンロック状態とを表した構成図である。 リクライニング装置がロックゾーンにある状態を表した構成図である。 リクライニング装置がフリーゾーンにある状態を表した構成図である。 リクライニング装置のロックゾーンとフリーゾーンとを表した構成図である。 ラチェットとバックフレームとの接合部分を拡大して表した構成図である。 ガイドとクッションフレームとの接合部分を拡大して表した構成図である。 リクライニング装置の内部構造を拡大して表した側面図である。 実施例2のリクライニング装置の構成図である。 実施例3のリクライニング装置の構成図である。
符号の説明
1 シート
2 シートバック
2f バックフレーム(第1部材及び第2部材の一方の部材)
2a ダボ孔
2b Dダボ孔
2c 貫通孔
3 シートクッション
3f クッションフレーム(第1部材及び第2部材の他方の部材)
3a ダボ孔(嵌合孔)
3c 貫通孔
4 リクライニング装置(継手装置)
4r 軸部
10 ラチェット
10a 内盤面
10b 外盤面
10c 軸孔
11 内歯部(円筒形状部位)
11a 内歯
11b 歯無面(突出部位面)
12a ダボ
12b Dダボ
20 ガイド
20a 内盤面
20b 外盤面
20c 軸孔
21 囲い部
22a〜22c ガイド溝部
23 支持部
24 ダボ(嵌合突起)
25 掛部
26 接合面
30 セットプレート(外周リング)
31 ラチェット保持面
32 ガイド保持面
40a〜40c ポール
41a〜41c 外歯
42a〜42c 操作受部
50 回動カム(カム)
51a〜51c 操作腕
51d 支承部
52 嵌込孔
60 ヒンジカム
61 掛部
70 バネ部材
D1〜D3 配置間寸法
U 操作レバー
L ロックゾーン
F フリーゾーン

Claims (4)

  1. 同軸上に相対回動可能に配設された第1部材と第2部材との間に位置して第1部材と第2部材とを連結し、第1部材と第2部材との相対回動を許容するアンロック状態と、第1部材と第2部材との相対回動を阻止しその状態を保持するロック状態と、を成す継手装置であって、
    第1部材及び第2部材の一方側の部材と接合され、円盤形状を成し、該円盤形状の外周縁部位に沿って軸方向に突出して成る円筒形状部位が形成されており、該円筒形状部位の内周面に内歯が形成されているラチェットと、
    第1部材及び第2部材の他方側の部材と接合され、円盤形状を成し、前記ラチェットに対して相対回動可能に互いの内盤面を対向させた状態で組み付けられるガイドと、
    該ガイドの内盤面上に円周方向に間隔を置いて3個配置され、半径方向の外側面に外歯を有し、前記ガイドに対してそれぞれ半径方向にのみ移動可能となるように保持されたポールと、
    前記ガイドの軸上の位置に軸回動可能に配置され、該軸回動に伴って前記3個の各ポールを前記ガイドの半径方向の内側から外側に押し出して、当該各ポールの外歯を前記ラチェットの円筒形状部位の内周面に形成された内歯に噛合させることのできるカムと、
    前記ガイドと前記ラチェットとの外周縁部位同士を軸方向かつ半径方向に挟み込んだ状態として取り付けられ、前記ガイドを前記ラチェットに対して相対回動可能に保持する外周リングと、を有し、
    前記3個のポールの配置により形成される円周方向の3つの配置間寸法は、1つの配置間寸法が他の2つの配置間寸法よりも大きく設定されており、
    前記ラチェットの円筒形状部位の内周面の周方向の一部には、前記内歯が欠歯とされていると共に内歯の歯先よりも半径方向の内方に突出した突出部位面が形成されており、該突出部位面は前記配置間寸法の大きく設定された領域を回動変位するように配置されており、
    前記ガイドの内盤面には、前記各ポールを半径方向にのみ移動可能となるように保持するガイド溝部が形成されており、該ガイド溝部は前記ガイドの内盤面が外盤側に押し出された凹み形状に形成されており、該押し出しにより形成されたガイド溝部の外盤面には、前記第1部材及び第2部材の他方側の部材に形成された嵌合孔に嵌め込まれる嵌合突起が形成されており、
    更に、前記ガイドの外盤面には、前記配置間寸法の大きく設定された領域に、前記ガイド溝部の外盤面と面一な接合面が形成されており、該接合面は、前記ガイド溝部の外盤面と共に、前記第1部材及び第2部材の他方側の部材に当て交われた状態で該他方側の部材との当接部位同士が溶接により接合されることを特徴とする継手装置。
  2. 請求項1に記載の継手装置であって、
    前記ガイドには、前記3個のポールを押し出した状態のカムの外周面と当接しその半径方向外方にかかる押圧力を受け止めることのできる支持部が形成されており、該支持部は前記ガイドの内盤面が外盤側から押し出されて突出した形状として前記配置間寸法の大きく設定された領域に形成されており、
    前記接合面は、前記押し出しによりガイドの外盤面から凹んで形成された支持部の半径方向の外側の部位に形成されていることを特徴とする継手装置。
  3. 請求項2に記載の継手装置であって、
    前記3個のポール及び前記支持部は、前記ガイドの円周方向に互いに90度間隔を置いて配置されていることを特徴とする継手装置。
  4. 請求項1から請求項3に記載の継手装置であって、
    前記接合面と前記第1部材及び第2部材の他方側の部材との溶接の施工方向は、前記ガイドの円周方向になっていることを特徴とする継手装置。
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