JP5434968B2 - 車両用シートリクライニング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シートクッションに対するシートバックの傾斜角度を調整するための車両用シートリクライニング装置に関するものである。
従来、こうした車両用シートリクライニング装置としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。この車両用シートリクライニング装置は、ガイド溝(11c)を有する固定円盤(11)と、該固定円盤に軸支され内歯を有する可動円盤(12)と、ガイド溝により径方向への移動が案内され内歯に係脱可能な外歯(15b)を有する複数のポール(15A〜15D)と、一方向への回転に伴いこれらポールを外向きに押圧して内歯及び外歯を噛合させるとともに他方向への回転に伴いこれらポールを内向きに引き込んで内歯及び外歯の噛合状態を解除させるカム体(16,18)と、可動円盤に一体回転するように連結され固定円盤及び可動円盤の相対回転角度が所定範囲(以下、「アンロック区間」ともいう)にあるときに複数のポールのうちの一部である第1ポール(15A)と係合して当該ポールの内歯及び外歯を噛合不能にするととともにこれに伴うカム体の回転係止によって複数のポールのうちの残りである第2ポール(15B〜15D)の内歯及び外歯を噛合不能にするアンロック部材(19)とを備える。
すなわち、カム体は、一体回転するように連結されたカム(16)及びレリーズプレート(18)で構成されている。そして、カム体は、一方向への回転に伴いポールの内周側の部位に形成されたロック側ポールカム部(15f)をカムの外周側の部位に形成されたロック側カム部(16b〜16d)で押圧することで、内歯及び外歯を噛合させる。これにより、固定円盤及び可動円盤の相対回転が係止されて、シートクッションに対するシートバックの回動が規制される。
また、カム体は、他方向への回転に伴いポールに突設されたカムピン(15e)をレリーズプレートに形成された長孔状のアンロック側カム部(18d)で引き込むことで、内歯及び外歯の噛合状態を解除させる。これにより、固定円盤及び可動円盤の相対回転の係止が解除されて、シートクッションに対するシートバックの回動が許容される。
以上により、シートバックを乗員着座等に好適な所要の傾斜角度に調整・保持することができる。
一方、アンロック部材は、周方向に延在する段付き長孔状の規制部(19c)を備える。この規制部は、径方向への開口幅が互いに異なる大幅孔部(19c1)及び小幅孔部(19c2)を有しており、固定円盤及び可動円盤の相対回転角度がアンロック区間以外であるロック区間にあるときに大幅孔部が第1ポールのカムピンに配置されるように設定されている。このとき、第1ポールは、カムピンが大幅孔部に干渉することなく径方向外側への移動が許容されることで、その外歯が内歯に噛合可能となる。同時に、第2ポールは、カム及びレリーズプレートの回転が許容されることで、各々の外歯が内歯に噛合可能となる。
また、規制部は、固定円盤及び可動円盤の相対回転角度がアンロック区間にあるときに小幅孔部が第1ポールのカムピンに配置されるように設定されている。このとき、第1ポールは、カムピンが小幅孔部に当接・干渉して径方向外側への移動が係止されることで、その外歯が内歯に噛合不能となる。同時に、第2ポールは、これに伴いカム及びレリーズプレートの回転が係止されることで、各々の外歯が内歯に噛合不能となる。つまり、第2ポールは、回転係止されたレリーズプレートに引っ掛けられる態様で内歯との当接が回避されている。このように、特定のポール(第1ポール)のみをアンロック部材と係合させてその外歯を内歯に噛合不能とし、他のポール(第2ポール)をレリーズプレートを介して各々の外歯を内歯に噛合不能としているのは、例えば全てのポールを等しくアンロック部材と係合させて各々の外歯を内歯に噛合不能にしようとすると、徒にアンロック区間が拡大されて保持可能なシートバックの角度範囲の縮小を余儀なくされることによる。
特許第3804431号公報
ところで、特許文献1では、特定のポール(第1ポール)のカムピンがアンロック部材の小幅孔部に当接してロック不能の状態にあるとき、他のポール(第2ポール)は、そのカムピンがレリーズプレートのアンロック側カム部に当接することでロック不能の状態になる。つまり、第2ポールは、第1ポールの移動係止に伴い回転の係止されたレリーズプレートを介してその移動が間接的に係止される。従って、第1ポール及び第2ポールがロック不能状態にあるときの姿勢は、製造ばらつきや組付ばらつきの影響を受けて互いにずれを生じる。特に、第1ポールに対し第2ポールの姿勢がロック側、即ち第2ポールの外歯が内歯に接近する側にずれた場合には、これら外歯及び内歯の歯先同士が引っ掛かって円滑な動作が損なわれる可能性がある。あるいは、アンロック区間からロック区間に移行する際に、第2ポールの外歯が第1ポールの外歯よりも先に内歯に噛合することで、ロック時に第2ポールの外歯が本来の内歯よりも手前側の歯に噛合する可能性がある。
本発明の目的は、間接的に移動係止されるポールの外歯及び内歯の歯先同士の引っ掛かりを抑制することができる車両用シートリクライニング装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、シートクッション及びシートバックを含む車両用シートに設けられる車両用シートリクライニング装置であって、前記車両用シートの前記シートクッション側及び前記シートバック側のいずれか一方に固定される第1アームであって、複数のガイド溝を含む前記第1アームと前記車両用シートの前記シートクッション側及び前記シートバック側のいずれか他方に固定され、前記第1アームに回転自在に支持される第2アームであって、内歯を含む前記第2アームと、前記複数のガイド溝によって径方向に沿って移動可能にそれぞれ案内される第1および第2ポールであって、第1および第2ポールの各々は、前記第2アームの内歯に係脱可能な外歯を含む、第1および第2ポールと、前記第1および第2ポールに係合されたカム体であって第1の方向への回転に伴うロック作動時に前記第1および第2ポールの各々を外向きに押圧して前記内歯及び外歯を噛合させ、第2の方向への回転に伴うアンロック作動時に前記第1および第2ポールの各々を内向きに引き込んで前記内歯及び前記外歯の噛合状態を解除させる、前記カム体と、前記第1および第2ポールのうちの第1ポールと前記第2アームとの間に設けられ、前記第1アーム及び前記第2アームの相対回転角度が所定範囲にあるときに前記第1ポールの径方向外側への移動を規制して前記外歯及び前記内歯を噛合不能にする規制部材とを備え、前記第1および第2ポールのうちの第2ポールは、前記規制部材による前記第1ポールの径方向外側への移動規制に伴う前記カム体の回転規制によって前記外歯及び前記内歯が噛合不能となり、アンロック作動時に前記第1ポールが前記規制部材による前記外歯及び前記内歯の噛合不能状態に相当する位置に到達したとき、前記第2ポールが前記内歯から径方向に沿って離隔する際の移動量は、前記第1ポールが前記内歯から径方向に沿って離隔する際の移動量よりも大きくなるように設定されていることを要旨とする。
同構成によれば、前記第1アーム及び前記第2アームの相対回転角度が前記所定範囲以外にあるとき、前記カム体は、一方向への回転に伴うロック作動時に前記複数のポールを外向きに押圧することで、各々の前記外歯を前記内歯に噛合させる。これにより、前記第1アーム及び前記第2アームの相対回転が係止されて、前記シートクッションに対する前記シートバックの回動が規制される。また、前記カム体は、他方向への回転に伴うアンロック作動時に前記複数のポールを内向きに引き込むことで前記内歯及び前記外歯の噛合状態を解除させる。これにより、前記第1アーム及び前記第2アームの相対回転の係止が解除されて、前記シートクッションに対するシートバックの回動が前記許容される。以上により、前記シートバックを乗員着座等に好適な所要の傾斜角度に調整・保持することができる。
一方、前記第1アーム及び前記第2アームの相対回転角度が前記所定範囲にあるとき、前記規制手段により前記第1ポールの径方向外側への移動が係止されて、該第1ポールの前記外歯が前記内歯に噛合不能となる。同時に、前記第2ポールは、前記第1ポールの径方向外側への移動係止に伴う前記カム体の回転係止によって、その径方向外側への移動が間接的に係止されて、前記第2ポールの前記外歯が前記内歯に噛合不能となる。以上により、前記カム体が前記複数のポールを外向きに押圧しても、これら複数のポールの全ての前記外歯が前記内歯に噛合不能となって、前記シートクッションに対するシートバックの回動の許容状態を維持することができる。
ここで、アンロック作動時に前記第1ポールが前記規制手段による前記外歯及び前記内歯の噛合不能状態に相当する位置に到達したとき、前記第2ポールの前記内歯から離隔する径方向の移動量は、前記第1ポールの前記内歯から離隔する径方向の移動量よりも大きく設定されている。従って、例えば製造ばらつきや組付ばらつきの影響を受けて、仮に前記第2ポールが前記内歯に近付く径方向にずれたとしても、前記移動量の差分の範囲でこれを吸収することで、前記第2ポールの前記外歯及び前記内歯の歯先同士の引っ掛かりを抑えることができ、円滑な動作を実現することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用シートリクライニング装置において、ロック作動時に前記第1ポールが前記規制部材による前記外歯及び前記内歯の噛合不能状態にあるときの前記第2ポールが前記内歯から径方向に沿って離隔する距離は、前記第1ポール前記内歯から径方向に沿って離隔する距離以上となるように設定されていることを要旨とする。
同構成によれば、ロック作動時、前記第1ポールが前記規制手段による前記外歯及び前記内歯の噛合不能状態にあるときに、前記カム体を介して間接的に径方向外側(即ち内歯に近付く側)への移動が係止される前記第2ポールが前記第1ポールよりも径方向外側に位置してしまうことをより確実に抑制することができる。そして、前記第2ポールの前記外歯及び前記内歯同士の干渉を抑えることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の車両用シートリクライニング装置において、ロック作動時において前記第1ポールの作動に対し前記第2ポールの作動が遅れるように、前記第1ポールを押圧し始めるときの前記カム体の回転角度及び前記第2ポールを押圧し始めるときの前記カム体の回転角度との間に角度差が設定されていることを要旨とする。
同構成によれば、例えばアンロック状態からのロック作動時に前記カム体が前記第1ポール及び前記第2ポールを押圧し始めるときの前記内歯から離隔する径方向の移動量が互いに同等であるとして、当該状態からのロック作動時に前記カム体の回転角度に対して前記第1ポール及び前記第2ポールの移動量がそれぞれ比例的に推移するように設定したとしても、前記第1ポールが前記規制手段による前記外歯及び前記内歯の噛合不能状態にあるときに、前記第2ポールが前記第1ポールよりも径方向外側に位置しないように調整・設定することができる。従って、前記第1ポール及び前記第2ポールと前記カム体との係合関係が簡易であったとしても、ロック作動時、前記第1ポールが前記規制手段による前記外歯及び前記内歯の噛合不能状態にあるときに、前記第2ポールの前記外歯及び前記内歯同士の干渉を抑えることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の車両用シートリクライニング装置において、ロック作動時に前記第1ポールが前記規制部材による前記外歯及び前記内歯の噛合不能状態にあるときの前記カム体の回転角度は、アンロック作動時に前記第2ポールが前記規制部材による前記外歯及び前記内歯の噛合不能状態に相当する前記第1ポールの位置に到達したときの前記カム体の回転角度に一致またはそれを超える回転角度となることを要旨とする。
同構成によれば、ロック作動時に前記第1ポールが前記規制手段による前記外歯及び前記内歯の噛合不能状態にあるとき、仮に前記第2ポールが前記内歯に近付く径方向に移動したとしてもその位置は、最大であっても前記外歯及び前記内歯の噛合不能状態に相当する前記第1ポールの位置に制限される。従って、ロック作動時、前記第1ポールが前記規制手段による前記外歯及び前記内歯の噛合不能状態にあるときに、前記第2ポールの前記外歯及び前記内歯同士の干渉をいっそう確実に抑えることができる。
なお、請求項に記載の「前記カム体の回転角度に “一致”する」とは、 “完全一致”することを表すものではなく、“近似” することを含む概念である。つまり、ロック作動時に前記第1ポールが前記規制手段による前記外歯及び前記内歯の噛合不能状態にあるときの前記カム体の回転角度は、アンロック作動時に前記第2ポールが前記規制手段による前記外歯及び前記内歯の噛合不能状態に相当する前記第1ポールの位置に到達したときの前記カム体の回転角度を若干、下回っていてもよい。
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれか一項に記載の車両用シートリクライニング装置において、ロック作動時、前記第1ポール及び前記第2ポール前記内歯から径方向に沿って離隔する移動量に対応する前記カム体の回転角度は、前記第1ポール及び前記第2ポールの各々の前記外歯及び前記内歯が歯先噛み合いする時点で一致するように収束させていることを要旨とする。
同構成によれば、ロック作動時、前記第1ポール及び前記第2ポールの前記内歯から離隔する径方向の移動量に対応する前記カム体の回転角度は、前記第1ポール及び前記第2ポールの各々の前記外歯及び前記内歯が歯先噛み合いする時点で一致するように収束させることができる。これにより、前記第1ポール及び前記第2ポールの各々の前記外歯を前記内歯に同時に噛合することができ、第1ポール又は第2ポールが本来の前記内歯よりもずれた歯に噛合することを抑制できる。
なお、請求項に記載の「前記第1ポール及び前記第2ポールの各々の前記外歯及び前記内歯が歯先噛み合いする時点で“一致”する」とは、当該時点で“完全一致”することを表すものではなく、“近似” することを含む概念である。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両用シートリクライニング装置において、前記第1ポールは、第1アンロック側ポールカム部を含み、前記第2ポールは、第2アンロック側ポールカム部を含み、前記カム体は、前記第1および第2ポールに係合され、第1の方向への回転に伴い前記第1および第2ポールの各々を外向きに押圧して前記内歯及び前記外歯を噛合させるカムと、前記カムに一体回転するように連結されたレリーズプレートと、前記カムに形成され、第2の方向への回転に伴い前記第1ポールの前記第1アンロック側ポールカム部を引き込んで前記第1ポールの前記外歯及び前記内歯の噛合状態を解除させる第1アンロック側カム部と、前記レリーズプレートに形成され、第2の方向への回転に伴い前記第2ポールの前記第2アンロック側ポールカム部を引き込んで前記第2ポールの前記外歯及び前記内歯の噛合状態を解除させる第2アンロック側カム部とを備えたことを要旨とする。
同構成によれば、前記第1ポールの前記外歯及び前記内歯の噛合状態は、前記カムの他方向への回転に伴い前記第1アンロック側カム部で前記第1アンロック側ポールカム部を引き込むことで解除される。一方、前記第2ポールの前記外歯及び前記内歯の噛合状態は、前記カムと一体での前記レリーズプレートの他方向への回転に伴い前記第2アンロック側カム部で前記第2アンロック側ポールカム部を引き込むことで解除される。このように、前記第2ポールの前記した解除を、前記レリーズプレートを介して行うことで、前記第2ポールの前記カムとの係合構造を簡素化することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両用シートリクライニング装置において、前記第1ポールは、第1掛部を含み、前記第2ポールは、第2掛部を含み、前記カム体は、板状のカムを含み、前記カム第2の方向への回転に伴い前記第1ポール第1掛部及び前記第2ポール第2掛部をそれぞれ引っ掛けて、前記第1および第2ポールの各々の前記外歯及び前記内歯の噛合状態を解除させる第1フック及び第2フックを含むことを要旨とする。
同構成によれば、前記カム(カム体)は、その回転方向の切替えにより単体で前記複数のポールの前記外歯及び前記内歯の噛合及びその解除をできるため、部品点数を削減することができる。
請求項8に記載の発明は、シートクッション及びシートバックを備える車両に備えられるシートリクライニング装置は、前記シートクッション及びシートバックのいずれか一方に固定され、複数のガイド溝を有し、且つ円形状をなす第1アームと、前記シートクッション及び前記シートバックのいずれか他方に固定され、第1歯を有し、前記第1アームに回転自在に支持される第2アームと、前記第1アームの複数のガイド溝によって前記第1アームの径方向に移動するように案内され、前記第2アームの第1歯に係脱可能な第2歯をそれぞれ有する第1および第2ポールと、前記第2アームに回転自在に支持されるカム体であって、前記カム体は、前記複数のポールに係合し、第1方向へ回転することに伴い、前記複数のポールが前記第1アームの径方向外向きに押圧されることにより、前記第1歯及び前記第2歯が噛合するロック位置と、前記第1方向とは異なる第2方向へ回転することに伴い、前記複数のポールが前記第1アームの径方向内側に向かって移動することにより、前記第1歯及び前記第2歯の噛合状態が解除されるアンロック位置との間を移動する、前記カム体と、前記第1ポール及び前記第2アーム間に設けられる規制部材であって、前記第1アーム及び前記第2アームの相対回転角度が所定範囲にあるとき、前記規制部材が、前記第1アームの径方向外側への前記第1ポールの移動を規制することにより、前記第1歯及び前記第2歯が噛合不能になる、前記規制部材と、前記第1アームの径方向外側への前記第1ポールの移動が規制されることにより、前記カム体の移動が規制され、前記第2ポールの前記第2歯が前記第1歯に対し噛合不能になることと、前記カム体が前記アンロック位置へ移動し、前記第1ポールが前記規制部材による前記第1歯及び前記第2歯の噛合不能状態に相当する位置に到達したとき、前記第2ポールが前記第1歯から離隔する前記第1アームの径方向における前記第2ポールの移動量は、前記第1ポールが前記第1歯から離隔する前記第1アームの径方向における前記第1ポールの移動量よりも大きいことと
を備える。
同構成によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果を得ることができる。
本発明では、間接的に移動係止されるポールの外歯及び内歯の歯先同士の引っ掛かりを抑制することができる車両用シートリクライニング装置を提供することができる。
(a)(b)は、本発明の第1の実施形態を示す横断面図及び縦断面図。 同実施形態を示す分解斜視図。 (a)(b)は、ポール及びカムの係合構造を示す拡大図。 カムの回転角度とポールのスライド量との関係を示すグラフ。 ポール及びカムの係合構造を示す拡大図。 (a)(b)は、本発明の第2の実施形態を示す横断面図及び縦断面図。 同実施形態を示す分解斜視図。 ポール及びカムの係合構造を示す拡大図。
(第1の実施形態)
図1〜図5を参照して本発明の第1の実施形態について説明する。図1(a)(b)に示すように、車両用シートリクライニング装置1は、第1アームとしての円盤状のロアアーム10と、第2アームとしての円盤状のアッパアーム20とを備えている。ロアアーム10は、車両用シートの着座部を構成するシートクッション側に固定され、アッパアーム20は、車両用シートの背もたれ部を構成するシートバック側に固定される。
ロアアーム10は、例えば金属板の半抜き(ハーフブランキング)により成形されたもので、アッパアーム20側に開口する円形の凹部11を有している。凹部11は、ロアアーム10及びアッパアーム20の回転軸O1(軸線)を中心とする内周面11aを有している。
図2に併せ示すように、ロアアーム10の凹部11内には、3つの略扇状の凸部12が円周上に等角度間隔に配置されている。各凸部12は、その周方向両側にガイド壁13,14を形成する。各隣り合う凸部12の周方向で対向するガイド壁13,14同士は、回転軸O1を中心とする径方向に互いに平行に延びており、凹部11の底面と協働して回転軸O1を中心とする径方向に延びる略U字溝状のガイド溝15を円周上に等角度間隔に形成する。これらガイド溝15は、中央部で連通しており、全体として略Y字形状を呈している。
また、ロアアーム10の3つのガイド溝15が連通する中央部には、略円形の貫通孔16が形成されている。この貫通孔16は、所定角度位置で径方向外側に凹設された係止孔16aを有する。
アッパアーム20は、例えば金属板の半抜き(ハーフブランキング)により成形されたもので、ロアアーム10の内周面11aの内径と同等の外径の外周面20aを有するとともに、図1(b)に示すように、ロアアーム10側に開口する円形の凹部21を有している。凹部21は、回転軸O1を中心とする内周面21aを有している。凹部21の内周面21aには、内歯22が全周に亘って形成されている。また、凹部21の内周側には、該凹部21と同心円上に円形の凹部23が形成されている。凹部23の内周面23aには、図1(a)に示すように、回転軸O1に向かって突出する略円弧状の突部24が円周上に等角度間隔で2個所形成されている。
図1(b)に示すように、アッパアーム20は、その外周面20aで、ロアアーム10の内周面11aと摺接するように嵌合されている。そして、ロアアーム10及びアッパアーム20の外周部には、ロアアーム10の内周面11aとアッパアーム20の外周面20aとが嵌合された状態で、金属板からなるリング状のホルダ29が装着されている。ロアアーム10及びアッパアーム20は、このホルダ29によって相対回動が許容された状態で軸方向に抜け止めされている。
ロアアーム10とアッパアーム20との間には、ロック機構30が配設されている。このロック機構30は、図2に併せ示すように、主として、第1ポールとしてのポール31Aと、第2ポールとしてのポール31B,31Cと、カム32と、レリーズプレート33と、付勢部材としての渦巻きばね34と、押圧部材60とによって構成されている。
ポール31A〜31Cは、隣り合う2つのガイド壁13,14の間に装着されて、回転軸O1を中心とする円周上に等角度間隔に配置されている。
ポール31Aは、鋼材を鍛造加工するなどして作製され、互いに段違い形成された第1ブロック41と第2ブロック42とを備えている。ポール31Aは、第1ブロック41がアッパアーム20の内周面22a側に配置され、第2ブロック42がアッパアーム20の軸心側に配置されている。これら第1ブロック41及び第2ブロック42の両幅端部311,312は一致するとともに、平行な直線となるように形成されている。第1ブロック41の円弧状の外方端(アッパアーム20の内歯22と対向する端面)には、アッパアーム20の内歯22と噛合可能な外歯44が形成され、第1ブロック41の内方端(外方端とは逆向きの端面である背面)には、カム32の外周部に係合する内面カム部45が形成されている。さらに、第2ブロック42には、板厚方向に貫通するポール側溝カム部46が幅方向の略中央部位に透設されている。
そして、ポール31Aは、その両幅端部311,312を両ガイド壁13,14に摺接する態様で回転軸O1を中心とする径方向への移動が案内されている。ポール31Aは、両ガイド壁13,14に沿って径方向に進退することで、その外歯44と内歯22とを噛合又は解除(係脱)する。なお、ポール31Aには、凹部23(内周面23a)に径方向で対向するように、アッパアーム20に向かう軸線方向に円弧状の係合部43が突設されている。この係合部43は、突部24と共に規制手段を構成する。
一方、ポール31B,31Cは、板状の鋼板をプレス加工するなどして作製され、ポール31Aの第2ブロック42が切除され、第1ブロック41のみによって構成された形状に近似した段差をもたない平板形状をなしている。すなわち、ポール31B,31Cは、ポール31Aに対して第2ブロック42の分だけ径方向に短く、かつ板厚も第2ブロック42の板厚分だけ薄く形成されている。ポール31B,31Cは、ポール31Aと同様に、両幅端部313,314は平行な直線に形成されている。ポール31B,31Cの円弧状の外方端には、アッパアーム20の内歯22と噛合可能な外歯47が形成され、ポール31B,31Cの内方端には、カム32の外周部に係合する内面カム部48が形成されている。さらに、ポール31B,31Cには、幅方向の中央部に係合突起49がレリーズプレート33に向けて突設されている。
そして、ポール31B,31Cは、各々の両幅端部313,314を両ガイド壁13,14に摺接する態様で回転軸O1を中心とする径方向への移動が案内されている。ポール31B,31Cは、両ガイド壁13,14に沿って径方向に進退することで、各々の外歯47と内歯22とを噛合又は解除(係脱)する。
ここで、ポール31Aの段差部に形成された内面カム部45は、図3(a)に拡大して示すように、ポール31Aの周方向の中央部と周方向の両側に、3つのポール側カム面50a,50b,50cを備えている。これらポール側カム面50a〜50cは、カム32の外周部(カム面55)に対向している。ポール側カム面50a〜50cは、カム32のロック回転方向(図3の反時計回転方向)への回転に伴い該カム32の外周部に接近する傾斜面を有するカム面で構成されている。
なお、図3(b)に拡大して示すように、ポール31Bの内方端に形成された内面カム部48も、ポール31Aの内面カム部45に準じた形状の3つのポール側カム面51a,51b,51cを備えている。一方、ポール31Cの内方端に形成された内面カム部48は、図1(a)に示すように、ポール31Bのポール側カム面51cに代わるポール側カム面52を備えている。このポール側カム面52は、周方向で対向するガイド壁13との間で楔状の空間を形成するように成形されている。すなわち、ガイド壁13とポール側カム面52との間隔は、径方向外方へ向かうに従って狭くなるように成形されている。
カム32は、アッパアーム20の凹部21内となるポール31A〜31Cの内周側で、回転軸O1上に回転可能に配置されている。
カム32は、板状の鋼板をプレス加工するなどして作製され、段差をもたない平板形状をなしている。このカム32は、その外周部に円周上に等角度間隔に3組のカム面55を有している。図3(a)(b)に示すように、各カム面55は、その周方向の中央部と周方向の両側に、3つの押圧カム部55a,55b,55cを備えている。
これらのうちの2つの押圧カム部55a,55bは、ポール31Aの対向する2つのポール側カム面50a,50b又はポール31B,31Cの対向する2つのポール側カム面51a,51bに当接可能であり、カム32がロック位置に回転されたときに該当のポール側カム面50a,50b、51a,51bを押圧する。
一方、これらのうちの残りの1つの押圧カム部55cは、ポール31A,31Bの対向する残りのポール側カム面50c,51cに当接可能であり、カム32がロック位置に回転されたときに該当のポール側カム面50c,51cを押圧する。あるいは、押圧カム部55cは、ポール31Cのポール側カム面52及びガイド壁13との間に形成される前述の楔状の空間内に、球体状の押圧部材60を収容する。押圧部材60は、ロアアーム10の凹部11とレリーズプレート33の周縁部とにより軸線方向に挟まれており、ポール側カム面52及びガイド壁13に摺接しつつ径方向に移動できるようになっている。当該押圧カム部55cは、押圧部材60に外接可能であり、カム32がロック位置に回転されたときに押圧部材60を押圧する。
つまり、押圧カム部55a〜55cは、カム32がロック位置に回転されたときに、ポール31Aのポール側カム面50a〜50c、ポール31Bのポール側カム面51a〜51c、並びにポール31Cのポール側カム面51a,51b及び押圧部材60にそれぞれ当接(圧接)する角度位置に保持されている。
なお、押圧部材60は、カム32により押圧されることでガイド壁13及びポール側カム面52それぞれ圧接する。このとき、押圧部材60の押圧力は、ポール31Cの移動方向成分(径方向成分)の分力及び該移動方向に直交する方向であるポールの幅方向成分(周方向成分)の分力に分解される。そして、このポールの幅方向成分の分力での押圧による楔作用によって、ポール31Cの幅端部313とガイド壁13とが互いに離間する周方向の力を発生し、ポール31Cの幅端部314とガイド壁14との隙間が埋まる。
一方、図3(a)(b)に示すように、カム32がロックを解除する方向に回転されると、押圧カム部55a,55bは、ポール31Aのポール側カム面50a,50b又はポール31B,31Cのポール側カム面51a,51bから離隔される。また、押圧カム部55cは、ポール31A,31Bのポール側カム面50c,51cから離隔され、あるいは押圧部材60から離隔される。
図1(a)に示すように、カム32の側面には、円周上に間隔をおいて複数の係合突起57が突設され、これら係合突起57の1つが、ポール31Aのポール側溝カム部46に挿入・係合されている。ポール側溝カム部46及び係合突起57は、カム32のロック解除方向への回転によってポール31Aを径方向内方へ移動させるように作用する。すなわち、図3(a)に示すように、ポール側溝カム部46は、カム32のロック解除方向(図示時計回転方向)に向かうに従い、基本的に径方向外方に漸進するように成形されている。これにより、カム32のロック解除方向への回転に伴い、係合突起57にポール側溝カム部46の押圧されるポール31Aが径方向内方に引き込まれる。
図2に示すように、カム32の側面には、薄板状のレリーズプレート33が係合突起57に係合されて一体的に取付けられている。このレリーズプレート33は、中心部に貫通孔33aを有している。レリーズプレート33は、ポール31Aの第2ブロック42と軸線方向に一致するようにカム32に取付けられており、ポール31Bの端面に摺接可能に対接されている。これによって、ポール31B,31C及びレリーズプレート33がポール31Aの厚みの範囲内に収められている。レリーズプレート33は、アッパアーム20に形成した突部24とは非接触状態となる略円環形のプレートからなり、その円環形のプレートの一部位に扇型の切欠き33bが形成され、この切欠き33bの部位にポール31Aが配設されている。すなわち、その円環形のプレートをポール31Aに対応する角度範囲だけ扇型に切欠くことにより、カム32の回転によってレリーズプレート33がポール31Aに干渉しないようにしている。
レリーズプレート33の回転中心を中心とする円周上には、板厚方向に貫通して2つのレリーズプレート側溝カム部59が形成されている。これらレリーズプレート側溝カム部59は、ポール31B,31Cの端面にそれぞれ対応するように、係合突起57の円周位置よりも径方向外方に配置されている。レリーズプレート側溝カム部59には、ポール31B,31Cに突設された係合突起49がそれぞれ挿入・係合されている。レリーズプレート側溝カム部59と係合突起49との係合によって、カム32と共にレリーズプレート33がロック解除方向に回転されると、ポール31B,31Cを径方向内方へ移動させるようにしている。すなわち、図3(b)に示すように、レリーズプレート側溝カム部59は、カム32のロック解除方向(図示時計回転方向)に向かうに従い、基本的に径方向外方に漸進するように成形されている。これにより、カム32と一体でのレリーズプレート33のロック解除方向への回転に伴い、レリーズプレート側溝カム部59に係合突起49の押圧されるポール31B,31Cが径方向内方に引き込まれる。
渦巻きばね34は、ポール31A〜31Cをアッパアーム20に係合する方向にカム32を回転付勢するもので、図2に示すように、ロアアーム10の貫通孔16内に収納されている。渦巻きばね34は、例えば略矩形の扁平な線材を所定の渦巻き形状に曲成することにより形成されており、ロアアーム10とカム32との間に介装されている。すなわち、渦巻きばね34の外端部34aは、係止孔16aに係止され、内端部34bは、カム32の端面に設けた図略の係止部に係止されている。
かかる渦巻きばね34の付勢力によって、カム32はロアアーム10に対してロック回転方向(図1(a)の反時計回転方向)に回転付勢され、そのカム面55によってポール31A〜31Cを径方向外方に押圧し、各々の外歯44,47をアッパアーム20の内歯22に係合させるようになっている。
ここで、渦巻きばね34の付勢力によりポール31A,31Bの外歯44,47及びアッパアーム20の内歯22が噛合状態にあるときのカム32の回転角度を原点とする該カム32の回転角度θと、これに対応するポール31A,31Bの内歯22から離隔する径方向への移動量であるスライド量S,S’との関係について図3及び図4を併せ参照して説明する。なお、ポール31Cについては、基本的にポール31Bと同等であるため、その説明を割愛する。
図3(a)に示すように、ポール31Aの外歯44及び内歯22が歯先解除する際のスライド量Sをスライド量S1とし、ポール31Aの係合部43が突部24に乗り上げ可能な際のスライド量Sをスライド量S2とする。そして、カム32のロック解除方向への回転に伴うアンロック作動時、係合突起57が空走区間を経てポール側溝カム部46に当接する際の回転角度θを回転角度θ1とし、ポール31Aのスライド量Sがスライド量S1に達するときの回転角度θを回転角度θ2とし、ポール31Aのスライド量Sがスライド量S2に達するときの回転角度θを回転角度θ3とする。加えて、カム32のロック解除方向への回転に伴い、係合突起57がポール側溝カム部46の終端に達してポール31Aの外歯44が内歯22から最大限に離隔した際のスライド量Sをスライド量S3とし、このときのカム32の回転角度θを回転角度θ4とする。
また、図3(b)に示すように、カム32のロック解除方向への回転に伴うアンロック作動時、ポール31Aの外歯44及び内歯22が歯先解除した際のスライド量S’をスライド量S1’とする。加えて、ポール31Aの係合部43が突部24に乗り上げ可能な位置に到達した際のスライド量S’をスライド量S2’とする。なお、ポール31Bの外歯47が内歯22から最大限に離隔した際のスライド量S’は前記スライド量S3に一致するように設定されている。
そして、カム32が原点からロック解除方向への回転を開始すると、図4に実線にて示すように、カム32の回転角度θが回転角度θ1に達した時点で、係合突起57によるポール側溝カム部46の径方向内方への引き込みが開始されて、ポール31Aのスライド量Sが増加し始める。その後、カム32の回転角度θが回転角度θ2に達すると、ポール31Aのスライド量Sがスライド量S1に達してポール31Aの外歯44及び内歯22が歯先解除する。続いて、カム32の回転角度θが回転角度θ3に達すると、ポール31Aのスライド量Sがスライド量S2に達してポール31Aの係合部43が突部24に乗り上げ可能となる。その後、カム32の回転角度θが回転角度θ4に達すると、係合突起57がポール側溝カム部46の終端に達して、スライド量Sが内歯22からポール31Aが最大限に離隔した際のスライド量S3となる。
一方、図4に2点鎖線にて示すように、カム32のロック解除方向への回転に伴い、カム32の回転角度θが回転角度θ1に達した時点で、該カム32に一体回転するレリーズプレート33のレリーズプレート側溝カム部59による係合突起49の径方向内方への引き込みが開始されて、ポール31Bのスライド量S’が増加し始める。その後、カム32の回転角度θが回転角度θ2に達すると、ポール31Bのスライド量S’がスライド量S1’に達する。本実施形態では、ポール31Bのスライド量S’がスライド量S1’へと増加する際、当初はポール31Aのスライド量Sよりもその増加速度が遅いものの、カム32の回転角度θが回転角度θ2に達した段階でポール31Bのスライド量S1’の方がポール31Aのスライド量S1よりも大きくなるように設定されている。つまり、ポール31Aの外歯44及び内歯22が歯先解除した段階で、ポール31Bの外歯47及び内歯22が確実に歯先解除するようになっている。
続いて、カム32の回転角度θが回転角度θ3に達すると、該カム32に一体回転するレリーズプレート33のレリーズプレート側溝カム部59により係合突起49が径方向内方に更に引き込まれることで、ポール31Bのスライド量S’がスライド量S2’に達する。本実施形態では、カム32の回転角度θが回転角度θ2から回転角度θ3へと増加する間、概ねポール31Aのスライド量Sの増加速度よりもポール31Bのスライド量S’の増加速度が大きく設定されており、従って、ポール31Aのスライド量Sに対するポール31Bのスライド量S’の嵩上げ分が拡大されている。そして、ポール31Bのスライド量S2’の方がポール31Aのスライド量S2よりもいっそう大きくなっている。このときのスライド量S,S’の偏差(嵩上げ分)をΔS(=S2’ −S2)で表している。つまり、ポール31Aの係合部43が突部24に乗り上げ可能となる段階では、ポール31Bの外歯47及び内歯22の歯先同士の引っ掛かりがより確実に回避されるようになっている。
その後、カム32の回転角度θが回転角度θ4に達すると、係合突起57がポール側溝カム部46の終端に達して回転係止されたカム32と共に回転係止されるレリーズプレート33のレリーズプレート側溝カム部59によりポール31Bの径方向への移動が係止される。このとき、ポール31Bのスライド量S’は前記スライド量S3に一致する。本実施形態では、カム32の回転角度θが回転角度θ3から回転角度θ4へと増加する間、概ねポール31Aのスライド量Sの増加速度よりもポール31Bのスライド量S’の増加速度が小さく設定されており、回転角度θ4で両スライド量S,S’を一致させるべく、ポール31Aのスライド量Sに対するポール31Bのスライド量S’の嵩上げ分が徐々に縮小されている。
また、回転角度θ4にあるカム32がロック方向への回転に伴うロック作動を開始すると、図4に実線にて示すように、カム32の回転角度θが回転角度θ4、θ3間の所定の回転角度θ3’に達した時点で、カム32のカム面55によるポール31Aの内面カム部45の径方向外方への押圧が開始されて、ポール31Aのスライド量Sが略比例的に減少し始める。そして、カム32の回転角度θが回転角度θ3、θ2間の所定の回転角度θ2’に達した時点で、ポール31Aのスライド量Sが前記スライド量S2(ポール31Aの係合部43が突部24に乗り上げ可能な位置)に達する。なお、本実施形態では、このときの回転角度θ2’は、カム32のロック解除方向への回転に伴い、ポール31Bのスライド量S’が前記スライド量S2に達するときの回転角度(θ2’)に一致するように設定されている。ただし、ポール31Bのスライド量S’が前記スライド量S2に達するときの回転角度は、カム32のロック解除方向への回転に伴い、ポール31Bのスライド量S’が前記スライド量S2に達するときの回転角度θ2’を超えていればよい。その後、カム32の回転角度θが回転角度θ1の近傍に達すると、ポール31Aのスライド量Sがより緩やかな速度で減少する。そして、カム32の回転角度θが原点に達すると、外歯44が内歯22に噛合してポール31Aのスライド量Sが零となる。
一方、図4に2点鎖線にて示すように、カム32のロック方向への回転に伴うロック作動を開始すると、カム32の回転角度θが前記回転角度θ3に達した時点で、カム32のカム面55によるポール31Bの内面カム部48の径方向外方への押圧が開始されて、ポール31Bのスライド量S’が略比例的に減少し始める。つまり、ロック作動時においてポール31Aの作動に対しポール31B,31Cの作動が遅れるように、ポール31Aを押圧し始めるときのカム32の回転角度θ3’及びポール31B,31Cを押圧し始めるときのカム32の回転角度θ3との間に角度差Δθ(=θ3’−θ3)が設定されている。本実施形態では、ポール31Bのスライド量S’の減少速度がポール31Aのスライド量Sの減少速度よりも大きくなるように(勾配が急峻になるように)設定されており、これによりポール31Bのスライド量S’が減少し始めるタイミングが、ポール31Aのスライド量Sが減少し始めるタイミングよりも遅れているものの、スライド量S’のスライド量Sに対する嵩上げ分が徐々に縮小されている。
なお、カム32のカム面55がポール31Bの内面カム部48の押圧を開始するタイミングは、ポール31Aの内面カム部45の押圧を開始するタイミングよりも遅ければ、即ちこのときのカム32の回転角度θが回転角度θ3’よりも小さければ前記回転角度θ3に一致しなくてもよい。
その後、カム32の回転角度θが前記回転角度θ2’に達した時点で、ポール31Bのスライド量S’がスライド量S4’まで減少する。ポール31Bのスライド量S’は、ロック作動当初に比べてポール31Aのスライド量Sに対する嵩上げ分が縮小されているものの、依然としてポール31Aのスライド量Sよりも大きくなっている。つまり、ポール31Aの係合部43が突部24に乗り上げた際、ポール31Bの内歯22からの径方向の離隔距離は、ポール31Aの内歯22からの径方向の離隔距離以上となるように設定されている。このときのスライド量S,S’の偏差(嵩上げ分)をΔS1(=S4’ −S2)で表している。つまり、少なくともポール31Aのスライド量Sがポール31Aの係合部43が突部24に乗り上げ可能なスライド量S2に達するまでは、スライド量S’の減少がスライド量Sの減少よりも遅れるように設定されている。これは、ポール31Aの係合部43が突部24に乗り上げた際に、ポール31Bの外歯47及び内歯22の歯先同士の引っ掛かりをより確実に回避するためである。
そして、カム32の回転角度θが、ポール31Bの外歯47及び内歯22の歯先噛み合いする回転角度の近傍に達した時点で、両スライド量S,S’が一旦一致するように設定されている。これは、ポール31A,31Bの外歯44,47及び内歯22の歯先噛み合いを略同時に行って、いずれかのポール31A,31Bの外歯44,47が本来の内歯からずれた歯に噛合することを回避するためである。
その後、ポール31Bは、ポール31Aにならってより緩やかな速度でスライド量S’を減少する。そして、カム32の回転角度θが原点に達すると、外歯47が内歯22に噛合してポール31Bのスライド量S’が零となる。
なお、カム32のロック方向への回転に伴う両スライド量S,S’間の推移の相違は、カム32のカム面55に係合する内面カム部45,48の形状によって実現していることはいうまでもない。
すなわち、図5にポール31Aの内面カム部45及びポール31Bの内面カム部48をそれぞれ実線及び2点鎖線にて重ねて描画したように、内面カム部45のポール側カム面50a,50bよりも内面カム部48のポール側カム面51a,51bが各々の一部で径方向外方寄りになるようにこれらを成形している。これにより、ポール31Aのスライド量Sに相関するポール側カム面50a,50b(内面カム部45)に対する押圧カム部55a,55b(カム面55)の押圧タイミングよりも、ポール31Bのスライド量S’に相関するポール側カム面51a,51b(内面カム部48)に対する押圧カム部55a,55b(カム面55)の押圧タイミングの方が遅れるように設定されている。
次に、本実施形態の動作について説明する。
図1(a)に示すように、車両用シートリクライニング装置1のロック状態においては、渦巻きばね34によりカム32が図示反時計回転方向に回転付勢されることで、該カム32(押圧カム部55a〜55c)と、ポール31Aのポール側カム面50a〜50c、ポール31Bのポール側カム面51a〜51c、並びにポール31Cのポール側カム面51a,51b及び押圧部材60がそれぞれ当接する。そして、ポール31A〜31Cが径方向外方へ押圧されている。これにより、ポール31A〜31Cの外歯44,47とアッパアーム20の内歯22とが噛合い、ロアアーム10に対するアッパアーム20の回動が規制されて、シートクッションに対するシートバックの回動が規制(ロック)される。
この状態で、操作ハンドルを操作してカム32及びレリーズプレート33を渦巻きばね34の付勢力に抗して一体的に回転させると、該カム32(押圧カム部55a〜55c)と、ポール31Aのポール側カム面50a〜50c、ポール31Bのポール側カム面51a〜51c、並びにポール31Cのポール側カム面51a,51b及び押圧部材60との当接がそれぞれ外れる。そして、ポール31Aのポール側溝カム部46とカム32の係合突起57との係合作用によって、ポール31Aがガイド壁13,14に沿って回転軸O1側に引き寄せられ、ポール31Aの外歯44と内歯22との噛合状態を解除する。同時に、ポール31B,31Cの係合突起49とレリーズプレート側溝カム部59との係合作用によって、ポール31B,31Cがガイド壁13,14に沿って回転軸O1側に引き寄せられ、ポール31B,31Cの外歯47と内歯22との噛合状態を解除する。
そして、ポール31A〜31Cの外歯44,47及び内歯22が解除され、ロアアーム10に対するアッパアーム20の回動が許容されて、シートクッションに対するシートバックの回動が許容(アンロック)される。従って、シートクッションに対してシートバックを任意の角度位置に回動させることが可能となる。
また、ロックを解除した状態で、シートバックをシートクッションに対して、所定の角度以上前方に、いわゆる前倒し角度範囲に回転させると、アッパアーム20の凹部23の内周面23aに形成された突部24は、ポール31Aに形成された係合部43と内歯22との間に位置される。すなわち、ポール31Aは、その係合部43がアッパアーム20の突部24に係合することによって、径方向外方への移動が妨げられるようになる。この状態で、操作ハンドルの操作力を解放すると、渦巻きばね34に付勢されるカム32が、ポール31Aを内歯22の噛み合う方向に押し付けんとするが、アッパアーム20の突部24とポール31Aの係合部43との係合によって、ポール31Aの移動は阻止されるため、噛み合いは生じない。同時に、ポール31Aの径方向移動が阻止されることによって、カム32の回転も阻止されるため、レリーズプレート33が回転せず、レリーズプレート側溝カム部59によって、ポール31B,31Cも内歯22から離隔した非噛合位置に保持される。従って、前倒し角度範囲では、シートバックはロックされずに自由に回転させることができる。
本実施形態では、カム32のロック解除方向の回転及びロック方向の回転で共に、ポール31Aの係合部43がアッパアーム20の突部24に係合可能なポール31Aのスライド量S(S2)に対し、対応するポール31B,31Cのスライド量S’ (S2’,S4’)が嵩上げされていることで、ポール31B,31Cの外歯47及び内歯22の歯先同士の引っ掛かりがより確実に抑えられている。
前倒し状態から再び、操作レバーを操作して、シートバックを着座に最適な位置になるように後方に戻し、その位置で操作ハンドルの操作力を解放すると、ポール31A〜31C、カム32及びレリーズプレート33が、図1(a)に示す状態に復帰し、ロック状態となる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、アンロック作動時にポール31Aが突部24等による外歯44及び内歯22の噛合不能状態に相当する位置に到達したとき、ポール31B,31Cの内歯22から離隔する径方向の移動量(S2’)は、ポール31Aの内歯22から離隔する径方向の移動量(S2)よりも大きく設定されている。従って、例えば製造ばらつきや組付ばらつきの影響を受けて、仮にポール31B,31Cが内歯22に近付く径方向にずれたとしても、前記移動量の差分の範囲でこれを吸収することで、ポール31B,31Cの外歯47及び内歯22の歯先同士の引っ掛かりを抑えることができ、円滑な動作を実現することができる。
(2)本実施形態では、ロック作動時、ポール31Aが突部24等による外歯44及び内歯22の噛合不能状態にあるとき、ポール31B,31Cの内歯22から離隔する径方向の移動量(S4’)は、ポール31Aの内歯22から離隔する径方向の移動量(S2)よりも大きく設定されている。従って、カム32及びレリーズプレート33を介して間接的に径方向外側(即ち内歯22に近付く側)への移動が係止されるポール31B,31Cがポール31Aよりも径方向外側に位置してしまうことをより確実に抑制することができる。そして、例えば当該状態でシートバックが傾動した場合において、ポール31B,31Cの外歯47及び内歯22同士の干渉を抑えることができる。
(3)本実施形態では、ロック作動時においてポール31Aの作動に対しポール31B,31Cの作動が遅れるように、ポール31Aを押圧し始めるときのカム32の回転角度(θ3’)及びポール31B,31Cを押圧し始めるときのカム32の回転角度(θ3)との間に角度差Δθが設定されている。従って、ロック作動時、ポール31A及びポール31B,31Cの押圧開始後にカム32の回転角度に対してポール31A及びポール31B,31Cの移動量がそれぞれ比例的に推移するように設定したとしても、ポール31Aが突部24等による外歯44及び内歯22の噛合不能状態にあるときに、ポール31B,31Cがポール31Aよりも径方向外側に位置しないように調整・設定することができる。従って、ポール31A及びポール31B,31Cとカム32との係合関係が簡易であったとしても、ロック作動時、ポール31Aが突部24等による外歯44及び内歯22の噛合不能状態にあるときに、ポール31B,31Cの外歯47及び内歯22同士の干渉を抑えることができる。
(4)本実施形態では、ロック作動時、ポール31Aが突部24等による外歯44及び内歯22の噛合不能状態にあるときのカム32の回転角度(θ2’)は、アンロック作動時にポール31B,31Cが突部24等による外歯44及び内歯22の噛合不能状態に相当するポール31Aの位置に到達したときのカム32の回転角度(θ2’)に一致する。従って、ロック作動時にポール31Aが突部24等による外歯44及び内歯22の噛合不能状態にあるとき、仮にポール31B,31Cが内歯22に近付く径方向に移動したとしてもその位置は、最大であっても外歯44及び内歯22の噛合不能状態に相当するポール31Aの位置(スライド量S2)に制限される。従って、ロック作動時、ポール31Aが突部24等による外歯44及び内歯22の噛合不能状態にあるときに、ポール31B,31Cの外歯47及び内歯22同士の干渉をいっそう確実に抑えることができる。
(5)本実施形態では、ロック作動時、ポール31A及びポール31B,31Cの内歯22から離隔する径方向の移動量に対応するカム32の回転角度は、ポール31A及びポール31B,31Cの各々の外歯44,47及び内歯22が歯先噛み合いする時点で一致するように収束させることができる。これにより、ポール31A〜31Cの各々の外歯44,47を内歯22に同時に噛合することができ、ポール31A〜31Cが本来の内歯22よりもずれた歯に噛合することを抑制できる。
(6)本実施形態では、アンロック作動時、少なくともポール31Aの外歯44及び内歯22が歯先解除する位置から、突部24等による外歯44及び内歯22の噛合不能状態に相当する位置に到達するまでの範囲(回転角度θ2〜θ3)で、ポール31B,31Cの内歯22から離隔する径方向の移動量(S’)は、ポール31Aの内歯22から離隔する径方向の移動量(S)よりも大きく設定されている。従って、ロック作動時、ポール31Aが突部24等による外歯44及び内歯22の噛合不能状態にあるときに、カム32及びレリーズプレート33を介して間接的に径方向外側(即ち内歯22に近付く側)への移動が係止されるポール31B,31Cがロック側への遊びの範囲で内歯22に近付く側に移動したとしても、前記移動量の差分の範囲でこれを吸収できれば、ポール31B,31Cの外歯47及び内歯22の歯先同士の引っ掛かりを抑えることができる。
(7)本実施形態では、ポール31B,31Cの外歯47及び内歯22の噛合状態は、カム32と一体でのレリーズプレート33のロック解除方向への回転に伴いレリーズプレート側溝カム部59で係合突起49を引き込むことで解除される。このように、ポール31B,31Cの前記した解除を、レリーズプレート33を介して行うことで、ポール31B,31Cのカム32との係合構造を簡素化することができる。
(第2の実施形態)
図6〜図8を参照して本発明の第2の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態は、主に前記第1の実施形態のポール及びカムの係合構造を変更したものであるため、同様の構成については同一の符号を付してその説明を一部省略する。
図6(a)(b)に示すように、本実施形態の車両用シートリクライニング装置70は、第1アームとしての円盤状のロアアーム71と、第2アームとしての円盤状のアッパアーム76とを備えている。なお、ロアアーム71及びアッパアーム76の回転軸O1に沿う中央部には、互いに同等の内径の円形の貫通孔71a,76aがそれぞれ形成されている。
図7に併せ示すように、ロアアーム71の凹部11内には、3つの略扇状の凸部72が円周上に等角度間隔に配置されている。各凸部72は、その周方向両側にガイド壁73,74を形成する。各隣り合う凸部72の周方向で対向するガイド壁73,74同士は、回転軸O1を中心とする径方向に互いに平行に延びており、凹部11の底面と協働して回転軸O1を中心とする径方向に延びる略U字溝状のガイド溝75を円周上に等角度間隔に形成する。これらガイド溝75は、中央部で連通しており、全体として略Y字形状を呈している。
一方、図6(a)に示すように、アッパアーム76の内周面21aには、内歯22の配設された内歯部77と、内歯22の歯先円よりも内周側に突出する規制部としての円弧状の非内歯部78とに周方向で分割されている。
ロアアーム71とアッパアーム76との間には、第1ポールとしてのポール80Aと、第2ポールとしてのポール80B,80Cと、カム90とが収容されている。3つのポール80A〜80Cは、回転軸O1と直交する面内に円周上に等角度間隔に配置されている。
すなわち、各ポール80A〜80Cは、板状の鋼板をプレス加工するなどして作製され、基本的に段差をもたない略門形の平板形状をなしている。そして、各ポール80A〜80Cは、その両幅端部81が平行な直線となるように形成されている。各ポール80A〜80Cは、その両幅端部81をガイド溝75の両ガイド壁73,74に摺接させる態様でガイド溝75に沿って径方向に移動自在に装着されている。
各ポール80A〜80Cは、その円弧状の外方端(アッパアーム76の内歯22等と対向する端面)に内歯22と噛合可能な外歯82が形成されている。従って、各ポール80A〜80Cは、両ガイド壁73,74に沿って径方向に進退することで、その外歯82と内歯22とを噛合又は解除(係脱)する。
ポール80Aは、図8に実線にて示すように、その内方端(外方端とは逆向きの端面)に、カム90の外周部に係合する内面カム部83が形成されている。この内面カム部83は、図8においてポール80Aの反時計回転方向及び時計回転方向に向かう側に配設された一対のポール側カム面83a,83b及び両ポール側カム面83a,83bのなす門形の内側に配置された掛部83cによって形成されている。
また、各ポール80A〜80Cは、図8に2点鎖線にて示すように、その内方端に、カム90の外周部に係合する内面カム部84が形成されている。この内面カム部84は、図8においてポール80B,80Cの反時計回転方向及び時計回転方向に向かう側に配設された一対のポール側カム面84a,84b及び両ポール側カム面84a,84bのなす門形の内側に配置された掛部84cによって形成されている。
カム90は、板状の鋼板をプレス加工するなどして作製され、段差をもたない平板形状をなしている。このカム90は、図6(b)に示すように、ロアアーム71のガイド溝75及びアッパアーム76の凹部21の形成された軸線方向の範囲(即ちポール80A〜80Cの配置される軸線方向の範囲)で回転軸O1上に回転可能に配置されている。なお、カム90の中央部には、略鍵穴状のカム嵌合孔94が形成されている。
カム90は、その外周部に円周上に等角度間隔に3組のカム面91を有している。各カム面91は、図6(a)においてカム90の時計回転方向及び反時計回転方向に向かう側に配設された略三角形状の肩部93及びフック92によって形成されている。
フック92及び肩部93は、ポール80Aの対向する2つのポール側カム面83a,83b又はポール31B,31Cの対向する2つのポール側カム面84a,84bにそれぞれ当接可能であり、カム90がロック位置に回転されたときに該当のポール側カム面83a,83b又はポール側カム面84a,84bを押圧する。つまり、フック92及び肩部93は、カム90がロック位置に回転されたときに、ポール80Aのポール側カム面83a,83b又はポール31B,31Cのポール側カム面84a,84bにそれぞれ当接(圧接)する角度位置に保持されている。
ここで、カム90は、図8に示すように、図示反時計回転方向への回転に伴い、各フック92及び各肩部93でポール80Aのポール側カム面83a,83b又はポール31B,31Cのポール側カム面84a,84bをそれぞれ押圧することで、ポール80A〜80Cをロアアーム71のガイド溝75に沿って径方向外側に押し出す。そして、ポール80Aの外歯82がアッパアーム76の非内歯部78に径方向で対向していなければ、全てのポール80A〜80Cの外歯82がアッパアーム76の内歯22に噛合可能となっている。
なお、ポール80A〜80Cがロアアーム10のガイド溝75に沿って径方向外側に押し出された際、ポール80Aの外歯82がアッパアーム76の非内歯部78に径方向で対向すれば、当該ポール80Aの径方向外側への移動が係止されるとともにカム90が回り止めされて、全てのポール80A〜80Cの外歯82がアッパアーム76の内歯22に噛合不能となる。
一方、カム90は、図8に示すように、図示時計回転方向への回転に伴い、各フック92でポール80Aの掛部83c又はポール31B,31Cの掛部84cを引っ掛けることで、ポール80A〜80Cをロアアーム71のガイド溝75に沿って径方向内側に引き込む。これにより、ポール80A〜80Cの外歯82は、アッパアーム76の内歯22との噛合状態を解除する。同時に、フック92及び肩部93は、ポール80Aのポール側カム面83a,83b又はポール31B,31Cのポール側カム面84a,84bから離隔される。
カム90のカム嵌合孔94には、回転軸O1に沿って延びる軸線を有するヒンジカム110が嵌挿されている。すなわち、ヒンジカム110は、ロアアーム71(貫通孔71a)を貫通して該ロアアーム71に回転自在に支持される略鍵穴状の外形を有しており、カム90のカム嵌合孔94に嵌合する。これにより、カム90は、ヒンジカム110と一体回転するように連結される。
ヒンジカム110には、図7に示すように、ロアアーム71に外周側の脚部120aが係止された渦巻きばね120の内周側の脚部120bが係止されている。この渦巻きばね120は、ヒンジカム110を一方向に回転付勢することで、カム90を介してポール80A〜80Cを外歯82及び内歯部77(内歯22)が噛合又は外歯82及び非内歯部78が当接する径方向に移動させる。
なお、ヒンジカム110は、操作部材(図示略)から解除操作力が入力されることで、渦巻きばね120の付勢力に抗して逆方向に回転する。このとき、ヒンジカム110は、カム90を介してポール80A〜80Cを外歯82及び内歯22が解除する径方向に移動させる。
ここで、渦巻きばね120の付勢力によりポール80A〜80Cの外歯82及びアッパアーム76の内歯22が噛合状態にあるときのカム90の回転角度を原点とする該カム90の回転角度(θ)と、これに対応するポール80A〜80Cの内歯22から離隔する径方向への移動量であるスライド量(S,S’)との関係は、前記第1の実施形態と同様である(図4参照)。本実施形態では、カム90のロック解除方向への回転に伴う両スライド量S,S’間の推移の相違は、カム90のフック92に係合する掛部83c,84cの形状によって実現している。また、カム90のロック方向への回転に伴う両スライド量S,S’間の推移の相違は、カム90のフック92に係合するポール側カム面83a,84aの形状及び肩部93に係合するポール側カム面83b,84bの形状によって実現している。
次に、本実施形態の動作について説明する。
図6(a)に示すように、車両用シートリクライニング装置70のロック状態においては、渦巻きばね120によりカム90が図示反時計回転方向に回転付勢されることで、該カム90の肩部93とポール80A〜80Cの内面カム部83,84のポール側カム面83b,84bが当接するとともに、カム90のフック92とポール80A〜80Cの内面カム部83,84のポール側カム面83a,84aが当接し、ポール80A〜80Cが径方向外方へ押圧されている。これにより、ポール80A〜80Cの外歯82とアッパアーム76の内歯部77(内歯22)とが噛合い、ロアアーム71に対するアッパアーム76の回動が規制されて、シートクッションに対するシートバックの回動が規制(ロック)される。
この状態で、操作ハンドルを操作してヒンジカム110及びカム90を渦巻きばね120の付勢力に抗して一体的に回転させると、カム90の肩部93とポール80A〜80Cのポール側カム面83b,84bとの当接がそれぞれ外れるとともに、カム90のフック92とポール80A〜80Cのポール側カム面83a,84aとの当接がそれぞれ外れる。そして、ポール80A〜80Cの掛部83c,84cとカム90のフック92との係合作用によって、ポール80A〜80Cがガイド壁73,74に沿って回転軸O1側に引き寄せられ、ポール80A〜80Cの外歯82と内歯部77(内歯22)との噛合を解除する。
従って、ロアアーム71に対するアッパアーム76の回動が許容されて、シートクッションに対するシートバックの回動が許容(アンロック)される。そして、シートクッションに対してシートバックを任意の角度位置に回動させることが可能となる。
また、車両用シートリクライニング装置70のロックを解除した状態で、シートバックをシートクッションに対して、所定の角度以上前方に、いわゆる前倒し角度範囲に回転させると、アッパアーム76に形成された非内歯部78は、ポール80Aの外歯82と径方向で対向する。従って、ポール80Aは、その外歯82がアッパアーム76の非内歯部78に係合することによって、径方向外方への移動が妨げられるようになる。この状態で、操作部材の解除操作力を解放すると、渦巻きばね120によりカム90が図示反時計回転方向に回転付勢されることで、該カム90の肩部93がポール80A〜80Cのポール側カム面83b,84bを押圧するとともに、フック92がポール80A〜80Cのポール側カム面83a,84aを押圧する。しかしながら、アッパアーム76の非内歯部78とポール80Aの外歯82との係合によって、全てのポール80A〜80Cの移動は阻止されるため、噛み合いは生じない。従って、前倒し角度範囲では、シートバックはロックされずに自由に回転させることができる。
前倒し状態から再び、操作部材への解除操作力の入力により、シートバックを着座に最適な位置になるように後方に戻し、その位置で操作部材の解除操作力を解放すると、ポール80A〜80C及びカム90が、図6(a)に示す状態に復帰し、ロック状態となる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、前記第1の実施形態における(1)〜(6)の効果に加えて以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、カム90(カム体)は、その回転方向の切替えにより単体で複数のポール80A〜80Cの外歯82及び内歯22の噛合及びその解除をできるため、部品点数を削減することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記第1実施形態において、ポール31A及びポール31B又はポール31Cと、カム32及びレリーズプレート33の係合関係は逆であってもよい。
・前記第1実施形態において、アッパアーム20の突部24の個数は任意である。
・前記第2実施形態において、アッパアーム76の非内歯部78の個数は任意である。
・前記各実施形態において、ロアアーム10,71内に配設されるポールの個数は、複数であれば任意である。要は、アッパアームに対して直接的に径方向への移動が係止される第1ポールと、間接的に径方向への移動が係止される第2ポールとが混在するのであればよい。特に、第1ポール又は第2ポールが複数配設される場合、各々の形状が同等であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
・前記各実施形態において、第1ポール及び第2ポールのスライド量S,S’の前記した設定は、ポールの内面カム部に代えて、若しくは加えて、カム体のカム面で行ってもよい。
・前記実施形態において、シートクッション側及びシートバック側と、ロアアーム10,71及びアッパアーム20,76の固定関係は逆であってもよい。
1,70…車両用シートリクライニング装置、10,71…ロアアーム(第1アーム)、15,75…ガイド溝、20,76…アッパアーム(第2アーム)、22…内歯、24…突部(規制手段)、31A,80A…ポール(第1ポール)、31B,31C,80B,80C…ポール(第2ポール)、32…カム体を構成するカム、33…カム体を構成するレリーズプレート、34,120…渦巻きばね(付勢部材)、43…係合部(規制手段)、44,47,82…外歯、45…内面カム部(第1ロック側ポールカム部)、46…ポール側溝カム部(第1アンロック側ポールカム部)、48…内面カム部(第2ロック側ポールカム部)、49…係合突起(第2アンロック側ポールカム部)、55…カム面(第1ロック側カム部、第2ロック側カム部)、57…係合突起(第1アンロック側カム部)、59…レリーズプレート側溝カム部(第2アンロック側カム部)、78…非内歯部(規制手段)、83c…掛部(第1掛部)、84c…掛部(第2掛部)、90…カム体としてのカム、92…フック(第1フック、第2フック)。

Claims (8)

  1. シートクッション及びシートバックを含む車両用シートに設けられる車両用シートリクライニング装置であって、
    前記車両用シートの前記シートクッション側及び前記シートバック側のいずれか一方に固定される第1アームであって、複数のガイド溝を含む前記第1アームと
    前記車両用シートの前記シートクッション側及び前記シートバック側のいずれか他方に固定され、前記第1アームに回転自在に支持される第2アームであって、内歯を含む前記第2アームと
    記複数のガイド溝によって径方向に沿って移動可能にそれぞれ案内される第1および第2ポールであって、第1および第2ポールの各々は、前記第2アーム内歯に係脱可能な外歯を含む、第1および第2ポールと、
    前記第1および第2ポールに係合されたカム体であって第1の方向への回転に伴うロック作動時に前記第1および第2ポールの各々を外向きに押圧して前記内歯及び外歯を噛合させ、第2の方向への回転に伴うアンロック作動時に前記第1および第2ポールの各々を内向きに引き込んで前記内歯及び前記外歯の噛合状態を解除させる、前記カム体と、
    前記第1および第2ポールのうちの第1ポールと前記第2アームとの間に設けられ、前記第1アーム及び前記第2アームの相対回転角度が所定範囲にあるときに前記第1ポールの径方向外側への移動を規制して前記外歯及び前記内歯を噛合不能にする規制部材とを備え、
    前記第1および第2ポールのうちの第2ポールは、前記規制部材による前記第1ポールの径方向外側への移動規制に伴う前記カム体の回転規制によって前記外歯及び前記内歯が噛合不能なり、
    アンロック作動時に前記第1ポールが前記規制部材による前記外歯及び前記内歯の噛合不能状態に相当する位置に到達したとき、前記第2ポールが前記内歯から径方向に沿って離隔する際の移動量は、前記第1ポール前記内歯から径方向に沿って離隔する際の移動量よりも大きくなるように設定されていることを特徴とする車両用シートリクライニング装置。
  2. 請求項1に記載の車両用シートリクライニング装置において、
    ロック作動時に前記第1ポールが前記規制部材による前記外歯及び前記内歯の噛合不能状態にあるときの前記第2ポールが前記内歯から径方向に沿って離隔する距離は、前記第1ポール前記内歯から径方向に沿って離隔する距離以上となるように設定されていることを特徴とする車両用シートリクライニング装置。
  3. 請求項2に記載の車両用シートリクライニング装置において、
    ロック作動時において前記第1ポールの作動に対し前記第2ポールの作動が遅れるように、前記第1ポールを押圧し始めるときの前記カム体の回転角度及び前記第2ポールを押圧し始めるときの前記カム体の回転角度との間に角度差が設定されていることを特徴とする車両用シートリクライニング装置。
  4. 請求項2又は3に記載の車両用シートリクライニング装置において、
    ロック作動時に前記第1ポールが前記規制部材による前記外歯及び前記内歯の噛合不能状態にあるときの前記カム体の回転角度は、アンロック作動時に前記第2ポールが前記規制部材による前記外歯及び前記内歯の噛合不能状態に相当する前記第1ポールの位置に到達したときの前記カム体の回転角度に一致またはそれを超える回転角度となることを特徴とする車両用シートリクライニング装置。
  5. 請求項2〜4のいずれか一項に記載の車両用シートリクライニング装置において、
    ロック作動時、前記第1ポール及び前記第2ポール前記内歯から径方向に沿って離隔する移動量に対応する前記カム体の回転角度は、前記第1ポール及び前記第2ポールの各々の前記外歯及び前記内歯が歯先噛み合いする時点で一致するように収束させていることを特徴とする車両用シートリクライニング装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両用シートリクライニング装置において、
    前記第1ポールは、第1アンロック側ポールカム部を含み、
    前記第2ポールは、第2アンロック側ポールカム部を含み、
    前記カム体は、
    前記第1および第2ポールに係合され、第1の方向への回転に伴い前記第1および第2ポールの各々を外向きに押圧して前記内歯及び前記外歯を噛合させるカムと、
    前記カムに一体回転するように連結されたレリーズプレートと、
    前記カムに形成され、第2の方向への回転に伴い前記第1ポールの前記第1アンロック側ポールカム部を引き込んで前記第1ポールの前記外歯及び前記内歯の噛合状態を解除させる第1アンロック側カム部と、
    前記レリーズプレートに形成され、第2の方向への回転に伴い前記第2ポールの前記第2アンロック側ポールカム部を引き込んで前記第2ポールの前記外歯及び前記内歯の噛合状態を解除させる第2アンロック側カム部とを備えたことを特徴とする車両用シートリクライニング装置。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両用シートリクライニング装置において、
    前記第1ポールは、第1掛部を含み、
    前記第2ポールは、第2掛部を含み、
    前記カム体は、板状のカムを含み
    前記カム第2の方向への回転に伴い前記第1ポール第1掛部及び前記第2ポール第2掛部をそれぞれ引っ掛けて、前記第1および第2ポールの各々の前記外歯及び前記内歯の噛合状態を解除させる第1フック及び第2フックを含むことを特徴とする車両用シートリクライニング装置。
  8. シートクッション及びシートバックを備える車両に備えられるシートリクライニング装置は、
    前記シートクッション及びシートバックのいずれか一方に固定され、複数のガイド溝を有し、且つ円形状をなす第1アームと、
    前記シートクッション及び前記シートバックのいずれか他方に固定され、第1歯を有し、前記第1アームに回転自在に支持される第2アームと、
    前記第1アームの複数のガイド溝によって前記第1アームの径方向に移動するように案内され、前記第2アームの第1歯に係脱可能な第2歯をそれぞれ有する第1および第2ポールと、
    前記第2アームに回転自在に支持されるカム体であって、前記カム体は、前記複数のポールに係合し、第1方向へ回転することに伴い、前記複数のポールが前記第1アームの径方向外向きに押圧されることにより、前記第1歯及び前記第2歯が噛合するロック位置と、前記第1方向とは異なる第2方向へ回転することに伴い、前記複数のポールが前記第1アームの径方向内側に向かって移動することにより、前記第1歯及び前記第2歯の噛合状態が解除されるアンロック位置との間を移動する、前記カム体と、
    前記第1ポール及び前記第2アーム間に設けられる規制部材であって、前記第1アーム及び前記第2アームの相対回転角度が所定範囲にあるとき、前記規制部材が、前記第1アームの径方向外側への前記第1ポールの移動を規制することにより、前記第1歯及び前記第2歯が噛合不能になる、前記規制部材と、
    前記第1アームの径方向外側への前記第1ポールの移動が規制されることにより、前記カム体の移動が規制され、前記第2ポールの前記第2歯が前記第1歯に対し噛合不能になることと、
    前記カム体が前記アンロック位置へ移動し、前記第1ポールが前記規制部材による前記第1歯及び前記第2歯の噛合不能状態に相当する位置に到達したとき、前記第2ポールが前記第1歯から離隔する前記第1アームの径方向における前記第2ポールの移動量は、前記第1ポールが前記第1歯から離隔する前記第1アームの径方向における前記第1ポールの移動量よりも大きいことと
    を備える。
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