JP5051165B2 - 車両用シートリクライニング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シートバックをシートクッションに対して角度調整自在に支持する車両シートのシートリクライニング装置に関するものである。
従来、この種のシートリクライニング装置として、例えば、特許文献1に記載されているものが知られている。特許文献1に記載のものは、シートクッション側に保持され、先端に外歯を有する複数のポールを備えるロアアームと、ロアアームに回動自在に支持され且つシートバック側に固定され、ポールの外歯と噛合い可能となる内歯が形成されたアッパアームとを備えている。そして、内歯ギヤと外歯ギヤの噛合い位置を変化させることにより、シートバックの倒れ角を調整するようになっている。
特許文献1に記載されたシートリクライニング装置においては、複数のポールを同時にロアアームとアッパアームの回転軸から放射方向に移動させるために、ロアアームに対して回転自在に配置されたカムを有するロック機構を備えている。このようなシートリクライニング装置においては、一般にシートクッションに対してシートバックを前方向へ回転させて、後部席に対する乗員の乗降を容易にするように、所定角度以上ではアッパアームの内歯とポールの外歯が噛み合わないようにして、大きくシートバックが回転することができる、いわゆる前倒れ機構を備えている。この機構は、各ポールに突起を設け、アッパアームには前倒れ角度領域で各ポールの突起と対向する位置にそれぞれ当接部を形成し、ポールの外歯とアッパアームの内歯の噛み合いを阻止する構成となっている。
特開平9−183327号公報
特許文献1に記載されたものは、ポールに、ポールを非ロック位置に保持するための第1ペグ(12)と、ポールのロックを解除するための第2ペグ(13)を、アームの径方向に間隔を有して設けた構成であるため、カムによるポールの押圧部と、内歯および外歯の噛合い部との距離が大きくなり、強度を保持するための安定性が悪くなる問題がある。また、押圧部を外側に配置しようとすると、アームの径が大きくなり、スペース的に不利となる問題がある。
本発明は、上記した問題を解消するためになされたもので、構造簡単にして、ポールをカムによって噛合い部の近いところで押圧できる車両用シートリクライニング装置を提供することを目的とするものである。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の特徴は、シートクッション側に支持されるロアアームと、該ロアアームに相対回動可能に支持され、シートバック側に支持されるアッパアームと、前記ロアアーム内にガイド壁によって径方向に移動可能に配設され、前記アッパアームの内周に設けられた内歯に係脱可能に係合する外歯を有する複数のポールと、回転することにより前記ポールを径方向に移動させるカムと、該カムに一体的に取付けられたレリーズプレートと、
前記カムを一方向に回転付勢する付勢部材とを備え、前記ポールを、前記カムの外周縁に設けられたカム面に係合する内面カム部と、前記カムの側面に設けられた係合突起に係合するポール側溝カム部と、前記アッパアームの内周に設けられた突部に対し、前記ロアアームに対して前記アッパアームが所定角度回動された際に係合する係合部とを有する第1ポールと、前記カムの外周縁に設けられたカム面に係合する内面カム部と、前記レリーズプレートに設けられたレリーズプレート側溝カム部に係合する係合突起とを有する第2ポールとによって構成したことである。
請求項2に係る発明の特徴は、請求項1において、前記ポールを、1つの前記第1ポールと、複数の前記第2ポールとで構成したことである。
請求項3に係る発明の特徴は、請求項2において、前記レリーズプレートを、全体として略円環形をなす一部位に扇型の切欠きを設けた形状とし、その切欠き部位に前記第1ポールを配設することにより、該第1ポールと前記レリーズプレートとを非干渉としたことである。
請求項4に係る発明の特徴は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記ポールに設けられた前記内面カム部の中央部とその両側には、前記カムのカム面が作用する3つの押圧部が設けられ、前記ポールの中央部に設けられた前記押圧部および前記カムのロック回転方向の奥側に設けられた前記押圧部は、前記カムのロック回転方向への回転に伴い該カムの前記カム面に接近する傾斜面を有するカム面で構成され、前記カムのロック回転方向の手前側に設けられた前記押圧部は、前記カムの回転中心を中心とする円弧面で構成されていることである。
請求項5に係る発明の特徴は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記第1ポールに、前記レリーズプレートの端面より突出するように厚みを増大させた厚み増大部を形成し、前記アッパアームに、前記レリーズプレートを収容する第1凹部と、該第1凹部よりも大きな深さを有し前記第1ポールの前記厚み増大部を収容する第2凹部を形成し、前記第1凹部と前記第2凹部との境界部に、前記第1ポールの前記厚み増大部に当接してリクライニング動作範囲を所定の範囲に規制する2か所の段差部を設けたことである。
上記のように構成した請求項1に係る発明によれば、複数のポールを、カムの外周縁に設けられたカム面に係合する内面カム部と、カムの側面に設けられた係合突起に係合するポール側溝カム部と、アッパアームの内周に設けられた突部に対し、ロアアームに対してアッパアームが所定角度回動された際に係合する係合部とを有する第1ポールと、カムの外周縁に設けられたカム面に係合する内面カム部と、レリーズプレートに設けられたレリーズプレート側溝カム部に係合する係合突起とを有する第2ポールとによって構成している。これにより、カムによってポールを外歯と内歯の噛合い部に近いところを押圧することができ、ロアアームに対してアッパアームを強固な力で確実にロックすることができる。その結果、シートバックの保持強度を高めることができ、シートバックを安定的に保持することができる。しかも、第1ポールに比して第2ポールを、単純な平面形状とすることができ、プレス加工によって作製可能となるため、ポール製作コストを低減することができ、レリーズプレートが追加されているにも係わらず、シートリクライニング装置全体としてもコスト低減を可能にすることができる。
上記のように構成した請求項2に係る発明によれば、ポールを、1つの第1ポールと、複数の第2ポールとで構成したので、内面カム部と溝カム部と係合部を有する第1ポールを、シートリクライニング装置毎に1つ設けるだけでよく、ポール製作コストを効果的に低減することができる。
上記のように構成した請求項3に係る発明によれば、レリーズプレートを、全体として略円環形をなす一部位に扇型の切欠きを設けた形状とし、その切欠き部位に第1ポールを配設することにより、第1ポールとレリーズプレートとを非干渉としたので、第2ポールとレリーズプレートを第1ポールの厚みの範囲内に収めることができ、ロアアームおよびアッパアームの軸線方向の中央部でポールのロックおよびアンロックを行うことができ、ポールのロックおよびアンロックを安定的に行うことができる。
上記のように構成した請求項4に係る発明によれば、ポールに設けられた内面カム部の中央部とその両側には、カムのカム面が作用する3つの押圧部が設けられ、ポールの中央部に設けられた押圧部およびカムのロック回転方向の奥側に設けられた押圧部は、カムのロック回転方向への回転に伴いカムのカム面に接近する傾斜面を有するカム面で構成され、カムのロック回転方向の手前側に設けられた押圧部は、カムの回転中心を中心とする円弧面で構成されている。これにより、各ポールを複数の押圧部によってアッパアーム側に安定した姿勢でロックすることができ、各ポールの外歯をアッパアームの内歯に確実に噛み合わせることができる。
上記のように構成した請求項5に係る発明によれば、第1ポールに、レリーズプレートの端面より突出するように厚みを増大させた厚み増大部を形成し、アッパアームに、レリーズプレートを収容する第1凹部と、第1凹部よりも大きな深さを有し第1ポールの厚み増大部を収容する第2凹部を形成し、第1凹部と第2凹部との境界部に、第1ポールの厚み増大部に当接してリクライニング動作範囲を所定の範囲に規制する2か所の段差部を設けたので、リクライニング装置を径方向に大型化することなく、リクライニング動作範囲を所定の範囲に規制することができる。しかも、第1ポールと段差部の当接面積を、リクライニング装置の径を大型化することなく任意に大きくすることができるので、当接強度の増大を容易に可能にすることができる。
本発明の第1の実施の形態を示す図2の1−1線に沿って切断したシートリクライニング装置の縦断面図である。 図1の2−2線に沿って切断した断面図である。 図1に示すシートリクライニング装置の分解図である。 第1ポールを示す詳細図で、(A)は第1ポールの正面図を、(B)はB方向から見た第1ポールの側面図を示す。 第2ポールを示す詳細図で、(A)は第2ポールの正面図を、(B)はB方向から見た第2ポールの側面図を示す。 シートリクライニング装置のロック解除状態を示す図2の作動状態図である。 シートリクライニング装置のフリー状態を示す図2の作動状態図である。 本発明の第2の実施の形態を示すシートリクライニング装置の縦断面図である。 図8の9−9線に沿って切断した断面図である。 図8に示すシートリクライニング装置の分解図である。 第2の実施の形態における作動状態を示す図である。
以下、本発明の第1の実施の形態を図面に基づいて説明する。車両用シートリクライニング装置10は、図1に示すように、円盤状のロアアーム11とアッパアーム12を備えている。ロアアーム11は、シートクッションフレーム13に固定され、アッパアーム12は、シートバックフレーム14に固定されている。
ロアアーム11は、アッパアーム12側に開口する半抜き形成された円形の凹部21を備え、中心部に貫通孔11aを有している。ロアアーム11の円形凹部21は、アッパアーム12とロアアーム11の回動軸線O1を中心とする内周面21aを有している。アッパアーム12は、その外周面12aで、ロアアーム11の内周面21aと摺接するように嵌合されている。
一方、アッパアーム12は、ロアアーム11側に開口する半抜き形成された円形の凹部22を備え、中心部に貫通孔12bを有している。アッパアーム12の円形凹部22は、回動軸線O1を中心とする内周面22aを有している。円形凹部22の内周面22aには、内歯23が全周に亘って形成されている。凹部22の内側には、円形凹部22と同心円上に円形の凹部24が半抜き形成されている。円形凹部24の内周面24aには、回転軸線O1に向かって突部25が図2に示すように円周上に2個所形成されている。
ロアアーム11およびアッパアーム12の外周部には、ロアアーム11の円形凹部21の内周面21aとアッパアーム12の外周面12aが嵌合された状態で、金属板からなるリング状のホルダ27が装着され、このホルダ27によってロアアーム11およびアッパアーム12は、相対回動が許容された状態で軸方向に抜け止めされている。
ロアアーム11とアッパアーム12との間には、ロック機構30が配設されている。このロック機構30は、図2および図3に示すように、主として、円周上3つのポール31(後述する31Aおよび31B)と、カム32と、レリーズプレート33と、付勢部材としての渦巻きばね34(図3参照)とによって構成されている。ポール31は、回転軸線O1と直交する面内に円周上等角度間隔に配置された2種類の3つのポールからなっている。
1つのポール31(以下、これを第1ポール31Aと称する)は、鋼材を鍛造加工するなどして作製され、図4に詳細図示するように、側面視で互いに段違い形成された第1ブロック41と第2ブロック42とを備えている。図2に示すように、第1ポール31Aは、第1ブロック41がアッパアーム12の内周面22a側に配置され、第2ブロック42がアッパアーム12の軸心側に配置されている。これら第1ブロック41および第2ブロック42の両幅端部31A1は一致するとともに、平行な直線となるように形成されている。第1ブロック41の外方端(アッパアーム12の内歯23と対向する端面)には、アッパアーム12の内歯23と噛合可能な外歯44が形成され、第1ブロック41の内方端(外方端とは逆向きの端面)には、カム32の外周に係合する内面カム部45が形成されている。さらに、第2ブロック42には、板厚方向に貫通するポール側溝カム部46が幅方向の略中央部位に透設されている。
一方、3つのうちの残る2つのポール31(以下、これを第2ポール31Bと称する)は、板状の鋼板をプレス加工するなどして作製され、図5に詳細図示するように、第1ポール31Aの第2ブロック42が切除され、第1ブロック41のみによって構成された形状に近似した段差をもたない扁平な形状をなしている。すなわち、第2ポール31Bは、第1ポール31Aに対して第2ブロック42分だけ径方向に短く、かつ板厚も第2ブロック42の板厚分だけ薄く形成されている。第2ポール31Bは、第1ポール31Aと同様に、両幅端部31B1は平行な直線に形成されている。第2ポール31Bの外方端には、アッパアーム12の内歯23と噛合可能な外歯47が形成されている。第2ポール31Bの内方端には、カム32の外周に係合する内面カム部48が形成されている。さらに、第2ポール31Bの端面には、幅方向の中央部に係合突起49が突設されている。
上記した第1ポール31Aの段差部に形成された内面カム部45と、第2ポール31Bの内方端に形成された内面カム部48は、同一形状に形成されている。すなわち、図4(A)および図5(A)に示すように、内面カム部45、48は、第1および第2ポール31A、31Bの円周方向の中央部と円周方向の両側に、カム32のカム面55が作用する3つの押圧部50a、50b、50cを備えている。第1および第2ポール31A、31Bの中央部に設けられた押圧部50aおよびカム32のロック回転方向の奥側に設けられた押圧部50bは、カム32のロック回転方向(図2の反時計回り)への回転に伴いカム32のカム面55に接近する傾斜面を有するカム面で構成され、カム32のロック回転方向の手前側に設けられた押圧部50cは、カム32の回転中心を中心とする円弧面で構成されている。
ロアアーム11の円形凹部21内には、3つのガイド壁51が円周上等角度間隔に配置され、隣合う2つのガイド壁51の間に、第1および第2ポール31A、31Bの両幅部31A1、31B1(図4、図5参照)を摺接可能にガイドするガイド面52が互いに対向して平行に形成されている。これによって、第1および第2ポール31A、31Bは、ガイド壁51のガイド面52にガイドされてロアアーム11およびアッパアーム12の径方向に摺動され、各外歯44、47を内歯23にそれぞれ係脱可能に係合できるようにしている。ガイド壁51の内周には、回転軸線O1を中心とする円弧面53が形成されている。
ロック機構30のカム32は、アッパアーム12の円形凹部22内で回転軸線O1上に回転可能に配置され、中心部に貫通孔32aを有している。また、カム32は、その外周縁に円周上等角度間隔に3組のカム面55を有している。そのうち、1組のカム面55は、第1ポール31Aの内面カム部45の各押圧部50a、50b、50cに係合可能に配置され、残りの2組のカム面55は、第2ポール31Bの各内面カム部48の各押圧部50a、50b、50cにそれぞれ係合可能に配置されている。カム面55は、第1および第2ポール31A、31Bの各外歯44、47と内歯23との噛合い部に近いところを押圧することができ、ロアアーム11に対するアッパアーム12を強固な力で確実にロックすることができるようにしている。
各カム面55は、第1および第2ポール31A、31Bの押圧部50a、50bに当接可能な2つの押圧カム部55a、55bと、押圧部50cに当接可能な1つの調心部55cとからなっている。2つの押圧カム部55a、55bと1つの調心部55cは、カム32がロック回転方向に回転されたとき、第1および第2ポール31A、31Bの内面カム部45、48の各押圧部50a、50b、50cにそれぞれ当接する角度位置に保持される。また、カム32がロックを解除する方向に回転されると、押圧カム部55a、55bおよび調心部55cは、各押圧部50a、50b、50cより離間されるとともに、調心部55cはガイド壁51の円弧面53に係合する角度位置に保持される。
カム32の側面には、円周上等角度間隔に複数の係合突起57が突設され、これら係合突起57の1つに、第1ポール31Aに形成されたポール側溝カム部46が係合されている。ポール側溝カム部46と係合突起57は、カム32のロック解除回転方向への回転によって第1ポール31Aを径方向内方へ移動させるように作用する。なお、係合突起57は、必ずしも同一円周上に等角度間隔に突設されている必要はなく、異なる円周上や任意の間隔を空けて突設されていてもよい。
カム32の側面には、薄板状のレリーズプレート33が係合突起57に係合されて一体的に取付けられ、レリーズプレート33は中心部に貫通孔33aを有している。レリーズプレート33は、第1ポール31Aの第2ブロック42と軸線方向に一致するようにカム32に取付けられており、第2ポール31Bの端面に摺接可能に対接されている。これによって、第2ポール31Bとレリーズプレート33を第1ポール31Aの厚みの範囲内に収めることができるようにしている。レリーズプレート33は、アッパアーム12に形成した突部25とは非接触状態となる略円環形のプレートからなり、その円環形のプレートの一部位に扇型の切欠き33bが形成され、この切欠き33bの部位に第1ポール31Aが配設されている。すなわち、その円環形のプレートを第1ポール31Aに対応する角度範囲だけ扇型に切欠くことにより、カム32の回転によってレリーズプレート33が第1ポール31Aに干渉しないようにしている。
レリーズプレート33の回転中心を中心とする円周上には、板厚方向に貫通して2つのレリーズプレート側溝カム部59が形成されている。これらレリーズプレート側溝カム部59は第2ポール31Bの端面にそれぞれ対応するように、係合突起57の円周位置よりも径方向外方に配置されている。レリーズプレート側溝カム部59には、第2ポール31Bに突設された係合突起49がそれぞれ係合されている。レリーズプレート側溝カム部59と係合突起49との係合によって、カム32とともにレリーズプレート33がロックを解除する方向(図2の時計回り)に回転されると、第2ポール31Bを径方向内方へ移動させるようにしている。
ヒンジ軸60は、図3に示すように、回転軸線O1上に配置され、ロアアーム11、カム32、レリーズプレート33およびアッパアーム12の回転中心部に形成された各貫通孔11a、32a、33a、12bを回転可能に貫通している。ヒンジ軸60の軸方向の略中央部分には、2面取りされた嵌合部60aが形成されている。ヒンジ軸60が貫通するカム32の貫通孔32aは、ヒンジ軸60の嵌合部60aに嵌合するように2面取りされ、ヒンジ軸60とカム32は一体的に回転する構成となっている。ここで、カム32の貫通孔32aは、図2に示すように、ヒンジ軸60の嵌合部60aより僅かに大きく形成され、両者の間に径方向の遊びが設けられている。これによって、カム32はアッパアーム12の円形凹部22内で、ヒンジ軸60に対して径方向に僅かに移動可能となっている。さらに、ヒンジ軸60の一方の端部には、2面取りされた係合部60bが形成され、この係合部60bに係合する2面取りされた係合孔を有する操作ハンドル62がヒンジ軸60に一体的に取付けられる。
渦巻きばね34は、ポール31をアッパアーム12に係合する方向にカム32を回転付勢するもので、ロアアーム11の貫通孔11a内に収納されている。渦巻きばね34は、図3に示すように、例えば、略矩形の扁平な線材を所定の渦巻き形状に曲成することにより形成されており、ロアアーム11とカム32との間に配設されている。すなわち、渦巻きばね34の外端部34aは、ロアアーム11に形成した係止孔11bに係止され、内端部34bは、カム32の端面に設けた図略の係止部に係止されている。
かかる渦巻きばね34の付勢力によって、カム32はロアアーム11に対してロック回転方向(図2の反時計回り)に回転付勢され、そのカム面55によって第1および第2ポール31A、31Bを径方向外方に押圧し、第1および第2ポール31A、31Bの外歯44、47をアッパアーム12の内歯23に係合させるようになっている。
次に、以上のように構成された第1の実施の形態におけるシートリクライニング装置10の作動について説明する。
図2は、シートリクライニング装置10のロック状態を示している。この状態においては、カム32の押圧カム部55a、55bおよび調心部55cが第1および第2ポール31A、31Bの内面カム部45、48の各押圧部50a、50b、50cにそれぞれ当接し、第1および第2ポール31A、31Bが径方向外方へ押圧されている。これにより、第1および第2ポール31A、31Bを複数の押圧部50a、50b、50cによってアッパアーム12の内歯23に向けて安定した姿勢で押圧することができ、各ポール31の外歯44,47をアッパアーム12の内歯23に確実に噛み合わせることができる。このようにして、第1および第2ポール31A、31Bの外歯44、47とアッパアーム12の内歯23とが噛合い、ロアアーム11に対するアッパアーム12の回動が規制されている。この場合、カム32は円形凹部21内でヒンジ軸60に対して径方向に移動可能となっているため、カム32は3つのポール31(31A、31B)をほぼ均等な押圧力で押圧することができる。従って、アッパアーム12、延いてはシートバックフレーム14をガタなく確実にロックすることが可能となる。
この状態で、操作ハンドル62を操作してヒンジ軸60を図2の時計回りに回転すると、カム32およびレリーズプレート33が渦巻きばね34の付勢力に抗して一体的に回転される。これによって、第1および第2ポール31A、31Bの内面カム部45、48からカム面55の押圧カム部55a、55bの当接が外れ、調心部55cも内面カム部45,48から干渉しない方向へ外れると共に、第1ポール31Aのポール側溝カム部46とカム32の係合突起57との係合作用によって、第1ポール31Aがガイド壁51のガイド面52に沿って回転軸線O1側に引き寄せられ、図6に示すように、第1ポール31Aの外歯44と内歯23との噛合が解除される。同時に、第2ポール31Bの係合突起49とレリーズプレート側溝カム部59との係合作用によって、第2ポール31Aがガイド壁51のガイド面52に沿って回転軸線O1側に引き寄せられ、第2ポール31Bの外歯47と内歯23との噛合が解除される。
従って、シートクッションフレーム13に支持されたシートクッションに対して、シートバックフレーム14に支持されたシートバックを、任意の角度位置に回動させることが可能となる。この際、カム32の3組の調心部55cは、ガイド壁51の内周面53にそれぞれ係合するため、カム32はガイド壁51の内周面53によって調心されることとなる。その結果、第1および第2ポール31A、31Bの外歯44、47と内歯23の隙間はほぼ均等となり、一部のポール31の歯先が内歯23の歯先に干渉することに起因する回動不良や異音の発生を無くすことができる。
また、ロックを解除した状態で、シートバック(シートバックフレーム14)をシートクッション(シートクッションフレーム13)に対して、所定の角度以上前方に、いわゆる前倒し角度範囲に回転させると、アッパアーム12の円形凹部24の内周面に形成された突部25は、図7に示すように、第1ポール31Aに形成された係合部43と内歯23との間に位置される。すなわち、第1ポール31Aは、その係合部43がアッパアーム12の突部25に係合することによって、径方向外方への移動が妨げられるようになる。この状態で、操作ハンドル62を離すと、渦巻きばね34の作用力でカム32が、第1ポール31Aを内歯23に噛み合う方向に押し付けんとするが、アッパアーム12の突部25と第1ポール31Aの係合部43との係合によって、第1ポール31Aの移動は阻止されるため、噛み合いは生じない。同時に、第1ポール31Aの径方向移動が阻止されることによって、カム32の回転も阻止されるため、レリーズプレート33が回転せず、レリーズプレート側溝カム部59によって、第2ポール31Bも内歯23より離間した非噛合位置に保持される。従って、前倒し角度範囲では、シートバックはロックされずに回転させることができる。
前倒し状態から再び、操作レバー62を操作して、シートバックを着座に最適な位置になるように後方に戻し、その位置で操作レバー62を離すと、第1および第2ポール31A、31B、カム32およびレリーズプレート33が、図2に示す状態に復帰し、ロック状態となる。
このように、上記した第1の実施の形態によれば、円周上複数のポール31を、第1ポール31Aと第2ポール31Bとで構成し、第1ポール31Aに、カム32の外周縁に設けられたカム面に係合する内面カム部45と、カム32の側面に設けられた係合突起57に係合するポール側溝カム部46と、アッパアーム12の突部25に係合する係合部43を設けており、第2ポール31Bに、レリーズプレート側溝カム部59に係合する係合突起49を設けている。これにより、カム32によってポール31を外歯44、47と内歯23との噛合い部に近いところを押圧することができ、ロアアーム11に対してアッパアーム12を強固な力で確実にロックすることができる。その結果、シートバックの保持強度を高めることができ、シートバックを安定的に保持することができる。
しかも、第1ポール31Aに比して第2ポール31Bは、単純な平面形状とすることができ、プレス加工によって作製可能となるため、ポール製作コストを低減することができ、レリーズプレート33が追加されているのも係わらず、シートリクライニング装置全体としてもコスト低減を可能にすることができる。
また、第1の実施の形態によれば、ポール31を、1つの第1ポール31Aと、複数の第2ポール31Bとで構成したので、内面カム部45とポール側溝カム部46と係合部43を有する第1ポール31Aを、シートリクライニング装置毎に1つ設けるだけでよく、ポール製作コストを効果的に低減することができる。
また、第1の実施の形態によれば、レリーズプレート33を、全体として略円環形をなす一部位に扇型の切欠き33bを設けた形状とし、その切欠き33bの部位に第1ポール31Aを配設することにより、第1ポール31Aとレリーズプレート33とを非干渉としている。従って、第2ポール31Bとレリーズプレート33を第1ポール31Aの厚みの範囲内に収めることができ、ロアアーム11およびアッパアーム12の軸線方向の中央部でポール31のロックおよびアンロックを行うことができ、ポール31のロックおよびアンロックを安定的に行うことができる。
さらに、第1の実施の形態によれば、ポール31に設けられた内面カム部45、48の中央部とその両側には、カム32のカム面55が作用する3つの押圧部50a、50b、50cが設けられ、ポール31の中央部に設けられた押圧部50aおよびカム32のロック回転方向の奥側に設けられた押圧部50bは、カム32のロック回転方向への回転に伴いカム32のカム面55に接近する傾斜面を有するカム面で構成され、カム32のロック回転方向の手前側に設けられた押圧部50cは、カム32の回転中心を中心とする円弧面で構成されている。これにより、各ポール31を複数の押圧部50a、50b、50cによってアッパアーム12側に安定した姿勢でロックすることができ、各ポール31の外歯44、47をアッパアーム12の内歯23に確実に噛み合わせることができる。
しかも、ポール31のロック解除時には、カム32の調心部55cをガイド壁51の内周に係合させて調心させることにより、第1および第2ポール31A、31Bの外歯44、47と内歯23との隙間をほぼ均等に維持でき、一部のポール31の歯先が内歯23の歯先に干渉することに起因する回動不良や異音の発生を無くすことができる。
次に、本発明の第2の実施の形態を図8、図9、図10および図11に基づいて説明する。上記した第1の実施の形態と異なる点は、アッパアーム12に設けた2か所の凹部の段差を利用して、アッパアーム12とロアアーム11の相対回転を規制できるようにし、リクライニング装置を大型化することなく、リクライニング動作範囲を所定の範囲に規制できるようにしたことである。なお、第1の実施の形態と同一の構成部品については同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図8および図10に示すように、ロアアーム11とアッパアーム12との間には、第1の実施の形態で述べたと同様に、主として、第1ポール31Aおよび第2ポール31Bからなる円周上3つのポールと、カム32と、レリーズプレート33と、付勢部材(渦巻きばね)34とによって構成されたロック機構30が配設されている。
ここで、第1の実施の形態においては、レリーズプレート33が第1ポール31Aの第2ブロック42と軸線方向に一致するようにカム32に取付けられ、アッパアーム12に形成した円形凹部24内に、レリーズプレート33および第1ポール31Aが収容されていたが、第2の実施の形態においては、図8に示すように、第1ポール31Aの第2ブロック42に、レリーズプレート33の端面より突出する厚み増大部71が形成され、この厚み増大部71を収容する凹部73がアッパアーム12に形成されている。
すなわち、アッパアーム12には、図8および図9に示すように、レリーズプレート33のみを収容できる第1凹部72(第1の実施の形態の円形凹部24に相当)と、この第1凹部72よりも深さが深く、第1ポール31Aの厚み増大部71を収容できる第2凹部73が半抜き形成(図10参照)されている。第2凹部73は扇形状に所定の角度範囲に亘って形成され、この第2凹部73内を第1ポール31Aが所定角度だけ相対回転できるようになっている。第2凹部73の内周面73aは第1凹部72の内径と同一径に形成され、その内周面73aに回転軸線O1に向かって突部74(第1の実施の形態の突部25に相当)が形成されている。
第1凹部72に第2凹部73を扇形状に半抜き形成したことにより、第2凹部73と第1凹部72との境界部には、段差部75a、75bが円周上2か所形成され、これらの段差部75a、75bに第2凹部73に収容された第1ポール31Aの厚み増大部71の両幅端部71a、71bが当接される。これによって、アッパアーム12とロアアーム11の相対回転を規制できるようになっている。
次に、第2の実施の形態におけるシートリクライニング装置10の作動を、図11に基づいて説明する。図11(C)は、シートリクライニング装置10のロック状態を示しており、これは第1の実施の形態で述べた図2の状態と同じである。すなわち、第1および第2ポール31A、31Bがカム32(図8参照)によって径方向外方へ押圧され、これによって、第1および第2ポール31A、31Bの外歯44、47とアッパアーム12の内歯23とが噛合い、ロアアーム11に対するアッパアーム12の回動が規制されている。
この状態で、操作ハンドル62を操作してヒンジ軸60(図8参照)を回転すると、カム32およびレリーズプレート33が渦巻きばね34の付勢力に抗して回転され、第1ポール31Aのポール側溝カム部46とカム32の係合突起57との係合作用によって、第1ポール31Aが回転軸線O1側に引き寄せられ、図11(B)に示すように、第1ポール31Aの外歯44と内歯23との噛合が解除される。同時に、第2ポール31Bの係合突起49とレリーズプレート側溝カム部59との係合作用によって、第2ポール31Aが回転軸線O1側に引き寄せられ、第2ポール31Bの外歯47と内歯23との噛合が解除される。すなわち、アンロック状態となる。
これにより、シートクッションに対してシートバックを、任意の角度位置に回動させることができる。また、アンロックで状態で、シートバックをシートクッションに対して所定の角度以上前方に、いわゆる前倒し角度範囲に回転させると、アッパアーム12の第2凹部73の内周面73aに形成された突部74によって、第1ポール31Aの径方向外方への移動が妨げられるため、前倒し角度範囲では、シートバックはロックされずに自由に回転させることができる(図11(B)参照)。
シートバックを前倒しさせると、ロアアーム11に対してアッパアーム12が図9の反時計回りに相対回転される。シートバックが所定の角度位置まで前倒しされると、図11(A)に示すように、第1凹部72と第2凹部73との一方の段差部75aが第1ポール31A(厚み増大部71)の一端面71aに当接し、ロアアーム11に対するアッパアーム12の回動が規制されて、シートバックの角度が規制される。
反対に、シートバックを後方にリクライニングさせると、ロアアーム11に対してアッパアーム12が図9の時計回りに相対回転される。シートバックが所定の角度位置までリクライニングされると、図11(D)に示すように、第1凹部72と第2凹部73との他方の段差部75bが第1ポール31A(厚み増大部71)の他端面71bに当接し、ロアアーム11に対するアッパアーム12の回動が規制されて、シートバックの角度が規制される。
上記した第2の実施の形態によれば、第1ポール31Aにレリーズプレート33の端面より突出する厚み増大部71を形成するとともに、アッパアーム12に、レリーズプレート33を収容する第1凹部72と、第1凹部72よりも大きな深さを有し第1ポール31Aの厚み増大部71を収容する第2凹部73を形成し、第1凹部72と第2凹部73との境界部に、第1ポール31Aの厚み増大部71に当接してリクライニング動作範囲を所定の範囲に規制する2か所の段差部75a、75bを設けたので、リクライニング装置を径方向に大型化することなく、リクライニング動作範囲を所定の範囲に規制することができる。しかも、第1ポール31Aの厚み増大部71と段差部75a、75bの当接面積を、リクライニング装置の径を大型化することなく任意に大きくすることができ、当接強度を増大することが可能となる。
上記した実施の形態においては、ポール31を円周上3つ配設し、そのうちの1つを第1ポール31A、残りの2つを第2ポール31Bとした例について述べたが、ポール31を円周上に4つ以上配設し、そのうちの1つあるいは2つを第1ポール31Aとし、残る複数のポールを第2ポール31Bとしてもよい。
以上、本発明を実施の形態に即して説明したが、本発明は実施の形態で述べた構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内で種々の形態を採り得るものである。
本発明に係るシートリクライニング装置は、シートバックをシートクッションに対して角度調整自在に支持する車両用シートに用いるのに適している。
10…シートリクライニング装置、11…ロアアーム、12…アッパアーム、13…シートクッションフレーム、14…シートバックフレーム、23…内歯、25…突部、30…ロック機構、31A…第1ポール、31B…第2ポール、32…カム、33…レリーズプレート、33b…切欠き、34…付勢部材(渦巻きばね)、43…係合部、44、47…外歯、45、48…内面カム部、46…ポール側溝カム部、49…係合突起、50a、50b、50c…押圧部、51…ガイド壁、53…内周面、55…カム面、55a、55b、55c…押圧部、57…係合突起、59…レリーズプレート側溝カム部、60…ヒンジ軸、71…厚み増大部、72…第1凹部、73…第2凹部、75a、75b…段差部。

Claims (5)

  1. シートクッション側に支持されるロアアームと、
    該ロアアームに相対回動可能に支持され、シートバック側に支持されるアッパアームと、
    前記ロアアーム内にガイド壁によって径方向に移動可能に配設され、前記アッパアームの内周に設けられた内歯に係脱可能に係合する外歯を有する複数のポールと、
    回転することにより前記ポールを径方向に移動させるカムと、
    該カムに一体的に取付けられたレリーズプレートと、
    前記カムを一方向に回転付勢する付勢部材とを備え、
    前記ポールを、
    前記カムの外周縁に設けられたカム面に係合する内面カム部と、前記カムの側面に設けられた係合突起に係合するポール側溝カム部と、前記アッパアームの内周に設けられた突部に対し、前記ロアアームに対して前記アッパアームが所定角度回動された際に係合する係合部とを有する第1ポールと、
    前記カムの外周縁に設けられたカム面に係合する内面カム部と、前記レリーズプレートに設けられたレリーズプレート側溝カム部に係合する係合突起とを有する第2ポールとによって構成したことを特徴とするシートリクライニング装置。
  2. 請求項1において、前記ポールを、1つの前記第1ポールと、複数の前記第2ポールとで構成したことを特徴とするシートリクライニング装置。
  3. 請求項2において、前記レリーズプレートを、全体として略円環形をなす一部位に扇型の切欠きを設けた形状とし、その切欠き部位に前記第1ポールを配設することにより、該第1ポールと前記レリーズプレートとを非干渉としたことを特徴とするシートリクライニング装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記ポールに設けられた前記内面カム部の中央部とその両側には、前記カムのカム面が作用する3つの押圧部が設けられ、前記ポールの中央部に設けられた前記押圧部および前記カムのロック回転方向の奥側に設けられた前記押圧部は、前記カムのロック回転方向への回転に伴い該カムの前記カム面に接近する傾斜面を有するカム面で構成され、前記カムのロック回転方向の手前側に設けられた前記押圧部は、前記カムの回転中心を中心とする円弧面で構成されていることを特徴とするシートリクライニング装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記第1ポールに、前記レリーズプレートの端面より突出するように厚みを増大させた厚み増大部を形成し、前記アッパアームに、前記レリーズプレートを収容する第1凹部と、該第1凹部よりも大きな深さを有し前記第1ポールの前記厚み増大部を収容する第2凹部を所定の角度範囲に亘って形成し、前記第1凹部と前記第2凹部との境界部に、前記第1ポールの前記厚み増大部に当接してリクライニング動作範囲を所定の範囲に規制する2か所の段差部を設けたことを特徴とするシートリクライニング装置。
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