JP4149770B2 - リクライニング機構 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベースアームと、該ベースアームに対して回転可能に設けられ、前記ベースアームとの対向面には回転中心を中心とする内歯が形成されたラチェットと、前記ベースアームと前記ラチェットとの間に設けられ、前記ラチェットの内歯に噛合可能な外歯が形成されたポールと、打ち出し加工法により、前記ポールの両側面を挟むように前記ベースアームに形成され、前記ポールを前記ラチェットの回転軸と直交する方向に案内するガイドと、前記ベースアームと前記ラチェットとの間で、前記回転中心を中心として回転可能に設けられ、前記ポールを押して前記ポールの外歯を前記ラチェットの内歯に噛合させるカムと、前記ポールの外歯が前記ラチェットの内歯に噛合する方向に前記カムを付勢する付勢手段と、前記ポールの外歯が前記ラチェットの内歯から離れる方向に前記ポールを移動させるレリーズ手段とを有したリクライニング機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のリクライニング機構の一例として、特開2002−142894号公報に記載されたリクライニング機構がある。
【0003】
その機構を図9、図10を用いて簡単に説明する。尚、図9はリクライニング機構の平面構成図、図10は図9の切断線A−Aでの断面図である。
【0004】
図9において、シートのシートクッションフレーム側に設けられるベースアーム1には、ヒンジピン3が設けられ、このヒンジピン3にシートのシートバックフレーム側に設けられるラチェット5が回転可能に設けられている。
【0005】
ラチェット5には凹部7が形成され、この凹部7の壁面には、回転中心であるヒンジピン3を中心とする内歯9が形成されている。
【0006】
この凹部7内には、ラチェット5の内歯9に噛合可能な外歯13が形成されたポール11が配設されている。更に、ベースアーム1に、ポール11の両側面を挟むように形成されたガイド15により、ポール11はラチェット5の回転軸であるヒンジピン3と直行する方向に案内されている。
【0007】
尚、このガイド15は、図10に示すように、ベースアーム1を打ち出し成形することにより形成されている。
【0008】
再び図9に戻って、ベースアーム1において、2つのガイド15の間には、ラチェット5の回転軸であるヒンジピン3と直行する方向延びる長穴17が形成され、この長穴17にはポール11に形成された凸部19が係合している。
【0009】
ヒンジピン3にはカム21が嵌合している。このカム21は直接、又、カム23を介して、ポール11の背部を押圧可能となっている。
【0010】
又、図示しないレリーズ手段が、ヒンジピン3、ポール11の突部19に設けられたピン20に係合し、レーリーズ手段を回転させることにより、カム23はヒンジピン3を中心に回転し、ポール11はガイド15に沿って移動するようになっている。
【0011】
更に、図示しない付勢手段によりレリーズ手段は、カム23がポール11の背部を押圧する方向に、又、ポール11は、その外歯13がラチェット5の内歯9に噛合する方向に付勢されている。
【0012】
次に、上記構成の作動を説明する。
【0013】
レリーズ手段を操作していない状態では、図示しない付勢手段の付勢力により、カム21は、ポール11の背部を押圧して、ポール11の外歯13がラチェット5の内歯9に噛合し、ラチェット(シートバック)5の回転が禁止されている。
【0014】
ここで、付勢手段の付勢力に抗してレリーズ手段を操作すると、カム23はポール11の背部より離反する方向に移動し、又、ポール11は、その外歯13がラチェット5の内歯9から離れる方向に移動し、ポール11の外歯13と、ラチェット5の内歯9との噛合が解除され、ラチェット(シートバック)5は回転可能となる。
【0015】
シートバックの所望の傾動角を得たら、レリーズ手段の操作力を解除する。すると、付勢手段の付勢力により、カム23、ポール11は元位置に復帰し、ラチェット(シートバック)5の回転が禁止される。
【0016】
【特許文献1】
特開2002−142894号公報(図1、図4)
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成のリクライニング機構を有するシートが設けられた車両が、前面衝突した場合又は後方から追突された場合、シートにはシートバックを回転させようとする大きな衝撃力が作用する。その衝撃力は、ラチェット5→ポール11→ベースアーム1の順に伝達される。
【0018】
ポール11→ベースアーム1への衝撃力の伝達時に、ポール11の側面がベースアーム1のガイド15に当接し、押圧する。
【0019】
ここで、図10のベースアーム1のB部分、すなわち「つなぎ」と呼ばれる部分がせん断破壊せずに、かつ、ガイド15が押しつぶされて衝撃力を吸収すれば、ポール11の外歯13とラチェット5の内歯9との噛合が保たれ、シートバックが回転しない。
【0020】
一方、ベースアーム1を打ち出し成形して形成されるガイド15の強度は、図10に示すように、ポール11が当接するガイド15の高さ(h1)と、図10のB部分である「つなぎ」の厚み(h2)とに依存する。
【0021】
そして、ベースアーム1の板厚(h)=h1+h2であるので、つなぎの厚み(h2)を厚くするには、ガイド11の打ち出し量を少なくして、ガイド11の高さ(h1)を低くすればよい。
【0022】
しかし、図10に示す構成で、ガイド15の高さは今までの厚さ(h1)のままで、つなぎの部分でのせん断強度の向上を図るには、ベースアーム1の板厚(H)を厚くすることでしか対応できない問題点がある。
【0023】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その課題は、ベースアームの板厚を変えずに、ガイドのつなぎの部分でのせん断強度が向上するリクライニング機構を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1記載の発明は、ベースアームと、該ベースアームに対して回転可能に設けられ、前記ベースアームとの対向面には回転中心を中心とする内歯が形成されたラチェットと、前記ベースアームと前記ラチェットとの間に設けられ、前記ラチェットの内歯に噛合可能な外歯が形成されたポールと、打ち出し加工法により、前記ポールの両側面を挟むように前記ベースアームに形成され、前記ポールを前記ラチェットの回転軸と直交する方向に案内するガイドと、前記ベースアームと前記ラチェットとの間で、前記回転中心を中心として回転可能に設けられ、前記ポールを押して前記ポールの外歯を前記ラチェットの内歯に噛合させるカムと、前記ポールの外歯が前記ラチェットの内歯に噛合する方向に前記カムを付勢する付勢手段と、前記ポールの外歯が前記ラチェットの内歯から離れる方向に前記ポールを移動させるレリーズ手段と、を有したリクライニング機構において、前記ガイドのラチェットと対向する面を板厚方向に打ち出し加工して、前記ガイドのラチェットと対向する面と前記ガイドのポールと対向する面とからなる角部までかかる凹部を形成し、前記ガイドに、板厚方向に複数のポール対向面を形成し、前記ガイドの複数のポール対向面と前記ポールの側面との距離が前記ガイドの基部から離れるに従って長くなるようにしたことを特徴とするリクライニング機構である。
【0025】
前記ガイドのラチェットと対向する面を板厚方向に打ち出し加工して、前記ガイドのラチェットと対向する面と前記ガイドのポールと対向する面とからなる角部までかかる凹部を形成し、前記ガイドに、板厚方向に複数のポール対向面を形成したことにより、個々のポール対向面の打ち出し量が短くなり、つなぎの部分の厚さを従来より厚く確保できる。従って、ベースアームの板厚が従来と同じ板厚であっても、ガイドのつなぎの部分でのせん断強度を向上させることができる。
【0026】
尚、ガイドが複数のポール対向面を有する場合、このリクライニング機構を有するシートが設けられた車両が、前面衝突した場合又は後方から追突された場合、ポールの側面は、最初に、複数のポール対向面のうちのポール側面との距離が一番短いポール対向面に当接する。衝撃力が大きな場合は、当接したポール対向面が押しつぶされて変形し、ポールの側面は次のポール対向面に当接する。このようにして、衝撃力に応じてポールの側面は、ガイドに形成された複数のポール対向面を次々に押しつぶしていく。
【0027】
そして、最終的には、ガイドの前記ポールの側面と対向する部分全体で衝撃力を受けることとなり、従来のポールの側面のガイドへの押接と変わらない。
【0028】
請求項2記載の発明は、前記凹部を前記ガイドの前記ポールの側面と対向する部分の全域にわたって形成したことを特徴とする請求項1記載のリクライニング機構である。
【0029】
前記凹部を前記ガイドの前記ポールの側面と対向する部分の全域にわたって形成したことにより、つなぎの部分がガイドの前記ポールの側面と対向する部分の全域にわたって形成され、大きなせん断強度を得ることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
次に図面を用いて本発明の実施の形態例を説明する。本実施の形態例のリクライニング機構は、両側リクライニング装置に設けられるリクライニング機構である。
【0031】
本実施の形態例のリクライニング機構の分解斜視図である図1及び図3の切断線C−Cでの断面図である図2、図2の切断線B−Bでの部分断面図である図3を用いて説明する。
【0032】
本形態例のリクライニング機構90では、図2に示すように、シートクッション側のフレーム301に、ベースアーム100がロアアームとして取り付けられ、シートバック側のバックフレーム302に、ラチェット130が取り付けられる。
【0033】
図1〜図2に示すように、ベースアーム100の中央部には、凹部101が形成され、凹部101の底面には、断面形状が小判状の小判穴102が中央部に形成されている。
【0034】
ヒンジピン120は、中間部に、ベースアーム100の凹部に嵌合する大径部121が形成されている。この大径部121の一方の側には、ベースアーム100の凹部101に嵌合する断面形状が小判状の小判部122が形成されている。この小判部122がベースアーム100の小判穴102に嵌合することにより、ベースアーム100とヒンジピン120とは一体化されることとなる。ヒンジピン120の大径部121の他方の側には、ラチェット130側に突き出た二つの同一形状の断面円弧状支持部123が対向するように形成されている。
【0035】
ラチェット130のベースアーム100との対向面の中央部には、第2凹部135が形成され、第2凹部135の底面には嵌合穴131が形成されている。この嵌合穴131には、ヒンジピン120の断面円弧状支持部123が回転自在に嵌合しており、このため、ベースアーム100に対してラチェット130は回転可能となっている。そして、ベースアーム100の外周部とラチェット130の外周部とは、取り付け金具205により、相対回転可能に接合されている。ラチェット130のベースアーム100との対向面には、ラチェット130の回転中心を中心とする略円形の第1凹部132(図2参照)が形成され、該凹部内周面には全周にわたって内歯133が刻設されている。
【0036】
ベースアーム100上の、ラチェット130の第1凹部132との対向面にも凹部104が形成され、該凹部104の底面には、後述するポールをヒンジピン120の軸と直交する方向に案内するガイド手段であるガイド105,106が3組形成されている。
【0037】
3つのポール140は、ガイド105,106に挟まれて、回転の中心軸であるヒンジピン120の軸と直交する方向に摺動案内され、前端部の外歯141がラチェット130の内歯133に噛合できるように構成されている。
【0038】
カム170には、ヒンジピン120の断面円弧状支持部123が遊嵌する円弧状長穴172が穿設されており、カム170はベースアーム100に対して一定範囲内で回転できるようになっている。カム170の中央部には、ラチェット130方向に突出する断面形状小判状の筒状突起173が形成されている。更に、カム170の突起173の周囲には、ラチェット130方向に突出する3つの突起174が形成されている。
【0039】
カム170とラチェット130との間には、レリーズ手段としてのレリーズプレート180が配置される。このレリーズプレート180の中央部には、カム170の筒状突起173が挿通する穴181が形成されている。更に、穴181の周囲には、カム170の3つの突起174が係合する3つの穴182が形成されている。したがって、レリーズプレート180とカム170とは一体となって回転することとなる。また、レリーズプレート180には、各ポール140のラチェット130との対向面に形成された突起143が係合する3つのカム溝183が形成されている。このカム溝183は、レリーズプレート180を図1の矢印II方向に回転させると、ポール140の外歯141をラチェット130の内歯133から離反させる(アンロック)方向に移動させるような形状に設定されている。
【0040】
更に、カム170は、レリーズプレート180が矢印II方向と反対側に回転させると、レリーズプレート180とともに回転し、押圧部175でもって、ポール140の背面142をその外歯141方向に押して、ポール140の外歯141をラチェット130の内歯133に噛合させる(ロック)ものである。
【0041】
また、レリーズプレート180の周縁には、ラチェット130方向に折り曲げられた3つの折曲部185が形成されている。
【0042】
ラチェット130の第2凹部135には、付勢手段としてのスパイラルスプリング190が配設されている。このスパイラルスプリング190の内端部はヒンジピン120の2つの断面円弧状支持部123の一方の断面円弧状支持部123に係止されている。スパイラルスプリング190の外端部はレリーズプレート180の3つの折曲部185のうちの1つの折曲部185に係止され、レリーズプレート180、カム170を介して、ポール140をロック方向に付勢している。
【0043】
また、第2凹部135を形成したことにより、ラチェット130のベースアーム100との対向面と反対側の面に形成された凸部135′の縁部に、ラチェット130の面方向に突出する突出部136を複数形成した。
【0044】
そして、凸部135′及び突出部136をシートのシートバック側のフレーム302に形成された穴303に嵌合させた。
【0045】
次に、図4、図5を用いてポール140、及びポール140を案内するガイド105、ガイド106の説明を行なう。図4(a)は図3の切断線D−Dでの断面図、図4(b)は(a)図のG部分の拡大図、図5は図4のポール140、ガイド106をF方向から見た分解拡大斜視図である。
【0046】
これらの図に示すように、本実施の形態例のガイド105、ガイド106は打ち出し成形法を用いて形成されている。
【0047】
更に、ガイド105のラチェット130と対向する面には、板厚方向に打ち出し加工することにより、ガイド105のラチェット130と対向する面と、ガイド105のポール140と対向する面とからなる角部までかかる凹部Hを形成し、ガイド105に、板厚方向に複数のポール対向面105a、ポール対向面105bを形成した。同様に、ガイド106のラチェット130と対向する面には、板厚方向に打ち出し加工することにより、ガイド106のラチェット130と対向する面と、ガイド106のポール140と対向する面とからなる角部までかかる凹部Hを形成し、ガイド106に、板厚方向に複数のポール対向面106a、ポール対向面106bを形成した。
【0048】
更に、ポール対向面105a、ポール対向面105b,ポール対向面106a、ポール対向面106bは、ガイド105、ガイド106のポール140の側面と対向する部分の全域にわたって形成した。
【0049】
一方、ポール140のガイド106と対向する側面には、ガイド105のポール対向面105bと対向し、ポール140の移動方向に沿って延びる突起140aが、ポール140のガイド106と対向する側面には、ガイド106のポール対向面106bと対向し、ポール140の移動方向に沿って延びる突起140bがそれぞれ形成されている。
【0050】
そして、図4(b)に示すように、ポール140のガイド105と対向する側面(ガイド対向面)のうち、突起140a以外の面と、ガイド105のポール対向面105aとの距離(l)と、突起140aとガイド105のポール対向面105bとの距離(L)とは、L>lとなるように設定されている。尚、ポール140のガイド106との対向面とガイド106との関係も同様である。
【0051】
すなわち、ガイド105、ガイド106の基部から離れるに従ってポールの側面との距離が長くなる複数(本実施の形態例では2つ)のポール対向面105a、ポール対向面105b,ポール対向面106a、ポール対向面106bが形成されていることとなる。
【0052】
次に、図6を用いて、取り付け金具205の説明を行なう。図6(a)は組付け前の取り付け金具205の正面図、図6(b)は図6(a)の右側面図、図6(c)は図6(a)の切断線E−Eでの断面図である。
【0053】
組付け前の取り付け金具205はラチェット130の端面に対向する円環部205aと、円環部205aの外周縁から折り曲げられた取り付け部205bとからなっている。円環部205aには、ラチェット130の端面に当接するダボ(凸部)205cが複数(本実施の形態例では8つ)形成されている。
【0054】
そして、ラチェット130側から取り付け金具205をセットし、取り付け部205bの先端部をベースアーム100の端面側へ折り曲げることにより、ベースアーム100の外周部とラチェット130の外周部とは、相対回転可能に接合される。
【0055】
上記構成のリクライニング機構90の作動を説明する。通常は、図1に示す矢印IIと反対方向のスパイラルスプリング190の付勢力がレリーズプレート180,カム170に伝達され、カム170の押圧部175がポール140の背面142を押し、ポール140の外歯141がラチェット130の内歯133に噛合し、ラチェット(シートバック)130の回転が禁止されている(ロック状態)。
【0056】
スパイラルスプリング190の付勢力に抗して、レリーズプレート180を矢印方向II方向に回転させると、カム170の押圧部175のポール140の背面142への押しが解除される。また、レリーズプレート180のカム溝183により、ポール140がその外歯141がラチェット130の内歯133から離反する方向に移動し、ラチェット(シートバック)130は、回転可能となる(アンロック状態)。
【0057】
シートバックを所望の角度まで回転させ、レリーズプレート180への操作力を解除すると、スパイラルスプリング190の付勢力により、カム170がポール140の背面を押し、ポール140の外歯141がラチェット130の内歯133に再び噛合し、ラチェット(シートバック)130の回転が禁止された状態に復帰する。
【0058】
上記構成によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)ガイド105、ガイド106のラチェット130と対向する面を板厚方向に打ち出し加工して、ガイド105、ガイド106のラチェット130と対向する面とガイド105、ガイド106のポール140と対向する面とからなる角部までかかる凹部Hを形成し、ガイド105、106に、板厚方向に複数のポール対向面105a、105b、106a、106bを形成したことにより、ポール対向面105a、ポール対向面105b,ポール対向面106a、ポール対向面106bの打ち出し量が短くなり、つなぎの部分Eの厚さを従来より厚く確保できる。従って、ベースアーム100の板厚が従来と同じ板厚であっても、つなぎの部分Eでのせん断強度を向上させることができる。
【0059】
尚、通常状態では、ポール140は、ガイド105、ガイド106のポール140の側面と対向する部分に設けられたポール対向面105a、ポール対向面105b,ポール対向面106a、ポール対向面106bのうちのポール140の側面との距離が一番短いガイド基部側のポール対向面であるポール対向面105a、ポール対向面106aに案内されてラチェット130の回転軸と直行する方向に移動する。
【0060】
このリクライニング機構を有するシートが設けられた車両が、前面衝突した場合又は後方から追突された場合、ポール140の側面は、最初に、ガイド105のポール対向面105a、又はガイド106のポール対向面106aに当接する。衝撃力が大きな場合は、当接したガイド105のポール対向面105a、又はガイド106のポール対向面106aが押しつぶされて変形し、ポール140の側面はガイド105のポール対向面105b、又はガイド106のポール対向面106bに当接する。
【0061】
この場合、ガイド105又はガイド106のポール140の側面と対向する部分全体で衝撃力を受けることとなり、従来のポールの側面のガイドへの押接と変わらない。
(2)凹部Hをガイド105、ガイド106のポール140の側面と対向する部分の全域にわたって形成したことにより、つなぎの部分がガイド105、ガイド106のポール140の側面と対向する部分の全域にわたって形成され、大きなせん断強度を得ることができる。
(3)取り付け金具205にラチェット130に当接するダボ205cを複数設けたことにより、ベースアーム100に対して回転するラチェット130と、取り付け金具205との摺動抵抗が少なくなり、スムーズなシートバックの傾動を得ることができる。
【0062】
尚、本発明は、上記実施の形態例に限定するものではない。上記実施の形態例では、ガイド105、ガイド106に形成したポール対向面は2つであったが、3以上あってもかまわない。ポール対向面の数が増えれば増えるほど、つなぎの部分の厚さは厚くなりせん断破壊に対しては好適であるが、通常状態時、ポール140を案内するポール対向面の高さが低くなり、ポール140のガイド性が悪くなるので、両方を勘案して決定すべき事項である。
【0063】
又、ガイド105、ガイド106のポール140の側面と対向する部分に設けられたポール対向面105a、ポール対向面105b,ポール対向面106a、ポール対向面106bは、ガイド105、ガイド106のポール140の側面と対向する部分の全域にわたって形成したが、それに限定する必要はない。
【0064】
図7及び図8に示すように、通常状態時、ポール140を案内するポール対向面であるガイド105′のポール対向面105a′、ガイド106′のポール対向面106a′は、ガイド105′、ガイド106′のポール140の側面と対向する部分の全域にわたって形成したが、ガイド105′のポール対向面105b′、ガイド106′のポール対向面106b′は、一部形成するようにしてもよい。
【0065】
又、図7、図8に示すガイド105′、ガイド106′においては、ポール対向面105b′、ガイド106′のポール対向面106b′の両側には、傾斜面105c′、傾斜面106c′を形成した。このような傾斜面105c′、傾斜面106c′を形成することで、ポール140の組付けが容易となる。
【0066】
又、シートクッション側のフレーム301に、ラチェット130をロアアームとして取り付け、シートバック側のフレーム302に、ベースアーム100を取り付けるようにしてもよい。又、ポールの数は、1個でも2個でも4個以上でもよく、カム170の付勢も上記スパイラルスプリング190による方法に限らない。
【0067】
【発明の効果】
以上述べたように請求項1記載の発明によれば、前記ガイドのラチェットと対向する面を板厚方向に打ち出し加工して、前記ガイドのラチェットと対向する面と前記ガイドのポールと対向する面とからなる角部までかかる凹部を形成し、前記ガイドに、板厚方向に複数のポール対向面を形成したことにより、個々のポール対向面の打ち出し量が短くなり、つなぎの部分の厚さを従来より厚く確保できる。従って、ベースアームの板厚が従来と同じ板厚であっても、ガイドのつなぎの部分でのせん断強度を向上させることができる。
【0068】
請求項2記載の発明によれば、前記凹部を前記ガイドの前記ポールの側面と対向する部分の全域にわたって形成したことにより、つなぎの部分がガイドの前記ポールの側面と対向する部分の全域にわたって形成され、大きなせん断強度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態例のリクライニング機構の分解斜視図である。
【図2】図3の切断線C−Cでの断面図である。
【図3】図2の切断線B−Bでの部分断面図である。
【図4】図3の切断線D−Dでの断面図である。
【図5】図4に示すガイドの拡大斜視図である。
【図6】図2に示す取り付け金具を説明する図で、(a)図は組付け前の取り付け金具の正面図、(b)図は(a)図の右側面図、(c)図は(a)図の切断線E−Eでの断面図である。
【図7】ガイドの他の実施の形態例を説明する図で、図3の切断線D−Dでの断面図である。
【図8】図7に示すガイドの拡大斜視図である。
【図9】従来のリクライニング機構の平面構成図である。
【図10】図9の切断線A−Aでの断面図でである。
【符号の説明】
100 ベースアーム
130 ラチェット
105,106 ガイド
105a,105b,106a,106b ポール対向面
140 ポール

Claims (2)

  1. ベースアームと、
    該ベースアームに対して回転可能に設けられ、前記ベースアームとの対向面には回転中心を中心とする内歯が形成されたラチェットと、
    前記ベースアームと前記ラチェットとの間に設けられ、前記ラチェットの内歯に噛合可能な外歯が形成されたポールと、
    打ち出し加工法により、前記ポールの両側面を挟むように前記ベースアームに形成され、前記ポールを前記ラチェットの回転軸と直交する方向に案内するガイドと、
    前記ベースアームと前記ラチェットとの間で、前記回転中心を中心として回転可能に設けられ、前記ポールを押して前記ポールの外歯を前記ラチェットの内歯に噛合させるカムと、
    前記ポールの外歯が前記ラチェットの内歯に噛合する方向に前記カムを付勢する付勢手段と、
    前記ポールの外歯が前記ラチェットの内歯から離れる方向に前記ポールを移動させるレリーズ手段と、
    を有したリクライニング機構において、
    前記ガイドのラチェットと対向する面を板厚方向に打ち出し加工して、前記ガイドのラチェットと対向する面と前記ガイドのポールと対向する面とからなる角部までかかる凹部を形成し、
    前記ガイドに、板厚方向に複数のポール対向面を形成し
    前記ガイドの複数のポール対向面と前記ポールの側面との距離が前記ガイドの基部から離れるに従って長くなるようにしたことを特徴とするリクライニング機構。
  2. 前記凹部を前記ガイドの前記ポールの側面と対向する部分の全域にわたって形成したことを特徴とする請求項1記載のリクライニング機構。
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