WO2006036006A1 - トリムカバーの吊込み止着用クリップ - Google Patents

Abstract

略U字状の主体部を有し、略U字の先端縁より内側に向い合って吊込みコード3の長手方向縁に沿って設けられる玉縁条3aを略U字の湾内に押え込み係止する一対の逆さ爪61a,61bを備えたチャック6aと、インサートワイヤ4の軸線を吊り上げ保持するフック部6bとを相反方向に向けて一体に形成した。

Description

明 細 書 トリムカバーの吊込み止着用クリップ

技術分野

本発明は、 トリムカバ一の端末に取り付けられる吊込みコードと、 パッドより 露出するインサートワイヤの軸線との間に掛け止めて、 パッドを被包するトリム カバーの端末を吊込み止着するのに資するクリップに関するものである。 背景技術

自動車用シートを組み立てるには、 軸芯ワイヤを袋内に装填した吊込み袋をト リムカバーの端末に縫い付けると共に、 軸線を部分的に露出させてィンサートヮ ィャをパッドの内部に埋込み装着し、 C字リングまたはスプリングを吊込み袋の 軸芯ワイヤとパッドより露出するインサ一トワイヤの軸線との間に掛け止めるこ とにより、 パッ ドを被包するトリムカバーの端末を吊込み止着することが行われ ている （日本特許出願公開番号：特開平 7 - 3 2 8 2 4 9号， 特開 2 0 0 1 - 6 1 5 9 8号）。

そのトリムカバ一の吊込み止着では、 C字リングを打ち込みまたはスプリング を掛け止める位置のバラ付きにより、 トリムカバーの端末が部分的に深く吊り込 まれることによるエクボ状の窪みや吊込みラインの捩れ等が生じ易い。 また、 ェ クポ状の窪みや吊込みラインの捩れ等が生ずると、 それらを解消するために、 C 字リングまたはスプリングを取り外してから再度掛け止める作業を行わなければ ならないため、 修正作業にも手間を要する。

その C字リングまたはスプリングによる他に、 ィンサ一トワイヤの軸線に掛け 止める複数のフック部を長手方向に沿って定間隔毎に設けた吊込みコードをトリ ムカバーの端末に縫い付け、 吊込みコードのフック部をィンサ一トワイヤの軸線 に掛け止め、 所定の吊込みラインを吊込みコ一ドでトリムカバーの面内に付形す ることが提案されている （日本特許出願公開番号：特開 2 0 0 4 - 3 3 7号）。 そのフック部を設けた吊込みコードによると、 ィンサートワイヤの軸線を露出 するパッ ドの窪み部と吊込みコードのフック部とが位置的に合うよう吊込みコー ドの縫い付けゃパッドの発泡成形を行うことが必要となる。 発明の開示

本発明の解決しょうとする課題は、 主に、 トリムカバーの端末を吊込み止着す る段階でパッドより露出するインサートワイヤの軸線と容易に位置合わせでき、 エクボ状の窪みや吊込みラインの捩れ等が生じたとしても容易に修正可能なトリ ムカバーの吊込み止着用クリップを提供するところにある。

本発明の請求項 1は、 トリムカバーの端末に取り付けられる吊込みコードと、 パッドより露出するィンサ一トワイヤの軸線との間に掛け止め、 パッドを被包す るトリムカバーの端末を吊込み止着するクリップであって、 略 U字状の主体部を 有し、 略 U字の先端縁より内側に向い合って吊込みコードの長手方向縁に沿って 設けられる玉縁条を略 U字の湾内に押え込み係止する一対の逆さ爪を備えたチヤ ック部と、 ィンサ一トワイヤの軸線を吊り上げ保持するフック部とを相反方向に 向けて一体に形成してなることを特徴とする。

本発明の請求項 2は、 フック部が、 チャック部の底外面から伸びる略 J字状の 主体部を有し、 その略 J字状の主体部に、 それの先端縁より内側に伸びてインサ 一トワイヤの軸線を略 J字の曲り内に押え込み係止する一つの逆さ爪を設けたこ とを特徴とする。

本発明の請求項 1に係るトリムカバーの吊込み止着用クリップでは、 吊込みコ ―ドの長手方向縁に沿って設けられる玉縁条を抱え込み保持するチャック部と、 ィンサートワイヤの軸線を吊り上げ保持するフック部とを相反方向に向けて一体 に形成するものであるため、 クリップ全体の定形構造からトリムカバーの端末を 吊り込む深さを一定に保てるばかりでなく、 チヤック部を吊込みコードに対して 容易に取り付けでき、 また、 吊込みコードから外れないよう確実に取り付けられ る。

それに加えて、 クリップ全体を吊込みコードの玉縁条に沿ってチヤック部で容 易にズラせられることから、 トリムカバ一の端末を吊込み止着する段階でパッド より露出するインサートワイヤの軸線との位置合わせを容易に行える。 また、 ェ クポ状の窪みや吊込みラインの振れ等が生じたとしても、 クリップ全体をチヤッ ク部またはフック部のいずれかでズラすことから容易に修正できる。

本 明の請求項 2に係るトリムカバ一の吊込み止着用クリップでは、 フック部 が、 チャック部の底外面から伸びる略 J字状の主体部を有し、 その略 J字状の主 体部に、 それの先端縁より内側に伸びてィンサ一トワイヤの軸線を略 J字の曲り 内に ί甲え込み係止する一つの逆さ爪を設けたので、 フック部をィンサートワイヤ に対して容易に掛け止めできると共に、 インサ一トワイヤから外れないよう確実 に掛け止められる。 図面の簡単な説明

本 g明のこれらの目的及びその他の目的並びに付随する多くの利点については、 後述する詳細な説明と図面とを参照することにより、 より明確に理解できるであ ろう。 図中において、 同じ部品は図面を通して同じ参照符号で示した。

図 1 は、 本発明に係るクリップによるトリムカバ一の吊込み構造を示す説明図 である。

図 2 は、 図 1のクリップを示す斜視図である。

図 3 は、 図 1のィンサートワイヤに対するクリップの位置合せ作業を示す説明 図である。 好ましい具体例の詳細な説明

図 1 は、 自動車用シ一卜のシ一トクッションを組み立てるに適用されるトリム カバーの吊込み止着構造を示す。 そのトリムカバ一は、 座面相当部分 l aを被包 する卜リムカバー 2の座面表皮 2 aと、 座者の着座姿勢で右側の土手相当部分 1 bを波包するトリムカバ一 2の土手面表皮 2 bとの縫合せ端末 2 cを吊込み止着 することからクッションパッド 1を覆うよう被着されている。

トリムカバー 2の端末 2 cには、 玉縁条 3 aを帯布 3 bの長手方向縁に沿って 設け广こ吊込みコード 3が帯布 3 bで縫い付けられている。 玉縁条 3 aは、 ポリプ ロピレン等の合成樹脂から番布 3 bの長手方向縁と一体に樹脂成形されている。 この 縁条 3 aは、 逆三角形状， 四角形， 円形等の帯布 3 bより断面形状の大き なものであればよい。帯布 3 bは、不織布等の布地材から形成するようにできる。 クッションパッ ド 1には、 金属線材のィンサートワイヤ 4が軸線を窪み部 1 c で部分的に露出させて埋込み装着されている。 図中、 符号 5はクッションパッ ド 1の裏打ち材を示す。

トリムカバー の端末 2 cは、 クリップ 6を吊込みコード 3の玉縁条 3 aとク ッションパッド 1より露出するインサートワイヤ 4の軸線との間に掛け止めるこ とにより吊込み止着されている。

クリップ 6としては、 図 2でも示すように吊込みコード 3の玉縁条 3 aを抱え 込み保持するチャック部 6 aと、 インサートワイヤ 4の軸線を吊り上げ保持する フック部 6 bとを相反方向に向けて一体に形成したものが用いられている。 この クリップ 6は、 全体がポリプロピレンまたはポリエチレン樹脂等の合成樹脂から 形成されている。

チャック 6 a ま、 略 U字状の主体部 6 0を有し、 略 U字の先端縁より内側に向 -かい合って吊込みコ一ド 3の玉縁条 3 aを略 U字の湾内に押込み係止する一対の 逆さ爪 6 l a , 6 1 bを備えて形成されている。

主体部 6 0は、 玉縁条 3 aを取込み可能な湾内深さを持てばよく、 外形的には 上向きコ字形を呈するようにも形成できる。 逆さ爪 6 1 a， 6 1 bは、 布帯 3 b を玉縁条 3 aの付け根近くで爪先端により挟み込むと共に、 玉縁条 3 aを略 U字 の湾内に押込み係止する張出し長さを持って形成されている。 また、 先端側が先 細りとなる下り斜面に形成されている。

フック部 6 ；、 チャック部 6 aの底外面から伸びる略 J字状の主体部 6 2を 有し、 略 J字の先端縁より内側に伸びてィンサートワイヤ 4の軸線を略 J字の曲 り内に押え込み係止する一つの逆さ爪 6 3を備えて形成されている。

主体部 6 2は、 曲りの先端縁がチャック部 6 aより外方にズレるようチャック 部 6 aの底中央より伸びるよう形成されている。 これは、 チャック部 6 aより外 方にズレてィンサートワイヤ 4の軸線を曲り内に受け入れ易くするためであり、 略 U字の底いずれか外縁と整合するようにも形成できる。 逆さ爪 6 3は、 曲り内 に受け入れるィンサ一トワイヤ 4の中心線よりも越える張出し長さを持って形成 されている。 また、 先端側が先細りとなる下り斜面に形成されている。

このように構成するクリップ 6は、 吊込みコード 3の玉縁条 3 a， インサート ワイヤ 4の軸線のいずれ力、らでも先に取り付けられる。 但し、 クリップ 6をクッ ションパッド 1から露出するィンサ一卜ワイヤ 4の軸線で位置決めするならば、 クリップ 6をフック部 6 bでィンサ一トワイヤ 4の軸線に予め取り付ければよレ 。 そのクリップ 6の取付けに際しては、 クリップ全体を嵌込み可能な U字状に形 成し、 または、 先端側をフック部 6 bの曲り縁内に差込み可能な棒形状に形成し たドライバ一等の保持工具を用いるようにできる。

チャック部 6 aは、 吊込みコ一ド 3の玉縁条 3 aを逆さ爪 6 l a , 6 1 bの間 にあてがって押圧すると、 逆さ爪 6 l a , 6 1 bが橈みながら本体部 6 0が拡開 方向に変形することから、 吊込みコード 3の玉縁条 3 aが略 U字の湾内に容易に 受け入れられる。 吊込みコード 3の玉緣条 3 aを受け入れると、 本体部 6 0が形 状復元すると共に、 逆さ J 6 1 a， 6 1 bが玉縁条 3 aを付け根より抱えて帯布 3 bを挟持する。 これにより、 チャック部 6 aを吊込みコード 3から外れないよ う確実に取り付けられる。

フック部 6 bは、 本体 6 2の曲り側からクッションパッド 1の窪み部 1 cに 差し込んでィンサ一トワイヤ 4の軸線を先端上に当てて引き上げると、 逆さ爪 6 3が撓みながら本体部 6 2が拡開方向に変形することから、 インサートワイヤ 4 の軸線が略 J字の曲り内に落ち込む。 ィンサ一トワイヤ 4の軸線が落ち込むと、 本体部 6 2が形状復元すると共に、 逆さ爪 6 3がインサートワイヤ 4の軸線を上 側から押え込む。 これにより、 フック部 6 bもインサートワイヤ 4の軸線から外 れないよう確実に取り付けられる。

そのクリップ 6の取付けに際し、 先にチャック部 6 aを吊込みコ一ド 3と接続 させることから、クリップ全体がィンサートワイヤ 4の軸線とズレているときは、 図 3で示すようにクリップ全体をチヤック部 6 aで吊込みコ一ド 3の玉縁条 3 a に沿って簡単にズラせて （矢印参照） 容易に位置合わせできる。

そのクリップ 6では、 ネ复数個によるトリムカバ一 2の吊込みによっても、 クリ ップ全体の定形構造から トリムカバ一 2の吊込み深さを一定に保てる。 また、 吊 込みコード 3の玉縁条 3 aに掛け止められたチャック部 6 aと、 インサートワイ ャ 4の軸線に掛け止められたフック部 6 bとが互いに引き合い作用するところか ら、 座者の荷重が掛つても容易に外れない。 クリップ 6による吊込み?^らエクボ状の窪みや吊込みラインの捩れ等が生じた としても、 トリムカバー 2の外周回りをシ一トクッションフレーム (図示せず) に端末止着する前に、 クリップ 6をチャック部 6 . aまたはフック部 6 bのいずれ かでズラすことにより容易に修正できる。

図示実施の形態では、 シ一卜クッションの卜リムカバー 2をクッションパッド 1に吊込み止着するクリップとして説明したが、 これはシ一トバックのトリム力 バ一をバックパッ ドに吊込み止着する場合にも同様に適用できる。

Claims

請求の範囲

1 . トリムカバ一の端末【こ取り付けられる吊込みコードと、 パッドより露出す るィンサートワイヤの軸線との間に掛け止め、 パッドを被包するトリムカバーの 端末を吊込み止着するクリソプであって、

略 U字状の主体部を有し、 略 U字の先端縁より内側に向い合って吊込みコード の長手方向縁に沿って設けられる玉縁条を略 U字の湾内に押え込み係止する一対 の逆さ爪を備えたチヤックき βと、 ィンサ一トワイヤの軸線を吊り上げ保持するフ ック部とを相反方向に向けて一体に形成してなることを特徴とするトリムカバ一 の端末吊込み止着用クリップ。

2 .前記フック部が、チヤソク部の底外面から伸びる略 J字状の主体部を有し、 その略 J字状主体が、 先端縁より内側に伸びてィンサー卜ワイヤの軸線を略 J字 の曲り内に押え込み係止する一つの逆さ爪を備えていることを特徴とする請求項 1に記載のクリップ。