JP2018062192A - 乗物用シート - Google Patents
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Abstract
【課題】線状体の取り付け工程の簡素化、コストの抑制を図る。【解決手段】ワイヤハーネス50が被覆部材60により被覆され、被覆部材60に形成された長穴66に面ファスナ62が挿通される。そして、面ファスナ62の密着面70のクッションカバーへの密着により、面ファスナ62がクッションカバーに固着されることで、ワイヤハーネス50がクッションカバーに取り付けられる。このように、本発明の車両用シートでは、面ファスナ62をクッションカバーに密着させるだけで、ワイヤハーネス50をクッションカバーに取り付けることが可能となる。これにより、ワイヤハーネス50の取り付け工程の簡素化、コストの抑制を図ることが可能となる。【選択図】図3
Description
本発明は、取付具により線状体が取り付けられた乗物用シートに関する。
多くの乗物用シートには、ワイヤハーネス等の線状体が配設されている。線状体を乗物用シートに取り付ける取付具としては、下記特許文献に記載されているように、乗物用シートの骨格をなすフレームに嵌合穴を形成し、その嵌合穴に嵌合可能なクランプが、一般的に用いられている。そして、線状体がクランプに固定され、クランプが嵌合穴に嵌合されることで、線状体が乗物用シートに取り付けられる。
上記特許文献に記載の技術によれば、線状体を乗物用シートに取り付けることが可能となる。しかしながら、フレームに嵌合穴を形成する工程が必要であり、線状体の取り付け工程の煩雑化、コストの増大等を招く虞がある。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、線状体の取り付け工程の簡素化、コストの抑制を図ることを課題とする。
上記課題を解決するために、本願の請求項1に記載の乗物用シートは、少なくともフレームを覆うフレーム被覆部材に取付具により線状体が取り付けられた乗物用シートであって、前記取付具が、前記線状体を周方向に覆う線状体被覆部材と、前記線状体被覆部材に形成された挿通穴に挿通され、挿通方向における両端部に面状の取付部を有する挿通部材とを備え、前記取付部の前記フレーム被覆部材の任意の面への密着により、前記挿通部材が前記フレーム被覆部材に固着されることで、前記線状体を前記フレーム被覆部材に取り付けることを特徴とする。
また、請求項2に記載の乗物用シートでは、請求項1に記載の乗物用シートにおいて、前記線状体被覆部材が、前記線状体を覆う状態において周方向に連続しておらず、その周方向に基端と終端とを有し、前記挿通穴が、前記線状体被覆部材の基端と終端とに形成されていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の乗物用シートでは、請求項1または請求項2に記載の乗物用シートにおいて、前記取付部が、面ファスナであることを特徴とする。
また、請求項4に記載の乗物用シートでは、請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の乗物用シートにおいて、前記挿通部材が、面ファスナであることを特徴とする。
また、請求項5に記載の乗物用シートでは、請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の乗物用シートにおいて、前記線状体を前記フレーム被覆部材に取り付けた状態の前記取付具が、前記乗物用シートのシートカバーによって覆われていることを特徴とする。
また、請求項6に記載の乗物用シートでは、請求項5に記載の乗物用シートにおいて、前記取付具が、前記乗物用シートのシートクッションの後端部において、前記線状体を前記フレーム被覆部材に取り付け、前記線状体を前記フレーム被覆部材に取り付けた状態の前記取付具が、シートバックの下端部から前記シートクッションの後端部にかけて張り渡された前記シートカバーによって覆われていることを特徴とする。
請求項1に記載の乗物用シートでは、線状体が線状体被覆部材により被覆され、線状体被覆部材に形成された挿通穴に挿通部材が挿通される。そして、挿通部材の面状の取付部のフレーム被覆部材への密着により、挿通部材がフレーム被覆部材に固着されることで、線状体がフレーム被覆部材に取り付けられる。このように、請求項1に記載の乗物用シートでは、嵌合穴等を形成することなく、取付部をフレーム被覆部材に密着させるだけで、線状体をフレーム被覆部材に取り付けることが可能となる。これにより、線状体の取り付け工程の簡素化、コストの抑制を図ることが可能となる。
また、請求項2に記載の乗物用シートでは、線状体被覆部材が、線状体を覆う状態において周方向に連続しておらず、その周方向に基端と終端とを有し、挿通穴が、線状体被覆部材の基端と終端とに形成されている。これにより、基端と終端との間から、線状体を線状体被覆部材の内部に容易に収容することが可能となり、線状体の取り付け工程の簡素化を更に図ることが可能となる。
また、請求項3に記載の乗物用シートでは、取付部が面ファスナとされ、請求項4に記載の乗物用シートでは、挿通部材が面ファスナとされている。これにより、挿通部材を容易にフレーム被覆部材に固着することが可能となる。
また、請求項5に記載の乗物用シートでは、線状体をフレーム被覆部材に取り付けた状態の取付具が、前記乗物用シートのシートカバーによって覆われている。これにより、取付具がシートカバーによってフレーム被覆部材に押し付けられ、効果的に挿通部材がフレーム被覆部材に固着される。
また、請求項6に記載の乗物用シートでは、シートバックの下端部からシートクッションの後端部にかけてシートカバー、所謂、下帯が張り渡されている。そして、その下帯によって、線状体をフレーム被覆部材に取り付けた状態の取付具が覆われている。これにより、取付具が下帯によってフレーム被覆部材に押し付けられ、効果的に挿通部材がフレーム被覆部材に固着される。
以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例および変形例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
<第1実施例>
図1に、車両用シート10を斜め前方からの視点において示す。車両用シート10は、運転者の臀部を支持するシートクッション12と、運転者の背部を支持するシートバック14と、シートバック14の上端に設けられて運転者の頭部を支持するヘッドレスト16とによって構成されている。車両用シート10は、電動で各種着座姿勢を調節することが可能なシート、所謂、パワーシートとされており、車両用シート10には、電動で各種着座姿勢を調節するリクライニング機構、スライド機構等に電力を供給するためのワイヤハーネスが、複数配設されている。以下に、それら複数のワイヤハーネスのうちのシートバック14の背面側からシートクッション12の下面側に渡って配設されているワイヤハーネスについて、以下に詳しく説明する。
図1に、車両用シート10を斜め前方からの視点において示す。車両用シート10は、運転者の臀部を支持するシートクッション12と、運転者の背部を支持するシートバック14と、シートバック14の上端に設けられて運転者の頭部を支持するヘッドレスト16とによって構成されている。車両用シート10は、電動で各種着座姿勢を調節することが可能なシート、所謂、パワーシートとされており、車両用シート10には、電動で各種着座姿勢を調節するリクライニング機構、スライド機構等に電力を供給するためのワイヤハーネスが、複数配設されている。以下に、それら複数のワイヤハーネスのうちのシートバック14の背面側からシートクッション12の下面側に渡って配設されているワイヤハーネスについて、以下に詳しく説明する。
まず、図1のAA線における断面図である図2を用いて、シートクッション12及びシートバック14の内部構造について説明する。シートクッション12は、シートクッション12の骨格をなすクッションフレーム20と、クッションフレーム20の上面側に配設される発泡ウレタン製のクッションパッド22と、クッションパッド22の前端部から後端部に渡ってクッションパッド22の上面及びクッションフレーム20を覆うクッションカバー24とを含む。
また、シートバック14は、シートバック14の骨格をなすバックフレーム30と、バックフレーム30の前面側に配設される発泡ウレタン製のバックパッド32と、バックパッド32の前面側からシートバック14の背面側に渡ってバックパッド32及びバックフレーム30を覆うバックカバー34とを含む。そして、ワイヤハーネス50が、シートバック14の背面側において、バックフレーム30とバックカバー34との間から下方に向かって延び出し、シートクッション12の後端部において、クッションカバー24の表面に沿うように配設され、シートクッション12の下面側に延び出している。このように配設されたワイヤハーネス50が、シートクッション12の後端部において、クッションカバー24の表面に、取付具52によって取り付けられている。なお、ワイヤハーネス50は、複数の電線を粘着テープ,結束帯,コルゲートチューブ等で纏め、端部に複数の電線を一度に接続できる多芯コネクタを取り付けたものであるが、複数の電線が纏められたものを、一体物として図示する。
取付具52は、図3乃至図5に示すように、被覆部材60と面ファスナ62とを含む。被覆部材60は、樹脂製のシート状の部材であり、可撓製を有する。また、被覆部材60は、概して矩形をなし、対向する1対の縁部の各々に、各縁部に沿って延びるように長穴66が形成されている。そして、被覆部材60は、ワイヤハーネス50の周方向に沿うように、撓められている。この際、被覆部材60は、長穴66の形成された1対の縁部が接近するように、撓められている。これにより、ワイヤハーネス50は、周方向において、被覆部材60によって覆われる。
ただし、被覆部材60は、シート状の部材であり、ワイヤハーネス50の周方向に沿うように、撓められているため、ワイヤハーネス50の周方向において連続しておらず、その周方向に基端と終端とを有する状態で、ワイヤハーネス50を周方向に覆っている。このため、被覆部材60は、復元力によりシート状に復元し、ワイヤハーネス50の被覆状態が解除される虞がある。このため、ワイヤハーネス50を被覆した状態の被覆部材60の両端部には、粘着テープ68が貼着されており、ワイヤハーネス50の被覆状態が維持されている。なお、粘着テープ68は、被覆部材60の端部とともに、ワイヤハーネス50の外周面にも貼着されている。これにより、被覆部材60は、粘着テープ68により、ワイヤハーネス50の外周面に固着される。
また、面ファスナ62は、概して矩形をなし、幅方向、つまり、長手方向に直行する方向の一辺の長さは、長穴66の幅方向の長さより短くされている。そして、面ファスナ62は、図5に示すように、幅方向の一辺が、被覆部材60の基端と終端とに形成された1対の長穴66に挿入される。つまり、面ファスナ62の長手方向を挿入方向として、被覆部材60の1対の長穴66に挿入される。この際、面ファスナ62は、長手方向における中央部が長穴66に位置するように挿入され、1対の長穴66の一方から延び出す面ファスナ62の長さと、1対の長穴66の他方から延び出す面ファスナ62の長さとが略同じとされている。
そして、図4に示すように、1対の長穴66の一方から延び出す側の面ファスナ62の端部と、1対の長穴66の他方から延び出す側の面ファスナ62の端部とが、クッションカバー24に面状に密着される。面ファスナ62のクッションカバー24に密着される側の面は、フック状に起毛されたフック面とされており、クッションカバー24の表面は、ループ状に起毛されている。このため、面ファスナ62の端部の面状の部分(以下、「密着面」と記載する)70がクッションカバー24に密着されることで、面ファスナ62のフック状の部分がクッションカバー24のループ状の部分に引っ掛かり、面ファスナ62が密着面70においてクッションカバー24に固着される。これにより、被覆部材60に覆われた状態のワイヤハーネス50が、取付具52によってクッションカバー24に取り付けられる。
また、車両用シート10には、図2に示すように、シートバック14の背面側からシートクッション12の下面側に下帯72が張り渡されている。下帯72の上端部は、シートバック14の背面側において、バックカバー34の下端部に縫製されており、取付具52によりクッションカバー24に取り付けられた状態のワイヤハーネス50を覆うようにして、シートクッション12の下面側に向かって張り渡されている。なお、車両用シート10では、リクライニング機構によって、シートバック14のシートクッション12に対する傾斜角度が変更可能とされているため、シートバック14の傾斜角度の変更に対応するべく、下帯72は、張力のある状態で張り渡されている。このため、ワイヤハーネス50をクッションカバー24に取り付けている取付具52が、下帯72の張力により、シートクッション12に向かって押え付けられることで、ワイヤハーネス50のクッションカバー24への取り付けが適切に担保される。
このように、車両用シート10では、ワイヤハーネス50を被覆部材60によって被覆し、その被覆部材60の長穴66に挿通された面ファスナ62をクッションカバー24に密着させるだけで、ワイヤハーネス50を車両用シート10に取り付けることが可能となる。一方で、従来の車両用シートでは、樹脂プレートをクッションカバー24の逢着し、その樹脂プレートを用いて、ワイヤハーネス50が車両用シート10に取り付けられていた。具体的には、所定の形状の嵌合穴が形成された樹脂プレートおよび、その嵌合穴に嵌合可能なクランプが、金型などを用いて製造される。そして、樹脂プレートがクッションカバー24に逢着され、クランプが、ワイヤハーネス50に固定された後に、クランプが、樹脂プレートの嵌合穴に嵌合される。これにより、ワイヤハーネス50が車両用シート10に取り付けられていた。
このように、従来の車両用シートでは、樹脂プレートをクッションカバー24に逢着する必要があり、ワイヤハーネス50の取り付けコストの増大を招いていた。また、ワイヤハーネス50の取り付け専用の樹脂プレート,クランプを製造する必要があり、製造コストの増大も招いていた。しかしながら、車両用シート10では、逢着作業を必要とせず、ワイヤハーネス50の取り付けコストを削減することが可能となる。また、面ファスナ62は、一般的に流通しており、ワイヤハーネス50の取り付け専用のものを用意する必要が無いため、製造コストの増大を抑制することが可能となる。
さらに言えば、従来の車両用シートでは、設計変更などにより、車両用シートの形状,ワイヤハーネス50の取付位置等が変更された場合には、樹脂プレート,クランプ等も変更する必要があり、設計変更に伴うコストが増大する虞がある。しかしながら、車両用シート10では、ワイヤハーネス50を被覆部材60によって被覆し、その被覆部材60の長穴66に挿通された面ファスナ62をクッションカバー24に密着させるだけでよいため、汎用性が高く、車両用シートの形状,ワイヤハーネス50の取付位置等の変更に関わらず、変更の必要性が低い。これにより、設計変更に伴うコストの増大を抑制することが可能となる。
<第2実施例>
第2実施例の取付具100を、図6乃至図8に示す。取付具100は、複数の電線をコルゲートチューブで纏めたワイヤハーネス102を取り付けるためのものである。コルゲートチューブは、図8に示すように、表面に、周方向に延びる凸部106と凹部108とが、軸方向において交互に形成されたチューブであり、コルゲートチューブの内部に、複数の電線が纏めて収容されている。なお、ワイヤハーネス102の取り付け位置は、上記第1実施例のワイヤハーネス50の取付位置と同じであり、取付具100及びワイヤハーネス102以外の構成要素は第1実施例と同じである。このため、同じ構成要素に関する説明は省略し、同じ構成要素の符号は、上記第1実施例と同じものを用いる。
第2実施例の取付具100を、図6乃至図8に示す。取付具100は、複数の電線をコルゲートチューブで纏めたワイヤハーネス102を取り付けるためのものである。コルゲートチューブは、図8に示すように、表面に、周方向に延びる凸部106と凹部108とが、軸方向において交互に形成されたチューブであり、コルゲートチューブの内部に、複数の電線が纏めて収容されている。なお、ワイヤハーネス102の取り付け位置は、上記第1実施例のワイヤハーネス50の取付位置と同じであり、取付具100及びワイヤハーネス102以外の構成要素は第1実施例と同じである。このため、同じ構成要素に関する説明は省略し、同じ構成要素の符号は、上記第1実施例と同じものを用いる。
取付具100は、被覆部材110と面ファスナ112とを含む。被覆部材110は、樹脂製の素材により一体成型されたものであり、円筒部120とロック部122とにより構成されている。円筒部120は、外周面において、軸線方向に延びるように切断されており、切断された箇所に切断面124が形成されている。また、円筒部120の軸心を中心として、切断面124の切断箇所の反対側の外周面には、ヒンジ部126が形成されている。これにより、円筒部120は、切断面124を接近させることで、円筒形状となり、切断面124を離間させることで、円筒部120は、図8に示すように、ヒンジ部126を中心に開いた状態となり、円筒部120の内周面が露出した状態となる。つまり、円筒部120は、ヒンジ部126を中心に開閉可能とされており、閉じられた状態で円筒形状となり、開けられた状態で、円筒部120の内周面が露出する。
その円筒部120の内周面には、周方向に延びる凸部130と凹部132とが、軸方向において交互に形成されている。閉じられた状態の円筒部120の凸部130の内径は、ワイヤハーネス102のコルゲートチューブの凹部108の外径より僅かに大きくされており、閉じられた状態の円筒部120の凹部132の内径は、ワイヤハーネス102のコルゲートチューブの凸部106の外径より僅かに大きくされている。このような構造により、円筒部120が開けられた状態において、ワイヤハーネス102の凸部106を円筒部120の凹部132に嵌合させ、ワイヤハーネス102の凹部108を円筒部120の凸部130に嵌合させる。そして、円筒部120を閉じることで、図7に示すように、円筒部120の内部にワイヤハーネス102が収納される。これにより、ワイヤハーネス102の外周面が円筒部120により被覆されるとともに、ワイヤハーネス102の凸部106,凹部108および、円筒部120の凸部130,凹部132によって、ワイヤハーネス102と円筒部120との軸線方向へのズレが禁止される。
また、被覆部材110のロック部122は、突出部134と延出部136と溝形成部138とにより構成されている。突出部134は、円筒部120の1対の切断面124の一方の外周面側の縁部から径方向に向かって突出している。延出部136は、円筒部120の1対の切断面124の他方の外周面側の縁部から径方向に向かって延び出している。溝形成部138は、断面形状が概してコの字型とされており、突出部134の外寸より僅かに大きな溝が形成されている。なお、溝形成部138は、溝の上端部において、延出部136の先端部にヒンジ部140を介して連結されており、ヒンジ部140を中心に搖動可能とされている。
このような構造により、円筒部120が閉じられた状態において、溝形成部138を突出部134に向かって揺動させることで、溝形成部138の溝の内部に突出部134が嵌合する。これにより、円筒部120の開放が禁止され、円筒部120が閉じられた状態、つまり、ワイヤハーネス102が円筒部120により被覆された状態で維持される。また、ロック部122の突出部134及び延出部136には、同じ寸法の長穴150が形成されており、円筒部120が閉じられた状態において、突出部134の長穴150と延出部136の長穴150とが、全体において連通する。
また、面ファスナ112は、概して矩形をなし、幅方向、つまり、長手方向に直行する方向の一辺の長さは、長穴150の幅方向の長さより短くされている。そして、面ファスナ112が、幅方向の一辺が、突出部134及び延出部136に形成された1対の長穴150に挿入される。つまり、面ファスナ112の長手方向を挿入方向として、1対の長穴150に挿入される。この際、面ファスナ112は、長手方向における中央部が長穴150に位置するように挿入され、1対の長穴150の一方から延び出す面ファスナ112の長さと、1対の長穴150の他方から延び出す面ファスナ112の長さとが略同じとされている。
そして、図6に示すように、1対の長穴150の一方から延び出す側の面ファスナ112の端部と、1対の長穴150の他方から延び出す側の面ファスナ112の端部とが、クッションカバー24に面状に密着される。面ファスナ112のクッションカバー24に密着される側の面は、第1実施例の面ファスナ62と同様に、フック面とされている。このため、面ファスナ112の端部の面状の部分(以下、「密着面」と記載する)160がクッションカバー24に密着されることで、面ファスナ112が密着面160においてクッションカバー24に固着される。これにより、被覆部材110に覆われた状態のワイヤハーネス102が、取付具100によってクッションカバー24に取り付けられる。なお、ワイヤハーネス102をクッションカバー24に取り付けた状態の取付具100は、第1実施例と同様に、下帯72によって張力のある状態で覆われている。
このように、第2実施例の取付具100においても、ワイヤハーネス102を被覆部材110によって被覆し、その被覆部材110の長穴150に挿通された面ファスナ112をクッションカバー24に密着させるだけで、ワイヤハーネス102を車両用シート10に取り付けることが可能となる。これにより、第1実施例と同様の効果を奏することが可能となる。さらに、第2実施例の取付具100では、被覆部材110の溝形成部138を搖動させるだけで、ワイヤハーネス102と被覆部材110とを固定することが可能となる。これにより、粘着テープの貼着作業を省くことが可能となり、ワイヤハーネス102の取り付けコストの更なる削減を実現することが可能となる。
ちなみに、上記実施例において、車両用シート10は、乗物用シートの一例である。シートクッション12は、シートクッションの一例である。シートバック14は、シートバックの一例である。クッションフレーム20は、フレームの一例である。クッションカバー24は、フレーム被覆部材の一例である。ワイヤハーネス50は、線状体の一例である。取付具52は、取付具の一例である。被覆部材60は、線状体被覆部材の一例である。面ファスナ62は、挿通部材の一例である。長穴66は、挿通穴の一例である。密着面70は、取付部の一例である。下帯72は、シートカバーの一例である。取付具100は、取付具の一例である。ワイヤハーネス102は、線状体の一例である。被覆部材110は、線状体被覆部材の一例である。面ファスナ112は、挿通部材の一例である。長穴150は、挿通穴の一例である。密着面160は、取付部の一例である。
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。具体的には、例えば、上記実施例では、挿通部材として、面ファスナ62,112が用いられ、密着面70,160においてクッションカバー24に固着されているが、密着面70,160にのみ、面ファスナを用いてもよい。つまり、挿通部材として、密着面70,160が面ファスナとされ、密着面70,160以外の部分を他の部材により構成されたものを採用してもよい。
また、上記実施例では、密着面70,160が面ファスナによってクッションカバー24に固着されているが、粘着剤,縫製などによって密着面をクッションカバー24に固着してもよい。また、クッションカバー24でなく、クッションパッド22に密着面を固着してもよい。さらに言えば、クッションパッド22,クッションカバー24に限られず、クッションフレーム20を覆う種々のものに密着面を固着してもよい。
また、上記実施例では、ワイヤハーネス50,102がシートクッション12の後端部に取り付けられているが、シートクッション12に限られず、シートバック14など、車両用シート10を構成する種々の部分に、ワイヤハーネス50,102を取り付けることが可能である。
また、上記実施例では、線状体として、ワイヤハーネス50,102が採用されているが、流体を流すためのチューブ,所定の機構を作動させるためのワイヤ等を採用してもよい。
また、上記実施例では、本発明が車両用シート10に適用されているが、他の乗物、例えば、飛行機,船等の種々の乗物用のシートに本発明を適用することが可能である。
10:車両用シート(乗物用シート) 12:シートクッション 14:シートバック 20:クッションフレーム(フレーム) 24:クッションカバー(フレーム被覆部材) 50:ワイヤハーネス(線状体) 52:取付具 60:被覆部材(線状体被覆部材) 62:面ファスナ(挿通部材) 66:長穴(挿通穴) 70:密着面(取付部) 72:下帯(シートカバー) 100:取付具 102:ワイヤハーネス(線状体) 110:被覆部材(線状体被覆部材) 112:面ファスナ(挿通部材) 134:突出部(基端)(終端) 136:延出部(基端)(終端) 150:長穴(挿通穴) 160:密着面(取付部)
Claims (6)
- 少なくともフレームを覆うフレーム被覆部材に取付具により線状体が取り付けられた乗物用シートであって、
前記取付具が、
前記線状体を周方向に覆う線状体被覆部材と、
前記線状体被覆部材に形成された挿通穴に挿通され、挿通方向における両端部に面状の取付部を有する挿通部材と
を備え、前記取付部の前記フレーム被覆部材の任意の面への密着により、前記挿通部材が前記フレーム被覆部材に固着されることで、前記線状体を前記フレーム被覆部材に取り付けることを特徴とする乗物用シート。 - 前記線状体被覆部材が、
前記線状体を覆う状態において周方向に連続しておらず、その周方向に基端と終端とを有し、
前記挿通穴が、
前記線状体被覆部材の基端と終端とに形成されていることを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート。 - 前記取付部が、面ファスナであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の乗物用シート。
- 前記挿通部材が、面ファスナであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の乗物用シート。
- 前記線状体を前記フレーム被覆部材に取り付けた状態の前記取付具が、前記乗物用シートのシートカバーによって覆われていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の乗物用シート。
- 前記取付具が、
前記乗物用シートのシートクッションの後端部において、前記線状体を前記フレーム被覆部材に取り付け、
前記線状体を前記フレーム被覆部材に取り付けた状態の前記取付具が、シートバックの下端部から前記シートクッションの後端部にかけて張り渡された前記シートカバーによって覆われていることを特徴とする請求項5に記載の乗物用シート。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109449836A (zh) * | 2018-10-26 | 2019-03-08 | 江苏云端智能科技有限公司 | 一种飞行器连接线装置 |
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- 2016-10-11 JP JP2016199791A patent/JP2018062192A/ja active Pending
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