WO2006006256A1

WO2006006256A1 - 消臭剤

Info

Publication number: WO2006006256A1
Application number: PCT/JP2004/014279
Authority: WO
Inventors: Yasufumi Itaya
Original assignee: Kobayashi Pharmaceutical Co., Ltd.
Priority date: 2004-09-24
Filing date: 2004-09-29
Publication date: 2006-01-19
Also published as: JP2006087754A; JP3665327B1

Abstract

【課題】日常的に発生する臭いの解消手段として、安全性が高く取り扱いが容易で、しかも消臭効果の持続性に優れた消臭剤を提供する。【解決手段】柑橘類、特にシークワーサーから抽出して得たエキス成分を含む消臭剤であって、シークワーサーエキス成分としては果肉及び果皮から抽出して得られた水溶性成分及び油溶性成分からなる混合エキス成分を使用することによって、Ｌ−アスコルビン酸及びフラボノイド類を含むことを特徴とする。

Description

明細書

消臭剤

技術分野

[0001] 本発明は、柑橘類力も抽出して得たエキス成分を含む消臭剤であって、該エキス成分が Lーァスコルビン酸及びフラボノイド類を含むことを特徴とする消臭剤であり、特に、シークヮーサ一から抽出して得たエキス成分を配合した消臭剤、詳細には、シ一タワーサー果肉及び果皮力抽出して得た、 Lーァスコルビン酸及びフラボノイド類を含むエキス成分を配合した消臭剤に関する。

背景技術

[0002] 従来より、植物エキス成分を用いた消臭剤として、各種植物ならびに果実から抽出したエキス成分を用いた消臭剤が多数提案されている。植物エキス成分の中で、消臭効果が知られている成分として Lーァスコルビン酸ゃフラボノイド類が存在する。

[0003] Lーァスコルビン酸は、優れた酸化還元力を備えており、これが消臭効果に寄与する。 Lーァスコルビン酸を含む消臭剤としては、特許文献 1及び 2に示すように、 Lーァスコルビン酸と無機塩類 Z金属塩類との組み合せによる消臭用組成物などが提案されている。また、緑茶のフラボノイド類に弱い消臭効果が認められることは当業者間では公知となっている。

特許文献 1：特公平 4 63705号公報

特許文献 2：特公平 5 - 16301号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] し力しながら、これら従来技術は、ずれも、 Lーァスコルビン酸と無機塩類あるいは金属塩類などの化学薬品を併用するものであり、刺激性が懸念されるとともに、その取り扱いに際しては、ある程度の専門的知識と熟練を要するものであり、また、 Lーァスコルビン酸ゃフラボノイドを単独で使用した場合、満足の、く消臭効果が得られなかった。

[0005] 従って、日常的に発生する臭いの解消手段として、安全性が高く取り扱いが容易で、しかも消臭効果の持続性に優れた消臭剤が、当該技術分野では待望されている。課題を解決するための手段

[0006] 本発明者は、上述した従来技術での背景に鑑み、様々な果実ならびに果皮に由来するエキス (成分）による消臭効果について鋭意検討を重ねた結果、柑橘類、その中でも特にシークヮーサ一力抽出して得たエキス成分に含まれる Lーァスコルビン酸とフラボノイド類力通常に化学的に単離して得た Lーァスコルビン酸ゃフラボノイド類よりも改善された持続性を備えた消臭効果を呈するとの知見を得るに至り、本願発明を完成したものである。

[0007] すなわち、本願発明の要旨とするところは、柑橘類、特にシークヮーサ一から抽出して得たエキス成分を含む消臭剤であって、当該エキス成分が Lーァスコルビン酸及びフラボノイド類を含むことを特徴とした消臭剤にある。

[0008] シークヮーサ一は柑橘類の一種であり、その果実は、各種ァスコルビン酸を代表とするビタミン類、ノビレチンなどのフラボノイド類、有機酸、ミネラル、等の各種有用物質を多量に含有している。

[0009] ただ、シークヮーサ一のエキス成分の中でも、 Lーァスコルビン酸等の水溶性ビタミンは果肉部に豊富に含まれている水溶性成分であり、一方、ノビレチンなどのフラボノイド類は果皮部に豊富に含まれている油溶性成分である。したがって、単に、果肉を圧搾しただけでは、水溶性成分である Lーァスコルビン酸は得られるものの、果皮に多量に含まれるノビレチンなどのフラボノイド類は約 500分の 1ほどの極微量し力得られず、逆に、果皮にはノビレチンなどのフラボノイド類は多量に含まれるものの、 Lーァスコルビン酸が含まれず、 Lーァスコルビン酸とフラボノイド類の相乗効果を期待した消臭剤としては十分なものではな力つた。

[0010] そこで、本発明においては、シークヮーサ一果肉及び果皮を同時に圧搾処理し残渣除去して得られた搾汁を遠心分離処理する工程を含む抽出方法によって得られたエキス成分を消臭剤の有効成分として含むことを特徴とする。

[0011] すなわち、果肉及び果皮を同時に圧搾処理することにより、水溶性成分と油溶性成分とを抽出することが可能となり、これら両方の成分 (混合エキス成分)を使用することで Lーァスコルビン酸及びフラボノイド類を含む消臭剤を得ることが可能となる。このように水溶性成分と油溶性成分とからなる混合エキス成分の消臭剤用途への応用は、ままで報告されていない。

[0012] なお、興味深、ことに、天然柑橘類力得られた Lーァスコルビン酸及びフラボノイド類を含むエキス成分を配合した消臭剤は、化学的に単離された Lーァスコルビン酸やフラボノイド類を含む消臭剤に比べて消臭効果が高ぐ消臭剤全体に対するエキス成分の含有量が 0. 5重量％以上であれば優れた消臭効果を発揮する。

発明の効果

[0013] 本願発明の消臭剤は、シークヮーサ一果肉及び果皮力抽出したエキス成分を配合したため、優れた消臭効果を発揮するのみならず、消臭剤としての有効成分は食品素材のみ力得ることができるため、安全性が高く取り扱いが容易で、その廃棄処分に伴う環境への悪影響も懸念されないなどの効果をも派生する。

発明を実施するための最良の形態

[0014] 本願発明の消臭剤に含まれるシークヮーサ一果実ならびに果皮力のエキス成分の抽出方法は、シークヮーサ一の果肉と果皮を同時に洗浄処理後、圧搾処理を行い、残渣を分離し、分離した搾汁を遠心分離処理して、果汁と精油の混合物 (混合ェキス成分)を抽出することにより得られる。

[0015] 得られた混合エキス成分は、水溶性成分と、油溶性成分とが、混合部分と 2相に分離した部分が存在する状態であり、消臭剤としてはこの状態のまま使用してもよいが、適当な界面活性剤を使用することで油溶性成分を水溶性成分に均一に分散あるいは溶解させると、消臭効果を均一化することができ一定の品質を確保できる点で好ましい。

[0016] そして、このようにして抽出したエキス成分を含む本願発明の消臭剤は、通常の製剤化の方法に従って製剤化され、霧状、液状、クリーム状、あるいは固体 (ブロック状、粒状、ゲル状など)の形態にて、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品 (摂取することにより口臭等の臭いに対して消臭効果を標榜する食品）として提供される。

[0017] なお、本願発明の消臭剤は、日常的に発生する臭い、例えば室内臭、車内臭、ゴミ臭などの環境に由来する臭い、あるいはペット臭、体臭、口臭、足臭などの生体に由来する臭、に対して適用可能である。実施例 1

[0018] 以下、本発明の実施例について具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。

[消臭剤の調製]

表 1に示すように、本発明品 1を含む 3種類の消臭剤を調製した。すなわち、上記実施形態で得られたシークヮーサ一の混合エキス成分 100重量％品を本発明品 1とし、比較品として Lーァスコルビン酸 1%水溶液 (比較品 1)、緑茶フラボノイド配糖体 1% 水溶液 (比較品 2)の 3種類の消臭剤を調製した。なお、シークヮーサ一の混合エキス成分 lOOg中に含まれる各成分量は、 Lーァスコルビン酸 20mg、ノビレチン 250mgでめつに。

[0019] [表 1]

(単位:重量％)

[0020] [消臭剤の評価]

上記 3種類の消臭剤を用いて、アルカリ系悪臭物質 (0. 5%アンモニア水溶液）と、酸性系悪臭物質 (硫化水素飽和水溶液）に対する消臭効果にっ、て検知管法による評価を行なった。評価の手順は以下の通りである。

(1) lOccミニビーカーを、 10リットルのガラスデシケータ中に静置する。

(2)前記ミニビーカーに、消臭剤 5mlと、悪臭物質各 5mlとを注入する。

(3)前記ガラスデシケータを密閉する。

(4)密閉して 30分後、検知管（アルカリ系悪臭物質 (アンモニア）に対しては、 No.3L a検知管 (ガステック社製）；酸性系悪臭物質 (硫化水素）に対しては、 No.4L検知管（ガステック社製) )を用いて悪臭物質濃度を測定した。→「測定値 1」

(5)上記（2)—（4)にお、て消臭剤の代りにイオン交換水 5mlを注入したほかは、同様の操作で悪臭物質濃度を測定し、これをコントロール測定値とした→「測定値 2」 (6 )以下の式 1に従って、各消臭剤の消臭率を求めた。

消臭率 (％) = (測定値 2 -測定値 1) X 100Z測定値 2· ·· (式 1) 試験結果を、下記表 2に示す。

[0021] [表 2]

( :％

[0022] [評価結果]

表 2に示した結果より、本願発明に係る消臭剤である本発明品 1は、液体 (液剤）の態様におヽて、 Lーァスコルビン酸を配合した比較品 1及び緑茶フラボノイド配糖体を配合した比較品 2と比較して改善された消臭効果を示すことが確認された。

実施例 2

[0023] [噴霧用消臭剤の調製]

表 3記載の組成を有する噴霧用消臭剤 (本発明品 2)を調製した。なお、比較剤として比較品 3 (表 3のシークヮーサ一エキス成分を Lーァスコルビン酸 1%水溶液で置換したもの）、比較品 4 (表 3のシークヮーサ一エキス成分を緑茶フラボノイド配糖体 1% 水溶液で置換したもの）を用いた。

[0024] [表 3]

本発明品 2 比較品 4

シークヮーサ一混合エキス成分 0. 5

L—ァスコルビン酸 1 %水溶液 0. 5

フラポノィド配糖体 1 %水溶液 0. 5

ノニオン界面活性剤 ※， 0. 2 0. 2 0. 2

防腐剤 ※ 2 0. 1 0. 1 0. 1

水 99. 2

※"！…均質化剤として使用

※ …食品添加物安息香酸

[0025] [消臭剤の評価]

得られた 3種類の消臭剤 (本発明品 2、比較品 3及び比較品 4)を用いて、噴霧用消臭剤としての消臭効果について評価を行なった。D C評D C価の手順は、実施例 1記載の消臭剤の評価方法手順において、（2)について「前記ミニO Cビーカーに、悪臭物質各 5m 1を注入し、消臭剤を自動噴霧器により 5分間で 5mlを空間噴D C霧した。」と読み替え、

O C

その他の手順は同様にして、消臭効果について検知管法によって検定を行った。試験結果を、下記表 4に示す。

[0026] [表 4]

：％

[評価結果]

表 4に記載の結果より、シークヮーサ一から抽出されたエキス成分を希釈して噴霧用消臭剤として適用しても、 Lーァスコルビン酸を配合した比較品 3及び緑茶フラボノイド配糖体を配合した比較品 4と比較して改善された消臭効果を示すことが確認され実施例 3

[0028] [口臭防止用食品消臭剤の調製]

表 5記載の組成を有する消臭剤 (本発明品 3)を調製した。具体的には、ゼラチン外皮を 0. 5g使用し、内容物を 300mg封入したソフトカプセルを調整した。比較剤として比較品 5 (表 5のシークヮーサ一混合エキス成分をグリセリンで置換したもの）を用いた。

[0029] [表 5]

[0030] [消臭剤の評価]

得られた本発明に係る消臭剤 (本発明品 3)と、比較品 5を用いて、 14名が餃子 (王将製） lOOgを食べた後、表 6のように本発明品 3、比較品 5を水 100mlとともに飲用した群と、何も食べず水 100mlを飲用したコントロールの群を、飲用 15分後、臭気判定士による口臭の低減効果に関する官能試験を実施した。

試験結果を、下記表 6に示す。

[0031] [表 6]

口臭低減効果（人数）

餃子の臭いが

気にならない余り気にならないやや気になる 5Ϊ Ι 'よ本発明品 3 1 0粒 2

5粒 2

1粒 2

比較品 5 1 0粒 2

5粒 2

1粒 2 コントロール 2

[評価結果]

表 6に記載の結果より、本願発明の消臭剤 (本発明品 3)を食品として適用しても、グリセリンを配合した比較品 5からして、改善された消臭効果を示すことが確認された

Claims

請求の範囲

[1] 柑橘類力抽出して得たエキス成分を含む消臭剤であって、該エキス成分が Lーァスコルビン酸及びフラボノイド類を含むことを特徴とする消臭剤。

[2] 前記フラボノイド類力ノビレチンであることを特徴とする請求項 1記載の消臭剤。

[3] 前記柑橘類が、シークヮーサ一であることを特徴とする請求項 1又は 2記載の消臭剤

[4] 前記エキス成分が、シークヮーサ一果肉及び果皮を同時に圧搾処理し残渣除去して得られた搾汁を遠心分離処理する工程を含む抽出方法によって得られたエキス成分である請求項 3記載の消臭剤。

[5] シークヮーサ一の果肉及び果皮カゝら抽出して得られた水溶性成分及び油溶性成分からなる混合エキス成分を含有することを特徴とする消臭剤。

[6] 前記エキス成分の含有濃度が 0. 5重量％以上であることを特徴とする請求項 1一 5 のいずれかに記載の消臭剤。

[7] 前記消臭剤が、噴霧用剤、液状、クリーム状、固体、およびこれらの組み合わせからなるグループ力選択された形態の医薬品、医薬部外品、化粧品、食品（消臭効果を標榜するものに限る）、または、室内用消臭剤である請求項 1一 6のいずれかに記載の消臭剤。

[8] 前記消臭剤が、室内臭、車内臭、ゴミ臭、ペット臭、体臭、口臭、足臭、およびこれらの組み合わせ力なるグループ力選択された臭いを除去するための消臭剤である請求項 1一 7のいずれかに記載の消臭剤。