JP3561829B2 - 消臭剤組成物 - Google Patents
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、生活環境空間、食品、化粧品、繊維製品等の消臭の目的に使用される消臭剤組成物に関する。
【０００２】
【発明が解決しようとする課題】
先に本発明者らは、柿果実の搾汁を含まれる成分が強力な消臭作用を有することを発見し、該成分を有効成分とする消臭剤について特許出願した（特公平３−６１４５７号）。この消臭剤の消臭メカニズムは、柿果実搾汁に含まれるポリフェノール類、縮合タンニン等による悪臭物質のマスキング効果によるものと推測されている。
【０００３】
しかしながらこの消臭剤は高濃度になると柿独特のにおいと、搾汁の発酵による発酵臭があり、そのためこれらのにおいを発しない低濃度において同等またはより強力な消臭効果を有する消臭剤が求められる。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、その後の研究の結果、柿の葉部分から抽出した水溶性エキスは、果実搾汁エキスの消臭効果を増強し、かつ柿独特のにおいおよび発酵臭を抑える効果があることを発見した。そこで本発明は、柿果実の搾汁エキスおよび葉から抽出した水溶性エキスを有効成分とする消臭剤組成物を提供する。
【０００５】
柿葉中にはビタミンＣ、ケンフェロール、クエルセチン等が含まれていることが知られている。また柿葉は弱い抗菌作用を持っていることも知られている。そのため葉からの抽出エキスの果実搾汁エキスに対する消臭作用の増強その他の効果はこれらの成分と搾汁エキス中のポリフェノールおよび縮合型タンニンとの相互作用の結果であると信じられる。
【０００６】
柿果実の搾汁エキスは、基本的には特公平３−６１４５７に開示されている方法によって調製することができる。例えば未熟柿または渋柿の搾汁から自然発酵により糖分を取り除き、減圧下脱水濃縮することによって搾汁エキスが得られる。
【０００７】
葉の水溶性抽出エキスは、乾燥した柿葉を水溶性成分を抽出できる条件で抽出することによって得られる。例えば、乾燥柿葉を１０％グリセリン水溶液で加温下（約５０℃）抽出し、抽出液を減圧下脱水濃縮することにより得ることができる。
【０００８】
本発明の消臭剤組成物は、果実の搾汁エキスおよび葉の抽出エキスを以上のように脱水濃縮又は粉末化したものを混合してもよいが、濃縮前または脱水濃縮過程において混合し、最終的に脱水濃縮することにより調製することができる。
【０００９】
葉抽出エキス自体は殆ど消臭効果を持たないが、果実搾汁エキスへ少割合を添加するときその消臭効果を著しく増強する。そのため固形分として柿葉抽出エキス１重量部を果実搾汁エキス１〜１０重量部またはそれ以上へ添加することができる。
【００１０】
【実施例】
以下の実施例により本発明をさらに詳しく説明する。これらにおいて「部」および「％」は重量基準による。
【００１１】
１．消臭剤組成物
乾燥柿葉２００部を１０％グリセリン水溶液２００部に浸漬し、５０℃に１昼夜保持して水溶液成分を抽出し、濾過して抽出液を得た。
【００１２】
これを未熟柿果実８００部から得た搾汁（約４００部）と合し、６ケ月間密封保持して発酵により糖分を取り除いた後、減圧下脱水して濃縮エキス３００部、または濃縮粉末６０部を得た。
【００１３】
比較のため柿葉抽出液のみ、および果実搾汁液のみを原料にして同様に処理し、それぞれエキスを調製した。
【００１４】
２．消臭率の測定
上で得た消臭剤組成物から以下のテスト試料Ａ〜Ｄを作成した。
Ａ＝本発明組成物３％（固形分、以下同じ）水溶液
Ｂ＝本発明組成物１％水溶液
Ｃ＝柿果実搾汁エキス５％水溶液
Ｄ＝柿葉抽出エキス５％水溶液
【００１５】
あらかじめテスト試料１ｇを加えた５００ｍｌ三角フラスコを多数用意し、それぞれへ悪臭物質としてアンモニア５００ｐｐｍ、トリメチルアミン２０ｐｐｍ、メチルメルカプタン１５ｐｐｍ、硫化水素２０ｐｐｍ、またはイソ吉草酸２０ｐｐｍを加え、すばやく密閉して放置した。３０分後北川式検知管を用いてフラスコ中に残っている悪臭物質の濃度を測定し、別にテスト試料不存在下測定した悪臭物質濃度のブランク値を１００％としたときの悪臭物質濃度減少率をもって消臭率とした。
【００１６】
結果を表１に示す。
【００１７】
【表１】
【００１８】
表１から、柿葉抽出単独では殆ど消臭作用はないが、果汁搾汁エキスの消臭効果を著しく増強することがわかる。すなわち、本発明の消臭剤組成物１％水溶液でも果実搾汁エキス５％水溶液に匹敵または上廻る消臭効果を有する。
【００１９】
３．官能試験
各群男性３名、女性２名よりなるＡ群、Ｂ群および対照群に被験者を分け、Ａ群には本発明組成物１％（固形分として、以下同じ）を含むニンニク懸濁液、Ｂ群には柿果実搾汁エキス５％を含むニンニク懸濁液、対照群にはニンニク懸濁液のみを飲ませ、１５時間後６名のパネラーにより被験者の呼気の臭気の有無を次の６段階で判定した。なおニンニク懸濁液は細断したニンニク０．３ｇを水１００ｍｌに懸濁して用いた。
【００２０】
０ 無臭
１ 無臭ではないがニンニク臭は識別できない
２ 僅かにニンニク臭が識別できる
３ 軽度〜中程度のニンニク臭あり
４ 強いニンニク臭あり
５ 強烈なニンニク臭あり
【００２１】
各パネラーがそれぞれの被験者群の全員について判定したスコアの平均値を表２に示す。
【００２２】
【表２】
【００２３】
上に示すように、官能テストにおいて本発明の組成物は約１／５の量において果実搾汁エキスに匹敵する消臭効果を持っている。
【００２４】
【００２５】
各成分を混合し、適量の水を加えて良く練合した後造粒機を用いて顆粒とし、乾燥して製品とする。この製品は例えば服用により口臭および便臭の不快臭の抑止に用いることができる。
【００２６】
【００２７】
本製品は、例えば生ごみ、靴箱、便器等に噴霧して消臭する目的に使用される。
【産業上の利用分野】
本発明は、生活環境空間、食品、化粧品、繊維製品等の消臭の目的に使用される消臭剤組成物に関する。
【０００２】
【発明が解決しようとする課題】
先に本発明者らは、柿果実の搾汁を含まれる成分が強力な消臭作用を有することを発見し、該成分を有効成分とする消臭剤について特許出願した（特公平３−６１４５７号）。この消臭剤の消臭メカニズムは、柿果実搾汁に含まれるポリフェノール類、縮合タンニン等による悪臭物質のマスキング効果によるものと推測されている。
【０００３】
しかしながらこの消臭剤は高濃度になると柿独特のにおいと、搾汁の発酵による発酵臭があり、そのためこれらのにおいを発しない低濃度において同等またはより強力な消臭効果を有する消臭剤が求められる。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、その後の研究の結果、柿の葉部分から抽出した水溶性エキスは、果実搾汁エキスの消臭効果を増強し、かつ柿独特のにおいおよび発酵臭を抑える効果があることを発見した。そこで本発明は、柿果実の搾汁エキスおよび葉から抽出した水溶性エキスを有効成分とする消臭剤組成物を提供する。
【０００５】
柿葉中にはビタミンＣ、ケンフェロール、クエルセチン等が含まれていることが知られている。また柿葉は弱い抗菌作用を持っていることも知られている。そのため葉からの抽出エキスの果実搾汁エキスに対する消臭作用の増強その他の効果はこれらの成分と搾汁エキス中のポリフェノールおよび縮合型タンニンとの相互作用の結果であると信じられる。
【０００６】
柿果実の搾汁エキスは、基本的には特公平３−６１４５７に開示されている方法によって調製することができる。例えば未熟柿または渋柿の搾汁から自然発酵により糖分を取り除き、減圧下脱水濃縮することによって搾汁エキスが得られる。
【０００７】
葉の水溶性抽出エキスは、乾燥した柿葉を水溶性成分を抽出できる条件で抽出することによって得られる。例えば、乾燥柿葉を１０％グリセリン水溶液で加温下（約５０℃）抽出し、抽出液を減圧下脱水濃縮することにより得ることができる。
【０００８】
本発明の消臭剤組成物は、果実の搾汁エキスおよび葉の抽出エキスを以上のように脱水濃縮又は粉末化したものを混合してもよいが、濃縮前または脱水濃縮過程において混合し、最終的に脱水濃縮することにより調製することができる。
【０００９】
葉抽出エキス自体は殆ど消臭効果を持たないが、果実搾汁エキスへ少割合を添加するときその消臭効果を著しく増強する。そのため固形分として柿葉抽出エキス１重量部を果実搾汁エキス１〜１０重量部またはそれ以上へ添加することができる。
【００１０】
【実施例】
以下の実施例により本発明をさらに詳しく説明する。これらにおいて「部」および「％」は重量基準による。
【００１１】
１．消臭剤組成物
乾燥柿葉２００部を１０％グリセリン水溶液２００部に浸漬し、５０℃に１昼夜保持して水溶液成分を抽出し、濾過して抽出液を得た。
【００１２】
これを未熟柿果実８００部から得た搾汁（約４００部）と合し、６ケ月間密封保持して発酵により糖分を取り除いた後、減圧下脱水して濃縮エキス３００部、または濃縮粉末６０部を得た。
【００１３】
比較のため柿葉抽出液のみ、および果実搾汁液のみを原料にして同様に処理し、それぞれエキスを調製した。
【００１４】
２．消臭率の測定
上で得た消臭剤組成物から以下のテスト試料Ａ〜Ｄを作成した。
Ａ＝本発明組成物３％（固形分、以下同じ）水溶液
Ｂ＝本発明組成物１％水溶液
Ｃ＝柿果実搾汁エキス５％水溶液
Ｄ＝柿葉抽出エキス５％水溶液
【００１５】
あらかじめテスト試料１ｇを加えた５００ｍｌ三角フラスコを多数用意し、それぞれへ悪臭物質としてアンモニア５００ｐｐｍ、トリメチルアミン２０ｐｐｍ、メチルメルカプタン１５ｐｐｍ、硫化水素２０ｐｐｍ、またはイソ吉草酸２０ｐｐｍを加え、すばやく密閉して放置した。３０分後北川式検知管を用いてフラスコ中に残っている悪臭物質の濃度を測定し、別にテスト試料不存在下測定した悪臭物質濃度のブランク値を１００％としたときの悪臭物質濃度減少率をもって消臭率とした。
【００１６】
結果を表１に示す。
【００１７】
【表１】
表１から、柿葉抽出単独では殆ど消臭作用はないが、果汁搾汁エキスの消臭効果を著しく増強することがわかる。すなわち、本発明の消臭剤組成物１％水溶液でも果実搾汁エキス５％水溶液に匹敵または上廻る消臭効果を有する。
【００１９】
３．官能試験
各群男性３名、女性２名よりなるＡ群、Ｂ群および対照群に被験者を分け、Ａ群には本発明組成物１％（固形分として、以下同じ）を含むニンニク懸濁液、Ｂ群には柿果実搾汁エキス５％を含むニンニク懸濁液、対照群にはニンニク懸濁液のみを飲ませ、１５時間後６名のパネラーにより被験者の呼気の臭気の有無を次の６段階で判定した。なおニンニク懸濁液は細断したニンニク０．３ｇを水１００ｍｌに懸濁して用いた。
【００２０】
０ 無臭
１ 無臭ではないがニンニク臭は識別できない
２ 僅かにニンニク臭が識別できる
３ 軽度〜中程度のニンニク臭あり
４ 強いニンニク臭あり
５ 強烈なニンニク臭あり
【００２１】
各パネラーがそれぞれの被験者群の全員について判定したスコアの平均値を表２に示す。
【００２２】
【表２】
上に示すように、官能テストにおいて本発明の組成物は約１／５の量において果実搾汁エキスに匹敵する消臭効果を持っている。
【００２４】
各成分を混合し、適量の水を加えて良く練合した後造粒機を用いて顆粒とし、乾燥して製品とする。この製品は例えば服用により口臭および便臭の不快臭の抑止に用いることができる。
【００２６】
本製品は、例えば生ごみ、靴箱、便器等に噴霧して消臭する目的に使用される。
Claims (3)
- 柿果実の搾汁エキスと、および柿の葉から抽出した水溶性エキスとを有効成分とする消臭剤組成物。
- 搾汁エキスが未熟柿または渋柿の搾汁エキスである請求項１の消臭剤組成物。
- 生理的に無害な賦形剤および／または担体を含んでいる請求項１または２の消臭剤組成物。
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|---|---|---|---|
| JP11619598A JP3561829B2 (ja) | 1998-04-10 | 1998-04-10 | 消臭剤組成物 |
| US09/122,882 US6139842A (en) | 1998-04-10 | 1998-07-28 | Deodorant composition |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11619598A JP3561829B2 (ja) | 1998-04-10 | 1998-04-10 | 消臭剤組成物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11290438A JPH11290438A (ja) | 1999-10-26 |
| JP3561829B2 true JP3561829B2 (ja) | 2004-09-02 |
Family
ID=14681198
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11619598A Expired - Fee Related JP3561829B2 (ja) | 1998-04-10 | 1998-04-10 | 消臭剤組成物 |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US6139842A (ja) |
| JP (1) | JP3561829B2 (ja) |
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| EP1088560A1 (en) * | 1999-10-01 | 2001-04-04 | Eigo Fujiwara | Deodorant composition containing persimmon juice and an extract of persimmon leaves as active ingredients |
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| KR100628942B1 (ko) * | 2000-05-23 | 2006-09-27 | 주식회사 엘지생활건강 | 바디 파우더 조성물 |
| JP2003061857A (ja) * | 2001-08-23 | 2003-03-04 | Daio Paper Corp | 化粧用脂取り紙 |
| WO2007023404A2 (en) * | 2005-08-25 | 2007-03-01 | The Procter & Gamble Company | Absorbent article comprising condensed tannin |
| JP5092145B2 (ja) | 2007-06-12 | 2012-12-05 | 国立大学法人広島大学 | 抗ノロウイルス剤およびこれを含有する組成物 |
| JP5421901B2 (ja) * | 2008-03-31 | 2014-02-19 | 国立大学法人広島大学 | エンテロウイルス属の非エンベロープウイルスに対する抗ウイルス剤および抗ウイルス用組成物 |
| KR102415442B1 (ko) * | 2020-04-28 | 2022-07-05 | (주)웰니스라이프연구소 | 감 착즙 또는 백년초 추출물을 포함하는 탈취용 조성물 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6187562A (ja) * | 1984-10-08 | 1986-05-02 | 鳥居 国司 | 柿の搾汁液を有効成分とした消臭製剤 |
-
1998
- 1998-04-10 JP JP11619598A patent/JP3561829B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 1998-07-28 US US09/122,882 patent/US6139842A/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH11290438A (ja) | 1999-10-26 |
| US6139842A (en) | 2000-10-31 |
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