JP4794024B2 - 生理臭消臭用組成物 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、不快臭の抑制乃至は消臭の用途に用いられる消臭剤に関する。より詳細には、本発明は月経時の経血に起因して発生する不快臭である所謂生理臭に対する消臭効果に優れた消臭剤に関する。また本発明は人工的に作成した模擬生理臭に関し、さらに当該模擬生理臭を利用して生理臭に対する消臭用組成物をスクリーニングして取得する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
我々の環境空間には非常に多くの臭いが存在しており、臭いは私たちの生活に密接に関係している。日常生活の中で我慢できないのはいわゆる「不快」な臭いである。出願人において行った調査によると、かかる「不快臭」として「生ゴミの臭い」、「排気管・排水溝の臭い」、「使用後のトイレの臭い」、「タバコの臭い」、「車の中の臭い」、「焼き魚などの料理臭」、「ペットの臭い」、「トイレの汚物入れの臭い」及び「冷蔵庫内の臭い」等が上位を占めるという結果が得られている。
【0003】
このうち「生ゴミの臭い」、「排気管・排水溝の臭い」、「使用後のトイレの臭い」、「タバコの臭い」、「車の中の臭い」、「焼き魚などの料理臭」、「ペットの臭い」及び「冷蔵庫内の臭い」については、従来から消臭等を目的として各種の消臭剤や芳香剤が開発されているものの、「トイレの汚物入れの臭い」については、その対策は勿論、その臭いの実態も知られていないのが実情である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
「トイレの汚物入れの臭い」は、アンモニアやメチルメルカプタン等によって生じるトイレの糞便臭や低級脂肪酸等によって生じる体臭とは異なる特有の不快臭であり、月経時の経血自体の臭いだけでなく、経血などが細菌によって分解された臭いを含めて、多数の悪臭成分から構成されると考えられる。しかしながら、前述するようにその臭いの原因は未だ解明されていない。ゆえに、この臭いを除去もしくはマスキングするためには、従来の消臭処理方法では不十分であり、新たに有効な消臭剤を開発する必要がある。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、第1に月経時の経血に起因して生じる臭い(以下、生理臭という)が如何なる性質の臭いであるのか、その本質を突き止め、その臭い成分を解明し提供することを目的とするものである。また本発明の第2の目的は、かかる月経経血に起因する特有の臭いを有意に消臭することのできる消臭用組成物を提供することである。さらに本発明の第3の目的は、下着やストッキング等への生理臭の付着や、これら下着等から発生する生理臭を抑制乃至は防止するために効果的に用いられる消臭剤を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成するための鋭意検討を重ねていたところ、不快臭を構成する生理臭には、従来から体臭の代表的な原因物質として認知されている成分とは異なる成分であって、また従来悪臭成分としても広くは認識されていなかったジアセチル、及びアセトインが深く関わっていることを見出し、かかる原因物質を特定することに成功した。さらに本発明者らは、かかる知見をもとに生理臭を人工的に作製し、これを利用してスクリーニングすることによって、該生理臭をマスキング乃至は消臭する効果にすぐれた消臭成分を見出すことに成功し、かかる消臭成分を有する消臭組成物が生理臭の抑制乃至消臭に有効であることを確認した。本発明はかかる知見に基づいて開発されたものである。
【0007】
すなわち、本発明は生理臭の主成分として特徴づけられる、下記(1)〜(3)に記載する不快臭組成物である:
(1)ジアセチル及びアセトインを主成分とする不快臭組成物。
(2)さらにイソアミルアルコールを有する(1)記載の不快臭組成物。
(3)さらにトリメチルアミン及びイソ吉草酸の少なくとも1種を含有する(2)記載の不快臭組成物。
【0008】
なお、かかる不快臭組成物は、生理臭模擬臭として生理臭用の消臭剤をスクリーニングするために有意に利用することができる。ゆえに本発明は下記(4)又は(5)に記載する、生理臭に対する消臭物質のスクリーニング方法乃至は取得方法に関するものである。
(4)上記(1)〜(3)に記載する組成物に起因する不快臭を模擬生理臭として用い、該生理臭に対して消臭効果を発揮する被験物質をスクリーニングする方法。
(5)上記(4)記載のスクリーニング方法で得られる1種または2種以上の被験物質を製造乃至は調合して、生理臭の消臭用組成物を調製する方法。
【0009】
さらに本発明は上記方法によって得られる生理臭の消臭用組成物であり、かかるものとしては、例えば(6)〜(9)に記載するものを挙げることができる:
(6)植物抽出物を含むことを特徴とする、ジアセチルを成分とする不快臭の消臭用組成物。
(7)植物抽出物を含むことを特徴とする、生理臭に対する消臭用組成物。
(8)植物抽出物が茶、柿及びシソ科植物よりなる群から選択される少なくとも1種の植物の抽出物である(6)または(7)に記載の消臭用組成物。
(9)さらに二酸化ケイ素を含有することを特徴とする(6)乃至(8)のいずれかに記載の消臭用組成物。
【0010】
【発明の実施の形態】
1)不快臭組成物
本発明は、不快臭を構成する生理臭の原因成分を提供するものである。
【0011】
生理臭の原因成分の解明は、後述する実施例1に詳述するように、使用済み生理用品から生じる臭いを「ヘッドスペース捕集方法」により、Tenax TA樹脂に吸脱着させ、得られた臭い成分をガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)を用いて分析し、さらにその分析を元に調製した各種の模擬臭を専門パネラー5名によって官能評価試験することによって行った。ガスクロマトグラフ質量分析計による結果を図1に示す。
【0012】
図に示すピークのうち、数値を付したピークは、使用済み生理用品試料10検体のうち8検体以上に共通して検出され、且つ未使用生理用品からは検出されなかった成分のピークであり、それぞれ1:ジアセチル、2:イソ吉草酸アルデヒド、3:メチルプロピルケトン、4:アセトイン、5:イソアミルアルコール、6:イソ吉草酸に相当するものである。
【0013】
これらの6種類に従来から経血臭の主成分であるといわれているトリメチルアミン(図1中、*で示す)を加えた合計7種類の成分を用いて数種の生理臭模擬臭を作製し、専門パネラー5名による官能試験を行った結果を表1に示す。
【0014】
【表1】
Figure 0004794024
これらの結果から、上記7種類のうち、ジアセチル、アセトイン、イソアミルアルコール、トリメチルアミン及びイソ吉草酸の5種類が主として生理臭の臭い成分として寄与していることが認められた。GC−MS分析の結果及び官能評価の結果から、中でもジアセチル及びアセトインが生理臭を構成する中心成分である可能性が強く示唆された。一方、トリメチルアミンは、採取した試料からは多くは検出できなかった成分であるが、官能評価ではトリメチルアミンを添加した模擬臭が未添加の模擬臭と比べて、より実際の生理臭に近くなったことから、生理臭の一構成成分であると考えられる。
【0015】
以上のことから、生理臭の原因成分は、主としてジアセチル、アセトインであり、好ましくはさらにイソアミルアルコールを含むものと考えられる。また生理臭の原因成分としてさらにトリメチルアミンまたはイソ吉草酸のいずれか少なくとも1種を含んでいてもよい。なお、ジアセチルはバターのような甘味のある臭いを、アセトインはアルコールが発酵したような強烈な臭いを、イソアミルアルコールは刺激的なアルコールの臭いを有するものであり、従来体臭に起因する不快臭として広くは認識されていなかった成分である点、特記すべきことである。
【0016】
本発明の不快臭組成物は、上記の成分を含有することを特徴とするものであり、その限りにおいてそれら各成分の配合割合は特に制限されない。
【0017】
2)生理臭消臭用組成物
さらに本発明は、ジアセチルを成分として含む不快臭、特に生理臭をマスキング乃至は抑制する効果に優れた消臭用組成物に関するものである。
【0018】
当該消臭用組成物は、有効成分として植物抽出物を含有することを特徴とする。
【0019】
ここで植物抽出物としては、上記効果を奏するものであれば特に制限されず、いずれの植物抽出物をも使用することができるが、好ましくは茶、柿またはシソ科植物の抽出物を例示することができる。なお、シソ科植物としては、好適にはローズマリー、タイム、セージ等を例示することができる。好ましくは茶抽出物である。
【0020】
これらの植物抽出物は、全草またはその一部をそのまま若しくは破砕物として抽出操作に付すか、また乾燥後、必要に応じて粉砕粉体状として抽出操作に付して調製することができる。
【0021】
抽出溶媒としては、例えば、水、メタノール,エタノール,プロパノール及びブタノール等の炭素数1〜4の低級アルコール;酢酸エチルエステル等の低級アルキルエステル;エチレングリコール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどのグリコール類;その他エチルエーテル、アセトン、酢酸等の極性溶媒;ベンゼンやヘキサン等の炭化水素;エーテルや石油エーテルなどのエーテル類等の非極性溶媒の公知の有機溶媒を挙げることができる。これら溶媒は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて使用することもできる。例えば脂肪分の多い原料などの場合は、必要に応じて有機溶媒に適量な水を加えて含水有機溶媒として用いることもできる。本発明において好ましくは、水、エタノール等のアルコール、プロピレングリコールなどのグリコール類、または20〜40重量%程度のエタノール水溶液などといった含水アルコール溶液を用いることができる。
【0022】
抽出方法としては、一般に用いられる方法を採用することができる。制限はされないが、例えば溶媒中に全草またはその一部(そのまま若しくは粗末、細切物)、又はそれらの乾燥破砕物(粉末など)を冷浸、温浸等によって浸漬する方法、加温し攪拌しながら抽出を行い、濾過して抽出液を得る方法、またはパーコレーション法等を挙げることができる。得られた抽出液は、必要に応じてろ過または遠心分離によって固形物を除去した後、使用の態様により、そのまま用いるか、または溶媒を留去して一部濃縮若しくは乾燥して用いてもよい。また濃縮乃至は乾燥後、該濃縮乃至は乾燥物を非溶解性溶媒で洗浄して精製して用いても、またこれを更に適当な溶剤に溶解もしくは懸濁して用いることもできる。また、抽出液を、慣用されている精製法、例えば向流分配法や液体クロマトグラフィー等を用いて精製して使用することも可能である。更に、本発明においては、例えば、上記のようにして得られた溶媒抽出液を、減圧乾燥、凍結乾燥等の通常の手段により植物エキス乾燥物として使用することもできる。
【0023】
また、植物抽出物には、植物の果実から得られる果肉や搾汁の抽出物が包含される。なお、ここで果実とは果肉や果皮の別を問うものではなく、原料として果肉と果皮を含む全果、果皮を除いた果肉、または果皮のいずれをも使用することができる。
【0024】
搾汁の搾汁方法としては、特に制限されないが、原料果実をそのまま、若しくはビタミンC、エリソルビン酸等の抗酸化剤を添加しながら、破砕や圧搾等により搾出果汁を得、好ましくはペクチン分解酵素処理を行い、次いで、必要に応じて遠心分離やろ過などの分別手段によってパルプ分を除去し、搾汁を得る方法を挙げることができる。また、抽出方法としては、特に制限されないが、原料果実をアルコール(エタノール等)などの有機溶媒と混合して破砕し、そのまま浸漬及び圧搾して抽出するか、または必要に応じて加熱還流しながら抽出し、次いで有機溶媒を蒸発留去した後、遠心分離または有機溶媒(ヘキサン、クロロホルムなど)による分配工程に付して、分別し、抽出液を得る方法を挙げることができる。得られた清澄搾汁または清澄抽出液は、そのままで使用することもできるが、さらに濃縮工程に供することによって濃縮果汁、ピューレもしくはペーストとして、または噴霧乾燥、減圧乾燥若しくは凍結乾燥等の乾燥工程に供することによって果汁乾燥物として使用することもできる。
【0025】
本発明の植物抽出物は、簡便には植物エキス、植物乾留液、果実エキスなどとして商業的に販売されているものを使用することもできる。また、上記の各種植物抽出物は1種単独で使用されてもよいし、また2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。
【0026】
本発明の消臭用組成物におけるこれらの植物抽出物の配合割合は、使用する植物抽出物の種類や他の配合成分との関係などに応じて適宜選択、使用されるものであって一概に特定することはできないが、例えば組成物100重量部あたりに含まれる原植物重量部として、通常0.1重量部以上、好ましくは0.4〜40重量部、より好ましくは1〜30重量部の範囲を例示することができる。なお、配合量の上限は特に制限されないが、経済性や消臭効果に鑑みれば、1重量部程度の配合で十分である。
【0027】
本発明の消臭用組成物は、有効成分である上記植物抽出物に加えてさらに二酸化ケイ素を含有することができる。二酸化ケイ素を配合することにより、植物抽出物の消臭効果がより一層増強するとともに、消臭効果が長期にわたって持続するようになる。
【0028】
本発明の消臭用組成物における二酸化ケイ素の配合割合は特に制限されないが、通常0.1〜50重量部、好ましくは1〜30重量部、より好ましくは3〜20重量部の範囲を例示することができる。
【0029】
二酸化ケイ素は特に制限されないが、粒径が0.5〜50μm、好ましくは1〜30μm、より好ましくは1〜20μmのものが好適に使用できる。
【0030】
さらに本発明の消臭用組成物は、上記成分に加えて、各種形態に応じて、通常使用される担体並びに防腐剤、安定剤、沈殿防止剤、pH調整剤、香料、界面活性剤(アニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性界面活性剤)、着色剤、清澄剤、粘度調整剤、殺菌抗菌剤、精油等の各種添加剤を配合することができる。かかる担体並びに添加剤としては、人体に安全なものが好ましく、より好ましくは皮膚等に対して刺激性のないものである。
【0031】
担体としては、例えば液状形態の場合は、水(例えばイオン交換水)、アルコール(例えばエタノール)、並びに水溶性溶剤(例えばプロピレングリコールやグリセリン等)などを、また固体形態の場合は各種のゲル化剤(例えば、カラギーナンやアルギン酸ナトリウム等の海藻多糖類;グアーガムやタマリンドシードガム等の種子多糖類;アラビアガムやトラガントガムなどの植物樹液多糖類;キサンタンガムやジェランガム等の発酵多糖類;ゼラチン等の蛋白質;カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体等)を挙げることができる。
【0032】
防腐剤としては、安息香酸、ソルビン酸、プロピオン酸、デヒドロ酢酸及びその塩;パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸イソブチル等の有機酸エステル類;亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム等の無機塩類;ペクチン抽出物などの植物由来成分などを例示することができる。
【0033】
沈殿防止剤としては、二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム等の微粒子粉体、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート等の界面活性剤及びキサンタンガム、ポリエチレングリコール等のゲル化剤等を例示することができる。
【0034】
pH調整剤としては、クエン酸、フマル酸、DL-リンゴ酸並びにその塩類;炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムなどの炭酸塩類;リン酸、リン酸二水素ナトリウム等のリン酸塩などを例示することができる。
【0035】
抗菌剤としては、例えばトリクロロカルバニリド、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ハロカルバン、塩酸クロルヘキシジン、ジヒドロファルネソール、イソプロピルメチルフェノールなどを例示することができる。
【0036】
前述する各種の成分は単に一例と記載したに過ぎず、本発明はこれらの成分に何ら限定されることはない。すなわち本発明の消臭用組成物には、他の添加成分も含めて、通常当業界で使用される各範疇の成分がいずれも使用できる。
【0037】
本発明の消臭用組成物は、後記実施例に記載するように、特にジアセチルに由来する不快臭、またイソアミルアルコールの不快臭に対しての消臭効果に優れており、これらを不快臭の成分とする生理臭に対して有意に優れた消臭効果を備えている。
【0038】
本発明の消臭用組成物は、消臭剤(消臭性芳香剤を含む)の有効成分として配合することができ、これにより所望の形態や剤型を有する消臭剤を調製することができる。このようにして調製される消臭剤の形態及び剤型は特に制限されず、例えばスプレーやローション、乳液などの液体状のもの、エアゾール状のもの、消臭用組成物をカプセル若しくはゲル基材に封入させてなる固形状若しくは半固形状のもの、シートやフィルム及びハップ剤などに含浸させたもの等を挙げることができる。
【0039】
本発明の消臭剤は、トイレの汚物入れなどの悪臭発生源に直接撒付したり、またこれらの悪臭を発生し得る雰囲気内に配置する方法で使用することもできるし、また下着やストッキング等の衣類に生理臭が付着するのを防止したり、付着した生理臭が該衣類から発生するのを防いだり、発生した臭いをマスキングする手段として使用することもできる。後者の場合、消臭剤をスプレーやエアゾールなどの形態で衣類に直接噴霧したり、洗濯仕上げ剤やコーティング剤として用いることによって予め衣類に担持させる使用態様を好適に例示することができる。
【0040】
3)生理臭消臭用組成物のスクリーニング
さらに本発明は生理臭に対する消臭用組成物のスクリーニング方法に関するものである。本発明のスクリーニング方法は、基本的に前述する不快臭組成物に起因する不快臭を模擬生理臭として用い、該生理臭に対して消臭効果を発揮する被験物質を選別取得する方法である。なお消臭効果の有無は、官能試験やガスクロマトグラフィーなどによって判断することができる。また、本発明は上記スクリーニング方法で得られる1種または2種以上の被験物質を化学的若しくは生物学的に製造し乃至は調合して、生理臭に対する消臭用組成物を調製する方法に関する。
【0041】
また本発明は上記の方法によって選別取得される消臭用組成物を提供するものであり、かかる組成物としては、前述する植物抽出物(例えば、茶、柿またはシソ科植物の抽出物)を有効成分として含む組成物を例示することができる。
【0042】
【実施例】
以下、試験例及び実施例により本発明をより詳細に説明する。ただし、本発明はかかる試験例等によって何ら制限されるものではない。
実施例1 生理臭の分析及び模擬臭の作製
1)試料の調製
10L容量フッ素樹脂サンプリングバック(ジーエルサイエンス社製)にコック付きスリーブを取り付け、使用済み生理用品を酸素20%含有窒素ガスと共に封入した。なお、捕集管として、捕集剤(TenaxTA20/35mesh, 0.75g:ジーエルサイエンス社製)を充填した不活性処理済みサンプルチューブ(クロムパック社製)を用いた。この使用済み生理用品入りバッグを室温で1〜5日間放置し、その後サンプリングバッグに接続した捕集管をポンプで吸引することにより、ヘッドスペースガス0.5L分を捕集剤に吸着させてサンプリングした。なお、サンプルチューブは捕集剤(TenaxTA20)を充填した後、エタノールとアセトンで洗浄し、窒素ガスを流しながら230℃で加熱して一晩空焼きを行ったものを使用した。また、対照試料として未使用の生理用品についても同様にしてサンプリングを行った。
【0043】
2)生理臭の分析測定
サンプリングした試料を加熱脱着装置付きガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)を用いて分析した。なお、加熱脱着装置はクロムパック社製のCP4010 PTI/TCTを、GC−MSはヒューレットパッカード社製のHP6890シリーズ Mass Selective Detectorを使用し、下記の条件で分析測定した。
【0044】
カラム:ジーエルサイエンス社製NB−5(30m×0.25i.d.、膜厚1.5μm)
キャリアガス:ヘリウム
キャリアガス流量:1ml/mim
イオン化電圧:70eV
モニター質量数:35以上。
【0045】
試料の分析結果を、トータルイオンクロマトグラムの一例として、図1に示す。各ピークのうち、数値を付したピークは、10試料のうち8試料以上に共通して検出され、且つ未使用生理用品からは検出されなかった成分のピークであり、それぞれ1:ジアセチル、2:イソ吉草酸アルデヒド、3:メチルプロピルケトン、4:アセトイン、5:イソアミルアルコール、6:イソ吉草酸に相当するものである。また、*を付したピークは、10試料中2試料からのみ検出されたピークであるが、従来より経血臭の主成分であるといわれているトリメチルアミンに相当するピークである(「匂いの本」第46頁、竹内書店新社、1988年2月25日発行)。
【0046】
3)模擬生理臭の作製
上記の結果から、ジアセチル、イソ吉草酸アルデヒド、メチルプロピルケトン、アセトイン、イソアミルアルコール及びイソ吉草酸が生理臭を構成すると考えられた。そこで、これらの6種類に従来から経血臭の主成分であるといわれているトリメチルアミンを加えた合計7種類の成分を用いて、配合量や組み合わせ等を種々変えて、数種類の生理臭の模擬臭を作製した。かかる模擬臭を濾紙の先端約1cmに付着させて、その臭いを専門パネラー5名に嗅いでもらって、生理臭に似ているかどうかについてアンケートを採った。アンケートの結果を表2に示す。なお、表3は、ある成分を添加した模擬臭と当該成分を添加しない模擬臭とを比べて、当該成分が生理臭の発生にどの程度寄与しているかを答えてもらった結果である。この結果から、生理用品を使用した後放置1日目から殆どの試料で検出されるアセトイン及びジアセチルについては、それらを配合した模擬臭が、該成分未添加の模擬臭よりも、より実際の生理臭に近くなることから、生理臭を構成する中心成分である可能性が強く示唆された。
【0047】
【表2】
Figure 0004794024
表2の結果からわかるように、上記7種類のうち、ジアセチル、アセトイン、イソアミルアルコール、トリメチルアミン及びイソ吉草酸の5種類が生理臭の臭い発生に寄与していることがわかった。トリメチルアミンは前述するように、採種した試料からは多くは検出できなかった成分であるが、ジアセチル及びアセトインと同様に、トリメチルアミンを添加した模擬臭は未添加の模擬臭と比べて、より実際の生理臭に近くなったことから、生理臭の一構成成分であると考えられた。
【0048】
以上のGC/MSの結果及びアンケート結果から、ジアセチル、アセトイン、イソアミルアルコール、トリメチルアミン及びイソ吉草酸の5種類を表3に記載の割合で調製し、かかる組成物から発生する臭気を模擬生理臭とした。
【0049】
【表3】
Figure 0004794024
実施例2
生理臭として実施例1で作製した模擬生理臭用組成物を用いて、表4に示す処方組成物の該生理臭に対する消臭効果を調べた。具体的には、処方組成物液を2秒間塗布した布(5cm×5cm)をバイアル瓶にいれ、さらに試験管を挿入してその試験管内に表3の処方に従って調製した模擬生理臭用組成物を0.01mL加えた。バイヤル瓶を密封して40℃で60分間加熱した後、シリンジでバイヤル瓶中の空気を1mL採取し、各種の悪臭濃度(ジアセチル、アセトイン、イソアミルアルコール、生理臭)をガスクロマトグラフィーで測定した。
【0050】
なお、使用した茶抽出物は、茶(Thea sisensis L)の枝葉を減圧下にて、乾留を行って、留分1部にエタノール24部を加えて混合したものであり、当該品1gは、原植物葉0.4gに相当するものである。結果を表4に併せて示す。
【0051】
【表4】
Figure 0004794024
この結果から、茶抽出物を含有する本発明の組成物は各種の不快臭、特にジアセチル、イソアミルアルコール及び模擬生理臭を効果的に消臭(マスキング、抑制)することがわかり、またさらにこれに二酸化ケイ素を配合することによって、その消臭力を高めることがわかる。
【0052】
処方例1
茶抽出物 3.0
イソプロピルメチルフェノール 0.025
ミリスチン酸イソプロピル 12.5
ポリオキシエチレン(2)アルキルエーテルリン酸 0.15
二酸化ケイ素 11.25
香料 1.5
エタノール 残 部
合 計 100.00重量%。
【0053】
処方例2
茶抽出物 10.0
ミリスチン酸イソプロピル 12.5
二酸化ケイ素 16.5
香料 1.5
エタノール 残 部
合 計 100.0重量%。
【0054】
処方例3
茶抽出物 15.0
イソプロピルメチルフェノール 0.05
ミリスチン酸イソプロピル 15.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.3
二酸化ケイ素 15.0
香料 0.5
エタノール 残 部
合 計 100.00重量%
上記で調製した消臭組成物4重量%と噴射剤として液化石油ガス96重量%をスプレー容器に充填して、消臭スプレーを調製した。
【0055】
処方例4
茶抽出物 5.0
塩化ベンザルコニウム 0.05
ミリスチン酸イソプロピル 10.0
ポリオキシエチレン(2)アルキルエーテルリン酸 0.5
二酸化ケイ素 10.0
ステアリン酸マグネシウム 0.05
香料 0.1
エタノール 残 部
合 計 100.00重量%
上記で調製した消臭組成物4重量%と噴射剤として液化石油ガス96重量%をスプレー容器に充填して、消臭スプレーを調製した。
【0056】
処方例5
茶抽出物 5.0
塩化ベンザルコニウム 0.05
アラントイン 1.0
ミリスチン酸イソプロピル 10.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.3
二酸化ケイ素 10.0
酸化亜鉛 0.1
エタノール 残 部
合 計 100.00重量%
上記で調製した消臭組成物4重量%と噴射剤として液化石油ガス96重量%をスプレー容器に充填して、消臭スプレーを調製した。
【0057】
なお、上記処方例1〜5において茶抽出物に代えて、柿抽出物またはローズマリー抽出物を用いて同様に消臭剤を調製した。
【図面の簡単な説明】
【図1】生理臭分析用試料を加熱脱着装置付きガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)を用いて分析した結果を示す、トータルイオンクロマトグラムである。なお、図面中、ピーク1はジアセチル、ピーク2はイソ吉草酸アルデヒド、ピーク3はメチルプロピルケトン、ピーク4はアセトイン、ピーク5はイソアミルアルコール、ピーク6はイソ吉草酸、ピーク*はトリメチルアミンのピークを示す。

Claims (5)

  1. 不快臭消臭用組成物であって、不快臭がジアセチルを成分とし、かつ消臭用組成物が、茶、及び柿よりなる群から選択される少なくとも一種の植物の抽出物と二酸化ケイ素を含むことを特徴とする、不快臭消臭用組成物。
  2. 不快臭がジアセチル及びアセトインを成分とすることを特徴とする請求項1に記載の不快臭消臭用組成物。
  3. 不快臭が生理臭であることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の不快臭消臭用組成物。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の不快臭消臭用組成物を含む消臭剤。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の不快臭消臭用組成物を含浸させた布。
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