JP6738747B2 - 悪臭抑制剤及びその利用 - Google Patents
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Description
以下の式(1)及び(2)で表される化合物からなる群から選択される1種又は2種以上を有効成分とする、悪臭抑制剤。
[2]前記式(1)中、R2は、炭素数2以上6以下の鎖状アルキル基又はフェニル基を表し、前記式(2)中、R4は、炭素数1〜4の鎖状アルキル基を表す、[1]に記載の悪臭抑制剤。
[3]前記式(1)中、R2は、炭素数2以上4以下の直鎖アルキル基又はフェニル基を表し、前記式(2)中、R4は、炭素数1〜4の直鎖アルキル基を表す、[2]記載の悪臭抑制剤。
[4]前記式(1)中、R3は、水素原子又はメチル基を表す、[1]〜[3]のいずれかに記載の悪臭抑制剤。
[5]2−メチル酪酸、2−エチル酪酸、2−エチル吉草酸、2−エチルヘキサン酸、2−フェニル酪酸、2−イソプロピルヘキサン酸、2−エチルヘキサナール、2,3−ブタンジオン及び2,3−ヘプタンジオンからなる群から選択される1種又は2種以上を有効成分とする、悪臭抑制剤。
[6]イソ吉草酸及び吉相酸のいずれか又は双方を含む悪臭に対する、[1]〜[5]のいずれかに記載の悪臭抑制剤。
[7][1]〜[6]のいずれかに記載の悪臭抑制剤を用いる、悪臭抑制方法。
[8][1]〜[6]のいずれかに記載の悪臭抑制剤を備える、悪臭抑制用製品。
本悪臭抑制剤は、式(1)及び式(2)で表される化合物からなる群から選択される1種又は2種以上を有効成分とすることができる。
[R1]
式(1)中、R1は、水素原子又は水酸基を表す。R1が水素原子であるとき、式(1)で表される化合物は、アルデヒドであり、R1が水酸基であるとき、式(1)で表される化合物は、カルボン酸である。
式(1)中、R2は、炭素数1以上6以下の炭化水素基又は置換されていてもよいフェニル基である。炭化水素基は、直鎖状、分岐状及び環状等のいずれであってもよいが、好適には、直鎖状である。炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基のいずれであってもよい。例えば、アルキル基とすることができる。炭素数1以上6以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。また、炭素数が1以上6以下のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、3−ブテニル基、1−メチルアリル基、2−ブテニル基、1−ブテニル基、ブチレニル基、イソブチレニル基、ペンテニル基、イソペンテニル基、ヘキセニル基等が挙げられる。また、炭素数が1以上6以下のアルキニル基としては、エチニル基、プロパ−2−イン−1−イル基等が挙げられる。また、炭素数が1以上6以下の環状炭化水素基としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロヘキサン、シクロプロペン、シクロブテン等が挙げられる。R2は、例えば、炭素数1〜6のアルキル基であることが好適な場合があり、また例えば炭素数2〜6のアルキル基であってもよいし、また例えば炭素数2〜4のアルキル基であってもよい。
式(1)中、R3は、水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基とすることができる。炭素数1以上4以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。R3は、特に限定するものではないが、水素原子又は炭素数1〜2程度のアルキル基であることが好適な場合があり、また例えば水素原子又はメチル基であってもよい。
[R4]
式(2)中、R4は、炭素数1以上6以下の炭化水素基とすることができる。炭化水素基は、直鎖状、分岐状及び環状並びにこれらの組合せのいずれであってもよいが、好適には、直鎖状である。鎖状の炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられる。また、環状の炭化水素基としては、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等が挙げられる。
[悪臭抑制剤]
本明細書によれば、本悪臭抑制剤を備える悪臭抑制製品が提供される。本悪臭抑制剤は、OR51E1における応答を誘導する全てのにおい物質による悪臭を、当該受容体に対するアンタゴニスト作用によって抑制することができる。
本明細書によれば、本悪臭抑制剤を用いる悪臭抑制方法が提供される。本悪臭抑制剤は、上記した各種製品の態様に限定されないで、OR51E1における応答を誘導する全てのにおい物質に対して、アンタゴニスト作用によって、当該におい物質による悪臭を抑制できる。
ヒト嗅覚受容体は登録されている配列情報を基に、PCR法によりクローニングした。PCR法により増幅した各遺伝子をFlexi Vector(Promega)に常法に従って組み込み、 SgfIとPmeIサイトを利用して、pF5K CMV−neo Flexi Vectorを作製した。
実施例1と同様の手順でOR51E1をRTP1sとともにそれぞれ発現させた細胞を作製して24時間培養後、培地を取り除き、2−エチルヘキサン酸の各濃度(100、1000、10000μM)を添加した無血清培地で置換して、20分間CO2インキュベータ内に放置して前処理を行った。その後、n−酪酸、イソ吉草酸、n−吉草酸及び4−メチル吉草酸各1mMとなるように調整した無血清培地を添加し混合して、4時間CO2インキュベータ内に放置し、実施例1と同様にして2ーエチルヘキサン酸の濃度に対する応答性を調べた。なお、2−エチルヘキサン酸を添加しないものの応答性を100とした。結果を、図3に示す。
実施例1と同様の手順でOR51E1をRTP1sとともにそれぞれ発現させた細胞を作製して24時間培養後、培地を取り除き、応答抑制成分としての2−メチル酪酸、2−エチル吉草酸、2ーエチルヘキサン酸、2−フェニル酪酸、2−イソプロピルヘキサン酸、2,3−ブタンジオンの各濃度(30、100、300、1000、3000、10000μM)でそれぞれ含む無血清培地で置換して、20分間CO2インキュベータ内に放置して前処理を行った。その後、におい物質としてイソ吉草酸を1mMとなるように調整した無血清培地を添加し混合して、4時間CO2インキュベータ内に放置し、実施例1と同様にして応答性を調べた。なお、応答抑制成分を添加しない0μMでの応答性を100とした。結果を図4〜6に示す。
臭気官能評価に熟練したパネル5名に対して、パネル毎に、イソ吉草酸が臭気強度3(表2参照)で感じられるようにイソ吉草酸ガスを濃度調整し、また、悪臭抑制作用を評価するための添加成分として、2−エチルヘキサン酸及び2,3−ブタンジオンを、検知閾値レベル、臭気強度3レベル及びこれらの中間レベルの3段階のそれぞれになるように調整して混合して、パネルに呈示した。パネルは呈示された混合臭気のイソ吉草酸の臭気強度を評価した。結果を図7及び図8に示す。
ガラス瓶にいれた綿球に、プロピレングリコールで質量比で2000倍希釈したイソ吉草酸を20μl滴下し、以下の表3に示す各悪臭抑制成分を、同表に示す質量比で希釈した溶液を各20μl滴下した。ガラス瓶を密閉して、イソ吉草酸及び各化合物を十分に揮発させた。なお、コントロールとして、悪臭抑制成分を添加しない無添加の検体も準備した。
Claims (9)
- 以下の式(1)で表される化合物からなる群から選択される1種又は2種以上を有効成分(ただし、イソ吉草酸臭の抑制剤の有効成分としての2−エチルヘキサナールを除く。)とする、吉草酸臭、イソ吉草酸臭、n−酪酸臭又はヘキサン臭の抑制剤。
- 前記式(1)中、R2は、炭素数2以上6以下の鎖状アルキル基又はフェニル基を表す、請求項1に記載の抑制剤。
- 前記式(1)中、R2は、炭素数2以上4以下の直鎖アルキル基又はフェニル基を表す、請求項2記載の抑制剤。
- 前記有効成分は、前記式(1)中、R3は、水素原子又はメチル基を表す化合物である、請求項1〜3のいずれかに記載の抑制剤。
- 前記有効成分は、2−メチル酪酸、2−エチル酪酸、2−エチル吉草酸、2−エチルヘキサン酸、2−フェニル酪酸及び2−イソプロピルヘキサン酸からなる群から選択される1種又は2種以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の抑制剤。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の抑制剤を用いる、吉草酸臭、イソ吉草酸臭、n−酪酸臭又はヘキサン酸臭の抑制方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の抑制剤を備える、吉草酸臭、イソ吉草酸臭、n−酪酸臭又はヘキサン酸臭の抑制用製品。
- 以下の式(1)及び(2)で表される化合物からなる群から選択される1種又は2種以上を有効成分とする、OR51E1の応答抑制剤。
- 前記有効成分は、2−メチル酪酸、2−エチル酪酸、2−エチル吉草酸、2−エチルヘキサン酸、2−フェニル酪酸、2−イソプロピルヘキサン酸、2−エチルヘキサナール、2,3−ブタンジオン及び2,3−ヘプタンジオンからなる群から選択される1種又は2種以上を有効成分とする、OR51E1の応答抑制剤。
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