JP3745559B2 - 消臭組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、布帛製品についたいやな臭いを緩和し、しかも使用後に組成物由来の匂いが残らない消臭組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
生活の中で不快に感じる様々な臭い(以下、不快臭ともいう)に対して、芳香剤を用いて空間を消臭やリフレッシュしたり、人体が発する臭いに対して、制汗スプレーや靴用インソール等で脱臭・防臭することなどが行われている。
しかし、これらの不快臭が衣服やカーテン等の布帛製品に着香した場合には、例えばWO96/04937等の布帛製品用消臭組成物が提案されている。しかし、これらの消臭組成物は、布帛製品の不快臭をある程度消臭するが、同時に組成物中の香料由来の匂いが当該布帛製品に残るという問題があった。そこで、特表平10-503958号には、悪臭印象を減少させるための水性組成物として、組成物の0.01〜1重量%の香料と、水性キャリアとを含み、布帛を汚すか又はしみにする物質を本質的に含まず、組成物の5重量%以下で低分子量一価アルコールを含有する消臭組成物が提案されている。しかし、この組成物でも、依然として前記問題は解決できない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、布帛製品についたいやな臭いを緩和し、しかも使用後に組成物由来の匂いが残らない消臭組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、水と特定の多価アルコールと特定の調合香料とを組合わせて用いれば、布帛製品に匂いを残さずにいやな臭いを緩和でき、しかもその消臭効果が持続することを見出した。
【0005】
本発明は、水と、ジプロピレングリコールと、調合香料とを含有する消臭組成物であって、前記調合香料には、下記成分(A)が含まれる消臭組成物を提供するものである。
(A)安息香酸ベンジル、サリチル酸ベンジル、2−メチル−3−(p−メトキシフェニル)−プロピルアルデヒド、セドロール、セドリルメチルエーテル、シス−3−ヘキセニルサリシレート、シス−ジャスモン、クマリン、ジメチルベンジルカルボニルアセテート、ジヒドロミルセノール、エチルリナロール、エチレンブラシレート、フロラロゾン、ヘリオナール、ジヒドロジャスモン酸メチル、ヘリオトロピン、ヘキシルサリシレート、インドール、α−イオノン、β−イオノン、イソ・イー・スーパー、γ−デカラクトン、リリアール、リラール、メチル β−ナフチルケトン、メチルイオノン−G、パールライド、ペンタライド、フェノキシエタノール、フェニルエチルフェニルアセテート、合成サンダル、テンタローム、チンベロール、ウンデカラクトン、バニリン、α−ダマスコン、アンバーコア、アンブロキサン、ジメトール、リナリルアセテート、酢酸p−t−ブチルシクロヘキシル、酢酸o−t−ブチルシクロヘキシルから選ばれる1種以上。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる多価アルコールは、ジプロピレングリコールである。
【0007】
本発明の消臭組成物において、水は全組成物中に80〜99.99重量%、特に90〜99.99重量%配合するのが、対象物に均一に噴霧又は塗布する点で好ましい。
また、ジプロピレングリコールは、全組成物中に0.0001〜10重量%、特に0.001〜5重量%、更に0.001〜1重量%配合するのが、消臭効果の点で好ましい。
【0008】
本発明の消臭組成物には、更に香料を配合でき、その配合量は、全組成中に0.01重量%未満、特に0.001〜0.009重量%、更に0.001〜0.005重量%であるのが、いやな臭いを緩和し、しかも使用後に組成物由来の匂いが残らないので好ましい。
ここで用いる香料は、特に制限されないが、20℃の蒸気圧2.66Pa以下、特に1.33Pa以下の香料、又は匂いの感覚強度が4以下の香料を、合計で50重量%以上、特に60〜100重量%含有する調合香料を用いるのが、組成物由来の匂いがより残らないので好ましい。
【0009】
20℃の蒸気圧が2.66Pa以下の香料としては、安息香酸ベンジル、サリチル酸ベンジル、2−メチル−3−(p−メトキシフェニル)−プロピルアルデヒド、セドロール、セドリルメチルエーテル、シス−3−ヘキセニルサリシレート、シス−ジャスモン、シトロネロール、クマリン、ジメチルベンジルカルボニルアセテート、ジヒドロミルセノール、エチルリナロール、エチレンブラシレート、フロラロゾン、ゲラニオール、ヘリオナール、ジヒドロジャスモン酸メチル、ヘリオトロピン、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘキシルサリシレート、インドール、α−イオノン、β−イオノン、イソ・イー・スーパー、γ−デカラクトン、リリアール、リラール、メチル β−ナフチルケトン、メチルイオノン−G、パールライド、ペンタライド、フェノキシエタノール、フェニルエチルフェニルアセテート、合成サンダル、テンタローム、チンベロール、ウンデカラクトン、バニリン、α−ダマスコンが好ましい
【0010】
また、感覚強度が4以下の香料とは、Physical Foundations in Perfumery(American Perfumer and Cosmetics, 1970年12月発行)中、第5章、Absolute intensity of odor,olfactory equilibrium(第43〜47頁)に記載の方法により求められる匂いの感覚強度(Absolute intensity of odor)が4以下のものである。
【0011】
すなわち、まずシトラールをジエチルフタレートで希釈して調製した、1重量%、2.5重量%、6.3重量%、16重量%、40重量%、及び100重量%の各溶液を、それぞれ標準の感覚強度0、1、2、3、4、5とする。次に、ある物質の匂い強度が、シトラールのどの濃度と感覚的に同じレベルかを見極める。例えば、物質Aの匂いの強度がシトラール1重量%溶液と同じ場合、Aの感覚強度は「0」であり、物質Bの匂い強度がシトラール40重量%溶液と同じ場合、Bの感覚強度は「4」である。匂いの強度がシトラール100重量%よりも強い場合には、その匂いの強さを5以下に下げてシトラール標準品と比較する。例えば、物質Cの40重量%溶液がシトラール100重量%と同じならば、Cの感覚強度は6になる。
【0012】
前記のような香料としては、特にアンバーコア、アンブロキサン、安息香酸ベンジル、サリチル酸ベンジル、セドロール、セドリルメチルエーテル、シス−3−ヘキセニルサリシレート、シス−ジャスモン、シトロネロール、ジヒドロミルセノール、エチルリナロール、ゲラニオール、ジヒドロジャスモン酸メチル、ヘリオトロピン、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘキシルサリシレート、イソ・イー・スーパー、リリアール、リラール、メチル β−ナフチルケトン、パールライド、フェノキシエタノール、合成サンダル、テンタローム、α−ダマスコン、ベンジルアルコール、ジメトール、リナロール、リナリルアセテート、酢酸p−t−ブチルシクロヘキシル、酢酸o−t−ブチルシクロヘキシル、フェニルエチルアルコールが好ましい。
【0013】
これらの香料のうち、20℃の蒸気圧が2.66Pa以下で、かつ匂いの感覚強度が4以下の香料が好ましく、特に安息香酸ベンジル、サリチル酸ベンジル、セドロール、セドリルメチルエーテル、シス−3−ヘキセニルサリシレート、シス−ジャスモン、シトロネロール、エチルリナロール、ゲラニオール、ジヒドロジャスモン酸メチル、ヘリオトロピン、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘキシルサリシレート、イソ・イー・スーパー、リリアール、リラール、メチル β−ナフチルケトン、パールライド、フェノキシエタノール、合成サンダル、テンタローム、α−ダマスコンが好ましい。
【0014】
また、香料を配合する場合には、可溶化剤を用いるのが好ましく、可溶化剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等の界面活性剤;p−トルエンスルホン酸塩、m−キシレンスルホン酸塩等の芳香族スルホン酸塩類などが挙げられる。
これらのうち、特にカチオン性界面活性剤、両性界面活性剤が好ましい。
【0015】
これらの可溶化剤は、1種以上を用いることができ全組成中に0.1〜2重量%、特に0.2〜1.5重量%配合するのが、可溶化能と繊維の風合いを変えない点で好ましい。
【0016】
本発明の消臭組成物には、前記成分以外に、例えばpH調整剤、色素、増粘剤、防腐剤などを適宜配合でき、通常の方法により製造される。
【0017】
本発明の消臭組成物は、対象物に直接噴霧又は塗布して使用するのが好ましく、対象物としては、衣類、カーテン等の布帛製品が好ましい。
噴霧方法は特に制限されず、消臭組成物が霧状(ミスト)になるように対象物に噴霧できれば良く、例えば消臭組成物をポンプ式スプレー容器に充填するか、又は噴射剤とともに耐圧容器に充填することにより、噴霧することができる。容器としては、特にトリガー式スプレー容器が好ましく、例えば実開平4-37554号公報に記載の畜圧式トリガー容器等を好適に使用できる。また、噴霧量は特に制限されないが、布帛100〜800cm2に対して0.2〜0.7gの割合で使用するのが好ましい。
また、塗布方法は特に制限されず、消臭組成物が布帛表面に行き渡れば良く、例えば消臭組成物を含浸させた布帛、不織布、スポンジ等の可撓性の基体で布帛表面を擦る方法が挙げられる。この場合、消臭組成物は、布帛表面が湿る程度で使用するのが好ましい。
本発明の消臭組成物は、特に布帛表面に噴霧して使用するのが好ましい。
【0018】
【発明の効果】
本発明の消臭組成物は、組成物の匂いを残さずに、布帛製品についたいやな臭いを緩和することができ、しかもその消臭効果が持続する。
【0019】
【実施例】
実施例1
表1〜3に示す組成の消臭組成物を常法により製造し、消臭性能及び使用後の組成物由来の匂いを評価した。結果を表1〜3に併せて示す。
【0020】
(評価方法)
(1)消臭対象物の調製:
(a)たばこ臭繊維製品の調製
5×5mの密閉された喫煙室の1方の壁に、1×1mの木綿金布2003♯を床から布の上辺までの高さが3mになるよう、床に対して垂直に吊るした。この喫煙室内で、2時間の間に10人の男性が3本づつのたばこを喫煙した。その後、上記布を20×20cmに切断し、試験片とした。
【0021】
(b)汗臭繊維製品の調製
10人の男性が24時間着用した肌着(グンゼ社製、半袖アンダーシャツ、グンゼYG)をビニール袋に入れ、室温で3日間熟成させた後、20×20cmに切断し、試験片とした。
【0022】
(2)消臭試験:
市販の手動式スプレー容器に各消臭組成物400mlを入れ、消臭対象物に液が全体に行き渡るよう、2回吹き付けた。この処理直後、及び室内で24時間陰干しした後、30歳代の男性及び女性各5人ずつのパネラーに消臭対象物の臭いをかいでもらい、以下の六段階臭気強度表示法で評価し、平均点を求めた。平均点が1.5未満を○、1.5以上3未満を△、3以上を×として判定した。
0;無臭。
1;何の臭いか分からないが、ややかすかに何かを感じる強さ(検知閾値のレベル)。
2;何の臭いか分かる、容易に感じる弱い臭い(認知閾値のレベル)。
3;明らかに感じる臭い。
4;強い臭い。
5;耐えられないほど強い臭い。
【0023】
(3)組成物由来の匂い:
(2)と同様にして、(2)と同様の対象物に各消臭剤組成物を吹き付けたとき、処理直後及び24時間後における組成物由来の匂いを、(2)と同様に評価・判定した。
【0024】
【表1】
Figure 0003745559
【0025】
【表2】
Figure 0003745559
【0026】
【表3】
Figure 0003745559

Claims (4)

  1. と、ジプロピレングリコールと、調合香料とを含有する消臭組成物であって、前記調合香料には、下記成分(A)が含まれる消臭組成物。
    (A)安息香酸ベンジル、サリチル酸ベンジル、2−メチル−3−(p−メトキシフェニル)−プロピルアルデヒド、セドロール、セドリルメチルエーテル、シス−3−ヘキセニルサリシレート、シス−ジャスモン、クマリン、ジメチルベンジルカルボニルアセテート、ジヒドロミルセノール、エチルリナロール、エチレンブラシレート、フロラロゾン、ヘリオナール、ジヒドロジャスモン酸メチル、ヘリオトロピン、ヘキシルサリシレート、インドール、α−イオノン、β−イオノン、イソ・イー・スーパー、γ−デカラクトン、リリアール、リラール、メチル β−ナフチルケトン、メチルイオノン−G、パールライド、ペンタライド、フェノキシエタノール、フェニルエチルフェニルアセテート、合成サンダル、テンタローム、チンベロール、ウンデカラクトン、バニリン、α−ダマスコン、アンバーコア、アンブロキサン、ジメトール、リナリルアセテート、酢酸p−t−ブチルシクロヘキシル、酢酸o−t−ブチルシクロヘキシルから選ばれる1種以上
  2. 布帛表面に噴霧して使用する請求項1記載の消臭組成物。
  3. 調合香料を0.01重量%未満含有する請求項1又は2記載の消臭組成物。
  4. 調合香料には成分(A)が50重量%以上含まれる請求項3記載の消臭組成物。
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