JP5329852B2 - 廃棄物や排水口等から発生する悪臭を抑制する方法 - Google Patents
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(b)フェノキシグリコール系溶剤、
(c)界面活性剤及び水を含有し、20℃における粘度が15〜300mPa・sである、廃棄物用又は排水口用の悪臭発生抑制剤を提供する。
〔(a)成分〕
本発明で用いる(a)成分の香料成分は、家庭内に棲息する通性嫌気性微生物及び好気性細菌による揮発性硫黄化合物生成の抑制剤、又はシステインから硫化水素を生成する酵素若しくはメチオニンからメチルメルカプタンを生成する酵素の阻害剤として使用することができ、同時にこれらは家庭環境中の不快臭の発生を抑制する賦香・消臭剤として使用可能である。
テルペン系アルデヒドとしては、シトラール、シトロネラール、ヒドロキシシトロネラール等を挙げることができ;
芳香族アルデヒドとしては、ヘリオトロピン、フェニルプロピルアルデヒド、アニスアルデヒド、バニリン、シクラメンアルデヒド、エチルバニリン、ヘリオナール、フェニルアセトアルデヒド、シンナミックアルデヒド、アミルシンナミックアルデヒド、ヘキシルシンナミックアルデヒド等を挙げることができ;
セスキテルペン系ケトンとしては、α−イオノン、β−イオノン、α−ダマスコン、β−ダマスコン、α−メチルイオノン、α−イソメチルイオノン、ヌートカトン等を挙げることができる。
本発明で用いる(b)成分はフェノキシグリコール系溶剤であり、(a)成分の酵素阻害活性をさらに向上させる効果を有するものである。具体的な化合物としては、下記一般式(1)の化合物を挙げることができる。
これらの中でもRがエチレン基であって、nが1〜3の化合物又は1−フェノキシ−2−プロパノールが好ましく、特にフェノキシエタノール(Rがエチレン基であり、nが1の化合物)が好適である。なお、一般式(1)の化合物はn=1〜3の化合物の混合物であってもよく、n=4以上の化合物も含有していてもよいが、n=1〜3の化合物100重量部に対して、n=4の化合物が10質量部以下であることが望ましい。
<その他成分>
本発明の方法で用いる水性組成物は、処理対象物に(a)成分及び(b)成分を効果的に浸透させる目的から、浸透剤として作用する界面活性剤〔以下(c)成分という〕を含有することが好適である。
(c1):炭素数9〜15のアルキルベンゼンスルホン酸塩、炭素数10〜16の石鹸、炭素数10〜16のアルキル硫酸塩、平均付加モル数1〜4のオキシアルキレン基(アルキレン基はエチレン基又はプロピレン基)と、アルキル基の炭素数が10〜16のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩から選ばれる陰イオン界面活性剤、
(c2):アミド基、エステル基又はアミド基で分断されていてもよい炭素数10〜18のアルキル基を1つと2−ヒドロキシスルホプロピル基を1個と残りが炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であるスルホベタインから選ばれる両性界面活性剤、並びに
(c3):平均付加モル数4〜30のオキシアルキレン基(アルキレン基はエチレン基又はプロピレン基)と、アルキル基の炭素数が10〜16のポリオキシエチレンアルキルエーテル、炭素数8〜16のアルキルグリコシド(グルコースの平均縮合度は1〜2)、アミド基、エステル基又はアミド基で分断されていてもよい炭素数10〜18のアルキル基を1つと残りが炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である3級アミンオキサイドから選ばれる非イオン界面活性剤、
から選ばれる2種以上の界面活性剤の組み合わせが、浸透性を高める点、及び後述する好ましい粘度に調整する目的から好適である。界面活性剤を含有するときは、(c3)成分を必ず含むことが好ましい。
(2)エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸及びその誘導体、エタンヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸などのホスホン酸又はこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩;
(3)2-ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1-ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸などのホスホノカルボン酸又はこれのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩;
(4)アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシンなどのアミノ酸又はこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩;
(5)ニトリロ三酢酸、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、ジエンコル酸、アルキルグリシン−N,N−ジ酢酸、アスパラギン酸−N,N−ジ酢酸、セリン−N,N−ジ酢酸、グルタミン酸二酢酸、エチレンジアミンコハク酸などのアミノポリ酢酸又はこれらの塩、好ましくはアルカリ金属塩、もしくはアルカノールアミン塩;
(6)ジグリコール酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、リンゴ酸、グルコン酸、カルボキシメチルコハク酸、カルボキメチル酒石酸などの有機酸又はこれらのアルカリ金属塩、もしくはアルカノールアミン塩;
(7)アミノポリ(メチレンホスホン酸)、そのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩、ポリエチレンポリアミンポリ(メチレンホスホン酸)又はアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩を挙げることができる。
本発明の悪臭抑制方法は、上記した水性組成物を、含硫黄アミノ酸及び/又は含硫黄アミノ酸を含む蛋白質が存在する処理対象物に接触させることにより、前記タンパク質から発生する悪臭の発生を抑制する方法である。
〔試験菌液の調製方法〕
8家庭の台所シンク排水トラップ中の汚水を10mLずつ採取した。採取した汚水は、室温状態にて実験室に輸送した。輸送後、直ちにミュラー・ヒントン培地(ベクトンディッキンソン社)5mLを入れた滅菌遠沈管(50mL容)中に、上記汚水0.1mLを添加し、ボルテックスミキサーにて攪拌した。上記滅菌遠沈管を25℃の恒温槽に静置し、24時間培養し、試験菌液とした。
1:やや臭う
2:臭う
3:とても臭う
4:耐えられないほど臭う
実施例1〜14、比較例1〜3
表1に示す水性組成物を調製し、それらを用いて上記の悪臭抑制効果の確認試験を行った。pHは0.1規定硫酸水溶液及び0.1規定水酸化ナトリウム水溶液で調節した。結果を表1に示す。なお、表に示す水性組成物は、20℃における粘度が、20〜40mPa・sの範囲のものである。
PHG30:ポリオキシエチレン(3モル)フェニルエーテル(日本乳化剤株式会社製)
(c1)
ES:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム〔原料アルコールは、1−デセン及び1−ドデセン50/50(質量比)を原料にヒドロホルミル化して得られたアルコールである。このアルコールにエチレンオキシドを平均2モル付加させた後、三酸化硫黄により硫酸化し、水酸化ナトリウムで中和した。全ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム中の全ポリオキシエチレン分岐鎖アルキルエーテル硫酸エステルナトリウムの割合は42質量%であった。〕
(c2)
AO:N−ラウリル−N,N−ジメチルアミンオキシド
(c3)
ノニオン:炭素数12、13混合アルキル2級アルコールに、EOを平均7モル付加させたもの(ソフタノール70H、日本触媒株式会社製)
(その他)
PPG1000:重量平均分子量1000のポリプロピレングリコール
防腐剤:プロキセルBDN(アビシア株式会社製)
p−TS:p−トルエンスルホン酸ナトリウム
Claims (11)
- (a)オクタナール及びデカナールから選ばれる少なくとも1種の化合物と、メチルジヒドロジャスモネート、シス−ジャスモン及びβ−ダマスコンから選ばれる少なくとも1種の化合物、
(b)フェノキシグリコール系溶剤、
(c)界面活性剤、及び
(d)金属封鎖剤を含有する、20℃における粘度が15〜300mPa・sである水性組成物を、含硫黄アミノ酸及び/又は含硫黄アミノ酸を含む蛋白質が存在する処理対象物に接触させる、悪臭の発生を抑制する方法。 - 前記水性組成物中、(a)成分が0.001〜1質量%であり、(b)成分が0.2〜5質量%である、請求項1記載の方法。
- 前記水性組成物中、(c)成分を10〜60質量%含有する、請求項1又は2記載の方法。
- (c)成分が、
(c1):炭素数9〜15のアルキルベンゼンスルホン酸塩、炭素数10〜16の石鹸、炭素数10〜16のアルキル硫酸塩、平均付加モル数1〜4のオキシアルキレン基(アルキレン基はエチレン基又はプロピレン基)と、アルキル基の炭素数が10〜16のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩から選ばれる陰イオン界面活性剤、
(c2):アミド基、エステル基又はアミド基で分断されていてもよい炭素数10〜18のアルキル基を1つと2−ヒドロキシスルホプロピル基を1個と残りが炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であるスルホベタインから選ばれる両性界面活性剤、並びに
(c3):平均付加モル数4〜30のオキシアルキレン基(アルキレン基はエチレン基又はプロピレン基)と、アルキル基の炭素数が10〜16のポリオキシエチレンアルキルエーテル、炭素数8〜16のアルキルグリコシド(グルコースの平均縮合度は1〜2)、アミド基、エステル基又はアミド基で分断されていてもよい炭素数10〜18のアルキル基を1つと残りが炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である3級アミンオキサイドから選ばれる非イオン界面活性剤、
から選ばれる2種以上の界面活性剤の組み合わせである、請求項1〜3の何れか記載の方法。 - 前記水性組成物が(c1)成分、(c2)成分、(c3)成分を、(c1)成分/〔(c2)成分+(c3)成分〕=0.05〜5.0の質量比で含有する、請求項4に記載の方法。
- 前記水性組成物を処理対象となる廃棄物に接触させるとき、(a)成分が1〜10000ppm(質量基準)、(b)成分が200ppm〜100000ppm(質量基準)の割合で接触されるようにする請求項1〜5の何れか記載の方法。
- (a)オクタナール及びデカナールから選ばれる少なくとも1種の化合物と、メチルジヒドロジャスモネート、シス−ジャスモン及びβ−ダマスコンから選ばれる少なくとも1種の化合物、
(b)フェノキシグリコール系溶剤、
(c)界面活性剤、
(d)金属封鎖剤及び水を含有し、20℃における粘度が15〜300mPa・sである、廃棄物用又は排水口用の悪臭発生抑制剤。 - (a)成分が0.001〜1質量%であり、(b)成分が0.2〜5質量%である、請求項7記載の悪臭発生抑制剤。
- (c)成分を10〜60質量%含有する、請求項7又は8記載の悪臭発生抑制剤。
- (c)成分が、
(c1):炭素数9〜15のアルキルベンゼンスルホン酸塩、炭素数10〜16の石鹸、炭素数10〜16のアルキル硫酸塩、平均付加モル数1〜4のオキシアルキレン基(アルキレン基はエチレン基又はプロピレン基)と、アルキル基の炭素数が10〜16のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩から選ばれる陰イオン界面活性剤、
(c2):アミド基、エステル基又はアミド基で分断されていてもよい炭素数10〜18のアルキル基を1つと2−ヒドロキシスルホプロピル基を1個と残りが炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であるスルホベタインから選ばれる両性界面活性剤、並びに
(c3):平均付加モル数4〜30のオキシアルキレン基(アルキレン基はエチレン基又はプロピレン基)と、アルキル基の炭素数が10〜16のポリオキシエチレンアルキルエーテル、炭素数8〜16のアルキルグリコシド(グルコースの平均縮合度は1〜2)、アミド基、エステル基又はアミド基で分断されていてもよい炭素数10〜18のアルキル基を1つと残りが炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である3級アミンオキサイドから選ばれる非イオン界面活性剤、
から選ばれる2種以上の界面活性剤の組み合わせである、請求項7〜9の何れか記載の悪臭発生抑制剤。 - (c1)成分、(c2)成分、(c3)成分を、(c1)成分/〔(c2)成分+(c3)成分〕=0.05〜5.0の質量比で含有する、請求項10に記載の悪臭発生抑制剤。
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