JP5329852B2 - 廃棄物や排水口等から発生する悪臭を抑制する方法 - Google Patents

廃棄物や排水口等から発生する悪臭を抑制する方法 Download PDF

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Description

本発明は、生ごみなどの含硫黄アミノ酸及び/又は含硫黄アミノ酸を含む蛋白質が存在する廃棄物や排水口等の悪臭発生源から、揮発性硫黄化合物を含む悪臭の発生を抑制する方法と、廃棄物用又は排水口用の悪臭発生抑制剤に関する。
排水口用洗浄剤に徐溶解性を付与する技術は、特許文献1(特開2006−206882号公報)を参考にすることができる。また、排水口や三角コーナーなどのシンク周りのヌメリや悪臭発生を抑制する技術として界面活性剤を用いる技術が特許文献2(特開2002−220600号公報)に開示されており、使用できる香料が多数記載されている。さらに、特定の香料成分が菌由来の悪臭の発生を抑制しえる点については特許文献3(特開2001−348308号公報)に開示されている。
特開2006−206882号公報 特開2002−220600号公報 特開2001−348308号公報
汚水が流れる排水口や生ごみなどの廃棄物からは、菌による腐敗が進むと硫化水素やメチルメルカプタンなどの揮発性硫黄化合物が発生し、これらは非常に低濃度でも不快感を与える悪臭成分である。これらの悪臭成分は、システインやメチオニンなどの含硫黄アミノ酸及び/又は含硫黄アミノ酸を含む蛋白質がメチオニンリアーゼやシステインリアーゼの作用で分解して発生する揮発性硫黄化合物を含むものと考えられる。
揮発性硫黄化合物の発生を抑制する方法として、特許文献3では香料成分を接触させる方法が提案されているが、排水口や生ごみなどの汚れの負荷が大きい対象物にこれら香料成分を接触させても、香料成分は揮発性が高く、処理後は揮散するため、効果は一時的であり、すぐに悪臭の発生が再発するという課題がある。
特許文献1には有効成分の徐溶解技術が開示されているが、1%粘度が非常に高い増粘剤を10%も使用していることから判るように、ゲル状に近い形態で使用する技術であり、具体的な例示にはミントオイルを応用した技術が示されているが、揮発性硫黄化合物の発生抑制という点からは全く効果を示すものではない。
さらに、特許文献2には、界面活性剤を有効成分として含有する、排水口や三角コーナーなどのシンク周りのヌメリ・悪臭抑制方法が開示されているが、特定の溶剤を併用することで非常に高い揮発性硫黄化合物の発生抑制効果を得ることができる点は何ら示唆されていない。
本発明の課題は、含硫黄アミノ酸及び/又は含硫黄アミノ酸を含む蛋白質が存在する廃棄物等の悪臭発生源から、揮発性硫黄化合物を含む悪臭の発生を抑制する方法を提供することである。
また本発明の他の課題は、廃棄物用又は排水口用の悪臭発生抑制剤を提供することである。
本発明は、課題の解決手段として、(a)炭素数6〜12の飽和脂肪族アルデヒド、テルペン系アルデヒド、芳香族アルデヒド、セスキテルペン系ケトン、メチルノニルアセトアルデヒド、ウンデシレンアルデヒド、リラール、マイラックアルデヒド、デュピカール、トリプラール、メチルジヒドロジャスモネート、シス−ジャスモン及びネロリドールから選ばれる1種以上の化合物と、(b)フェノキシグリコール系溶剤を含有する水性組成物を、含硫黄アミノ酸及び/又は含硫黄アミノ酸を含む蛋白質が存在する処理対象物に接触させる、悪臭の発生を抑制する方法を提供する。
また本発明は、課題の解決手段として、(a)炭素数6から12の飽和脂肪族アルデヒド、テルペン系アルデヒド、芳香族アルデヒド、セスキテルペン系ケトン、メチルノニルアセトアルデヒド、ウンデシレンアルデヒド、リラール、マイラックアルデヒド、デュピカール、トリプラール、メチルジヒドロジャスモネート、シス−ジャスモン及びネロリドールから選ばれる1種以上の化合物、
(b)フェノキシグリコール系溶剤、
(c)界面活性剤及び水を含有し、20℃における粘度が15〜300mPa・sである、廃棄物用又は排水口用の悪臭発生抑制剤を提供する。
本発明の悪臭の発生を抑制する方法によれば、低濃度の有効成分の作用により、高い悪臭発生抑制効果を得ることができる。
<本発明の方法で用いる水性組成物>
〔(a)成分〕
本発明で用いる(a)成分の香料成分は、家庭内に棲息する通性嫌気性微生物及び好気性細菌による揮発性硫黄化合物生成の抑制剤、又はシステインから硫化水素を生成する酵素若しくはメチオニンからメチルメルカプタンを生成する酵素の阻害剤として使用することができ、同時にこれらは家庭環境中の不快臭の発生を抑制する賦香・消臭剤として使用可能である。
(a)成分の香料は、炭素数6〜12の飽和脂肪族アルデヒド、テルペン系アルデヒド、芳香族アルデヒド、セスキテルペン系ケトン、メチルノニルアセトアルデヒド、ウンデシレンアルデヒド、リラール、マイラックアルデヒド、デュピカール、トリプラール、メチルジヒドロジャスモネート、シス−ジャスモン及びネロリドールから選ばれるものである。
(a)成分の香料は、レモングラスオイル、セロリハーブオイル、レモンオイル、ライムオイル、オレンジバレンシア、コリアンダーオイル、バジルオイル、ジャスミンオイル、タイムオイル、ローレルオイル、グレープフルーツオイル等に含まれる精油の単離成分である。
炭素数6〜12の飽和脂肪族アルデヒドは直鎖状のものが好ましく、ヘキサナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、ウンデカナール、ドデカナール等を挙げることができ;
テルペン系アルデヒドとしては、シトラール、シトロネラール、ヒドロキシシトロネラール等を挙げることができ;
芳香族アルデヒドとしては、ヘリオトロピン、フェニルプロピルアルデヒド、アニスアルデヒド、バニリン、シクラメンアルデヒド、エチルバニリン、ヘリオナール、フェニルアセトアルデヒド、シンナミックアルデヒド、アミルシンナミックアルデヒド、ヘキシルシンナミックアルデヒド等を挙げることができ;
セスキテルペン系ケトンとしては、α−イオノン、β−イオノン、α−ダマスコン、β−ダマスコン、α−メチルイオノン、α−イソメチルイオノン、ヌートカトン等を挙げることができる。
これらの化合物は、精油のまま使用してもよく、またその経済性のために化学的に合成されたものを使用してもよい。これらの香料は、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、特にオクタナール、デカナール、シトラール、シトロネラール、β−ダマスコン、メチルジヒドロジャスモネート及びシス−ジャスモンから選ばれる1、2又は3以上を必須成分とすることが好ましく、特に2種以上併用する場合は、オクタナール及びデカナールから選ばれる少なくとも1種と、メチルジヒドロジャスモネート、シス−ジャスモン及びβ−ダマスコンから選ばれる少なくとも1種を併用することがより好ましい。
〔(b)成分〕
本発明で用いる(b)成分はフェノキシグリコール系溶剤であり、(a)成分の酵素阻害活性をさらに向上させる効果を有するものである。具体的な化合物としては、下記一般式(1)の化合物を挙げることができる。
Figure 0005329852
〔式中;Rはエチレン基又はプロピレン基であり、nは1〜3の数である。〕
これらの中でもRがエチレン基であって、nが1〜3の化合物又は1−フェノキシ−2−プロパノールが好ましく、特にフェノキシエタノール(Rがエチレン基であり、nが1の化合物)が好適である。なお、一般式(1)の化合物はn=1〜3の化合物の混合物であってもよく、n=4以上の化合物も含有していてもよいが、n=1〜3の化合物100重量部に対して、n=4の化合物が10質量部以下であることが望ましい。
本発明の水性組成物では、本発明の効果を発揮するために水を含有する。水は組成物中に少なくとも30質量%含有される。
<その他成分>
本発明の方法で用いる水性組成物は、処理対象物に(a)成分及び(b)成分を効果的に浸透させる目的から、浸透剤として作用する界面活性剤〔以下(c)成分という〕を含有することが好適である。
(c)成分の界面活性剤としては、炭素数9〜18の炭化水素基を1つ以上有し、水中においてcmc(臨界ミセル濃度)を有する化合物であり、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤を挙げることができる。
陰イオン界面活性剤としては、炭素数9〜15のアルキルベンゼンスルホン酸塩、炭素数10〜16の石鹸、炭素数10〜16のアルキル硫酸塩、平均付加モル数1〜4のオキシアルキレン基(アルキレン基はエチレン基又はプロピレン基)と、アルキル基の炭素数が10〜16のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、炭素数10〜14のアルコールのスルホコハク酸ジエステル塩、α-スルホ脂肪酸(炭素数10〜18)低級アルキル(炭素数1又は2)エステル塩を挙げることができる。
非イオン界面活性剤としては、平均付加モル数4〜30のオキシアルキレン基(アルキレン基はエチレン基又はプロピレン基)、アルキル基の炭素数が10〜16のポリオキシエチレンアルキルエーテル、炭素数8〜16のアルキルグリコシド(グルコースの平均縮合度は1〜2)、アミド基、エステル基又はアミド基で分断されていてもよい炭素数10〜18のアルキル基を1つと残りが炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である、3級アミンオキサイドを挙げることができる。
陽イオン界面活性剤としては、炭素数8〜14のアルキル基が1又は2個と残りが炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基、もしくはベンジル基であるテトラアルキルアンモニウム塩を挙げることができる。
両性界面活性剤としてはアミド基、エステル基又はアミド基で分断されていてもよい炭素数10〜18のアルキル基を1つと2−ヒドロキシスルホプロピル基、スルホプロピル基、又はカルボキシメチル基から選ばれる基を1つと、残りが炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であるヒドロキシスルホベタイン、スルホベタイン、カルボベタインを挙げることができる。
(c)成分としては、
(c1):炭素数9〜15のアルキルベンゼンスルホン酸塩、炭素数10〜16の石鹸、炭素数10〜16のアルキル硫酸塩、平均付加モル数1〜4のオキシアルキレン基(アルキレン基はエチレン基又はプロピレン基)と、アルキル基の炭素数が10〜16のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩から選ばれる陰イオン界面活性剤、
(c2):アミド基、エステル基又はアミド基で分断されていてもよい炭素数10〜18のアルキル基を1つと2−ヒドロキシスルホプロピル基を1個と残りが炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であるスルホベタインから選ばれる両性界面活性剤、並びに
(c3):平均付加モル数4〜30のオキシアルキレン基(アルキレン基はエチレン基又はプロピレン基)と、アルキル基の炭素数が10〜16のポリオキシエチレンアルキルエーテル、炭素数8〜16のアルキルグリコシド(グルコースの平均縮合度は1〜2)、アミド基、エステル基又はアミド基で分断されていてもよい炭素数10〜18のアルキル基を1つと残りが炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である3級アミンオキサイドから選ばれる非イオン界面活性剤、
から選ばれる2種以上の界面活性剤の組み合わせが、浸透性を高める点、及び後述する好ましい粘度に調整する目的から好適である。界面活性剤を含有するときは、(c3)成分を必ず含むことが好ましい。
本発明の方法で用いる水性組成物は、(a)及び(b)成分、必要に応じて(c)成分を水に溶解させて得られる。使用する水はイオン交換水などの微量に溶解している金属成分を除去した水を用いることができ、また、次亜塩素酸などの殺菌剤を0.1〜3ppm溶解させた滅菌水などを用いることもできるが、前記殺菌剤は水性組成物に対して防腐効果を付与するためのものであり、本発明の悪臭抑制効果の発現には、前記殺菌剤は不要である。
本発明の方法で用いる水性組成物における各成分の含有割合は、次のとおりである。
(a)成分は、好ましくは0.001〜1質量%、より好ましくは0.001〜0.5質量%、特に好ましくは0.005〜0.5質量%であり、(b)成分は、好ましくは0.2〜10質量%、より好ましくは0.3〜10質量%、特に好ましくは0.3〜5質量%である。(a)成分及び(b)成分は、水性組成物を原液として用いる場合を考慮すると下限値以上の含有割合が好ましく、水性組成物の安定性と、原液として用いる場合に処理後の水性組成物自体の匂いが気にならない程度であることを考慮すると、上限値以下であることが好ましい。
(a)成分と(b)成分の質量比〔(a)/(b)〕は、好ましくは0.0001〜0.5、特に好ましくは0.001〜0.5である。
(c)成分を含有するときの割合は、好ましくは1〜60質量%、より好ましくは10〜60質量%、特に好ましくは15〜60質量%である。
本発明の方法で用いる水性組成物は、(a)成分及び(b)成分の効果をさらに向上させる目的から、金属封鎖剤〔(d)成分〕を含有することが好ましく、下記(1)〜(7)の化合物を例示することができる。
(1)フィチン酸などのリン酸系化合物又はこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩;
(2)エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸及びその誘導体、エタンヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸などのホスホン酸又はこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩;
(3)2-ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1-ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸などのホスホノカルボン酸又はこれのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩;
(4)アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシンなどのアミノ酸又はこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩;
(5)ニトリロ三酢酸、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、ジエンコル酸、アルキルグリシン−N,N−ジ酢酸、アスパラギン酸−N,N−ジ酢酸、セリン−N,N−ジ酢酸、グルタミン酸二酢酸、エチレンジアミンコハク酸などのアミノポリ酢酸又はこれらの塩、好ましくはアルカリ金属塩、もしくはアルカノールアミン塩;
(6)ジグリコール酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、リンゴ酸、グルコン酸、カルボキシメチルコハク酸、カルボキメチル酒石酸などの有機酸又はこれらのアルカリ金属塩、もしくはアルカノールアミン塩;
(7)アミノポリ(メチレンホスホン酸)、そのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩、ポリエチレンポリアミンポリ(メチレンホスホン酸)又はアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩を挙げることができる。
これらの中で、上記(2)、(5)、及び(6)からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、上記(5)、(6)からなる群より選ばれる少なくとも1種がさらに好ましい。最も好ましい(d)成分は、クエン酸又はその塩である。
本発明の方法で用いる水性組成物中の(d)成分の含有割合は、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.3〜7質量%、特に好ましくは0.7〜7質量%である。
本発明の方法で用いる水性組成物は、安定化剤としてエタノールやプロパノールなどの低級アルコール、p−トルエンスルホン酸塩などのハイドロトロープ剤、防腐剤、着色剤などを任意に含有することができる。
本発明の方法で用いる水性組成物は、悪臭抑制の観点から、揮発性の(a)成分を処理対象物に長く留めておくことが効果的であり、20℃における粘度は15〜300mPa・sが好ましく、より好ましくは20〜300mPa・s、特に好ましくは20〜250mPa・sである。
粘度の調整には増粘剤などを用いることもできるが、(c)成分を含有することで調整することが好ましい。具体的には(c1)成分、(c2)成分、(c3)成分を、(c1)成分/〔(c2)成分+(c3)成分〕=0.05〜5.0、好ましくは0.05〜3.0、特に好ましくは0.05〜2.0の質量比で含有することで、上記粘度範囲に調整することが好ましい。
本発明の方法で用いる水性組成物は、20℃におけるpHは5.5〜7.4が好ましく、より好ましくは6.0〜7.4である。pHは、塩酸、硫酸、燐酸などの酸剤と炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウムなどの無機塩基を用いて調整することができる。
本発明の方法で用いる水性組成物あって、(a)〜(c)成分と水を含有し、上記粘度範囲に調整したものは、そのまま含硫黄アミノ酸及び/又は含硫黄アミノ酸を含む蛋白質が存在する廃棄物用又は排水口用の悪臭発生抑制剤としても使用することができる。
<悪臭の発生を抑制する方法(悪臭抑制方法)>
本発明の悪臭抑制方法は、上記した水性組成物を、含硫黄アミノ酸及び/又は含硫黄アミノ酸を含む蛋白質が存在する処理対象物に接触させることにより、前記タンパク質から発生する悪臭の発生を抑制する方法である。
悪臭は、前記タンパク質がメチオニンリアーゼやシステインリアーゼの作用で分解して発生した揮発性硫黄化合物が大きな発生源となるものと考えられる。不快臭成分である揮発性硫黄化合物のうち、硫化水素は含硫アミノ酸であるシステインからシステイン脱硫黄酵素により生成され、メチルメルカプタンはメチオニンからメチオニナーゼ(メチオニン-γ-リアーゼ)の作用によって生成される。さらにジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィドは、メチルメルカプタンや硫化水素から酵素的、あるいは酸化的に生成される。
本発明の悪臭抑制方法では、処理対象に対して上記の水性組成物を接触させる。
本発明の悪臭抑制方法を適用する処理対象としては、生ゴミなどの廃棄物、汚水が流れたり、付着して滞留したりする排水口等である。
水性組成物を処理対象に接触させる方法としては、噴霧する方法や散布する方法等が好適である。接触後には、好ましくは30分以上、より好ましくは1時間以上、放置することが好ましい。
本発明の悪臭抑制方法では、生ごみなどの廃棄物に水性組成物を接触させるときには、抑制効果を高めるため、廃棄物に接触する(a)成分の量が、好ましくは1〜10000ppm(質量基準)、より好ましくは1〜5000ppm、特に好ましくは5〜5000ppmになるように接触させる。また(b)成分の量は、好ましくは200ppm(質量基準)〜100000ppm、より好ましくは300ppm〜100000ppm、特に好ましくは300ppm〜50000ppmになるように接触させる。
本発明の悪臭抑制方法では、排水口に水性組成物を接触させるときには、抑制効果を高めるため、水性組成物の原液をそのまま塗布してもよく、希釈して使用してもよい。その場合は上記濃度の範囲内にあることが望ましい。なお、塗布方法としては、液体をそのまま流し込む方法の他、粘度が60mPa・s以下の場合は、スプレーヤーを用いて噴霧してもよく、或いは起泡装置を備えた容器から泡として付着させることもできる。
本発明の悪臭抑制方法を廃棄物等の処理対象に適用することにより、下記の作用により、悪臭が抑制される。
含硫黄アミノ酸及び/又は含硫黄アミノ酸を含む蛋白質に含まれるアミノ酸の代表例としてメチオニン、蛋白質の代表例としてシステインを挙げることができる。このような化合物は、細菌に由来するメチオニナーゼやシステイン脱硫黄酵素などの作用で揮発性硫黄化合物を発生させることから、悪臭の原因となる。本発明の悪臭抑制方法で用いる水性組成物に含まれる(或いは廃棄物用又は排水口用の悪臭発生抑制剤に含まれる)(a)成分は、このような酵素の活性を阻害する作用を有するものであり、(b)成分は、(a)成分の前記阻害作用を増強する作用をするものと考えられる。従って、本発明の悪臭抑制方法で用いる水性組成物には、抗菌剤や殺菌剤等を含有させて抗菌/殺菌効果を発揮させる必要はなく、非常に少ない濃度の有効成分で優れた悪臭発生抑制効果を得ることができる。
<悪臭発生抑制効果>
〔試験菌液の調製方法〕
8家庭の台所シンク排水トラップ中の汚水を10mLずつ採取した。採取した汚水は、室温状態にて実験室に輸送した。輸送後、直ちにミュラー・ヒントン培地(ベクトンディッキンソン社)5mLを入れた滅菌遠沈管(50mL容)中に、上記汚水0.1mLを添加し、ボルテックスミキサーにて攪拌した。上記滅菌遠沈管を25℃の恒温槽に静置し、24時間培養し、試験菌液とした。
上記試験菌液10μLを滅菌済み110mLねじ口瓶に入れ、菌液上に3.5°DH硬水にて36%に希釈した試験サンプル50μLを添加し、密閉した後、25℃で6時間静置した。
6時間静置後、臭気判定士2名を含む5名のパネルにより、防臭評価を下記の5段階で行い平均点を求めた。
0:無臭
1:やや臭う
2:臭う
3:とても臭う
4:耐えられないほど臭う
実施例1〜14、比較例1〜3
表1に示す水性組成物を調製し、それらを用いて上記の悪臭抑制効果の確認試験を行った。pHは0.1規定硫酸水溶液及び0.1規定水酸化ナトリウム水溶液で調節した。結果を表1に示す。なお、表に示す水性組成物は、20℃における粘度が、20〜40mPa・sの範囲のものである。
Figure 0005329852
(b)
PHG30:ポリオキシエチレン(3モル)フェニルエーテル(日本乳化剤株式会社製)
(c1)
ES:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム〔原料アルコールは、1−デセン及び1−ドデセン50/50(質量比)を原料にヒドロホルミル化して得られたアルコールである。このアルコールにエチレンオキシドを平均2モル付加させた後、三酸化硫黄により硫酸化し、水酸化ナトリウムで中和した。全ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム中の全ポリオキシエチレン分岐鎖アルキルエーテル硫酸エステルナトリウムの割合は42質量%であった。〕
(c2)
AO:N−ラウリル−N,N−ジメチルアミンオキシド
(c3)
ノニオン:炭素数12、13混合アルキル2級アルコールに、EOを平均7モル付加させたもの(ソフタノール70H、日本触媒株式会社製)
(その他)
PPG1000:重量平均分子量1000のポリプロピレングリコール
防腐剤:プロキセルBDN(アビシア株式会社製)
p−TS:p−トルエンスルホン酸ナトリウム

Claims (11)

  1. (a)オクタナール及びデカナールから選ばれる少なくとも1種の化合物と、メチルジヒドロジャスモネート、シス−ジャスモン及びβ−ダマスコンから選ばれる少なくとも1種の化合物、
    (b)フェノキシグリコール系溶剤、
    (c)界面活性剤、及び
    (d)金属封鎖剤を含有する、20℃における粘度が15〜300mPa・sである水性組成物を、含硫黄アミノ酸及び/又は含硫黄アミノ酸を含む蛋白質が存在する処理対象物に接触させる、悪臭の発生を抑制する方法。
  2. 前記水性組成物中、(a)成分が0.001〜1質量%であり、(b)成分が0.2〜5質量%である、請求項1記載の方法。
  3. 前記水性組成物中、(c)成分を10〜60質量%含有する、請求項1又は2記載の方法。
  4. (c)成分が、
    (c1):炭素数9〜15のアルキルベンゼンスルホン酸塩、炭素数10〜16の石鹸、炭素数10〜16のアルキル硫酸塩、平均付加モル数1〜4のオキシアルキレン基(アルキレン基はエチレン基又はプロピレン基)と、アルキル基の炭素数が10〜16のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩から選ばれる陰イオン界面活性剤、
    (c2):アミド基、エステル基又はアミド基で分断されていてもよい炭素数10〜18のアルキル基を1つと2−ヒドロキシスルホプロピル基を1個と残りが炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であるスルホベタインから選ばれる両性界面活性剤、並びに
    (c3):平均付加モル数4〜30のオキシアルキレン基(アルキレン基はエチレン基又はプロピレン基)と、アルキル基の炭素数が10〜16のポリオキシエチレンアルキルエーテル、炭素数8〜16のアルキルグリコシド(グルコースの平均縮合度は1〜2)、アミド基、エステル基又はアミド基で分断されていてもよい炭素数10〜18のアルキル基を1つと残りが炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である3級アミンオキサイドから選ばれる非イオン界面活性剤、
    から選ばれる2種以上の界面活性剤の組み合わせである、請求項1〜3の何れか記載の方法。
  5. 前記水性組成物が(c1)成分、(c2)成分、(c3)成分を、(c1)成分/〔(c2)成分+(c3)成分〕=0.05〜5.0の質量比で含有する、請求項4に記載の方法。
  6. 前記水性組成物を処理対象となる廃棄物に接触させるとき、(a)成分が1〜10000ppm(質量基準)、(b)成分が200ppm〜100000ppm(質量基準)の割合で接触されるようにする請求項1〜5の何れか記載の方法
  7. (a)オクタナール及びデカナールから選ばれる少なくとも1種の化合物と、メチルジヒドロジャスモネート、シス−ジャスモン及びβ−ダマスコンから選ばれる少なくとも1種の化合物、
    (b)フェノキシグリコール系溶剤、
    (c)界面活性剤、
    (d)金属封鎖剤及び水を含有し、20℃における粘度が15〜300mPa・sである、廃棄物用又は排水口用の悪臭発生抑制剤。
  8. (a)成分が0.001〜1質量%であり、(b)成分が0.2〜5質量%である、請求項7記載の悪臭発生抑制剤。
  9. (c)成分を10〜60質量%含有する、請求項7又は8記載の悪臭発生抑制剤。
  10. (c)成分が、
    (c1):炭素数9〜15のアルキルベンゼンスルホン酸塩、炭素数10〜16の石鹸、炭素数10〜16のアルキル硫酸塩、平均付加モル数1〜4のオキシアルキレン基(アルキレン基はエチレン基又はプロピレン基)と、アルキル基の炭素数が10〜16のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩から選ばれる陰イオン界面活性剤、
    (c2):アミド基、エステル基又はアミド基で分断されていてもよい炭素数10〜18のアルキル基を1つと2−ヒドロキシスルホプロピル基を1個と残りが炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であるスルホベタインから選ばれる両性界面活性剤、並びに
    (c3):平均付加モル数4〜30のオキシアルキレン基(アルキレン基はエチレン基又はプロピレン基)と、アルキル基の炭素数が10〜16のポリオキシエチレンアルキルエーテル、炭素数8〜16のアルキルグリコシド(グルコースの平均縮合度は1〜2)、アミド基、エステル基又はアミド基で分断されていてもよい炭素数10〜18のアルキル基を1つと残りが炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である3級アミンオキサイドから選ばれる非イオン界面活性剤、
    から選ばれる2種以上の界面活性剤の組み合わせである、請求項7〜9の何れか記載の悪臭発生抑制剤。
  11. (c1)成分、(c2)成分、(c3)成分を、(c1)成分/〔(c2)成分+(c3)成分〕=0.05〜5.0の質量比で含有する、請求項10に記載の悪臭発生抑制剤。
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