JP4663600B2 - 消臭剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、消臭剤組成物に関し、特にアルデヒド臭及びアミン臭、特に脂肪族アルデヒド臭の除去に効果的な消臭剤組成物であって、ごみバケツ、流しのごみ受けかご等の生ごみに由来する消臭、並びに台所のグリルやレンジ廻りの調理機器に付着した変性油汚れに由来する消臭に効果的な消臭剤組成物に関する。
アルカノールアミンを含有する消臭剤の技術は特許文献1、2を参考にすることができ、特に特許文献1にはクエン酸などの有機酸との併用が開示されている。
特開平7−88168号公報、 特開2006−7062号公報
近年、生活空間の消臭に関心が高まりつつあり、各用途に応じて各種の消臭剤が開発されている。最近は、キッチンとリビングとが繋がった構造になっている家が大多数を占めている。当然ながら台所廻りの臭いは直接リビングに影響するため、各家庭では生ゴミ用のごみバケツを屋外に置くことや、最近では生ゴミ専用の冷蔵庫を備えたシステムキッチンが販売されている。このような生ゴミ由来の臭いに限らず、調理機器からの臭いも不快臭の原因となっている。特に台所のレンジ廻りや魚焼きグリル特有の臭いや、それら調理機器にこびりついた臭いは、通常の洗浄剤では除去しきれないだけでなく、洗浄時に食材由来の変性油脂が洗浄剤によって溶かし出されることによって、保持されていた悪臭成分が開放されるため、台所周辺に特有の生臭い臭いを発生する。このような臭いを根源から除去することが強く求められる。
一方、特許文献1、2には、アミン臭とイオウ系臭を効率に除去できることが記載されているが、変性油脂などに保持された悪臭成分に対してはまだ十分な効果を有しているとは言いがたい。本発明者らは、変性油脂からの不快臭の一つにデカジエナールなど直鎖脂肪族アルデヒドを見出しているが、これら先行技術はアルデヒド臭を除去の影響を考慮しておらず、変性油脂や焼き魚由来の臭いの消臭に対して十分ではない。
従って本発明の課題は、生ゴミ由来の悪臭及び変性油汚れ由来の悪臭に対して優れた消臭効果を示す消臭剤組成物を提供することにある。
本発明は、(a)アルカノールアミン化合物、(b)分子中にカルボン酸基を2〜5個有するポリカルボン酸化合物、及び水を含有し、〔(a)成分から算定される組成物中のアミノ基のモル濃度〕/〔(b)成分から算定される組成物中のカルボン酸基のモル濃度〕が9〜25であり、且つ(a)成分及び(b)成分の合計濃度が2〜7質量%〔但し、(a)成分の濃度はアミン形態として、また(b)成分の濃度は酸形態として換算する〕であり、(b)成分の組成物の含有量は2質量%以下であって、20℃でのpHが9.0以上、11.5以下である消臭剤組成物に関する。
本発明によれば、生ゴミ由来の悪臭及び変性油汚れ由来の悪臭に対して優れた消臭効果を示す消臭剤組成物が得られる。
生活臭の臭いに含まれるアミン臭や硫黄臭は一般的に知られている、本発明者らはレンジフィルターや魚焼きグリルなどに付着した変性油脂中の悪臭成分を分析したところ、蛋白質などが酸化分解したアミン化合物や油脂の分解物であるデカジエナールなどの直鎖脂肪族アルデヒドが特有の生臭い臭いの原因であることを見出した。このような臭い物質の消臭には一般の緩衝系消臭だけでは不十分であり、本発明の(a)成分及び(b)成分の組み合わせにより高い消臭効果を得ることが可能となる。
<(a)成分>
本発明の(a)成分はアルカノールアミン化合物である。アルカノールアミンのヒドロキシアルキル基はヒドロキシプロピル基及びヒドロキシエチル基から選ばれるものが好ましく、アルカノールアミンのうち2級又は3級アミノ基を有するものとしては、メチル基、エチル基を有していてもよい。また、アミノ基の数は1〜3の化合物を挙げることができる。本発明では、1級アミノ基を有する化合物として、モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールが挙げられ、2級アミノ基を有する化合物としてジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、ジブタノールアミン、モノエタノールモノメチルアミンが挙げられ、3級アミノ基を有する化合物として、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミンを挙げることができる。本発明ではこれらの中でもアルデヒド臭の効率的な除去のために、1級アミノ基、2級アミノ基を有するものが好ましく、更には1級アミノ基を有するアルカノールアミンが好ましく、特にはモノエタノールアミンが好ましい。アルカノールアミン化合物はアミン類の中でも、アミン特有の臭いが特に少ない化合物である。さらに特にモノ、ジ及びトリ体のうちトリ体が最もアミン臭が少なく感じられ、次いでジ体が少なく感じられる。従来技術が3級アミンを使用している理由はここにあるが、しかしながら本発明では、モノ体が最も好ましく、次にジ体であって全く逆であるところに本発明と先行技術との明らかな違いがある。
本発明の消臭剤組成物中の(a)成分の含有量は、十分な消臭効果を得るために、好ましくは1.5質量%以上であり、より好ましくは2〜5.5質量%である。
<(b)成分>
本発明の(b)成分は、分子中にカルボン酸基を2〜5個有するポリカルボン酸化合物である。ポリカルボン酸化合物は塩であってもよい。
分子中にカルボン酸基を2〜5個有するポリカルボン酸化合物としては、分子量90〜500のポリカルボン酸が好適であり、具体的には下記(b1)群及び(b2)群から選ばれる1種以上の化合物が好適である。
(b1)群;ニトリロ三酢酸、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、ジエンコル酸、アルキルグリシン−N,N−ジ酢酸、アスパラギン酸−N,N−ジ酢酸、セリン−N,N−ジ酢酸、グルタミン酸二酢酸、エチレンジアミンコハク酸などのアミノポリ酢酸又はこれらの塩、好ましくはアルカリ金属塩。
(b2)群;ジグリコール酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、リンゴ酸、オキシジコハク酸、グルコン酸、カルボキシメチルコハク酸、カルボキメチル酒石酸などの有機酸又はこれらのアルカリ金属塩。
本発明では特に分子中にカルボン酸基が3〜5個有する分子量190〜500のポリカルボン酸化合物又はその塩が好ましく、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グルタミン酸二酢酸、アスパラギン酸−N,N−ジ酢酸及びこれらの塩が好ましく、特にクエン酸が好ましい。
(b)成分は(a)成分と組み合わせることで緩衝作用を消臭剤組成物に付与する。一般的にアミノ化合物とポリカルボン酸はアミノ基とカルボン酸基が当モル付近からカルボン酸基が多い比率で用いられる。これはアミン系の悪臭成分を効率よく除去する目的であるが、このような比率では本発明の目的とする変性油脂に由来する臭い、特にアルデヒドに由来する悪臭成分を消臭することができない。
本発明の消臭剤組成物中の(b)成分の含有量は、処理表面の白化、ベタ付きの防止及び処理周囲を汚さないために2質量%以下である。特には1.5質量%以下、更に1質量%以下である。また十分な効果を得る上で好ましくは0.1質量%以上である。
本発明ではアミン系悪臭成分、及びアルデヒド系悪臭成分の両者を除去する目的から、〔(a)成分から算定される組成物中のアミノ基のモル濃度〕/〔(b)成分から算定される組成物中のカルボン酸基のモル濃度〕=9〜25、好ましくは10〜23、より好ましくは11〜21である。例えば、1Lの水にクエン酸が2モル溶解している場合は、カルボン酸基のモル濃度は、3(クエン酸1モル当たりのカルボン酸基の数)×2(クエン酸のモル数)=6(モル/L)となる。同様に、1Lの水にリンゴ酸が2モル溶解している場合は、2(リンゴ酸1モル当たりのカルボン酸基の数)×2(リンゴ酸のモル数)=4(モル/L)となる。(a)成分についても同様にしてアミノ基のモル濃度を算出し、上記の比率を計算する。
また、組成物中の(a)成分及び(b)成分の合計濃度は2〜7質量%、好ましくは2.5〜6質量%、より好ましくは3〜6質量%である。(a)成分、(b)成分の配合濃度を高めることで、効果は高まるが、溶解性の問題や、処理後の剤の残留を考慮して上限が定められる。なお配合の際は、互いの塩であってもよく、別々の塩として配合してもよいが、前記濃度限定は(a)成分の濃度はアミン形態として、(b)成分の濃度は酸形態として換算するものとする。
本発明において、組成物中の(b)成分の濃度、カルボン酸基のモル濃度は、いずれも、酸形態の(b)成分に基づいて算出される。
本発明の消臭剤組成物の残部は水である。使用される水は微量に存在する金属などの成分や、硬度が高い場合は硬度成分を除去したイオン交換水などを使用することが好ましい。
本発明では組成物のpHが重要である。pHは20℃で測定したときの数値が、9以上、更には9.5以上、特には10以上であり、上限は11.5以下、更には11.2以下、特には11以下である。アルデヒド臭の消臭のために、組成物はアルカリ性でなければならず、具体的には下限のpH値が必要であり、またアミン臭の除去のみならず、高すぎるpHは(a)成分のアルカノールアミンの臭いを生じさせる原因になるため、上限が設定される。pHは前記(a)成分と(b)成分の条件を満たす限り、補助的に塩酸、硫酸、アルカリ金属水酸化物を用いて調整してもよい。
なお本発明には、前記消臭剤組成物の消臭効果を更に高めるために、香料成分として以下に示す特定の化合物を含有することが好ましい。
<(c)成分及び(d)成分>
本発明の消臭剤組成物は(c)成分であるリモネンと、(d)成分であるエチル−2−メチルペンタノエート[以下(d1)成分という]、2,4,6−トリメチル−2−フェニル−1,3−ジオキサン[以下(d2)成分という]、4−(4−メチル−3−ペンテニル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド[以下(d3)成分という]から選ばれる一種以上の化合物とを含有することで、より消臭効果が高まる。これらは香料成分として知られている化合物であり、本発明では消臭効果を高める点で選択される化合物である。なお、(d1)成分の別名はマンザネート(MANZANATE)、(d2)成分の別名はフロロパール(FLOROPAL)、(d3)成分の別名はマイラックアルデヒド(MYRAC ALDEHYDE)として知られている
(c)成分は柑橘系の植物精油として配合しても良く、具体的な植物精油としては、たとえばオレンジオイル、レモンオイル、ライムオイル、グレープフルーツオイルなどがあげられる。また(d)成分としては、(d1)〜(d3)成分の3つの化合物の1種以上が用いられるが、2種以上の化合物、特に3つの化合物の全てを含有することが好ましい。また(c)成分/(d)成分の配合比率は、質量比で2〜100、好ましくは10〜70である。本発明の消臭剤組成物では、(c)成分と(d)成分とを合わせた成分を主成分とする香料組成物を用いることが好ましい。
具体的には、(c)成分、(d)成分を含有する下記組成の香料組成物〔以下、香料組成物(I)という〕が好ましい。すなわち(c)成分のリモネン100質量部に対して、(d)成分、その他香料成分〔(cd)成分とする〕を次の比率で含有するものが望ましい。
(c):リモネン100質量部
(d1):エチル−2−メチルペンタノエート0.01〜20質量部、特に好ましくは0.1〜10質量部
(d2):2,4,6−トリメチル−2−フェニル−1,3−ジオキサン0.01〜50質量部、特に好ましくは0.1〜30質量部
(d3):4−(4−メチル−3−ペンテニル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド0.01〜20質量部、特に好ましくは0.1〜10質量部
(cd):その他香料化合物0〜400質量部、特に好ましくは0〜100質量部。
なお一般に香料成分には、保留剤、希釈剤と呼ばれる化合物、例えばフタル酸ジエチル、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチエングリコール、ジプロピレングリコール、クエン酸トリエチル、パルミチン酸イソプロピル、安息香酸ベンジル、イソパラフィンなどが配合されているが、前記のその他香料化合物には保留剤、希釈剤を含まないものとする。(c)成分及び(d)成分以外のその他香料化合物[(cd)成分]は、「香料の調香の基礎知識」中島基貴著、産業図書(株)1995年6月21日初版に記載のものを使用することができるが、特にアルコール系香料としてはリナロール、ゲラニオール、シス-3-ヘキセノール、メントール、フェニルエチルアルコール、フェニルヘキサノール、エステル系香料としては酢酸リナリル、酢酸ベンジル、ケトン系香料としてはメントン、ジヒドロジャスモン酸メチル、エーテル系香料としてシネオールなどを配合することが望ましい。
上記香料組成物(I)は、十分な消臭効果を得るために本発明中に0.01〜1質量%、更には0.05〜0.5質量%含有することが好ましい。
<(e)成分>
(c)成分、(d)成分は油性の物質であることから、消臭剤水溶液中で分離する場合があるため、これらを配合する場合は、本発明の消臭剤組成物に、消臭剤に一般的に用いられている界面活性剤及び又は有機溶剤を併用することができる。特にアルキルグリセリルエーテル系溶剤及び/又はグリコール系溶剤〔以下(e)成分という〕を併用すると消臭効果を高めることができるため好適である。
アルキルグリセリルエーテル系溶剤としては炭素数4〜10のアルキルモノグリセリルエーテル、アルキルジグリセリルエーテルから選ばれる1種以上が好ましい。また、アルキル基は分岐アルキル基が好ましく、具体的にはイソアミルモノグリセリルエーテル、イソアミルジグリセリルエーテル、2−エチルヘキシルモノグリセリルエーテル、2−エチルヘキシルジグリセリルエーテル、イソノニルモノグリセリルエーテル、イソノニルジグリセリルエーテル、イソデシルモノグリセリルエーテル、イソデシルジグリセリルエーテルを挙げることができ、特にイソアミルモノグリセリルエーテル、2−エチルヘキシルモノグリセリルエーテルが消臭効果の点から好ましい。
グリコールエーテル系溶剤としては下記一般式(1)の化合物が好ましい。
1−(O−R2n−O−R3 (1)
〔式中、R1、R3は、水素原子、炭素数1〜8の炭化水素基、好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、またはアリールアルキル基であり、R2は炭素数2〜4の分岐鎖を有していてもよいアルキレン基である。nは1〜5の数である。〕
一般式(1)の化合物の具体的例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数1〜5)モノフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数1〜5)モノベンジルエーテルから選ばれるグリコール系溶剤が挙げられる。
本発明の消臭剤組成物は、(e)成分を0〜10質量%、更に0.1〜10質量%、特に2〜8質量%含有することが好ましい。
<その他成分>
本発明の消臭剤組成物には、その他として、着色剤、パラトルエンスルホン酸塩などのハイドロトロープ剤、界面活性剤、キサンタンガムなどの増粘剤、銀塩、亜鉛塩及び銅塩などの公知の消臭成分、抗菌・抗カビ剤、酸化防止剤など[(f)成分とする]を含有してもよい。
本発明の消臭洗浄剤の好ましい組成例を以下に示す。
(a)モノエタノールアミンを1.5質量%以上(但し(a)成分濃度はアミン形態として換算する)、(b)クエン酸及びその塩を2質量%以下(但し(b)成分濃度は酸形態として換算する)、下記香料組成物(I’)0.01〜0.5質量%、(e)水溶性溶剤0〜10質量%、(f)任意成分[(e)成分を除く]0〜10質量%及び残部の水からなり、(a)+(b)=2〜7質量%(但し(a)成分濃度及び(a)成分濃度は酸形態として換算する)、且つ〔(a)成分から算定される組成物中のアミノ基のモル濃度〕/〔(b)成分から算定される組成物中のカルボン酸基のモル濃度〕=10〜23であり、20℃のpHが10.5〜11である液体消臭剤組成物。
*香料組成物(I’)
(c)リモネン100質量部
(d)(d1)エチル−2−メチルペンタノエート0.1〜10質量部、(d2)2,4,6−トリメチル−2−フェニル−1,3−ジオキサン0.1〜30質量部、(d3)4−(4−メチル−3−ペンテニル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド0.1〜10質量部
(cd)その他香料化合物0〜100質量部
<使用方法>
本発明の消臭剤組成物は、液体をそのまま対象物に塗布する方法のほかに、噴霧装置を備えた容器に充填してスプレーして用いる方法、布帛に含浸させたものを用いて対象表面を処理する方法などが挙げられる。本発明は匂いの元になるものに対して直接吹き付けないし噴霧して使用することが好適である。生ゴミ由来の臭いを対象にする場合は、直接噴霧することが好ましい。レンジやグリルなどは塗布または噴霧処理後に布帛でふき取ってもよいし、水で濯いでもよい。特に変性油脂汚れを除去後に浸漬や拭き取りなどの処理を施すことで、今まで洗浄だけでは十分取り切れなかった臭いを消臭することができる。
本発明の消臭剤組成物は、洗浄剤に応用することができる。特に硬表面用洗浄剤に用いることが好ましく、その場合は前記(a)〜(d)成分を必須成分とする他に、水溶性溶剤及び界面活性剤の少なくとも何れかを必須成分とする。また界面活性剤として陰イオン性界面活性剤を用いる場合は、その塩として(a)成分を用いることができる。洗浄剤に用いることで、洗浄中の変性油脂から溶け出した臭気物質が除去され好適である。
表1及び2に示した消臭剤組成物を調製した。次にトリガー式噴霧装置を備えた容器として、トイレマジックリン消臭洗浄スプレー(商標)(花王株式会社製、05年03月製造品)の中身(洗浄剤溶液)を取り出し、十分に水洗いを行い、除菌(エタノール)処理をした後、乾燥したものを用意した。表1及び2に記載された消臭剤組成物300mlを該容器に充填し、下記評価方法に従って消臭効果を調べた。なお、最終的には組成のpHは、水酸化ナトリウム水溶液又は塩酸水溶液により表の数値に調整された。
<消臭対象の調整及び評価方法>
消臭対象として、焼き魚の匂い及び変性油の匂いを選んだ。焼き魚の匂いは、秋刀魚を2匹、魚焼きグリルで一般的な方法で焼魚として調理し、調理の際にグリルに付着した油を用いた。更にナタネ油変性油は、未変性のナタネ油を加熱(フラスコ内で200℃、24時間)することで調製した。これら各油を1つのステンレス製ボール(直径20cm、深さ10cm)に0.05gずついれた。
この2種類の油の入ったステンレス製ボールを、40cm×40cm×30cm大きさで、底がなく側面に噴霧のための10cm×10cmの窓が設けられた、アクリル製のボックスを被せ、10時間放置し、ボックス内に匂い充満させた。その後、側面の噴霧用の窓を静かに開け、前記トリガー式噴霧装置付き容器に充填した消臭剤を、ステンレス製ボール内部の油に向かってトリガーを3回引くことによって処理した。処理後、直ちに窓を閉めて、10分間放置した。放置後、高感度パネラー12人により、下記評価基準に従って判断され数値化された。最終的な消臭結果は、複数得られた評価基準値のうち、最大値と最小値の2点を除いた残りの数値の平均値とした。結果を表1、2に示す。
<評価基準>
0:焼き魚及び油の匂いを非常に強く感じる。(全く消臭効果がない。)
1:焼き魚及び油の匂いを強く感じる。
2:焼き魚及び油の匂いを楽に感じる。
3:焼き魚及び油の匂いを弱く感じる。
4:焼き魚及び油の匂いをかすかに感じる。
5:焼き魚及び油の匂いがしない。(完全に消臭されている。)
Figure 0004663600
Figure 0004663600

Claims (2)

  1. (a)アルカノールアミン化合物、(b)下記(b2)群から選ばれる1種以上の、分子中にカルボン酸基を2〜5個有するポリカルボン酸化合物、及び水を含有し、〔(a)成分から算定される組成物中のアミノ基のモル濃度〕/〔(b)成分から算定される組成物中のカルボン酸基のモル濃度〕が9〜25であり、且つ(a)成分及び(b)成分の合計濃度が2〜7質量%〔但し、(a)成分の濃度はアミン形態として、また(b)成分の濃度は酸形態として換算する〕であり、(b)成分の組成物の含有量は2質量%以下であって、20℃でのpHが9.0以上、11.5以下である消臭剤組成物。
    (b2)群;ジグリコール酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、リンゴ酸、オキシジコハク酸、グルコン酸、カルボキシメチルコハク酸、カルボキメチル酒石酸、及びこれらのアルカリ金属塩。
  2. 更に(c)リモネンと、(d)エチル−2−メチルペンタノエート、2,4,6−トリメチル−2−フェニル−1,3−ジオキサン、4−(4−メチル−3−ペンテニル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒドから選ばれる1種以上の化合物とを含有する請求項1記載の消臭剤組成物。
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