JP4115862B2 - 液体洗浄剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、防臭剤組成物に関し、さらに詳しくは洗浄対象物、あるいは洗浄道具を含水状態で放置しても臭いの発生を引き起こさない優れた防臭効果を有する、液体洗浄剤に有用な防臭剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
一般家庭において臭いに対する不満は恒常化しており、菌による腐敗臭、かび臭などの臭気除去に関心が高まっている。また、その臭気除去は衣料の洗濯や食器の洗浄といった洗浄剤の分野においても盛んに研究がなされており、植物精油を消臭基剤として用いる技術も多く報告されている。例えば特許文献1〜4には特定の植物精油を含有する消臭洗浄剤が開示されている。特許文献5には特定の界面活性剤と植物精油を含有する除菌及び消臭清浄剤組成物が開示されている。特許文献6、7には特定の香料成分を含有する消臭洗浄剤が開示されている。また、植物精油や香料成分以外の殺菌剤を含有する消臭洗浄剤も特許文献8に開示されている。これらは、例えば食器洗い用液体洗浄剤においては、生魚などの食品由来の臭いを除去する方法に用いられる技術である。ところが食器洗浄の道具として用いられるスポンジなどは、長時間水が含まれた状態で放置される場合が多く、このような場合、スポンジ内で菌の繁殖が助長され、菌由来の生臭い臭いが発生する。上記消臭技術では、このような菌の繁殖による臭いの発生を抑制することが困難である。
【0003】
菌に由来する臭いを抑制するためには抗菌剤等を併用することが考えられ、液体洗浄剤に用いることができる多くの種類の抗菌剤が知られている。それらの中には亜鉛化合物を抗菌剤として用いる技術も知られている。特許文献9には抗菌剤を含有する液体洗浄剤組成物が開示されており、該公報の発明の詳細な説明には殺菌剤として亜鉛が有効であることが記載されている。特許文献10には抗菌消臭洗浄性ワックスの技術が開示されており、抗菌作用または消臭作用を有する金属として亜鉛が有効であることが記載されている。特許文献11には粉末洗浄剤に抗菌剤を含有する技術が開示されており、亜鉛が抗菌剤として有効であることが記載されている。特許文献12には亜鉛塩を含有する硬質表面用の抗菌性洗浄剤組成物が開示されており、該公報実施例(Example3)には亜鉛化合物とエタノールの併用が記載されている。
【0004】
しかしながらこれら抗菌剤を含有する洗浄剤を用いても、スポンジなどを含水状態で放置したときの臭いの発生を完全に抑制し得るものではない。また、マスキング効果を有する香料と抗菌剤とを組合せることも考えられるが、抗菌剤を含有する洗浄剤と通常のマスキング効果を有する香料とを併用しても満足できる結果を得ることができない。
【0005】
従って本発明の課題は、食器洗浄の道具として用いられるスポンジなどの含水状態で放置される物品の防臭効果に優れる防臭剤組成物を提供することにある。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−282089号公報
【特許文献2】
特開2000−212597号公報
【特許文献3】
特開2000−234098号公報
【特許文献4】
特開2000−234097号公報
【特許文献5】
特開2000−178581号公報
【特許文献6】
特開2000−290691号公報
【特許文献7】
特開2000−282081号公報
【特許文献8】
特開平10−212489号公報
【特許文献9】
特開2001−181154号公報
【特許文献10】
特開2000−198950号公報
【特許文献11】
特開平7−118696号公報
【特許文献12】
国際公開第00/71653号パンフレット
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)ローズマリーオイル、レモングラスオイル、スペアミントオイル、ハッカオイル、セージオイル及びジンジャーオイルから選ばれる植物精油0.0005〜1質量%、(b)亜鉛0.001〜0.5質量%、並びに水を含有する防臭剤組成物に関する。
【0008】
また、本発明は、(a)ローズマリーオイル、レモングラスオイル、スペアミントオイル、ハッカオイル、セージオイル及びジンジャーオイルから選ばれる植物精油〔以下、(a)成分という〕0.0005〜1質量%、(b)亜鉛〔以下、(b)成分という〕0.001〜0.5質量%、(d)界面活性剤10質量%以上、並びに水を含有し、スポンジを用いる洗浄に供される、防臭性を有する液体洗浄剤に関する
すなわち、本発明は、特定の植物精油及び特定の抗菌剤を特定比率で併用することにより、含水状態で放置された物品に特に優れた防臭効果が付与できるものであるが、このような本発明の特徴は、上記特許文献から何ら示唆されるものではない。
【0009】
【発明の実施の形態】
<防臭剤組成物>
本発明の(a)成分はローズマリーオイル、レモングラスオイル、スペアミントオイル、ハッカオイル、セージオイル及びジンジャーオイルから選ばれる植物精油であり、特にローズマリーオイル、レモングラスオイル及びジンジャーオイルが好ましく、ローズマリーオイルが防臭効果の点から最も好ましい。本発明において、これら植物精油が効果的であり、他のマスキングの香料はこれら植物精油のような優れた効果を発揮しない。
【0010】
本発明の(b)成分の亜鉛は、亜鉛イオンが好ましい。また、亜鉛は、防臭剤組成物中に溶解したときに解離した亜鉛イオンを生成する化合物として配合されることが好ましく、20℃の水100gにおける溶解度が5g以上、更には10g以上の亜鉛塩として配合することが好ましい。このような化合物として具体的には、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、グルコン酸亜鉛、臭化亜鉛、硝酸亜鉛、塩化亜鉛アンモニウム、硫酸亜鉛アンモニウム、硫酸亜鉛アルミニウム、硫酸亜鉛カリウム、ヨウ化亜鉛を挙げることができる。(b)成分の亜鉛は、本発明の防臭剤組成物の安定性を損なわない限り、洗浄剤の場合は陰イオン界面活性剤の対イオンや、後述するクエン酸、フタル酸、コハク酸などの有機ポリカルボン酸の塩であってもよい。本発明では特に亜鉛源は、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、グルコン酸亜鉛が防臭効果の点から好ましい。なお、亜鉛は、解離した亜鉛イオンと解離平衡にある全ての亜鉛を含むものとする。
【0011】
本発明の防臭剤組成物は水溶液の形態で用いることが防臭効果の点から最も好ましく、これは(b)成分である亜鉛がイオンとして水に溶解していることが優れた効果を得るために必要であるためと考えられる。また、水溶液として用いる場合、当該水溶液は、(a)成分を好ましくは0.001〜1質量%、より好ましくは0.0025〜0.8質量%、特に好ましくは0.005〜0.7質量%、また(b)成分を好ましくは0.001〜0.2質量%、より好ましくは0.003〜0.2質量%、特に好ましくは0.005〜0.1質量%含有する。また、水溶液の20℃におけるpHは、好ましくは4〜8、より好ましくは5〜8、特に好ましくは5.5〜8である。pH調節剤としては硫酸、塩酸から選ばれる無機酸、クエン酸、コハク酸から選ばれる有機酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムから選ばれる無機塩基、アルカノールアミン、モルホリンから選ばれる有機塩基を用いることができる。本発明では特に硫酸、塩酸、クエン酸から選ばれる酸、及び水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムから選ばれる塩基によりpHを調整することが好ましい。
【0012】
本発明において、(a)成分及び(b)成分に加えて、防臭効果を向上させる目的からエタノール〔以下、(c)成分という〕を併用することが好ましく、特に防臭剤組成物中の(b)成分の濃度が0.001〜0.09質量%、更に0.005〜0.07質量%の場合に(c)の併用による防臭効果の向上が顕著である。防臭剤組成物中の(c)成分/(b)成分の質量比は、25以上、更に25〜20000、更に50〜15000、特に100〜2000が好ましく、防臭剤組成物中の(c)成分の含有量は、2〜20質量%、更に2〜15質量%、特に2.5〜10質量%が好適である。
【0013】
なお、本発明において、(a)成分を0.05質量%以上用いる場合、(a)成分の可溶化目的で界面活性剤〔後述する(d)成分に相当する〕を0.5〜3質量%含有することが好ましい。このとき、(d)成分としては、アルキル基の炭素数が8〜14であり、平均縮合度が1〜5のアルキルポリグルコシド(なお、本発明において、アルキルポリグルコシドは糖残基がグルコース又はその縮合体の混合物である場合を指し、グルコース以外の糖も指す場合はアルキルポリグリコシドという)、又はアルキル基の炭素数が8〜16であり、エチレンオキシド平均付加モル数が3〜12のポリオキシエチレンアルキルエーテルの非イオン界面活性剤が好適である。
【0014】
本発明の防臭剤組成物は界面活性剤〔以下、(d)成分とする〕及び水を含有する液体洗浄剤に応用することが好ましく、特に食器洗い用液体洗浄剤に応用することで、食器洗いの道具として用いられるスポンジ等の洗浄道具の臭気抑制に特段の効果を付与することができる。すなわち、本発明は、(a)成分、(b)成分及び(d)成分を含有する、防臭性を有する液体洗浄剤を提供する。
【0015】
(d)成分である界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤(d1)、陽イオン界面活性剤(d2)、両性界面活性剤(d3)、非イオン界面活性剤(d4)から選ばれる1種以上が挙げられる。
【0016】
陰イオン界面活性剤(d1)としては分子中に炭素数10〜18、好ましくは10〜16、特に好ましくは10〜15のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸、アルキル(又はアルケニル)硫酸エステル、アルキレンオキシド平均付加モル数1〜6のポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸エステル、オレフィンスルホン酸、アルカンスルホン酸、α−スルホ脂肪酸、α−スルホ脂肪酸エステル及びこれらの塩が好ましい。
【0017】
陽イオン界面活性剤(d2)としては炭素数8〜18のアルキル基又はアルケニル基を1個又は2個有し、残りが炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基又はベンジル基から選ばれる基である4級アンモニウム化合物が好適である。
【0018】
両性界面活性剤(d3)としてはN−アルキル(炭素数8〜14)−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチルアンモニウムカルボベタイン、N−アルキル(炭素数8〜14)−N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシスルホプロピル)アンモニウムスルホベタイン、N−アルキル(炭素数8〜14)−N,N−ジメチル−N−スルホプロピルアンモニウムスルホベタイン、N−アルキル(炭素数8〜14)−N,N−ジメチルアミンオキシド、N−アルカノイル(炭素数7〜13)アミノプロピル−N−アルキル−N,N−ジメチルアミンオキシドから選ばれる1種以上が好適である。
【0019】
非イオン界面活性剤(d4)としてはアルキル基の炭素数8〜14、平均縮合度が1〜5のアルキルポリグリコシド、アルキル基の炭素数8〜16、エチレンオキシド平均付加モル数が3〜12のポリオキシエチレンアルキルエーテルが好適である。
【0020】
本発明では陰イオン界面活性剤(d1)を単独で用いた場合には防臭効果が低下する傾向があるため、陰イオン界面活性剤を用いる場合には、陽イオン界面活性剤(d2)及び/又は両性界面活性剤(d3)を併用することが好適であり、特に[(d2)+(d3)]/(d1)のモル比が0.2〜2、更に0.2〜1.5、特に0.3〜1.2の比率であることが好適である。
【0021】
本発明の防臭剤組成物を液体洗浄剤に応用する場合、洗浄効果の点から、(d)成分を10質量%以上含有することが好ましく、低温貯蔵安定性の点から、10〜60質量%、更に20〜50質量%、特に20〜45質量%含有することが好ましい。
【0022】
本発明の防臭剤組成物又は液体洗浄剤は、目的に応じて金属封鎖剤〔以下、(e)成分という〕を0.01〜10質量%、更に0.01〜3質量%、特に0.01〜2質量%の範囲内で含有することが好適である。ただし、(e)成分は配合量が多すぎると防臭性を低下させる傾向を示すため、注意を要する。
【0023】
(e)成分としては、具体的には分子中に2つ以上のカルボン酸基を有する炭素数1〜8(但しカルボン酸のカルボニル炭素を除く)の多価カルボン酸化合物及びそれらの塩が好適である。具体的には、蓚酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルタルグルタル酸、アジピン酸、n−ブチルマロン酸、アゼライン酸、クエン酸、フタル酸、テレフタル酸、ジグリコール酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、グルコン酸、カルボキシメチル酒石酸から選ばれる有機酸、及びニトリロ三酢酸、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ジエンコル酸殻選ばれるアミノポリ酢酸が好適である。塩としてはナトリウム、カリウム、マグネシウム、及びアルカノールアミンから選ばれる1種以上が好ましく、特にナトリウム及びカリウムが好ましい。なお、これら化合物の多くは上記緩衝作用を示す化合物あるいは同一の化合物が含まれる。本発明においては目的に応じてこれら化合物は緩衝剤として用いても、金属封鎖剤として用いても、さらには両方の作用を目的に用いても差し支えない。
【0024】
エタノール以外の溶剤としては、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどを用いることができるが、亜鉛化合物の溶解性が低下しない程度にとどめるべきであり、具体的には好ましくは5質量%以下、好ましくは3質量%以下にとどめるべきである。
【0025】
ハイドロトロープ剤〔以下、(f)成分という〕としては炭素数1〜3のアルキル基が1〜3個置換したベンゼンスルホン酸又はその塩が好ましく、より具体的好ましい化合物としてはトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、クメンスルホン酸及びこれらのナトリウム、カリウムあるいはマグネシウム塩が良好であり、特にp−トルエンスルホン酸が良好である。好ましい含有量は、防臭剤組成物又は液体洗浄剤中、0.5〜10質量%、更に1〜7質量%、特に2〜5質量%である。
【0026】
本発明では嗜好性の観点から(a)成分の植物精油以外に、他の香料成分〔以下、(g)成分という〕を用いることもできる。しかしながら、防臭効果の妨げとなる場合があるため、用いる香料素材や(a)成分との質量比などに注意を要する。
【0027】
具体的に好ましい(g)成分としてはアセチル-iso-オイゲノール、アネトール、iso-アミルアセテート、アリルアミルグリコレート、アリルヘプタノエイト、アルデヒドC-14ピーチ、アルデヒドC-16ストロベリー、エストラゴール、オイゲノール、l−カルボン、カンファー、カンフェン、ゲラニオール、iso-シクロシトラール、1,8−シネオオール、シトラール、シトロネラール、シトロネロール、ジメトール、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、α-ダマスコン、β-ダマスコン、δ-ダマスコン、ダマセノン、ターピネオール、ターピニルアセテート、ターピノレン、ターピネン-4-オール、チモール、ネロール、o-t-ブチルシクロヘキシルアセテート、cis-3-ヘキセニルアセテート、α―ピネン、β―ピネン、フルテート、ポワレネート、ボルネオール、ポレナールII、iso-ボロニルアセテート、p-メチルアセトフェノン、メチル-iso-オイゲノール、メチルヨノン-γ、l−メントール、メントン、iso-メントン、メチルサリシレート、メンタニルアセテート、ラクトンC-10ガンマ、リモネン、リナロール、リナリルアセテート、から選ばれる単離香料、又は合成香料、アニスオイル、アルモアーゼオイル、エストラゴンオイル、カルダモンオイル、カンファーオイル、キャラウェイオイル、キャロットシードオイル、クローブオイル、コリアンダーオイル、シトロネラオイル、スペアミントオイル、セージクラリーオイル、タイムオイル、パインオイル、バジルオイル、フェンネルオイル、ベイオイル、ペパーミントオイル、ラバンジンオイル、マージョラムオイル、ラベンダーオイル、ローレルリーフオイル、ユーカリプタスオイル、から選ばれる植物精油を挙げることができる。
【0028】
本発明では特に(g)成分としてカンファー、ゲラニオール、iso-シクロシトラール、シトラール、ターピニルアセテート、α―ピネン、β―ピネン、ボルネオール、ポレナールIIから選ばれる単離香料、又は合成香料、及びキャラウェイオイル、キャロットシードオイルから選ばれる植物精油から選ばれる1種以上が防臭効果の点から好適である。なお、(g)成分中、リモネンは、防臭剤組成物又は液体洗浄剤の安定化に際し重要な役割を果たすため、他の香料成分よりも多めに配合することが好ましい。本発明において、リモネンの割合は、好ましくはリモネン/〔(a)成分+(g)成分〕の質量比が0.5以上、より好ましくは0.5〜0.8である。また、リモネン以外の全香料成分中の(a)成分の占める割合は、本発明の効果を得る上で、さらに、(a)成分/[(a)成分+(g)成分−リモネン]の質量比が0.2〜1、更に0.25〜1であること、加えて(a)成分と(g)成分の合計が0.1〜1.5質量%、更に0.15〜1質量%、特に0.15〜0.7質量%であることが、防臭効果の点から好ましい。
【0029】
本発明の防臭剤組成物又は液体洗浄剤は上記成分を水に溶解させた水溶液の形態であることが好ましく、水の含有量は、好ましくは20〜95質量%、より好ましくは30〜90質量%、液体洗浄剤として用いる場合は、特に好ましくは40〜60質量%である。また、20℃におけるpHは4〜8、更に5〜8、特に5.5〜8が好適である。pH調節剤としては硫酸、塩酸から選ばれる無機酸、クエン酸、コハク酸から選ばれる有機酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムから選ばれる無機塩基、アルカノールアミン、モルホリンから選ばれる有機塩基を用いることができる。本発明では特に硫酸、塩酸、クエン酸から選ばれる酸、及び水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムから選ばれる塩基によりpHを調整することが好ましい。また、(e)成分もpH調節剤として用いることができる。
【0030】
その他の成分としては、例えば、防腐剤、濁り剤、着色剤、増粘剤が挙げられる。
【0031】
<防臭方法>
本発明では上記防臭剤組成物を対象物に接触させることで防臭を行う。防臭剤組成物は原液を用いてもよく、水道水で希釈して用いてもよい。本発明の防臭剤組成物を食器用の液体洗浄剤として用いる場合は、希釈されることを考慮すると、組成物中の(a)成分は0.001質量%以上、特には0.002質量%以上であることが好ましく、(b)成分は0.002質量%以上、特には0.006質量%以上であることが好ましい。接触させる方法としては、トリガーなどのスプレーヤーにより対象物にスプレーする方法や、対象物を浸漬する方法、あるいは対象物が吸水性物質である場合には含浸させる方法を挙げることができる。ここで、浸漬とは対象物が完全に防臭剤組成物又は液体洗浄剤もしくはこれらの希釈液に浸される状態をいい、含浸とは、防臭剤組成物又は液体洗浄剤もしくはこれらの希釈液が対象物に含まれる状態をいう。
【0032】
対象物に接触後は、脱水、乾燥を行うこともできるが、(a)成分、(b)成分が対象物に残存している状態が長時間防臭効果を持続できるため、接触させた状態で放置することが防臭効果の点から好ましい。
【0033】
また本発明は、本発明の防臭剤組成物や液体洗浄剤、あるいは本発明の防臭剤組成物を界面活性剤及び水を含有する液体洗浄剤に配合することで、洗浄道具の臭いの発生を抑制する方法も提供するものである。洗浄道具はタワシ、スポンジ、雑巾などが挙げられるが、本発明の防臭剤組成物は食器用の洗浄剤に用いることで、効果的にスポンジからの臭いの発生を抑制することができる。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、対象表面を防臭する防臭剤組成物が提供される。特には、食器洗浄の道具として用いられるスポンジなどの含水状態で放置される物品の防臭効果に優れる防臭剤組成物が提供される。この防臭剤組成物は、界面活性剤及び水を含有する液体洗浄剤に配合することで、当該液体洗浄剤を用いた洗浄道具の臭いの発生を抑制することができる。従って、本発明の防臭剤組成物は、スポンジを用いる洗浄に供される液体洗浄剤に好適に適用できる。
【0035】
【実施例】
<防臭効果>
寒天平板培地上37±1℃で16〜24時間培養した黄色ブドウ球菌を用いて、0.3%ニュートリエント培地、3°DH硬水中で、菌濃度が3.5×107〜3.5×108cfu/mlになるように菌液を調製した。
【0036】
次に容量110mlのねじ口瓶に入っている直径2.4cm、高さ3cmの円柱状に加工した食器用スポンジに、0.5mlの上記菌液を接種させ滅菌ガラス棒で均一に揉み込んだ。瓶を密閉後25℃で1時間馴染ませ、表1〜3の防臭剤又は液体洗浄剤を0.5mlスポンジに接種した。次に新しい滅菌ガラス棒で均一に揉み込み、再び密閉し25℃で18時間放置した。
【0037】
放置後ねじ口瓶のふたを開封し、30歳代の男性5人のパネラーにより、防臭評価を下記の5段階で行い平均点を求めた。平均点0以上1未満を◎、1以上2未満を○、2以上3未満を△、3以上4以下を×とした。
0:無臭
1:やや臭う
2:臭う
3:とても臭う
4:耐えられないほど臭う
<実施例1〜6、比較例1〜4>
塩化亜鉛0.06質量%(亜鉛原子として)、表1の植物精油0.2質量%、エタノール6.5質量%、ラウリルグルコシド1.5質量%(平均縮合度:1.3)を含有し、pHが20℃で7.0の水溶液を調製した。pHは0.1規定硫酸水溶液及び0.1規定水酸化ナトリウム水溶液で調整した。この水溶液を用いて上記の防臭効果の評価を行った。結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
*比較例4は、植物精油の質量分を亜鉛に加え、(a)成分と(b)成分の合計量を同一にした。
【0040】
<実施例7〜9、比較例5〜7>
抗菌剤として表2の亜鉛化合物0.06質量%(亜鉛原子として)、ローズマリーオイル0.15質量%、レモングラスオイル0.05質量%、エタノール7質量%、ラウリルグルコシド1.5質量%(平均縮合度:1.3)を含有し、、pHが20℃で7.0の水溶液を調製した。pHは0.1規定硫酸水溶液及び0.1規定水酸化ナトリウム水溶液で調節した。この水溶液を用いて上記の防臭効果の評価を行った。また、比較例では、抗菌剤として表2のものを、表2中の濃度で使用した。結果を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】
<実施例10〜12、比較例8〜10>
表3に示す液体洗浄剤を調製し、それらを用いて上記の防臭効果の評価を行った。結果を表3に示す。
【0043】
【表3】
【0044】
(注)表3中の配合成分は以下の通りである。pHは0.1規定硫酸水溶液及び0.1規定水酸化ナトリウム水溶液で調節した。
・ES;ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム〔1−デセン及び1−ドデセン50/50(質量比)を原料にヒドロホルミル化して得られたアルコールにエチレンオキシドを平均2モル付加させた後、三酸化イオウにより硫酸化し、水酸化ナトリウムで中和したもの。分岐鎖を含むものをES中に25質量%含有する。〕
・AO:N−ラウリル−N,N−ジメチルアミンオキシド
・ノニオン:ラウリルグルコシド(平均縮合度:1.3)
・p−TS:p−トルエンスルホン酸ナトリウム
Claims (2)
- (a)ローズマリーオイル、レモングラスオイル及びハッカオイルから選ばれる植物精油0.005〜0.7質量%、(b)亜鉛0.005〜0.1質量%、(d)界面活性剤10〜60質量%、並びに水を含有し、スポンジを用いる洗浄に供される、防臭性を有する液体洗浄剤であって、
(d)界面活性剤として、陰イオン界面活性剤(d1)、並びに陽イオン界面活性剤(d2)及び/又は両性界面活性剤(d3)を含有し、[(d2)+(d3)]/(d1)のモル比が0.2〜2である、液体洗浄剤。 - (g)成分として、リモネンを含む(a)成分以外の他の香料成分を含有し、リモネン/〔(a)成分+(g)成分〕の質量比が0.5〜0.8である請求項1記載の液体洗浄剤。
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