JP5357369B2 - 介護臭用消臭剤 - Google Patents

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本発明は介護にかかわる匂い、すなわち高齢者、病人または身障者の生活に伴う劣化皮脂や劣化尿等から発する悪臭(以下、介護臭という。)に対する消臭剤に関する。特に空間、寝具、着衣、おむつ用の消臭剤に関する。
近年、高齢者人口が増加し、高齢者が生活する居室内の臭気の問題がクローズアップされている。一般的に、高齢者は加齢と共にADL(日常生活動作能力)が低下するため、それに伴って入浴、着替え、洗濯回数が減少したり、室内の換気回数が減少したりする。また、独力でトイレまで行けない場合はおむつを着用したり、その着用中も装着が不適正であったりする。これらが要因となって高齢者特有の臭気が室内にこもるため、高齢者本人、同居者および介護者の精神的苦痛を増加させる一因となっている。高齢者だけでなく、病人や身障者についても同様に、居室内の臭気が問題になっている。
本発明者らは日頃臭気で困っている高齢者施設、家庭を多数訪問し、その居室に漂っている不快な臭気の成分を分析したところ、その中から官能的にキイとなる成分として、ノネナール等の中鎖アルデヒド類、クレゾール等のフェノール類、ジメチルジスルフィド等のスルフィド類が挙げられることがわかった。これらの成分の発生を推定すると、三成分のいずれも皮脂、蛋白質(角質)、汗、尿等の分泌された有機質成分が空気酸化や細菌類によって分解されて発生したものであり、発生した臭気の成分が寝具、衣類、おむつに付着して継続的に揮発して臭気を発していると考えられる。しかも、これら臭気成分の検知閾値は、ノネナール:0.08ppb、p−クレゾール:0.054ppb、ジメチルジスルフィド:2.2ppbである。アンモニアの閾値が1.5ppmであるのに比べると、悪臭の成分の中でもかなり低い部類に属する。
一般的に、消臭方法としては、化学消臭、物理消臭、感覚消臭による消臭方法が挙げられる(嗅覚とにおい物質、川崎通昭ら、臭気対策協議会編 p84、1998)。
化学消臭のうち、中和作用を利用した方法では、単一の悪臭の場合には適切な液性(酸性、塩基性)を選択すれば悪臭を中和消臭できるが、上記のような混合臭の場合は各悪臭成分の液性がそれぞれ異なるため、ある悪臭成分に対しては有効であっても、他の悪臭成分には逆に強めてしまう場合があり、全体としてどの液性が有効であるのか予想はできない。
また、化学消臭のうち酸化作用を利用する方法として、金属フタロシアニンの触媒作用を用いる方法(特開昭63−7000号公報参照)が提案されているが、これは着色の問題があり、溶液化して散布することができない。
次に物理消臭(主に活性炭を用いる方法)は、悪臭成分に対する選択性が少ないという点では混合臭に対して比較的有効である。しかし、固体であるため溶液化はできず、例えば特開平6−319932号公報に提案されているように脱臭装置とするか、または特開平8−173513号公報記載のようにマットとして成形する必要があった。そのためコストが高価になり、また長期間使用している間に活性炭の吸着部位に皮脂、垢、埃などが付着してしまい、吸着能力が極度に低下してしまう問題があった。
香料を用いる感覚消臭も古くから実施されているが、根本的な消臭にはなっていないうえに、用いる香りの種類によっては強さや質の点で不快感を感じたりするおそれがあった。最近、各悪臭に対してマスキングやハーモナージュ効果を高めた香料が提案されている(例えば特開平11−286428号公報参照)。しかし、嗅覚が低下したり指先が不自由になっていたりする高齢者自身が使用する場合を考慮すると、香料の使用はあまり勧められない。香料を零したり、大量に使用してしまったりした場合には、香りがむしろ不快な匂いになってしまうおそれがあるためである。
さらに、前述の消臭方法には属さないが、悪臭成分自体を洗剤などで除去する方法もある。しかし実際はノネナール、p−クレゾール、ジメチルジスルフィド等の発生源となる皮脂成分、蛋白質、汗、尿等の有機質成分自体が繊維や床面、家具の基材に深く染み込んでしまっているため、従来通りの洗濯や洗浄をしただけでは再び有機質成分の分解により悪臭が発生し、根本的な解決にはならない。ADLが低下しているために頻繁に掃除や消臭作業ができない場合には特に深刻である。
発明が解決しようとする課題
このように、高齢者、同居者、介護者からは、誤って大量に使用しても、あるいは頻繁に使用しても気にならない匂いであって、多成分からなる混合臭に対しても汎用性があり、散布などの簡便な方法により広い空間でも即効性で使用できる消臭剤が待ち望まれていた。
課題を解決するための手段
かかる実情において、本発明者らは、匂いが少なく、工業的に広く用いられる各種化合物において、それぞれの消臭効果すなわち悪臭揮発抑制効果を調べたところ、特定の化合物に、介護にかかわる匂い、すなわち高齢者、病人または身障者の生活に伴う劣化皮脂や劣化尿等から発する悪臭(介護臭)に対して消臭効果が高いことを見出し、諸条件を確立して本発明を完成させた。
すなわち本発明は、介護臭用の消臭剤であって、シトラールをフタル酸ジエチルで希釈した濃度1重量%、2.5重量%、6.3重量%、16重量%、40重量%および100重量%の希釈液の匂いの強度を標準としてそれぞれ0、1、2、3、4、5の整数で示してなる匂いの感覚強度が1以下であり、かつ溶解パラメータ値が16〜26である化合物を含んでなる消臭剤を要旨とする。
まず、本発明における匂いの感覚強度について説明する。匂いの感覚強度とは、Physical Foundations in Perfumery (American Perfumer and Cosmetics, 1970年12月発行)中、第5章、Absolute intensity of odor, olfactory equilibrium(第43〜47頁)に記載の方法により求められる匂いの感覚強度である。
匂いの感覚強度(以下、感覚強度という。)は、Weber-Fechner則に従うので、匂い物質(ここではシトラール)の濃度をCとすると、6段階の尺度すなわち0、1、2、3、4、5を取った場合の感覚強度Iは以下の式で示される。
I=(100)1/5logC≒2.5logC
すなわち、まず標準用に感覚強度0、1、2、3、4、5のサンプルを得るため、シトラールを無臭溶剤であるフタル酸ジエチルで希釈して、シトラールの2.5(≒1)重量%、2.5(=2.5)重量%、2.5(≒6.3)重量%、2.5(≒16)重量%、2.5(≒40)重量%および2.5(≒100)重量%の各希釈液(以下、シトラール標準希釈液という。)を調製する。
次に、ある物質の匂い強度が、前記シトラール標準希釈液のどれと感覚的に同じレベルかを見極める。例えば物質Aの匂いの強度が前記シトラール1重量%希釈液の匂いの強度と同じであった場合、物質Aの感覚強度は「0」であり、物質Bの匂いの強度が前記シトラール2.5重量%希釈液の匂いの強度と同じであった場合、物質Bの感覚強度は「1」である。
本発明における化合物の感覚強度は、1以下であれば、使用時に化合物自身の匂いが気にならないため、閉め切った室内でも安心して使用できる。
Physical Foundations in Perfumery (American Perfumer and Cosmetics 1970年12月発行〉中、第5章、Absolute intensity of odor, olfactory equilibrium(第43〜47頁)によると、感覚強度1の化合物の例としてRosacetol (Rosecrystal)、感覚強度2の化合物の例としてBenzyl acetate, Phenylethyl alcohol等が挙げられている。
次に、溶解パラメータ値について説明する。液体の1モルあたりの蒸発エネルギーをΔE[単位:kJmol-1]とし、そのモル体積をV[単位:cmmol-1]とすると、溶解パラメータ(solubility parameter)値δ[単位:J1/2cm-3/2]は、下式(1)
(1):δ=(ΔE/V1/2
で定義される。δの値は液体での分子間相互作用の大きさを示す物理化学定数として使用されている。実測のΔE値より求めた常温でのδ値が、多くの化合物について報告されている(例えばHoy, K. L., The Hoy Tables of Solubility Parameters, Union Carbide Corporation, Solvents and Coatings Materials Division, South Charlston, WV, 1985)。しかしながら、実測ΔE値の知られていない化合物では、これを予測することが必要である。実測の沸点T[単位:K]値からのΔE値の予測式は、J. H. Hildebrand (J. Am. Chem. Soc., 37, 970, 1915; 40, 45, 1918)により報告されている。ところが、この文献記載の式では高沸点化合物で徐々に実測値からのずれが大きくなることが判って来た。この欠点を改良した結果として、下式(2)に示す新たな予測式を確立した。
(2):ΔE=2.54×10−4
この式(2)により求めたΔE値と、実測のモル体積値からδ値を計算するのが最も便利であり、個々の実測ΔE値には実験誤差が含まれることが多いので、以後は溶解パラメータδ値(以下、SP値という)としてこの予測値を用いる。
また、標準沸点が測定されていない化合物については、次に示す式(3)により測定圧力p[mmHg]での沸点T[K]からTを換算することができる。
(3):Tb={Tα+(760α−pα)/A}1/α
A=14.1、α=0.105
さらに、昇華性あるいは熱分解性の化合物など沸点が本質的に観測されないものでは、Hoyによる原子団寄与法(Allan F. M. Barton, CRC Handbook of Solubility Parameters and Other Cohesion Parameters 2nd ed., CRC Press (1991), p.165-167)で推算できる。
本発明における化合物は、SP値が16〜26の範囲内であれば、ノネナール、p−クレゾール、ジメチルジスルフィド等の悪臭成分や実際の初期尿臭や劣化尿臭に対して明らかな揮散抑制効果(消臭効果)が認められる。これは、悪臭成分のSP値に近いSP値を有する化合物を、該悪臭を感じる空間や悪臭発生源等に接触させると、該悪臭成分は該化合物に溶質として溶解し、吸収されることによる。これにより、悪臭成分単独のときよりも揮散が抑制されて悪臭を軽減できる。
かかる感覚強度とSP値との条件を満たす化合物のうち、好ましい化合物の構造としては、脂肪族アルコール類、芳香族アルコール類、ポリオールモノエーテル類、ポリアルキレングリコール類、ポリエチレングリコールモノエーテル類、脂肪族エステル類、オキシ酸エステル類、芳香族エステル類が挙げられる。これら化合物は単独でまたは複数を組み合わせて使用できる。
前記化合物において、炭素数4〜35の範囲である化合物がさらに好ましい。化合物の炭素数は3以下であると揮発性が高過ぎ揮発抑制効果の持続性を示さなかったり、皮膚刺激性の問題が生じる。一方、炭素数が36以上の化合物は常温で固化するものが多くなり洗濯した際に落ちにくくなったり、感触面での低下(べとつき等)の問題が生じる。さらに、より好ましい範囲は炭素数6〜18の範囲であり、この範囲の化合物は適度な揮発性を有し、残留性が少ないながら高い揮発抑制効果を示す。
本発明における化合物の具体例を以下に挙げる。なお、SP値のうち*印の値はHoyの原子団寄与法による理論上の沸点からの算出値である。
脂肪族アルコール類では、2−オクチルドデカノール(SP19.2*)、イソステアリルアルコール(SP19.3*)、2−エチルヘキサノール(SP20.8)、3−メチル−1,3−ブタンジオール(イソプレングリコール、クラレ社製)(SP23.3)、2−メチル−2,4−ペンタンジオール(ヘキシレングリコール、三井石油化学社製)(SP23.1)、1,3−ブタンジオール(ブチレングリコール)(SP25.4)等が挙げられる。
芳香族アルコールでは、ベンジルアルコール(SP23.7)等が挙げられる。
ポリオールモノエーテル類では、3−メチル−3−メトキシブタノール(ソルフィット、クラレ社製)(SP20.3)、2−ベンジルオキシエタノール(SP22.7)、2−フェノキシエタノール(SP23.4)等が挙げられる。
ポリアルキレングリコール類では、トリエチレングリコール(SP24.5)、ジプロピレングリコール(SP22.2)等が挙げられる。
ポリエチレングリコールモノエーテル類では、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(エチルジグリコール)(SP20.6)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルジグリコール)(SP19.4)、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル(PHG−30、花王社製)(SP20.3)等が挙げられる。
脂肪族エステル類では、ミリスチ酸イソプロピル(SP16.3)、セバシン酸ジブチル(SP17.0)、ミリスチ酸イソトリデシル(SP18.1*)、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリド(エキセパールDG−MI、花王社製)(SP19.0*)、トリアセチン(SP19.6)等が挙げられる。
オキシ酸エステル類では、クエン酸トリエチル(SP17.8)等が挙げられる。
芳香族エステル類では、フタル酸ジエチル(SP20.3)、フタル酸ジブチル(SP19.4)、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(SP16.8)、サリチル酸ヘキシル(SP19.4)、サリチル酸cis−3−ヘキセニル(SP19.0)、安息香酸ベンジル(SP21.8)等が挙げられる。
これらの中で特に好ましいのは、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−3−メトキシブタノール、ミリスチ酸イソプロピル、クエン酸トリエチル、ベンジルアルコール、フタル酸ジエチル、安息香酸ベンジル、2−フェノキシエタノール、ジプロピレングリコールである。
本発明の介護臭用消臭剤には、前記化合物に加えて、殺菌剤、抗菌剤、キレート剤、pH調整剤、色素、粘度調整剤等を添加してもよく、通常の方法により製造される。使用感や消臭効果を高めるために、調合香料を適宜配合しても良い。
また、揮発しやすい溶媒例えば水、エタノール、低分子炭化水素類、液体LPGガス、ジメチルエーテル等にて希釈して使用しても良い。溶媒が揮発後は所望した効果が発揮される。
これら化合物を水に分散可溶化させる場合には、可溶化剤としてカチオン性、アニオン性、ノニオン性、両性等の界面活性剤、p−トルエンスルホン酸塩、m−キシレンスルホン酸塩等の芳香族スルホン酸塩類等を使用することができる。これらのうち特に両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤が好ましい。
可溶化剤は1種以上を使用することができ、介護臭用消臭剤の全組成中に0.01〜10重量%、特に0.1〜2重量%を配合するのが、可溶化能と、衣類や床面などの損傷防止の面とから好ましい。
前記化合物は、単独でまたは必要に応じて上記の添加物質と共に、消臭剤(トリガー式、エアゾール式、機械噴霧式、カプセル型)として使用される他、単独でまたは他の成分と組み合わせてボディシャンプー、清拭剤、石鹸、シャンプー、リンス、芳香剤、衣類用洗剤、衣類用仕上げ剤、柔軟剤、住居用洗剤等の香粧品・洗剤類に配合することができる。この場合の化合物の配合量は特に限定されるものではないが、概ね配合物中の0.001〜20重量%の範囲であるのが一般的である。特に0.01〜1重量%が好ましい。
本発明の介護臭用消臭剤で居室の匂いを消臭するには、居室空間へ消臭剤を噴霧する、悪臭の発生源(寝具、着衣、おむつ等)に消臭剤を噴霧、散布または塗付する、小型の悪臭の発生源を消臭剤に浸漬する、布帛の洗濯の際に消臭剤を含む柔軟剤や洗剤に浸漬する、担体に消臭剤を担持させて蒸散させる等の手段によるのが効率的であり、特に効率の良いのは噴霧、塗付である。
前記消臭する居室は、寝室であるのが、また、前記居室の匂いが、寝具、着衣およびおむつの少なくとも一つより発する匂いまたは寝室内空間に漂う匂いであるのが好ましい。
また、本発明の介護臭用消臭剤は、使い捨ておむつ、女性用生理用品などの衛生用品に添加して用いることもできる。この場合の消臭剤の配合量は特に限定されるものではないが、概ね配合物中の0.001〜1重量%の範囲であるのが一般的である。さらに、繊維、布、不織布原体に含浸、練り込みまたはマイクロカプセル化して添加することにより、寝具、衣類、タオル、壁紙などの物品に加工することもできる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。
(実施例1、比較例1:介護臭に対する揮発抑制効果試験)
介護臭の主要な匂い成分としてtrans−2−ノネナール(和光純薬社製)、p−クレゾール(和光純薬社製)、ジメチルジスルフィド(和光純薬社製)、また実際の尿臭として大人尿(初期)、大人尿(室温×1週間で経時劣化させたもの)を取り上げ、各悪臭に対する揮発抑制効果を調べた。
予備実験として上記5種の悪臭成分をそれぞれ125mL規格瓶中の水20gに混合し、下記六段階臭気強度表示法によって臭気強度が約5になるように濃度を検討したところ、trans−2−ノネナールは0.0005%、p−クレゾールは0.1%、ジメチルジスルフィドは0.0005%、大人尿(初期、経時劣化とも)は50%であった。
次に本実験として、125mL規格瓶中のミリスチン酸イソプロピル 20g中に、trans−2−ノネナール、p−クレゾール、ジメチルジスルフィド、初期尿、劣化尿が前記濃度になるようにそれぞれ配合してサンプルとした。なお、尿についてはミリスチン酸イソプロピル10gと尿10gを合わせて尿が50%とした。
同様にして、ミリスチン酸イソプロピルの代わりに、セバシン酸ジブチル以下表1記載の化合物についてもそれぞれサンプルを作製した。
これらのサンプルを室温(約25℃)で1時間放置後、評価直前に再度充分に混合し、規格瓶内の悪臭の強さを官能評価した。評価は3人で行い、臭気強さは下記六段階臭気強度表示法にて評価した。
なお、いずれの評価においても臭気強さが3人の平均で2.0以下に抑えられたものを揮発抑制効果ありとした。
<匂いの強さ(六段階臭気強度表示法)>
0:無臭
1:やっと感知できる匂い(検知閾値濃度)
2:何の匂いかわかる弱い匂い(認知閾値濃度)
3:容易に感知できる匂い
4:強い匂い
5:強烈な匂い
ただし、表1中比較例1で使用したDC246は東レダウコーニング社製品である。
Figure 0005357369
(実施例2、比較例2:スプレー式おむつ用消臭剤)
表2に記載の化合物を1種ずつ用いて下記の処方の介護臭用消臭剤を調製した。
成分 配合量(重量%)
表2記載の化合物 0.1
エタノール 60.0
水 39.9
計 100.0
大人用紙おむつ(花王社製品)に大人尿50ccを添加し、7日室温(15〜25℃)で放置して腐敗尿臭(刺激感のあるクレゾール様臭)の漂う状態とした。
次に400cc容量スプレーボトルに前記調製した介護臭用消臭剤を注入し、前記尿添加おむつ内面に向かって約1cc(10回分)スプレーし、5分後に、20cm離れた位置でパネル3名による官能評価を行った。スプレー直前の匂いとの比較で下記の基準で示した。その評価結果を表2に併記する。
○:匂いがほとんどしない。
△:やや匂いが残る。
×:匂いが消えていない。
[表2]
化合物名 おむつ消臭効果 シーツ消臭効果
実施例2 実施例3
ミリスチン酸イソプロピル ○ ○
クエン酸トリエチル ○ ○
3−メチル−3− 〇 〇
メトキシブタノール
フタル酸ジエチル ○ ○
安息香酸ベンジル ○ ○
ジプロピレングリコール ○ ○
2−メチル−2,4− 〇 〇
ペンタンジオール
3−メチル−1,3− 〇 ○
ブタンジオール
2−フェノキシエタノール ○ ○
ベンジルアルコール ○ ○
比較例2 比較例3
水のみ100重量% × ×
エタノール60+水40重量% × ×
プロピレングリコール △ ×
(実施例3、比較例3:体臭抑制消臭剤)
市販のシーツを購入し、4cm四方に裁断して試験布とした。皮脂の臭気成分としてパルミトオレイン酸のエタノール1%溶液を用いて、前記試験布に10μリットル添加し、紫外線ランプ(東芝社製ブラックライトFL20S. BLB. 20W)を30cmの距離で照射した。照射1時間後に体臭様のノネナール等アルデヒド類の臭気の強さを、10cm離れた位置で3名のパネラーにより官能評価した。
次に実施例2、比較例2で用いた介護臭用消臭剤を実施例2と同様にスプレーして同様に官能評価した。スプレー前後を比較した消臭評価結果を表2に併記する。
(実施例4:空間用消臭剤)
以下の処方の介護臭用消臭剤を調製し、在宅介護を行っている家庭(n=20)において、2ヶ月間使用してもらった。その結果、約7割の人が被介護者に起因する室内の介護臭が緩和されたと感じた。
成分 配合量(重量%)
ジプロピレングリコール(悪臭抑制化合物) 0.1
ラウリルグルコシド 0.4
エタノール(希釈剤) 15.0
水(希釈剤) 84.5
計 100.0
発明の効果
本発明によれば、介護に関わる匂い、すなわち高齢者、病人または身障者の生活に伴う劣化皮脂や劣化尿等から発する悪臭(介護臭)を消臭することができる。また、消臭剤を誤って大量に使用しても、あるいは頻繁に使用しても気にならない匂いであって、多成分からなる混合臭に対して汎用性があり、散布などの簡便な方法により広い空間でも即効性で使用できる消臭剤を得られる。

Claims (1)

  1. 3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,3−ブタンジオール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル、セバシン酸ジブチル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリド、及び安息香酸ベンジル
    より選ばれる一つ以上である化合物を含んでなり、
    介護臭のうち尿臭由来の臭気を消臭する介護臭用消臭剤。
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