JP6875156B2 - 疑似介護臭組成物、該疑似介護臭組成物を用いた介護臭の強さの評価方法、介護臭の不快感の評価方法、及び介護臭に対する消臭効果又は洗浄効果の評価方法 - Google Patents
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Description
しかし、いずれも様々な臭気が渾然一体となった介護臭を再現するものではない。
介護現場での実際の介護臭は、洗濯してもその不快臭がなかなかとれなという課題がある。その一方で介護臭と同様のニオイ成分を布等に付着させ、洗浄による消臭評価を行う際に、綿、化繊、機能性繊維等いずれを用いた場合には、官能評価でもGCによる機器分析においても評価困難なレベルまで臭気が低減してしまうという課題がある。
すなわち本発明は、以下の態様を有する。
[1]成分(A):炭素数6〜9のフェノール類と、成分(B):炭素数6〜10のアルデヒド類とを含み、
成分(A)/成分(B)で表される体積比が0.001〜200未満である、疑似介護臭組成物。
[2]さらに尿由来の金属塩汚れ成分を含む、[1]に記載の疑似介護臭組成物。
[2][1]又は[2]に記載の疑似介護臭組成物を用いた、介護臭の強さの評価方法。
[3][1]又は[2]に記載の疑似介護臭組成物を用いた、介護臭の不快感の評価方法。
[4][1]又は[2]に記載の疑似介護臭組成物を用いた、介護臭に対する消臭効果又は洗浄効果の評価方法。
成分(A)は、炭素数6〜9のフェノール類である。フェノール類とは、芳香環上に水酸基を有する有機化合物を意味する。
フェノール類の炭素数は、フェノール類が水酸基以外の置換基を有している場合には、芳香環上の置換基の炭素数を含めた数である。フェノール類の炭素数は、6〜8であることが好ましい。
芳香環上の置換基としては、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜3のアルケニル基、ハロゲン、水酸基が好ましい。なかでもメチル基が好ましい。置換基の数は1つであってもよく複数であってもよい。
成分(A)としては、フェノール、クレゾール(例えば、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール)、エチルフェノール(例えば、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール)、ジメチルフェノール(例えば、2,3−ジメチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,5−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、3,4−ジメチルフェノール)、ビニルフェノール(例えば、o−ビニルフェノール,m−ビニルフェノール,p−ビニルフェノール)、メトキシフェノール(例えば、2―メトキシフェノール、4−メトキシフェノール)、メトキシメチルフェノール(例えば、2−メトキシ−4−メチルフェノール)、メトキシビニルフェノール(例えば、2−メトキシ−4−ビニルフェノール)、2,4−ジクロロフェノール、ジヒドロキシベンゼン(o−ジヒドロキシベンゼン、m−ジヒドロキシベンゼン、p−ジヒドロキシベンゼン)、メチルカテコール(例えば、3−メチルカテコール、4−メチルカテコール)等が挙げられる。
なかでもフェノール、クレゾール、ジメチルフェノール、メトキシフェノール、メトキシビニルフェノール、2,4−ジクロロフェノール、ジヒドロキシベンゼンが好ましい。フェノール、p−クレゾール、ジメチルフェノールがより好ましい。特にp−クレゾールが、介護臭を再現する観点から好ましい。
成分(A)は、いずれかを単独で、又は2種以上を用いることができる。なかでも、p−クレゾールを単独で、又はp−クレゾールとp−クレゾール以外の炭素数6〜9のフェノール類とを組み合わせて使用することが好ましい。
成分(B)は、炭素数6〜10のアルデヒド類である。アルデヒド類とは、分子内にアルデヒド基を有する有機化合物を意味する。
アルデヒド類の炭素数は、8〜10がより好ましい。
成分(B)としては、ヘキサナール、トランス−2−ヘキセノール、ヘプタナール、シクロヘキセンカルボキシアルデヒド、オクタナール、ノナナール、デカナール、ジヒドロペリルアルデヒド等が挙げられる。
なかでもデカナール、ノナナール、オクタナール、ヘプタナール、ヘキサナールが好ましく、デカナール、オクタナールが特に好ましい。
成分(B)は、いずれかを単独で、又は2種以上を用いることができる。なかでも、デカナール若しくはオクタナールを単独で、又はデカナール若しくはオクタナールと、デカナール若しくはオクタナール以外の炭素数6〜10のアルデヒド類とを組み合わせて使用することが好ましい。
成分(A)/成分(B)の体積比が上記下限値以上であると、臭気強度が弱い場合であっても不快感を実感しやすくなる。成分(A)/成分(B)の体積比が上記上限値以下であると、介護臭をより忠実に再現しやすくなる。
本発明の疑似介護臭組成物は、必要に応じて、上記成分以外に、公知の成分を含有することができる。このような任意成分としては、例えば、アミン類、スルフィド類、脂肪酸、溶剤等が挙げられる。
アミン類は、いずれかを単独で、又は2種以上を用いることができる。
また、(トリエチルアミン+トリメチルアミン)/(成分(A)+成分(B))で表される体積比(以下、(トリエチルアミン+トリメチルアミン)/(A+B)ともいう)が0.001〜10.0であることが好ましい。さらに好ましくは、0.01〜1.0である。(トリエチルアミン+トリメチルアミン)/(A+B)が上記範囲内であると、介護臭をより忠実に再現しやすくなる。さらに臭気強度が弱い場合であっても不快感を実感しやすくなる。
スルフィド類は、いずれかを単独で、又は2種以上を用いることができる。
また(スルフィド類)/(成分(A)+成分(B))で表される体積比が0.0001〜10.0であることが好ましく、0.001〜0.1であることがより好ましい。
スルフィド類の体積比が上記範囲内であると、介護臭をより忠実に再現しやすくなる。
脂肪酸としては、酢酸、吉草酸、イソ吉草酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸等が挙げられる。なかでも、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸が好ましい。
脂肪酸は、いずれかを単独で、又は2種以上を用いることができる。
また(脂肪酸類)/(成分(A)+成分(B))で表される体積比が0.0001〜10.0であることが好ましい。さらに好ましくは、0.001〜0.1であることが好ましい。
脂肪酸の体積比が上記範囲内であると、介護臭をより忠実に再現しやすくなる。
溶剤の含有量は、疑似介護臭組成物の総体積に対して、90体積%以上が好ましく、95体積%以上がより好ましく、99体積%以上がさらに好ましい。また溶剤は2種類以上を用いることができる。
溶剤の含有量が上記範囲内であると、疑似介護臭組成物の各成分を比較的容易に分散することができる。
金属塩は特に制限されないが、尿中に含まれる金属分を含む例えばシュウ酸カルシウム、リン酸アンモニウムマグネシウム、リン酸カルシウム等が挙げられる。金属塩は尿中に含まれる微量金属の鉄や銅などを用いることもできる。金属塩はそのものを用いても、溶液中に分散させて用いても、イオン化した液体の状態から、液体中や布上で結晶を生成させて用いることもできる。金属塩は、いずれかを単独で、又は2種以上を用いることができる。人工汚垢についても同様に用いるたんぱく質、脂質は特に制限されることはなく、当該洗浄分野で一般的に用いられるモデル汚れを用いることができる。たんぱく質であればゼラチン、ケラチンなどが挙げられる。ハンドリングの観点からはゼラチンが好ましい。粒状ケラチン等を用いる場合は粉砕機やホモジナイザーを用いて分散してから用いるとよい。たんぱく質は、いずれかを単独で、又は2種以上を用いることができる。脂質汚れであればオレイン酸、トリオレイン、スクアレン、流動パラフィン、コレステロールなどが挙げられる。脂質は、いずれかを単独で、又は2種以上を用いることができる。
金属塩や人工汚垢を混合した擬似介護臭組成物を付着させた布で、消臭や洗浄評価を行うと、実際の介護臭により近い結果が得られて好ましい。金属塩や人工汚垢と事前に混合したものを付着させても、布上に金属塩や人工汚垢を付着したあとに擬似介護臭組成物を付着させても、擬似介護臭組成物を付着させた布に金属塩や人工汚垢を付着させても、いずれも同様に評価できる。
固形状の担体は、擬似介護臭組成物が担持できるものであれば特に限定されないが、例えば、シリカゲル、活性炭、ヒドロキシアパタイト、アルミナ、ゼオライト、珪藻土、粘土鉱物、サイクロデキストリン、タルク、炭酸カルシウム、ゲル化剤、セルロース及びその誘導体、紙、不織布、繊維、樹脂(ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロン、ポリウレタン、ポリビニル、ポリビニリデン、エチレン−ポリビニルアルコール共重合体、ポリスチレン、ポリアクリレート、アリルスチレン共重合体)等が挙げられる。固形状担体の形態も特に限定されず、例えば粉体、粒状、シート状、塊状等として使用できる。
擬似介護臭組成物は、ゲル、クリーム、ペースト状にしてもよい。
介護臭の強さの評価は、例えば、本発明の疑似介護臭組成物を標準サンプルとして、介護臭サンプル(使用済み衣類、おむつ等)の臭いと比較することにより行うこともできる。具体的には、疑似介護臭組成物を数段階に希釈し、各濃度の臭い標準サンプルを調製する。そして、介護臭サンプルの臭いを標準サンプルと照合し、介護臭の強さを官能評価により判定すればよい。官能評価は、1〜20人のパネラーにより行うのが好ましく、3〜10段階で評価するのが好ましい。
また、上記のような官能試験によらず、臭い成分をGC−MS等の化学的及び/又は物理的手法により分析し、介護臭の強さを評価してもよい。具体的には、疑似介護臭組成物を標準物質(スタンダード)として用い、あらかじめ検量線を作成する。この検量線を使用して、実際の介護臭に含まれる臭い成分のピークを同定し、その量を測定すればよい。
介護臭の不快感の評価は、例えば、本発明の疑似介護臭組成物を標準サンプルとして、介護臭サンプル(使用済み衣類、おむつ等)の臭いと比較することにより行うこともできる。具体的には、疑似介護臭組成物を数段階に希釈し、各濃度の臭い標準サンプルを調製する。そして、介護臭サンプルの臭いを標準サンプルと照合し、介護臭の不快度を官能評価により判定すればよい。官能評価は、1〜20人のパネラーにより行うのが好ましく、3〜10段階で評価するのが好ましい。
介護臭の消臭効果の評価は、例えば本発明の疑似介護臭組成物に被検体(即ち、消臭成分)を作用させて臭いをかぎ、被検体を作用させる前の疑似介護臭組成物の臭いと比較することにより行うことができる。具体的には、疑似介護臭組成物を数段階に希釈し、各濃度の臭い標準サンプルを調製する。そして、被検体を作用させた後の疑似介護臭組成物の臭いを標準サンプルと照合し、消臭効果を官能評価により判定すればよい。官能評価は、1〜20人のパネラーにより行うのが好ましく、3〜10段階で評価するのが好ましい。
疑似介護臭組成物に被検体を作用させる方法としては、特に限定されないが、例えば、疑似介護臭組成物を含浸させた布等に対し、被検体を噴霧又は塗布する方法;疑似介護臭組成物を含浸させた布等を被検体に浸漬する方法;被検体を担体に担持させて、疑似介護臭組成物を含浸させた布等が設置された空間で、該被検体を蒸散させる方法等が挙げられる。
また、上記のような官能試験によらず、臭い成分をGC−MS等の化学的及び/又は物理的手法により分析し、被検体を作用させる前の疑似介護臭組成物と被検体を作用させた後の疑似介護臭組成物とを比較することにより、介護臭の消臭効果を評価してもよい。具体的には、疑似介護臭組成物を標準物質(スタンダード)として用い、あらかじめ検量線を作成する。この検量線を使用して、被検体を作用させた後の疑似介護臭組成物の臭い成分のピークを同定し、その量を測定すればよい。
本発明の介護臭の消臭効果の評価方法は、消臭剤等の開発において使用することができる。
介護臭の洗浄効果の評価は、例えば本発明の疑似介護臭組成物を布等に付着させ、被検体(即ち、洗浄成分)で洗浄して臭いをかぎ、疑似介護臭組成物の臭いと比較することにより行うことができる。具体的には、疑似介護臭組成物を数段階に希釈し、各濃度の臭い標準サンプルを調製する。そして、疑似介護臭組成物を付着させた布等を被検体で洗浄した後の臭いを標準サンプルと照合し、消臭効果を官能評価により判定すればよい。官能評価は、1〜20人のパネラーにより行うのが好ましく、3〜10段階で評価するのが好ましい。
疑似介護臭組成物に被検体を作用させる方法としては、特に限定されないが、例えば、疑似介護臭組成物を含浸させた布等を、被検体を溶解させた水溶液に浸漬する方法等が挙げられる。
また、成分(A)及び成分(B)を金属塩や人工汚垢と組み合わせて使用する場合、成分(A)及び成分(B)と金属塩や人工汚垢とを予め混合し、布等の被検物に付着させてもよいし、疑成分(A)及び成分(B)を被検物に付着させたのち人工汚垢を付着させてもよく、金属塩や人工汚垢を被検物に付着させたのち成分(A)及び成分(B)を付着させてもよい。
被検体の布に用いる金属塩や人工汚垢の量は特に制限されるものではないが、0.001〜100%0wfが好ましく、さらに好ましくは0.1〜10%0wfより好ましくは0.5〜5%0wfである。複数の金属塩や人工汚垢を用いる場合は、事前に混合して用いてもよいし、評価布上で混合してもよい。
評価布を用いた介護臭の洗浄評価は具体的には、疑似介護臭組成物を数段階に希釈し、各濃度の臭い標準サンプルを調製する。そして、疑似介護臭組成物を付着させた金属塩や人工汚垢処理をした布等を被検体で洗浄した後の臭いを標準サンプルと照合し、消臭効果を官能評価により判定すればよい。官能評価は、1〜20人のパネラーにより行うのが好ましく、3〜10段階で評価するのが好ましい。
疑似介護臭組成物に被検体を作用させる方法としては、特に限定されないが、例えば、疑似介護臭組成物を含浸させた金属塩や人工汚垢処理をした布等を、被検体を溶解させた水溶液に浸漬する方法等が挙げられる。
本発明の介護臭の洗浄効果の評価方法は、洗浄剤等の開発において使用することができる。
各例の疑似介護臭組成物の組成を表1〜2に示した。
本実施例において使用した原料は下記の通りである。
・A−1:p−クレゾール(関東化学株式会社製)。
・A−2:ジメチルフェノール(東京化成工業株式会社製)。
・A−3:フェノール(特級、純正化学株式会社製)。
・A−4:オイゲノール(和光純薬工業株式会社製)。
・B−1:デカナール(東京化成工業株式会社製)。
・B−2:ノナナール(東京化成工業株式会社製)。
・B−3:オクタナール(n−オクタナール、東京化成工業株式会社製)。
・B−4:ヘプタナール(1−ヘプタナール鹿一級、関東化学株式会社製)。
・B−5:ヘキサナール(1−ヘキサナール、関東化学株式会社製)。
・B−6:バレルアルデヒド(バレルアルデヒド、シグマアルドリッチジャパン株式会社製)。
・トリエチルアミン:「トリエチルアミン(GR)」(東京化成工業株式会社製)。
・トリメチルアミン:「トリメチルアミン溶液」(東京化成工業株式会社製)。
・アンモニア:「アンモニア水(鹿1級)」(東京化成工業株式会社製)。
・ジメチルジスルフィド:「ジメチルジスルフィド」(和光純薬工業株式会社製)。
・脂肪酸混合物:炭素数7〜10の脂肪酸の混合物、下記4種類の脂肪酸を、脂肪酸混合物の総質量に対して25質量%ずつ混合して使用する。
・ヘプタン酸(東京化成工業株式会社製)。
・オクタン酸(東京化成工業株式会社製)。
・ノナン酸(東京化成工業株式会社製)。
・デカン酸(東京化成工業株式会社製)。
・エタノール(特級、東京化成工業株式会社製)。
・C−1:ゼラチン末(関東化学社製)。
・D−1:人工汚垢油(オレイン酸、トリオレイン、スクアレン、流動パラフィン、コレステロール及びコレステロールオレートの混合物)。
<金属塩>
・E−1:リン酸3カルシウム(純正化学社製)。
<その他>
・溶剤:エタノール(特級、東京化成工業株式会社)。
・洗剤:ノニオン性界面活性剤15質量%水溶液(ラウリルアルコール1モル当たり平均15モルの酸化エチレンを付加させたアルコールエトキシレート;商品名:LMAO、ライオンケミカル製)。
成分(A)、成分(B)、及び任意成分をそれぞれエタノールに1体積%の濃度となるように溶解させ、表1〜2に示す組成に従い混合し、疑似介護臭組成物を得た。
得られた各例の疑似介護臭組成物の組成(配合成分、含有量(μL))を表1〜2に示す。表1〜2の各成分の含有量はエタノール溶液としての含有量である。
表中、空欄の配合成分がある場合、その配合成分は配合されていない。
各例の疑似介護臭組成物について、臭気強度、不快度、介護臭との類似性を以下のように評価した。
評価結果を、表1〜2に示す。
各疑似介護臭組成物(表1〜2に示す各成分のエタノール溶液の合計量)を5cm×5cmのかなきん布に滴下して、ドラフト内で30分間室温にて乾燥させた。その後、乾燥したかなきん布を250mm×250mm(3L)のポリエステルフィルム製の袋に封入し、30分間室温で静置して、袋内に疑似介護臭組成物を蒸散させた。
専門パネラー6名が以下に示す6段階臭気強度表示法に従って、袋の中の臭いを採点し、協議の上点数を決めた。
≪臭気強度の評価基準(6段階臭気強度表示法)≫
5点:強烈な臭い。
4点:強い臭い。
3点:楽に感知できる臭い。
2点:何の臭いか判る弱い臭い。
1点:やっと感知できる臭い。
0点:無臭。
かかる評価結果を、表1〜2の臭気強度の欄に示す。
上記[臭気強度の評価]で作成した袋の中の臭いを、家庭で介護経験のあるパネラー6名、専門パネラー6名で測定して総合的に判断した。
≪不快度の評価基準≫
−4:極端に不快。
−3:非常に不快。
−2:不快。
−1:やや不快。
0:快でも不快でもない。
1:やや快。
2:快。
3:非常に快。
4:極端に快。
かかる評価結果を、表1〜2の不快度の欄に示す。
上記[臭気強度の評価]で作成した袋の中の臭いを、家庭で介護経験のあるパネラー6名、専門パネラー6名で測定して総合的に判断した。
≪介護臭の類似性の評価基準≫
◎:非常に類似性がある。
○:類似性がある。
△:やや類似性がある。
△×:ほとんど類似性がない。
×:類似性はない。
かかる評価結果を、表1〜2の[介護臭との類似性]の欄に示す。
一方、成分(B)を含まない比較例1〜2、4〜5、及び7、成分(A)及び成分(B)をいずれも含まない比較例3は、介護臭との類似性において劣ることが分かった。
成分(A)を含まない比較例6は、介護臭との類似性が若干確認されたが、充分な不快感が得られなかった。
成分(A)/成分(B)で表される体積比が200以上である比較例8は、介護臭との類似性において劣ることが分かった。
以上の結果から、本発明を適用した疑似介護臭組成物によれば、介護臭をより忠実に再現でき、臭気強度が弱い場合であっても不快感を実感できることを確認できた。
[モデル評価布作成方法]
肌シャツ(BVD社製、綿100%、G0134TS)を前処理し、5×5cmに裁断したものを用意した。人工汚垢及び金属塩はC−1およびE−1の各成分をそれぞれエタノールに1体積%の濃度となるように溶解させ、表4に示す量を各評価布に滴下した。D−1の人工汚垢油を用いる場合は評価布5×5cm(0.5g)あたり10μLを滴下し、20%0wfとなるよう用い風乾した。擬似介護臭組成物は表1,2と同様に各々を希釈調整したものを下記表3に示す割合で混合して、各評価布に200μL滴下して用いた。なお、この擬似介護臭組成物は介護臭との類似性があることを確認した。
米国Testing社のTerg−O−tometerを洗浄試験器として用い、評価布5枚と洗浄メリヤス布を入れ、洗剤濃度が0.067質量%となるように添加し、浴比30倍に合わせて、120rpm、20℃で10分間洗浄した。水としては4゜DHのものを用い、洗浄液量は900mLであり、すすぎは900mLの水で3分間洗った。すすいだ後、評価布5枚を前述の臭気強度の評価基準(6段階臭気強度表示表)に基づいて6名の専門パネラーが採点し、協議の上で点数を決めた。
以上の結果から、人工汚垢を使用することにより洗浄後も臭気が低減しない疑似介護臭組成物にすることができた。
Claims (4)
- 成分(A):炭素数6〜9のフェノール類と、成分(B):炭素数6〜10のアルデヒド類とを含み、
成分(A)/成分(B)で表される体積比が0.001〜200未満である、疑似介護臭組成物(ただし、トリデカナール及びイソ酪酸を含む組成物と、(E)−βーダマセノン、ジメチルトリスルフィド、インドール、メチオナール及びスカトールを含む組成物と、を除く)。 - 請求項1に記載の疑似介護臭組成物を用いた、介護臭の強さの評価方法。
- 請求項1に記載の疑似介護臭組成物を用いた、介護臭の不快感の評価方法。
- 請求項1に記載の疑似介護臭組成物を用いた、介護臭に対する消臭効果又は洗浄効果の評価方法。
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