JP2017118889A - 消臭剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、(a)成分:酸及び/又はその塩、及び(b)成分:2以上の官能基を含有する消臭成分を含有する消臭剤組成物であって、組成物に対して1mol/Lのアンモニア水溶液をpHが7.0になるまで添加したときの添加量が、組成物100質量部に対し8.0質量部以上である弱酸性の消臭剤組成物を提供する。
【選択図】なし
Description
特許文献2には、毛髪や衣服等に付着したたばこ臭や悪臭を消臭する目的で、ポリフェノール誘導体と、有機酸(塩)からなる緩衝能を有する物質と、を含有するpH3〜6の消臭剤組成物が開示されている。
特許文献3には、脂肪酸類、アルデヒド類及びアミン類に由来する複合臭を低減することを目的として、特定のヒドロキシアミン化合物を含み所定のpH緩衝能を有する消臭剤が開示されている。
特許文献4には、従来の消臭効果を改善し、繊維製品に対して消臭と同時に柔軟性を与えることを目的として、所定の両性界面活性剤及びカルボン酸類及びリン酸類から選ばれるpH緩衝効果を有する化合物を必須成分とし、25℃でのpHが6〜8の消臭剤組成物が開示されている。
特許文献6には、繊維製品に対して高い消臭性能を有し、特にたばこ臭に対して防臭効果が優れる消臭剤を提供することを目的として、ナフタレンスルホン酸又はその塩を含有する消臭剤組成物が開示されている。
[1](a)成分:酸及び/又はその塩、及び(b)成分:2以上の官能基を含有する消臭成分を含有する消臭剤組成物であって、組成物に対して1mol/Lのアンモニア水溶液をpHが7.0になるまで添加したときの添加量が、組成物100質量部に対し8.0質量部以上である弱酸性の消臭剤組成物。
[2]さらに、下記A群から選ばれる1種または2種以上のA群成分と、下記B群から選ばれる1種または2種以上のB群成分と、を含有する[1]に記載の消臭剤組成物。
A群:1−ヘキサノール、カプロン酸アリル、シス−ジャスモン、シス−3−ヘキセノール、酢酸シス−3−ヘキセニル、シトラール、ユーカリ油、酢酸ヘキシル、ラバンジン油、ライム油、フェニルアセトアルデヒド、ジメチルテトラヒドロベンズアルデヒド
B群:3α,6,6,9α−テトラメチルドデカナフト[2,1−b]フラン、α−アミルシンナミックアルデヒド、酢酸シトロネリル、4(3)−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、γ−デカラクトン、p−tert−ブチル−α−メチルヒドロシンナミックアルデヒド、酢酸リナリル、2,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−イル酢酸エチル、オレンジ油、酢酸スチラリル
[3]A群成分の質量に対するB群成分の質量の比が1.0/1〜11.0/1である[2]に記載の消臭剤組成物。
(a)成分は酸及び/又はその塩である。
(b)成分は、2以上の官能基を含有する消臭成分である。
官能基は、悪臭成分を結合し得る官能基であればよく、例えば、カルボキシル基、アルデヒド基、スルホン酸基等の酸性官能基、アミド基等の塩基性官能基が挙げられる。消臭成分が有する官能基の数は、2以上であればよく、特に限定されない。消臭成分が有する官能基は、少なくとも1つの酸性官能基と少なくとも1つの塩基性官能基を含むことが好ましい。これにより、酸性官能基がアンモニアやトリメチルアミン等の塩基性の悪臭成分と反応し、塩基性官能基が硫化水素、ホルムアルデヒド等の酸性の悪臭成分と反応し得るため、悪臭物質を無臭物質に変換し得る。消臭成分の官能基を有していればよくその基本構造は特に限定されないが、例えば、ベタイン化合物等のベタイン関連化合物が挙げられる。(b)成分は、2以上の官能基を含有する消臭成分の2以上の組み合わせであってもよい。
本発明の消臭剤組成物は、下記A群から選ばれる成分(A群成分)及び下記B群から選ばれる成分(B群成分)を含有していてもよい。A群成分およびB群成分は、いずれか一方を単独で用いてもよいし、それぞれの群から、一種または二種以上を選択し組み合わせて用いてもよい。
B群:3α,6,6,9α−テトラメチルドデカナフト[2,1−b]フラン、α−アミルシンナミックアルデヒド、酢酸シトロネリル、4(3)−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、γ−デカラクトン、p−tert−ブチル−α−メチルヒドロシンナミックアルデヒド、酢酸リナリル、2,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−イル酢酸エチル、オレンジ油、酢酸スチラリル
本発明の消臭剤組成物は弱酸性であり、有効性及び安定性の観点からpHは4.4〜5.8であるのが好ましく、4.5〜5.5であるのがより好ましく、4.5〜5.0であるのがさらに好ましい。pHは、上記(a)成分の組み合わせと配合量により調整することができるが、(a)成分とともに、例えば、塩酸、硝酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンなどのpH調整剤を本発明の効果を損なわない範囲で使用して調整することもできる。
本発明の消臭剤組成物は、消臭剤組成物100質量部に対してモル濃度が1mol/Lのアンモニア水溶液をpHが7.0になるまで添加したとき、1mol/Lアンモニア水溶液の添加量が8質量部以上となるように緩衝能が調整されている。緩衝能は、消臭効果に優れるという観点から、消臭剤組成物100質量部に対してモル濃度が1mol/Lのアンモニア水溶液をpHが7.0になるまで添加したときの1mol/Lアンモニア水溶液の添加量が9質量部以上となるように調整されているのが好ましく、10質量部以上となるように調整されているのが、より好ましく、11質量部以上となるように調整されているのがさらに好ましい。
本発明の消臭剤組成物は、消臭対象、目的に応じて、空間消臭剤(芳香剤、空気洗浄剤など)、衣類消臭剤、排泄物用消臭剤などとして利用してもよい。消臭剤は、溶液、スプレー、クリーム、ペースト、ゲル、ジェル、粉末、顆粒等の形態で使用すればよい。また、消臭剤組成物をシート状成形体、粒状成形体、天然の砂、シリカゲル又はパルプ粉末、葉粉末、オカラ又は米ぬか等の固形物に噴霧又は滴下等の方法により担持させて用いてもよい。シート状の成形体としては、例えば吸水紙や粉砕パルプ、高分子吸水剤等の吸収性物質を吸水紙や不織布に挟み込んだものなどを用いることができる。粒状成形体としては水膨潤性の粘土鉱物からなるもの等が挙げられる。これらのうち、スプレーの形態で使用することが好ましい。本発明の消臭剤がスプレー剤である場合、スプレー剤は、エアゾールタイプ、ポンプタイプのいずれであってもよい。スプレー剤は、愛玩動物(例えば、ネコ、イヌ、ウサギ、ハムスター、モルモット、小鳥)の排泄物、排泄物を吸収したシート、ネコ砂、ケージ、ゴミ箱、ごみ袋、雑巾、布巾、衣類、空間(室内など)等に噴霧して用いることができる。
表2及び表3に示す組成の実施例1〜8及び比較例1〜2の消臭剤組成物を調製した。表2中、クエン酸/クエン酸3ナトリウムは、クエン酸とクエン酸3ナトリウムとを80/20の質量比で混合したものであり、クエン酸/クエン酸3アンモニウムは、クエン酸とクエン酸3アンモニウムとを80/20の質量比で混合したものである。各消臭剤組成物について、下記方法で緩衝能を測定するとともに消臭性能を評価し、結果を表2及び表3に示した。消臭成分は、塩基性物質(アンモニア、アミン類等)に対するカルボキシル基、酸性物質(硫化水素、メルカプタン類等)に対するアルデヒド基、アミノ基などの官能基を含有する成分であり、消臭成分Aは、エポリオンN−300(共立製薬(株))、消臭成分Bは、DEODORA NTA−300(高砂香料工業(株))である。
200mL容のビーカーに各消臭剤組成物100gを入れ、1mol/Lアンモニア水溶液を徐々に滴下していき、pHが7.0になるまでに要したアンモニア水溶液量(g)を測定した。
容量約10Lのコック付きエアーバッグ内に5×5cmの木綿布を入れたものを用意し、表1に記載の配合の複合悪臭1〜3をそれぞれマイクロシリンジで木綿布に0.1mg滴下し、30分間室温で放置し、悪臭を飽和させた。
この布に各消臭剤組成物を均一となるようにスプレーにて0.5g塗布したものを室温で(約20℃)1時間放置した後、エアーバッグのコックを開いて臭気判定士5名で直接嗅ぎ、以下の評価基準で評価し、その平均値で示した。
0:無臭
1:やっと感知できる臭い
2:何のニオイであるかわかる弱い臭い
3:楽に感知できる臭い
4:強い臭い
5:強烈な臭い
A:1.5%アンモニア水溶液0.2mL
B:0.05%インドール・エタノール溶液100μL
C:0.1%イソ吉草酸水溶液0.5mL
D:0.05%メチルメルカプタン・エタノール溶液100μL
E:10Lのボックス中でたばこ(セブンスター)を5本燃焼させた気体を濃縮したエタノール溶液100μL
表4に示す組成の香料成分1と、表5に示す組成の香料成分2と、を調製し、該香料成分1及び2を用いて、表6及び表7に示す組成の実施例9〜16の消臭剤組成物を調製した。表6中、クエン酸/クエン酸3ナトリウムは、クエン酸とクエン酸3ナトリウムとを80/20の質量比で混合したものであり、クエン酸/クエン酸3アンモニウムは、クエン酸とクエン酸3アンモニウムとを80/20の質量比で混合したものである。得られた消臭剤組成物について、実施例1〜8と同様の方法で緩衝能を測定するとともに消臭性能評価試験を行い、結果を表6及び表7に示した。
(a)成分と(b)成分とを含み、組成物100gに対して1mol/Lのアンモニア水溶液をpHが7.0になるまで添加したときの添加量が8.0g以上となるように緩衝能が調整されている実施例1〜16では、消臭性能の試験結果が1.8以下であり、いずれの複合悪臭に対しても消臭効果が高かった。これに対して、(a)成分のみを含み(b)成分を含まない比較例1および2では、消臭性能の試験結果が3.8以上であり、複合悪臭に対する消臭効果が発揮できなかった。
この結果から、酸及び/又はその塩と、2以上の官能基を含有する消臭成分とを含有させ、かつ、1mol/Lのアンモニア水溶液をpHが7.0になるまで添加したときの添加量が、組成物100質量部に対して8.0質量部以上となるように緩衝能を調整することにより、さまざまな悪臭に対して良好な消臭効果を発揮することができるということがわかった。
また、香料成分1および2を含む実施例9〜16では消臭性能の試験結果が1.0以下であるという良好な結果が得られた。この結果から本発明においては、A群成分と、B群成分と、を香料成分として含有するものが好ましいということがわかった。
処方例1.スプレー用液体消臭剤組成物(pH5.0、緩衝能11.3g)
[(評価)複合悪臭1:1.0、複合悪臭2:0.8、複合悪臭3:0.8]
クエン酸 2.0%
トリエタノールアミン 4.0%
エポリオンN−300(共立製薬(株)) 0.5%
香料成分1 0.1%
ポリオキシエチレンアルキルエーテル 0.5%
エタノール 7.5%
イオン交換水 残
計 100.0%
下記処方の消臭剤組成物(pH4.5、緩衝能19.6g)を用いて、以下の手順により排泄物処理シートを作成した。吸水紙(15g/m2)上に100g/m2の綿状パルプを載せ、これに高分子吸水剤(アクリル酸塩系;サンフレッシュ)を30g/m2散布し、さらに、下記処方の消臭剤組成物を2g/m2噴霧することによりペット用の排泄物処理シートを得た。[(評価)複合悪臭1:1.0、複合悪臭2:0.8、複合悪臭3:0.8)]
リン酸 30.0%
トリエタノールアミン 60.0%
エポリオンN−300(共立製薬(株)) 7.5%
香料成分1 2.5%
計 100.0%
Claims (3)
- (a)成分:酸及び/又はその塩、及び
(b)成分:2以上の官能基を含有する消臭成分を含有する消臭剤組成物であって、
組成物に対して1mol/Lのアンモニア水溶液をpHが7.0になるまで添加したときの添加量が、組成物100質量部に対し8.0質量部以上である弱酸性の消臭剤組成物。 - さらに、下記A群から選ばれる1種または2種以上のA群成分と、下記B群から選ばれる1種または2種以上のB群成分と、を含有する請求項1に記載の消臭剤組成物。
A群:1−ヘキサノール、カプロン酸アリル、シス−ジャスモン、シス−3−ヘキセノール、酢酸シス−3−ヘキセニル、シトラール、ユーカリ油、酢酸ヘキシル、ラバンジン油、ライム油、フェニルアセトアルデヒド、ジメチルテトラヒドロベンズアルデヒド
B群:3α,6,6,9α−テトラメチルドデカナフト[2,1−b]フラン、α−アミルシンナミックアルデヒド、酢酸シトロネリル、4(3)−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、γ−デカラクトン、p−tert−ブチル−α−メチルヒドロシンナミックアルデヒド、酢酸リナリル、2,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−イル酢酸エチル、オレンジ油、酢酸スチラリル - A群成分の質量に対するB群成分の質量の比が1.0/1〜11.0/1である請求項2に記載の消臭剤組成物。
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