JP2010279414A - ω−メチルチオアルキルイソチオシアネートを含有する消臭剤 - Google Patents
ω−メチルチオアルキルイソチオシアネートを含有する消臭剤 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】体臭、口臭、ペット臭、タバコ臭、生ゴミ臭等の悪臭を強力に消臭する。また、本発明消臭剤を飲食品、香粧品、芳香剤等を併せて使用することにより、これらに存する悪臭を消臭する。
【解決手段】6−メチルチオヘキシルイソチオシアネート等のω−メチルチオアルキルイソチオシアネートを含有する消臭剤。ω−メチルチオアルキルイソチオシアネートは化学的に合成されたものでもよく、また、アブラナ科植物、フウチョウソウ科植物、パパイア科植物、モクセイソウ科植物、ノウゼンハレン科植物等の天然植物から採取したものでもよい。
【選択図】なし
【解決手段】6−メチルチオヘキシルイソチオシアネート等のω−メチルチオアルキルイソチオシアネートを含有する消臭剤。ω−メチルチオアルキルイソチオシアネートは化学的に合成されたものでもよく、また、アブラナ科植物、フウチョウソウ科植物、パパイア科植物、モクセイソウ科植物、ノウゼンハレン科植物等の天然植物から採取したものでもよい。
【選択図】なし
Description
本発明はω−メチルチオアルキルイソチオシアネートを有効成分として含有し、体臭、口臭、ペット臭、タバコ臭、生ゴミ等の悪臭成分を強力に消臭する消臭剤に関する。
生活環境の清潔志向に伴い、日常生活の様々な側面において悪臭が問題視されるようになっている。代表的な悪臭に、体臭、口臭、ペット臭、タバコ臭、生ゴミ臭等がある。
体臭の主な成分に、イソ吉草酸、ノルマル酪酸、ノルマル吉草酸、ノネナール等がある。口臭の主な成分にメチルメルカプタン、イソ吉草酸、アンモニア等がある。また、ペット臭の主な成分にアンモニア、トリメチルアミン、メチルメルカプタン等がある。さらに、タバコ臭の主な成分に、アセトアルデヒド、アンモニア、硝化水素等がある。生ゴミ臭の主な成分に、メチルメルカプタン、硝化水素、アンモニア、トリメチルアミン等がある。
体臭・口臭を予防する成分に、マッシュルームから抽出された成分であるシャンピニオンエキスが知られており(特開平10−099055)、数多くの消臭商品が上市されている。また、パセリ種子油(特開10−043281)、メントール(特開平05−146495)、ユーカリ油(特開2002−037722)等の商品も上市されている。
さらに、タバコ臭を予防する成分として、マンダリンオレンジ精油(特開2002−143285)、生ごみ臭を予防する成分として、 麦穀および/または初穀(特開2003−305112)が知られている。
また、アリルイソチオシアネートを含有した消臭剤も数多の発明が存在する(特開2000−051339、特開平11−146908、特開平07−112018)。しかし、アリルイソチオシアネートは刺激性が強いため、その使用用途が限定される場合が多い。また、わさび精油やわさび香料はアリルイソチオシアネートを多く含むため、消臭効果を発揮できる濃度に設定すると、辛味刺激臭が強くなり、やはり使用用途が限定される。
さらに、上記した消臭剤の効果はいずれも限定的であり、充分な体感効果を得られるものではない。
臭いに対する意識が高まっている昨今では、より強力で容易に入手できる消臭剤、あるいはこれを含む飲食品、香粧品、芳香剤の開発が強く望まれている。
そこで本発明の課題は、体臭、口臭、ペット臭、タバコ臭、生ゴミ臭等の悪臭成分を体感効果を得られるまでに消臭し、上述の公知技術にない利点を有した消臭剤を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明によれば、ω−メチルチオアルキルイソチオシアネート、例えば、3−メチルチオプロピルイソチオシアネート、4−メチルチオブチルイソチオシアネート、5−メチルチオペンチルイソチオシアネート、6−メチルチオヘキシルイソチオシアネート、7−メチルチオヘプチルイソチオシアネート、8−メチルチオオクチルイソチオシアネート、9−メチルチオノニルイソチオシアネート、10−メチルチオデシルイソチオシアネート、11−メチルチオウンデシルイソチオシアネートから選択される一種、あるいは複数種を有効成分として含有し、悪臭に対する消臭作用を有することを特徴とする。
さらに上述の課題を解決するため、本発明によれば、ω−メチルチオアルキルイソチオシアネート、例えば、3−メチルチオプロピルイソチオシアネート、4−メチルチオブチルイソチオシアネート、5−メチルチオペンチルイソチオシアネート、6−メチルチオヘキシルイソチオシアネート、7−メチルチオヘプチルイソチオシアネート、8−メチルチオオクチルイソチオシアネート、9−メチルチオノニルイソチオシアネート、10−メチルチオデシルイソチオシアネート、11−メチルチオウンデシルイソチオシアネートから選択される一種、あるいは複数種を有効成分とする消臭剤を飲食品と併せて使用することを特徴とする。
さらに上述の課題を解決するため、本発明によれば、ω−メチルチオアルキルイソチオシアネート、例えば、3−メチルチオプロピルイソチオシアネート、4−メチルチオブチルイソチオシアネート、5−メチルチオペンチルイソチオシアネート、6−メチルチオヘキシルイソチオシアネート、7−メチルチオヘプチルイソチオシアネート、8−メチルチオオクチルイソチオシアネート、9−メチルチオノニルイソチオシアネート、10−メチルチオデシルイソチオシアネート、11−メチルチオウンデシルイソチオシアネートから選択される一種、あるいは複数種を有効成分とする消臭剤を香粧品と併せて使用することを特徴とする。
さらに上述の課題を解決するため、本発明によれば、ω−メチルチオアルキルイソチオシアネート、例えば、3−メチルチオプロピルイソチオシアネート、4−メチルチオブチルイソチオシアネート、5−メチルチオペンチルイソチオシアネート、6−メチルチオヘキシルイソチオシアネート、7−メチルチオヘプチルイソチオシアネート、8−メチルチオオクチルイソチオシアネート、9−メチルチオノニルイソチオシアネート、10−メチルチオデシルイソチオシアネート、11−メチルチオウンデシルイソチオシアネートから選択される一種、あるいは複数種を有効成分とする消臭剤を芳香剤と併せて使用することを特徴とする。
本発明はω−メチルチオアルキルイソチオシアネート、具体的には3−メチルチオプロピルイソチオシアネート、4−メチルチオブチルイソチオシアネート、5−メチルチオペンチルイソチオシアネート、6−メチルチオヘキシルイソチオシアネート、7−メチルチオヘプチルイソチオシアネート、8−メチルチオオクチルイソチオシアネート、9−メチルチオノニルイソチオシアネート、10−メチルチオデシルイソチオシアネート、11−メチルチオウンデシルイソチオシアネートから選択される一種、あるいは複数種を消臭剤の有効成分として含有し、これを飲食品、香粧品、あるいは芳香剤と併用して用いることにより悪臭成分が消臭される効果を奏する。また、消臭剤として凡用されるアリルイソチオシアネートより消臭効果が強い。さらに、本発明の消臭剤によれば、アリルイソチオシアネートやわさび精油、わさび香料より刺激臭が少なく、目的の商品中の含有量を高めることができるため、効果が高い。
以下、本発明を具体的に詳述する。
本発明に用いられる原材料はω−メチルチオアルキルイソチオシアネート、具体的には3−メチルチオプロピルイソチオシアネート、4−メチルチオブチルイソチオシアネート、5−メチルチオペンチルイソチオシアネート、6−メチルチオヘキシルイソチオシアネート、7−メチルチオヘプチルイソチオシアネート、8−メチルチオオクチルイソチオシアネート、9−メチルチオノニルイソチオシアネート、10−メチルチオデシルイソチオシアネート、11−メチルチオウンデシルイソチオシアネートから選択される一種、あるいは複数種である。
これらのイソチオシアネート類は、化学的な合成法により得ることができるが、アブラナ科植物、フウチョウソウ科植物、パパイア科植物、モクセイソウ科植物、ノウゼンハレン科植物などより抽出、さらに精製して得ることができる。
化学合成としてはジハロゲン化アルキルをチオアルキル化剤と反応させていずれか一方のハロゲンをアルキルチオで置換し、得られた生成物をアミノ化剤と反応させてアルキルチオアミンを生成させ、次いでこれをイソチオシアン化剤と反応させてω−アルキルチオイソチオシアナートを製造する。
本発明の消臭剤は、他の香料と併せて用いることができる。香料としてはインドール類、エーテル類、エステル類、ケトン類、脂肪酸類、脂肪族高級アルコール類、脂肪族高級アルデヒド類、脂肪族高級炭化水素、チオエーテル類、チオール類、テルペン系炭化水素類、フェノールエーテル類、フェノール類、フルフラール類、芳香族アルコール類、芳香族アルデヒド類、ラクトン類、フラン類、天然香料から選択される一種、あるいは複数種の混合物である。
本発明に係る消臭剤はそれ単独で用いることも可能であるが、各種飲食品あるいは香粧品、芳香剤に添加して使用することもできる。具体的には、液体食品(清涼飲料水、茶飲料、乳酸料、ドリンク剤、アルコール飲料等)、固形食品(菓子、米飯類、パン類、麺類、調味料、粉末状、顆粒状、カプセル状、錠剤等)、香粧品(化粧水、乳液、石鹸、香水等)、あるいは芳香剤(液体、固形、スプレー、担体に浸含させた形状等)に添加して使用することができる。
6−メチルチオヘキシルイソチオシアネートによるイソ吉草酸に対する消臭試験
1.検体5ミリリットルを臭い袋(ポリフッ化ビニル製)に入れ、ヒートシールを施し 密封した。
2.空気3リットルを封入し、ガス濃度が15ppmとなるように対象ガスを添加し た。
3.室温下で放置後、10分後に検知管(株式会社ガステック製)により袋内のガス濃 度を測定した。
1.検体5ミリリットルを臭い袋(ポリフッ化ビニル製)に入れ、ヒートシールを施し 密封した。
2.空気3リットルを封入し、ガス濃度が15ppmとなるように対象ガスを添加し た。
3.室温下で放置後、10分後に検知管(株式会社ガステック製)により袋内のガス濃 度を測定した。
6−メチルチオヘキシルイソチオシアネートによるイソ吉草酸に対する消臭試験結果を表1に示す。
表1の結果より、6−メチルチオヘキシルイソチオシアネートによるイソ吉草酸に対する消臭効果を有している事が確認された。
表1の結果より、6−メチルチオヘキシルイソチオシアネートによるイソ吉草酸に対する消臭効果を有している事が確認された。
6−メチルチオヘキシルイソチオシアネートによるノネナールに対する消臭試験
1.検体5ミリリットルを臭い袋(ポリフッ化ビニル製)に入れ、ヒートシールを施し 密封した。
2.空気4リットルを封入し、ガス濃度が20ppmとなるように対象ガスを添加し た。
3.室温下で放置後、60分後にDNPHカートリッジ(ジーエルサイエンス株式会社 製)に300ml捕集した。
4.DNPHカートリッジにアセトニトリル5mlを通してDNPH誘導体を溶出させ 、この溶出液を高速液体クロマトグラフ法により測定し、袋内のガス濃度を算出し た。高速液体クロマトグラフィーの操作条件は表2に示した。
1.検体5ミリリットルを臭い袋(ポリフッ化ビニル製)に入れ、ヒートシールを施し 密封した。
2.空気4リットルを封入し、ガス濃度が20ppmとなるように対象ガスを添加し た。
3.室温下で放置後、60分後にDNPHカートリッジ(ジーエルサイエンス株式会社 製)に300ml捕集した。
4.DNPHカートリッジにアセトニトリル5mlを通してDNPH誘導体を溶出させ 、この溶出液を高速液体クロマトグラフ法により測定し、袋内のガス濃度を算出し た。高速液体クロマトグラフィーの操作条件は表2に示した。
6−メチルチオヘキシルイソチオシアネートによるノネナールに対する消臭試験結果を表3に示す。
表3の結果より、6−メチルチオヘキシルイソチオシアネートはノネナールに対す消臭効果を有している事が確認された。
表3の結果より、6−メチルチオヘキシルイソチオシアネートはノネナールに対す消臭効果を有している事が確認された。
6−メチルチオヘキシルイソチオシアネート含有芳香剤によるアセトアルデヒドに対する消臭試験
1.6−メチルチオヘキシルイソチオシアネート1.0重量%、ミント香料10重 量%、ユーカリ香料5重量%、エタノール84重量%を含有する芳香剤を調合し た。
2.検体5ミリリットルを臭い袋(ポリフッ化ビニル製)に入れ、ヒートシールを施し 蜜封した。
3.空気3リットルを封入し、ガス濃度が20ppmとなるように対象ガスを添加した 。
4.室温で放置後、10分後に検知管(株式会社ガステック製)により袋内のガス濃度 を測定した。
1.6−メチルチオヘキシルイソチオシアネート1.0重量%、ミント香料10重 量%、ユーカリ香料5重量%、エタノール84重量%を含有する芳香剤を調合し た。
2.検体5ミリリットルを臭い袋(ポリフッ化ビニル製)に入れ、ヒートシールを施し 蜜封した。
3.空気3リットルを封入し、ガス濃度が20ppmとなるように対象ガスを添加した 。
4.室温で放置後、10分後に検知管(株式会社ガステック製)により袋内のガス濃度 を測定した。
6−メチルチオヘキシルイソチオシアネート含有芳香剤によるアセトアルデヒドに対する消臭試験
結果を表4に示す。表4の結果により、6−メチルチオヘキシルイソチオシアネート含有芳香剤はアセトアルデヒドに対する消臭効果を有している事が確認された。
結果を表4に示す。表4の結果により、6−メチルチオヘキシルイソチオシアネート含有芳香剤はアセトアルデヒドに対する消臭効果を有している事が確認された。
6−メチルチオヘキシルイソチオシアネートキャンディによる口臭抑制試験
砂糖、水飴、植物油脂、ゼラチンに0.1重量%6−メチルチオヘキシルイソチオシアネートを添加し、キャンディを作製した。加熱調理したニンニク(3.5g)を10名に摂取させ、10分後にキャンディ1個(3.5g)を10名のうちの5名に摂取させた。30分後の口臭をプレスチェッカー(HC-205、株式会社タニタ製)で測定した。口臭の程度の平均値を表5に示した。
砂糖、水飴、植物油脂、ゼラチンに0.1重量%6−メチルチオヘキシルイソチオシアネートを添加し、キャンディを作製した。加熱調理したニンニク(3.5g)を10名に摂取させ、10分後にキャンディ1個(3.5g)を10名のうちの5名に摂取させた。30分後の口臭をプレスチェッカー(HC-205、株式会社タニタ製)で測定した。口臭の程度の平均値を表5に示した。
表5に示したとおり、6−メチルチオヘキシルイソチオシアネートキャンディの摂取により口臭が軽減された。
本発明ω−メチルチオアルキルイソチオシアネート、例えば3−メチルチオプロピルイソチオシアネート、4−メチルチオブチルイソチオシアネート、5−メチルチオペンチルイソチオシアネート、6−メチルチオヘキシルイソチオシアネート、7−メチルチオヘプチルイソチオシアネート、8−メチルチオオクチルイソチオシアネート、9−メチルチオノニルイソチオシアネート、10−メチルチオデシルイソチオシアネート、11−メチルチオウンデシルイソチオシアネートから選択される一種、あるいは複数種を含有する消臭剤に関するものである。この発明を用いることにより、飲食品、香粧品および芳香剤としての利用範囲が増大し、産業上の利用可能性が大である。
Claims (6)
- ω−メチルチオアルキルイソチオシアネートを有効成分として含有することを特徴とする消臭剤。
- 請求項1において、ω−メチルチオアルキルイソチオシアネートが6−メチルチオヘキシルイソチオシアネートである請求項1の消臭剤。
- 請求項1において、ω−メチルチオアルキルイソチオシアネートが3−メチルチオプロピルイソチオシアネート、4−メチルチオブチルイソチオシアネート、5−メチルチオペンチルイソチオシアネート、7−メチルチオプチルイソチオシアネート、8−メチルチオオクチルイソチオシアネート、9−メチルチオノニルイソチオシアネート、10−メチルチオデシルイソチオシアネートおよび11−メチルチオウンデシルイソチオシアネートの群から選択される一種あるいは複数種である請求項1の消臭剤。
- 請求項1において、ω−メチルチオアルキルイソチオシアネートが化学的合成によって得られる請求項1の消臭剤。
- 請求項1において、ω−メチルチオアルキルイソチオシアネートがアブラナ科植物、フウチョウソウ科植物、パパイア科植物、モクセイソウ科植物およびノウゼンハレン科植物の群から選択され、抽出、精製して得られる請求項1の消臭剤。
- 請求項1の消臭剤は飲食品、香粧品または芳香剤と併せて使用される請求項1の消臭剤。
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- 2009-06-02 JP JP2009132891A patent/JP2010279414A/ja active Pending
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WO2010140272A1 (ja) | 2010-12-09 |
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