JP2008220436A - 脱臭用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】活性炭に匹敵する能力を有する脱臭剤を低コストかつ簡便に製造すること。
【解決手段】樹皮破砕物を分級して得た分級物を含んでいる脱臭用組成物を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は新たな脱臭用組成物に関するものである。
快適な生活を送る上で、匂いは重要な因子の一つである。芳香は心を和ませるが、悪臭や異臭は不快感の原因となる。ゴミ処理場や畜産農家の近隣では、これらから発せられる臭気が環境問題にまで発展している。また、室内にて飼育される愛玩動物に起因する臭気もまた問題視されている。そのため、数多くの芳香剤、消臭剤および脱臭剤が開発されている。
ヒノキチオールなどの樹木の香り成分は、人の気持ちを和らげる働きがあることが知られており、ヒノキ等の生木およびその抽出物が、芳香剤として使用されている。しかし、芳香剤は、快い香りを付加するものであるが、不快な匂いを吸収することができない。そのため、悪臭が強い場所では、快適な環境を作り出すことができない。
脱臭剤としては、従来から活性炭、ゼオライト、ホタテ貝殻粉等が知られている。特に、活性炭は優れた脱臭効果を有しており、広く使用されている。
活性炭は、オガ屑、ヤシガラ、石炭等を、一旦炭化あるいは熱分解した後、特定の条件下にて酸化させること(賦活)により製造される。賦活されていることにより、通常の木炭に比べより多くの孔がより深いところまで空いている。そのため、活性炭の匂い吸着能力は非常に高い。
バイオマス資源として近年注目されている木材は、建築または家具の材料としてだけでなく、古くから種々の用途に用いられている。例えば、木炭粒、木材粒状物(例えば、おが屑、木材チップ等)等が、生ごみ処理に用いる微生物培養基材として用いられており(例えば、特許文献1、2等を参照のこと)、樹皮を砕いてなる樹皮粒状物を木材粒状物に添加した生ごみ処理基材も知られている(例えば、特許文献3等を参照のこと)。
木材のさらなる利用として、樹木から抽出された木酢液は脱臭剤としても利用されており(例えば、特許文献4、5等を参照のこと)、樹木の木質部分を破砕し、微生物を作用させて形成した堆肥様物質からなる消臭剤も知られている(例えば、特許文献6等を参照のこと)。
特開平8−1133号公報(平成8年1月9日公開) 特開平8−39041号公報(平成8年2月13日公開) 特開2004−216379号公報(平成16年8月5日公開) 特開平5−168363号公報(平成5年7月2日公開) 特開平5−310522号公報(平成5年11月22日公開) 特開2002−85541号公報(平成14年3月26日公開)
しかし、木材由来のこれらの脱臭剤または消臭剤は、製造するにあたり時間も費用も必要とされるので、より低コストな脱臭剤を簡便に製造する技術が求められている。特に、脱臭剤として非常に有能な活性炭に匹敵する能力を有する新たな脱臭剤が熱望されている。
本発明は、上記課題に鑑み、活性炭に匹敵する能力を有する脱臭剤を低コストかつ簡便に提供することを目的としている。
本発明に係る脱臭用組成物は、樹皮破砕物より得られる分級物を含んでいる脱臭用組成物であって、該分級物は、長手方向および該長手方向と直交する第2方向によって規定される平面ならびに0.5mm以下の厚さを有する平板状の形態であり、該平面において、第2方向の長さが0.01〜5mmであり、長手方向の長さが第2方向の長さの10倍以下であり、該分級物以外の樹皮破砕物の含有量が、該分級物の含有量の0.3倍以下であることを特徴としている。
本発明に係る脱臭用組成物は、上記分級物を10重量%以上含んでいることが好ましい。
また、本発明に係る脱臭用組成物は、脱臭すべき空間1mに対して上記分級物を0.4g以上含んでいることが好ましい。
本発明に係る脱臭用組成物において、上記樹皮破砕物は針葉樹の樹皮より得られることが好ましい。
本発明に係る脱臭用組成物は、多孔性物質をさらに含んでいてもよい。
本発明に係る脱臭用組成物では、上記多孔性物質は活性炭またはゼオライトであることが好ましい。
本発明に係る脱臭用組成物の製造方法は、脱臭用組成物の製造方法であって、樹皮を破砕して樹皮破砕物を得る破砕工程;該樹皮破砕物を分級する分級工程;および該分級工程で得られた分級物を含む脱臭用組成物を製造する工程を包含し、該分級工程は、0.01mm〜5mmのメッシュ幅を有する第1の篩を垂直方向に振動させて篩上を回収する第1分級段階;および第1の篩が有するメッシュ幅の1〜5倍のメッシュ幅を有する第2の篩を水平方向に振動させて篩下を回収する第2分級段階を含むことを特徴としている。なお、本発明に係る製造方法において、第1分級段階および第2分級段階のいずれを先に行ってもよい。第1分級段階を先に行う場合、上記破砕工程において得られた樹皮破砕物を第1分級段階において分級し、回収した篩上を第2分級段階において分級し、その篩下を最終分級物として用いる。反対に、第2分級段階を先に行う場合、上記樹皮破砕物を第2分級段階において分級し、回収した篩下を第1分級段階において分級し、その篩上を最終分級物として用いる。
また、上記脱臭用組成物の製造方法では、上記分級工程が、0.01〜5mmのメッシュ幅を有する第3の篩を垂直に振動させて篩下を回収する第3分級工程をさらに含んでいてもよい。これにより、破砕が不十分な、大きなサイズの樹皮破砕物を取り除くことができる。第3分級工程は、第1分級工程および第2分級工程の前に行うことが好ましい。
本発明に係る脱臭用組成物の製造方法は、上記分級物を10重量%以上含ませる工程をさらに包含することが好ましい。
本発明に係る脱臭用組成物の製造方法は、多孔性物質をさらに含ませる工程をさらに包含してもよい。
本発明に係る脱臭用組成物の製造方法では、上記多孔性物質は活性炭またはゼオライトであることが好ましい。
本発明を用いれば、優れた脱臭効果を有する脱臭用組成物を低コストかつ簡便に提供することができる。また、本発明に係る脱臭用組成物は、アンモニアに対して活性炭を凌駕する、非常に優れた脱臭効果を有している。
本発明者らは、通常廃棄される樹皮の有効利用を検討する中で、樹皮破砕物の中の特定の画分が優れた脱臭効果を有していることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、樹皮破砕物の分級物を含む脱臭用組成物を提供する。本発明に係る脱臭用組成物に含まれている樹皮破砕物の分級物は、樹皮を破砕して得られた樹皮破砕物から、長手方向および該長手方向と直交する第2方向によって規定される平面ならびに0.5mm以下の厚さを有する平板状の形態であり、該平面において、第2方向の長さが0.01〜5mmであり、長手方向の長さが第2方向の長さの10倍以下であるものが選別されてなることを特徴としている。
厚さが0.5mmを超える樹皮破砕物および第2方向の長さが5mmを超える樹皮破砕物は、十分に破砕されておらず、本発明に係る分級物および該分級物以外の樹皮破砕物が未分離の状態であるため好ましくない。また、第2方向の長さが0.01mm以上の分級物は、樹皮破砕物から容易に選別することができる。
本発明に係る脱臭用組成物に含まれる上記分級物は、組成物全体に対して少なくとも10重量%以上含まれていればよく、好ましくは30重量%、より好ましくは50重量%、60重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%または87.5重量%以上含まれ得、最も好ましくは90重量%以上含まれ得る。また、本発明に係る脱臭用組成物には、上記分級物以外の樹皮破砕物が含まれていてもよいが、本発明に係る脱臭用組成物における、上記分級物以外の樹皮破砕物の含有量は、該分級物の含有量の0.3倍以下であることが好ましく、より好ましくは0.2倍以下であり、さらに好ましくは0.1倍以下であり得る。
本明細書において、「脱臭用組成物」とは、脱臭に用いることができる組成物が意図される。また、本明細書中で使用される場合、「組成物」は各種成分が一物質中に含有されている形態であることが意図される。本発明に係る脱臭用組成物としては、具体的には、本発明に用いる分級物が不織布に包まれてなる脱臭剤、本発明に用いる分級物を含有する脱臭用置物、本発明に用いる分級物を織り込んだカーテンやシーツ等の内装材または衣料品が挙げられるが、脱臭すべき空間に配置することができる形態であればこれらに限定されない。なお、本発明に係る脱臭用組成物が、上述した脱臭剤、脱臭用置物、内装材、衣料品などの形態で提供される場合は、製品に含まれる分級物の量を「重量%」等で規定することは困難である。しかし、本発明に用いる分級物と当該分級物以外の樹皮破砕物との割合が上記範囲内であれば、提供された製品が本発明に係る脱臭用組成物に包含され得ることを、本明細書を読んだ当業者は容易に理解する。
本発明に係る脱臭用組成物が含有している本発明に用いる分級物の量は、脱臭すべき空間1mに対して0.4g以上であることが好ましく、より好ましくは1g以上、さらに好ましくは5g以上であり得る。
脱臭効果を迅速に得るためには、本発明に用いる分級物の量がより多いことが好ましく、1〜2時間以内の脱臭効果を求める場合、20〜50g/mが好ましい。なお、本発明に用いる分級物の脱臭効果は長期間持続するので、交換する頻度は少なくてもよく、天然資源を用いているので廃棄方法は限定されない。
脱臭剤として有能な活性炭は、トリメチルアミン、酢酸等を良好に吸着するが、ヒトに起因する悪臭として代表的なアンモニアをあまり吸着し得ない。後述する実施例において示されるように、本発明に係る脱臭用組成物は、トリメチルアミンおよび酢酸に対して活性炭に匹敵する脱臭効果を有している。さらに、本発明に係る脱臭用組成物は、アンモニアに対しても非常に優れた脱臭効果を有している。木材に由来する画分に、活性炭を大きく凌駕する脱臭効果があることは、従来全く予想し得ることではなかった。
樹皮破砕物は、種々の樹木から得られうるが、本発明に係る脱臭用組成物に適用するための樹木としては、例えば、エゾマツ、トドマツ、スギ、ヒノキ、ヒバ、スプルース等の針葉樹、またはカエデ、ナラ、ブナ、カバ等の広葉樹であることが好ましく、より好ましくは針葉樹であり、さらに好ましくはスギまたはヒノキであり得る。特に、秋田スギまたは秋田ヒバであれば、肉厚の樹皮を得ることができるので、本発明に好適に用いることができる。
樹皮の破砕は、当該分野において周知の種々の技術を適用すればよく、例えば、シュレッダーまたは衝撃式破砕機も用いることができる。
樹皮破砕物の分級は、篩を用いて行うことができる。垂直方向に振動する篩(縦振動式篩)では、被分級物は舞い上げられ様々な方向を向く。したがって、被分級物は任意の方向を向いた状態で上記篩のメッシュを通過し得る。一方、水平に振動する篩(横振動式篩)では、被分級物のほとんどが篩上に安定して載置されている。したがって、多くの場合、被分級物が最も長い幅を有する方向がメッシュ面に対して平行となる。このとき、被分級物が有する最も長い幅が、メッシュ幅の2倍を超える場合、被分級物は必ず2点以上で支持されメッシュを通過し得ない。逆に、被分級物が有する最も長い幅が、メッシュ幅の2倍以下の場合、被分級物は1点で支持され得、そのときにメッシュを通過し得る。以上の篩を組み合わせて用いることにより、樹皮破砕物から得られる分級物の所望の画分を回収することができる。
具体的には、0.01mm〜5mmのメッシュ幅を有する第1の篩を垂直方向に振動させて篩上を回収する第1分級段階、および第1の篩が有するメッシュ幅の1〜5倍のメッシュ幅を有する第2の篩を水平方向に振動させて篩下を回収する第2分級段階の2つの分級段階を行う。なお、どちらの分級段階を先に行ってもよい。本明細書中で使用される場合、「第1」、「第2」等の用語は、その順番に意味はなく、互いに独立していることが意図される。
第1分級段階において回収される分級物は、第2方向の長さの最小値が第1の篩のメッシュ幅となる。一方、第2分級段階において回収される分級物は、長手方向の長さの最大値が第2の篩のメッシュ幅の2倍となる。第2の篩のメッシュ幅は第1の篩のメッシュ幅の5倍以下なので、一方の分級段階において回収された分級物をさらに他方の分級段階にて分級すれば、長手方向の長さが第2方向の長さの10倍以下である分級物を回収し得る。
なお、上述した分級を行う前に、0.01mm〜5mmのメッシュ幅を有する第3の篩を垂直方向に振動させて樹皮破砕物を分級し、篩上を除去することにより、破砕が不十分な樹皮破砕物を予め除くことができる。
また、上記分級物を不織布によって包む場合、該分級物に含まれる微小な粒が不織布からこぼれ落ちることを防ぐために、該微小な粒が予め取り除かれていることが好ましい。具体的には、上述した分級を行う前に0.01mm〜0.25mmのメッシュ幅を有する第4の篩を垂直方向に振動させて樹皮破砕物を分級し、篩下を除去することが好ましい。
また、風選(風力分級)、水選、振動分級、重力分級等の周知の技術を用いても、樹皮破砕物から得られる分級物の所望の画分を選別し得る。
また、本発明に係る脱臭用組成物は、脱臭効果の向上または適用対象範囲の拡大のために、活性炭またはゼオライトのような多孔性物質、またはわさび等から抽出される植物由来の脱臭剤をさらに含んでいてもよい。多孔性物質とは、気体類の通過を許す極めて微細な連続孔を含む材料であり、脱臭効果を有することが知られている。上記脱臭用組成物は、種々の脱臭剤をさらに含んでいることによって、様々な臭気を十分に吸着させることができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
また、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考として援用される。
〔実施例1:樹皮の破砕および選別〕
スギの樹皮を破砕することにより得た樹皮破砕物に対し、以下の作業を行った。
まず、2.8mmメッシュの縦振動式篩を用いて上記樹皮破砕物を篩い分け、篩上を除去した。次に、得られた篩下を、1.0mmメッシュの縦振動式篩を用いて篩い分けた。上記1.0mmメッシュの縦振動式篩の篩上を、1.0mmメッシュの横振動式篩を用いて篩い分けた。また、上記1.0mmメッシュの縦振動式篩の篩下を、0.5mmメッシュの縦振動式篩を用いて篩い分けた。上記0.5mmメッシュの縦振動式篩の篩上を、0.5mmメッシュの横振動式篩を用いて篩い分けた。続く実験において微細な粉末を不織布にて包み得ないので、上記0.5mmメッシュの縦振動式篩の篩下を、0.2mmメッシュの縦振動式篩を用いて篩い分け、篩下を除去した。上記0.2mmメッシュの縦振動式篩の篩上を0.25mmメッシュの横振動式篩を用いて篩い分けた。
1.0mmメッシュの横振動式篩、0.5mmメッシュの横振動式篩、および0.25mmメッシュの横振動式篩から得られた篩下および篩上を、それぞれ分級物Aおよび分級物Bとした。分級物Aおよび分級物Bの最終的な収量は、上記樹皮破砕物のそれぞれ51重量%および28重量%となった。
〔実施例2:脱臭効果の比較〕
次に、実施例1で得られた分級物Aのトリエチルアミン、ホルムアルデヒドおよび酢酸に対する脱臭効果を測定した。トリメチルアミン((CHN)は、分子量59.11の塩基性のガスであり、臭気強度が5となる濃度は3ppmである。酢酸(CHCOOH)は、分子量60.1の酸性のガスである。ホルムアルデヒド(CHO)は、分子量30.02の中性のガスであり、臭気強度が5となる濃度は10ppmである。
測定用の資料として、木粉、分級物A、活性炭1(キムコ(登録商標)、小林製薬)または活性炭2(カルゴン、三菱化学カルゴン)を用いて、以下の測定を行った。
まず、0.20gの各試料を、25mm×25mmの不織布に充填した。次いで、不織布を5Lの一口コック付きテドラーバッグの底の切り込みから挿入し、バッグを密封した。フレックスポンプを用いて該テドラーバッグのコックを介して、所定の初期濃度に調整した臭気ガスをテドラーバッグ内の空気と置換した。
なお、各種臭気ガスは、30%トリメチルアミン溶液、酢酸またはホルムアルデヒド液を気化させた後に空気で希釈することにより調製した。また、各種臭気ガスの初期濃度を、200〜230ppm(アンモニア)、70〜90ppm(トリメチルメタン)、40〜60ppm(酢酸)または20〜25ppm(ホルムアルデヒド)に調整した。
測定開始から1時間後、2時間後および3時間後のガス濃度を、気体採取器およびガス検知管(No.3M、No.3La、No.81またはNo.91、GASTEC)を用いて測定し、次式に基づいてガス残存率(%)を算出した。
ガス残存率(%)=(残存ガス濃度 ÷ 初期濃度) × 100
測定を3回行い、平均値を求めた。
なお、テドラーバッグ内に何も入れない場合(ブランク)または不織布のみを入れた場合を、コントロールとした。
結果を図1(トリメチルアミン)、図2(酢酸)および図3(ホルムアルデヒド)に示す。示すように、分級物Aは、活性炭と同様の脱臭効果を示した。
〔実施例3:アンモニアに対する脱臭効果の比較〕
次に、アンモニアに対する脱臭効果を測定した。アンモニア(NH)は、分子量17の塩基性のガスであり、臭気強度が5となる濃度は40ppmである。
アンモニア特級原液を気化させた後に空気で希釈することにより調製した臭気ガスを用いて、実施例3に従ってガス残存率(%)を算出した。測定を3回行い、平均値を求めた。
結果を図4(アンモニア)に示す。示すように、活性炭は、アンモニアをほとんど吸収しないが、分級物Aは、アンモニアを非常によく吸収した。
〔実施例4:アンモニア吸収量の測定〕
実施例3に示すように、本発明に係る樹皮破砕物の分級物がアンモニアを非常によく吸収し、木粉はアンモニアをほとんど吸収しなかった。そこで、種々の木材製品を用いて、アンモニア吸着量を比較した。
木粉、木粉に銀粉を担持させたもの、分級物B、樹皮破砕物、分級物A、および木粉と分級物Aとの混合物についてアンモニア吸着量を測定した。
樹皮破砕物、分級物A、および分級物Bは、実施例1において得られたものを用いた。また、木粉と分級物Aとの混合物として、(1)木粉50重量%+分級物A50重量%、(2)木粉25重量%+分級物A75重量%、(3)木粉12.5重量%+分級物A87.5重量%を混合したものを用いた。
以下の手順に従って、各資料によるアンモニア吸収量を測定した。
実施例3に従って、各資料を挿入したテドラーバッグにアンモニアガスを充填した。その後、気体採取器(GV−100、GASTEC)およびガス検知管(No.3MまたはNo.3La、GASTEC)を用いてアンモニア濃度を測定し、該濃度が平衡化するまで静置した。そして平衡化したときの濃度および初期濃度から、試料のアンモニア吸着量を測定した。なお、コントロールとして、何も詰めない不織布についても測定を行った。
不織布、木粉に銀粉を担持させたもの、木粉、分級物B、樹皮破砕物、および分級物Aのそれぞれの結果に基づいて、近似曲線を用いて平衡濃度が100ppmであるときの重量当たりのアンモニア吸着量(mg/g)を算定した。結果を表1に示す。
Figure 2008220436
表1に示すように、分級物Aは他の物質(例えば、樹皮破砕物、または分級物B)に比べ、著しく高いアンモニア吸着量を有していた。
また、木粉、分級物A、およびそれらの混合物についてのアンモニア吸着量の測定結果を図5に示す。図5に示すように、分級物Aを含んでいれば、アンモニアの吸着量が著しく増加することがわかった。
〔実施例5:混合物の脱臭効果の評価〕
本発明者らは、分級物Aおよび活性炭を混合することにより、より優れた脱臭用組成物を作成し得るという発想に基づき、以下の測定を行った。分級物Aおよび活性炭を1対1の割合で混合し、混合物を調製した。分級物A、活性炭、および上記混合物をそれぞれ0.2gずつ25mm×25mmの不織布に充填した。各試料が充填された不織布および空の不織布(ブランク)を5Lのテドラーバッグに挿入し、密封した。アンモニア(初期濃度200〜230ppm)、トリメチルアミン(初期濃度65〜90ppm)、酢酸(初期濃度40〜60ppm)、またはホルムアルデヒド(初期濃度20〜30ppm)を上記テドラーバック内に充填し、3時間後の各種ガスの濃度をガス検知器(GASTEC)を用いて測定した。
図6に結果を示す。示すように、アンモニアに対する脱臭効果は、分級物Aの方が上記混合物に比べ高いが、アンモニア以外に対する脱臭効果は、該混合物の方が分級物Aに比べ高い。
本発明を用いれば、各種の優れた脱臭剤を作製することができる。また、本発明に係る脱臭組成物をカーテンやシーツに織り込むことで、優れた脱臭効果が付加されたカーテンやシーツを作製することができる。
様々な物質のトリメチルアミンに対する脱臭効果を示すグラフである。 様々な物質の酢酸に対する脱臭効果を示すグラフである。 様々な物質のホルムアルデヒドに対する脱臭効果を示すグラフである。 様々な物質のアンモニアに対する脱臭効果を示すグラフである。 木粉、分級物A、およびそれらの混合物のアンモニア吸着量を示すグラフである。 分級物A、活性炭、およびそれらの混合物の各種ガスに対する脱臭効果を示すグラフである。

Claims (5)

  1. 樹皮破砕物より得られる分級物を含んでいる脱臭用組成物であって、
    該分級物は、長手方向および該長手方向と直交する第2方向によって規定される平面ならびに0.5mm以下の厚さを有する平板状の形態であり、
    該平面において、第2方向の長さが0.01〜5mmであり、長手方向の長さが第2方向の長さの10倍以下であり、
    該分級物以外の樹皮破砕物の含有量が、該分級物の含有量の0.3倍以下である
    ことを特徴とする脱臭用組成物。
  2. 前記分級物を10重量%以上含んでいることを特徴とする請求項1に記載の脱臭用組成物。
  3. 前記樹皮破砕物が針葉樹の樹皮より得られることを特徴とする請求項1に記載の脱臭用組成物。
  4. 多孔性物質をさらに含んでいることを特徴とする請求項1に記載の脱臭用組成物。
  5. 脱臭用組成物の製造方法であって、
    樹皮を破砕して樹皮破砕物を得る破砕工程;
    該樹皮破砕物を分級する分級工程;および
    該分級工程で得られた分級物を含む脱臭用組成物を製造する工程
    を包含し、
    該分級工程は、
    0.01mm〜5mmのメッシュ幅を有する第1の篩を垂直方向に振動させて篩上を回収する第1分級段階;および
    第1の篩が有するメッシュ幅の1〜5倍のメッシュ幅を有する第2の篩を水平方向に振動させて篩下を回収する第2分級段階
    を含むことを特徴とする製造方法。
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