JP4683776B2 - 消臭材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、種々の悪臭成分を吸着、除去することが可能な乾燥卵殻膜からなる消臭材に関する。
【0002】
【従来の技術】
人間の生活環境の中には、様々な臭いが存在しており、人間が不快と感じる臭いは悪臭と呼ばれている。例えば、タバコの煙、トイレ、生ごみ、汗等から発生するアミン系、アンモニア系、硫化水素系の臭い、また新築建造物においては、建材用の塗装、接着剤等に含まれるホルムアルデヒドが挙げられる。特に、ホルムアルデヒドに到っては、新築時に止まらず、建築後数年あるいは十数年も継続して発生する場合があり、人体に悪影響を及ぼしシックハウス症候群を引き起こすことから、社会的にも大きな問題となっている。このような状況下、消臭材としては、活性炭又はその処理物が一般的に良く用いられている。
【0003】
一方、卵殻膜は、カルシウム源等として利用されている卵殻を採取する際に発生するものであり、従来は、その殆どを廃棄していたが、近年、卵殻膜又はその加水分解物が皮膚内のIII型コラーゲンの合成亢進作用を有することが分り化粧品原料として利用されるようになった。また同加水分解物がコク味を有することから食品原料として利用されるようになった。しかしながら、その利用は、未だ十分でなく、廃棄されていることもあり、更なる用途開発が切望されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的は、卵殻膜の新たな用途として、種々の悪臭成分を吸着、除去することが可能な乾燥卵殻膜からなる消臭材を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成すべく卵殻膜の新たな機能について鋭意研究を重ねた結果、意外にも卵殻膜がホルムアルデヒド、メチルアミン等の種々の悪臭成分を吸着・除去し、消臭効果を有することを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、乾燥卵殻膜からなる消臭材を提供することである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下本発明を説明する。なお、本発明において「%」は、特に限定していない場合は「質量%」を意味する。
まず、本発明で使用する乾燥卵殻膜は、鳥類(特に鶏卵)から常法により採取した湿潤状態の卵殻膜を天日乾燥あるいは乾燥機等で乾燥させたものであり、前記乾燥物をさらに粉砕したものも本発明に含まれる。乾燥の程度は、製品として細菌的に問題とならない程度であれば特に限定するものではないが、乾燥卵殻膜2gをガラス秤量瓶に精秤し、105℃で4時間乾燥して減少した質量分を水分とした時、該乾燥卵殻膜の水分量が好ましくは10%以下、さらに好ましくは7%以下が良い。
【0007】
また、本発明に使用する乾燥卵殻膜は、単に湿潤状態の卵殻膜を乾燥したものでも消臭効果を有し、本発明の消臭材として使用できるが、後述の試験例に示すとおり乾燥卵殻膜を粉砕し、該平均粒径が好ましくは100μm以下、さらに好ましくは50μm以下のものが、より消臭効果に優れ好ましい。
なお、上記平均粒経は、粉末状の乾燥卵殻膜をポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油の0.1%水溶液20ml(ミリリットル)に適量分散し、超音波処理した後、粒度分布測定装置((株)島津製作所製、「SALD−2000A」)で測定した時のメジアン径の値である。
【0008】
本発明は、卵殻膜を乾燥、さらに粉砕したものからなる消臭材であり、如何なる理由により種々の悪臭成分を吸着し、除去できるかは定かではないが、卵殻膜は線維状蛋白質からなる格子状の網目構造していることから、表面積が大きく、物理的に吸着したものを離し難い構造を有しており、また卵殻膜の構成アミノ酸が悪臭成分と何らかの親和性を有し、これらの作用より消臭効果を発現したのではないかと推察される。
【0009】
次に、本発明を実施例及び試験例に基づき、さらに詳細に説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0010】
【実施例】
[実施例1]
まず、殻付き鶏卵を割卵して卵液を除いた後、残りの卵殻膜付きの卵殻を粗粉砕した。得られた粗粉砕物を清水中に入れて撹拌し、卵殻から分離して浮上してきた卵殻膜を採取し、遠心式脱水機で脱水し、湿潤状態の卵殻膜(水分量78%)を得た。得られた湿潤卵殻膜を乾燥機(ヤマト科学(株)製、「DV−41」)で乾燥して乾燥卵殻膜を製し、これを本発明の消臭材とした。
得られた消臭材は、膜状の乾燥卵殻膜が多数観察され、水分量は4%であった。なお、後述の試験例では、本方法により得られた消臭材を「未粉砕品」と称する。
【0011】
[実施例2]
実施例1で製した乾燥卵殻膜を、さらに粉砕機(岡田精工(株)製、「ニュースピードミルND−10型」)で粉砕し、この粉砕物を本発明の消臭材とした。
得られた消臭材は、平均粒経50μmの粉末状の乾燥卵殻膜からなり、水分量は4%であった。
【0012】
【試験例】
[試験例1]
本発明の消臭材が、活性炭(武田薬品工業(株)製、「白鷺」)と同程度の効果を有するか調べるため、下記の方法により比較した。
(1)容量3l(リットル)の密閉可能なプラスチック容器にろ紙(No.7、直径55mm)を置く。
(2)シャーレに表1に示す量の消臭材を採取し、薄く広げた後、容器内のろ紙に隣接して置く。
(3)予め穴を1箇所あけたフタで容器を密閉する。
(4)マイクロピペットを用いて穴から容器内のろ紙上に悪臭成分であるホルムアルデヒド150μl(マイクロリットル)を滴下した後、直ちに穴を密閉する。
(5)180分間放置してホルムアルデヒドを十分に蒸散させると共に消臭材に吸着させた後、ガス検知管((株)ガステック、「No.91」)を容器内に挿入し、残存するホルムアルデヒド濃度を測定した。
なお、本発明の消臭材は実施例2で得られたものを用い、また前記ホルムアルデヒドは試薬特級(和光純薬工業(株)製、30容量%水溶液)を蒸留水で100容量倍に希釈したものを用いた。また、表中の「ブランク」は、消臭材がない状態での結果を示す。
【0013】
【表1】
【0014】
表1より、本発明の乾燥卵殻膜からなる消臭材は、活性炭と同等あるいはそれ以上の消臭効果を有することが理解される。
【0015】
[試験例2]
本発明の消臭材が種々の悪臭成分に対しても消臭効果があるか否か調べるため試験例1に準じ試験を行なった。
なお、本発明の消臭材は実施例2で得られたものを、また各悪臭成分及びガス検知管は下記に示すものを用いた。また、試験例1の測定方法における諸条件は、消臭材の使用量:1g、蒸散時間:60分間及び各悪臭成分の添加量(水溶液として)は表2に示す量で試験を行なった。そして、表中の「ブランク」は、消臭材がない状態での結果を示す。
・アンモニア:試薬特級(関東化学(株)製、28容量%水溶液)をアンモニアが0.1容量%濃度になるように蒸留水で希釈したもの
・メチルアミン:試薬特級(関東化学(株)製、25容量%水溶液)を蒸留水で100容量倍に希釈したもの
・アンモニア用ガス検知管:(株)ガステック製、「No.3L」
・メチルアミン用ガス検知管:(株)ガステック製、「No.180」
【0016】
【表2】
【0017】
表2より、本発明の乾燥卵殻膜からなる消臭材は、種々の悪臭成分に対しても消臭効果を有することが理解される。
【0018】
[試験例3]
乾燥卵殻膜の大きさによる消臭効果への影響を調べるために、表3に示す各平均粒経を有する乾燥卵殻膜を調製し、試験例1に準じ試験を行なった。
なお、表中の未粉砕品は実施例1で得られたもの、平均粒経50μmの乾燥卵殻膜は実施例2で得られたものであり、それ以外の平均粒経を有する乾燥卵殻膜は実施例2の粉砕条件を変えたり、あるいは篩で分級して調製したものである。
また、試験例1の測定方法における諸条件は、消臭材の使用量:1g、悪臭成分及びその添加量:アンモニア水100μl、及び蒸散時間:60分間で試験を行ない、前記アンモニア水は試薬特級(関東化学(株)製、28容量%水溶液)をアンモニアが0.1容量%濃度になるように蒸留水で希釈したものを用いた。
【0019】
【表3】
【0020】
表3より、未粉砕品も消臭効果を有するが、好ましくは平均粒経100μm以下、さらに好ましくは50μm以下の乾燥卵殻膜からなる消臭材がより消臭効果に優れ好ましいことが理解される。
【0021】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の乾燥卵殻膜からなる消臭材は、種々の悪臭成分を吸着、除去することが可能であることから、色々な消臭製品や消臭効果を期待する製品に使用することができる。また卵殻膜は皮膚に対し賦活性効果を有することが知られていることから、安全性に優れた消臭製品等を提供することができる。そして、本発明により、卵殻膜の新たな用途を提供できることから、卵殻膜の更なる需要拡大が期待されるとともに、廃棄量を軽減できる。
Claims (1)
- 乾燥卵殻膜からなる消臭材であって、
105℃で4時間乾燥して減少した質量分を水分とした時、前記乾燥卵殻膜の水分量が10質量%以下であり、
前記乾燥卵殻膜は粉砕され、平均粒径が100μm以下であることを特徴とする消臭材。
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