JP2007198829A - 経血臭判定指標剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】経血臭の有無及び強さの指標として好適な物質からなる指標剤、人体を使用することなく、デオドラント剤の有効性を、客観的かつ定量的に判定することを可能とする擬似経血臭組成物、並びに当該物質を指標とする被検体による経血臭のマスキング効果又はデオドラント剤の消臭効果の評価方法の提供。
【解決手段】
含硫化合物(1)又はその誘導体の少なくとも1種からなる経血臭判定指標剤、含硫化合物(1)又はその誘導体の少なくとも1種を含有する擬似経血臭組成物、及び含硫化合物(1)又はその誘導体の少なくとも1種を指標とする経血臭用デオドラント剤の有効性判定方法。
1−S−R2 (1)
〔R1はC1-3のアルキル基。R2は水素原子、C1-3のアルキル基又はアルキルチオ基。〕
【選択図】なし

Description

本発明は、経血臭の判定に用い得る指標剤及び擬似経血臭組成物、並びにデオドラント剤の有効性の判定方法に関する。
近年、清潔志向の高まりに伴い、体臭を気にする人が増えている。体臭は全身の各部から発生するニオイの総称であり、主要な発生部位としては頭部(頭皮頭髪臭)、口腔(口臭)、腋窩部(腋臭)、鼠径部、足の裏(足臭)等がある。
女性にとって気になるニオイとして、自己の発する生理臭がある。生理臭には、月経時における経血臭と月経時以外における分泌物(おりもの)のニオイ(以下、おりもの臭という)があり、特に自己の発する経血臭は、女性にとって最も気になるニオイである。そのため、経血臭に対する好適な消臭対策が望まれている。しかし生理臭の原因物質の検討については、アセトインやジアセチルが主原因物質である報告(特許文献1)があるのみで、詳細な検討はなされていないのが現状である。
ところで、人体から発生する臭いのマスキング効果、消臭効果等の評価の多くは、原因臭気物質を人体から採取して行うが、被験者により強度が異なり、またその日の体調によっても強度が異なり、効果の評価に誤差が生じるなどの問題点がある。また、マスキング剤や消臭剤を直接人間に適用する方法では、評価試験が長時間にわたる場合等では、被験者にストレスを与え、疲労の原因の一つにもなる。更にそれが原因で、通常とは異なる生理的な現象が起こることなどによって、評価の誤差が生じるなどの問題点があり、正しい評価の妨げになる。
経血臭に対するマスキング効果や消臭効果を簡易にかつ正確に評価できる手段として、実際の人間の経血臭をより正確に再現できる評価用擬似臭があれば、直接人間に適用する試験を行う前に、当該評価用擬似臭を使ってマスキング又は消臭の評価ができ、試験の負担軽減にもなり得る。
更に、臭気の強さの程度やデオドラント剤の有効性を評価するに際し、官能評価ではパネラーの主観的判断が入る余地が大きいため、定量的判定が困難であると共に客観性に欠ける。従って、官能評価は、臭気の有無を判断する目安にはなるが、デオトラント剤や洗浄剤によるニオイ低減の度合い等を定量的に判定することはできない。そこで、経血臭の程度やデオドラント剤の有効性を、特定の化合物を指標物質として定量的に判定する方法が期待されている。
特開2001-198200号公報
本発明の目的は、経血臭の有無及び強さの指標として好適な物質からなる指標剤、また人体を使用することなく、デオドラント剤の有効性を、客観的かつ定量的に判定することを可能とする擬似経血臭組成物、並びに当該物質を指標とする被検体による経血臭のマスキング効果又はデオドラント剤の消臭効果の評価方法を提供することにある。
本発明者らは、月経前後を含めた月経期間中の揮発成分の変化をモニターすることによって、月経時においては、とりわけメタンチオール、ジメチルスルフィド、プロパンチオール、ジメチルジスルフィド等の含硫化合物とトリメチルアミンの濃度が上昇することを見出した(図3及び表2)。更に、経血臭のその他の構成成分、例えばアセトイン、ジアセチル等とともに、生理時のニオイの強さとの相関関係を精査したところ、前記含硫化合物とトリメチルアミンが、月経時のニオイの強さとの相関性が高いことを見出した(表1)。
そして本発明者らは、更に研究を進め、上記含硫化合物が経血臭の程度を定量的に判定する客観的な指標として好適な物質であること、またこれによって経血臭を月経時以外の時期の生理臭と峻別することも可能となることを見出した。更に本発明者らは、かかる知見をもとに上記含硫化合物を含有する組成物を人工的に調製することで、経血臭をかなり正確に再現することができ、経血臭のマスキング効果又は消臭効果等の評価に用い得る擬似経血臭組成物を得ることに成功した。
すなわち、本発明は、一般式(1)で表される化合物(以下、「含硫化合物(1)」という)又はその誘導体の少なくとも1種からなる経血臭判定指標剤を提供するものである。
1−S−R2 (1)
〔式中、R1は炭素数1〜3のアルキル基を示し、R2は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のアルキルチオ基を示す。〕
また、本発明は、含硫化合物(1)又はその誘導体の少なくとも1種を含有する擬似経血臭組成物を提供するものである。
更に、本発明は、含硫化合物(1)又はその誘導体の少なくとも1種を指標とする経血臭用デオドラント剤の有効性判定方法を提供するものである。
本発明によれば、経血臭の有無及び強さを客観的かつ定量的に判定することができ、また人体を使用することなく、当該物質を指標剤として被検体による経血臭のマスキング効果又はデオドラント剤の消臭効果を客観的かつ定量的に判定することができる。
〔経血臭判定指標剤〕
一般式(1)において、R2が水素原子である化合物(以下、「A群」という)として、メタンチオール、エタンチオール、プロパンチオール、イソプロパンチオールが例示される。なかでも、メタンチオール、プロパンチオールは経血臭の主原因成分の一つであり、指標として特に適している。
一般式(1)において、R2が炭素数1〜3のアルキル基である化合物(以下、「B群」という)として、ジメチルスルフィド、メチルエチルスルフィド、メチルプロピルスルフィド、メチルイソプロピルスルフィド、ジエチルスルフィド、エチルプロピルスルフィド、エチルイソプロピルスルフィド、ジプロピルスルフィド、ジイソプロピルスルフィドが例示される。なかでも、ジメチルスルフィドは経血臭の主原因成分の一つであり、指標として特に適している。
一般式(1)において、R2が炭素数1〜3のアルキルチオ基である化合物(以下、「C群」という)として、ジメチルジスルフィド、メチルエチルジスルフィド、メチルプロピルジスルフィド、メチルイソプロピルジスルフィド、ジエチルジスルフィド、エチルプロピルジスルフィド、エチルイソプロピルジスルフィド、ジプロピルジスルフィド、ジイソプロピルジスルフィドが例示される。なかでも、ジメチルジスルフィドは経血臭の主原因成分の一つであり、指標として特に適している。
また、本発明においては、指標剤としての検出機能を失わない限り、誘導体化試薬を用いて含硫化合物(1)に化学的修飾を施したものを用いることもできる。
例えば、誘導体化試薬としては、チオール基に選択的、特異的に反応するN-(9-アクリディニィル)マレイミド(NAM)、4-クロロ-7-スルフォベンゾフラザン アンモニウム塩(SBDCl)、4-フロロ-7-スルフォベンゾフラザン アンモニウム塩(SBD-F)、4-フロロ-7-スルファモイルベンゾフラザン(ABD-F)、N-[4-(5,6-メチレンヂオキシ-2-ベンゾフラニィル)フェニル]マレイミド(MBPM)、N-[4-(6-ジメチルアミノ-2-ベンゾフラニィル)フェニル]マレイミド(DBPM)、N-[p-(2-ベンズイミダゾリル)フェニル]マレイミド、モノブロモビマン等の蛍光試薬;o-フタルアルデヒドと2-アミノエタノールを用いる蛍光試薬;5,5-ジチオビス(2-ニトロ安息香酸)、フェナンジンメトサルフェート等による呈色試薬などを適宜用いることができる。
本発明の経血臭判定指標剤は、含硫化合物(1)のみで使用できるほか、そのハンドリング性を高めるため、水、メタノール、エタノール、エーテル、2-プロパノール、ジクロロメタン等の溶剤に溶解又は希釈させて用いることもでき、また、その他必要に応じて、安定剤、制汗剤、殺菌剤、抗菌剤、界面活性剤、酸化防止剤、香料、植物抽出物等の添加剤を含有する、保存や判定試験での使用等の実用に即した組成物に対し添加することもできる。
〔経血臭の擬似臭組成物〕
本発明の擬似経血臭組成物は、含硫化合物(1)又はその誘導体の少なくとも1種を含有するものであり、含硫化合物(1)又はその誘導体としては、指標剤として挙げたA群、B群、C群から選ばれる化合物又はその誘導体を用途に応じて適宜選択し、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の擬似経血臭組成物は、更にトリメチルアミン(以下、「化合物D」という)、アセトイン、ジアセチル及び3-メチルブタナールから選ばれる1種以上(以下、「E群」という)を含有することができる。
本発明の擬似経血臭組成物は、取り扱い性の点より、希釈剤として水、エタノール、クエン酸トリエチル、アセトン、ジプロピレングリコール、流動パラフィン、LPG(液化石油ガス)等の溶剤や、カチオン性、アニオン性、ノニオン性、両性等の界面活性剤を含有することができる。
本発明の擬似経血臭組成物において、A群に属する化合物の含有量は、0.0001〜0.01質量%が好ましく、更には0.001〜0.01質量%、特に0.001〜0.003質量%が好ましい。B群に属する化合物の含有量は、0.0001〜0.1質量%が好ましく、更には0.001〜0.1質量%、特に0.001〜0.03質量%が好ましい。C群に属する化合物の含有量は、0.0001〜0.1質量%が好ましく、更には0.001〜0.1質量%、特に0.001〜0.03質量%が好ましい。
本発明の擬似経血臭組成物において、化合物Dであるトリメチルアミンの含有量は、0.001〜1.0質量%、特に0.001〜0.1質量%が好ましく、E群に属する化合物の含有量は、0.01〜99.5質量%、特に0.1〜99.5質量%が好ましい。
本発明の擬似経血臭組成物は、液体のままで、又は固形状の担体に含浸して用いることができる。液体で使用する場合は、溶剤等で希釈してニオイの強度を調節して使用することができる。溶剤としては、ニオイの弱いものであればなんでも使用できるが、水、エタノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチルシトレート、ジエチルフタレート、エチルジグリコール、流動パラフィン、ミネラルオイル等が例示される。
固形状の担体は、擬似経血臭組成物が担持できるものであれば特に限定されないが、例えば、シリカゲル、活性炭、ヒドロキシアパタイト、アルミナ、ゼオライト、珪藻土、粘土鉱物、サイクロデキストリン、タルク、炭酸カルシウム、ゲル化剤、セルロース及びその誘導体、紙、不織布、繊維、樹脂(ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロン、ポリウレタン、ポリビニル、ポリビニリデン、エチレン−ポリビニルアルコール共重合体、ポリスチレン、ポリアクリレート、アリルスチレン共重合体)等が挙げられる。固形状担体の形態も特に限定されず、例えば粉体、粒状、シート状、塊状等として使用できる。
〔経血臭の判定方法〕
含硫化合物(1)は、それ自体定量が容易であり、また、化学的修飾した誘導体としての定量も容易であるので、指標として好適である。すなわち、含硫化合物(1)又はその誘導体の少なくとも1種を指標として、その存在量を化学的又は物理的等に適切な方法で測定することにより、経血臭の程度を客観的かつ定量的に判定することができる。
含硫化合物(1)又はその誘導体としては、指標剤として挙げたA群、B群、C群から選ばれる化合物又はその誘導体を適宜選択し、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、含硫化合物(1)又はその誘導体に加え、更にトリメチルアミン(化合物D)、アセトイン、ジアセチル及び3-メチルブタナールから選ばれる1種以上(E群)をも指標として用いることもできる。
サンプルの採取方法は、特に限定されないが、例えば、使用済み生理用品の一部をヘッドスペース用バイアル瓶(例えば、アジレント・テクノロジー社)に詰める。気相中に上がってくる経血由来の揮発性成分を固定された抽出相(例えば、スペルコ社,CarboxenTM /ポリジメチルシロキサン 75μm)で抽出/濃縮しすることができる。
採取したサンプル中の含硫化合物(1)又はその誘導体の存在量の測定は、例えば、ガスクロマトグラフィーによって行うことができ、例えば、GC-MSで測定する場合には、含硫化合物(1)又はその誘導体を標準物質(スタンダード)として用い検量線を作成する。この検量線を使用して、採取したサンプルに含まれる含硫化合物(1)のピークを同定すればよい。また、含硫化合物(1)又はその誘導体の測定は、前述の誘導体化試薬を用いてサンプル中の含硫化合物(1)を紫外線標識化、蛍光標識化等した後、サンプルを光学的に測定することによっても行うことができる。この場合、あらかじめ含硫化合物(1)又はその誘導体を標準物質として含有する本発明の標識剤を用いて検量線を作成しておき、この検量線を利用することによって、採取したサンプルに含まれる含硫化合物(1)を測定し、経血臭の程度を判定することができる。
経血臭の判定は、官能評価によって行うこともできる。官能評価を行う場合には、指標剤としてのA群、B群又はC群の化合物を数段階に希釈し、各濃度のニオイ標準サンプルを調製する。そして、採取したサンプルのニオイを調製したニオイ標準サンプルと照合し、サンプルに含まれる含硫化合物(1)又はその誘導体の量を官能評価により判定すればよい。なお、官能評価は、例えば、直接目で色を判断する評価、指標剤を含浸させた試験紙を用いた評価等が挙げられる。
このようにして、嗅覚によるほか、視覚による色調の観察や分析機器を使った測定により、経血臭の程度を客観的かつ定量的に測定することができる。
また、経血臭における含硫化合物(1)の存在量は、経血臭の有無及び強弱と一致することから、含硫化合物の定量的分析によって、被験者が経血臭を発生させる可能性のある体質か否か、すなわちポテンシャル評価を行うことができる。
また、経血臭において含硫化合物(1)の存在量が多いにもかかわらず、それが塩等のニオイが無い又は弱い誘導体に変化している場合には、経血臭の潜在状態が存在していることになるが、このような状態は官能評価や経血臭との相関性が高い事実の調査を行っても正確に評価できない。これに対し本発明では、そのような誘導体を直接測定することによって経血臭の潜在状態を検出し、正確に評価することができる。
〔デオドラント剤の有効性の判定方法〕
本発明においては、経血臭を標的とするデオドラント剤の有効性を、含硫化合物(1)又はその誘導体の少なくとも1種を指標として用いることにより、客観的かつ定量的に判定することができる。
含硫化合物(1)又はその誘導体としては、指標剤として挙げたA群、B群、C群から選ばれる化合物又はその誘導体を適宜選択し、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、含硫化合物(1)又はその誘導体に加え、更にトリメチルアミン(化合物D)、アセトイン、ジアセチル及び3-メチルブタナールから選ばれる1種以上(E群)をも指標として用いることもできる。
デオドラント剤の有効性の判定においては、含硫化合物(1)又はその誘導体を単独で使用してもよく、また、他の成分、例えば溶解又は希釈のための溶剤や、安定剤、制汗剤、殺菌剤、抗菌剤、界面活性剤、酸化防止剤、香料、植物抽出物等の添加剤を配合し、保存や判定試験での使用等の実用に即した組成物として使用してもよい。
有効性の判定対象とするデオドラント剤は、(i)皮膚上の細菌を殺菌して皮膚老廃物の分解を予防するタイプ、(ii)経血臭成分を臭わない誘導体に分解又は変化させるタイプ、(iii)経血臭をマスキングするタイプ等の如何なるタイプの作用機序によるものであってもよい。含硫化合物(1)又はその誘導体をデオドラント剤の有効性判定用指標剤として使用する方法は特に制限されず、デオドラント剤の作用機序及び評価方式に適合させて使用すればよい。
例えば、A群に属する化合物を所定濃度で含有する指標剤に、所定量のデオドラント剤サンプルを添加し、指標剤の変化状態を適切な方法で定量することで、デオドラント剤サンプルの有効性を客観的かつ定量的に判定することができる。
指標剤の変化状態を定量する方法としては、デオドラント剤サンプルが、前記(ii)の経血臭成分を分解又は別の化合物に誘導して、ニオイを減じるタイプである場合には、指標剤の検量線をあらかじめ作成しておき、この検量線を用いて機器分析を行ってもよいし、指標剤の変化体又は未変化体を滴定又は抽出等の化学分析により定量してもよい。デオドラント剤サンプルが、前記(iii)の経血臭をマスキングするタイプである場合には、指標剤を数段階に希釈して各濃度のニオイ標準サンプルを調製し、デオドラント剤サンプルを添加した指標剤のニオイを標準サンプルと照合し、マスキング効果を官能評価により判定すればよい。
また、例えば含硫化合物(1)の蛍光標識化合物を所定濃度で含有する指標剤に、所定量のデオドラント剤サンプルを添加し、標識化合物の変化状態を、同じ標識化合物の検量線を用いて機器分析を行うことで定量してもよい。また、含硫化合物(1)を所定濃度で含有する指標剤に所定量のデオドラント剤サンプルを添加した後、含硫化合物(1)の変化体又は未変化体を滴定又は抽出等の化学分析により定量する場合に、標識部分を利用して検出してもよい。
更に、デオドラント剤サンプルを人の局所に実際に適用し、適用の前後に各々採取した経血のサンプルを、含硫化合物(1)又はその誘導体を指標として評価し、比較することで、いわゆるin vivo評価を行うことが可能である。
このようにして、嗅覚によるほか、視覚による色調の観察や分析機器を使った測定により、デオドラント剤の有効性を客観的かつ定量的に判定することができる。
実施例1
(1) 経血臭の分析(ガスクロマトグラム質量分析)
使用済みの生理用品から生じる臭いをSPME(スペルコ社,Solid Phase Micro Extraction)で抽出/濃縮し、ガスクロマトグラム質量分析計(GC-MS)を用いて分析した。
使用済み生理用品のうち経血付着部分を約1cm2にカットし、10mLのヘッドスペース用バイアル瓶(アジレント・テクノロジー社)に詰める。35℃で保温し気相中に上がってくる経血由来の揮発性成分を、30分間SPMEファイバーに固定された抽出相(スペルコ社,CarboxenTM/ポリジメチルシロキサン 75μm)で抽出/濃縮した。
抽出相で抽出/濃縮された経血由来の揮発性成分を、ガスクロマトグラム質量分析計(GC-MS)を用いて分析した。GCはアジレント・テクノロジー社のHP6890シリーズ、MSはアジレント・テクノロジー社のMass Selective Detector HP5973シリーズを使用し、下記条件で分析測定した。この結果を図1に示す。
カラム:J&W社 DB-1701(60m×0.25i.d.,膜厚1μm)
キャリアガス:ヘリウム 流量1.2mL/min
(2) 経血臭の分析(原子発光検出器による含有硫黄成分分析)
使用済みの生理用品から生じる臭いをSPME(スペルコ社,Solid Phase Micro Extraction)で抽出/濃縮し、元素選択性の高いガスクロマトグラム原子発光検出器(GC-AED)を用いて含硫化合物について分析した。
使用済み生理用品のうち経血付着部分を約1cm2にカットし、10mLのヘッドスペース用バイアル瓶(アジレント・テクノロジー社)に詰める。35℃で保温し気相中に上がってくる経血由来の揮発性成分を、30分間SPMEファイバーに固定された抽出相(スペルコ社,CarboxenTM/ポリジメチルシロキサン 75μm)で抽出/濃縮した。
抽出相で抽出/濃縮された経血由来の揮発性成分のうち、含硫化合物について元素選択性の高いガスクロマトグラム原子発光検出器(GC-AED)を用いて分析した。GCはアジレント・テクノロジー社のHP6890シリーズ、原子発光検出器はアジレント・テクノロジー社ののHP G2350Aシリーズを使用し、下記の条件で分析測定した。この結果を図2に示す。
カラム:J&W社,DB-1701(60m×0.32i.d.,膜厚1μm)
キャリアガス:ヘリウム 1.2mL/min
含有硫黄成分の検出波長:181nm
(3) 経血臭の検出成分値と官能評価との相関係数の算出
ガスクロマトグラム質量分析計(GC-MS)及びガスクロマトグラム原子発光検出器(GC-AED)で分析することにより得られた検出成分値と、専門パネラー4名による官能評価結果から得られた官能評価数値を回帰分析し、相関係数を得た(表1)。
相関係数の高い成分であるメタンチオール、プロパンチオール、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、トリメチルアミンは経血臭への寄与度が高く、これらの検出値が高い場合、経血臭が強い傾向を示す。
(4) 生理日と各成分量の変化
月経期間7日間と、月経前3日間と月経後5日間の揮発成分量の変化を測定した。測定した揮発成分は、経血臭への寄与度の高い成分であるメタンチオール、プロパンチオール、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、トリメチルアミンと、ジアセチル、アセトイン、3-メチルブタナールである(図3)。
各生理日の平均検出値を算出し、更に月経1日目の値を基準(1.00)にしたときの各日の変化率を算出した(表2)。
一般的に経血が多いといわれている生理2日目、3日目にかけて含硫化合物であるメタンチオール、プロパンチオール、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィドやトリメチルアミンの値は大きくなっているのに対し、ジアセチル、アセトイン、3-メチルブタナールは逆の挙動を示した。従って、後者の成分は月経時の生理臭との寄与度は低く、非月経時のニオイである「おりもの臭」に寄与していることが確認された。
(5) 擬似経血臭組成物
表3に擬似経血臭組成物の処方を示す。評価は擬似経血臭組成物の1質量%水溶液を調製し、ピペットで10μLを5cm×5cmのろ紙に塗付した後、専門パネラー2人で行った。
表3に示した結果のように、実施例1〜10は経血臭に近いニオイを再現することができたが、含硫化合物(1)を含有しない比較例1は、経血臭とは異なるおりもの臭に近いニオイであった。
経血臭の成分をガスクロマトグラム質量分析計(GC-MS)にて分析した結果を示すクロマトグラムである。
経血臭の主原因物質である含硫化合物をガスクロマトグラム原子発光検出器(GC-AED)にて分析した結果を示すクロマトグラムである。
月経前後を含めた月経期間中の揮発成分量の変化を示すグラフである。

Claims (7)

  1. 一般式(1)で表される化合物又はその誘導体の少なくとも1種からなる経血臭判定指標剤。
    1−S−R2 (1)
    〔式中、R1は炭素数1〜3のアルキル基を示し、R2は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のアルキルチオ基を示す。〕
  2. 一般式(1)で表される化合物又はその誘導体の少なくとも1種を含有する擬似経血臭組成物。
    1−S−R2 (1)
    〔式中、R1は炭素数1〜3のアルキル基を示し、R2は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のアルキルチオ基を示す。〕
  3. 更に、トリメチルアミンを含有する請求項2記載の擬似経血臭組成物。
  4. 更に、アセトイン、ジアセチル及び3-メチルブタナールから選ばれる1種以上の化合物を含有する請求項2又は3記載の擬似経血臭組成物。
  5. 一般式(1)で表される化合物又はその誘導体の少なくとも1種を指標とする経血臭用デオドラント剤の有効性判定方法。
    1−S−R2 (1)
    〔式中、R1は炭素数1〜3のアルキル基を示し、R2は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のアルキルチオ基を示す。〕
  6. 更に、トリメチルアミンを指標とする請求項5記載の経血臭用デオドラント剤の有効性判定方法。
  7. 更に、アセトイン、ジアセチル及び3-メチルブタナールから選ばれる1種以上の化合物を指標とする請求項5又は6記載の経血臭用デオドラント剤の有効性判定方法。
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