JP4030941B2 - 口臭判定指標物質、口臭判定法及び口腔衛生状態判定法 - Google Patents

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Description

本発明は、口臭指標物質による口臭を判定する方法に関し、更に詳細にはわれわれが日常生活において遭遇する不快な口臭を再現できる口臭指標物質と、それを洗口だ液から分析することで、より正確に口臭を判定できる方法及び口腔衛生状態判定法に関する。
口臭の判定方法としては、だ液にシステインやメチオニンを加え、これを培養した後に揮発性含硫化合物(VSC:Volatile Sulfer Compounds)を測定する方法(非特許文献1、非特許文献2)、培養しただ液のヘッドスペース成分中のフェノール、クレゾール、インドール、スカトールを固相マイクロ抽出法(SPME法)により分析する方法(特許文献1)や、口腔内の空気をガスタイトシリンジにて採取し、それを直接ガスクロマトグラフ分析装置にて分析することで揮発性含硫化合物(VSC)を定量する方法(非特許文献3、非特許文献4)などが知られている。
特許文献1に開示された方法は、培養しただ液を口臭の代替とし、さらに培養だ液のフェノール、クレゾール、インドール、スカトールのみで口臭を判定するものであり、非特許文献1及び2に開示された方法は、培養しただ液を口臭の代替とし、さらに培養だ液のVSCのみで判定するものである。また、非特許文献3及び4に開示された揮発性含硫化合物の定量方法は、培養だ液ではなく、口腔内の匂い成分を分析しているが、VSCのみを分析しているに過ぎない。
培養しただ液は、われわれが日常生活の中で遭遇する不快な口臭が再現されたそのものとはいえない。さらに、口臭は揮発性含硫化合物あるいはフェノール、クレゾール、インドール、スカトールの特定の成分のみからなるものではなく、この特定の成分の測定値によって、われわれが日常生活の中で遭遇する不快な口臭が再現されているとは必ずしもいえない。
従って、われわれが日常生活の中で遭遇する不快な口臭がより正確に再現される口臭指標物質ならびに簡易な口臭サンプルリング方法が必要であり、さらに採取したサンプルの匂い成分を分析して正確に口臭の有無を判定することが重要である。
特開2002−236124号公報 渋谷耕司、J.Dent.Hlth.51:p.778-792, 2001 石川正夫ら、口腔衛生学会誌、第34巻、第2号:p.54-60, 1984 角田正健、日歯周誌、第17巻、第1号, p.1-13 村尾誠ら、臨床生理、Vol.1,No.3,1971-5, p.235-242
本発明は、上記要望に応えるためになされたもので、日常生活の中で遭遇する口臭をより正確に再現できる口臭指標物質とそれを口腔から容易に採取する方法、擬似口臭組成物、ならびに採取したサンプルの匂い成分を分析することで口臭や口腔衛生状態を判定する方法を提供するものである。
本発明者らは、日常生活の中で遭遇する口臭を再現できるものとして、5〜7mlのイオン交換水又は蒸留水を口に含んで30秒〜60秒間含嗽し、これを吐出した洗口だ液が呼気の官能評価と同程度の匂い強度であることを見出した。
さらに、この洗口だ液を従来使用されている分析機器を用いて匂い成分を分析したところ、洗口だ液は、トリメチルアミン、ジメチルスルフィド、メチルメルカプタン、ジメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、S−メチルチオアセテート、フェノール、p−クレゾール、インドール、スカトール、プロピオン酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、イソカプロン酸、フェニルプロピオン酸およびケイ皮酸からなる複合臭が、口臭の指標となることを見出した。
特に、上記匂い成分のうちトリメチルアミン、ジメチルスルフィド、p−クレゾール及びスカトールが口臭を再現するための基本成分であり、さらにこれら4種の匂い成分からなる口臭指標物質に、他の匂い成分、すなわちメチルメルカプタン、ジメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、S−メチルチオアセテート、フェノール、インドール、プロピオン酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、イソカプロン酸、フェニルプロピオン酸およびケイ皮酸から選ばれる1種以上の匂い成分を加えることにより、より多種多様な口臭を再現できることを見出した。尚、ケイ皮酸については、現段階では機器による定量分析はできていないが、口臭の強い人の洗口だ液をジクロロメタンで液液抽出したものをTCD(Thermal conductivity detector)検出器のガスクロマトグラフ(Sniff-GC)により官能分析した結果、ケイ皮酸と同等のリテンションタイムにケイ皮酸と同様のニオイを確認できている。
また、トリメチルアミン、ジメチルスルフィド、p−クレゾール、スカトールは口腔内の衛生状態との関連性が高く、すなわち、トリメチルアミン、ジメチルスルフィドは歯肉が炎症しているときに発生量が多く、また、p−クレゾール、スカトールは舌が汚れているときに発生量が多いことから口臭の有無のみならず、口腔内の衛生状態をも判定できることを見出した。
すなわち、われわれが日常生活の中で遭遇する不快な口臭の匂いの程度は、5〜7mlのイオン交換水あるいは蒸留水で得られる洗口だ液の匂いの程度と同等であり、さらに洗口だ液の匂い成分であるトリメチルアミン、ジメチルスルフィド、メチルメルカプタン、ジメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、S−メチルチオアセテート、フェノール、p−クレゾール、インドール、スカトール、プロピオン酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、イソカプロン酸、フェニルプロピオン酸およびケイ皮酸を指標にすることで口臭の有無のみならず、口腔内の衛生状態を判断できることを見出した。
本発明によれば、トリメチルアミン、ジメチルスルフィド、p−クレゾール及びスカトールを基本成分とする口臭指標物質を利用して、口臭及び口腔内の衛生状態、及び、口臭除去剤の効果を客観的に判定することができる。
特に、上述した方法により採取された洗口だ液に含まれる匂い成分のうち、口臭指標物質を構成する各成分を分析し、その存在量を総合的に判断することによって、口臭及び口腔内の衛生状態を、容易且つ客観的に、しかも被験者に苦痛を与えずに判定することができる。
また、人に直接検体を適用して評価を行う試験の前に、本発明による擬似口臭組成物を利用することによって、口臭予防・除去製品の効果を客観的に評価・確認することができ、人による使用試験の負担軽減にもなる。
洗口だ液は、洗口後の吐出液であり、被験者が5〜7mlのイオン交換水又は蒸留水を口にふくみ、30秒〜60秒間含嗽し、吐出することで容易にかつ被験者に苦痛を与えることなく採取することができる。
ここで含嗽に使用する水は、匂いを官能評価する点と匂い成分が正確に分析できる点から、無臭であるイオン交換水や蒸留水を用いるのが好ましい。水道水は消毒のために混入されている塩素の匂いがあるため官能評価に適さない。ミネラルウォーターにはミネラルとしてカルシウムイオンやマグネシウムイオンなどの塩類が含有されているため、特に硫黄化合物や脂肪酸が塩類と反応するため匂いが弱くなる。さらにミネラルウォーターは、市販しているメーカー各社により含有する塩類の濃度が異なり、匂い成分を正確に分析することが困難となるため、使用しないことが好ましい。
また、含嗽する時間は、口腔内の匂い成分を充分に流し出すためには30秒〜60秒が好ましく、特に被験者が含嗽するのに苦痛を感じない最大の60秒が特に好ましい。さらに含嗽するイオン交換水あるいは蒸留水の量は、5〜7mlが呼気の匂いの強さと同等であり、特に呼気の匂いの再現性から6mlが最も好ましい。
本発明の口臭指標物質は、口臭の原因となる数々の匂い成分のうち、少なくともトリメチルアミン、ジメチルスルフィド、p−クレゾール及びスカトールの組み合わせから構成され、これらの匂い成分を質量比で1〜600:0.0001〜0.1:1〜2000:1〜700(=トリメチルアミン:ジメチルスルフィド:p−クレゾール:スカトール)の割合で混合することで、われわれが日常生活の中で遭遇する不快な口臭を再現することができる。これらの匂い成分の割合を上記範囲内で変えて混合することで、口臭の強さ(不快の強さ)別に再現することも可能である。特に不快な強い口臭を再現するためには、トリメチルアミン:ジメチルスルフィド:p−クレゾール:スカトールの質量比を400〜600:0.03〜0.1:1700〜1800:500〜600の割合で混合することが好ましい。
これら4種類の匂い成分からなる口臭指標物質に、必要に応じてメチルメルカプタン、ジメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、S−メチルチオアセテート、フェノール、インドール、プロピオン酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、イソカプロン酸、フェニルプロピオン酸およびケイ皮酸から選ばれる1種以上を、上記割合で混合された口臭指標物質に0.0001〜60000の割合で加えることで、より多種多様な口臭を再現することができる。特に不快な強い口臭を再現するためには、100〜40000の割合で加えることが好ましい。
上記方法により採取された洗口だ液は、複合臭である実際の口臭を正確に反映したサンプルと捉えることができ、トリメチルアミン、ジメチルスルフィド、p−クレゾール及びスカトールを基本成分とする上記口臭指標物質により発現する複合臭は、口臭の質及び強さを判定するための客観的な指標となり得ることから、この洗口だ液に含まれる匂い成分のうち、少なくとも口臭指標物質の基本成分であるトリメチルアミン、ジメチルスルフィド、p−クレゾール及びスカトール、さらに必要に応じて他の匂い成分を分析し、各匂い成分の定量結果を総合的に評価することにより、口臭及び口腔内の衛生状態を客観的に判定することができる。
また、口臭指標物質の構成成分を混合して実際の口臭を再現したモデル口臭(擬似口臭組成物)を調製し、これを指標として用い呼気サンプルを官能評価することにより、口臭及び口腔内の衛生状態を判定することができる。
さらに、モデル口臭を密封した容器内又はモデル口臭の溶解液中に、口臭除去剤を添加し、添加の前後で匂い成分の定量分析又は匂いの官能評価を行なうことで口臭除去剤の効果を評価することも可能である。
実施例1(洗口だ液のサンプリング方法)
呼気を再現できる洗口だ液のサンプリング方法について、次のような実験を行った。
<方法>
口臭の強いパネル1名の呼気を近江オドエアサービス社製「におい袋」(2リットル)に採取した後、同じパネルの洗口だ液を(1)水の種類(2)水の量(3)洗口時間を変えて採取した。呼気及び洗口だ液の匂いの質と強さを官能評価し、呼気と同等の匂いを再現できる洗口だ液のサンプリング条件を検討した。
<評価基準>
呼気と洗口だ液の匂いの質と強さは、下記の基準で、悪臭防止法が定める臭気判定士3名にて官能評価を実施した。また、洗口時間は、被験者自身に下記基準で疲労度を聞いた。
(1)匂いの質と強さ
◎:最も呼気を再現できる
○:呼気を再現できる
△:やや呼気を再現できる
×:呼気を再現できない
(2)洗口時の被験者の疲労度
○:疲労しない
△:やや疲労する
×:疲労する(あごや頬が痛くなる)
<結果>
表1に、水の量を7ml、洗口時間を60秒とし、洗口に使用する水の種類を変えたときの洗口だ液の官能評価を示した。この結果から、洗口に使用する水はイオン交換水か蒸留水が好ましいことがわかった。水道水では、消毒の為に添加されている塩素の匂いがあり官能評価の妨げになる。また、ミネラルウォーターでは、匂いが弱くなった。これは、ミネラルウォーターに含有する塩類が洗口だ液中の硫黄化合物や脂肪酸類と反応して匂いが弱くなったためと考えられた。
表2に、水の種類をイオン交換水、洗口時間を60秒とし、洗口に使用する水の量を変えたときの洗口だ液の官能評価を示した。この結果から、洗口に使用する水の量は、4mlでは匂いがやや強く、5ml〜7mlの範囲が呼気を再現できることがわかった。特に6mlが最も呼気を良く再現できることがわかった。
表3にイオン交換水6mlで洗口時間を変えて洗口したときの被験者の疲労度を示した。被験者は60秒間までは疲労は感じないが、それを超える時間の洗口ではあごや頬が痛くなり洗口が困難であることがわかった。
Figure 0004030941
Figure 0004030941
Figure 0004030941
実施例2(洗口だ液の匂いと呼気の匂いの官能評価)
<方法>
健常な成人男女(20〜50代 40名)について、前日の夜から口腔清掃、飲食、喫煙を停止し、午前8:00〜9:00の間に呼気及び洗口だ液を採取した。まず、最初に呼気を近江オドエアサービス製「におい袋」(2リットル)に採取し、その直後に洗口だ液を採取した。洗口による呼気の強度低下が考えられるからである。洗口だ液を採取するために使用したイオン交換水は6ml、洗口時間は60秒で実施した。
<評価基準>
呼気と洗口だ液の匂いの質と強さは、下記の基準で、悪臭防止法が定める臭気判定士3名にて官能評価を実施した。
(1)匂い強度
5:強烈な匂い
4:強い匂い
3:楽に感知できる匂い
2:何の匂いかわかる弱い匂い
1:やっと感知できる匂い
<結果>
本発明の洗口だ液の匂い強度と呼気の匂い強度が全員一致していることから、本発明の洗口だ液による口臭の評価方法が有用であることが確認された。
Figure 0004030941
実施例3(口臭および口腔衛生状態の判定)
<方法>
口臭の強さが異なる3名の被験者の洗口だ液の匂い成分について、下記方法にて分析した。
(1)トリメチルアミン:ヘッドスペース用サンプルに洗口だ液1.5mlと炭酸塩緩衝液(pH=10.01)を加え、発生するトリメチルアミンをGC-MSにて分析した。
(2)VSC(含硫化合物):ヘッドスペース用サンプルに洗口だ液0.7mlを入れ、発生するVSCをSPME(Solid Phase Micro Extraction:固相マイクロ抽出法)-GC-AEDにて分析した。
(3)フェニルプロピオン酸:洗口だ液2mlに食塩0.5gを加え、さらにジエチルエーテル4mlを加えて液液抽出を行い、GC-MS-SIM(Selected Ion Monitoring:高選択イオン検出法)にて分析した。
(4)ケイ皮酸:洗口だ液1mlにジクロロメタン1mlを加えて液液抽出を行い、Sniff-GC(TCD検出器のGLC)にて官能分析を行った。
(5)その他化合物:洗口だ液0.7mlを食塩0.5gを加え、SPME-GC-MSにて分析した。
また、上記3名の口腔衛生状態について、歯肉ポケットの深さと、舌の汚れ具合を観察し、匂い成分との関連性を相関分析にて解析した。
Pocket Deapth(歯肉ポケット深さ):歯科衛生士によるプローブでの測定
舌の汚れ具合:舌の色×舌苔の厚さ×舌苔の面積
<結果>
特許文献1では、被験者から採取しただ液を37℃で24〜48時間培養した後の培養だ液の特定成分、すなわち、スカトール、クレゾールについて分析しているが、本発明の洗口だ液を分析方法を用いることで、スカトールやクレゾールのみならず、種々のVSC化合物、アミン類、脂肪酸類、炭化水素類、芳香族化合物、含窒素化合物を同定でき、口臭成分をより明らかにすることができた。
口臭が弱い人、口臭が中程度の人、口臭が強い人のそれぞれについて、本発明の洗口だ液を分析したところ、口臭が強くなるに従い、メチルメルカプタン、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、S−メチルチオアセテートなどのVSCが顕著に増加していることが明かとなった(表5)。
さらに、トリメチルアミンなどのアミン類、プロピオン酸、イソ酪酸、イソ吉草酸、吉草酸、イソカプロン酸、カプロン酸、フェニルプロピオン酸などの脂肪酸類、フェノール、p−クレゾールなどの芳香族化合物、インドール、スカトールなどの含窒素化合物が顕著に増加していることがわかった(表6)。
また、Sniff-GCによる官能評価において、ケイ皮酸と同等のリテンションタイムにケイ皮酸と同様のニオイを確認することができ、口臭が強くなるに従い、そのニオイも強くなった。
以上の結果から、口臭の強さは上記化合物の増加と相関性が高いことがわかり、これらの化合物を指標として口臭の有無、または口臭の強弱を判定することが可能であることがわかった。
また、表7のように、トリメチルアミン、ジメチルスルフィド、p−クレゾール、スカトールは歯肉ポケットの深さや舌の汚れ具合と相関関係があることがわかった。トリメチルアミン、ジメチルスルフィドは歯肉ポケットの深さと関係があり、歯肉が炎症を起こすとこれらの匂い成分が発生することを示唆している。一方、p−クレゾール、スカトールは舌の汚れ具合と高い相関があり、これは、舌が汚れることでこれらの匂いが発生することを示唆している。すなわち、トリメチルアミン、ジメチルスルフィド、p−クレゾール、スカトールを指標とすることで、口腔内の衛生状態を判断することができる。
Figure 0004030941
Figure 0004030941
Figure 0004030941
実施例4(口臭指標物質)
<方法>
本発明の口臭指標物質を混合して口臭モデルを調製し、その匂いを評価した。匂い成分はそれぞれプロピレングリコールあるいはエタノールで0.000001%の希釈液を調製し、その溶液をそれぞれ表8に示す割合(質量比)で混合した。調製した混合液の匂いの強さ、不快度及び口臭一致度ついて、悪臭防止法が定める臭気判定士3名が官能評価を行った。
<評価基準>
(1)匂い強度
5:強烈な匂い
4:強い匂い
3:楽に感知できる匂い
2:何の匂いかわかる弱い匂い
1:やっと感知できる匂い
(2)匂い不快度
−4:極端に不快
−3:不快
−2:やや不快
−1:わずかに不快
(3)口臭一致度
5:非常に一致している
4:一致している
3:やや一致している
2:あまり一致していない
1:一致していない
<結果>
トリメチルアミン、ジメチルスルフィド、p−クレゾール、スカトールの4成分が配合されていないもの(比較例1)に比べて、4成分を配合することで口臭の匂いに近づき(実施例4-1)、さらに4成分の配合量を増やすことで、より口臭に近い匂いになることがわかった(実施例4-2)。また、4成分以外にフェニルプロピオン酸、プロピオン酸、イソ酪酸などの成分を新たに混合することで不快度の異なる口臭モデルを再現できることを見出した。尚、特許文献1で口臭指標物質として記載されているフェノール、p−クレゾール、インドール、スカトールを配合したもの(比較例2)は、ニオイの強さ、不快度は増すものの、口臭一致度は低く、口臭を再現したものとは言いがたい。
Figure 0004030941

Claims (11)

  1. 少なくともトリメチルアミン、ジメチルスルフィド、p−クレゾール及びスカトールからなる口臭判定指標物質。
  2. メチルメルカプタン、ジメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、S−メチルチオアセテート、フェノール、インドール、プロピオン酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、イソカプロン酸、フェニルプロピオン酸及びケイ皮酸から選ばれる1種以上をさらに含有する請求項1に記載の口臭判定指標物質。
  3. 請求項1又は2に記載の口臭判定指標物質を指標として用いる口臭判定法。
  4. 請求項1又は2に記載の口臭判定指標物質を指標として用いる口腔衛生状態判定法。
  5. トリメチルアミンと、ジメチルスルフィドと、p−クレゾールと、スカトールとを含有する擬似口臭組成物。
  6. メチルメルカプタン、ジメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、S−メチルチオアセテート、フェノール、インドール、プロピオン酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、イソカプロン酸、フェニルプロピオン酸及びケイ皮酸から選ばれる1種以上をさらに含有する請求項5に記載の擬似口臭組成物。
  7. 質量比で前記トリメチルアミン:前記ジメチルスルフィド:前記p−クレゾール:前記スカトールを1〜600:0.0001〜0.1:1〜2000:1〜700の割合で含有する請求項5又は6に記載の擬似口臭組成物。
  8. 5〜7mlのイオン交換水又は蒸留水で、30秒〜60秒洗口した後の洗口だ液に含まれる口臭原因物質のうち、少なくともトリメチルアミン、ジメチルスルフィド、p−クレゾール及びスカトールを分析する口臭判定法。
  9. 前記口臭原因物質のうち、メチルメルカプタン、ジメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、S−メチルチオアセテート、フェノール、インドール、プロピオン酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、イソカプロン酸、フェニルプロピオン酸及びケイ皮酸から選ばれる1種以上をさらに分析する請求項8に記載の口臭判定法。
  10. 5〜7mlのイオン交換水又は蒸留水で、30秒〜60秒洗口した後の洗口だ液に含まれる口臭原因物質のうち、少なくともトリメチルアミン、ジメチルスルフィド、p−クレゾール及びスカトールを分析する口腔衛生状態判定法。
  11. 前記口臭原因物質のうち、メチルメルカプタン、ジメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、S−メチルチオアセテート、フェノール、インドール、プロピオン酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、イソカプロン酸、フェニルプロピオン酸及びケイ皮酸から選ばれる1種以上をさらに分析する請求項10に記載の口腔衛生状態判定法。
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