JP6283156B2 - ジケトン作用抑制剤 - Google Patents

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本発明は、体臭抑制剤に関する。さらに詳しくは、本発明は、体臭を気にするヒトに適した化粧料、医薬部外品、医薬品、雑貨などに有用なジケトン作用抑制剤および体臭抑制剤に関する。
近年、清潔志向が高まりつつあり、自分や他人の体臭を気にするヒトが増える傾向がある。体臭は、腋窩部、頭部、体幹部、足指部、足裏部などの各部位から発生する複数のにおいが混じり合ったものである。これらの部位のなかでも、例えば、腋窩部および頭部は、汗の分泌量が多い部位であるが、汗が蒸発しにくく、皮膚常在微生物が繁殖しやすい環境となっている。かかる腋窩部および頭部では、汗中に含まれる成分が皮脂、垢などとともに皮膚常在微生物によって分解されることにより、強いにおいを発する物質が生成される。そのため、腋窩部のにおい(以下、「腋臭」という)および頭部のにおい(以下、「頭部臭」という)は、強く、しかも他人に感知されやすい。
腋臭の原因物質としては、トランス−3−メチル−2−ヘキセン酸などの短鎖脂肪酸およびアンドロステノン(5α−16−アンドロステン−3−オン)などの揮発性ステロイド類が知られている(例えば、特許文献1および非特許文献1参照)。また、頭部臭の原因物質としては、例えば、酢酸、プロピオン酸などの脂肪酸などが知られている(例えば、特許文献2参照)。
これらの体臭の原因物質の発生を抑制して体臭の発生を抑制するデオドラント剤として、例えば、3−メチル−2−ヘキセン酸のキャリア蛋白質であるアポリポプロテインDの合成および分泌を抑制して3−メチル−2−ヘキセン酸の発生を抑制するためのオウバクなどの植物またはその抽出物からなるデオドラント剤(例えば、特許文献3参照)、揮発性ステロイド類であるアンドロステ16−エン類の生成に関与するβ−グルクロニダーゼの活性を抑制してアンドロステ16−エン類の発生を抑制するためのオウゴンなどの植物またはその抽出物からなるデオドラント剤(例えば、特許文献4参照)などが提案されている。
しかしながら、本発明者らは、現時点では、皮膚上におけるジケトン化合物の生成と体臭との関連性や当該関連性を利用して、体臭を抑制する手段を具体的に記載した文献を発見していない。
特開2005−062159号公報 特開2001−220593号公報 特開2006−152003号公報 特開2002−255776号公報
日本化学会編、「味とにおいの分子認識」、季刊化学総説、学会出版センター、1999年3月発行、第40巻、p.205−211
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、皮膚成分に起因するジケトン化合物の作用を効果的に抑制することができるジケトン作用抑制剤を提供することを目的とする。また、本発明は、体臭、特に腋窩部における酸臭および頭部におけるアブラ臭を効果的に抑制することができる体臭抑制剤を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の要旨は、
(1) 皮膚成分に起因する一般式(I):
1−(CO)−(CO)−R2 (I)
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基を示す)
で表されるジケトン化合物の作用を抑制するジケトン作用抑制剤であって、甘草抽出物、ガイヨウ抽出物、ケイヒ抽出物、サクラ抽出物、マロニエ抽出物およびトルメンチラ抽出物からなる群より選ばれた少なくとも1種の抽出物を含有することを特徴とするジケトン作用抑制剤、ならびに
(2) 前記(1)に記載のジケトン作用抑制剤を有効成分として含有してなる体臭抑制剤に関する。
本発明のジケトン作用抑制剤は、皮膚成分に起因するジケトン化合物の作用を効果的に抑制することができるという優れた効果を奏する。また本発明の体臭抑制剤は、体臭、特に、腋窩部における酸臭および頭部におけるアブラ臭を効果的に抑制することができるという優れた効果を奏する。
試験例2において、被験試料とにおい強度との関係を調べた結果を示すグラフである。 試験例3において、被験試料とジアセチルに対応するピークの面積との関係を調べた結果を示すグラフである。
1.ジケトン作用抑制剤
本発明のジケトン作用抑制剤は、皮膚成分に起因する一般式(I):
1−(CO)−(CO)−R2 (I)
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基を示す)
で表されるジケトン化合物の作用を抑制するジケトン作用抑制剤であって、甘草抽出物、ガイヨウ抽出物、ケイヒ抽出物、サクラ抽出物、マロニエ抽出物およびトルメンチラ抽出物からなる群より選ばれた少なくとも1種の抽出物を含有することを特徴とする。
前記抽出物は、皮膚成分に起因する前記ジケトン化合物の作用を抑制する性質を有する。したがって、本発明のジケトン作用抑制剤は、かかる抽出物を含有しているので、皮膚成分に起因する前記ジケトン化合物の作用を効果的に抑制することができる。さらに、前記抽出物は、皮膚を守っていると考えられる皮膚常在微生物、例えば、スタフィロコッカス・オウレウス(Staphylococcus aureus)、スタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)などに対して殺微生物作用を示さないので、本発明のジケトン作用抑制剤は、皮膚上における皮膚常在微生物の存在バランスを崩さずに皮膚のバリア機能を良好に維持しつつ、皮膚上における前記ジケトン化合物の作用を抑制することができる。
本明細書において、「皮膚成分」とは、ジケトン化合物の前駆体となる化合物をいう。かかるジケトン化合物の前駆体となる化合物としては、乳酸、ピルビン酸などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
皮膚成分に起因する前記ジケトン化合物としては、例えば、皮膚上で生成される前記ジケトン化合物、皮膚と接触した衣類または寝具に存在する前記ジケトン化合物、皮膚と接触した衣類または寝具上で生成される前記ジケトン化合物などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。皮膚上で生成される前記ジケトン化合物の作用としては、例えば、体臭、とりわけ腋窩部における酸臭および頭部におけるアブラ臭の発生などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。また、皮膚と接触した衣類または寝具に存在する前記ジケトン化合物の作用および皮膚と接触した衣類または寝具上で生成される前記ジケトン化合物の作用としては、例えば、皮膚と接触した衣類または寝具における前記体臭と同様のにおいの発生などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
本明細書において、「ジケトン化合物の作用の抑制」とは、皮膚または皮膚と接触した衣類もしくは寝具におけるジケトン化合物の生成を抑制することおよび/または皮膚または皮膚と接触した衣類もしくは寝具に存在するジケトン化合物を除去してその量を低減させることによって皮膚または皮膚と接触した衣類もしくは寝具におけるジケトン化合物の作用を抑制することをいう。
本明細書において、「体臭」とは、皮膚の表面から発生するにおいをいう。また、本明細書において、「頭部」の概念には、頭皮および頭髪が含まれる。さらに、本明細書において、「アブラ臭」とは、古くなった油のにおいに似ており、発酵したようなにおいをいう。また、本明細書において、「酸臭」とは、蒸れたような酸っぱいにおいをいう。
皮膚常在微生物としては、スタフィロコッカス・オウレウス(Staphylococcus aureus)、スタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。スタフィロコッカス・オウレウスとしては、例えば、Staphylococcus aureus NBRC13276などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。また、スタフィロコッカス・エピデルミディスとしては、例えば、Staphylococcus epidermidis IAM1296などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。なお、スタフィロコッカス・オウレウスおよびスタフィロコッカス・エピデルミディスは、遺伝学上近縁種であって、ジケトン化合物の産生能を有する種であってもよい。
一般式(I)において、R1およびR2は、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基である。前記アルキル基の炭素数は、ヒトの皮膚成分に起因するジケトン化合物の作用への影響が大きいことから、1〜4であるが、好ましくは1〜3、より好ましくは1または2、さらに好ましくは1である。炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのなかでは、ヒトの皮膚成分に起因するジケトン化合物の作用への影響が大きいことから、メチル基が好ましい。
前記ジケトン化合物としては、例えば、ジアセチル、2,3−ペンタンジオンおよび2,3−ヘキサンジオンが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。前記ジケトン化合物のなかでは、ヒトの皮膚成分に起因するジケトン化合物の作用への影響が大きいことから、ジアセチルおよび2,3−ペンタンジオンが好ましく、ジアセチルがより好ましい。
前記抽出物は、甘草、ガイヨウ(ヨモギ)、ケイヒ(カシア)、サクラ、マロニエ(セイヨウトチノキ)およびトルメンチラからなる群より選ばれた少なくとも1種の植物から得られる抽出物である。
抽出物の植物原料となる植物の部位としては、例えば、樹皮、葉、花、種子、根、根茎、茎、芽などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。抽出に際しては、植物原料をそのまま用いてもよく、乾燥させて用いてもよい。また、植物原料は、粉砕して用いてもよい。抽出は、例えば、植物原料を抽出溶媒に浸漬させ、必要により加熱および/または加圧することなどにより行なうことができる。また、抽出温度および抽出時間は、抽出溶媒の種類、植物の種類、抽出物の用途などにより異なるので一概には決定することができない。
抽出溶媒としては、例えば、精製水、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテルなどのエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、アセトン、エチルメチルケトンなどのケトン類などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの抽出溶媒は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
甘草抽出物は、例えば、甘草の根、根茎などと、精製水、1,3−ブチレングリコールなどの抽出溶媒とを用いて抽出を行なうことによって得られる。本発明においては、甘草抽出物として市販の甘草抽出物を用いてもよい。
ガイヨウ抽出物は、例えば、ガイヨウ(ヨモギ)の葉などと、精製水、1,3−ブチレングリコールなどの抽出溶媒とを用いて抽出を行なうことによって得られる。本発明においては、ガイヨウ抽出物として市販のガイヨウ抽出物を用いてもよい。
ケイヒ抽出物は、例えば、ケイヒ(カシア)の樹皮などと、精製水、エチルアルコールなどの抽出溶媒とを用いて抽出を行なうことによって得られる。本発明においては、ケイヒ抽出物として市販のケイヒ抽出物を用いてもよい。
サクラ抽出物は、例えば、サクラの葉などと、精製水、1,3−ブチレングリコールなどの抽出溶媒とを用いて抽出を行なうことによって得られる。本発明においては、サクラ抽出物として市販のサクラ抽出物を用いてもよい。
マロニエ抽出物は、例えば、マロニエ(セイヨウトチノキ)の種子などと、精製水、1,3−ブチレングリコールなどの抽出溶媒とを用いて抽出を行なうことによって得られる。本発明においては、マロニエ抽出物として市販のマロニエ抽出物を用いてもよい。
トルメンチラ抽出物は、トルメンチラの根などと、精製水、1,3−ブチレングリコールなどの抽出溶媒とを用いて抽出を行なうことによって得られる。本発明においては、トルメンチラ抽出物として市販のトルメンチラ抽出物を用いてもよい。
前記抽出物は、乾燥状態および液体状態のいずれの状態であってもよい。また、用いられる抽出物の種類は、体臭抑制剤の用途、製剤のしやすさなどに応じて適宜選択することができる。
本発明のジケトン作用抑制剤は、乾燥状態の抽出物などのように前記抽出物以外の物質などを含まない剤型であってもよく、精製水、有機溶媒などの溶媒に前記乾燥状態の抽出物を混合した液状の剤型であってもよい。
本発明のジケトン作用抑制剤が液剤である場合、前記ジケトン作用抑制剤における前記乾燥状態の抽出物の含有量は、当該ジケトン作用抑制剤の用途、抽出物の種類などによって異なるので一概には決定することができないことから、ジケトン作用抑制剤の用途、抽出物の種類などに応じて適宜設定することが好ましい。通常、本発明のジケトン作用抑制剤における前記乾燥状態の抽出物の含有量は、前記ジケトン化合物の作用をより効果的に抑制する観点から、好ましくは0.000001質量%以上、より好ましくは0.00001質量%以上であり、使用時における取り扱いの容易性の観点から、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは1.0質量%以下である。
本発明のジケトン作用抑制剤が甘草抽出物を含む液剤である場合、通常、本発明のジケトン作用抑制剤における甘草抽出物の含有量は、乾燥状態の甘草抽出物の含有量に換算すると、前記ジケトン化合物の作用をより効果的に抑制する観点から、好ましくは0.00004質量%以上、より好ましくは0.0004質量%以上であり、使用時における取り扱いの容易性の観点から、好ましくは2.5質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下である。
本発明のジケトン作用抑制剤がガイヨウ抽出物を含む液剤である場合、通常、本発明のジケトン作用抑制剤におけるガイヨウ抽出物の含有量は、乾燥状態のガイヨウ抽出物の含有量に換算すると、前記ジケトン化合物の作用をより効果的に抑制する観点から、好ましくは0.00002質量%以上、より好ましくは0.0002質量%以上であり、使用時における取り扱いの容易性の観点から、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.2質量%以下である。
本発明のジケトン作用抑制剤がケイヒ抽出物を含む液剤である場合、通常、本発明のジケトン作用抑制剤におけるケイヒ抽出物の含有量は、乾燥状態のケイヒ抽出物の含有量に換算すると、前記ジケトン化合物の作用をより効果的に抑制する観点から、好ましくは0.000006質量%以上、より好ましくは0.00006質量%以上であり、使用時における取り扱いの容易性の観点から、好ましくは0.3質量%以下、より好ましくは0.06質量%以下である。
本発明のジケトン作用抑制剤がサクラ抽出物を含む液剤である場合、通常、本発明のジケトン作用抑制剤におけるサクラ抽出物の含有量は、乾燥状態のサクラ抽出物の含有量に換算すると、前記ジケトン化合物の作用をより効果的に抑制する観点から、好ましくは0.00002質量%以上、より好ましくは0.0002質量%以上であり、使用時における取り扱いの容易性の観点から、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.2質量%以下である。
本発明のジケトン作用抑制剤がマロニエ抽出物を含む液剤である場合、通常、本発明のジケトン作用抑制剤におけるマロニエ抽出物の含有量は、乾燥状態のマロニエ抽出物の含有量に換算すると、前記ジケトン化合物の作用をより効果的に抑制する観点から、好ましくは0.000018質量%以上、より好ましくは0.00018質量%以上であり、使用時における取り扱いの容易性の観点から、好ましくは0.9質量%以下、より好ましくは0.18質量%以下である。
本発明のジケトン作用抑制剤がトルメンチラ抽出物を含む液剤である場合、通常、本発明のジケトン作用抑制剤におけるトルメンチラ抽出物の含有量は、乾燥状態のトルメンチラ抽出物の含有量に換算すると、前記ジケトン化合物の作用をより効果的に抑制する観点から、好ましくは0.000016質量%以上、より好ましくは0.00016質量%以上であり、使用時における取り扱いの容易性の観点から、好ましくは0.8質量%以下、より好ましくは0.16質量%以下である。
なお、本発明のジケトン作用抑制剤を用いる場合、適用箇所との接触時の当該ジケトン作用抑制剤の使用量は、ジケトン作用抑制剤の用途に応じて異なるので一概には決定することができないことから、ジケトン作用抑制剤の用途に応じて適宜設定することが好ましい。
本発明のジケトン作用抑制剤は、必要により、例えば、前記抽出物による前記ジケトン化合物抑制性を十分に発現するための助剤などを含有していてもよい。
本発明のジケトン作用抑制剤は、前記ジケトン化合物の作用の発現を抑制することができるため、例えば、ジケトン化合物に起因する体臭の抑制などに好適に用いることができる。
以上説明したように、本発明のジケトン作用抑制剤は、皮膚または皮膚と接触した衣類もしくは寝具における前記ジケトン化合物の生成の抑制あるいは皮膚または皮膚と接触した衣類もしくは寝具に存在するジケトン化合物の量の低減によって皮膚または皮膚と接触した衣類もしくは寝具におけるジケトン化合物の作用の発現を抑制することができることから、体臭を気にするヒトに適した化粧料、医薬部外品、医薬品、雑貨などに使用されることが期待されるものである。
2.体臭抑制剤
本発明の体臭抑制剤は、前記したように、前述したジケトン作用抑制剤を有効成分として含有することを特徴とする。したがって、本発明の体臭抑制剤は、皮膚上におけるジケトン化合物の作用を抑制して当該ジケトン化合物に起因する体臭、とりわけ腋窩部における酸臭および頭部におけるアブラ臭を効果的に抑制することができる。しかも、前記ジケトン作用抑制剤は、皮膚を守っていると考えられる皮膚常在微生物、例えば、スタフィロコッカス・オウレウス(Staphylococcus aureus)、スタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)などに対して殺微生物作用を示さないので、本発明の体臭抑制剤は、皮膚上における皮膚常在微生物の存在バランスを崩さずに皮膚のバリア機能を良好に維持しつつ、体臭を効果的に抑制することができる。
本明細書において、「体臭抑制」の概念には、体臭の度合いを低減させることおよび体臭の発生そのものを抑制することが包含される。
本発明の体臭抑制剤は、乾燥状態のジケトン作用抑制剤を含む剤型であってもよく、溶媒に前記乾燥状態のジケトン作用抑制剤を混合した液剤の剤型であってもよい。前記溶媒として、前記抽出溶媒として挙げられた溶媒と同様の溶媒を用いることができる。
本発明の体臭抑制剤が前記液剤である場合、本発明の体臭抑制剤における乾燥状態のジケトン作用抑制剤の含有量は、用いられるジケトン作用抑制剤に含まれる抽出物の種類およびその量、体臭抑制剤の用途などによって異なるので、一概には決定することができないため、用いられるジケトン作用抑制剤に含まれる抽出物の種類およびその量、体臭抑制剤の用途などに応じて適宜設定することが好ましい。通常、本発明の体臭抑制剤における乾燥状態の抽出物の含有量は、ヒトの体臭、とりわけ腋窩部における酸臭および頭部におけるアブラ臭をより効果的に抑制する観点から、好ましくは0.000001質量%以上、より好ましくは0.00001質量%以上であり、使用時における取り扱いの容易性の観点から、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは1.0質量%以下である。
本発明の体臭抑制剤と適用箇所との接触時における当該体臭抑制剤の使用量は、体臭抑制剤の用途、体臭抑制剤に含まれる抽出物の種類およびその量などに応じて異なるので一概に決定することができないことから、体臭抑制剤の用途、体臭抑制剤に含まれる抽出物の種類およびその量などに応じて適宜設定することが好ましい。通常、本発明の体臭抑制剤と適用箇所との接触時における本発明の体臭抑制剤の使用量は、適用箇所1cm2あたりに使用される乾燥状態の抽出物の質量(乾燥質量)が、ヒトの体臭、とりわけ腋窩部における酸臭および頭部におけるアブラ臭をより効果的に抑制する観点から、好ましくは0.0000002mg以上、より好ましくは0.000002mg以上であり、使用時における取り扱いの容易性の観点から、好ましくは1.0mg以下、より好ましくは0.2mg以下である。
本発明の体臭抑制剤が液剤であって、かつ用いられるジケトン作用抑制剤が甘草抽出物を含む場合、通常、本発明の体臭抑制剤は、乾燥状態の甘草抽出物の含有量が、ヒトの体臭、とりわけ腋窩部における酸臭および頭部におけるアブラ臭をより効果的に抑制する観点から、好ましくは0.000045質量%以上、より好ましくは0.00045質量%以上となり、使用時における取り扱いの容易性の観点から、好ましくは2.5質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下となるように、ジケトン作用抑制剤を含有することが望ましい。また、かかる体臭抑制剤を用いる場合、通常、本発明の体臭抑制剤は、適用箇所1cm2あたりに使用される乾燥状態の甘草抽出物の量が、ヒトの体臭、とりわけ腋窩部における酸臭および頭部におけるアブラ臭をより効果的に抑制する観点から、好ましくは0.000009〜0.0045mg、より好ましくは0.00009〜0.09mgとなるように用いられることが望ましい。
本発明の体臭抑制剤が液剤であって、かつ用いられるジケトン作用抑制剤がガイヨウ抽出物を含む場合、通常、本発明の体臭抑制剤は、乾燥状態のガイヨウ抽出物の含有量が、ヒトの体臭、とりわけ腋窩部における酸臭および頭部におけるアブラ臭をより効果的に抑制する観点から、好ましくは0.00002質量%以上、より好ましくは0.0002質量%以上となり、使用時における取り扱いの容易性の観点から、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.2質量%以下となるように、ジケトン作用抑制剤を含有することが望ましい。また、かかる体臭抑制剤を用いる場合、通常、本発明の体臭抑制剤は、適用箇所1cm2あたりに使用される乾燥状態のガイヨウ抽出物の量が、ヒトの体臭、とりわけ腋窩部における酸臭および頭部におけるアブラ臭をより効果的に抑制する観点から、好ましくは0.000004〜0.002mg、より好ましくは0.00004〜0.04mgとなるように用いられることが望ましい。
本発明の体臭抑制剤が液剤であって、かつ用いられるジケトン作用抑制剤がケイヒ抽出物を含む場合、通常、本発明の体臭抑制剤は、乾燥状態のケイヒ抽出物の含有量が、ヒトの体臭、とりわけ腋窩部における酸臭および頭部におけるアブラ臭をより効果的に抑制する観点から、好ましくは0.000006質量%以上、より好ましくは0.00006質量%以上となり、使用時における取り扱いの容易性の観点から、好ましくは0.3質量%以下、より好ましくは0.06質量%以下となるように、ジケトン作用抑制剤を含有することが望ましい。また、かかる体臭抑制剤を用いる場合、通常、本発明の体臭抑制剤は、適用箇所1cm2あたりに使用される乾燥状態のケイヒ抽出物の量が、ヒトの体臭、とりわけ腋窩部における酸臭および頭部におけるアブラ臭をより効果的に抑制する観点から、好ましくは0.0000012〜0.0006mg、より好ましくは0.000012〜0.012mgとなるように用いられることが望ましい。
本発明の体臭抑制剤が液剤であって、かつ用いられるジケトン作用抑制剤がサクラ抽出物を含む場合、通常、本発明の体臭抑制剤は、乾燥状態のサクラ抽出物の含有量が、ヒトの体臭、とりわけ腋窩部における酸臭および頭部におけるアブラ臭をより効果的に抑制する観点から、好ましくは0.00002質量%以上、より好ましくは0.0002質量%以上となり、使用時における取り扱いの容易性の観点から、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.2質量%以下となるように、ジケトン作用抑制剤を含有することが望ましい。また、かかる体臭抑制剤を用いる場合、通常、本発明の体臭抑制剤は、適用箇所1cm2あたりに使用される乾燥状態のサクラ抽出物の量が、ヒトの体臭、とりわけ腋窩部における酸臭および頭部におけるアブラ臭をより効果的に抑制する観点から、好ましくは0.000004〜0.002mg、より好ましくは0.00004〜0.04mgとなるように用いられることが望ましい。
本発明の体臭抑制剤が液剤であって、かつ用いられるジケトン作用抑制剤がマロニエ抽出物を含む場合、通常、本発明の体臭抑制剤は、乾燥状態のマロニエ抽出物の含有量が、皮膚上における前記ジケトン化合物の作用をより効果的に抑制する観点から、好ましくは0.000018質量%以上、より好ましくは0.00018質量%以上であり、使用時における取り扱いの容易性の観点から、好ましくは0.9質量%以下、より好ましくは0.18質量%以下となるように、ジケトン作用抑制剤を含有することが望ましい。また、かかる体臭抑制剤を用いる場合、通常、本発明の体臭抑制剤は、適用箇所1cm2あたりに使用される乾燥状態のマロニエ抽出物の量が、ヒトの体臭、とりわけ腋窩部における酸臭および頭部におけるアブラ臭をより効果的に抑制する観点から、好ましくは0.0000036〜0.0018mg、より好ましくは0.000036〜0.036mgとなるように用いられることが望ましい。
本発明の体臭抑制剤が液剤であって、かつ用いられるジケトン作用抑制剤がトルメンチラ抽出物を含む場合、通常、本発明の体臭抑制剤は、乾燥状態のトルメンチラ抽出物の含有量が、ヒトの体臭、とりわけ腋窩部における酸臭および頭部におけるアブラ臭をより効果的に抑制する観点から、好ましくは0.000016質量%以上、より好ましくは0.00016質量%以上となり、使用時における取り扱いの容易性の観点から、好ましくは0.8質量%以下、より好ましくは0.16質量%以下となるように、ジケトン作用抑制剤を含有することが望ましい。また、かかる体臭抑制剤を用いる場合、通常、本発明の体臭抑制剤は、適用箇所1cm2あたりに使用される乾燥状態のトルメンチラ抽出物の量が、ヒトの体臭、とりわけ腋窩部における酸臭および頭部におけるアブラ臭をより効果的に抑制する観点から、好ましくは0.0000032〜0.0016mg、より好ましくは0.000032〜0.032mgとなるように用いられることが望ましい。
本発明の体臭抑制剤の適用箇所としては、例えば、腋窩部、体幹部、足裏、頭部などの皮膚の部分、前記体臭が付着することがある箇所などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
本発明の体臭抑制剤は、本発明の目的を妨げない範囲で、殺菌剤をさらに含有していてもよい。
本発明の体臭抑制剤は、一般式(I)で表わされるジケトン化合物に起因する体臭、とりわけ腋窩部における酸臭および頭部におけるアブラ臭を効果的に抑制することができることから、例えば、皮膚または頭部に用いられる、化粧料、医薬部外品、医薬品などに配合して用いることができる。
かかる化粧料、医薬部外品、医薬品などの剤形は、当該外用剤の用途などに応じて適宜選択することができる。前記化粧料、医薬部外品、医薬品などの剤形としては、例えば、エアゾール剤、ロールオン、スティック、洗浄料、クリーム、シート剤、ローション、乳液、ジェル、粉剤などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
本発明の体臭抑制剤が配合された化粧料、医薬部外品、医薬品としては、例えば、デオドラント剤(例えば、デオドラントローション、デオドラントジェル、デオドラントスプレー、デオドラントロールオン、デオドラントペーパー、デオドラントスティックなど)、ボディーローション、化粧水、乳液、スキンケアクリーム、トニック、スティック化粧料、リップクリーム、ボディー用洗浄料(例えば、ボディーシャンプー、固形石鹸など)、シート化粧料(例えば、拭き取り用シート、シートパック剤など)、洗髪用化粧料(例えば、シャンプー、リンスなど)、貼付剤などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
本発明の体臭抑制剤を前記化粧料、医薬部外品、医薬品などに配合して用いる場合には、化粧料、医薬部外品、医薬品に通常用いられる原料、例えば、油、界面活性剤、アルコール、防腐剤、キレート剤、酸化防止剤、増粘剤、香料などの成分を前記化粧料、医薬部外品、医薬品などに添加して用いることができる。
以上説明したように、本発明の体臭抑制剤は、皮膚上における前記ジケトン化合物の作用を抑制することによって体臭抑制を行なう性質を有する抽出物を含有するので、体臭、とりわけ腋窩部における酸臭および頭部におけるアブラ臭を気にするヒトに適した化粧料、医薬部外品、医薬品などに好適に用いることができる。
つぎに、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1〜6および比較例1〜6)
基本培地(基本培地の組成:酵母エキス0.0002質量%、リン酸二水素カリウム0.003質量%、リン酸水素二カリウム0.0019質量%、硫酸マグネシウム七水和物0.0002質量%、塩化ナトリウム0.0014質量%、塩化アンモニウム0.001質量%、塩化マグネシウム0.00001質量%、塩化第一鉄0.00001質量%、塩化カルシウム0.00001質量%)に、甘草抽出物〔丸善製薬(株)製、商品名:カンゾウ抽出液BG−J〕(実施例1)、ガイヨウ抽出物〔丸善製薬(株)製、商品名:ガイヨウ抽出液BG〕(実施例2)、ケイヒ抽出物〔丸善製薬(株)製、商品名:ケイヒ抽出液W-LA〕(実施例3)、サクラ抽出物〔一丸ファルコス(株)製、商品名:サクラエキスB〕(実施例4)、マロニエ抽出物〔丸善製薬(株)製、商品名:マロニエ抽出液BG−J〕(実施例5)、トルメンチラ抽出物〔丸善製薬(株)製、商品名:トルメンチラ抽出液BG〕(実施例6)、パセリ抽出物〔丸善製薬(株)製、商品名:パセリ抽出液PG−J〕(比較例1)、キョウニン抽出物〔丸善製薬(株)製、商品名:キョウニン抽出液LA〕(比較例2)、ルイボス抽出物〔丸善製薬(株)製、商品名:アスパラサスリネアリス抽出液BGJ〕(比較例3)、リンゴ抽出物〔丸善製薬(株)製、商品名:リンゴ抽出液BG−J〕(比較例4)、アカブドウ抽出物〔丸善製薬(株)製、商品名:アカブドウ抽出液BG〕(比較例5)またはプルーン抽出物〔一丸ファルコス(株)製、商品名:クレアージュ〕(比較例6)と乳酸とを、前記抽出物の濃度が1.0質量%および前記の濃度が2mMとなるように添加し、培地を得た。なお、乳酸は、ジアセチルの前駆体であると考えられる物質である。
(試験例1)
体臭、特に、腋窩部における酸臭を有するヒトおよび頭部におけるアブラ臭を有するヒトにおいて、それぞれ、腋窩部におけるジアセチルに代表されるジケトン化合物の生成および頭部におけるジアセチルに代表されるジケトン化合物の生成がみられたことから、ジアセチルに代表されるジケトン化合物の生成と腋窩部における酸臭および頭部におけるアブラ臭と関連していることが確認された。また、かかるジアセチルは、皮膚常在微生物によって乳酸から生成されることが確認された。
皮膚常在微生物のなかでも、スタフィロコッカス・オウレウス(Staphylococcus aureus)およびスタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)は、特にジアセチル産生能に優れることが確認された。そこで、スタフィロコッカス・オウレウス(Staphylococcus aureus)またはスタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)によるジアセチルの生成の有無を指標として用い、実施例1〜6および比較例1〜6それぞれで得られた培地に添加された抽出物が体臭を抑制することができるかどうかを調べた。まず、スタフィロコッカス・オウレウス(Staphylococcus aureus NBRC13276)またはスタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis IAM1296)をその濃度が1×107CFU/mLとなるように、実施例1〜6および比較例1〜6それぞれで得られた培地に添加し、36℃で6時間、210min-1で振盪させながら培養した。
得られた培養物のうち、培養物0.2mLを採取した。採取された培養物に含まれる成分を2,4−ジニトロフェニルヒドラジンで誘導体化した後、得られた産物をメンブランフィルターで濾過して濾液を得た。得られた濾液をHPLCに供し、濾液中に含まれるジアセチルの量(抽出物の存在下に培養したときのジアセチルの量)を測定した。ジアセチルの量の測定の際のHPLC測定条件は、以下のとおりである。
〔ジアセチルの量の測定の際のHPLC測定条件〕
検出波長 :365nm
使用カラム:YMC社製、商品名:Hydrospher C18
(250mm×4.6mm*I.D)
カラム温度:50℃
流速 :1mL/min
注入量 :0.1mL
移動層 :アセトニトリルと水を1:1の割合で混合した溶液
また、実施例1〜6および比較例1〜6それぞれで得られた培地の代わりに、1,3−ブチレングリコール(対照)および乳酸を1,3−ブチレングリコールの濃度が1.0質量%および乳酸の濃度が2mMとなるように基本培地に添加された対照培地を用いたことを除き、前記と同様の操作を行ない、濾液中に含まれるジアセチルの量(対照物質の存在下に培養したときのジアセチルの量)を測定した。
その後、式(II):
にしたがって、ジアセチル生成抑制率を算出した。
また、スタフィロコッカス・オウレウス(Staphylococcus aureus NBRC13276)またはスタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis IAM1296)をその濃度が1×107CFU/mLとなるように、実施例1〜6および比較例1〜6それぞれで得られた培地または対照培地に添加し、36℃で6時間、210min-1で振盪させながら培養し、スタフィロコッカス・オウレウス(Staphylococcus aureus NBRC13276)またはスタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis IAM1296)の生菌数を測定した。
その後、式(III):
にしたがって、生菌率を算出した。試験例1において、培地に含まれる抽出物の種類とジアセチル生成抑制作用との関係および抽出物の皮膚常在微生物への影響を調べた結果を表1に示す。なお、表中、「S.aureus」はスタフィロコッカス・オウレウス(Staphylococcus aureus NBRC13276)、「S.epidermidis」はスタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis IAM1296)を示す。また、表1中におけるジアセチル生成抑制作用の評価基準および皮膚常在微生物への影響の評価基準は、以下の通りである。
〔ジアセチル生成抑制作用の評価基準〕
◎ ジアセチル生成抑制率が75%以上100%以下である(ジアセチル生成抑制作用が非常に強い)。
○ ジアセチル生成抑制率が50%以上75%未満である(ジアセチル生成抑制作用が強い)。
△ ジアセチル生成抑制率が30%以上50%未満である(ジアセチル生成抑制作用が弱い)。
× ジアセチル生成抑制率が30%未満である(ジアセチル生成抑制作用が非常に弱い)。

〔皮膚常在微生物への影響の評価基準〕
◎ 生菌率が75%以上100%以下である(皮膚常在微生物への影響が非常に小さい)。
○ 生菌率が50%以上75%未満である(皮膚常在微生物への影響が小さい)。
△ 生菌率が30%以上50%未満である(皮膚常在微生物への影響が大きい)。
× 生菌率が30%未満である(皮膚常在微生物への影響が非常に大きい)。
表1に示された結果から、実施例1〜6で得られた培地は、スタフィロコッカス・オウレウス(Staphylococcus aureus NBRC13276)によるジアセチル生成およびスタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis IAM1296)によるジアセチル生成を強く抑制することがわかる。また、実施例1〜6それぞれで得られた培地は、スタフィロコッカス・オウレウス(Staphylococcus aureus NBRC13276)およびスタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis IAM1296)に対して殺微生物作用を示さず、皮膚常在微生物への影響が小さいことがわかる。これらの結果から、甘草抽出物(実施例1)、ガイヨウ抽出物(実施例2)、ケイヒ抽出物(実施例3)、サクラ抽出物(実施例4)、マロニエ抽出物(実施例5)およびトルメンチラ抽出物(実施例6)によれば、皮膚常在微生物によるジアセチルに代表されるジケトン化合物の生成を抑制することができ、しかも皮膚における皮膚常在微生物の存在バランスを崩さずに皮膚のバリア機能を良好に維持することができることがわかる。なお、腋窩部における酸臭および頭部におけるアブラ臭は、前記のように、ジアセチルに代表されるジケトン化合物の生成と関連していることが確認されたことから、甘草抽出物(実施例1)、ガイヨウ抽出物(実施例2)、ケイヒ抽出物(実施例3)、サクラ抽出物(実施例4)、マロニエ抽出物(実施例5)およびトルメンチラ抽出物(実施例6)によれば、ジケトン化合物に起因する体臭、とりわけ腋窩部における酸臭および頭部におけるアブラ臭の発生を抑制することができることが示唆される。
これに対して、比較例1〜6で得られた培地を用いたときのジアセチル生成抑制率は0%であることがわかる。これらの結果から、従来、消臭効果を有することが知られているパセリ抽出物(比較例1)、男性臭生成抑制効果を有することが知られているキョウニン抽出物(比較例2)、抗酸化効果を有することが知られているルイボス抽出物(比較例3)およびリンゴ抽出物(比較例4)、ならびに消臭に用いられるフラボノイドを含有することが知られているアカブドウ抽出物(比較例5)およびプルーン抽出物(比較例6)では、皮膚常在微生物による皮膚上でのジアセチルの生成を抑制することができないことがわかる。したがって、従来知られている消臭作用、男性臭生成抑制作用、抗酸化作用などを有する抽出物(比較例1〜6)では、ジアセチルに代表されるジケトン化合物に起因する体臭、特に、腋窩部における酸臭および頭部におけるアブラ臭の発生を十分に抑制することができないことが示唆される。
したがって、以上の結果から、甘草抽出物、ガイヨウ抽出物、ケイヒ抽出物、サクラ抽出物、マロニエ抽出物およびトルメンチラ抽出物によれば、皮膚における皮膚常在微生物の存在バランスを崩さずに皮膚のバリア機能を良好に維持しつつ、従来、消臭に用いられていた抽出物(比較例1〜6)では抑制することができないジケトン化合物の生成を抑制して当該ジケトン化合物に起因する体臭、とりわけ腋窩部における酸臭および頭部におけるアブラ臭の発生を抑制することができることが示唆される。
(実施例7)
甘草抽出物〔丸善製薬(株)製、商品名:カンゾウ抽出液BG−J〕をその濃度が0.5質量%となるように滅菌水に溶解させ、被験試料を得た。
(試験例2)
被験者7人の腋窩を無香料石鹸で洗浄した。その後、無臭化したコットンシートを腋窩部に貼り付けたTシャツを各被験者に着用させ、綿製シートを被験者の腋窩部に接触させる。Tシャツの着用開始から18時間経過後、各被験者に運動を行わせて発汗させる。その後、各被験者のTシャツから綿製シートを回収する。
得られた綿製シートに実施例7で得られた被験試料約1.0mLを噴霧する。噴霧後の綿製シートの半分を、35℃、20時間インキュベーションする。その後、専門パネル3人に、綿製シートから発生した臭気を評価させる。におい強度の評価基準は、以下のとおりである。
〔におい強度の評価基準〕
0点:におわない
1点:かすかににおう
2点:弱くにおう
3点:はっきりにおう
4点:やや強くにおう
5点:かなり強くにおう
また、実施例7で得られた被験試料の代わりに、プラセボの被験試料としての滅菌水を用いることを除き、前記と同様の操作を行ない、綿製シートから発生した臭気を評価させた。
試験例2において、被験試料とにおい強度との関係を調べた結果を図1に示す。図中、レーン1はプラセボの被験試料、レーン2は実施例7で得られた被験試料を示す。
図1に示された結果から、甘草抽出物を含有する被験試料を用いた場合(実施例7)、綿製シートから発生する臭気が低減することわかる。なお、甘草抽出物を含有する被験試料(実施例7)を用いたときの綿製シートと、プラセボの被験試料を用いたときの綿製シートとの間のにおい強度の変化について、ウィルコクソン符号順位検定を行なったところ、危険率5%未満で有意であることが確認された。
前記試験例1において、甘草抽出物と同様にジアセチルの生成を抑制することが示されたガイヨウ抽出物、ケイヒ抽出物、サクラ抽出物、マロニエ抽出物およびトルメンチラ抽出物を用いたときにも、甘草抽出物を用いたときと同様の傾向が見られる。
また、腋窩部における臭気、特に酸臭と同様に、頭部におけるアブラ臭も、ジアセチルに代表されるジケトン化合物の生成と関連していることから、甘草抽出物、ガイヨウ抽出物、ケイヒ抽出物、サクラ抽出物、マロニエ抽出物およびトルメンチラ抽出物によれば、頭部におけるアブラ臭も低減させることができることが示唆される。
以上の結果から、甘草抽出物、ガイヨウ抽出物、ケイヒ抽出物、サクラ抽出物、マロニエ抽出物およびトルメンチラ抽出物は、体臭、とりわけ腋窩部における酸臭および頭部におけるアブラ臭の発生の抑制に有用であることが示唆される。
(試験例3)
試験例2で得られた綿製シートをヘッドスペース分析用バイアル〔スペルコ社製〕に入れる。つぎに、固相マイクロ抽出法(SPME)用ファイバー〔スペルコ社製〕を前記ヘッドスペース分析用バイアル内に挿入し、コットンシートのヘッドスペース気相部に24時間曝露する。
その後、前記SPME用ファイバーをガスクロマトグラフ−質量分析装置に供し、被験者の腋窩部に接触させた綿製シートに付着したジアセチルを分析する。なお、用いられた分析条件は、以下のとおりである。
〔分析条件〕
使用カラム:アジレント テクノロジー(Agilent Technology)社製、商品名:DB−1701(60m×0.25mm×1μm)
使用ガス :ヘリウムガス
温度条件 :−10℃(3分間維持)、−10℃から160℃までの昇温(昇温速度3℃/min)、160℃から280℃までの昇温(昇温速度10℃)および280℃で3分間維持
イオン化法:電子イオン化法(EI)、60eV
試験例3において、被験試料とジアセチルに対応するピークの面積との関係を調べた結果を図2に示す。図中、レーン1はプラセボの被験試料、レーン2は実施例7で得られた被験試料を示す。
図2に示された結果から、甘草抽出物を含有する被験試料(実施例7)を噴霧した綿製シートにおけるジアセチルの量は、プラセボの被験試料を噴霧した綿製シートにおけるジアセチルの量と比較して、減少する傾向にあることがわかる。これらの結果から、甘草抽出物は、皮膚上におけるジアセチルに代表されるジケトン化合物の生成を抑制することができ、当該ジケトン化合物に起因する体臭、とりわけ腋窩部における酸臭および頭部におけるアブラ臭の発生を抑制することができることが示唆される。
また、前記試験例1において、甘草抽出物と同様にジアセチルの生成を抑制することが示されたガイヨウ抽出物、ケイヒ抽出物、サクラ抽出物、マロニエ抽出物およびトルメンチラ抽出物を用いたときにも、甘草抽出物を用いたときと同様の傾向が見られる。
以上の結果から、甘草抽出物、ガイヨウ抽出物、ケイヒ抽出物、サクラ抽出物、マロニエ抽出物およびトルメンチラ抽出物は、皮膚上でのジアセチルに代表されるジケトン化合物の生成の抑制ならびに体臭、とりわけ腋窩部における酸臭および頭部におけるアブラ臭の発生の抑制に有用であることが示唆される。
また、皮膚に接触した衣類および枕カバーなどの寝具においても、皮膚上に存在する乳酸などのジケトン化合物の前駆体および皮膚常在微生物が付着し、当該皮膚常在微生物によってジケトン化合物が生成されるか、あるいは皮膚上で生成されたジケトン化合物が付着することが考えられる。したがって、甘草抽出物、ガイヨウ抽出物、ケイヒ抽出物、サクラ抽出物、マロニエ抽出物およびトルメンチラ抽出物は、皮膚に接触した衣類および枕カバーなどの寝具におけるジケトン化合物の作用の抑制ならびに体臭、とりわけ腋窩部における酸臭および頭部におけるアブラ臭と同様のにおいの発生の抑制に有用であることが示唆される。
(処方例)
以下、本発明に係る外用剤の処方例を示す。なお、原料名中のカッコ内の「E.O.」はオキシエチレン基を示す。また、「E.O.」の前に記載されている数字はオキシエチレン基の付加モル数を示す。
(処方例1 デオドラントスプレー)
下記組成からなる原液と、下記組成からなる噴射剤とを質量比(原液/噴射剤)が5/95となるようにステムよりエアゾール容器に充填し、ステムに適したボタンを装着してデオドラントスプレーとした。
(原液の組成)
タルク 20.0質量%
無水ケイ酸 20.0質量%
クロルヒドロキシアルミニウム 10.0質量%
甘草抽出物 1.0質量%
メントール 1.5質量%
トリクロサン 0.1質量%
ジメチルポリシロキサン 15.0質量%
香料 適量
ミリスチン酸イソプロピル 残部
合計 100.0質量%
(噴射剤の組成)
LPG 100.0質量%
(処方例2 デオドラントスティック)
下記原料を下記組成となるように混合し、デオドラントスティックとした。
イソプロピルメチルフェノール 0.2質量%
硫酸アルミニウムカリウム 20.0質量%
クロロヒドロキシアルミニウム 10.0質量%
ステアリルアルコール 5.0質量%
モノステアリン酸グリセリン 3.0質量%
無水ケイ酸 35.0質量%
キャンデリラロウ 0.5質量%
ヒマシ油 0.1質量%
甘草抽出物 1.0質量%
シトラール 0.04質量%
オイゲノール 0.05質量%
デカメチルシクロペンタシロキサン 残部
合計 100.0質量%
(処方例3 デオドラントジェル)
下記原料を下記組成となるように混合し、デオドラントジェルとした。
甘草抽出物 1.0質量%
メントール 0.5質量%
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.2質量%
水酸化カリウム 0.02質量%
イソノナン酸イソノニル 1.5質量%
トリクロサン 0.1質量%
エチルアルコール 30.0質量%
香料 適量
精製水 残部
合計 100.0質量%
(処方例4 デオドラントロールオン)
下記原料を下記組成となるように混合し、デオドラントロールオンとした。
甘草抽出物 1.0質量%
メントール 0.1質量%
トリクロサン 0.1質量%
クロルヒドロキシルアルミニウム 10.0質量%
イソノナン酸イソノニル 1.0質量%
ヒドロキシプロピルセルロース 1.0質量%
エチルアルコール 60.0質量%
香料 適量
精製水 残部
合計 100.0質量%
(処方例5 拭き取り用シート化粧料)
不織布1gに下記組成からなる組成物5gを含浸させて、拭き取り用シート化粧料とした。
[拭き取り用シート組成物]
甘草抽出物 1.0質量%
メントール 0.1質量%
タルク 10.0質量%
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン 2−デシルテトラデシルエーテル
0.2質量%
エチルアルコール 40.0質量%
香料 適量
精製水 残部
合計 100.0質量%
(処方例6 乳液)
下記原料を下記組成となるように混合し、乳液とした。
甘草抽出物 1.0質量%
流動パラフィン 15.0質量%
ミツロウ 2.0質量%
ラノリン 1.5質量%
セスキオレイン酸ソルビタン 2.5質量%
ポリオキシエチレンソルビタンモノオレイン酸エステル 1.0質量%
1,2−オクタンジオール 0.05質量%
1,3−ブチレングリコール 13.0質量%
キサンタンガム 0.5質量%
精製水 残部
合計 100.0質量%
(処方例7 化粧水)
下記原料を下記組成となるように混合し、化粧水とした。
甘草抽出物 1.0質量%
1,3−ブチレングリコール 6.0質量%
グリセリン 4.0質量%
加水分解ヒアルロン酸 0.1質量%
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン 2−デシルテトラデシルエーテル
0.2質量%
エチレングリコールフェニルエーテル 0.3質量%
香料 適量
エチルアルコール 3.0質量%
精製水 残部
合計 100.0質量%
(処方例8 スキンケアジェル)
下記原料を下記組成となるように混合し、スキンケアジェルとした。
甘草抽出物 1.0質量%
1,3−ブチレングリコール 10.0質量%
グリセリン 3.0質量%
ジプロピレングリコール 5.0質量%
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.4質量%
キサンタンガム 0.01質量%
水酸化カリウム 0.15質量%
デカメチルポリシロキサン 5.0質量%
トリメチルグリシン 10.0質量%
1.2−ペンタンジオール 0.1質量%
グリセリンモノ2−エチルヘキシルエーテル 0.05質量%
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1質量%
エチルアルコール 3.0質量%
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 適量
香料 適量
精製水 残部
合計 100.0質量%
(処方例9 スキンケアクリーム)
下記原料を下記組成となるように混合し、スキンケアクリームとした。
流動パラフィン 5.0質量%
パラフィン 5.0質量%
水素添加パーム油 3.0質量%
ベヘニルアルコール 3.0質量%
ステアリン酸 1.0質量%
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 5.0質量%
キサンタンガム 0.05質量%
カルボキシビニルポリマー 0.4質量%
モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 1.5質量%
ステアリン酸グリセリル 0.5質量%
1,3−ブチレングリコール 10.0質量%
1,2−オクタンジオール 0.2質量%
甘草抽出物 1.0質量%
グリセリンモノ−2−エチルヘキシルエーテル 0.35質量%
グリセリン 5.0質量%
水酸化カリウム 適量
トコフェロール 適量
エチレンジアミン四酢酸ニナトリウム 適量
香料 適量
精製水 残部
合計 100.0質量%
(処方例10 ボディー用化粧水)
下記原料を下記組成となるように混合し、ボディー用化粧水とした。
甘草抽出物 1.0質量%
メントール 0.5質量%
1,3−ブチレングリコール 5.0質量%
ナイロン粉末 5.0質量%
エチルアルコール 50.0質量%
香料 適量
精製水 残部
合計 100.0質量%
(処方例11 トニック)
下記原料を下記組成となるように混合し、トニックとした。
甘草抽出物 1.0質量%
メントール 0.5質量%
D−パントテニルアルコール 0.2質量%
ニコチン酸アミド 0.1質量%
酢酸dl−α−トコフェロール 0.1質量%
カンファー 0.001質量%
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(50E.O.) 0.3質量%
乳酸ナトリウム 0.5質量%
クエン酸 0.05質量%
エチルアルコール 50.0質量%
香料 適量
精製水 残部
合計 100.0質量%
(処方例12 洗顔料)
下記原料を下記組成となるように混合し、洗顔料とした。
30質量%ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン液 3.0質量%
ラウリン酸 5.0質量%
ミリスチン酸 6.0質量%
パルミチン酸 4.0質量%
ステアリン酸 9.0質量%
ジステアリン酸ポリエチレングリコール(150E.O.)
5.0質量%
10質量%ビニルピロリドン・ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド
・ラウリルジメチルアミノプロピルメタクリルアミドクロリド共重合体液
10.0質量%
ポリエチレングリコール 20.0質量%
プロピレングリコール 3.0質量%
グリセリン 5.0質量%
1,2−オクタンジオール 0.5質量%
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.5質量%
水酸化カリウム 5.0質量%
甘草抽出物 1.0質量%
エチレンジアミン四酢酸塩 適量
香料 適量
精製水 残部
合計 100.0質量%
(処方例13 ボディーシャンプー)
下記原料を下記組成となるように混合し、ボディーシャンプーとした。
ラウリン酸 5.0質量%
ミリスチン酸 7.0質量%
プロピレングリコール 4.0質量%
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 3.5質量%
水酸化カリウム 3.6質量%
亜硫酸ソーダ 0.03質量%
パラオキシ安息香酸メチル 0.3質量%
エチレングリコールフェニルエーテル 0.8質量%
甘草抽出物 1.0質量%
エチレンジアミン四酢酸塩 適量
香料 適量
精製水 残部
合計 100.0質量%
(処方例14 シャンプー)
下記原料を下記組成となるように混合し、シャンプーとした。
ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム 6.0質量%
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 2.0質量%
ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム 3.0質量%
スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム 1.0質量%
ヤシ油脂肪酸ジアタノールアミド 5.0質量%
塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]
ヒドロキシエチルセルロース
0.2質量%
グリチルリチン酸ジカリウム 0.2質量%
メントール 1.0質量%
甘草抽出物 1.0質量%
エチルアルコール 3.0質量%
塩化ナトリウム 適量
エチレンジアミン四酢酸塩 適量
安息香酸ナトリウム 適量
香料 適量
精製水 残部
合計 100.0質量%
また、処方例1〜14において、甘草抽出物を用いる代わりに、ガイヨウ抽出物、ケイヒ抽出物、サクラ抽出物、マロニエ抽出物またはトルメンチラ抽出物を用いたことを除き、処方例1〜14に示された組成と同様の組成となるように各原料を混合し、デオドラントスプレー、デオドラントスティック、デオドラントジェル、デオドラントロールオン、拭き取り用シート化粧料、乳液、化粧水、スキンケアジェル、スキンケアクリーム、ボディー用化粧水、トニック、洗顔料、ボディーシャンプーまたはシャンプーを得た。

Claims (1)

  1. 皮膚成分に起因する一般式(I):
    1−(CO)−(CO)−R2 (I)
    (式中、R1およびR2はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基を示す)
    で表されるジケトン化合物の生成を抑制する用途に用いられるジケトン生成抑制剤であって、甘草抽出物、ケイヒ抽出物およびマロニエ抽出物からなる群より選ばれた少なくとも1種の抽出物を含有してなり、前記ジケトン化合物の生成が前記ジケトン化合物に起因する頭部におけるアブラ臭の発生または皮膚と接触した衣類もしくは寝具における前記ジケトン化合物に起因する前記アブラ臭の発生であることを特徴とするジケトン生成抑制剤。
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