JP3611204B2 - ニンニク臭が低減されたニンニクエキス含有食品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ニンニクエキスを含む食品であって、ニンニク臭が低減された食品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ニンニクの健康面への有用性は古くから広く知られており、ニンニク又はニンニクエキス(以下、特記しない限り、単に「ニンニク」ともいう)を用いた健康食品は多数市販されている。ニンニクの健康効果は、主にアリシンという物質の働きによることが知られる。ニンニクを切断やそしゃく等により破砕すると、ニンニクに含まれる酵素アリナーゼが空気中の酸素にさらされて活性化する。活性化したアリナーゼは、ニンニクに含まれるアリイン(無臭の物質)に作用し、アリシンを生成する。ニンニク特有の不快な臭いは、主にこのアリシンによるものであり、アリシンが人体に取り込まれて代謝されるとイオウ化合物が生成し、より不快な臭いの原因となる。ニンニクのこのような不快臭を嫌う人は多く、その不快臭により、ニンニク食品の購買層は限定されている。
【0003】
そのため、ニンニク食品のニンニク臭を低減させるために以下のような様々な試みがなされてきた。
(1)強力な香りを持つ香料等によりニンニク臭を感じにくくする。
(2)ニンニクを加熱するなどの処理を行い、アリナーゼを失活させることによりアリシンの生成を抑制する。
(3)ニンニクからアリイン自体を除去し、アリシンの生成を抑制する。
(4)酵素処理などにより臭気成分を分解する。
(5)フラボノイド類を含有するルイボス・クラウン等により臭気成分の生成を抑制する(特開平10−7539号)。
(6)シクロデキストリン等により臭気成分を包接する。
【0004】
しかし、上記の方法でも、ニンニク臭が十分に低減されない場合が多かった。さらに、(2)、(3)の方法を過度に行えばニンニク臭を効果的に低減させることが可能であったとしても、アリイン及びアリシンによる健康効果も大きく損なわれてしまうという欠点があった。従って、ニンニクの健康効果を損なわずにニンニク臭を十分に低減させたニンニク食品が望まれていた。
【0005】
ところで、プロポリスは、ミツバチの巣の原料となる樹脂状の物質である。プロポリス又はプロポリスエキスには、殺菌作用、抗酸化作用、抗炎症作用があることが知られているが、消臭効果については知られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記観点からなされたものであり、ニンニクの健康効果を損なわずに、ニンニク臭を十分に低減させたニンニクエキスを含む食品を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、プロポリスエキスを併用することで、ニンニクの健康効果を損なわずにニンニク臭を十分に低減させることができることを見い出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明は、ニンニクエキスを含む食品であって、ニンニク臭を低減させるのに有効な程度のプロポリスエキスを含む食品である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の食品は、ニンニクエキスを含む食品である。本発明の食品は、プロポリスエキスを含むこと以外は、通常のニンニクエキスを含む食品と同様であってよい。
【0010】
本発明に用いられるニンニクエキスは、ニンニクの種類、抽出方法、エキスの形態(粉末または液体)、濃度等に関して特に限定されるものではなく、例えば、市販されているものを使用することができる。なお、好ましくは、予め60℃以下で加熱し、減圧し、アルコール抽出するなどの加工により、ある程度ニンニク臭を低減させたニンニクエキスを例示することができる。
【0011】
本発明の食品は、ニンニクエキスとともに、プロポリスエキスを含むことを特徴とする。プロポリスエキスは、例えば、プロポリス原塊からエタノール等の水溶性有機溶媒、又は水溶性有機溶媒と水との混合溶液を溶媒として抽出する方法(特開平10−338641号、特開2000−17096号等参照)等により、製造することができるが、抽出方法、エキスの状態、濃度等に関して特に限定されるものではなく、例えば、市販されているものを使用することができる。
【0012】
本発明の食品は、ニンニクエキス及びプロポリスエキス以外に、任意成分を含んでいてもよい。そのような成分としては、ビタミン、ミネラル等の栄養素;ショ糖、果糖等の単糖類、キシロオリゴ糖等のオリゴ糖等の糖類;矯味剤:色素;水、アルコール等の担体;ルチン等のフラボノイド配糖体、エゾウコギエキス、イチョウ葉エキス、ウコン、アガリクス:等の生理活性成分が挙げられる。
【0013】
本発明の食品は、ニンニクエキスおよびプロポリスエキスの他に、各種ビタミン、ミネラル、エゾウコギエキス、その他の健康に有用な物質を始めとして、他のいかなる物質を含んでもよい。
【0014】
本発明の食品において、プロポリスエキスはニンニク臭を低減させるのに有効な量配合される。具体的には例えば、ニンニクエキスに対して1〜35重量%、好ましくは8〜33重量%、より好ましくは13〜25重量%の割合で配合する。
【0015】
本発明の食品において、ニンニクエキスは、通常10〜90重量%、好ましくは40〜90重量%、より好ましくは50〜70重量%配合する。また、プロポリスエキスは、通常1〜20重量%、好ましくは5〜20重量%、より好ましくは8〜15重量%配合する。
【0016】
上記の範囲でプロポリスを含有させることによって、ニンニクエキスを含む食品のニンニク臭を低減させることができる。プロポリスの含有量がこの範囲よりも少ないと、ニンニク臭を低減する効果が十分でない場合がある。また、含有量が上記範囲を越えると、前記効果が頭打ちになることがある。したがって、プロポリスの含有量は上記範囲であることが好ましい。
【0017】
本発明の食品としての形態は特に制限されず、例えば液状、ペースト状、粒状、粉状、顆粒状等の形態をとることができる。また、ハードカプセル又はソフトカプセル等のカプセルに入れてもよい。
【0018】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
【0019】
<1>ニンニク臭を低減させた食品の製造
まず、以下の3つの溶液を用意した。
【0020】
(1)ルチン0.7g、水1g、エタノール1gを混合し、約60℃に加熱してルチンを溶解させた後、常温で冷却した溶液。
【0021】
(2)クエン酸0.3g、水1gを混合し、約60℃に加熱してクエン酸を溶解させた後、常温で冷却した溶液。
【0022】
(3)ニンニクエキス65g、エゾウコギエキス5g、キシロオリゴ糖15g、エタノール1gを混合した溶液。
上記の3つの溶液とプロポリスエキス10gを混合し、ボトルに充填した。最終的なプロポリスエキスの濃度は10重量%である。
【0023】
<2>比較例
プロポリスを加えること以外は、上記と同様にして比較例の食品を製造した。
【0024】
<3>官能試験
上記のようにして得た実施例及び比較例の食品について、製造後2週間経過したサンプルをそれぞれ用意し、10人のパネラーにニンニク臭の弱いと感じる方を選択してもらった。その結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
表1に示したように、プロポリスエキスを配合した実施例の食品は、プロポリスを含有しない比較例の食品に比べ、ニンニク臭が低減されていると実感されることが明らかとなった。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、ニンニクの健康効果を損なうことなく、ニンニク臭を低減させたニンニクエキス含有食品を提供することができる。
Claims (3)
- ニンニクエキスを含む食品であって、ニンニク臭を低減するのに有効な量のプロポリスエキスを含むことを特徴とする食品。
- プロポリスエキスを、ニンニクエキスに対して1〜35重量%の割合で含有する請求項1記載の食品。
- プロポリスエキスの含有量が1〜20重量%である請求項1記載の食品。
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