JP6513485B2 - 臭気マスキング剤及びカプセル剤 - Google Patents

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Description

本発明は、プロポリス抽出物等の臭気をマスキングするための臭気マスキング剤及びカプセルに関する。
近年、健康増進の観点から、生体に有用な成分を含有する天然由来の原料が注目されている。例えば、プロポリスは、巣の防御及び補強等を目的として、ミツバチが採取した植物の滲出液、新芽、樹脂等にミツロウを混ぜて作られる膠状ないしは蝋状の物質として知られている。このプロポリスは、ミツバチが原料として巣箱周辺の種々の植物を採取して生産されるため、多種多様な成分を含有している。プロポリスの主要な生理活性として、抗酸化作用及び免疫賦活作用が知られている。一般に、プロポリスの生体への適用性を向上させるために、プロポリス原塊より抽出溶媒を用いて得られたプロポリス抽出物が、健康食品、特定保健用食品等の飲食品、化粧品等の分野において用いられている。
また、例えば、コンドロイチン硫酸は、哺乳類の結合組織に広く分布するムコ多糖の一種であり、角膜や皮膚の保湿成分、関節症の予防・治療等の成分として、飲食品、医薬品、化粧品等の各分野において利用されている。コンドロイチン硫酸は、主にブタ等の哺乳類、サメ等の魚類の軟骨から抽出して利用されている。
また、例えば、プラセンタは、牛等の哺乳類の胎盤から抽出処理して利用されており、各種アミノ酸、ミネラル成分等を含有している。プラセンタは、細胞活性化作用、抗疲労作用、活性酸素除去作用の他、美白効果やシワ・たるみ等を改善する作用も報告され、飲食品、医薬品、化粧品等の各分野において利用されている。
しかしながら、これらの天然成分からの抽出物は、特有の臭気を有するため、生体に適用する際、不快感を生じさせるという問題があった。そこで、従来より、特許文献1に開示される不快な臭気を抑制する方法が知られている。特許文献1は、プロポリス抽出物と、所定量のミントエキス、ユーカリエキス、柑橘系エキス、又はハーブエキスを併用することにより、プロポリス抽出物由来の不快な臭気を抑える方法について開示する。
特開2009−284816号公報
ところが、特許文献1に開示される方法は、不快な臭気を抑制する成分自体に特有の風味・香りを有するため、その風味・香りが苦手な人には、容易に適用することができないという問題があった。一方、その風味・香りがしない程度に添加量を減らした場合は、十分な臭気抑制効果が得られないという問題があった。
本発明の目的とするところは、臭気マスキング効果に優れる臭気マスキング剤及びカプセルを提供することにある。
本発明は、プロポリス抽出物等に対し、特定の植物油が優れた臭気マスキング効果を発揮することを見出したことに基づくものである。
上記目的を達成するために、本発明の一態様では、プロポリス抽出物、コンドロイチン硫酸含有抽出物、及びプラセンタ抽出物から選ばれる少なくとも1種の抽出物由来の臭気をマスキングするための臭気マスキング剤であって、前記臭気マスキング剤は、パルミチン酸の含有量が8質量%以上である植物油を含んでなることを特徴とする臭気マスキング剤が提供される。
前記植物油は、綿実油、大豆油、オリーブ油、パーム油、ゴマ油、コーン油、アボガド油、小麦胚芽油、ユズ油、落花生油、米胚芽油、ツバキ油、ヤシ油、及びマカダミアナッツ油から選ばれる少なくとも1種であってもよい。前記植物油は、ゴマ油、小麦胚芽油、及び米胚芽油から選ばれる少なくとも1種であってもよい。
本発明の別の態様では、プロポリス抽出物、コンドロイチン硫酸含有抽出物、及びプラセンタ抽出物から選ばれる少なくとも1種の抽出物を封入するカプセル剤において、前記抽出物とパルミチン酸を8質量%以上含有する植物油とを混合し、前記抽出物由来の臭気をマスキングしたことを特徴とするカプセル剤が提供される。
本発明の別の態様では、プロポリス抽出物、コンドロイチン硫酸含有抽出物、及びプラセンタ抽出物から選ばれる少なくとも1種の抽出物、並びにパルミチン酸を8質量%以上含有する植物油を混合し、カプセルに封入することを特徴とするカプセル剤における抽出物由来の臭気マスキング方法が提供される。
本発明によれば、臭気マスキング効果が優れる。
(第1実施形態)
以下、本発明の臭気マスキング剤を具体化した第1実施形態を説明する。本実施形態の臭気マスキング剤は、天然素材より抽出溶媒を用いて得られた抽出物由来の臭気をマスキングするために用いられ、パルミチン酸の含有量が8質量%以上である植物油を含んでなる。パルミチン酸の含有量が8質量%以上である植物油としては、例えば綿実油(パルミチン酸の含有量約22.7質量%)、大豆油(約10.5質量%)、オリーブ油(約11.3質量%)、パーム油(約43.5質量%)、ゴマ油(約8.9質量%)、コーン油(約10.6質量%)、アボガド油(約10.9質量%)、小麦胚芽油(約16.7質量%)、ユズ油(約22質量%)、落花生油(約10〜12質量%)、米胚芽油(約16.9質量%)、ツバキ油(約17.5質量%)、ヤシ油(約8.2質量%)、マカダミアナッツ油(約8.0質量%)等が挙げられる。なお、植物油中のパルミチン酸の含有量は、USDA(United States Department of Agriculture)データベース等により確認することができる。これらの油は単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
これらの植物油の中で、臭気マスキング効果に優れるゴマ油、小麦胚芽油、又は米胚芽油が好ましく用いられる。さらに、臭気マスキング効果がより優れるゴマ油、小麦胚芽油、及び米胚芽油から選ばれる少なくとも2種がより好ましく用いられる。
天然素材より抽出溶媒を用いて得られた抽出物としては、プロポリス抽出物、コンドロイチン硫酸含有抽出物、及びプラセンタ抽出物が挙げられる。プロポリス抽出物の原料として使用されるプロポリス原塊の産地は、特に限定されず、例えばブラジルを含む南アメリカ諸国、中国や日本等のアジア諸国、ヨーロッパ諸国、北アメリカ諸国、オセアニア諸国等のあらゆる産地のものを使用することができる。
プロポリス原塊からプロポリス抽出物の入手方法は、公知の抽出法、例えば水、親水性有機溶媒、又は水/親水性有機溶媒の混合溶媒を用いた抽出法等が用いられる。親水性有機溶媒としては、水に溶解する性質を有するエタノール、メタノール、イソプロパノール等の低級アルコールのほか、アセトンやエーテル類、クロロホルム等を適宜選択して使用することができる。これらの親水性有機溶媒を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、生体への適用性に優れる観点からエタノールがより好ましい。また、プロポリス原塊中には、生体に有用な成分として、極性の高い有機酸、フラボノイド類、ポリフェノール類、さらには極性の低いテルペノイド類等を含んでいることが確認されている。したがって、目的とする成分に応じて、抽出溶媒を適宜選択することができる。
前記溶媒を用いて抽出する場合、抽出処理前に採取時に混入するゴミ等の夾雑物を除去し、粗粉砕することが好ましい。例えば、親水性有機溶媒又は水/親水性有機溶媒の混合液においてエタノールを用いる場合、その濃度は、好ましくは50〜100容量%、より好ましくは70〜100容量%、最も好ましくは95容量%である。エタノール濃度が50容量%以上の場合には、有用成分の抽出率をより向上させることができる。
エタノール溶媒の使用容量は、プロポリス原塊の質量に対して好ましくは1〜20倍量、より好ましくは2〜10倍量である。エタノール溶媒の使用容量が1倍量以上の場合には、目的成分の抽出率をより向上させることができる。一方、エタノール溶媒の使用容量が20倍量以下の場合には、装置をより大きくする必要がなく、濃縮等の工程の処理時間をより短縮することができ、作業性をより向上させることができる。
抽出温度は抽出溶媒の種類により適宜設定されるが、2〜40℃であることが好ましい。抽出温度が2℃以上の場合には、有効成分の抽出率をより向上させることができる。一方、抽出温度が40℃以下の場合には、ロウ成分の抽出をより抑制することができ、抽出後の濾過性をより向上させることができる。また、揮発性の高い抽出溶媒の場合、溶媒の蒸発をより抑制することができる。なお、抽出操作は、前記抽出温度で攪拌しながら所定時間、例えば3時間以上行えばよい。そして、上記の抽出条件で有効成分を十分に抽出した後、濾紙濾過、珪藻土濾過などの濾過処理を行うことによりプロポリスの溶媒抽出物を得ることができる。
コンドロイチン硫酸(塩類を含む)を含有する抽出物は、例えばブタ等の哺乳類の軟骨、鶏等の鳥類の軟骨、又はサメ、サケ、イカ等の魚介類の軟骨、軟甲、鱗等の抽出原料から公知の方法を用いて得ることができる。公知の方法としては、例えば抽出原料を中性塩液で抽出する中性塩処理法、アルカリ性の溶液中で分解した後に抽出するアルカリ処理法、プロテアーゼ等のタンパク質分解酵素で処理した後に抽出する酵素法等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。得られた抽出物は、さらに公知の方法、例えばエタノール分画処理、イオン交換クロマトグラフィ処理、限外濾過処理、カチオン活性剤を用いた処理等によりコンドロイチン硫酸を分離精製してもよい。
プラセンタ抽出物は、例えば牛、馬、ブタ、羊、ヒト等の哺乳類の胎盤を抽出原料として公知の方法を用いて得ることができる。公知の方法としては、例えばプロテアーゼ等のタンパク質分解酵素で処理した後に抽出する酵素分解法、熱水を用いて処理する熱水抽出法、酸性の溶液中で分解した後に抽出する酸加水分解法、凍結と融解を繰り返し滲出するエキスを得る凍結融解法、限外濾過法等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
本実施形態の臭気マスキング剤は、上述した天然素材より抽出溶媒を用いて得られた抽出物と混合して使用される。本実施形態の臭気マスキング剤を構成するパルミチン酸の含有量が8質量%以上である植物油と、上述した天然素材より抽出溶媒を用いて得られた抽出物(固形分)との混合比は、特に限定されず、優れたマスキング効果の発揮と抽出物の摂取効率の観点から適宜決定することができる。例えば、パルミチン酸の含有量が8質量%以上である植物油と、プロポリス抽出物(固形分)との混合比は、質量比として1〜100:1が好ましく、5〜50:1がより好ましい。パルミチン酸の含有量が8質量%以上である植物油と、コンドロイチン硫酸含有抽出物又はプラセンタ抽出物(固形分)との混合比は、質量比として0.1〜20:1が好ましく、0.5〜10:1がより好ましい。
次に、上記のように構成された臭気マスキング剤の作用について説明する。
本実施形態の臭気マスキング剤は、臭気をマスキングするための添加剤として、上述した天然素材より抽出溶媒を用いて得られた抽出物と混合して使用される。それにより、天然素材より抽出溶媒を用いて得られた抽出物由来の臭気をマスキングする。本実施形態の臭気マスキング剤を構成するパルミチン酸の含有量が8質量%以上である植物油は、芳香成分による香り付けとは異なり、抽出物由来の臭気自体をマスキングする。
本実施形態の臭気マスキング剤によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1)本実施形態の臭気マスキング剤は、天然素材より抽出溶媒を用いて得られた抽出物由来の臭気に対して優れたマスキング効果を発揮する。パルミチン酸の含有量が8質量%以上である植物油により、抽出物由来の臭気自体をマスキングし、消臭効果を発揮することができる。よって、例えば芳香成分による香り付けと異なり、香り成分が苦手な利用者にも広く適用することができる。
また、抽出物由来の臭気を抑制するために、香料等の添加剤を使用する必要がなく、天然素材由来の抽出物の品質を向上させることができる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態は、抽出原料から抽出溶媒を用いて得られた各抽出物について、さらに該溶媒抽出物を1又は2以上のクロマトグラフィを用いて処理したものを使用してもよい。クロマトグラフィとしては、公知のクロマトグラフィ、例えばガスクロマトグラフィ、液体クロマトグラフィ、及び薄層クロマトグラフィを用いることができる。クロマトグラフィ担体としては、例えば、イオン交換クロマトグラフィ、分配クロマトグラフィ(順相・逆相クロマトグラフィ)、吸着クロマトグラフィ、及び分子排斥クロマトグラフィが挙げられる。分配クロマトグラフィとして、より具体的にはシリカゲル担体を用いることが抽出成分の分離効率が優れる観点から好ましい。シリカゲル担体として、表面がオクタデシルシリル基(ODS)等により表面修飾されたものを使用してもよい。
・上記実施形態において適用される抽出原料から抽出溶媒を用いて得られた各抽出物は、抽出された溶液の状態で臭気マスキング剤と混合してもよく、必要に応じて濃縮、乾燥又は水希釈した状態で臭気マスキング剤と混合することも可能である。溶出液の濃縮及び乾燥には、公知の減圧濃縮、膜濃縮、凍結濃縮、真空乾燥、噴霧乾燥又は凍結乾燥が採用可能である。
・上記実施形態は、パルミチン酸の含有量が8質量%以上である植物油としては、通常よりパルミチン酸を多く含有するように品種改良した植物由来の植物油を使用してもよい。
・上記実施形態の臭気マスキング剤は、本発明の構成及び効果を損なわない範囲内において、パルミチン酸の含有量が8質量%以上である植物油以外の植物油を配合してもよい。マスキング効果の効率を向上させる観点から、パルミチン酸の含有量が8質量%以上である植物油は、全植物油中において好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上含有する。
・上記実施形態において、パルミチン酸が植物油中においてグリセリン脂肪酸エステルの形態として配合される場合、遊離脂肪酸に換算した場合の含有量とする。
(第2実施形態)
以下、本発明をカプセル剤に具体化した第2実施形態を説明する。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
本実施形態のカプセル剤は、プロポリス抽出物、コンドロイチン硫酸含有抽出物、及びプラセンタ抽出物から選ばれる少なくとも1種の抽出物と、パルミチン酸を8質量%以上含有する植物油とを混合し、当該抽出物由来の臭気がマスキングされた状態でカプセル中に封入される。
本実施形態のカプセル剤中におけるパルミチン酸の含有量が8質量%以上である植物油と、天然素材より抽出溶媒を用いて得られた抽出物(固形分)との配合比率は、第1実施形態欄に記載の数値範囲を採用することができる。
本実施形態のカプセル剤中には、本発明の効果を阻害しない範囲内において、分散剤を配合してもよい。分散剤は、上記各抽出物の再凝集を抑制するために配合してもよい。尚、本発明においては、分散剤には、食品添加物として用いられる保護剤、乳化剤、及び界面活性剤も含むものとする。分散剤としては、例えば、レシチン、リゾレシチン、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
本実施形態のカプセル剤中には、必要により、ミツロウを配合してもよい。ミツロウは、内容物の粘度調整基材又は分散・安定性を向上させるために必要に応じて配合してもよい。ミツロウを加えることにより、粉末状の各抽出物をペースト状に成形し、内容物の分散性及び安定性を向上させる。カプセル剤中におけるミツロウの含有量は、内容物の分散・安定性の向上の観点から、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは0.5〜15質量%、さらに好ましくは1〜10質量%である。
本実施形態のカプセル剤は、ソフトカプセル剤又はハードカプセル剤のいずれに適用されてもよい。例えばソフトカプセル剤は、カプセル皮膜用組成物から形成した皮膜を、ロータリーダイ法等により、内容物を充填するとともにソフトカプセルを成形することにより製造される。カプセルの素材は、公知の材料を適用することができる。ソフトカプセルの素材としては、例えばゼラチン、グリセリン等が挙げられる。ハードカプセルの素材としては、例えばゼラチン、プルラン等の多糖類、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、デンプン等が挙げられる。これらのカプセル剤は、瓶詰め包装、PTP包装、パウチ等の包装形態で包装されてもよい。
本実施形態に係るカプセル剤は、第1実施形態の効果に加えて以下の利点を有する。
(2)本実施形態のカプセル剤は、天然素材より抽出溶媒を用いて得られた抽出物由来の臭気に対して優れたマスキング効果を発揮する。パルミチン酸の含有量が8質量%以上である植物油により、抽出物由来の臭気自体をマスキングし、消臭効果を発揮することができる。よって、芳香成分による香り付けとは異なり、利用者は容易に摂取することができる。
(3)また、カプセルをコーティング等することによりマスキングする方法に比べて容易に製造することができる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、カプセル剤を飲食品に適用する場合、種々の食品素材又は飲料品素材とともにカプセル内に封入してもよい。カプセル内の剤型としては、特に限定されず、液状、粉末状、ゲル状、固形状のいずれであってもよい。前記飲食品としては、その他の成分としてゲル化剤含有食品、糖類、香料、甘味料、基材、賦形剤、食品添加剤、副素材、増量剤等を適宜配合してもよい。
・上記実施形態において、カプセル剤を医薬品として使用する場合は、好ましくは服用(経口摂取)してもよく、又は経腸投与してもよい。カプセル内の剤型としては、特に限定されず、液状、粉末状、ゲル状、固形状のいずれであってもよい。また、添加剤として賦形剤、基剤、乳化剤、溶剤、安定剤等を配合してもよい。
・上記実施形態におけるカプセル剤は、ヒトが摂取する飲食品及び医薬品等に対して適用することができるのみならず、家畜やペット等の飼養動物の飼料にサプリメント、栄養補助食品、医薬品等として適用してもよい。
以下に試験例を挙げ、前記実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、実施例2,4,6は、参考例2,4,6に置き換えるものとする。
<試験例1:臭気マスキング剤のプラセンタ抽出物に対する臭気抑制試験>
表1に示される臭気マスキング剤を使用し、臭気成分としてプラセンタ抽出物に対する臭気を抑制する効果について試験した。なお、プラセンタ抽出物として日本バイオコン社製の豚プラセンタエキス末を使用した。
(実施例1〜7)
各実施例において、臭気マスキング剤として、パルミチン酸の含有量が8質量%以上の植物油であるオリーブ油、小麦胚芽油、大豆油、米胚芽油、ゴマ油、又はそれらの組み合わせを使用した。表1に示される各成分を全量100mLとなるように所定の配合比率にて調液し、ホモジナイザーで1分間分散させた後、真空引きにて脱泡することにより各例の混合液を調製した。なお、プラセンタ抽出物は、粉末状のものを使用し、表1中における配合量は、固形分としての配合量を示す。
(比較例1〜4)
各比較例においては、各実施例の臭気マスキング剤の代わりに、パルミチン酸の含有量が8質量%未満の植物油であるハイオレックスサフラワー油、ぶどう油、シソ油、及び亜麻仁油をそれぞれ使用した。表1に示される各成分を全量100mLとなるように所定の配合比率にて調液し、ホモジナイザーで1分間分散させた後、真空引きにて脱泡することにより各例の混合液を調製した。
(マスキング効果)
上記のように得られた各混合液を30mLのバイアル瓶に移し、40℃で60分間加熱処理した。得られた加熱処理物について、10名のパネラーがそれぞれバイアル瓶の蓋を少し開け、直接混合物の臭気を嗅ぎ、以下の基準に従い評価した。プラセンタ抽出物(臭気成分)由来の臭気を全く感じない場合を3点(良好)、僅かに抽出物由来の臭気を感じる場合を2点(可)、抽出物由来の臭気を感じる場合を1点(不可)として評価した。10名のパネラーの合計点を表1に示す。
表1に示されるように、各実施例の臭気マスキング剤は、抽出物由来の臭気が抑制されている又は抑制する傾向を示すことが確認された。小麦胚芽油と米胚芽油を併用する実施例6、及び米胚芽油とゴマ油を併用する実施例7は、相乗効果により特に優れた臭気マスキング効果が得られることが確認された。
<試験例2:臭気マスキング剤のサメ軟骨抽出物に対する臭気抑制試験>
表2に示される臭気マスキング剤を使用し、臭気成分としてサメ軟骨抽出物(コンドロイチン硫酸含有抽出物)に対する臭気を抑制する効果について試験した。サメ軟骨抽出物として丸善製薬社製のサメ軟骨抽出物を使用した。
(実施例8〜14)
各実施例において、臭気マスキング剤として、試験例1と同様の植物油をそれぞれ使用した。表2に示される各成分を全量100mLとなるように所定の配合比率にて調液し、ホモジナイザーで1分間分散させた後、真空引きにて脱泡することにより各例の混合液を調製した。なお、サメ軟骨抽出物は、粉末状のものを使用し、表2中における配合量は、固形分としての配合量を示す。
(比較例5〜8)
各比較例においては、各実施例の臭気マスキング剤の代わりに、試験例1の各比較例と同様の植物油をそれぞれ使用した。表2に示される各成分を全量100mLとなるように所定の配合比率にて調液し、ホモジナイザーで1分間分散させた後、真空引きにて脱泡することにより各例の混合液を調製した。
試験例2のマスキング効果の評価は、試験例1と同様の方法にて実施した。10名のパネラーの合計点を表2に示す。
表2に示されるように、各実施例の臭気マスキング剤は、抽出物由来の臭気を抑制している又は抑制する傾向を示すことが確認された。小麦胚芽油と米胚芽油を併用する実施例13、及び米胚芽油とゴマ油を併用する実施例14は、相乗効果により特に優れた臭気マスキング効果が得られることが確認された。
<試験例3:臭気マスキング剤のプロポリス抽出物に対する臭気抑制試験>
表3に示される臭気マスキング剤を使用し、プロポリス抽出物に対する臭気を抑制する効果について試験した。なお、プロポリス抽出物は、以下の製造方法により得られた抽出物を使用した。
まず、原料としてプロポリス原塊の粉砕物150kgに、親水性有機溶媒を含有する溶媒としてエタノール濃度が95容量%の含水エタノール530Lを加えて室温(約25℃)で12時間攪拌して抽出した。そして、プロポリス粉砕物を含む抽出液を遠心分離することによって、固液分離、濃縮し、プロポリス抽出液110kg(固形分55質量%)を得た。
(実施例15〜21)
各実施例において、臭気マスキング剤として、試験例1と同様の植物油をそれぞれ使用した。表3に示される各成分を全量100mLとなるように所定の配合比率にて調液し、ホモジナイザーで1分間分散させた後、真空引きにて脱泡することにより各例の混合液を調製した。なお、プロポリス抽出物は、上記のように得られたプロポリス抽出液を使用し、表3中における配合量は、プロポリス抽出液としての配合量を示す。
(比較例9〜12)
各比較例においては、各実施例の臭気マスキング剤の代わりに、試験例1の各比較例と同様の植物油をそれぞれ使用した。表3に示される各成分を全量100mLとなるように所定の配合比率にて調液し、ホモジナイザーで1分間分散させた後、真空引きにて脱泡することにより各例の混合液を調製した。
試験例3のマスキング効果の評価は、試験例1と同様の方法にて実施した。10名のパネラーの合計点を表3に示す。
表3に示されるように、各実施例の臭気マスキング剤は、抽出物由来の臭気を抑制又は抑制する傾向を示すことが確認された。小麦胚芽油と米胚芽油を併用する実施例20、及び米胚芽油とゴマ油を併用する実施例21は、相乗効果により特に優れた臭気マスキング効果が得られることが確認された。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(a)前記植物油は、小麦胚芽油及び米胚芽油、又は米胚芽油及びゴマ油を含んでなる前記臭気マスキング剤。従って、この(a)に記載の発明によれば、さらに優れた臭気マスキング効果を得ることができる。

Claims (6)

  1. ラセンタ抽出物由来の臭気をマスキングするための臭気マスキング剤であって、
    前記臭気マスキング剤は、綿実油、大豆油、オリーブ油、パーム油、ゴマ油、アボガド油、ユズ油、落花生油、ツバキ油、ヤシ油、及びマカダミアナッツ油から選ばれる少なくとも1種の植物油を含んでなることを特徴とする臭気マスキング剤。
  2. ラセンタ抽出物を封入するカプセル剤において、
    前記抽出物と、綿実油、大豆油、オリーブ油、パーム油、ゴマ油、アボガド油、ユズ油、落花生油、ツバキ油、ヤシ油、及びマカダミアナッツ油から選ばれる少なくとも1種の植物油とを混合し、前記抽出物由来の臭気をマスキングしたことを特徴とするカプセル剤。
  3. プロポリス抽出物及びコンドロイチン硫酸含有抽出物から選ばれる少なくとも1種の抽出物由来の臭気をマスキングするための臭気マスキング剤であって、
    前記臭気マスキング剤は、パルミチン酸の含有量が8質量%以上である植物油を含んでなることを特徴とする臭気マスキング剤。
  4. 前記植物油は、綿実油、大豆油、オリーブ油、パーム油、ゴマ油、コーン油、アボガド油、小麦胚芽油、ユズ油、落花生油、米胚芽油、ツバキ油、ヤシ油、及びマカダミアナッツ油から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項に記載の臭気マスキング剤。
  5. プロポリス抽出物を封入するカプセル剤(プルランを含むカプセルを除く)において、
    前記抽出物と、綿実油、パーム油、ゴマ油、コーン油、アボガド油、小麦胚芽油、ユズ油、落花生油、米胚芽油、ツバキ油、ヤシ油、及びマカダミアナッツ油から選ばれる少なくとも1種の植物油とを混合し、前記抽出物由来の臭気をマスキングしたことを特徴とするカプセル剤。
  6. ンドロイチン硫酸含有抽出物を封入するカプセル剤(プルランを含むカプセルを除く)において、
    前記抽出物とパルミチン酸を8質量%以上含有する植物油とを混合し、前記抽出物由来の臭気をマスキングしたことを特徴とするカプセル剤。
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