JP2006271267A - 消臭機能を有する栄養補助食品 - Google Patents

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洋巳 和田
Kazuyuki Ikeyama
和幸 池山
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Abstract

【課題】消臭作用に優れる上、健康を増進し、且つ入手が容易な栄養補助食品を提供する。
【解決手段】桑葉粉末及び桑葉抽出液の少なくとも一種を含有し、更にトレハロースを全量に対して1〜20重量%含むことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

この発明は、消臭機能を有する栄養補助食品に属する。
特開平 5−38358 特開平 8−266247 特開平10−295325 特開2001−276201 特開2003−19188
口臭や体臭(加齢臭、ワキガ、げっぷ)は、自身が発生源である場合は、嗅覚がその臭いに麻痺していることに加え、周囲の他人も気兼ねして放置しがちであることから、それに気が付きにくいものである。従って、優れた消臭剤が存在しても、使用することが望ましい人物に対しては予防は勿論、事後的にさえ使用されないことが多く、あまり有効でない。また排便臭に対しては事後的に消臭スプレーを使用することがあっても積極的に排泄物自体の臭いを消臭しようと思うことはほとんどない。これらの点において、消臭作用と栄養補給作用を併せ持つ加工食品であれば、栄養を補給したいという多くの人々が有する願望が使用の動機となりうる。また本人のプライドを傷つけることなくプレゼントすることもできる。従って、現実的な消臭効果を期待することができる。
従来、消臭作用と栄養補給作用を併せ持つ加工食品として、乾燥人参葉、乾燥した糖質含量の高い野菜及び乾燥した繊維含量の高い野菜の混合物成形体が提案されている(特許文献2)。
しかし、人参葉に含まれる栄養素の種類は少ない。また、乾燥人参葉の製造は簡単ではない。
それ故、この発明の課題は、消臭作用に優れる上、健康を増進し、且つ入手が容易な栄養補助食品を提供することにある。
その課題を解決するために、この発明の栄養補助食品は、
桑葉粉末及び桑葉抽出液の少なくとも一種を含有することを特徴とする。
本発明者等は、桑葉がそれ単独で消臭作用に優れることを実験で確認した。理由は不明であるが、食物繊維が整腸作用を促し腸内細菌に影響を及ぼし悪臭発生を抑制していると考えられる。そして、桑葉には、食物繊維、ビタミン類、レチノール、カロチノイド、フラボノイド類、ミネラル類が豊富に含まれ、その有効成分であるデオキシノジリマイシンは糖分解酵素に取り付き活性を阻害し糖の吸収を抑制するので血糖値上昇を抑制する他、肥満防止、糖尿病予防、高血圧抑制、動脈硬化抑制、整腸作用、肝機能改善、貧血予防、骨粗鬆症予防の効果がある。従って、本栄養補助食品を服用することによって口臭や排泄臭などの悪臭を消すことに加えて上記の桑葉の効能をも同時に得る事ができる。
本栄養補助食品は、更にトレハロースを含むことで消臭作用が強まるうえ、整腸作用を発揮することもできる。おそらく桑葉中に含まれるカテキン類、ビタミン類等とトレハロースが相互に作用し合うためと考えられる。この場合、トレハロースの含有量は好ましくは全量に対して1〜20重量%であり、特に好ましくは5〜15重量%である。トレハロースが1重量%未満であると桑葉との相乗効果が期待できず、また20重量%を越えると錠剤作製や顆粒作製作の工程中に変色が起きやすくなるので望ましくない。
本発明の栄養補助食品を服用すれば、良好な腸内環境を整え保つことにより、口臭、体臭(加齢臭、ワキガ、げっぷ)、排泄臭の消臭が可能であり、かつ生活習慣病の予防にも効果を発揮する。
本発明で用いられる桑葉は原産地や品種に関しては特に限定されず、国内及び海外で得られるものをいずれも使用することができる。また、収穫時期に関しては通常の収穫時期である5月〜11月に得られる桑葉であればよいが、桑葉特有の有効成分であるデオキシノジリマイシン含有量が高い6月の新葉が望ましい。収穫された桑葉はそのまま長期保存をすると品質が劣化する恐れがあるので、収穫直後に乾燥し、粉末状に加工して保存するか又は収穫直後に抽出して冷蔵保存しておくのがよい。
本発明における桑葉粉末は、真空凍結乾燥、低温除湿乾燥、ベルト式連続真空乾燥、熱風乾燥、超音波乾燥、ドラム乾燥等の方法で乾燥を行った後、石臼、気流式粉砕機、衝撃式粉砕機、回転ハンマー式粉砕機などにより粉砕することによって容易に製造され、市販されている。
また、抽出液を得る場合、常用されている方法で行えばよく、例えば桑葉を粉砕して抽出溶媒に浸漬することにより抽出される。抽出溶媒は水、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、プロピレングリコール、含水エタノール等あるいはこれらの混合溶媒等を用いることができるが含水エタノールがより好ましい。
本発明の栄養補助食品の形態は、粉末状、錠剤、顆粒状、液状等であり、単独で服用してもよいし、また他の食品に添加して摂取することも可能である。
トレハロースとしては市販されているものを使用することができる。
本発明の栄養補助食品には、上記の他に安定剤、増粘剤、結合剤、賦形剤など常用の配合剤が添加・混合されていてもよい。
緑茶粉末(発売元:成香園、商品名:緑茶粉末楽茶便り)、桑葉粉末(北山キット社製、マルベリーフレッシュ)、トレハロース粉末(林原商事社製、トレハ)及びエタノールを準備し、以下に示す実施例1〜6及び比較例1〜5の実験を行った。
−実施例1〜3及び比較例1〜2−
緑茶粉末又は桑葉粉末20gに50%エタノール水溶液100mlを加え60℃で1時間抽出することにより、比較例1の緑茶抽出液又は実施例1の桑葉抽出液を作製した。続いて比較例2及び実施例2−3の組成液を調製した。各例の組成は次の通りである。
比較例1:緑茶抽出液
比較例2:トレハロース5重量%のエタノール水溶液
実施例1:桑葉抽出液
実施例2:桑葉抽出液95重量%とトレハロース5重量%
実施例3:桑葉抽出液85重量%とトレハロース15重量%
次に、密栓可能な5本の1L三角フラスコに上記各液を1mlずつ入れ、またブランクとして6本目の三角フラスコにエタノール1mlを入れた後、0.1%アンモニア水をエタノールで0.0005%に希釈した液10mlを6本の三角フラスコにそれぞれ添加し、5分間撹拌した。撹拌後アンモニア用ガス検知管(ガステック社製)を用いてアンモニア濃度を測定した。別途、アンモニアに代えてトリメチルアミンを同様の方法で三角フラスコに添加し、トリメチルアミン用ガス検知管を用いてトリメチルアミン濃度を測定した。次式に従ってアンモニア及びトリメチルアミンの消臭率を求めた。
消臭率(%)={(A−B)/A}×100、A:ブランクの臭気濃度、B:予め上記各液を入れた場合の臭気濃度。
測定結果を表1に示す。
Figure 2006271267
表1に示されるように、緑茶抽出液単独では消臭効果は比較的低いが、桑葉抽出液には強い消臭効果が認められる。また桑葉抽出液にトレハロースを添加するとより強い消臭効果を確認することができた。
−実施例4〜5及び比較例3〜4−
スライスしたニンニク1gを蒸留水50mlに加えて抽出し濾過した。濾液をニンニクの悪臭溶液とした。またラット糞尿10gを500mlの蒸留水に加え更に20倍に希釈した水溶液を糞尿の悪臭溶液とした。
密栓可能な4本の500mL三角フラスコに上記悪臭溶液を10mlずつ入れ、5分間撹拌した後、フラスコ内のガスの臭いをパネリスト8人(女性4人、男性4人からなる25歳〜57歳の一般人)が確認した。その後、緑茶粉末0.5g(比較例3)、トレハロース粉末0.5g(比較例4)、桑葉粉末0.5g(実施例4)、又は桑葉粉末0.4gとトレハロース0.1gの混合粉末(実施例5)をそれぞれ加え、5分間撹拌後、再びパネリストが臭いを確認した。
そして、A:臭いが消えた、B:わずかに臭いが残る、C:かなり臭いが残っている、D:臭いが全く消えていない、の4段階でパネリストに評価してもらった。評価結果を表2に示す。
Figure 2006271267
表2に示されるように、緑茶粉末単独又はトレハロース粉末単独では消臭効果は低いが、桑葉粉末には単独でも消臭効果が認められる。また桑葉粉末にトレハロース粉末を添加するとより強い消臭効果を確認することができた。
−実施例6及び比較例5−
緑茶粉末を主成分とする直径8.5mm、250mg/錠の円盤状の錠剤(比較例5)、又は桑葉粉末85重量%及びトレハロース15重量%の混合物からなる上記の形状をした錠剤(実施例6)を作製し、20歳〜78歳までのモニター27人に毎食後4錠を1週間〜10日間服用してもらった。
そして、A:完全に臭いが消えた、B:ほぼ臭いが消えた、C:少し臭いが消えた、D:臭いが全く消えていない、の4段階で服用前後の排便臭の消臭効果について比較評価してもらった。その結果を表3に示す。
Figure 2006271267
また快便効果についてのアンケートを行ったところ、モニターの21人が桑葉とトレハロースの混合錠剤を服用することによって便通がよくなったと答えた。表3とアンケートの結果から、桑葉とトレハロースの混合物には消臭効果に加え、整腸や便秘解消に役立つことが確認できた。

Claims (3)

  1. 桑葉粉末及び桑葉抽出液の少なくとも一種を含有することを特徴とする栄養補助食品。
  2. 更にトレハロースを含む請求項1に記載の栄養補助食品。
  3. トレハロースの含有量が全量に対して1〜20重量%である請求項1に記載の栄養補助食品。
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