JP2010098969A - 飲食品材料及びこれを用いた飲料 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、発酵コラーゲンペプチドの有するアミノ酸に起因した苦みや発酵臭を抑えて風味の改善された発酵コラーゲンペプチドを効率良く摂取することができる飲食品材料を提供する。
【解決手段】 本発明の飲食品材料は、発酵コラーゲンペプチド100重量部とシーカーシャーの実の果汁10〜40重量部とを含有することを特徴とし、発酵コラーゲンペプチドの苦みと発酵臭をシーカーシャーの実の果汁で概ね抑えており、マスキングのために他の化合物を添加し或いは発酵コラーゲンペプチドの量を低減する必要はなく、発酵コラーゲンペプチドの濃度を高くすることができ、よって、発酵コラーゲンペプチドを広い濃度範囲で使用することが可能となり、発酵コラーゲンペプチドの摂取を効率良く行うことができる。
【選択図】 なし
【解決手段】 本発明の飲食品材料は、発酵コラーゲンペプチド100重量部とシーカーシャーの実の果汁10〜40重量部とを含有することを特徴とし、発酵コラーゲンペプチドの苦みと発酵臭をシーカーシャーの実の果汁で概ね抑えており、マスキングのために他の化合物を添加し或いは発酵コラーゲンペプチドの量を低減する必要はなく、発酵コラーゲンペプチドの濃度を高くすることができ、よって、発酵コラーゲンペプチドを広い濃度範囲で使用することが可能となり、発酵コラーゲンペプチドの摂取を効率良く行うことができる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、発酵コラーゲンペプチド及びシーカーシャーの実の果汁を含有する飲食品材料に関する。
コラーゲンは動物の骨や皮に多く含まれているタンパク質である。コラーゲンは肌や関節の健康と老化防止効果などがあると言われ、健康食品としてコラーゲンの体内への積極的な摂取が試みられている。コラーゲンの分子は、アミノ酸が螺旋状に繋がった分子量約十万のポリペプチド鎖が三本組み合わさって出来ている。そして、コラーゲンは、長時間に亘って水中で加熱すると、ある温度で急激に分子構造に変化を来して三本の鎖が解けて可溶性となり水中に抽出され、この抽出されたものがゼラチンである。
ゼラチンは、医療、食品などの様々な用途に利用されており、例えば、消化吸収が良いタンパク質として病人食などに用いられている。
そこで、コラーゲンは、上述の通り、分子量が約十万のポリペプチド鎖から形成されているが、コラーゲンを分解して低分子化して体内への吸収性を高めることが検討され、沖縄県内外の企業や団体が参加する異業種交流グループがコラーゲンを沖縄産パイナップルの果汁を用いて分解して低分子量化し、更に発酵させた発酵コラーゲンペプチドの開発に成功している。又、特許文献1にも、発酵微生物の作用で改質された改質非凝固性ゼラチンを含有しているタンパク質含有飲食品材料が開示されている。
そして、発酵コラーゲンペプチドは、コラーゲン又はゼラチンを分解して得られたものであり、遊離アミノ酸、ジペプチド、トリペプチドなどの超低分子量化合物を多く含有し、粘度が低いことから、健康・美容飲料や飲食品などの原料に用いられている。
しかしながら、発酵コラーゲンペプチドは、発酵作用によってコラーゲンが有する独特の獣臭は消失しているものの、アミノ酸に由来する苦みと、特有の発酵臭を有している。
そこで、発酵コラーゲンペプチドに他の原料を配合することによってマスキングし或いは発酵コラーゲンペプチドの配合量を抑えるなどして上記苦みや発酵臭を抑えることができる。
しかしながら、他の原料によってマスキングすれば、糖類、香料などの他の原料の配合割合の多い飲料しか得ることができない。又、発酵コラーゲンペプチドの配合量を抑えると、発酵コラーゲンペプチドの含有量が極めて低い飲料しか得ることができず、発酵コラーゲンペプチドを効果的に摂取することができなかった。
本発明は、発酵コラーゲンペプチドの有するアミノ酸に起因した苦みや発酵臭を抑えて風味の改善された発酵コラーゲンペプチドをより高い濃度で使用できる飲食品材料及びこれを用いた飲料を提供する。
本発明の飲食品材料は、発酵コラーゲンペプチド100重量部とシーカーシャーの実の果汁10〜40重量部とを含有することを特徴とする。
発酵コラーゲンペプチドは、例えば、コラーゲン又はゼラチンを水中にて酵素、酸、アルカリ又は熱によって低分子量化してゲル形成能を消失させて非凝固性ゼラチン水溶液を得た後、この非凝固性ゼラチン水溶液を発酵させることによって得ることができる。ゼラチンは、コラーゲンを水中にて例えば50〜60℃に20〜120分間に亘って加熱することにより水中に抽出させることによって得ることができ、酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼラチンなどの通常のゼラチンを用いることができる。なお、コラーゲンやゼラチンにおいて、それらの原料や処理方法は限定されない。
そして、コラーゲン又はゼラチンを低分子量化するために用いられる酵素としては、コラーゲン又はゼラチンを分解してゲル形成能を消失させることが可能なタンパク質分解酵素であれば限定されない。発酵コラーゲンペプチドを飲食品材料に用いることから、タンパク質分解酵素を含む果菜類の汁を用いることが好ましく、果菜類としては、例えば、パイナップル、パパイヤ、キウイ、イチジク、プリンスメロン、生姜、グリーンアスパラガス、さつまいも、バナナ、梨などが挙げられ、パイナップルが好ましい。なお、果菜類の汁は単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
コラーゲン又はゼラチンを酵素によって低分子量化してゲル形成能を消失させる要領としては、コラーゲン又はゼラチンを含有する水に上記果菜類の汁を供給して反応させればよい。
コラーゲン又はゼラチンを含有する水におけるコラーゲン及びゼラチンの総含有量は、低いと、発酵コラーゲンペプチドの製造効率が低下することがあり、高いと、コラーゲン及びゼラチンを充分に低分子量化することができないことがあるので、0.5〜60重量%が好ましく、10〜30重量%がより好ましい。
コラーゲン又はゼラチンと酵素とを反応させる条件としては、タンパク質分解酵素が充分な活性を維持することができれば、特に限定されず、5〜50℃、5〜60分、pH4〜8の条件が好ましい。
そして、非凝固性ゼラチンを発酵させる要領としては、例えば、非凝固性ゼラチン水溶液に発酵微生物と共に必要に応じて糖類を加えて発酵微生物の活動が行い易い環境に維持して一定期間に亘って熟成させる方法が挙げられる。発酵微生物としては、糖分を分解してアルコール発酵を行い、清酒、ビール、ワインなどのアルコール飲料をつくる酵母、牛乳を発酵させて乳酸菌飲料、ヨーグルト、チーズなどをつくる乳酸菌、大豆蛋白などを発酵させて味噌や醤油をつくる酵母などが挙げられる。
アルコール発酵を行う酵母としては、例えば、サッカロミセス・セルビショー、サッカロミセス・エリブソイディウスなどが挙げられる。乳酸菌としては、例えば、ストレプトコッカス・ラクチス、ストレプトコッカス・クレモリスなどが挙げられる。味噌や醤油をつくる酵母としては、例えば、サッカロミセス・ルキシー、トルロプシス・ベルサチリスなどが挙げられる。
このようにして得られた発酵コラーゲンペプチドは、上述の通り、アミノ酸に由来する苦みと、特有の発酵臭を有している。そこで、本発明の飲食品材料は、発酵コラーゲンペプチドにシーカーシャーの実の果汁を加えることによって、シーカーシャーの実の果汁が有する苦みと、アミノ酸に由来する苦みとを融和させて飲食品材料として好ましい苦みに調整していると共に、シーカーシャーの香り成分によって発酵臭をマスキングして、口当たりのよい不快な臭いのしない飲食品材料としている。
シーカーシャーとはミカン属の常緑小高木であり、シークワーサー、ヒラミレモンとも呼ばれている。シーカーシャーの実の果汁は、例えば、シーカーシャーの実を皮を剥くことなく圧搾し、圧搾によって生じたカスを除去した後、好ましくは、JISで規定する180〜200メッシュの金網を通過させて余分な固形物を除去して得ることができる。
このシーカーシャーの実の果汁には、フラボノイドの一種であるノビレチンが含有され、癌の抑制作用があるのではないかと期待されており長寿との関連についても現在、盛んに研究されている。そのような事情から、シーカーシャーの実の果汁は、沖縄特産の果実飲料、発泡酒、リキュール、料理などに用いられているが、独特の苦みを有している。
このシーカーシャーの実の果汁は、上述したように、これ単独では独特の苦みがあるが、発酵コラーゲンペプチドと混ぜることによって、発酵コラーゲンペプチドの有するアミノ酸に起因した苦みと、シーカーシャーの実の果汁の有する苦みとが微妙に融和し、飲食品材料として好ましい苦みとなる。
更に、シーカーシャーの実の果汁は特有の芳香成分を有しており、この芳香成分によって発酵コラーゲンペプチドの発酵臭が略マスキングされ、本発明の飲食品材料は、発酵臭は殆どせずに爽やかな香りを有している。
本発明の飲食品材料中におけるシーカーシャーの実の果汁の含有量は、少ないと、発酵コラーゲンペプチドの苦みや発酵臭を抑えることができず、多いと、シーカーシャーの実の果汁の風味が出てしまうので、発酵コラーゲンペプチド100重量部に対して10〜40重量部に限定され、15〜30重量部が好ましく、15〜25重量部がより好ましい。
本発明の飲食品材料は、水などによって希釈することによって飲料として摂取することができる。この他に、本発明の飲食品材料は、ゼリー、味噌汁、クッキー、パン、豆腐などに含有させてもよい。
本発明の飲食品材料を用いて飲料を製造する要領としては、例えば、発酵コラーゲンペプチドを含有する水溶液と、シーカーシャーの実の果汁とを混合して飲食品材料を作製し、この飲食品材料に水を所定量だけ供給して均一に混ぜることによって製造することができる。
なお、本発明の飲食品材料には、その物性を損なわない範囲内において、糖類やその他の添加物を添加してもよい。
本発明の飲食品材料は、発酵コラーゲンペプチド100重量部とシーカーシャーの実の果汁10〜40重量部とを含有することを特徴とし、発酵コラーゲンペプチドの苦みと発酵臭をシーカーシャーの実の果汁で概ね抑えており、マスキングのために他の化合物を添加し或いは発酵コラーゲンペプチドの量を低減させる必要はなく、発酵コラーゲンペプチドの濃度を高くすることができ、よって、発酵コラーゲンペプチドを広い濃度範囲で使用することが可能となり、発酵コラーゲンペプチドの摂取を効率良く行うことができる。
(実施例1〜4、比較例1、2)
沖縄県産のパイナップルを用いて製造された発酵コラーゲンペプチドを水に溶解させてなるペプチド液(発酵コラーゲンペプチド:30重量%)100重量部と、表1に示した所定量の沖縄県産のシーカーシャーの実の果汁(沖縄県農業協同組合製 商品名「シイクワシャー果汁」)とを混合して飲食品材料を作製した。この飲食品材料中に全体の量が2000重量部となるように水を加えた上で均一に混合して飲料を得た。
沖縄県産のパイナップルを用いて製造された発酵コラーゲンペプチドを水に溶解させてなるペプチド液(発酵コラーゲンペプチド:30重量%)100重量部と、表1に示した所定量の沖縄県産のシーカーシャーの実の果汁(沖縄県農業協同組合製 商品名「シイクワシャー果汁」)とを混合して飲食品材料を作製した。この飲食品材料中に全体の量が2000重量部となるように水を加えた上で均一に混合して飲料を得た。
得られた飲料の味と臭いを確認したところ、実施例1の飲料は、発酵臭とアミノ酸に起因した苦みが僅かに残っていたが殆ど気にならない程度であった。実施例2、3の飲料は、発酵臭とアミノ酸に起因した苦みは全くせず、爽やかな香りと口当たりの良い苦みを有していた。実施例4の飲料は、シーカーシャーの風味が僅かに出ていたが殆ど気になることはなく、更に、発酵臭は全くせず爽やかな香りを有していた。比較例1は、発酵コラーゲンペプチドに起因する苦みと発酵臭を有していた。比較例2は、シーカーシャーの風味が強く出ていて苦みがきつく発酵コラーゲンペプチド飲料としては不向きであった。
Claims (3)
- 発酵コラーゲンペプチド100重量部とシーカーシャーの実の果汁10〜40重量部とを含有することを特徴とする飲食品材料。
- シーカーシャーの実の果汁は、シーカーシャーを圧搾して得られた搾汁であることを特徴とする請求項1に記載の飲食品材料。
- 請求項1又は請求項2に記載の飲食品材料を含有することを特徴とする飲料。
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