JP2008283948A - 乳発酵物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、風味が良好で、飲食し易い、乳及びコラーゲンの加水分解物を含有する乳発酵物を製造する方法、及び、これにより得られる乳発酵物を飲食物として提供することを課題とする。
【解決手段】乳及びコラーゲン類、より望ましくは更にアスコルビン酸を含む原料に、乳酸菌、酵母等の発酵菌、及び、アクチニジン、キウイフルーツ抽出物等の蛋白質分解酵素を作用させることを特徴とする乳発酵物の製造方法。
【選択図】なし。

Description

本発明は、コラーゲン類を含む原料乳に発酵菌及び蛋白質分解酵素を作用させることを特徴とする乳発酵物の製造方法に関する。
近年、健康の維持増進や疾病予防の観点から、栄養補助食品や健康志向食品に対する関心が高まり、様々な製品が開発され市販されている。例えば、獣乳の発酵産物であるヨーグルトは、古来より世界中で食生活に取り入れられ、乳発酵物の整腸作用等の保健機能に対する期待から最近消費量が増大しており、一般家庭でも手軽に作ることができるようにした形態の商品も出回っている。伝統的な乳発酵物としてデンマークのイメール、フィンランドのピーマ、チェコやスロバキアのアルマ、ブルガリアのキセロ・ルリャコ、ハンガリーのサス・ティ、ロシア・コーカサス地方のケフィール(ケフィア)、中央アジアのクーミス、ギリシャのサコーラス、中近東のレーベン、ザバディ、ラバン、シリブリヨーグルト等、インドやネパールのダヒ、チベットのツォー等がある。我国において、ヨーグルトを代表とする発酵乳とは、乳又はこれと同等以上の無脂乳固形分を含む乳等を乳酸菌又は酵母で発酵させ、糊状又は液体状にしたもの又はこれらを凍結したものと定義されている(非特許文献1)。
発酵乳等の乳発酵物の原料である乳は乳蛋白質としてカゼインを主成分として含み、胃内で胃酸やペプシンによって凝固し、緩やかに種々のペプチドやアミノ酸に加水分解されて腸管から吸収されるが、カゼインの分解物であるカゼインホスホペプチドはカルシウムの体内吸収促進作用を有し、バリン−プロリン−プロリンやイソロイシン−プロリン−プロリンといった特定のアミノ酸構造をもつラクトトリペプチドは整腸作用、血圧上昇抑制作用等の生理機能を有することが知られている。又、乳蛋白質によるアレルゲンを低減させるために低分子量化して低アレルギー性ペプチドを得ることも公知である。しかしながら、乳蛋白質分解ペプチドは概して強い苦味やえぐ味を有するため、通常の飲食品に利用する場合には自ずと使用面で限界があり、香料やフレーバー等を併用して風味をマスキングする必要があった。又、この乳蛋白質分解ペプチドは従来の一般的な発酵菌を用いて発酵処理することにより得られる発酵乳にはほとんど含まれず、通常は酸、アルカリ又は蛋白質分解酵素を用いて加水分解処理して得たものを発酵乳等に適宜添加する方法が採用されていたのが実情である。
最近の乳発酵物は、従来の乳発酵物自体の保健機能に加えて、更に栄養強化、健康増進、疾病予防等の機能を期待する原料や成分、例えば、クロレラ、コラーゲン、ハーブ類、アントシアニン等を含有した形態のものが提案されている(特許文献1〜特許文献5)。このうち、コラーゲンを含有する乳発酵物についてみると、特許文献1及び特許文献2は乳発酵産物にコラーゲン等を添加してなる錠剤状又は顆粒状等の健康食品に関するものであり、特許文献3はアントシアニン含有ビルベリー原液とコラーゲン等との配合物をヨーグルト菌で熟成させたヨーグルトに関するものであり、特許文献4及び特許文献5は発酵乳にコラーゲン又は可溶性コラーゲンを添加したヨーグルトに関するものである。
コラーゲンは動物、鶏、魚等の多細胞動物組織の蛋白質総量の約1/3を占め、繊維状に構成されて、特に皮膚、骨、軟骨、靱帯、腱、血管壁等の組織における主要な成分として存在する。全コラーゲン量の約40重量%が皮膚に、又、約20重量%が骨や軟骨に含まれており、細胞間物質としてマトリックス構造体を形成し、主に細胞同士を結合、支持して組織の機械的強度を維持する役割を担っている。生体組織中のコラーゲンは活性酸素、紫外線照射等により日常的に分解や糖化等の化学変化を受け、又、加齢にともないコラーゲン産生能が低下し、皮膚においてはシワやたるみの発生、柔軟性や張りの低下を引き起こしたり、骨や血管壁においては弾力性や強度の低下を誘発する原因となることが知られている。コラーゲンを熱変性させたものがゼラチンであり、コラーゲンやゼラチンを加水分解するとコラーゲンペプチドが得られる。ゼラチンは飲食品や化粧品の原料として利用され、コラーゲンペプチドは消化管粘膜保護、骨形成促進、血圧上昇抑制、保湿、美容促進等の作用が知られている。
前述の特許文献はいずれも、コラーゲンあるいはコラーゲンペプチドの前記機能を期待する飲食物であるが、錠剤や顆粒の形態の健康食品は通常の飲食品としての風味や食感、摂取時の嚥下等の点で十分満足できるものではなく、発酵乳にコラーゲン等を添加したり、原料乳及びコラーゲン類を単にヨーグルト菌で熟成させてもコラーゲン類の原料由来の特有の臭いを解消することは難しく、汎用的な飲食品として利用するためにはフレーバーや香料を併用してマスキングする必要があった。
特開平9−191852号公報 特開2000−166467号公報 特開2004−357557号公報 特開2006−166829号公報 特開2006−246861号公報 「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」、厚生省令第52号、昭和26年12月27日制定
かかる実情に鑑み、本発明は、日常の食生活に簡単に取り入れることができ、飲食しやすく、原料臭や発酵臭がなく、乳蛋白質の分解による苦味、えぐ味等の不快味がなく、優れた風味や食感を有する、コラーゲン又はその分解物を含有する乳発酵物の製造方法を開発すること、及び、該製造方法により得られる乳発酵物を提供することを課題とした。
前記課題を解決するために、本発明者らは、原料として使用するコラーゲン、ゼラチン、コラーゲンペプチド等のコラーゲン類の起源とその風味や食感との関連性、それらの乳発酵処理による影響等について鋭意検討した結果、乳発酵物にコラーゲン類を違和感なく含有せしめるためには原料乳の発酵処理とコラーゲン類の分解処理とを同時に行うことが有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の特徴は、乳及びコラーゲン類を含む原料に、発酵菌及び蛋白質分解酵素を作用させることを特徴とする乳発酵物の製造方法にある。又、本発明の第2の特徴は、乳、コラーゲン類及びアスコルビン酸を含む原料に、発酵菌及び蛋白質分解酵素を作用させることを特徴とする乳発酵物の製造方法にある。
前記の各発明において、コラーゲン類はコラーゲン、ゼラチン及びこれらの加水分解物からなる群から選択される1種又は2種以上であることが望ましく、発酵菌は乳酸菌及び/又は酵母であることが望ましい。蛋白質分解酵素は、アクチニジン若しくはアクチニジン含有物、又は、コラゲナーゼ若しくはコラゲナーゼ含有物であることが望ましく、このアクチニジン含有物及び/又はコラゲナーゼ含有物の好ましい態様はキウイフルーツ、その搾汁、乾燥物及び抽出物からなる群から選ばれる1種又は2種以上である。又、本発明により得られる乳発酵物はヨーグルト、ケフィール(ケフィア)、クーミス又はレーベンのいずれかに類似するものであることが望ましい。
本発明の第3の特徴は、前述の製造方法により得られる乳発酵物にあり、とりわけ、乳及びコラーゲン類、又は、乳及びコラーゲン類及びアスコルビン酸を含む原料に、乳酸菌及び/又は酵母とキウイフルーツ搾汁の水抽出物とを作用させて得られる乳発酵物であることが望ましい。
本発明によれば、乳及びコラーゲン類を同時かつ容易に加水分解でき、これらの分解物を含有してなる乳発酵物を製造する方法が提供される。又、該製造方法により、乳蛋白質分解ペプチド及びコラーゲン類分解物ペプチドを含み、乳蛋白質分解物による苦味、原料コラーゲン類に由来する原料臭及び発酵臭のない、優れた風味や食感を有する乳発酵物が得られる。該乳発酵物は飲食しやすく、日常の食事メニューに簡単に取り入れることができ、これを摂取することにより乳発酵物そのもの、乳蛋白質分解ペプチド、コラーゲン類分解ペプチド等による栄養強化、健康増進、疾病予防等の機能の発現を期待することが可能となる。
以下に本発明を詳細に説明する。本発明による乳発酵物の製造方法は、基本的には、乳及びコラーゲン類を含む原料に、発酵菌及び蛋白質分解酵素を作用させることを特徴とする。又、望ましくは、乳、コラーゲン類及びアスコルビン酸を含む原料に、発酵菌及び蛋白質分解酵素を作用させることを特徴とする。
前記製造方法において、原料として用いる乳は、発酵乳を製造するために通常用いられるものであればとくに限定されることはなく、生乳、牛乳(成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳、加工乳等を含む)、羊乳、馬乳、山羊乳等の獣乳や豆乳等の油糧植物種子の搾汁液及びこれらの全脂粉乳、脱脂粉乳、乳清等を例として挙げることができる。
コラーゲン類は、牛、豚、鶏、七面鳥、ダチョウ等の畜類の皮、骨、軟骨又は腱等、イトヨリダイ、サケ、サメ、タラ、ティラピア、ナイルパーチ、コイ、メバル、マグロ、ナマズ、ウナギ等の魚類の皮、骨、軟骨又は鱗等を原料として常法により処理して得られるコラーゲンや低分子コラーゲン、これを熱変性させたゼラチン、前記コラーゲンやゼラチンを酸、アルカリ又は酵素で加水分解したコラーゲンペプチドを包含し、これらを任意に用いることができる。これらのコラーゲン類は市販品を利用すればよい。本発明においてはコラーゲン又はゼラチンを加水分解したコラーゲンペプチドを好適に用いることができ、その分子量は約1,000〜約100,000、より好ましくは約5,000〜約70,000のものである。
又、アスコルビン酸はL−アスコルビン酸、イソアスコルビン酸(エリソルビン酸)、そのナトリウム塩等の通常の飲食品に汎用されるもの、アスコルビン酸−2−リン酸、アスコルビン酸グリコシド、アスコルビン酸マグネシウム等を例示することができ、アスコルビン酸を豊富に含む天然素材(例えば、レモン、オレンジ、アセロラ等の果実由来の天然素材、ブロッコリー、メキャベツ、ピーマン、コマツナ、カリフラワー等の野菜由来の天然素材、緑茶やハーブ系植物由来の天然素材等)も本発明においてアスコルビン酸として用いることができる。
尚、前記の乳及びコラーゲン類を含む原料、より望ましくは乳、コラーゲン類及びアスコルビン酸を含む原料は、これを前発酵する場合には後述する方法で発酵処理し、後発酵する場合には必要に応じて甘味料、糖類、安定剤、果汁、果肉等の添加物を配合してもよい。
本発明の製造方法において使用する発酵菌は、乳酸菌、酵母、糸状菌等の通常の発酵食品に用いられるものであれば特に限定されることはなく、これらを単独で又は組み合わせて使用することができるが、望ましくは乳酸菌及び/又は酵母である。乳酸菌の具体例としては、ラクトバチルス アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス カゼイ(L.casei)、ラクトバチルス ケフィラノファシエンス(L.kefiranofaciens)、ラクトバチルス ケフィリ(L.kefiri)、ラクトバチルス ブレビス(L.brevis)、ラクトバチルス ガゼリ(L.gasseri)、ラクトバチルス ブルガリクス(L.bulgaricus)、ラクトバチルス ファーメンタム(L.fermentum)、ラクトバチルス プランタラム(L.plantarum)、ラクトバチルス ヘルベティカス(L.helveticus)、ビフィドバクテリウム ビフィダム(Bifidobacteriumbifidum)、ビフィドバクテリウム ブレーベ(B.breve)、ビフィドバクテリウム ロンガム(B.longum)、ストレプトコッカス クレモリス(Streptococcus cremoris)、ストレプトコッカス サーモフィラス(S.thermophilus)、ストレプトコッカス ジアセチラクチス(S.diacetilactis)、ストレプトコッカス ラクチス(S.lactis)、ラクトコッカス ラクティス(Lactococcus lactis)、ラクトコッカス ラクティスサブスピーシーズ.ラクティス(L.lactis subsp.lactis)、ラクトコッカス ラクティス サブスピーシーズ.クレモリス(L.lactis subsp.cremoris)、ラクトコッカス サーモフィラス(L.thermophilus)、エンテロコッカス フェカリス(Enterococcus fecalis)、エンテロコッカス フェシウム(E.faecium)、ロイコノストック メセンテロイデス サブスピーシーズ.メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides subsp.mesenteroides)、ロイコノストック メセンテロイデス サブスピーシーズ.デキストラニカム(L.mesenteroides subsp.dextranicum)、ロイコノストック メセンテロイデス サブスピーシーズ.クレモリス(L.mesenteroides subsp.cremoris)、ペディオコッカス(Pediococcus)属菌類等を挙げることができる。
酵母の例としては、キャンディダ ケフィル(Candida kefir)、キャンディダ シュードトロピカリス(C.pseudotropicaris)、キャンディダ ホルミィ(C.holmii)、サッカロマイセス ユニスポラクス(Saccharomyces unisporaqs)、サッカロマイセス セレビシエ(S.cerevisiae)、サッカロマイセス ケフィル(S.kefir)、サッカロマイセス ラクチス(S.lactis)、サッカロマイセス ブルガリクス(S.bulgaricus)、サッカロマイセス フロレンチナス(S.florentinus)、トルロプシス デルブレッキ(Torulopsis delbrueckii)、ジゴサンカロマイセス フロレンティヌス(Zygosaccharomyces florentinus)、ジゴサッカロマイセス ルキシー(Z.rouxii)等を挙げることができる。又、糸状菌としてアスペルギルス オリザエ(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス ニガー(A.niger)、アスペルギルス ソヤエ(A.soyae),ユーロチウム レペンス(Eurotium repens)、ユーロチウム チェバリエリ(E.chevalieri)等を挙げることができる。尚、本発明はこれらの例示により何ら限定されるものではない。
本発明においては、これらのうち、望ましい乳酸菌としてラクトバチルス アシドフィルス、ラクトバチルス カゼイ、ラクトバチルス ケフィラノファシエンス、ラクトバチルス ケフィリ、ラクトバチルス ブレビス、ラクトバチルス ファーメンタム、ラクトバチルス プランタラム、ラクトバチルス ヘルベティカス、ラクトコッカス ラクティス、ラクトコッカス ラクティス サブスピーシーズ.ラクティス、ラクトコッカス ラクティス サブスピーシーズ.クレモリス、ロイコノストック メセンテロイデス サブスピーシーズ.メセンテロイデス、ロイコノストック メセンテロイデス サブスピーシーズ.デキストラニカム、ロイコノストック メセンテロイデス サブスピーシーズ.クレモリスを使用でき、又、望ましい酵母としてキャンディダ ケフィル、キャンディダ ホルミィ、サッカロマイセス ユニスポラクス、サッカロマイセス ケフィル、サッカロマイセス ラクチス、サッカロマイセス セレビシエ、ジゴサッカロマイセス フロレンティヌス、トルロプシス デルブレッキを使用できる。
これらの発酵菌の代表的な菌株は、国内外の公的な微生物寄託機関に寄託、保存されており、分譲を受けて本発明の実施に用いることができる。前記の微生物寄託機関として、例えば、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(米国、機関名略号:ATCC)、独立行政法人製品評価技術基盤機構・バイオテクノロジー本部・生物遺伝資源部門(千葉県、機関名略号:NBRC)、独立行政法人理化学研究所・バイオリソースセンター・微生物材料開発室(埼玉県、機関名略号:JCM)等がある。又、前記発酵菌を含む食品、例えば、市販のヨーグルト、乳酸菌飲料、ケフィア、チーズ、鰹節、乳腐、生ハム等から分離したり、ケフィアグレイン等のような数十種類の発酵菌を含有する乾燥物(スターター)を使用することもできる。
本発明の乳発酵物の製造方法では、前記の乳及びコラーゲン類を含む原料、より望ましくは乳、コラーゲン及びアスコルビン酸を含む原料に前記発酵菌を作用させて発酵処理するが、この処理と同時に蛋白質分解酵素を作用させることを大きな特徴とする。この蛋白質分解酵素は、動物、植物、微生物等を起源として得られるプロテアーゼのうち、プロティナーゼ及びペプチダーゼを包含し、カゼインやラクトアルブミン(ホエー蛋白)等の乳蛋白質及び/又は前記コラーゲン類に対して加水分解作用を示すものであれば差し支えなく、例えば、以下に示すようなものを単独で又は複数組み合わせて利用することができる。
動物を起源とするプロテアーゼとして豚の胃粘膜からのペプシン、膵臓からのパンクレアチン、トリプシン、キモトリプシン、牛や羊の胃からのレンネット(レンニン、キモシン)等があり、植物起源のものとしてパパイアのパパインやキモパパイン、パイナップルのブロメライン、イチジクのフィシン、キウイフルーツのアクチニジンがあり、又、パパイア、生姜、キウイフルーツ、マンゴー、パイナップルに由来するコラゲナーゼ等がある。微生物起源のものとしてリゾムコール ミーヘイ(Rhizomucor miehei)やリゾムコール プシルス(R.pusilus)由来のレンネット、バチルス リケニホルミス(Bacillus licheniformis)をはじめとする枯草菌由来のサチライシン、ズブチリシン、アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger)やリゾプス ニベウス(Rhizopus niveus)に由来する酸性プロテアーゼ、アスペルギルス オリザエ(A.oryzae)やバチルス ズブチリス(B.subtilis)に由来する中性プロテアーゼ、ストレプトマイセス グリセウス(Streptomyces griseus)由来のアクチナーゼ、ストレプトマイセス パルブルス(St.parvulus)やクロストリジウム ヒストリチクム(Clostridium histolyticum)に由来するコラゲナーゼ等がある。これらの酵素は常法により調製してもよいが、市販品を利用するのが簡便である。
本発明においては、エンド型プロテアーゼ活性を有する前記酵素が望ましく、更にはエンド型プロテアーゼ活性を有する酵素及びエキソ型プロテアーゼ活性を有する酵素(アミノペプチダーゼ、カルボキシペプチダーゼ)の混合物を用いることがより好ましい。又、本発明で用いるプロテアーゼは、乳酸菌等の発酵菌による発酵にともない乳発酵物が酸性側(pH6〜4程度)に移行するため、このpH域で酵素活性の発現を必要とすることから、酸性プロテアーゼないしは中性プロテアーゼであることが望ましい。更には、パパイン、ブロメライン、フィシン、アクチニジン等のシステインプロテアーゼ及び/又はコラゲナーゼを用いることが望ましい。このシステインプロテアーゼとしてはブロメライン及びアクチニジンがより望ましく、アクチニジンが最も好適である。
アクチニジンはマタタビ属(Actinidia)に属する植物、例えば、キウイフルーツ、マタタビ、サルナシ等の果実に含まれるプロテアーゼ(EC3.4.22.14)であり、分子量が約24kDaで4種類のアイソザイムを有し、至適pHが4程度、至適温度が40〜60℃であり、食肉の軟化及び分解促進、ゼリーの解膠、舌苔の除去等の作用が知られている。本発明においては、かかるアクチニジン又はアクチニジン含有物を好適な蛋白質分解酵素として利用することができる。アクチニジン含有物としては、前記マタタビ属植物の果実、果汁、これらの乾燥物、抽出物及び精製物からなる群から選択される1種又は2種以上とすることができるが、取り扱い性、製品安定性、製造コストの面から抽出物が好適である。
この抽出物は、前記マタタビ属植物の果実全体あるいは外皮及び/又は果芯部を除いた果肉を適当に細断し又は圧搾して果汁となし、これに等重量ないし約50倍重量の水又は含水エタノールを加えて十分に混合した後、不溶物を濾過あるいは遠心分離等により除去して抽出液を採取し、前記抽出溶媒を減圧乾燥や凍結乾燥等によって除去することにより得ることができる。ここで、マタタビ属植物としてはキウイフルーツが入手容易であるため好適であり、アクチニジンの活性低下を防止するために、含水エタノールはエタノール濃度が約10重量%以下であることが望ましく、又、前記各処理は約60℃以下、より好ましくは40℃以下で操作するのがよい。尚、本発明に係るアクチニジンの起源はマタタビ属植物に限定されることはなく、又、アクチニジンは前記抽出物を分別、分画、カラムクロマトグラフィー等の公知の手段によって更に高純度に精製したものでもよい。更には、前記マタタビ属植物の果実はアスコルビン酸を含有しているため、アスコルビン酸を含む原料を発酵菌及び蛋白質分解酵素で処理する場合には、アスコルビン酸及びアクチニジンを含有する前記果実の搾汁液、乾燥物や抽出物を望ましいアクチニジン含有物として用いることができる。
本発明に用いるコラゲナーゼとは、乳発酵の原料に配合する前記コラーゲン類を加水分解するための酵素であり、従ってコラーゲン、低分子コラーゲン、ゼラチン、コラーゲンやゼラチンを加水分解したコラーゲンペプチドに対して作用するものをいい、前述の各種プロテアーゼ(プロティナーゼ及びペプチダーゼ)を含む。又、コラゲナーゼはパパイア、生姜、キウイフルーツ、マンゴー、パイナップル等から単離、精製することができ、例えば、堤ちはる等、日本家政学会誌、第49巻、第1号、第5頁〜第14頁、1998年に記載の方法に準じてキウイフルーツ等の前記マタタビ属植物の果実から調製すればよい。この文献によれば、キウイフルーツ果肉から採取したコラゲナーゼの分子量は約60kDaであり、至適pHが5.0、至適温度が60℃である。
本発明においては、かかるコラゲナーゼ又はコラゲナーゼ含有物を好適な蛋白質分解酵素として利用することができる。コラゲナーゼ含有物としては、前記マタタビ属植物、好ましくはキウイフルーツや、パパイア、マンゴー、パイナップル等の果実、生姜の根茎の搾汁、これらの乾燥物、抽出物及び精製物からなる群から選択される1種又は2種以上とすることができるが、取り扱い性、製品安定性、製造コストの面から抽出物が好適である。又、前記マタタビ属植物やその他の果実はアスコルビン酸を含有しているため、アスコルビン酸を含む原料を発酵菌及び蛋白質分解酵素で処理する場合には、アスコルビン酸及びコラゲナーゼを含有する前記果実の搾汁液、乾燥物や抽出物を望ましいコラゲナーゼ含有物として用いることができる。
本発明に係る発酵乳を製造するには、前記の原料乳、コラーゲン類、アスコルビン酸、発酵菌及び蛋白質分解酵素を用いて、原料乳に対してコラーゲン類を約0.1重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.5重量%〜約5重量%添加し、更にアスコルビン酸を配合する場合にはこれを原料乳に対して約0.01重量%〜約3重量%、より好ましくは約0.05重量%〜約1重量%添加し、必要に応じて前記添加物を配合した後、適宜にpH調節剤を用いて中性〜pH4程度に調整し、70〜90℃で10秒〜30分間程度加熱殺菌処理して原料を調製する。ここで、コラーゲン類の配合量が前記範囲を下回るとコラーゲン分解物による本発明の所望効果を期待できず、逆に前記範囲を超えるとコラーゲン類の原料臭が残存したり不快臭を発生する傾向が高くなり、発酵乳の粘性が増大し過ぎるようになる。又、アスコルビン酸の配合量が前記範囲を下回るとコラーゲン類やその分解物に起因する原料臭や不快臭を抑制して飲食物として好ましい風味を発酵乳に付与することが期待できず、前記範囲を超えると発酵乳の酸味が強くなり過ぎ、苦味を生じる場合がある。pH調節剤としては、食品用途に利用されるものであればいかなるものでもよく、乳酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸等の有機酸類、炭酸、リン酸等の無機酸類、これらのナトリウム塩又はカリウム塩、及び水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のアルカリ剤がある。
次いで、この原料に前記の発酵菌又は発酵菌培養物を播種し、及び前記の蛋白質分解酵素を対原料あたり約0.001重量%〜約1重量%、より好ましくは約0.001重量%〜約0.5重量%加えて、通常の乳発酵で採用される発酵温度及び発酵時間を優先して、すなわち約20℃〜約50℃、更に好ましくは約25℃〜約45℃の下で約6時間〜約30時間、更に好ましくは約10時間〜約24時間、発酵菌による発酵処理と蛋白質分解酵素による分解処理とを同時に行わせる。ここで、蛋白質分解酵素の添加量が前記範囲より少ないと乳蛋白質やコラーゲン類の分解が遅く、乳発酵物に原料由来の臭いや発酵臭が残り、滑らかな食感のものが得られない傾向が大きくなり、前記範囲より多いと乳蛋白質やコラーゲン類の分解が進みすぎて苦味、えぐ味、酸味等が増加して飲食に適さなくなる。尚、発酵及び酵素分解反応の進行具合を知るには、一般に乳発酵の進行及び酵素分解反応の進行とともに原料のpHが低下するので、pHの経時的変化をモニターすることにより可能である。
本発明の製造方法によって得られる乳発酵物のpHは概ね6〜4であり、そのまま飲食用の製品とすることができ、又、冷蔵下で数日間安定な風味と食感を維持する特徴を有するため、必要に応じて約5℃に冷却して保存後、他の食材や成分等を配合してチルド商品の製品としたり、冷凍処理してフローズンタイプの製品とすることもできる。更には、加熱殺菌処理等を行い、適宜に噴霧乾燥等の処理を施して粉末状の常温流通が可能な製品とすることもできる。従って、ヨーグルト、乳酸菌飲料、チーズ、酸乳配合の加工飲食品、健康食品、栄養機能食品、特定保健用食品、高齢者用特別用途食品、粉末、顆粒状食品、錠剤やカプセル等の形態の製品等にすることが可能である。本発明の乳発酵物は、望ましくはヨーグルト、ケフィール(ケフィア)、クーミス又はレーベンに類似する飲食品、より一層望ましくはヨーグルト様食品又はケフィア様食品であり、日常の食事メニューに加えて利用するのがよい。
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。各例において、%、部及び比率は特に表示しない限り全て重量基準である。
実施例1
市販のロングライフ牛乳(販売者:イオン(株)、ブランド名:TOPVALU)50mLに、フィッシュコラーゲン(クローダジャパン(株)製、商品名:バイコM、分子量:10,000〜66,000)500mgを加えて十分混合し、80℃で1分間加熱殺菌した後、発酵菌としてケフィア末(日本エフディ(株)製、商品名:ケフィアNKG−L(凍結乾燥ケフィア)と協同乳業(株)製、商品名:ケフィアバルク(ケフィア種菌)との等重量混合物であり、ラクトバチルス カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトコッカス ラクティス サブスピーシーズ.ラクティス(Lactococcus lactis subsp.lactis)等の乳酸菌、サッカロマイセス フロレンチナス(Saccharomyces florentinus)、キャンディダ ケフィル(Candida kefir)等の酵母を含む数十種類の微生物が混在。)200mg及び蛋白質分解酵素としてキウイフルーツ抽出物(ニュージーランド、ヴァイタル・フード・プロセッサーズ社製、商品名:ザクティナーゼ(登録商標))20mgを添加し、25℃にて24時間静置して前記発酵菌及び蛋白質分解酵素を作用させて乳発酵物(試料1とする)を試作した。
実施例2
実施例1において、ロングライフ牛乳50mLを市販牛乳(明治乳業(株)製、商品名:明治おいしい牛乳)100mLに代え、フィッシュコラーゲン500mgを豚皮コラーゲンペプチド(新田ゼラチン(株)製、商品名:コラーゲンペプチド800F)3gに置きかえて原料とし、ケフィア末400mg及びキウイフルーツ抽出物75mgを用いて同様に処理して乳発酵物(試料2とする)を試作した。
実施例3
実施例1において、ロングライフ牛乳50mL、フインシュコラーゲン500mg及びアスコルビン酸(BASF武田ビタミン(株)製、商品名:ビタミンC100)130mgを混合して原料とすることを除いて同様に処理して乳発酵物(試料3とする)を試作した。
実施例4
実施例1において、発酵菌としてラクトバチルス ヘルベティカス(L.helveticus:ATCC521)を常法により種培養した培養物として用いること以外は同様にして乳発酵物(試料4とする)を試作した。
実施例5
実施例1において、発酵菌としてサッカロマイセス ラクチス(S.lactis:NBRC0648)を常法により種培養した培養物として用いること以外は同様にして乳発酵物(試料5とする)を試作した。
実施例6
実施例1において、ロングライフ牛乳50mLを市販牛乳(明治乳業(株)製、商品名:明治おいしい牛乳)500mLに代え、フィッシュコラーゲン500mgを同5gとし、発酵菌として市販のヨーグルト用菌種(フジッコ(株)製、商品名:「カスピ海ヨーグルト 手作り用純正菌種セット」:この菌種セットはラクトコッカス ラクティス サブスピーシーズクレモリス(Lactococcus lactis subsp.cremoris)及びアセトバクター オリエンタリス(Acetobacter orientaris)を含む。)3gを用い、キウイフルーツ抽出物20mgを同200mgとして、同様に処理して乳発酵物(試料6とする)を試作した。
実施例7
実施例1に記載のキウイフルーツ抽出物を以下に述べる方法により採取したアクチニジン精製物に置きかえて同様に処理して乳発酵物(試料7とする)を試作した。すなわち、市販のニュージーランド産キウイフルーツ(ヘイワード種)2個210gの果皮を取り除いた果肉を圧搾して搾汁を得、該搾汁を遠心分離(4℃、10,000rpm、10分)して上清を分取した。この上清に5モル水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH6.0に調整した後、Brocklehurst等の方法(Brocklehurst K,et.al.、The Biochemical Journal、第197巻、第739頁〜第746頁、1981年)により、硫安沈殿処理してアクチニジン含有画分を得た。次いで、この画分をチオプロピル−セファロース6B(GEヘルスケア バイオサイエンス社)カラムを用いたコバレントクロマトグラフィーにより精製し、アクチニジンをほぼ単一成分とする精製アクチニジン含有液を分取し、凍結乾燥して精製アクチニジン49mgを調製した。このものは、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)法による分析からほぼ純品のアクチニジン(分子量:約24kDaの単一バンド)であった。本実施例においては、この精製アクチニジン2mgを実施例1で使用したキウイフルーツ抽出物20mgの代替として用いた。
比較例1
実施例1に記載のロングライフ牛乳50mL及びケフィア末200mgを用いて同様に処理して乳加工物(比較試料1とする)を調製した。
比較例2
実施例1に記載のロングライフ牛乳50mL及びキウイフルーツ抽出物20mgを用いて同様に処理して乳加工物(比較試料2とする)を調製した。
比較例3
実施例1に記載のロングライフ牛乳50mL、ケフィア末200mg及びキウイフルーツ抽出物20mgを用いて同様に処理して乳加工物(比較試料3とする)を調製した。
比較例4
実施例1に記載のロングライフ牛乳50mL、フィッシュコラーゲン500mg及びケフィア末200mgを用いて同様に処理して乳加工物(比較試料4とする)を調製した。
比較例5
実施例1に記載のロングライフ牛乳50mL、フィッシュコラーゲン500mg及びキウイフルーツ抽出物20mgを用いて同様に処理して乳加工物(比較試料5とする)を調製した。
比較例6
比較試料3にフィッシュコラーゲン500mgを添加して十分に混合して乳加工物(比較試料6とする)を調製した。
前記の乳発酵物(試料1〜7)及び乳加工物(比較試料1〜6)について、それぞれの風味、食感等を以下の方法で評価した。すなわち、パネラー10名に各試料を試食してもらい、苦味、甘味、酸味、こく(濃厚さ)、発酵臭、後味及び総合味覚を評価項目として5段階(1:弱い又は少ない又は悪い、3:普通又は変化なし、5:強い又は多い又は良いを意味する。)で評価した。この結果を表1に示した(同表中の数値は平均値)。表1のデータから、乳及びコラーゲン類を含む原料に、発酵菌及び蛋白質分解酵素を同時作用させると風味の優れた乳発酵物が得られることが明らかになった(試料1、2、4〜7)。又、乳及びコラーゲン類及びアスコルビン酸を含む原料でも同様に良好な結果が得られた(試料3)。これに対して、乳のみの原料を発酵菌単独、蛋白質分解酵素単独、及び、これらの併用で同様に処理しても風味の良いものは得られず(比較試料No.1〜3)、乳及びコラーゲン類を含む原料を発酵菌単独で、及び、蛋白質分解酵素単独で同様に処理しても満足できるものは得られなかった(比較試料4、5)。尚、乳のみの原料を発酵菌及び蛋白質分解酵素で処理した乳発酵物にコラーゲン類を後添加して得た乳加工物も同じく満足できる風味を有するものではなかった。
Figure 2008283948
前記の乳発酵物(試料1〜7)及び乳加工物(比較試料1〜6)について、それぞれに含まれる低分子量の蛋白質又はペプチドの多少を次の方法により定性分析した。すなわち、各試料を純水で3倍希釈し、200mMモノヨード酢酸を用いて発酵及び/又は酵素反応を停止させた後、常法によりSDS−PAGE電気泳動分析試験に供して低分子化ペプチドの存在を定性評価した。この結果、比較試料1(乳のみをケフィア末のみで処理した場合)及び比較試料4(乳及びコラーゲンをケフィア末のみで処理した場合)と対比して、試料1〜7ではいずれも低分子領域(分子量マーカー:8.2KDa、6.2KDa及び2.5KDa)に多数のバンドが認められ、乳及びコラーゲンに由来する蛋白質及び/又はペプチドの低分子化が促進されたことを確認した。なお、比較試料1及び比較試料4においては、これらの低分子領域にバンドはほとんど検出されなかった。また、比較試料2、比較試料3及び比較試料6においては、乳由来の低分子化ペプチドと推測されるバンドが前記低分子領域にわずかに認められたにすぎない。
本発明により得られる乳発酵物は、乳原料の加水分解物に起因する苦味やエグ味が抑制され、コラーゲン類に起因する原料臭や食感が改善されて、風味の良好な飲食物となるため、日常の食事メニューに簡便に組み込むことができ、乳発酵物そのもの、乳蛋白質分解ペプチド、コラーゲン類分解ペプチド等による栄養強化、健康増進、疾病予防等の機能の発現を期待することが可能となる。

Claims (9)

  1. 乳及びコラーゲン類を含む原料に、発酵菌及び蛋白質分解酵素を作用させることを特徴とする乳発酵物の製造方法。
  2. 乳、コラーゲン類及びアスコルビン酸を含む原料に、発酵菌及び蛋白質分解酵素を作用させることを特徴とする乳発酵物の製造方法。
  3. コラーゲン類がコラーゲン、ゼラチン及びこれらの加水分解物からなる群から選択される1種又は2種以上である請求項1又は2に記載の乳発酵物の製造方法。
  4. 発酵菌が乳酸菌及び/又は酵母である請求項1又は2に記載の乳発酵物の製造方法。
  5. 蛋白質分解酵素がアクチニジン又はアクチニジン含有物である請求項1又は2に記載の乳発酵物の製造方法。
  6. 蛋白質分解酵素がコラゲナーゼ又はコラゲナーゼ含有物である請求項1又は2に記載の乳発酵物の製造方法。
  7. アクチニジン含有物及び/又はコラゲナーゼ含有物がキウイフルーツ、その搾汁、乾燥物及び抽出物からなる群から選択される1種又は2種以上である請求項5又は6に記載の乳発酵物の製造方法。
  8. 乳発酵物がヨーグルト、ケフィール(ケフィア)、クーミス又はレーベンのいずれかに類似するものである請求項1〜7のいずれか1項に記載の乳発酵物の製造方法。
  9. 乳及びコラーゲン類、又は、乳及びコラーゲン類及びアスコルビン酸を含む原料に、乳酸菌及び/又は酵母とキウイフルーツ搾汁の水抽出物とを作用させて得られる乳発酵物。
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