JP2004008167A - タマネギ発酵物の製造方法 - Google Patents

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高垣 欣也
Yushi Mitsui
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Abstract

【課題】タマネギの有効成分を損なうことなく、糖質含量の少ないタマネギ発酵物を得る方法を提供すること。
【解決手段】タマネギを洗浄する工程;該洗浄したタマネギを裁断する工程;該裁断したタマネギを微破砕する工程;該微破砕したタマネギを加熱処理して酵素を失活させる工程;および 該加熱処理したタマネギに酵母を添加して発酵させる工程、を包含する、タマネギ発酵物の製造方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タマネギ発酵物の製造方法に関する。詳細には、糖質含量の少ないタマネギ発酵物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、外食の普及あるいはインスタント食品の普及などにより、手軽に食事ができるようになってきた。しかし、このような食生活では、カロリーが必要以上に高いにもかかわらず、人間の健康維持に必要な新鮮なビタミン類、ミネラルなどの栄養素が不足がちになっている。これらの高カロリーで偏った食事が続くと、糖尿病、高血圧などの生活習慣病になりやすくなる。その予防のため、野菜の積極的な摂取が提唱されている。このような状況下、微生物を用いて野菜を発酵させ、微生物によって生産される有機酸、アミノ酸、ビタミン、オリゴ糖などを含む健康食品の製造が行われている。
【0003】
健康食品に用いられている野菜の中でも、タマネギが、糖尿病、高血圧、高脂血症、および動脈硬化の改善ならびに予防に効果があることが分かり、近年注目されている。特に、タマネギの鱗茎に含まれるグルタチオンや硫化物(ジプロピルジサルファイド、サイクロアリイン、イソアリインから生じるセパエンなど)、およびタマネギの外皮に多く含まれるケルセチンは、血糖値の増加抑制作用、中性脂肪抑制作用、抗酸化作用、および血管の弾力性を回復させる作用を有する。例えば、特開平10−77232号公報には、タマネギエキス自体を糖尿病による合併症の予防および治療薬として用いることが開示されている。
【0004】
しかし、タマネギに含まれる硫化化合物は、タマネギ特有の臭みやえぐ味の原因物質であるため、食品として効果的に有効成分のみを摂取することは難しい。さらに、タマネギは他の野菜と比べ糖質含量が高いため、例えば、糖尿病患者は、積極的なタマネギの摂取は好ましくない。
【0005】
タマネギの臭みを抑える目的でタマネギを加工した食品素材の製造方法については、これまでに種々報告されている。例えば、特開昭60−30673号公報には、タマネギを発酵させてアルコール濃度5〜15%の酒類を得る方法が記載されている。しかし、糖および/または栄養素を添加して発酵させているため、糖質の含有量が高いという問題点がある。また、特開昭59−2670号公報には、タマネギをアルコール醗酵させて調味液を得ることが記載されている。この調味液は、アルコール濃度が3%程度まで高められているため、糖尿病患者のようなアルコール摂取を控えなければならない人は摂取できない。特開2001−69947号公報には、タマネギなど種々の植物の発酵食品の製造方法が記載されている。しかし、この方法においても、糖類、無機物、およびアミノ酸を添加して乳酸発酵させているため、糖質の多い食品が得られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、糖尿病患者も摂取できるように、従来のタマネギ発酵物よりも糖質含量が少ないタマネギ発酵物が求められている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは、タマネギの有効成分を損なうことなく、糖質含有量の少ないタマネギ発酵物を得る方法について、鋭意検討を重ねた結果、タマネギの有効成分および発酵産物を含有し、かつ嗜好性に優れたタマネギ発酵物を製造する方法を見出した。
【0008】
すなわち、本発明は、タマネギを洗浄する工程;
該洗浄したタマネギを裁断する工程;
該裁断したタマネギを微破砕する工程;
該微破砕したタマネギを加熱処理して酵素を失活させる工程;および
該加熱処理したタマネギに酵母を添加して発酵させる工程
を包含する、タマネギ発酵物の製造方法を提供する。
【0009】
好適な実施態様では、上記裁断する工程は、上記洗浄したタマネギを0.1cm〜1cmの大きさに裁断する工程であり、そして上記タマネギを微破砕する工程は、該裁断されたタマネギを平均粒径30μm〜500μmの大きさに破砕する工程である。
【0010】
他の好適な実施態様では、上記酵素を失活させる工程は、上記微破砕されたタマネギを80℃〜130℃で1分〜10分間加熱処理する工程である。
【0011】
さらに好ましい実施態様では、上記発酵する工程において、Brix値が、発酵前のタマネギの50%以下になるまで発酵が行われる。
【0012】
好適な実施態様では、上記酵母は、Saccharomyces属に属する酵母である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられるタマネギの種類は、特に限定されず、一般的に食用に供されるタマネギ(Allium cepa L.)が用いられる。使用される部分は、その鱗茎部分であり、その外皮(茶色の薄皮部分)を含んでいてもよい。収穫時に外皮が剥離しておらず、内皮が外部に露出していないものが好ましい。
【0014】
以下、本発明の方法を、工程の順に説明する。
【0015】
まず、タマネギを洗浄する。洗浄とは、収穫したタマネギに付着した土などを水(好ましくは25℃以下の冷水)で洗い落とすことをいう。外皮が剥離しないよう洗浄することが好ましい。
【0016】
次いで、上記洗浄したタマネギを裁断する。好ましくは、0.1cm〜1cmの大きさに裁断される。裁断は、どのような器具を用いて行ってもよく、例えば、スライサー、ダイサー、カッターミキサーなどが用いられる。タマネギを予め裁断することにより、以下の工程においてタマネギを外皮ごと効率よく微破砕することができる。
【0017】
次に、上記裁断されたタマネギを微破砕する。微破砕によって、タマネギの平均粒径(メジアン径)は、好ましくは30μm〜500μm、より好ましくは30μm〜100μmになる。微破砕は、湿式粉砕機、例えば、コミトロール((株)アーシェル・ジャパン)、マスコロイダー(増幸産業株式会社)が挙げられる。タマネギを微破砕することにより、タマネギの組織から有効成分、酵素、糖質などが溶出し、効率よく以下の工程(酵素失活工程、酵母による発酵工程)を行うことができる。
【0018】
上記微破砕されたタマネギを加熱処理して、タマネギ中に含まれる酵素を失活させる。これは、タマネギ中の酵素(例えば、アリナーゼ)によって殺菌作用を有する揮発性物質(例えば、プロペニル・スルフェン酸)が生産されるのを防ぐために、ならびに含まれる雑菌を滅菌するために行う。加熱処理は、プレート式、パイプ式などの熱交換機、ジャケット付きタンクなどを用いて行われる。加熱温度は、好ましくは60℃〜130℃、より好ましくは100℃〜130℃である。加熱時間は、タマネギ中に含まれる酵素が十分失活するまでの時間であり、好ましくは1分〜10分間である。外気との接触を排除した閉鎖系で100℃〜130℃の温度にて、できるだけ短時間で加熱処理を行うことが、有効成分を損なうことなく、効率良く酵素を失活することができる点で好ましい。なお、タマネギの加熱処理物の粘度が高い場合は、水を加えてもよい。加える水の量は、タマネギ100重量部に対し、50重量部以下にする。
【0019】
加熱処理したタマネギを10℃〜40℃に冷却した後、以下の発酵工程の前に、必要に応じて、上記タマネギの加熱処理物に、タマネギの細胞壁を分解する酵素を添加する。このような酵素としては、ペクチン分解酵素(例えば、ポリガラクツロナーゼ、ペクチンリアーゼ、ペクチンエステラーゼ、プロトペクチナーゼなど)、セルロース分解酵素(例えば、セルラーゼ、ヘミセルラーゼなど)などが挙げられる。これらの酵素は混合して用いてもよく、プロトペクチナーゼ、ヘミセルラーゼ、およびセルラーゼを含む製剤が好適に用いられる。これらは、上記タマネギの微破砕物に対して約0.001重量%〜約0.2重量%程度添加される。しかし、添加量は酵素の精製度および種類により異なる。このような酵素の添加により、タマネギの細胞内に含まれる栄養分が液体部分に多く溶出される。特に、ケルセチン、硫化物、核酸成分、グルタミン酸などが効率よく溶出され、栄養分が豊富になる。そのため、以下の発酵工程後に得られるタマネギ発酵物の上清液(以下、タマネギ発酵エキスということがある)の栄養分が高くなる。また、これらの酵素がタマネギの細胞壁(膜)へ作用する結果、酵素処理物中にセロビオース、セロオリゴ糖などが多く含まれ、最終的に得られるタマネギ発酵物またはタマネギ発酵エキスに機能性が付与される。
【0020】
次いで、10℃〜40℃に冷却したタマネギの加熱処理物に、あるいは上記酵素処理物に、酵母を添加し、発酵を行う。発酵に用いる酵母は、Saccharomyces属に代表される、パン酵母、ビール酵母、およびワイン酵母のいずれを用いてもよい。好ましくは、パン酵母のSaccharomyces cerevisiaeが用いられる。酵母は、タマネギの加熱処理物または酵素処理物100重量部に対し、湿菌体重量で好ましくは0.01〜15重量部、より好ましくは0.1〜10重量部を添加される。添加された酵母を十分に混合した後、発酵を行う。
【0021】
発酵は、嫌気的および好気的のいずれの条件下で行ってもよい。しかし、嫌気的条件下での発酵では、産生するアルコールの濃度が上昇し、酵母の増殖および代謝が阻害されて、糖質が短時間で十分に代謝されなくなるため、好気的条件下で行うことが好ましい。好気性発酵は、例えば、タマネギの加熱処理物と酵母との混合物を発酵タンクに入れ、通気攪拌しながら、10℃〜40℃、好ましくは20℃〜35℃で15時間〜64時間行う。この好気性発酵により、タマネギ中に含まれる、糖質、タンパク質などが酵母により代謝され、グルタチオンやアミノ酸が産生され、有効成分を多く含むタマネギ発酵物が得られる。なお、好気性発酵によって得られたタマネギ発酵物のアルコール含有量は1%(容量/容量)以下である。
【0022】
上記の発酵工程では、タマネギ中の糖質は酵母の代謝に利用される。糖質の量の指標であるBrix値は、発酵前のタマネギの50%以下、好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下にまで減少され得る。ここで、Brix値とは、サンプルをプリズム面に付着させ、プリズムを透過する光の20℃における屈折率を測定し、国際砂糖分析法標準化委員会の換算表を使用して[純蔗糖溶液(スクロース)の重量/重量パーセント]に換算した値をいう。
【0023】
上記発酵時に微量に産生されるアルコールならびに発生する熱によって、ケルセチンの溶解性が上昇するため、摂取した場合にケルセチンをより効率よく吸収することのできるタマネギ発酵物が得られる。
【0024】
さらに、好気性発酵では、タマネギ中の糖質が代謝されてアミノ酸や核酸成分が産生するだけでなく、タマネギ発酵物中のグルタチオン含有量が、発酵前のタマネギの3倍以上、好ましくは5倍以上、より好ましくは10倍以上に増加したタマネギ発酵物を得ることができる。
【0025】
上記のようにして得られたタマネギ発酵物から、上清液(発酵エキス)を回収してもよい。回収は、通常用いられる方法、例えば、遠心分離、濾過などによって行われ得る。
【0026】
必要に応じて、これらのタマネギ発酵物または発酵エキスを殺菌処理して保存する。殺菌は、気流殺菌、高圧殺菌、加熱殺菌などの当業者が通常用いる方法により行われる。殺菌処理は、各種の栄養分を保持するために、できるだけ低温かつ短時間で行うことが好ましい。
【0027】
得られたタマネギ発酵物および発酵エキスは、濃縮してペースト状の食品素材(タマネギ発酵ペースト)としてもよい。濃縮には、膜濃縮、加熱濃縮、真空(減圧)濃縮、凍結濃縮などの当業者が通常用いる種々の方法が用いられる。有効成分の安定性を考慮すると、加熱を必要としない膜濃縮および凍結濃縮が好ましい。
【0028】
タマネギ発酵物または発酵エキスは、乾燥後、粉末化して、乾燥形態の食品素材、例えば、発酵粉末(発酵物の一形態)または発酵エキス末(発酵エキスの一形態)としてもよい。発酵物または発酵エキスの乾燥は、当業者が通常用いる種々の方法で行われ、好ましくは、凍結乾燥および噴霧乾燥が行われる。噴霧乾燥を行う場合、必要に応じて賦形剤が添加される。このような賦形剤としては、デキストリン、シクロデキストリン、デンプン、マルトースなどが挙げられる。血糖値の上昇を防ぎ、さらにはコレステロールの低下作用が得られる点で、好ましくはデキストリン、より好ましくは難消化性デキストリンが用いられる。
【0029】
タマネギ発酵物を乾燥させる場合、タマネギ発酵物およびデキストリンを、好ましくは10:1〜50の重量比で、発酵エキスを乾燥させる場合は、発酵エキスおよびデキストリンを、好ましくは5:1〜50の重量比で混合することにより、得られる乾燥形態の食品素材の褐変を防ぐことができる。
【0030】
また、タマネギ発酵エキスは、不溶性食物繊維を含んでいないため、食物繊維などをさらに混合することにより、血中のコレステロールの低下作用を得ることができる。
【0031】
このようにして得られるタマネギ発酵物または発酵エキスは、必要に応じて、ローヤルゼリー、ビタミン類、ミネラル、キチン・キトサン、レシチンなどの他の食品素材と組み合わせられる。そしてさらに、ハードカプセル、ソフトカプセルなどのカプセル剤、錠剤、もしくは丸剤として成形されるか、または粉末、顆粒、ティーバッグなどの形態にしてもよい。これらは、その形状または好みに応じて、そのままか、あるいは水、湯、もしくは牛乳などに溶いて、または成分を浸出して飲むことができる。
【0032】
タマネギ発酵エキスは、そのままか、あるいは種々の調味料、例えば、グラニュー糖、蜂蜜、ソルビットなどの甘味料、アルコール、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸などの酸味料、香料、色素などを加え、好みの味に調整して、タマネギの有効成分と発酵生成物とを含む健康飲料とすることができる。
【0033】
あるいは、タマネギ発酵エキスは、他の発酵ジュースまたは野菜ジュース(例えば、人参ジュース、混合野菜ジュース)と任意の割合で混合して、さらに栄養価の高いジュースとすることができる。このような混合ジュースは、120℃、4分の完全殺菌をしなくても、低pHであれば、100℃以下の殺菌条件で殺菌できる。例えば、pHが4.0以下の場合では、65℃にて10分間相当の殺菌条件で十分に殺菌できる。あるいは、タマネギ発酵エキスは、他の製法により得られた液、発酵していない野菜ジュースなどと混合して、食品に含ませることもできる。例えば、寒天などに混合してゼリーとすることもでき、シャーベット、フローズンヨーグルトあるいはアイスクリームとすることもできる。
【0034】
このようにして得られるタマネギ発酵物および発酵エキスは、糖質含量が少なく、血糖値の上昇抑制作用、中性脂肪抑制作用、抗酸化作用などを有する有効成分が含まれているため、糖尿病およびその合併症の予防用の食品組成物成分として用いることができる。
【0035】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明がこの実施例に限定されないことはいうまでもない。
【0036】
(実施例1)
外皮のついたタマネギ1kgを水で洗浄した後、ダイサー((株)アーシェル・ジャパン)を用いて約0.5cmの大きさに裁断し、さらにコミトロール((株)アーシェル・ジャパン)を用いて平均粒径100μmとなるように微破砕した。この微破砕したタマネギを気流殺菌装置(株式会社奈良製作所)中で110℃にて1分間加熱して酵素を失活させた。この加熱処理したタマネギの半量に、パン酵母(オリエンタル酵母工業株式会社製)を湿菌体重量で10g加えて混合した。次いで、この混合物を発酵タンクへ入れて、通気攪拌しながら30℃にて18時間発酵させて、タマネギ発酵物を得た(920g)。このタマネギ発酵物のエタノール含量は0.1%(容量/容量)であった。
【0037】
上記のようにして得られた発酵前のタマネギ(加熱処理物)およびタマネギ発酵物をそれぞれ100gずつ計り取り、ろ過して、発酵前の上清液(タマネギエキス)および発酵物の上清液(タマネギ発酵エキス)を得た。この各エキスを減圧濃縮して凍結乾燥し、タマネギエキス末およびタマネギ発酵エキス末を得た。この各エキス末について、有効成分であるケルセチンおよびグルタチオンの含量、ならびにBrix値を、財団法人食品分析センターにて分析した。結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
Figure 2004008167
【0039】
表1からわかるように、タマネギ発酵エキス末は、発酵前のタマネギエキス末と比較して糖含有率は低かった。タマネギ由来の有効成分であるケルセチンが、発酵により液体部分に多く溶出していることもわかる。また、グルタチオン含有量も約8倍になっていた。
【0040】
(実施例2)
外皮のついたタマネギ1000kgを水で洗浄した後、ダイサーで約0.5cmの大きさにカットし、さらにコミトロールで平均粒径200μmに微破砕した。この微破砕したタマネギを110℃にて1分間加熱して酵素を失活させた。この加熱処理したタマネギに、パン酵母(オリエンタル酵母工業株式会社製)を湿菌体重量で1kgを添加して混合した。この混合物を発酵タンクへ入れて、通気攪拌しながら30℃にて18時間発酵させて、タマネギ発酵物を得た(950kg)。次いで、得られたタマネギ発酵物を気流殺菌装置中で85℃にて3分間加熱した。加熱後のタマネギ発酵物に50kgの難消化性デキストリンを加え、噴霧乾燥して100kgのタマネギ発酵粉末を得た。このタマネギ発酵粉末は、6ヵ月間25℃にて保存しても褐変が見られなかった。したがって、嗜好性に優れ、水溶性食物繊維(デキストリン)も含んでいるため、糖尿病の治療または予防用の食品または医薬品として適切であると思われる。
【0041】
【発明の効果】
本発明の方法により得られるタマネギ発酵物は、糖質含量が少なく、かつ嗜好性に優れている。また、本発明の方法により得られるタマネギ発酵エキスは、血糖値の上昇抑制作用、中性脂肪抑制作用、抗酸化作用などを有するタマネギ由来の有効成分を豊富に含む。したがって、糖尿病およびその合併症の予防効果が期待され、そのための食品、医薬品の製造原料として用いることができる。

Claims (5)

  1. タマネギを洗浄する工程;
    該洗浄したタマネギを裁断する工程;
    該裁断したタマネギを微破砕する工程;
    該微破砕したタマネギを加熱処理して酵素を失活させる工程;および
    該加熱処理したタマネギに酵母を添加して発酵させる工程
    を包含する、タマネギ発酵物の製造方法。
  2. 前記裁断する工程が、前記洗浄したタマネギを0.1cm〜1cmの大きさに裁断する工程であり、そして前記微破砕する工程が、該裁断されたタマネギを平均粒径30μm〜500μmの大きさに破砕する工程である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記酵素を失活させる工程が、前記微破砕されたタマネギを80℃〜130℃で1分〜10分間加熱処理する工程である、請求項1に記載の製造方法。
  4. 前記発酵する工程において、Brix値が、発酵前のタマネギの50%以下になるまで発酵が行われる、請求項1に記載の製造方法。
  5. 前記酵母が、Saccharomyces属に属する酵母である、請求項1に記載の製造方法。
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