WO2005123991A1 - 表面処理金属材料及びその表面処理方法、並びに樹脂被覆金属材料、缶及び缶蓋 - Google Patents

表面処理金属材料及びその表面処理方法、並びに樹脂被覆金属材料、缶及び缶蓋 Download PDF

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Hiroshi Matsubayashi
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Abstract

本発明の表面処理金属材料は、金属基体表面に無機成分を含有する無機表面処理層が形成され、或いは更に該無機表面処理層上に有機表面処理層が形成されている表面処理金属材料であって、該無機表面処理層が少なくともM(但し、Mは、Ti,Zr,Alの少なくとも一つ),O,Fを含有し、該有機表面処理層が0.8~30mg/m2のSi量を有するシランカップリング剤処理層又はフェノール系水溶性有機化合物から成る有機表面処理層であることにより、ノンクロムの表面処理で環境性に優れ、様々な金属基体に適用でき、錫めっき鋼板に用いても耐変色性に優れると共に、有機樹脂被膜との密着性、接着性、耐食性、耐デント性等の優れた諸特性を具備することが可能となり、また本発明の表面処理方法によれば、水溶液からの陰極電解処理により、高速での製造が容易で低コストの表面処理方法が提供される。

Description

明 細 表面処理金属材料及びその表面処理方法、 並びに樹脂被覆金属材料、 缶及び缶蓋 技術分野
本発明は、 表面処理金属材料及びその表面処理方法に関し、 より詳細には、 ノ ンクロムで環境性に優れていると共に、 有機樹脂被膜との密着性、 接着性、 耐食 性、 耐デント性、 耐磨耗性等に優れた表面処理金属材料、 及びこのような表面処 理金属材料の表面処理方法、 並びにかかる表面処理金属材料に樹脂被覆して成る 樹脂被覆金属材料及びこれから成る金属缶及び缶蓋に関する。 背景技術
鋼板、 亜鉛系めつき鋼板、 アルミニウム系めつき鋼板、 亜鉛合金板、 錫系めつ き鋼板、 アルミニウム箔、 アルミニウム合金板、 マグネシウム合金板等の金属材 料と有機膜との密着性を向上させる処理として、 また、 接着剤を用いて金属材料 を同種又は異種の金属材料と接合するための処理として、 クロメート処理、 リン 酸塩処理、 シランカップリング剤による処理、 陽極酸化処理などが従来から知ら れている。
これらの処理を利用した金属材料は、 家電製品や建材、 車両、 航空機、 容器な どの用途に広く利用されており、 中でも、 クロメート処理はその優れた耐食性と 密着性から最も広く利用されてきた。
クロメート処理を処理方法から大別すると、 化成型 (反応型 ■ 塗布型) と電解 型に分類でき、 形成被膜から大別すると、 自己修復効果をより大きく利用するた めに最終製品中に微量の 6価クロムが残存するタイプと最終製品中に 6価クロム が残存しないタィプに分類できる。
最終製品中に微量の 6価クロムが残存するタイプについては、 廃棄時に土壌等 の環境に溶出する可能性が指摘されておリ、 ヨーロッパを中心にクロメー卜処理 の使用を撒廃する方向に進んでいる。 また、 何れのタイプのクロメート処理でも 処理液中には有害物質である 6価クロムを含んでいることから、 環境上の種々の 問題を有している。 すなわち、 6価クロム含有処理液の排水及び排気処理等を完 全に行い、 外部に排出させないことが必須であり、 排水及び排気処理設備、 廃棄 処理費用等に多額の費用が必要になる。 更に排水処理スラッジの移動や排気等に ついても規制が強くなっていることから、 従来のクロメー卜処理に匹敵するノン クロム系の表面処理の開発が望まれている。
金属容器用の金属板では、 当然、 最終製品には 6価クロムが残存しないタイプ のクロメ一ト処理が利用されておリ、 更にその上に有機樹脂等のコーティングが 行われている。 例えば、 錫めつき鋼板を重クロム酸ソーダの水溶液中で陰極電解 したり、 鋼板をフッ化物含有無水クロム酸水溶液中で陰極電解処理したり、 アル ミニゥム合金をリン酸クロメ一卜処理し、 その上に有機樹脂がコーティングされ たものが用いられている。
アルミニウム合金系金属板のノンクロム表面処理としては、 ジルコニウム、 チ タン、 またはこれらの化合物と、 リン酸塩及びフッ化物を含有し、 約 p H 1 . 0 〜4 . 0の酸性処理液を用いて、 表面上にジルコニウム及びノ又はチタンの酸化 物を主成分とする化成被膜を形成したものが実際に利用されておリ、 有機樹脂と の相性によっては化成被膜自体を無く したものも実用されている(特開昭 5 2— 1 3 1 9 3 7号公報参照)。
近年、 金属容器の衛生性や内容品のフレーバー保持性の観点から、 ポリエステ ル樹脂を被覆したプレコート材料が広く利用されている。 しかしながら、 ポリエ ステル樹脂を利用した場合、 従来広く用いられてきたエポキシフエノール系塗料 ゃァクリルエポキシ系塗料に比較して透水性が高く、 このことがプレコ一卜であ ることと相俟って、 クロメート処理を利用しなければ密着性や耐食性の点で内容 品に制限を受ける場合があった。 また、 このようなポリエステル樹脂をアルミ二 ゥ厶に被覆したものをアルミニウム蓋材として用いた場合には、 クロメー卜処理 であっても、 密着性が十分でないという問題があった。 すなわち、 プレコート材料の加工製品の例である、 ポリエステル樹脂を被覆し た缶や缶蓋では、 プレコ一卜金属板を出発材料として利用できるという利点があ るが、 缶胴部や缶蓋スコア部などの高加工部でのポリエステル樹脂の密着性低下 や缶落下などの衝撃によって生じるポリエステル樹脂からのクラック部分からの 腐食、 またレトルト殺菌時における密着性の低下、 更にはポリエステル被膜自体 に 陥がなくても内容品の成分によっては透過イオンによる腐食の誘発等といつ た、 缶成形後に表面処理及び塗料をボス トコートしていた従来の製法とは異なる 問題点を有している。
一方、 缶蓋等の金属蓋においては、 従来より、 塗料をコイルコートして成形す るプレコート材料を用いていたが、内容品のフレーバー保持性や衛生性の点から、 ポリエステル樹脂を被覆したプレコ一卜材料を利用する研究が盛んに行われてい る。 ポリエステル樹脂を被覆したイージーオープン缶蓋では、 ポリエステル樹脂 との密着性低下によって、 スコア開口部近傍において、 樹脂と金属とが剥離する デラミネーションやそれによって誘発される開口部の樹脂の伸び、 すなわちフエ ザリングという現象が起こりやすぐ、 特にレドルト殺菌直後の缶蓋では、 樹脂と の密着性低下によリ開口不良が発生しやすいという問題点があった。
このような観点から、 更に、 アルミニウム合金系金属板のノ ンクロム表面処理 として、 カーボンを主成分とする有機化合物とリン化合物とジルコニウムあるい はチタニウム化合物を含む有機一無機複合被膜を形成する方法(特開平 1 1一 2
2 9 1 5 6号公報)や、アルミニウム基体の表面に無機物を主体とする表面処理層、 その上に水性フ Xノール樹脂を主体とする有機表面処理層を形成する方法(特開 2 0 0 1 - 1 2 1 6 4 8号公報)、主に蓋材としての観点から陽極酸化処理 (特開 平 1 1一 9 1 0 3 4号公報、 特開 2 0 0 2— 2 6 6 0 9 9号公報、 特開 2 0 0 5 - 0 5 9 4 7 1号公報、 特開 2 0 0 5— 0 5 9 4 7 2号公報) などが提案されて おり、 他にもポリアクリル酸一ジルコニウム化合物による処理 (特開平 0 6— 3 2 2 5 5 2号公報及び 「軽金属」 ( 1 9 9 0 ) p298— p304) などが提案されてい る。 またチタンイオン、 硝酸イオン、 過酸化物、 及び錯化剤を含有し、 かつ p Hが
3. 0より大きい水溶性中で、 基板に電解析出を施すことによるチタン酸化物被 膜を形成する方法が提案されている (特開平 1 1 一 1 5 8 6 9 1号公報) 。
一方、 鋼板のノンクロム表面処理の多くは、 自動車用鋼板及び家電用鋼板を中 心に提案されており、 バナジン酸塩被膜、 タングステン酸塩被膜、 ジルコニウム 酸塩被膜、 タンニン酸塩被膜、 珪酸塩被膜等の検討 ( 「Material Stagej (20 04) VOL.4, No.7 p4-p38) が行われている。 容器用鋼板のノ ンクロム処理として 提案されているものは、 錫めつき鋼板を下地としているものがほとんどである。 例えば、 錫めつき後にシランカツプリング剤塗布層を設けた鋼板及び樹脂被覆鋼 板 (特開 2002— 1 1 3 809号公報、 特開 2002— 2 85 3 54号公報、 特開 200 3— 2 3 1 9 8 9号公報、 特開 2004— 3 45 2 1 4号公報) 、 錫 めっき後に T i , M o, Vの何れか 1種と、 リン酸及び Zまたはリン酸塩に由来 する物質を主体とする被膜 (特開 200 1 - 7 3 1 8 5号公報) 、 ぷリき基材を タングステン酸ソーダ溶液中で陰陽周期的電解を行い、 タングステンと錫の複合 酸化膜を形成させる方法 (Thin Sol id Fi lms、 72、 2、 (1980) p237〜246) 等が 提案されている。 他に、 アルミニウム板にも鋼板にも適用でき、 容器用としても 利用できるノンクロム処理として Z r, O, Fを主成分とし、 リン酸イオンを含 有しないことを特徴とする表面処理金属材料(特開 2 005 - 97 7 1 2号公報) が提案されている。 発明の開示
しかしながら、 カーボンを主成分とする有機化合物とリン化合物とジルコニゥ ムあるいはチタニウム化合物を含む有機一無機複合被膜を形成する方法では、 あ る程度密着性は向上するが、 耐食性が十分でなく、 またアルミニウム基体の表面 に無機物を主体とする表面処理層、 その上に水性フエノール樹脂を主体とする有 機表面処理層を形成する方法では、 密着性、 耐食性ともにある程度向上するが、 工程数が増えるとともに、 薬液使用後の廃液処理が煩雑化するという問題があつ また、 陽極酸化処理を利用した方法では、 一次密着性は良好であるが、 内容物 充填後のレトル卜殺菌処理によリ密着性が低下するという傾向にある他、 処理液 の冷却用熱交換設備ゃ大容量電源などにもコス 卜がかかる上、 ランニング時にも 処理に大電力を必要とするためコス ト高となる問題があった。
更に、 アルミニウム箔のような基材自身の厚みが薄い場合には、 陽極酸化処理 時の基材の溶解や加工性の乏しい陽極酸化膜の占める割合が高くなリ、 箔の柔軟 性を低下させるという問題があった。
ポリアクリル酸ージルコニウム化合物によるアルミニゥム材の処理では、 形成 される被膜は有機一無機複合被膜であり、 処理方法も基本的に塗布型処理である ため、 高速処理時の金属材料基体との濡れ性や密着性の点で問題がある。
更に、 上記従来技術の多くは、 用いる金属板がアルミニウム合金に限定される ものであり、 金属材料全体の課題を解決できるものではない。
また上記特開平 1 1一 1 5 8 6 9 1号公報に記載されているように、 陰極電解 によりチタン酸化物被膜を生成する場合には、 従来の化成処理等に比して被膜形 成の高速処理が可能であるが、 陰極近傍で濃度分極を生じてしまい、 その結果析 出が阻害され、 効率的にチタン酸化物被膜を形成することが困難である。
多様な材料に処理が可能という意味では、 A I 2 0 3や Z r 0 2などを P V Dや C V Dなどによって、金属材料の表面に形成するという公知の方法が考えられる。 しかしながら、 上記の方法は真空を要するために、 設備にコストがかかる上、 高 速処理が困難であり、 結果的に更にコス ト高となる。 また、 金属板と処理膜との 密着性や加工後の耐食性を確保することが難しい。 同様に、 湿式法により有機ジ ルコニゥム化合物などを塗布後加熱乾燥して酸化膜を得る方法においても、 金属 板と処理膜との密着性や加工後の耐食性を確保することが難しい。
Z r , O . Fを主成分とし、 リン酸イオンを含有しないことを特徴とする表面 処理は、 アルミニウム板にも鋼板にも利用できるが、 錫めつき鋼板に処理した場 合に、 錫酸化膜が成長しやすく、 処理後の経時や加熱による変色が起こりやすい といった問題点があった。
従って本発明の目的は、 ノンクロムの表面処理で環境性に優れ、 様々な材料に 適用でき、 錫めつき鋼板に用いても耐変色性に優れると共に、 有機樹脂被膜との 密着性、 接着性、 耐食性、 耐デント性等の諸特性に優れた表面処理金属材料、 及 びこのような表面処理金属材料の表面処理方法を提供することである。
また本発明の他の目的は、 水溶液からの高速処理によリ製造が容易で低コス ト の表面処理方法を提供することである。
本発明の更に他の目的は、 上記表面処理金属材料に有機樹脂、 中でも特にポリ エステル樹脂を被覆して成る樹脂被覆金属材料から成る密着性、 耐食性、 耐デン 卜性等に優れた金属缶及び缶蓋を提供することである。
また、 本発明の他の目的は、 処理被膜の主成分が A I と◦であり、 且つ、 構造 材料として多く利用されている金属である鉄にもアルミにも利用できる、 質の面 でも量の面でも環境に優しい処理方法を提供することである。
本発明によれば、 金属基体表面に無機成分を含有する表面処理層が形成されて いる表面処理金属材料であって、 該無機表面処理層が少なく とも T i , O , 「を 含有すると共に、 リン酸イオンを含有しないことを特徴とする表面処理金属材料 が提供される。
本発明の第 1の態様の表面処理金属材料においては、
1 . 表面処理層が Z rを含有すること、
2 . 表面処理層の最表面に含有される Pと M (但し、 Mは、 T i 或いは T i 及び Z rを表す) の原子比が 0≤ P Z M < 0 . 6であること、
3 . 前記表面処理層の最表面に含有される◦と M (但し、 Mは、 T i 或いは T i 及び Z r を表す) の原子比が 1 < O Z M < 1 0である請求項 1 の何れかに記載 の表面処理金属材料。
4 . 表面処理層の最表面に含有される Fと M (但し、 Mは、 T i 或いは T i 及び Z rを表す) の原子比が 0■ 1 < F Z M < 2 . 5であること、
が好適である。 本発明によれば、 金属基体表面に無機成分を含有する表面処理層が形成されて いる表面処理金属材料であって、 該無機表面処理層が少なく とも T i 及び 又は Z r、 ◦, Fを含有すると共に、 S i 02粒子を含有すると共に、 リン酸イオン を含有しないことを特徴とする表面処理金属材料が提供される。
本発明によれば、 金属基体表面に無機成分を含有する表面処理層 (A) と有機 成分を含有する有機表面処理層 (B) が形成されている表面処理金属材料であつ て、 該無機表面処理層 (A) が M (但し、 Mは T i 及び Z又は Z rを表す) 0, Fを含有することを特徴とする表面処理金属材料が提供される。
本発明の第 3の態様の表面処理金属材料においては、
1 . 無機表面処理層 (A) 力 リン酸イオンを含有しないものであること、
2. 無機表面処理層 (A) の最表面に含有される Pと M (但し、 Mは、 T i 及び Z又は Z r を表す) の原子比が 0≤ PZMく 0. 6であること、
3. 無機表面処理層 (A) の最表面に含有されるひと M (但し、 Mは、 T i 及び 又は Z rを表す) の原子比が 1 く OZM< 1 0であること、
4. 無機表面処理層 (A) の最表面に含有される Fと M (但し、 Mは、 T i 及び 又は Z rを表す) の原子比が 0. 1 < FZM< 2. 5であること、
5. 無機表面処理層 (A) 力 S i 02粒子を含有すること、
6. 有機表面処理層 ( ) が、 0. 8〜 3 0 m g Zm2の S i 量を有するシラン カツプリング剤処理層であること、
7. 有機表面処理層 (B) が、 フエノール系水溶性有機化合物から成る有機表面 処理層であること、
が好適である。
本発明によれば、 T i 及び Fを含有し、 リン酸イオン濃度が P 04として 0. 00 3モル リッ トル未満である水溶液中で陰極電解処理を行い、 金属基体表面 に無機被膜を形成することを特徴とする金属基体の表面処理方法が提供される。 本発明の第 1の表面処理方法においては、
1 . 水溶液が Z r を含有すること、 2. 水溶液の浴濃度が、 M (但し、 Mは、 丁 ! 或ぃは丁 ; 及びヱ として 0.
0 1 0〜 0. 0 5 0モル Zリッ トル、 Fとして 0. 03〜 0. 3 5モル Zリ ッ ト ルの範囲にあること、
3. 水溶液が水分散性シリカを含有すること、
4. 陰極電解処理を断続的に行うこと、
が好適である。
また本発明によれば、 Z r , F及び水分散性シリカを含有し、 リン酸イオン濃 度が P 04と して 0. 00 3モル リ ッ トル未満である水溶液中で陰極電解処理 を行い、 金属基体表面に無機被膜を形成することを特徴とする金属基体の表面処 理方法が提供される。
本発明の第 2の表面処理方法においては
1. 水溶液の浴濃度が、 Z r として 0. 0 1 0〜 0. 050モルノリッ トル、 F として 0. 03 ~ 0. 3 5モル Zリッ トルの範囲にあること、
2. 陰極電解処理を断続的に行うこと、
が好適である。
本発明によれば更にまた、 金属基体 (A I を除く) の表面に少なく とも A I 及 び Oを含有する無機表面処理層が形成されていることを特徴とする表面処理金属 材料が提供される。
本発明の第 4の態様の表面処理金属材料においては、
1 . 無機表面処理層がアルミニウムの水酸化物またはォキシ水酸化物を含有する
2. 無機表面処理層が Z r , T i のうち、 少なく とも 1種を含有すること、
3. 無機表面処理層の最表面に含有される Oと M (但し、 Mは A I 、 または A I と、 T i , Z rのうち少なぐとも 1種以上を含む) の原子比が、 1 <OZM< 5. 5であること、
4. 無機表面処理層の最表面に含有される Fと M (但し、 Mは A I 、 または A I と、 T i , Z rのうち少なく とも 1種以上を含む) の原子比が、 F M< 2. 5 であること、
5. 無機表面処理層の最表層に含有される (P + S) と M (但し、 Mは A I 、 ま たは A I と、 T i , Z rのうち少なく とも 1種以上を含む) の原子比が、 (P + S) ZM< 0. 2 5であること、
6. 無機表面処理層の膜厚が、 A I の重量膜厚で、 5〜 1 00 m g Zm2である
7. 金属基体が、 錫、 ニッケル、 亜鉛、 鉄の 1種以上を含むめっき層を有してい る表面処理鋼板であること、
8. 金属基体の主元素の表面露出率が 5 <½未満であること、
9. 無機表面処理層の上に、 S i 量と して 0. 8 ~ 3 0 m g Zm2のシランカツ プリング剤を主体とする有機表面処理層が形成されていること、
1 0. 無機表面処理層の上に、フエノール系水溶性有機化合物を主体とする有機 表面処理層が形成されていること、
が好適である。
本発明によればまた、 金属基体の表面に, 水溶液からの陰極電解により析出し て形成された無機表面処理層を有する表面処理金属材料であって、 該無機表面処 理層が少なく とも A I , O及び Fを含有し, 無機表面処理層の最表面に含有され る Fと M (但し、 Mは A I 、 または A I と、 T i , Z rのうち少なく とも 1種以 上を含む) の原子比が、 0. 1 < FZMであることを特徴とする表面処理金属材 料が提供される。
更に本発明によれば、 A I イオン濃度が 0. 00 1 〜 0. 05モル/リッ トル の範囲にある水溶液中で陰極電解処理を行い、 金属基体表面にアルミニウムの水 酸化物またはォキシ水酸化物を含有する被膜を形成することを特徴とする金属基 体の表面処理方法が提供され、 この第 3の表面処理方法においては、 水溶液中に Fイオンを含むこと、 が好適である。
本発明によればまた T i 及び Z又は A I , O, Fを含有する無機表面処理層が 金属基体表面に形成された表面処理金属材料の少なくとも片面上に、 有機樹脂が 被覆されてなることを特徴とする樹脂被覆金属材料が提供され、 この第 1の態様 の樹脂被覆金属材料においては、 無機表面処理層が更に Z r を含有してもよい。 本発明によれば更にまた、 T i , Z r , A I の少なく とも一つ, Ο及び Fを含 有する無機表面処理層、 及び該無機表面処理層上に、 S i 量として 0 . 8〜 3 0 m g / m 2のシランカツプリング剤を主体とする有機表面処理層又はフエノール 系水溶性有機化合物を主体とする有機表面処理層が形成された表面処理金属材料 の少なく とも片面上に、 有機樹脂が被覆されてなることを特徴とする樹脂被覆金 属材料が提供される。
本発明によれば、 上記樹脂被覆金属材料から成ることを特徴とする金属缶及び 缶蓋が提供される。
従来の金属材料の表面処理方法である、 化成処理や陽極酸化処理では、 被膜形 成機構上、 硫酸イオンやリン酸イオンが膜中に含まれやすく、 化成処理では構成 成分となっている。 これら膜中のァニオン、 特にリン酸イオンのように、 イオン 半径の大きいァニオンは、 レトルト殺菌処理などの高温多湿下で溶出しゃすいこ とがわかっておリ、 処理被膜からこのようなァニオンが溶出すると、 表面処理金 属材料上に設けられた樹脂被膜の密着性や接着性が低下することになる。
本発明においては、 無機表面処理層のァニオン量、 特にリン酸イオン、 硫酸ィ オンまたは (P + S ) Z ( T i + Z r + A I ) の原子比を制御することにより、 レトルト殺菌や高温多湿条件下での経時保管などに付された場合にも、 処理被膜 中からのァニオンの溶出が有効に抑制されているため、 樹脂被膜の密着性又は接 着性が低下することが有効に防止されているのである。
また本発明の表面処理金属材料においては、 無機表面処理層が、 M (但し、 M は、 T i , Z r . A I の少なく とも一つ) , 0, Fを主構成成分とすることによ リ、 高温多湿環境下においても処理層の最表面の状態を保持して安定な表面を維 持することが可能であり、 結果として耐食性の保持、 及び樹脂被膜の密着性また は接着性の低下を抑制することが可能となるのである。
すなわち、 無機表面処理層が、 M, Oを主構成成分とし、 Fを含まない場合に は、 処理膜の構造は、 MOx (O H) γのような構造になっていると予想される。 しかし、 水酸基は、 高温多湿環境下において、 水和して処理層の構造変化を誘 起し諸特性に悪影響を及ぼす可能性がある。 適量の Fを含むことによって、 水酸 基の少なく とも一部を Fで置換して、 MOx (O H) YZ FZのような安定化構造 をとることにより、 高温多湿環境下での処理層の構造変化を抑制し、 よリー層安 定な表面を保持することが可能となるのである。
本発明において、 後述する X線光電子分光法 (X P S) により、 無機表面処理 層の最表面を分析すると N1Sや F 1 s , Sis, Pisなどのピークが検出されるこ とがある。 このことは、 硝酸、 フッ素、 硫酸、 リン酸などのァニオン成分の存在 を意味している。 分析結果からは、 リン酸イオンや硫酸イオンは被膜成分に取り 込まれやすく、 特にリン酸は大量に存在しやすいことがわかっている。 したがつ て、 処理浴作成にあたっては、 リン酸系薬剤の割合を少なく して他の薬剤と混合 するなどの注意をすることが望ましい。 このようにして、 本発明においては、 ィ オン半径の大きいァニオンである、 リン酸イオンや硫酸イオンを制御することに より、 レトルト殺菌や高温多湿条件下での経時保管などに付された場合にも、 処 理被膜中からのァニオンの溶出が有効に抑制されているため、 樹脂被膜の密着性 又は接着性が低下を有効に防止されているのである。
更に本発明の表面処理金属材料においては、前記無機表面処理層(A)の上に、 有機表面処理層 (B) 、 特にフエノール系水溶性有機化合物を主体とする有機表 面処理層 (B— 1 ) 、 或いは S i 量が 0. 8〜 3 0 m g Zm2であるシラン力ッ プリング剤処理層 (B— 2) が形成されていることが好適である。
上述した無機表面処理層が主として金属材料の耐食性に寄与するものであるの に対し、 有機表面処理層は、 主としてポリエステル樹脂等の有機被覆との密着性 に寄与するものであるが、これらはこの順序で積層されることによリ、金属缶にお けるネック加工、缶蓋におけるリベッ 卜加工のように厳しい加工に付された場合 にも、有機樹脂被覆との優れた加工密着性及び耐食性をも発現することが可能と なるのである。 金属材料表面に形成されたシランカツプリング剤層やフエノール系有機表面処 理層の上にポリエステル被膜を形成した樹脂被覆金属材料を成形して容器とする ことによる、 最も顕著な効果は、 成形後のヒートセッ ト工程において、 シラン力 ップリング剤層ゃフヱノール系有機表面処理層が改めてポリエステルと相溶する ことによる再接着効果が得られることである。 すなわち、 成形加工によってポリ エステル一金属界面の密着力が低下するが、 ヒートセッ ト工程において、 ポリエ ステルの融点以上にまで加熱することなく、 シランカツプリング剤層やフエノー ル系有機表面処理層がポリエステルと相溶することで、 密着力の回復が起こる。 もし、 無機表面処理層が存在しなければ、 レトルト時の金属基材表面変化を抑 制するのが困難であり、 耐食性の面からも好ましくない。 以上のように、 フエノ ール系水溶性有機化合物を主体とする有機表面処理層、 或いはシランカップリン グ剤処理層が形成されている場合には、 有機表面処理層による、 ポリエステル樹 脂等の有機被覆との密着効果と加工後のヒー卜セッ トによる密着力回復効果から、 高温多湿下においてイオン半径の大きいァニオンの溶出があっても使用は可能と なる。 しかし、 勿論のことではあるが、 無機表面処理層中に硫酸イオンやリン酸 イオンなどのイオン半径の大きいァニオンを含まないことが最も望ましい使用形 態である。
更に本発明の表面処理金属材料においては、 フエノール系水溶性有機化合物を 主体とする有機表面処理層の上に前記無機表面処理層が形成されていても良い。 前述したような機構で密着力の回復が起こることから、 無機表面処理層は、 必 ずしも、 有機表面処理層の下である必要はない。 すなわち、 有機表面処理層の上 に無機表面処理層がある場合、 成形加工で無機表面処理層のクラックを生じた部 分から有機表面処理層が現れ、ヒートセッ ト時に同様の効果を示すと考えられる。 但し、 有機表面処理層の上に無機表面処理層を形成する場合には、 湿潤下での密 着性に優れた無機表面処理層を電解によリ形成する必要があることから、 下地と なる有機表面処理層の導電性が重要な課題となる。 この点において、 フエノール 系有機表面処理層は、 リン酸ゃフッ化水素酸を用いた化成処理剤から処理するこ とで、薄膜形成による導電性の確保が容易である力《、シランカツプリング剤層は、 膜厚のコントロールが難しく、 また、 薄膜では十分に性能を発揮することが困難 である。 したがって、 無機表面処理層が上に形成される際の有機表面処理層とし ては、 フエノール系水溶性有機化合物を主体とする有機被膜を好適に用いること ができるのである。
この場合、 最表面は無機表面処理層となるが、 金属基材に近い表面処理層の内 側部は、 有機表面処理層の被膜欠陥部または被膜厚みの薄いところに電解析出し た無機処理層も存在しておリ、 有機と無機が混在した部分が形成されていると考 えられる。 したがって、 無機表面処理層は有機表面処理層の欠陥部をカバーする ことで、 金属材料の耐食性に寄与し、 最表面の無機表面処理層が加工により割れ た際には、 下にある有機表面処理層がポリエステル樹脂等の有機被覆との密着性 に寄与することで、金属缶におけるネック加工、缶蓋におけるリベッ ト加工のよう に厳しい加工に付された場合にも、有機樹脂被覆との優れた加工密着性と無機処 理層の優れた耐食性を発現することが可能となるのである。
本発明の表面処理金属材料及びこの表面処理金属材料に有機樹脂、 中でも特に ポリエステル樹脂を被覆して成る樹脂被覆金属材料から作成した金属缶又は缶蓋 においては、 上述したように、 密着性及び耐食性に優れた上記樹脂被覆金属材料 を利用していることから、 高加工部でのポリエステル樹脂被膜の加工密着性や、 衝撃によって生じるポリエステル樹脂被膜のクラック部分からの耐食性 (耐デン ト性) 、 更にレトルト殺菌時での密着性を改善することができると共に、 透過ィ オン量による腐食が抑制され、 イージーオープン缶蓋の開口性等も改善すること が可能となる。
本発明の表面処理方法においては、 Τ ί 及び 又は Z r と Fとを含有し、 リン 酸イオン濃度が、 P 0 4として 0 . 0 0 3モルノリッ トル未満、 より好ましくは リン酸イオンを含有しない水溶液中で陰極電解処理すること、 或いは A I イオン 濃度が 0 . 0 0 1 〜 0 . 0 5モル リッ トルの範囲で、 好ましくは Fイオンを含 む水溶液中で陰極電解処理することが重要な特徴である。 陰極電解処理によれば、 反応型の化成処理被膜と比較して、 膜厚の形成速度が 速く、 膜厚の制御範囲を大幅に広げることができ、 用途に応じた被膜生成が可能 となるのである。
一方、 従来の化成処理においては、 処理液組成による化学反応に依存している ことから被膜形成速度が限定されておリ、 このため高速処理では膜厚が制限され るのに対して、 陰極電解処理では、 電解反応を利用するため、 被膜形成の高速処 理が可能になるのである。
また化成処理や陽極酸化処理では、 被膜形成機構上、 硫酸イオンやリン酸ィォ ンが膜中に含まれやすく、 化成処理では構成成分になってしまうため、 上述した ようなァニオン量の制御が困難である。
これに対して、陰極電解処理によれば、様々な水溶液を選択することが可能で、 フッ化物や硝酸塩の水溶液を用いることもできるため、 硫酸イオンゃリン酸ィォ ンのように、 大きいイオン半径を持つァニオンの量を制御した被膜を形成するこ とが可能になるのである。
また化成処理や陽極酸化処理では、 被膜形成機構上、 被処理材である基材金属 元素が膜中に含まれやすく、反応型の化成処理では構成成分になってしまうため、 基材毎に液組成を検討し、 場合によっては大幅に変更する必要がある。 これに対 して、 陰極電解処理によれば、 浴組成の変更は最小限にとどめることができ、 電 解条件によって調整できる範囲が広いため、 多様な基材への処理が可能となるの である。
すなわち本発明においては、 アルミニウム板や鋼板の他、 錫めつき鋼板や亜鉛 めっき鋼板といった表面処理鋼板にも適用することができ、 例えば、 亜鉛めつき 鋼板や錫めつき鋼板に適用することによって、 亜鉛や錫の防食性と、 ノンクロム 表面処理の密着性や耐食性とめ相乗効果を得ることができ、 多様な基材に処理で きることで、 よリ広い用途に適用可能な表面処理鋼板を提供することが可能とな る。 また特に A I , Oを主成分とする場合には、 錫めつき鋼板に処理しても、 錫 酸化膜が成長してしまうことや、 処理後の経時や加熱による変色がなく、 上記の 性質をも備えた金属板及び金属缶を得ることができ、 もちろん缶蓋としても利用 できる。
更に、 表面処理を同じにすることによって、 アルミとスチールといった、 異種 金属板を組み合わせて使用する場合 (例えば金属缶における、 アルミ蓋とスチー ル缶胴の組み合わせ) にしばしば報告される、 ガルパニック腐食といった問題も 回避することができる。
更に、 本発明の金属材料の表面処理方法においては、 陰極電解処理を断続的に 実施することが好ましい。 すなわち、 電解を連続的に行うのではなく、 電解途中 に停止時間を設けることによリ、表面処理層の O M比をコントロールし、かつ、 連続電解時よリ析出効率を高めることができ、 結果として高品質で高速な処理が 可能となるのである。
更にまた本発明の金属材料の表面処理方法においては、 浴の攪拌、 特に 20〜 300 m I /m i n · c mで酸素を含む気泡を陰極表面に吹きながら電解するこ とで、 膜厚の均一性が向上し、 陰極面全体にムラのない析出状態を得ることがで きる。 すなわち、 酸素を含む気泡を陰極表面に吹きながら電解することで、 局部 的な濃度分極を抑制すると同時に、 酸素を含む気泡によリ表面処理層の OZM比 をコントロールして高品質で均一な処理が可能となる。
尚、 本発明においては、 無機表面処理層は T i , Z r , A I の何れか一つと Ο 及び Fを主構成成分とするものであるが (但し、 A I の場合は Fは任意) 、 T i + Z r、 A l + Z r、 Α Ι + Τ ί 、 A l + Z r + T i の組み合わせを構成成分と して含有することもできる。 すなわち、 これらは何れも、 MOx (O H) Y_z F z の様な安定化構造をとることが可能であり、 T i 同様に安定な表面を保持する ことができるからである。 T i , Z r , A I を上記組み合わせで含有させる場合 には、 前述した Pと T i の原子比、 Oと T i の原子比、 Fと T i の原子比、 及び 陰極電解処理における水溶液の T i の濃度は、 何れも T i と Z r等の合計を基準 とする。 以下、 丁 Z r , A I を単独で含有する場合、 或いはこれらを組み合 わせで含有する場合を含めて、 これらを Mと表記して説明することがある。 図面の簡単な説明
図 1 は、 本発明の表面処理金属材料の無機表面処理層について、 X P Sにより
O l s, A I 2p, F 1 Sのピークを測定した図である。
図 2は、 本発明の表面処理金属材料の無機表面処理層について、 X P Sにより A 2pのビークを測定した図である。
図 3は、本発明の表面処理金増板の無機表面処理層についての X P Sによる S 1 sピークと、 硫酸による陽極酸化アルマイ 卜の X P Sによる S 1 sピークを比較し た図である。
図 4は、 本発明の有機表面処理層が形成された表面処理金属材料の最表面につ いて、 X P Sにより N 1 sピークを測定した図である。
図 5は、 本発明の表面処理金属材料の一例の断面構造を示す図である。
図 6は、 本発明の表面処理金属材料の他の一例の断面構造を示す図である。 図 7は、 本発明の表面処理金属材料の他の一例の断面構造を示す図である。 図 8は、 本発明の表面処理金属材料の他の一例の断面構造を示す図である。 図 9は、 トータル電解時間と T i 重量膜厚の関係を示す図である。
図 1 0は、 トータル電解時間と Z r重量膜厚の関係を示す図である。
図 1 1 は、 トータル電解時間と A I重量膜厚の関係を示す図である。
図 1 2は、 本発明の樹脂被覆金属材料の一例の断面構造を示す図である。
図 1 3は、 本発明の樹脂被覆金属材料の他の一例の断面構造を示す図である。 図 1 4は、 本発明の金属缶の一例を示す側面図である。
図 1 5は、 本発明のイージーオープン缶蓋の一例の上面図である。
図 1 6は、 図 1 5に示すイージーオープン缶蓋の断面図である。 発明を実施するための最良の形態
(表面処理金属材料)
< T i . Z rの少なくとも一つを含有する無機表面処理層〉 本発明の T i , Z rの少なく とも一つを含有する表面処理金属材料においては、 上述した通り、 表面処理金属材料の無機表面処理層が、 リン酸を含有していない ことが一つの重要な特徴であり、 後述する実施例の結果から明らかなように、 本 発明の表面処理金属材料においては、 X線電子分光装置による無機表面処理層に ばリン酸に由来する P2pのピークが認められていない (実施例 1 〜 7、 1 0〜 1 3 , 1 5 , 1 6) o
更に、 本発明の表面処理金属材料においては、 表面処理金属材料の無機表面処 理層の最表面に含有される Pと M (但し、 Mは T i 及び 又は Z r )の原子比が、 0≤ P /M < 0. 6の範囲、 より好ましくは 0≤ PZM< 0. 1 の範囲にあるこ とが重要な特徴である。 PZMが上記範囲よりも大きい場合には、 被膜中にリン 酸または、 不純物成分としての Pが多く存在しており、 十分な密着性が得られな しゝカゝらである。
また本発明の表面処理金属材料の無機表面処理層は T i 及び Z又は Z r、 0、 Fを主構成成分として含有し、 特にその最表面層は、 OZM (但し、 Mは T i 及 びノ又は Z r ) の値が原子比で 1 ~ 1 0の範囲、 特に 1 〜 5の範囲にあることが 望ましい。 OZMが上記範囲よりも小さい場合には、 被膜作成が困難であり、 一 方 OZMが上記範囲よリも大きい場合には、 十分な密着性が得られないからであ る。
更に、 本発明の表面処理金属材料においては、 表面処理金属材料の無機表面処 理層の最表面に含有される FZM (但し、 Mは T i 及び Z又は Z r ) の値が原子 比で 0. 1 〜 2. 5の範囲、 特に 0. 5〜 2. 0の範囲にあることが望ましい。
FZMが上記範囲より小さい場合には、 前述した T i Ox (O H) Y_Z FZ及び Z r Ox (OH) Yz Fzのような安定化構造をとれずに、 高温多湿環境下での密着 性が低下しやすく、 一方 FZMが上記範囲よりも大きい場合にも、 イオン半径が 小さいとはいえ、 Mに対するァニオン量が過多となリ、やはり密着性が低下する。 また本発明の表面処理金属材料においては、 無機表面処理層に S i o2粒子を 含有していることが好適である。 従来よリシリカは腐食因子の進入に対するパリ ヤー被膜の形成や腐食環境をアル力リ側に保持して鋼板などの腐食速度を遅らせ る機能を有することが知られているが、 本発明においては更に、 無機表面処理層 に水分散性シリカを含有させることにより、 水分散性シリ力が無機表面処理層中 に存在する酸素原子と結合し、 化学的に安定なアモルファス状酸化ゲイ素として 存在して、 シロキサン結合から成る緻密な網目構造を無機表面処理層に形成する ことが可能となり、 安定な被膜を形成するという効果を得ることも可能となるの である。
無機表面処理層に S i 02粒子を含有させる場合、 表面処理金属材料の無機表 面処理層の最表面に含有される S i の表面被覆率は、 原子比で 1 0〜 30<½、 特 に 1 5 ~ 30<½の範囲にあることが望ましい。 S i の表面被覆率が上記範囲よリ も小さい場合には被膜作成が困難であり、 一方 S i の原子濃度が上記範囲よりも 大きい場合には、 水分散性シリカを配合することによる安定な被膜形成効果を十 分に得ることができないからである。
なお、 S iの表面被覆率は、 上述の原子比の測定と同じく X P Sにより、 構成 成分となる主要な元素を測定し、 全体を 1 00%とした時の5 i 2pの原子濃度を 表面被覆率と定義した。 但し、 原子比の測定と同じく、 Cが原子濃度で 1 0%以 下となるまで A rスパッタ リングにより汚染層を軽く除去した時点での濃度を求 める必要がある。
PZM, OZM, FZMの原子比の測定方法としては、 X P Sにより、 P2p, Ols, Fls, T i 3d, Ζ r 3dのピークをそれぞれ測定し、 解析ソフ トにより原子 濃度を求めた値から求めることができる。 但し、 シリカ分散試料では、 最表面に 緻密なシリカ膜が形成されるため、 OZMの原子比 (但し Mは、 Τ ί 及び Z又は Z r )を求めるに当たっては、 S i 2pのピークも同時に測定しておき、 S i の原子 濃度から S i o2に相当する Oの濃度を求め、全体から S i o2分を除外した各元 素の原子濃度を再計算し、 OZMの原子比 (但し Mは、 T i 及び/又は Z r )の原 子比を求めなおす必要がある。
測定に用いる表面処理金属材料の状態としては、 清浄な状態であれば、 そのま ま表面を解析する。 有機樹脂が接着ゃ融着された後であれば煮沸した過酸化水素 水などに数分間浸潰してまず有機樹脂層を除去する必要がある。
清浄でないサンプルや前述の有機樹脂被覆層を除去後のサンプルは、 有機物由 来による C層を C, O, F, M (但し、 Mは T i 及び 又は Z r ) 基材金属元素 などの主要元素の和を 1 00%とした時に対して、 Cが原子濃度で 1 Oo/o以下と なるまで A rスパッタリングによリ汚染層を軽く除去した時点での ΡΖΜ, OZ M, FZM比を求めることができる。 また、 定法により、 P, 0, Fおよび M (但 し、 Mは T i 及び 又は Z r ) の各元素についてバックグランド除去後のピーク 面積を求めてから、 測定装置の相対感度係数を用いて各元素の原子濃度を求め、 PZM, O/M, FZMを計算により求めてもよい。
また、 膜厚としては、 M (但し、 Mは T i 、 或いは T i 及び Z r ) の重量膜厚 で、 5 ~ 30 Om gZm2の間にあることが好ましく、 5 m gZm2未満では被膜 の均一な生成が困難であり被覆率が充分でなく、 3 0 0m g Zm2を越えると、 加工によリ密着性が低下するので好ましくない。
M (但し、 Mは T i 及び 又は Z r ) 膜厚の測定方法としては、 市販の蛍光 X 線分析装置により定量する。 まず、 T i 重量膜厚既知の複数のサンプルから T i 膜厚と T i の X線強度の関係を示す検量線を作成し、 ついで、 未知試料を用いて 測定した T i の X線強度を、 検量線に基づき重量膜厚に換算する。 なお、 Z rを 単独で含有している場合も同様に Z rの検量線を作成して重量膜厚を換算し、 或 いは T i と共に Z rを含有している場合は、 T i と Z rの重量膜厚と合算するこ とにより求めることができる。
また本発明の表面処理金属材料においては、 被処理材となる金属材料基体がァ ルミニゥム合金またはアルミニウム被覆鋼板など傷付きやすい金属からなる場合 には、 表面に粒径 1 0〜 1 00 n mの微粒子を析出させ、 金属材料表面を被覆す ることができる。 これは、 M (但し、 Mは T i 、 或いは T i 及び Z r ) を主体と する酸化物微粒子と考えられ、 特殊な前処理を行うことなく、 陰極電解によって アルミ表面を改質し、 耐傷性ゃ耐摩耗性などを改善する効果が得られる。 < A I を含有する無機表面処理層〉
本発明の A I を含有する表面処理金属材料においては、 上述した通り、 表面処 理金属材料の無機表面処理層が、 少なく とも A I 及び Oを含有し、 より好適には 更に Fを含有することが一つの重要な特徴である。
図 1 に示す本発明による陰極電解による A I 及び Oを含む無機表面処理層 1 に おいて、 X線光電子分光装置 (以下、 X P Sという) により、 O Isのピーク 2. A I 2pのピーク 3及び F 1sのピーク 4を測定した例を示した。 ここでは、 無機表 面処理層の成分として、 A I 及び Oの他に Fを含む場合について示した。
またこの表面処理金属材料においては、 アルミニウムの水酸化物またはォキシ 水酸化物を含有することが、 もう一つの重要な特徴である。
以下に、 本発明による無機表面処理層がアルミニウムの水酸化物またはォキシ 水酸化物を含有することについて、 例を挙げて説明する。 まず、 無機表面処理層 の最表面を X P Sにより、 Ols, A I 2p, 試料の汚染による Clsを測定し、 図 1 に示すように、 Ols及び A I 2pのピーク 1 1及び 1 2を求める。 次に、 Ols及び A I 2pの束縛エネルギー位置 1 1 1及び 1 2 1 を、 試料の汚染による C1Sの束縛 エネルギー位置が一定となるように補正し、正規の束縛エネルギー位置を求める。 以上の方法により、 鋼板に錫を 1 . 3 gZm2めっき後リフロー処理し、 表面 に無機表面処理層を A」 の重量膜厚で 3 0, 40, 及び 8 0 m g/m2形成した サンプルと、 比較材として、 アルミナ焼結体及びアルミ圧延板のサンプルについ て、 Ols及び A I 2pの束縛エネルギー位置を求めた。 このうち、 A I 40 m g/ m 2のサンプルは硝酸アルミ浴を用い、 他は硫酸アルミ浴を用いて陰極電解した。 比較材であるアルミナ焼結体は A I 203であり、 また、 アルミ圧延板の表面も、 アルミ酸化物になっていると考えられるが、 吸着水の影響を避ける目的で、 予め 3 00°Cで 1時間加熱処理後測定に供した。 結果を表 1 に示す。 ここで、 束縛ェ ネルギー位置は、 試料の汚染による C1Sピークを用いて補正済みである。 表 1
XPS束縛エネルギー
01 s (eV) AI2p (eV) 本発明材 AI 30 mg/m2 532.1 74.9 本発明材 AI 40 mg/m2 531.3 75.4
'本勞明材 AI 80 mg/m2 532.3 75.0 比較材 アルミナ焼結体 531.5 74.4 比較材 アルミ圧延板 531.7 74.5.
表 1 に示したように、 本発明材は、 比較材に比べて、 Olsは 0. 1 ~0. 8 e V高く、 A l 2pは 0. 4〜 1 . 0 e V高エネルギー側にシフ トしており、 本発明 材は、 酸化物ではなく水酸化物、 または、 ォキシ水酸化物を含有していることが わ力、る。
更に、 本発明の A I を含有する表面処理金属材料において、 前記無機表面処理 層の最表面に含有される Oと M (但し、 Mは A l 、 または A I と、 T i , Z rの うち少なく とも 1種以上を含む) の原子比が、 1 <0/Μ< 5· 5、 より好まし くは、 1 <ΟΖΜ< 3. 5であることが重要な特徴である。上記範囲よリ小さく、 ΟΖΜが 1 以下の無機表面処理膜を形成することは困難である。
イオン半径の大きいァニオン成分をほとんど含まない場合には、 ΟΖΜの Οは 1 < 0/Μ < 2. 5の範囲となる。 また、 2. 5≤ 0/Μ< 3. 5の範囲となる 場合には、 被膜中にイオン半径の大きいリン酸ゃ硫酸などのァニオン成分を僅か に含み、 3. 5≤ 0/M< 5. 5の範囲となる場合には、 ァニオン成分が相当量 含まれていると考えられる。 したがって、 3. 5≤ 0/M< 5. 5の範囲の場合 に、 レトルト後の密着性を確保するには、 カップリング剤処理層などの有機表面 処理層を無機表面処理層の上に設けることが望ましい。 更に、 上記範囲を超え、 5. 5 < OZMである場合には、 上記 Mに含まれる元素以外の基材成分も酸化し ていると考えられる。 すなわち、 ぶりき表面の錫層などが酸化し、 結果的に OZ Mを上昇させる原因となっている。この場合には、錫表面自身が酸化している為、 凝集力が弱く、 たとえ有機表面処理層を設けても、 十分な密着性を得ることがで きない。
更に、 本発明の表面処理金属材料においては、 表面処理金属材料の無機表面処 理層の最表面に含有される Fと M (但し、 Mは A し または A I と、 T i , Z r のうち少なくとも 1種以上を含む) の原子比が、 2. 5未満、 特に 2. 0以下で あることが望ましい。
FZMが 2. 5以上であると、 Fはイオン半径が小さいとはいえ、 Mに対する ァニオン量が過多となり、 密着性が低下する原因となる。 0 M, F/Mの原子比の測定方法としては、 X P Sにより、 C1S, Ols, F1 s, A I 2p, T i 3d, Z r 3dなど表面に存在するピークをそれぞれ測定し、 解析ソ フ トにより原子濃度を求めた値から求めることができる。
測定に用いる表面処理金属材料の状態としては、 清浄な状態であれば、 そのま ま表面を解析する。 有機樹脂が接着ゃ融着された後であれば煮沸した過酸化水素 水などに数分間浸漬してまず有機樹脂層を除去する必要がある。
清浄でないサンプルや前述の有機樹脂被覆層を除去後のサンプルは、 C , 0, F, A I , Z r, T i , 基材金属元素などの表面構成主要元素の和を 1 00 %と した時に対して、 C1Sの原子濃度が 1 0<½以下となるまで A rスパッタリングに より汚染層を軽く除去し、 この時点での OZM, FZMの原子比を求めることが できる。 また、 定法により、 ◦, F及び A l , Z r, T i の各元素についてバッ クグランド除去後のピーク面積を求めてから、 測定装置の相対感度係数を用いて 各元素の原子濃度を求め、 OZM及び FZM比を計算によリ求めてもよい。
図 2に A I 2pピーク 2の例を示す。 パックグランドの基準線 2 1 とピーク 2 2 に囲まれる範囲がピーク面積 2 3となる。 尚、 当然ではあるが、 バックグランド の引き方によって、 原子比が変動するので、 バックグランドの引き方には注意が 必要である。
また、 本発明における、 無機表面処理層の最も望ましい形態としては、 T i , Z rを主成分とする無機表面処理層と同様に、 処理被膜中にリン酸ゃ硫酸などの イオン半径の大きいァニオン成分を含まないことである。 無機表面処理層の最表 層に含有される ( P + S) と M (但し、 Mは A l 、 または A l と、 T i , Z rの うち少なく とも 1種以上を含む) の原子比は、 (P + S) ZM< 0. 2 5、 より 好ましくは (P + S) M< 0. 0 5に制御されることが本発明の一つの特徴で める。
図 3は、 X P Sにより、 硫酸による陽極酸化アルマイ トの最表面の S isピーク 3 1 と、 本発明による無機表面処理層の最表面の S1Sピーク 32を比較したもの である。 同様にして、 P2pピークや表面に存在する C1S, 01s, F1S, A I 2p, T i 3d, Z r3dなど表面に存在するピークをそれぞれ測定し、 解析ソフ卜によリ 原子濃度を求めた値から ( P + S) Mを求めることができる。 図 3の例に用い たサンプルでは、 (P + S) ZMの値は、 本発明で 0. 0であるのに対して、 陽 極酸化アルマイ トでは、 0. 1 であった。
また、 膜厚としては、 A I の重量膜厚で、 5〜 1 00m g Zm2の間にあるこ とが好ましい。 5 m gZm 2未満では被膜の均一な生成が困難であり被覆率が充 分でなく、 1 00 m g Zm2を越えると、 加工により密着性が低下するので好ま しくない。
重量膜厚の測定方法としては、基板金属の主成分が A I 以外からなる場合には、 市販の蛍光 X線分析装置によって膜厚を定量することができる。 この場合、 予め A I 重量膜厚既知の複数のサンプルから A I 重量膜厚と A I の X線強度の関係を 示す検量線を作成しておき、 ついで、 未知試料を用いて測定した A I の X線強度 を、 検量線に基づき重量膜厚に換算する。
基板金属の主成分が A I から成る場合には、 基材金属を酸などにより溶解し、 無機表面処理層を抽出して、 透過形電子顕微鏡付属のエネルギー分散型 X線分析 装置により、 X線強度と標準試料を用いて作成した検量線の関係から、 重量膜厚 を求める方法により測定する。
無機表面処理層が A I の他に, Z f , T i の少なく とも 1種を含む場合には、 それぞれの元素の密度が異なる為、 A I , Z r , T i の卜一タルの重量膜厚とし て 5〜 3 O Om gZm2の間にあることが好ましい。
また、 本発明において、 めっき層を有する金属基体に表面処理する場合、 金属 基体の主元素の表面露出率が 5 %未満、 好ましくは 30/0未満であることが好まし い。
金属基体主元素の露出率がこれ以上であると、 耐食性や密着性において、 満足 な性能が得られない。 特に、 ぶりきや薄錫めつき鋼板、 極薄錫めつき鋼板など、 金属錫が存在する表面に処理する場合には、 錫の表面露出率が 5 %以上あると、 耐食性や密着性の他に耐硫性や経時変色の問題も生じ、 外観の点でも劣ったもの となる。 表面露出率は、 X P Sにより、 C1s, P2p. 01s, F1s, S 1s, A I 2p, T i 3d, Z r 3d, S n 3d, F e 2pなど表面に存在する主要元素のピークをそれぞ れ測定し、 解析ソフ トにより原子濃度を求めた値から求めることができる。 ただ し、 F e2pのピークは、 S nのピークと重なることがあるので、 この場合には、 ピーク分離を行う必要がある。
〈有機表面処理層〉
本発明の表面処理金属材料においては、 前記無機表面処理層と共に存在する有 機表面処理層は、有機成分を主体とする有機被覆であり、特に ( i ) S i 量が 0. 8〜 30m gZm2であるシランカップリング剤処理層、 或いは ( i i ) フエノ ール系水溶性有機化合物を主体とする層であることが好適である。
( i ) シランカップリング剤処理層
本発明の表面処理金属材料においては、前記無機表面処理層の上に S i 量が 0. 8 ~ 30 m g Zm2であるシラン力ップリング剤処理層が更に形成されているこ とが特に好適である。
シランカツプリング剤処理層を形成するシラン力ップリング剤は、 熱可塑性ポ リエステル樹脂と化学結合する反応基と無機表面処理層と化学結合する反応基を 有するものであり、 アミノ基、 エポキシ基、 メタクリロキシ基、 メルカプト基等 の反応基と、 メ 卜キシ基、 エ トキシ基等の加水分解性アルコキシ基を含むオルガ ノシランから成るものや、 メチル基、 フエニル基、 エポキシ基、 メルカプト基等 の有機置換基と加水分解性アルコキシ基を含有するシランを使用することができ る。
本発明において、 好適に用いることができるシランカツプリング剤の具体例と しては、 r-A P S ( r-ァミノプロピル卜リメ トキシシラン) 、 r一 G P S ( Ύ ーグリシドキシプロビルトリメ トキシシラン) 、 B T S P A (ビス トリメ トキシ シリルプロピルアミノシラン) 、 N _)S (アミノエチル) y—ァミノプロピル卜 リメ トキシシラン等を挙げることができる。
シランカツプリング剤処理層は、 S i 量が 0. 8〜 3 Om gZm2、 特に 3〜 1 5 m g Z m 2となるように形成されていることが好ましい。 上記範囲よりも S i 量が少ないと有機表面処理層の効果、 すなわち、 耐食性向上や密着性向上の効 果に乏しく、 また上記範囲よリも S i 量が多いと、 未反応のシラン力ップリング 剤が自己縮合するため満足し得る加工密着性、 耐食性を得ることができない。 また、 シランカップリング剤処理層からなる前記有機表面処理層は、 S i o 2 粒子を含有している無機表面処理層の上に形成されることが特に好ましい。 この 場合、 表面処理金属材料の無機表面処理層の最表面に含有される S i の表面被覆 率は、 原子比で 1 0〜 3 0 %、 特に 1 5〜 3 0 %の範囲にあることが望ましい。
S i の表面被覆率が上記範囲よりも小さい場合には被膜作成が困難であり、 一方 S i の原子濃度が上記範囲よりも大きい場合には、 水分散性シリカを配合するこ とによる安定な被膜形成効果を十分に得ることができないからである。
なお、 S i の表面被覆率は、 上述の原子比の測定と同じく X P Sにより、 構成 成分となる主要な元素を測定し、 全体を 1 0 0 <½とした時の S i 2pの原子濃度を 表面被覆率と定義した。 但し、 原子比の測定と同じく、 Cが原子濃度で 1 0 %以 下となるまで A rスパッタ リングにより汚染層を軽く除去した時点での濃度を求 める必要がある。
( i i ) フエノール系水溶性有機化合物を主体とする層
本発明の表面処理金属材料においては、 前記無機表面処理層の上にフエノール 系水溶性有機化合物を主体とする層が存在していることが特に好適である。
フエノール系水溶性有機化合物としては、 下記式 ( 1 )
O H
I
一 φ - C H 2 - ■ · ■ ( "! )
I
X
式中、 øはベンゼン環を表し、 Xは水素原子又は下記式 Z = - C H 2 - N - R 1 ■ ■ ■ ( 2 )
I
R 2
式中、 及び R 2の各々は炭素数 1 0以下のアルキル基又は炭素数 1 0以下の アルキル基又は炭素数 1 0以下のヒ ドロキシアルキル基である、 で表される Zを 表し、 基 Zの導入率はベンゼン環 1個当たり 0 . 2〜 1 . 0であるものとする、 で表される反復単位から成るフエノール樹脂であることが好適である。
またフエノール系水溶性有機化合物の他の例としては、 タンニンを挙げること ができる。 タンニンは、 タンニン酸ともいい、 フエノール性ヒ ドロキシル基を有 する複雑な構造の芳香族化合物の総称である。
タンニンとしては、 ハマメ リタンニン、 カキタンニン、 チヤタンニン、 五倍子 タンニン、 没食子タンニン、 ミロバランタンニン、 ジビジビタンニン、 アルガ口 ビラタンニン、 バロニァタンニン、 カテキンタンニン等を挙げることができる。 タンニンは、 数平均分子量が 2 0 0以上であることが好ましい。
上記フエノール系水溶性有機化合物を主体とする有機表面処理層においては、 かかる有機表面処理層中に炭素原子換算で 3〜 7 5 m g Z m 2、 特に 6〜 3 0 m g m 2の範囲の含有量でフエノール系水溶性有機化合物を含有していることが 望ましい。 上記範囲よりも少ない場合には、 有機表面処理被膜の密着性に劣り、 一方上記範囲よリも多い場合には有機表面処理被膜の膜厚が必要以上に大きくな リ密着性及び耐食性が低下する。
また、 上記フエノール系水溶性有機化合物を主体とする有機表面処理層は、 力 一ボンを主成分とする有機化合物と、 リン化合物とジルコニウムあるいはチタン 化合物を含む表面処理剤を用いて形成された有機-無機複合層であっても良い。 更に、本発明の有機表面処理層が形成されている表面処理金属材料においては、 最表層が Nを含むことが好ましい。
図 4に、 表面にシラン力ップリング剤層を設けた表面処理金属材料の最表層に ついて、 X P Sにより N 1 Sピーク 4 1 を測定した結果を示す。図 4に示すとおリ、 Nが検出されておリ、 フエノール系水溶性有機化合物においても同様に Nが検出 される。
〈金属基体〉
本発明に用いる金属基体としては、 各種表面処理鋼板やアルミニウム等の軽金 属板などが使用される。 表面処理鋼板としては、 冷圧延鋼板を焼鈍した後二次冷 間圧延し、 亜鉛めつき、 錫めつき、 ニッケルめっき、 アルミニウムめっき等の表 面処理の一種または二種以上行なったものを用いることができ、 他にアルミニゥ ムクラッ ド鋼板なども用いることができる。
また、 前記めつき層は、 錫、 ニッケル、 亜鉛、 鉄、 アルミニウムの 1種以上を 含む金属層のみからなっていても良いし、前記めつき層が、錫、ニッケル、亜鉛、 鉄、アルミニウムの 1種以上を含む金属層と錫、ニッケル、亜鉛、 アルミニウム、 鉄の 2種以上を含む合金層とからなつていても良いし、 あるいはまた、 前記めつ き層が、 錫、 ニッケル、 亜鉛、 鉄、 アルミニウムの 2種以上を含む合金層のみか らなっていても良い。
金属基体の表面側にめっきまたはクラッ ドなどにより形成される金属は、 中心 側に位置する金属の耐食性ゃ耐摩耗性、 通電性などの様々な性質を改善する目的 で付けられているが、 一般的には、 耐食性を改善する目的で付与されている場合 がほとんどである。 また、 軽金属板としては、 いわゆる純アルミニウムの他にァ ルミニゥム合金が使用される。 金属板の元厚は、 特に限定はなく、 金属の種類、 容器の用途或いはサイズによっても相違するが、 金属板としては一般に 0 . 1 0 〜 0 . 5 0 m mの厚みを有するのがよく、この中でも表面処理鋼板の場合には 0 . 1 0〜 0 . 3 0 m mの厚み、 軽金属板の場合は 0 . 1 5〜 0 . 4 0 m mの厚みを 有するのがよい。
〈表面処理金属材料の構造〉
図 5乃至図 7は、 本発明の表面処理金属材料の一例をそれぞれ示す断面図であ る。 図 5に示す表面処理金属材料 5は、 金属材料基体 5 1 、 基体表面に設けられ た、 M ( T i , Z r , Α Ι の少なく とも一つ) 及び 0, Fを必須成分として含有 (但し、 Fは A I では任意) する無機表面処理層 5 2を有している。 また図 6の 例では、 図 5の無機表面処理層 5 2の上に有機成分を主体とする有機表面処理層 5 3が形成されている。
図 7に示す表面処理金属材料 5は、 M ( Τ ί , Z r , A I の少なく とも一つ) 及び 0, Fを必須成分と して含有 (但し、 Fは A I では任意) する無機表面処理 層 5 1 を有している点は図 5と同じであるが、 金属材料基体 5 1 が金属材料 5 1 a と金属メツキ層 5 1 bにより構成されている。 基体 5 1 の大部分を占める金属 材料 5 1 aに被覆される金属メツキ層 5 1 bは、 後述するように、 金属材料 5 1 aの耐食性を高める役割を持つものが使用される。
図 8に示す表面処理金属材料 5は、 金属材料基体 5 1 の上に M ( T i , Z r , A I の少なくとも一つ) 及び 0, Fを必須成分として含有 (但し、 Fは A I では 任意) する無機表面処理層 5 2が形成され、 この無機表面処理層 5 2中に、 S i 0 2粒子 5 5が含有されている。
(表面処理方法)
< T i , Z rを含有する無機表面処理層の表面処理方法〉
本発明の金属材料の表面処理方法においては、 T i 及び Z又は Z r と Fを含有 しリン酸イオン濃度が、 P 0 4として 0 . 0 0 3モル リッ トル未満、 より好ま しくはリン酸を含有しない水溶液中で陰極電解処理することが重要な特徴である。 前述した通り、 陰極電解処理によれば、 従来の化成処理被膜と比較して、 単位 時間あたりの T i 及び 又は Z rの重量膜厚の制御範囲を大幅に広げることがで き、 用途に応じた被膜生成が可能となる。
また、 本発明の表面処理方法においては、 陰極電解処理を断続的に実施するこ と、 すなわち電解途中に停止時間を設けて、 攪拌した水溶液中で通電と停止のサ イクルを複数回繰り返して電解を行う断続電解を行うことが好ましい。 図 9及び 図 1 0は、 通電時間と停止時間の総和である トータル電解時間と T i 重量膜厚或 いは Z r重量膜厚の関係を示すものであり、図 9及び図 1 0から明らかなように、 連続的に陰極電解を行った場合よりも断続的に陰極電解を行った場合のほうが、 T i 或いは Z r重量膜厚の形成速度が速いことが理解される。
これは、 連続的に電解していると陰極近傍で濃度分極を生じ、 析出が阻害され るのに対し、 断続的に電解することにより、 電解停止の間に攪拌効果により、 陰 極近傍へ T i , O, OH, Fなどのイオンが供給されると共に、 陰極に生成した ルーズな膜、 すなわち、 OZT i 比或いは OZZ rの大きい膜を取り去り、 結果 として T i 重量膜厚或いは Z r重量膜厚の形成速度が速く、 かつ、 より高品質な 膜を提供することになる。
通電と停止のサイクルは、 これに限定されるものではないが、 通電時間が 0. 1 乃至 0. 8秒、 停止時間が 0. 3乃至 1 . 5秒の範囲で、 2乃至 1 0サイクル 行うことが好ましい。
本発明の表面処理方法に用いる水溶液は、 浴濃度が、 M (但し Mは、 T i 又は T i 及び Z r ) として 0. 0 1 0〜 0. 050モル Zリッ トル、 特に 0. 0 1 5 〜 0. 03 5モル リッ トルの範囲にあることが好ましい。 陰極電解処理では、 表面に緻密な酸化膜が形成されている金属板への処理は局所的な電解集中が生じ ることから均一な被膜形成が困難であり、 特殊な前処理が必要とされることが多 いが、 本発明においては、 特殊な前処理を行うことなく、 できるだけ均一な表面 処理膜を生成するために、低濃度浴で電解処理を行うこととしている。すなわち、 上記範囲よりも浴濃度が高いと、 核生成が局所的に生じ、 その部分に電解が優先 的に集中するため、 結果的に不均一な被膜が形成され、 一方上記範囲よりも浴濃 度が低い場合には、 浴の電気伝導度が低く、 処理に要する電力上昇を招くので好 ましくない。
表面処理に用いる水溶液は、 p H 3. 0〜 8. 0、 より好ましくは p H 3. 5 ~ 6. 5の水溶液であることが好ましく、 処理液に用いる T i 薬剤としては、 チ タンフッ化カリウム K2 T i F 6、チタンフッ化アンモニゥム(N H4) 2 T i F6、 チタンフッ化ソ一ダ N a 2 T i F 6などを用いることができる。
また、 Z r薬剤としてはフッ化ジルコニウム力リウ厶 K Z r F 6ゃフッ化ジル コニゥムアンモニゥ厶 (N H4) 2 Z r F6、 炭酸ジルコニウムアンモニゥム溶液 ( N H 4) 2 Z r O ( C 03) 2などを用いることができる。
また、 チタンイオンやジルコニウムイオンとフッ素イオンを別々の薬剤よリ供 給することもでき、 T i 薬剤としてシユウ酸チタンカリウム 2水和物 K 2 T i O
( C 2 O 4) 2 - 2 H 20、 塩化チタン (III) 溶液 T i C I 3、 塩化チタン (IV) 溶液 T i C I 4など、 Z r薬剤としてォキシ硝酸ジルコニウム Z r 0 ( N 03) 2、 ォキシ酢酸ジルコニウム Z r O ( C H 3 C O O ) 2など、 F薬剤としてフッ化ナト リウム N a F、 フッ化カリウム K F、 フッ化アンモニゥム N H 4 Fなどを用いる ことができる。
浴中の Fイオンの浴濃度としては、 「として、 0. 0 3モルノリッ トル〜 0. 3 5モル/リッ トルの範囲にあることが好ましい。 上記範囲よリもフッ素イオン 濃度が低いと、 陰極である金属表面上にゲル状物質が生成し、 連続生産時のハン ドリング性を阻害するとともに、 特性面でも高温多湿環境下で経時的に不安定な 表面となるので好ましくなく、 上記範囲よリも浴濃度が高いと析出効率を阻害す る傾向があるとともに、 浴中に沈殿物を生じゃすいので好ましくない。
表面処理に用いる水溶液には水分散性シリ力を配合することが特に好ましい。 水分散性シリカは、 前述した通り耐食性及び膜形成性を向上するものであり、 特 に限定されるものではないが、 球状シリカ、 鎖状シリカ、 アルミニウム修飾シリ 力等を挙げることができ、 具体的には、 球状シリカとして、 スノーテックス N、 スノーテックス U P (何れも日産化学工業社製) などのコ ロイダルシリカや、 ァ エロジル (日本ァエロジル社製) などのヒュームドシリカを挙げることができ、 鎖状シリカとして、 スノーテックス P S (日産化学工業社製) 等のシリカゲル、 更にアルミニウム修飾シリカとして、 アデライ ト A T— 2 0 A (旭電化工業社製) 等の市販のシリカゲルを用いることができる。 処理液に配合するシリカの粒径と しては 4〜 8 0 n m、 特に 4 ~ 3 0 n mの範囲にあることが望ましい。 この範囲 より下の粒子は入手が困難であり、 この範囲より上では、 加工時に割れを生じや すくなるので好ましくない。 また、 被膜中のシリカの配合量は、 S i 量で 3〜 1 0 0 m g /m2, 特に 2 0〜 8 0 m g Zm2の範囲にあることが望ましい。 この範 囲より下ではシリ力を配合する効果が乏しく、 この範囲よリ上では膜自体の凝集 力の不足を招くので好ましくない。
更に、 表面処理に用いる水溶液には必要に応じて、 硝酸イオン、 過酸化物、 お よび錯化剤を添加してもよい。
硝酸イオンは、 長期にわたって電解する際に、 析出状態の安定性を保つ効果が あり、 硝酸、 硝酸ナトリウム、 硝酸カリウム、 硝酸アンモニゥムなどをイオン源 として用いることができる。 過酸化物は、 水溶液中で酸素を発生し、 陰極表面近 傍の濃度分極を抑制する効果があり、 浴の攪拌が乏しい時に特に有用である。 過 酸化物としては、 例えば、 過酸化水素、 ペルォキソ二硫酸アンモニゥム、 ペルォ キソニ硫酸力リウム、ペルォキソホウ酸ナ卜リゥム、ペルォキソ炭酸ナ トリウム、 ペルォキソ二硫酸ナ トリウムなどを用いる事ができる。 さらに、 錯化剤は、 浴中 に沈殿物が生成するのを抑える働きがあり、 エチレンジァミン四酢酸、 エチレン ジァミン四酢酸ナトリウム、 クェン酸、 クェン酸ナトリウム、 ホウ酸、 二トリ口 三酢酸、 二トリ口三酢酸ナトリウム、 シクロへキサンジァミン四酢酸、 グリシン などを用いることができる。硝酸イオン、過酸化物、および錯化剤の添加濃度は、 高濃度すぎると析出効率を阻害する傾向があり、 硝酸イオン、 過酸化物、 錯化剤 のそれぞれの濃度は 0 . 2モル リッ トル以下であることが好ましい。
金属材料基体の前処理としては、 定法により、 脱脂、 水洗、 必要に応じて、 酸 洗、 水洗を行い、 表面を清浄化し、 上記水溶液を 3 0〜 6 5 °Cの温度において、 攪拌しながら、 電流密度が 0 . 1 〜 5 0 A Z d m 2で、 通電と停止のサイクルを 繰り返す断続電解方式により、トータル電解時間が 0 . 3〜 2 0秒間陰極電解し、 最後に水洗することにより、 好適な表面構造を得ることができる。
陽極側に相当する対極板には、 酸化ィリジゥム被覆したチタン板が好適に用い られる。 対極板の条件としては、 電解中に対極材料が処理液中に溶解せず、 酸素 過電圧の小さい不溶性陽極であることが望ましい。
< A I を含有する無機表面処理層の表面処理方法〉
本発明の金属板の表面処理方法においては、 A I イオン濃度が 0 . 0 0 1 ~ 0 . 0 5モル/リッ トルの範囲にある水溶液中で陰極電解処理することが重要な特徴 である。
T i , Z rを含有する無機表面処理層の表面処理方法と同様に、 陰極電解処理 では、 局所的な電解集中を生じると不均一な被膜となる為、 均一な電位分布とな るように注意が必要である。 特に、 表面に緻密な酸化膜が形成されている金属板 への処理や酸性領域で溶解しやすい金属板への処理は、 局所的な電解集中が生じ 易く、 均一な被膜形成が困難である。 この為、 例えばアルミニウム板へ処理する 場合には、 ジンケート処理などの特殊な前処理が必要とされることが多い。
本発明においては、 特殊な前処理を行なうことなく、 できるだけ均一な表面処 理膜を生成するために、 低濃度の浴で電解処理を行なうこととしている。 すなわ ち、 上記範囲よりも浴濃度が高いと、 濃度分極を生じやすく、 分極抵抗の低い部 分に電解が優先的に集中するため、 結果的に不均一な被膜が形成され好ましくな い。 一方、 上記範囲よりも浴濃度が低い場合には、 浴の電気伝導度が低く、 処理 に要する電力上昇を招くので好ましくない。
また、 本発明の表面処理方法においては、 A I イオンの他に、 水溶液中に更に Fイオンを含むことが好ましい。
図 1 1 は、 Fイオンを含まない浴と Fイオンを 0 . 0 2 4モル リッ トル含む 浴とを用いて、 錫めつき鋼板を陰極として同一条件で電解し、 A I の析出膜厚を 比較したものである。 横軸は通電と停止のサイクルを複数回繰り返す断続電解を 行なった時の通電時間と停止時間の総和である トータル電解時間を示している。 図から明らかなように、 Fイオンを含む場合のほうが、 A I 膜厚の形成速度が速 いことが理解される。
また、 本発明の表面処理方法においては、 浴濃度や浴組成、 基材の材質にも左 右されるので明確な電流密度範囲を限定することはできないが、一般に、約 5 A / d m 2以上の高い電流密度では、 断続的に陰極電解処理実施すること、 すなわち 電解途中に停止時間を設けて、 攪拌した水溶液中で通電と停止のサイクルを複数 回繰り返して電解を行なう断続電解を行なうことが好ましい。 連続的に電解して いると陰極表面上に OZA I 比の大きいルーズな膜がゲル状に析出し、 濃度分極 を生じ良質な膜の形成を阻害する。 これに対し、 断続的に電解することにより、 電解停止の間に撹拌効果により、 陰極近傍へ A し O, O H, Fなどのイオンが 供給されると共に、 陰極に生成したルーズな膜、 すなわち、 OZA I 比の大きい 膜が攪拌により除去され、 結果として A I 重量膜厚の形成速度が速く、 かつ、 よ リ高品質な膜を提供することになる。
通電と停止のサイクルは、 これに限定されるものではないが、 通電時間が 0. 1 〜 0. 8秒、 停止時間が 0. 3〜 1 . 5秒の範囲で、 2〜 30サイクル行なう ことが好ましい。
一方、 低電流密度、 例えば、 約 0. 5 A/d m2程度の低電流密度で電解した場 合には、 連続電解でも断続電解でも析出効率に差がないか、 あるいは、 連続電解 の方が効率よく析出する。 低電流密度の場合には、 析出速度が遅く、 濃度分極は 生じにくい為、 連続電解と断続電解とは差が生じないか、 逆に、 連続電解の方が 高い析出効率となる。
表面処理に用いる水溶液は、 p H 2. 0〜 7. 0、 より好ましくは p H 2. 3 〜 6. 0の水溶液であることが好ましく、 処理液に用いる A I 薬剤としては、 硝 酸アルミニウム A I (Ν 03) 3 · 9 Η 20の他、 硫酸アルミニウム力リウム A I K (S 04) 2 - 1 2 H 20、 硫酸アルミニウム A l 2 (S 04) 3 ' 1 3 H 20、 リ ン酸ニ水素アルミニウム液 A I (H 2 P 04) 3、 リン酸 2水素アルミニウム A I P 04、 乳酸アルミニウム 〔C H 3 C H (O H) CO O] 3 A I などを用いること ができる。
また、 A I と共に Z rや T i を使用する場合は、 T i , Z rを含有する無機表 面処理層の表面処理方法で例示した T i 薬剤、 Z r薬剤、 或いは F薬剤を用いる ことができる。
Z rや T i 薬剤を含まずに A I 薬剤を使用する場合であっても、 水溶液中に F を含むことが析出効率の点から好ましいが、 特に、 Z rや T i 薬剤を A I と共に 使用する場合には、 水溶液中に Fとして、 0. 03モル Zリッ トル〜 0. 3 5モ ル Zリッ トルの範囲で Fを含むことが好ましい。 上記範囲よりもフッ素イオン濃 度が低いと、 析出効率が低い他に、 特性面でも高温多湿環境下で経時的に不安定 な表面となるので好ましくなく、 上記範囲よりもフッ素イオン濃度が高いと析出 効率を阻害する傾向があると共に、浴中に沈殿物を生じやすいので好ましくない。 更に、 表面処理に用いる水溶液には必要に応じて、 丁 に Z rを含有する無機 表面処理層の表面処理方法で上述した、 硝酸イオン、 過酸化物、 及び錯化剤を添 加してもよい。
金属板基体の前処理の方法や陽極側に相当する対極板等の条件は前述した T i , Z rを含有する無機表面処理層の表面処理方法と同様に行うことができる。
〈有機被膜の形成〉
本発明の表面処理方法においては、 上記無機被膜を形成した後に、 フヱノール 系水溶性有機化合物又はシラン力ップリング剤を塗布し、 これを乾燥させること により有機被膜を形成させることが特に好適である。
有機被膜を無機表面処理層上に形成するには、 上述したフエノール系水溶性有 機化合物又はシラン力ップリング剤溶液を無機表面処理層上に塗布、 若しくはフ Xノール系水溶性有機化合物又はシラン力ップリング剤溶液中に無機表面処理層 を形成した表面処理金属材料を浸潰し、 その後絞りロールで過剰な溶液を除去し た後、 8 0〜 1 8 0 °Cの温度条件下で加熱乾燥することによりすることによリ形 成することができる。
(樹脂被覆金属材料)
本発明の樹脂被覆金属材料は、 上記表面処理金属材料の少なく とも片面に有機 樹脂、 中でも特にポリエステル樹脂から成る層を被覆して成るものであり、 上述 した表面処理金属材料を用いることから、 樹脂被覆の密着性及び接着性に優れて おり、 このため優れた耐食性、 耐デント性を有している。
本発明の樹脂被覆金属材料の一例の断面図を示す図 1 2において、 この樹脂被 覆金属材料 5は、 容器としたときの内面側 (図において右側) で見て、 金属板基 体 5 1 、 基体表面に設けられた、 M ( T i . Z r . A I の少なく とも一つ) , 0 , Fを必須成分として含有 (但し、 Fは A I では任意) する無機表面処理層 5 2、 無機表面処理層 5 2の上に設けられた有機表面処理層 5 3、 及びその上に設けら れたポリエステル樹脂被覆層 5 4の多層構造を有している。 図 1 2の例では、 容 器としたときの外面側 (図において左側) において、 前記無機表面処理層 5 2を 介して外面樹脂保護層 5 5を備えているが、 外面樹脂保護層 5 5は、 前記ポリェ ステル樹脂被覆層 5 4と同一のポリエステル樹脂であっても、 或いはこれと異な るポリエステル樹脂からなっていてもよく、 また異なる樹脂からなっていてもよ い。
また、 樹脂被覆金属材料の他の例を示す図 1 3において、 この樹脂被覆金属材 料 5は、 M ( T i , Z r , A I の少なく とも一つ) , 0, Fを必須成分として含 有 (但し、 Fは A I では任意) する表面処理層 5 2、 基体 5 1 の容器内面となる 側に施された有機表面処理層 5 3、 ポリエステル樹脂層 5 4及び外面となる側に 施された外面樹脂保護層 5 5を備えている点では、図 1 2のものと同様である力《、 基体 5 1 が金属板 5 1 aと金属メツキ層 5 1 bにより構成されており、 更に、 ポ リエステル樹脂層 5 4がポリエステル樹脂表層 5 4 aとポリエステル樹脂下層 5 4 bとの積層構造となっている。 基体 5 1 の大部分を占める金属板 5 1 aに被覆 される金属メツキ層 5 1 bは、 金属板 5 1 aの耐食性を高める役割を持つものが 使用されることは既に述べたとおりである。 また、 ポリエステル樹脂下層 5 4 b としては金属基体との接着性に優れたものが使用され、 一方ポリエステル樹脂表 層 5 4 aとしては耐内容物性に優れたものが使用されることは既に述べたとおり である。
(有機樹脂被覆層)
本発明の樹脂被覆金属材料において、 金属板上に設ける有機樹脂としては、 特 に限定はなく、 各種熱可塑性樹脂や熱硬化性〜熱可塑性樹脂を挙げることができ る。
有機樹脂としては、 ポリエチレン、 ポリプロピレン、 エチレン一プロピレン共 重合体、エチレン一酢酸ビニル共重合体、エチレンーァクリルエステル共重合体、 アイオノンマ一等のォレフィン系樹脂フィルム、 またはポリブチレンテレフタレ ート等のポリエステルフィルム、 もしくはナイロン 6、 ナイロン 6, 6、 ナイ口 ン 1 1 、 ナイロン 1 2等のポリアミ ドフィルム、 ポリ塩化ビニルフィルム、 ポリ 塩化ビニリデンフィルム等の熱可塑性樹脂フィルムの未延伸または二軸延伸した ものであってもよい。 積層の際に接着剤を用いる場合は、 ウレタン系接着剤、 ェ ポキシ系接着剤、 酸変性ォレフィン樹脂系接着剤、 コポリアミ ド系接着剤、 コポ リエステル系接着剤 (厚さ : 0 . 1 〜 5 . O iU m ) 等が好ましく用いられる。 さ らに熱硬化性塗料を、 厚み 0 . 0 5〜 2 mの範囲で表面処理金属材料側、 ある いはフィルム側に塗布し、 これを接着剤としてもよい。
さらに有機樹脂としては、 フヱノールエポキシ、 アミノーエポキシ等の変性ェ ポキシ塗料、 塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体、 塩化ビニルー酢酸ビニル共重合 体けん化物、 塩化ビニルー酢酸ビニルー無水マレイン酸共重合体、 エポキシ変性 一、 エポキシァミノ変性一、 エポキシフヱノール変性一ビニル塗料または変性ビ ニル塗料、 アクリル塗料、 スチレン一ブタジエン系共重合体等の合成ゴム系塗料 等の熱可塑性または熱硬化性塗料の単独または 2種以上の組合わせであってもよ い。
これらの中でも、容器用素材としてポリエステル樹脂が最も好適に用いられる。 ポリエステル樹脂としては、 エチレングリコールゃブチレングリコールを主体と するアルコール成分と、 芳香族二塩基酸、 例えばテレフタル酸、 イソフタル酸、 ナフタ レンジカルボン酸等の酸成分とから誘導される熱可塑性ポリエステルが挙 げられる。
ポリエステルとしては、 ポリエチレンテレフタ レー卜そのものも勿論使用可能 であるが、 フィルムの到達し得る最高結晶化度を下げることが耐衝撃性や加工性 の点で望ましく、 この目的のためにポリエステル中にエチレンテレフタレート以 外の共重合エステル単位を導入するのがよい。 エチレンテレフタレート単位或い はブチレンテレフタ レート単位を主体とし、 他のエステル単位の少量を含む融点 が 2 1 0〜 2 5 2 °Cの共重合ポリエステルを用いることが特に好ましい。 尚、 ホ モポリエチレンテレフタレ一卜の融点は一般に 2 5 5〜 2 6 5 °Cである。 一般に共重合ポリエステル中の二塩基酸成分の 7 0モル%以上、 特に 7 5モ ル%以上がテレフタル酸成分から成り、 ジオール成分の 7 0モル%以上、 特に 7 5モル%以上がエチレングリコールまたはブチレングリコールから成り、 二塩基 酸成分の 1 〜 3 0モル%、 特に 5 ~ 2 5モル%がテレフタル酸以外の二塩基酸成 分から成ることが好ましい。
テレフタル酸以外の二塩基酸としては、 イソフタル酸、 フタル酸、 ナフタレン ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸 : シクロへキサンジカルボン酸等の脂環族 ジカルボン酸: コハク酸、 アジピン酸、 セバチン酸、 ドデカンジオン酸等の脂肪 族ジカルボン酸 : の 1種又は 2種以上の組合せが挙げられ、 エチレングリコール またはブチレングリコール以外のジオール成分としては、プロピレングリコール、 ジエチレングリコール、 1 , 6—へキシレングリコール、 シクロへキサンジメタ ノール、 ビスフエノール Aのエチレンォキサイ ド付加物等の 1種又は 2種以上が 挙げられる。 勿論、 これらのコモノマーの組合せは、 共重合ポリエステルの融点 を前記範囲とするのが好ましい。
また、 このポリエステルは、 成形時の溶融流動特性を改善するために、 三官能 以上の多塩基酸及び多価アルコールから成る群よリ選択された少なく とも 1種の 分岐〜架橋成分を含有することができる。 これらの分岐〜架橋成分は、 3 . 0モ ル%以下、 好適には 0 . 0 5〜 3 . 0モル%の範囲にあるのがよい。
三官能以上の多塩基酸及び多価アルコールとしては、 トリメ リッ ト酸、 ピロメ リッ ト酸、 へミメ リッ ト酸、 1 , 1 . 2 , 2—エタンテトラカルボン酸、 1 , 1 , 2—ェタントリカルボン酸、 1 , 3 , 5—ペンタントリカルボン酸、 1 , 2 , 3, 4ーシクロペンタンテトラカルボン酸、 ビフエ二ルー 3 , 4 , 3 ' , 4 ' —テト ラカルボン酸等の多塩基酸や、 ペンタエリスリ トール、 グリセロール、 卜リメチ ロールプロパン、 1 , 2, 6—へキサントリオール、 ソルビトール、 1 , 1 , 4 , 4ーテトラキス (ヒ ドロキシメチル) シクロへキサン等の多価アルコールが挙げ られる。 本発明の樹脂被覆金属材料において、 製缶用または製蓋用素材に利用できる特 に好適なポリエステル樹脂として、 ィソフタル酸成分を 5〜 2 5モル%含有する ポリエチレンテレフタレート Zイソフタ レート、 シク口へキサンジメタノール成 分を 1 〜 1 0モル%含有するポリエチレン/シク口へキシレンジメチレンテレフ ダレート等が挙げられる。
ホモポリエステル或いは共重合ポリエステルは、 フィルム形成範囲の分子量を 有するべきであり、 溶媒として、 フ Iフール テトラクロロェタン混合溶媒を用 いて測定した固有粘度 〔 7?〕 は 0 . 5〜 1 . 5、 特に 0 . 6〜 1 . 5の範囲にあ るのがよい。
本発明に用いるポリエステル樹脂層は、 上述したポリエステル或いはコポリェ ステル単独から形成されていても、 或いはポリエステル或いはコポリエステルの 2種以上のプレンド物、 或いはポリエステル或いはコポリエステルと他の熱可塑 性樹脂とのブレンド物から形成されていてもよい。 ポリエステル或いはコポリェ ステルの 2種以上のブレンド物としては、 ポリエチレンテレフタレート、 ポリブ チレンテレフタ レート、 ポリエチレンテレフタレ一卜 Zイソフタレー卜、 ポリエ チレン/シクロへキシレンジメチレンテレフタ レートの 2種以上の組合せなどが 挙げられるが、 勿論この例に限定されない。
ポリエステル中に配合できる他の熱可塑性樹脂としては、 エチレン系重合体、 熱可塑性エラス トマ一、 ポリアリ レート、 ポリカーボネー卜等を挙げることがで きる。 これらの改質樹脂成分の少なく とも 1種を更に含有させ、 耐高温湿熱性や 耐衝撃性を更に向上させることができる。 この改質樹脂成分は、 一般にポリエス テル 1 0 0重量部当たり 5 0重量部迄の量、 特に好適には 5〜 3 5重量部の量で 用いるのが望ましい。
エチレン系重合体として、 例えば低一、 中一或いは高一密度のポリエチレン、 線状低密度ポリエチレン、 線状超低密度ポリエチレン、 エチレン一プロピレン共 重合体、 エチレンーブテン一 1 共重合体、 エチレン一プロピレンーブテン一 1 共 重合体、 エチレン一酢酸ビニル共重合体、 イオン架橋ォレフィン共重合体 (アイ オノマー) 、 エチレン一アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。 これらの 内でも、 アイオノマーが好適なものであり、 アイオノマーのベースポリマーとし ては、 エチレン一 (メタ) アクリル酸共重合体やエチレン一 (メタ) アクリル酸 エステル一 (メタ) アクリル酸共重合体、 イオン種としては、 N a、 K、 Ζ η等 のものが使用される。 熱可塑性エラストマ一としては、 例えばスチレン一ブタジ ェンースチレンプロック共重合体、 スチレン一イソプレン一スチレンブロック共 重合体、 水素化スチレン一ブタジエン一スチレンブロック共重合体、 水素化スチ レン一イソプレン一スチレンプロック共重合体等が使用される。
ポリァリ レートは、 二価フエノ一ルとニ塩基酸とから誘導されたポリエステル として定義され、 二価フエノールとしては、 ビスフエノール類として、 2, 2 ' 一ビス ( 4—ヒ ドロキシフエニル) プロパン (ビスフエノール A ) , 2, 2 ' - ビス (4ーヒ ドロキシフエニル) ブタン (ビスフエノール B) 、 1 , 1 ' 一ビス (4ーヒ ドロキシフエニル) ェタン、 ビス (4ーヒ ドロキシフエニル) メタン (ビ スフエノール F) 、 4—ヒ ドロキシフエニルエーテル、 p— (4ーヒ ドロキシ) フエノール等が使用されるが、 ビスフヱノール A及びビスフ Iノール Bが好適で ある。 二塩基酸としては、 テレフタル酸、 ィソフタル酸、 2, 2— ( 4一カルボキ シフエ二ル) プロパン、 4, 4 ' ージカルボキシジフエニルエーテル、 4, 4' ージカルボキシベンゾフヱノン等が使用される。 ポリアリ レートは、 上記単量体 成分から誘導されたホモ重合体でもよく、 また共重合体でもよい。
また、 その本質を損なわない範囲で、 脂肪族グリコールと二塩基酸とから誘導 されたエステル単位との共重合体であってもよい。 これらのポリアリ レートは、 ュニチカ社の Uポリマーの Uシリーズ或いは A Xシリーズ、 U C C社の A r d e I D— 1 00、 B a y e r社の A P E、 H o e c h s t社の D u r e l、 D u P o n t社の A r y I o n、 鐘淵化学社の N A P樹脂等として入手できる。
ポリカーボネートは、 二環二価フ Iノール類とホスゲンとから誘導される炭酸 エステル樹脂であり、 高いガラス転移点と耐熱性とを有することが特徴である。 ポリカーボネートとしては、 ビスフエノール類、 例えば、 2, 2 ' 一ビス (4— ヒ ドロキシフエニル) プロパン (ビスフエノール A ) 、 2, 2 ' 一ビス ( 4ーヒ ドロキシフエニル) ブタン (ビスフエノール B ) 、 1 , 1 ' 一ビス (4ーヒ ドロ キシフエニル) ェタン、 ビス ( 4ーヒ ドロキシフエニル) メタン (ビスフエノー ル F ) 、 1 , 1一ビス ( 4ーヒ ドロキシフエニル) シクロへキサン、 1 , 1一ビス ( 4ーヒ ドロキシフエニル) シクロペンタン、 1 , 1一ビス (4—ヒ ドロキシフエ ニル) 一 1一フエニルメタン、 1 , 1一ビス (4ーヒ ドロキシフエニル) 一 1 ーフ ェニルェタン、 1, 2—ビス (4ーヒ ドロキシフエニル) エタン等から誘導された ポリカーボネー卜が好適である。
本発明に用いるポリエステル樹脂層は、 単層の樹脂層であってもよく、 また同 時押出などによる多層の樹脂層であってもよい。 多層のポリエステル樹脂層を用 いると、 下地層、 即ち表面処理金属材料側に接着性に優れた組成のポリエステル 樹脂を選択し、 表層に耐内容物性、 即ち耐抽出性やフレーバー成分の非吸着性に 優れた組成のポリエステル樹脂を選択できるので有利である。
多層ポリエステル樹脂層の例を示すと、 表層 下層として表示して、 ポリェチ レンテレフタレートノポリエチレンテレフタレート ■ イソフタレート、 ポリェチ レンテレフタレート ポリエチレン ■ シク口へキシレンジメチレンテレフタレー ト、 イソフタレート含有量の少ないポリエチレンテレフタ レート ■ イソフタ レー 卜 Zイソフタレート含有量の多いポリエチレンテレフタレート■イソフタレート、 ポリエチレンテレフタレー | Γソフタ レート [ポリエチレンテレフタ レート ■ イソフタレートとポリブチレンテレフタレート ■ アジべ一卜とのプレンド物] 等 であるが、 勿論上記の例に限定されない。 表層 : 下層の厚み比は、 5 : 9 5 - 9 5 : 5の範囲にあるのが望ましい。
上記ポリエステル樹脂層には、 それ自体公知の樹脂用配合剤、 例えば非晶質シ リカ等のアンチブロッキング剤、 無機フィラー、 各種帯電防止剤、 滑剤、 酸化防 止剤、 紫外線吸収剤等を公知の処方に従って配合することができる。
中でも、 トコフエロール (ビタミン E ) を用いることが好ましい。 トコフエ口 ールは、 従来よリ酸化防止剤としてポリエステル樹脂の熱処理時における減成に よる分子量低下を防止して耐デント性を向上させるものであることが知られてい るが、 特にポリエステル樹脂に前述したエチレン系重合体を改質樹脂成分として 配合したポリエステル組成物にこのトコフエロールを配合すると、 耐デント性の みならず、 レトルト殺菌ゃホッ トベンダー等の過酷な条件に付され被膜にクラッ クが生じたような場合でも、 クラックから腐食が進むことが防止され、 耐食性が 著しく向上するという効果を得ることができる。
トコフヱロールは、 0 . 0 5〜 3重量%、 特に0 . 1 〜 2重量%の量で配合す ることが好ましい。
本発明において、 有機樹脂層の厚みは、 一般に 3〜 5 0 i m、 特に 5 ~ 4 0 mの範囲にあることが望ましい。 即ち、 厚みが上記範囲を下回ると、 耐腐食性が 不十分となリ、 厚みが上記範囲を上回ると加工性の点で問題を生じやすい。
(樹脂被覆金属材料の製造)
本発明において、 表面処理金属材料へのポリエステル被覆層の形成は任意の手 段で行うことができ、 例えば、 押出コート法、 キャストフィルム熱接着法、 二軸 延伸フィルム熱接着法等により行うことがでぎる。 押出コート法の場合、 表面処 理金属材料の上にポリエステル樹脂を溶融状態で押出コー卜して、 熱接着させる ことにより製造することができる。 即ち、 ポリエステル樹脂を押出機で溶融混練 した後、 T一ダイから薄膜状に押し出し、 押し出された溶融樹脂膜を表面処理金 属材料と共に一対のラミネー卜ロール間に通して冷却下に押圧一体化させ、 次い で急冷する。 多層のポリエステル樹脂層を押出コートする場合には、 表層樹脂用 の押出機及び下層樹脂用の押出機を使用し、 各押出機からの樹脂流を多重多層ダ ィ内で合流させ、以後は単層樹脂の場合と同様に押出コートを行えばよし、。また、 一対のラミネートロール間に垂直に表面処理金属材料を通し、 その両側に溶融樹 脂ウエッブを供給することにより、 前記基体両面にポリエステル樹脂の被覆層を 形成させることができる。
樹脂被覆金属材料の押出コ一ト法による製造は具体的には次のように行われる。 表面処理金属材料 (以下単に金属板とも呼ぶことがある) を必要により加熱装置 により予備加熱し、 一対のラミネートロール間のニップ位置に供給する。 一方、 ポリエステル樹脂は、 押出機のダイヘッ ドを通して薄膜の形に押し出し、 ラミネ 一卜ロールと金属板との間に供給され、 ラミネートロールにより金属板に圧着さ れる。 ラミネートロールは、 一定の温度に保持されており、 金属板にポリエステ ル等の熱可塑性樹脂から成る薄膜を圧着して両者を熱接着させると共に両側から 冷却して樹脂被覆金属材料を得る。 一般に、 形成される樹脂被覆金属材料を更に 冷却用水槽等に導いて、 熱結晶化を防止するため、 急冷を行う。
この押出コート法では、樹脂組成の選択とロールや冷却槽による急冷とによリ、 ポリエステル樹脂層は、 結晶化度が低いレベル、 非晶密度との差が 0 . 0 5 g Z c m 3以下に抑制されているため、 ついで行う製缶加工や蓋加工等に対する十分 な加工性が保証される。 勿論、 急冷操作は上記例に限定されるものではなく、 形 成される樹脂被覆金属材料に冷却水を噴霧して、 ラミネート板を急冷することも できる。
金属板に対するポリエステル樹脂の熱接着は、 溶融樹脂層が有する熱量と、 金 属板が有する熱量とにより行われる。金属板の加熱温度 ( T 1 ) は、一般に 9 0 °C 〜 2 9 0 °C、 特に 1 0 0 °C〜 2 8 0 °Cの温度が適当であリ、 一方ラミネートロー ルの温度は 1 0 °C〜 1 5 0 °Cの範囲が適当である。
また、 本発明の樹脂被覆金属材料は、 T一ダイ法やインフレーション製膜法で 予め製膜されたポリエステル樹脂フイルムを金属板に熱接着させることによって も製造することができる。 フィルムとしては、 押し出したフィルムを急冷した、 キャス ト成形法による未延伸フィルムを用いることもでき、 また、 このフィルム を延伸温度で、 逐次或いは同時二軸延伸し、 延伸後のフィルムを熱固定すること により製造された二軸延伸フィルムを用いることもできる。
本発明においては、 上記層構成以外にも種々の構成を採用することができ、 有 機表面処理層を形成する場合は特に必要ないが、 表面処理金属材料とポリエステ ル層の間に、 従来公知の接着用プライマーを設けることも勿論可能である。 この 接着プライマーは、 金属素材とフィルムとの両方に優れた接着性を示すものであ る。 密着性と耐腐食性とに優れたプライマー塗料としては、 種々のフヱノールと ホルムアルデヒ ドから誘導されるレゾール型フ Iノールアルデヒ ド樹脂と、 ビス フエノール型エポキシ樹脂とから成るフ Iノールエポキシ系塗料であり、 特にフ ェノール樹脂とエポキシ樹脂を 5 0 : 5 0〜 1 : 9 9の重量比、 特に 4 0 : 6 0 ~ 5 : 9 5の重量比で含有する塗料である。 接着プライマー層は一般に 0 . 0 1 ~ 1 0 i mの厚みに設けるのがよい。 接着プライマー層は予め金属素材上に設け てもよく、 或いはポリエステルフィルムに設けてもよい。
(金属缶及びその製法)
本発明の金属缶は、 前述した樹脂被覆金属材料から形成されている限り、 任意 の製缶法によるものでよい。 この金属缶は、 側面継ぎ目を有するスリーピース缶 であることもできるが、 一般にシームレス缶 (ツーピース缶) であることが好ま しい。 このシームレス缶は、 表面処理金属材料のポリエステル樹脂の被覆面が缶 内面側となるように、 絞り · 再しぼり加工、 絞り ■ 再絞りによる曲げ伸ばし加工
(ス トレッチ加工) 、 絞り ■ 再絞りによる曲げ伸ばし ■ しごき加工或いは絞り ■ しごき加工等の従来公知の手段に付すことによって製造される。 また、 このシー ムレス缶は、 ネック成形後蓋を巻き締めて使用するツーピース缶であっても良い し、 多段ネック加工 ■ ネジ加工後、 キヤッビングを行って使用するボトルタイプ の缶であっても良い。 また、 ボトルタイプの缶の場合には、 底部にシェル蓋が巻 き締められ、 缶上部にキヤッビングが行われているスリーピースタイプの缶であ つても良い。
本発明の金属缶の一例であるシームレス缶を示す図 1 4において、 このシー厶 レス缶 1 1 1 は、 前述した樹脂被覆金属材料の絞り · しごき成形で形成されてお リ、 底部 1 1 2と胴部 1 1 3とを備えている。 底部 1 1 2と胴部 1 1 3とは継ぎ 目なしに接続されている。 底部 1 1 2は、 その中心部において、 用いた樹脂被覆 金属材料と実質上同一の厚み構成を有しているが、 胴部 1 1 3の少なくとも一部 は元板厚の 3 0 % ~ 7 0 %まで薄肉化加工されている。 胴部 1 1 3の上部には、 一段或いは多段のネック部 1 1 4を介して、 缶蓋との巻締用のフランジ部 1 1 5 が形成されている。
このシームレス缶の製造は、 既に述べたとおり、 絞り加工としごき加工とによ リ行われるが、 この方法としては、 絞り加工としごき加工とは、 ワンストローク で同時に行ってもよいし、 また別のス 卜ロークで別に行ってもよい。
例えば、 シームレス缶の好適な製造法では、 樹脂被覆金属材料を円形にせん断 し、 これを絞リダイスと絞リポンチの組み合わせを用いて、 絞り加工により浅紋 リカップを作り、 ついで同一金型中で絞りながらしごきを行う同時絞り しごき加 ェを複数回繰り返して径が小さくハイ 卜の大きいカツプに成形する。 この成形法 では、 薄肉化のための変形が、 缶軸方向 (高さ方向) の荷重による変形 (曲げ伸 ばし) と缶厚み方向の荷重による変形 (しごき) との組み合わせでしかもこの順 序に行われ、 これにより、 缶軸方向への分子配向が有効に付与されるという利点 がある。 その後、 ドーミング成形、 加工により生じる被覆樹脂の残留歪みの除去 を目的とした熱処理、 続いて開口端部のトリミング加工、 曲面印刷、 ネックイン 加工、 フランジ加工を行って缶を作成する。
勿論、 本発明の金属缶の製造には、 公知の製缶法を適用することができ、 例え ば特開平 4一 2 3 1 1 2 0号公報に記載された絞り ■ しごき成形法や、 特開平 9 - 2 5 3 7 7 2号公報に記載された同時絞り ■ しごき成形法を適用することがで さる。
(缶蓋及びその製法)
本発明の缶蓋は、 上述した樹脂被覆金属材料から形成されている限り、 従来公 知の任意の製蓋法によるものでよい。 一般には、 スティ · オン ' タブタイプのィ ージーオープン缶蓋やフルオープンタイプのイージーオープン缶蓋に適用するこ とができる。
本発明のイージーオープン缶蓋の上面を示す図 1 5及び断面を拡大して示す図 1 6において、 この蓋 6 0は、 前述した樹脂被覆金属材料から形成されており、 缶胴側面内面に嵌合されるべき環状リム部 (カウンターシンク) 6 1 を介して外 周側に密封用溝 6 2を備えており、 この環状リム部 6 1 の内側には開口すべき部 分 6 3を区画する全周にわたリ形成されたスコア 6 4が設けられている。 この開 口すべき部分 6 3の内部には、 大略中央部を押入して形成した略半円状の凹部パ ネル 6 5と凹部パネル 6 5の周囲に蓋材を突出させて形成したディンプル 6 6と 蓋材を缶蓋外面側に突出させて形成したリベッ ト 6 7とが形成され、 開口用タブ 6 8がこのリベッ ト 6 7のリベッ ト打ちにより固定されている。 開口用タブ 6 8 は、 一端に押し裂きによる開口用先端 6 9及び他端に保持用リング 7 0を有して いる。 リベッ ト 6 7の近傍において、 スコア 6 4と反対側には、 スコア 6 4とは 不連続に並設された破断開始用スコア 7 1 が形成されている。
開口に際しては、 開口用タブ 6 8のリング 7 0を保持して、 これを上方に持上 げる。 これによリ破断開始用スコア 7 1 が破断されて、 開口用タブ 6 8の開口用 先端 6 9が比較的大きく下方に押込まれ、 スコア 6 4の一部が剪断開始される。 次いで、 リング 7 0を上方に引張ることにより、 スコア 6 4の残留部が全周に わたリ破断されて開口が容易に行われる。
上記具体例の蓋は、 いわゆるフルオープンタイプであるが、 勿論、 スティ ' ォ ン ■ タブタイプのイージーオープン蓋にも適用可能である。
イージーオープン缶蓋の好適な製造方法では、 樹脂被覆金属材料をプレス成形 工程で円形に打抜く と共に蓋の形にし、 密封用溝へのコンパゥンドのライニング 及び乾燥によるライニング工程を経て、 スコア刻設工程で蓋の外面側から金属素 材の途中に達するようにスコアの刻設を行い、 ついでリベッ ト形成、 リベッ トに タブを取付け後、 リベッ トを錤打することによるタブ取付けを行い、 イージーォ 一プン缶蓋を作成する。 イージーオープン缶蓋の適当な例は、 例えば特開 2 0 0 0 - 1 2 8 1 6 8号公報に記載されている。 実施例
次に実施例と比較例とを示して本発明を具体的に説明し、効果を明らかにする。 金属容器は、 表面処理金属材料又は樹脂被覆金属材料の加工性、 耐食性の点で 最も厳しい環境下におかれているので、 実施例は金属缶および缶蓋で示すが、 も ちろん、 本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
[処理浴の調製]
チタンイオン、 ジルコニウムイオンおよびフッ素イオンの濃度がそれぞれ、 T i 、 Z rおよび Fとして表 2に示すモル濃度の水溶液となるよう調整し、 処理浴 とした。 但し、 チタン薬剤として処理浴 A, B, C, Dにはチタンフッ化力リウ ム、 処理浴 E, Fにはシユウ酸チタンカリウム二水和物を用い、 ジルコニウム薬 剤として、 処理浴 B, C, Dにフッ化ジルコニウムカリウムを用いた。
[ポリエステルフィルムの作製]
2台の押出機から 2層 Tダイを介して表 3に示す組成のポリエステル樹脂を溶 融押出し後、 冷却ロールにて冷却して得られたフィルムを巻き取り、 表 4に示す 構成のキャストフィルム ( a ) , ( b ) , ( c ) , ( d ) , ( e ) , ( f ) , ( g ) を得た。
[表面原子比の測定]
表面原子比の測定に当たリ、 シランカツプリング剤処理やフエノール系有機化 合物処理などの有機処理を無機表面処理後に行なった場合、 有機処理を行なう前 の、 無機表面処理金属板を測定に用いた。 無機表面処理後の金属材料を X線光電 子分光装置 ( X P S ) により下記条件で、 P2p, Ols, F Is, T i 3d, Z r 3d, A I 2pのピークをそれぞれ測定し、 解析ソフ トにより求めた原子濃度から (P或 いは P + S ) ZM, O/M, F/Mの原子比 (但し、 Mは T i , Z r , A I の少 なくとも 1種以上を含む) を求めた。 但し、 シリカ分散試料では、 最表面に緻密 なシリカ膜が形成されるため、 OZMを求めるに当たっては、 S i 2pのピークも 同時に測定しておき、 S i の原子濃度から S i O 2に相当する Oの濃度を求め、 全体から S i 02分を除外した各元素の原子濃度を再計算し、 O/Mの原子比を 求めた。 また、 基材表面に含まれる主要元素、 例えばアルミ合金基材の場合、 A
I 2pも P2p, Ols, F Is, T i 3d, Z r 3d, S i 2pと同時に測定しておき、 Cls が原子濃度で 1 00/0以下となるまで A スパッタ リングによリ汚染層を軽く除去 した時点での原子濃度を利用した。 また、 表面露出率については、 例えば基板金 属が錫めつき鋼板である場合には、 C1S, P2p, Ols, Fls, S 1s, A I 2p, T i 3d, Z r 3d, S n3d5, F e 2pなど表面に存在する主要元素のピークをそれぞれ 測定し、 解析ソフ トによリ求めた錫の原子濃度を表面露出率とした。
装 置 P H I社製 Quantum 2000
励起 X線源 A I モノクロメーター 7 5W— 1 7 k V
測定径 0 1 00 m
光電子取り出し角 90。 (試料の法線に対し 0° )
解析ソフ 卜 ; M u I t i P a k
[接着性評価]
表面処理金属材料を 5 mm幅で 80 mm長さに短冊状に切断し、 表 4の ( c ) に示すキャストフィルムを 5 mm幅で 8 0 m m長さに短冊状に切段した。 得られ た 2枚の表面処理短冊切片間に上記ポリエステルフィルム切片を挟み、 2. O k gZ c m2の圧力下で 2 50°C 3秒間加熱して Tピール試験片とした。 その後、 1 1 0°C 60分間のレトルト処理を行い、 終了後すぐに水中に浸潰し、 引張試験 機による測定直前に水中から引き上げて、 引張速度 1 OmmZ分で接着強度を測 定した。
(実施例 1 )
1. 表面処理金属板の作成
金属板として厚み 0. 2 5 mmの J I S 502 1 H 1 8アルミ合金板を用い、 脱脂剤 3 2 2 N 8 (日本ペイント社製) を用いて、 定法により、 7 0°Cの浴中で 1 0秒間処理し、水洗後、 40°Cの 1 %硫酸中に 5秒間浸潰し、水洗、純水洗し、 前処理を行った。 ついで、 浴温 45 °Cの表 2の Aに示す処理浴中で、 攪拌を行い ながら、 極間距離 1 7 mmの位置に配置した酸化イリジウム被覆チタン板を陽極 として、 電流密度 1 0 AZ d m2で、 0. 4秒通電ー 0. 6秒停止を 4回繰り返 して断続的に陰極電解を行い、 その後すぐに、 流水による水洗、 純水洗、 乾燥の 後処理を行って表面処理アルミニウム板を得た。
2. 樹脂被覆金属板の作成 得られた表面処理金属板を用いて、 以下の方法で製蓋用の樹脂被覆金属板を作 成した。まず、予め板温度 2 5 0°Cに加熱しておいた表面処理金属板の片面上に、 表 4の ( b ) のキャストフィルムの下層側が接するようにラミネートロールを介 して熱圧着後、直ちに水冷することにより、片面にフィルムをコーティングした。 次に、 蓋外面側となる、 金属板のもう一方の片面にエポキシアクリル系塗料を口 ールコートにより塗装し、 1 8 5 °C 1 0分間加熱の焼付け処理を行った。
3. 表面処理金属板の評価
得られた表面処理金属板の一部は、 T i , Z rなどの重量膜厚測定、 表面原子 比測定、 接着性評価に供した。 結果を表 5に示した。
表中、 接着性の評価は、 引張試験機により試験片を 1 O mm以上剥離した後の 最大引張強度が、 0. 6 k g 5 mm以上のものを◎、 0. 3 k g Z 5 mm以上 0. 6 k g Z 5 mm未満のものを〇、 0. 3 k g Z 5 mm未満のものを xとした。
4. 缶蓋の開口性評価
得られた樹脂被覆金属板を用いて、 定法によリ 3 0 1 径のフルオープン缶蓋を 作製後、 缶胴に水を充填した缶胴に巻締めた後、 1 1 0°C 6 0分のレトル卜殺菌 処理を行い、冷却後直ちに開口してスコア部周辺開口部の樹脂剥離状態を観察し、 缶蓋の開口性評価を行った。 結果を表 5に示した。
表中、 缶蓋の開口性評価は、 開口部周辺のフエザリングを観察し、 フエザリン グが全く認められないものを ©、 0. 5 mm未満で樹脂の剥離がないものを 0、 フエザリングが 0. 5 mm以上のものを Xとした。
(実施例 2 )
電流密度を 5 A d m2とし、 0. 6秒通電ー 0. 4秒停止を 8回繰り返した 以外は、 実施例 1 と同様に、 表面処理、 樹脂被覆、 製蓋および評価を行った。 (実施例 3 )
処理浴として表 2の Bに示す浴を用いて電流密度を 7 AZ d m2と した以外は、 実施例 1 と同様に、 表面処理、 樹脂被覆、 製蓋および評価を行った。
(実施例 4 ) 処理浴として表 2の Bに示す浴を用いて電流密度を 5 AZ d m2とした以外は. 実施例 1 と同様に、 表面処理、 樹脂被覆、 製蓋および評価を行った。
(実施例 5 )
処理浴として表 2の Cに示す浴を用いて電流密度を 1 4 AZd m2とした以外 は、 実施例 1 と同様に、 表面処理、 樹脂被覆、 製蓋および評価を行った。
(実施例 6 )
処理浴として表 2の Dに示す浴を用いて電流密度を 6 AZ d m2とした以外は. 実施例 1 と同様に、 表面処理、 樹脂被覆、 製蓋および評価を行った。
(実施例 7 )
表 2の Aに示す浴にスノーテックス C (日産化学工業社製) を 60 gZリッ ト ル添加し、 電流密度 5 AZ d m2で、 0. 6秒通電ー 0. 4秒停止を 6回繰り返 した以外は、実施例 1 と同様に、表面処理、樹脂被覆、製蓋および評価を行った。 (実施例 8)
1 . フエノール系水溶性有機化合物を主体とする表面処理剤の作成
フエノール系水溶性有機化合物を主体とする表面処理剤として以下のものを用 いた。
フッ化水素酸 (H F) 0. O l g/リッ トル
7 5 <½リン酸 ( H 3 P O 4) 0. 20 gZリッ トル
20<½ジルコニウムフッ化水素酸 (H 2 Z r F6) 1 . 30 gZリッ トル 下記式 ( I ) の水溶性重合体固形分 0. 40 gZリッ トル 以下に水溶性重合体の一例として用いた下記式 ( I ) を示す。
O H
I
- 0 - C H 2 - ( I )
X
式中、 Xは、 水素原子または下記式 (I I) に示す Z基であり、 Z基がベンゼ ン環 1個あたり 0. 3の割合で導入された反復単位からなる水性フエノール樹脂
Z =- C H 2-N - C H 2 C H 2O H
I
C H 2 C H 2 O H ( Π )
で表される反復単位から成る水溶性重合体。
式中、 Xは、 水素原子または下記式 (Π) に示す Z基であり、 Z基がベンゼン 環 1個あたり 0. 3の割合で導入された反復単位からなる水性フエノール樹脂 で表される反復単位から成る水溶性重合体。
2. 表面処理金属板の作成と評価
実施例 1 と同様にして金属板の前処理を行った後、 上記 1 で作成したフエノー ル系水溶性有機化合物を主体とする表面処理剤を 40°Cで 2 0秒間スプレーした 後水洗、 純水洗した。 その後さらに、 表 2の Aに示す処理浴中で電流密度 5 AZ d m2で 0. 6秒通電ー 0. 4秒停止を 6回繰り返した以外は、 実施例 1 と同様 に、 表面処理、 樹脂被覆、 製蓋および評価を行った。
(実施例 9 )
表 2の Aに示す浴にリン酸ニ水素力リゥムを 0. 002モルノリッ トル添加し、 0. 6秒通電ー 0. 4秒停止を 8回繰り返した以外は実施例 1 と同様に、 表面処 理、 樹脂被覆、 製蓋および評価を行った。
(実施例 1 0)
実施例 7と同様にして金属板に表面処理した後、 さらに、 r-ァミノプロビルト リメ 卜キシシラン (製品名 K BM 903、 信越化学工業社製) の 3%水溶液にデ ィップしロール絞り後 1 2 0°Cで 1分間乾燥して、 無機処理層の上に S i 換算で 5 m gZm 2の膜厚に相当するシランカツプリング剤層を有する表面処理金属板 を得た。 上記以外は、 実施例 1 と同様に、 表面処理、 樹脂被覆、 製蓋および評価 を行った。 但し、 表面原子比の値については、 有機処理を行う前の値を用いた。 (実施例 1 1 )
表 2の Eに示す浴にフッ化ナトリウムを 0. 0 5 m o l Zリツ トル添加し、 電 流密度を 5 A/ d m2で 0. 6秒通電ー 0. 4秒停止を 8回繰り返した以外は、 実施例 1 と同様に、 表面処理、 樹脂被覆、 製蓋および評価を行った。
(比較例 1 )
実施例 1 と同様にして金属板の前処理を行った後、 市販のチタン系化成処理液 (C T-K 37 9 5、日本パーカライジング社製)を用いて定法により浴:を作製し、 液温 40°Cで 1 5秒間スプレー処理し、 その後すぐに、 水洗、 純水洗、 乾燥の後 処理を行い、表面処理アルミニウム板を得た以外は実施例 1 と同様に、樹脂被覆、 製蓋および評価を行った。
(比較例 2 )
処理浴として表 2の Fに示す浴をアンモニアで p H 2. 3に調整し、 攪拌せず に電流密度を 5 A/ d m2で 6 0秒間陰極電解処理した以外は実施例 1 と同様に 表面処理を行った。 得られた被膜を流水で洗浄すると被膜が脱落するため、 電解 後は、 溜まり水に静かに浸した後、 乾燥した。 樹脂被覆、 製蓋および評価につい ても実施例 1 と同様に行った。
(比較例 3 )
表 2の Fに示す浴にフッ化ナ トリウムを 0. 4m o l Zリツ トル添加し、 攪拌 しながら電流密度を 5 AZ d m2で 0. 6秒通電ー 0. 4秒停止を 4回繰り返し た以外は比較例 2と同様に表面処理を行った。 得られた被膜を流水で洗浄すると 被膜が脱落するため、 電解後は、 溜まり水に静かに浸した後、 乾燥した。 樹脂被 覆、 製蓋および評価についても比較例 2と同様に行った。
(比較例 4)
表 2の Aに示す浴にリン酸ニ水素力リウムを 0. 005モル リッ トル添加し、 0. 6秒通電ー 0. 4秒停止を 4回繰り返して陰極電解した以外は実施例 1 と同 様に表面処理、 樹脂被覆、 製蓋および評価を行った。
(比較例 5)
実施例 1 と同様にして金属板に表面処理した後、 さらに、 r-ァミノプロビルト リメ トキシシラン (製品名 K BM 90 3、 信越化学工業社製) の 3 0<½水溶液に ディップしロール絞り後 1 2 0°Cで 1 分間乾燥して、 無機処理層の上に S i 換算 で 5 O m g Zm 2の膜厚に相当するシランカツプリング剤層を有する表面処理金 属板を得た。 上記以外は、 実施例 1 と同様に、 表面処理、 樹脂被覆、 製蓋および 評価を行った。 但し、 表面原子比の値については、 有機処理を行う前の値を用い
(実施例 1 2 )
1 . 表面処理金属板の作成
金属板として厚み 0. 2 6 mmの J I S 3 0 0 4 H 1 9アルミ合金板を用いた 以外は、 実施例 1 と同様に表面処理を行った。
2. 樹脂被覆金属板の作成
得られた表面処理金属板を、 予め板温度 2 5 0°Cに加熱しておき、 金属板の片 面上に表 4の ( b ) のキャス 卜フィルムの下層側が、 缶外面側となるもう一方の 片面上に表 4の ( a ) のキャス トフィルムが、 接して被覆されるように、 ラミネ 一トロールを介して熱圧着後、 直ちに水冷することにより、 樹脂被覆金属板を得
3. 金属缶の作成
得られた樹脂被覆金属板の両面に、 パラフィンワックスを両面に静電塗油後、 直径 1 5 4 mmの円形に打抜き、 定法に従い浅絞りカップを作成した。 ついでこ の絞り力ップを同時絞り しごき加工を 2回繰り返して径が小さくハイ 卜の大きい 力ップに成形した。この様にして得られたカツプの諸特性は以下の通りであった。
力ップ径 6 6 mm,
力ップ高さ 1 2 8 mm、
元板厚に対する缶壁部の厚み 一 6 0 %
このカツプはドーミング成形後、 樹脂フィルムの歪みをとるために 2 2 0°Cで 6 0秒間熱処理を行い、 続いて開口端端部のトリ ミング加工、 曲面印刷、 2 0 6 径へネックイン加工、 フランジ加工、 リフランジ加工を行って 3 5 0 gシームレ ス缶を作成した。 4. 表面処理金属板の評価
得られた表面処理金属板の一部は、 実施例 1 と同様に、 重量膜厚測定、 表面原 子比測定の測定、 接着性評価に供し、 結果を表 5に示した。
5. 金属缶のレトルト密着性評価
リフランジ加工後の缶の開口端よリ 5 mm下部に缶内面側の全周に亘つて素地 に達する傷を入れ、 空缶の状態で 1 2 5 °Cの熱水蒸気中に 30分間保持し、 缶内 面側傷周辺部の被覆樹脂の剥離程度を観察し、 レトルト密着性を評価した。 結果 を表 5に示した。
表中、金属缶のレトル卜密着性評価は、 20缶中剥離した缶が全くない時を◎、 20缶中缶内面側の剥離が無く、 缶外面側の剥離が一部でもある缶が 2缶以内の 時を 0、缶内面側に剥離があるか缶外面側の剥離が 3缶以上ある場合を Xとした。
6. 金属缶の耐食性評価
2 5 °Cでの缶内圧が 3. 5 k gZ c m2となるように炭酸水をパック した金属 缶を 3 7°Cで 1 週間貯蔵後、 缶温を 5°Cに下げた後、 金属缶を正立の状態から、 水平方向に対し 1 5。 傾斜した厚さ 1 0 mmの鋼板上に、 50 c mの高さから落 下させボトムラジアス部を変形させた。 その後、 ボトムラジアス部を含む缶底部 を円周方向に切り出し、 0. 1 %塩化ナトリウム水溶液に 50°Cで 2週間経時後 のボトムラジアス変形部周辺の腐食状態を観察し、 耐食性を評価した。 結果を表 5に示した。 表中、 金属缶の耐食性評価は、 ボトムラジアスの変形部周辺を実体 顕微鏡観察し、 腐食が認められない場合を 0、 少しでも腐食している場合を Xと した。
(実施例 1 3)
処理浴と して表 2の Bに示す浴を用いて電流密度を 7 AZ d m2とした以外は、 実施例 1 2と同様に表面処理、 樹脂被覆、 製缶および評価を行った。
(実施例 1 4)
厚み 0. 26 mmの J I S 3 004 H 1 9アルミ合金板を用いた以外は、 実施 例 8と同様に表面処理を行った後、 実施例 1 2と同様に表面処理、 樹脂被覆、 製 缶および評価を行った。
(実施例 1 5)
実施例 1 と同様にして金属板に表面処理した後、 さらに、 r-ァミノプロピル卜 リメ 卜キシシラン (製品名 K BM 9 03、 信越化学工業社製) の 3 <½水溶液にデ イッブしロール絞り後 1 20°Cで 1分間乾燥して、 無機処理層の上にシランカツ プリング剤層を有する表面処理金属板を得た。 上記以外は、 実施例 1 と同様に、 表面処理、 樹脂被覆、 製蓋および評価を行った。 但し、 表面原子比の値について は、 有機処理を行う前の値を用いた。
(実施例 1 6)
実施例 8で用いたフエノール系水溶性有機化合物を主体とする表面処理剤から フッ化水素酸を除いて、 表面処理剤を作成した。 この表面処理剤中に、 実施例 1 と同様にして表面処理した金属板をディップしロール絞リ後 1 20°Cで 1分間乾 燥して、 無機処理層の上にフエノール系水溶性有機化合物を主体とする有機表面 処理層を有する表面処理金属板を得た。 上記以外は、 実施例 1 と同様に、 表面処 理、 樹脂被覆、 製蓋および評価を行った。 但し、 表面原子比の値については、 有 機処理を行う前の値を用いた。
(比較例 6 )
金属板として厚み 0, 2 6 mmの J I S 3004 H 1 9アルミ合金板を用いた 以外は、 比較例 1 と同様に表面処理を行った。 樹脂被覆、 製缶および評価につい ては実施例 1 2と同様に行った。
(実施例 1 7 )
1 . 表面処理金属板の作成
金属板として厚み 0. 2 2 mm、 調質度 D R 8の冷延鋼板を電解脱脂、 酸洗、 水洗、 純水洗し、 前処理を行った。 ついで、 表 2の Aの処理浴中で電流密度 1 A Z d m2とし 0. 6秒通電ー 0. 4秒停止を 1 2回繰り返して陰極電解した以外 は、 実施例 1 と同様に処理を行った。 続いてさらに、 ァミノプロピルトリメ ト キシシラン (製品名 K BM 9 03、 信越化学工業社製) の 3<½水溶液にディップ しロール絞り後 1 2 0°Cで 1分間乾燥して、 無機処理層の上に S i 換算で 5 m g Zm 2の膜厚に相当するシラン力ップリング剤層を有する表面処理金属板を得た。
2. 樹脂被覆金属板の作成
得られた表面処理金属板を予め板溫度 2 50°Cに加熱しておき、 片面上に表 4 の ( b ) のキャス トフィルムの下層側が接して被覆され、 外面側となるもう一方 の片面上に表 4の ( d) のキャス トフィルムが被覆されるように、 ラミネート口 ールを介して熱圧着後、 直ちに水冷することにより、 樹脂被覆金属板を得た。
3. 缶胴および缶蓋の作成
得られた樹脂被覆金属板に加工用潤滑剤を塗油後、 再絞り加工 (紋リ比 2. 5) を行い、 内径 6 5. 3 mmの缶胴を作成した。 続いて、 樹脂フィルムの歪みをと るために 2 20°Cで 60秒間熱処理を行い、 開口端端部のトリミング加工、 フラ ンジ加工を行って、 高さ 1 0 1 . 1 mm深絞り缶を作成した。 一方、 得られた樹 脂被覆金属板の一部を用いて、 定法により、 2 1 1径のフルオープン蓋に成形し
4. 内容品充填試験
このようにして作成した缶胴および缶蓋を用いて、 缶胴にミー卜ソースを充填 後、 フルオープン蓋を 2重巻締めし、 1 20°C30分のレトルト殺菌処理を行つ
5. 表面処理金属板の評価
得られた表面処理金属板の一部は、 実施例 1 と同様に、 重量膜厚測定、 表面原 子比の測定に供し、 結果を表 6に示した。
6. 容器評価
容器成形後の有機被膜の状態を調べ、 剥離、 穴あき等の異常がないかを観察し た。 また、 内容物充填後、 3 7°Cで 6ヶ月貯蔵後開缶し、 容器内面側の腐食や有 機被膜の浮きなどが発生していないかを調べ、 結果を表 6に示した。
(実施例 1 8)
1 . 表面処理金属板の作成 金属板として厚み 0. 1 7 mm、調質度 D R 8の冷延鋼板を、電解脱脂、酸洗、 水洗、 純水洗し、 前処理を行い、 片面あたりニッケルを 0. 3 g Zm2にめつき した後、 片面あたりすずを 0. 6gZm2にめつきし、 リフロー処理を行って、 二 ッケルーすず一鉄の合金層を形成した。 続いて、 実施例 1 7と同様に、 表 2の A の処理浴中で陰極電解およびシラン力ップリング剤処理を行って、 表面処理金属 板を得た。
2. 樹脂被覆金属板の作成
得られた表面処理金属板を、 エポキシアクリル系水性塗料を用い、 焼付け後の 塗膜厚みが 1 0 mになるように両面にロールコ一卜し、 2 0 0°C 1 0分間の焼 付け処理を行うことにより、 樹脂被覆金属板を得た。
3. 缶胴および缶蓋の作成
得られた樹脂被覆金属板に加工用潤滑剤を塗油後、 絞り加工 (絞り比 1 . 3 ) を行い、 内径 8 3. 3 mmの缶胴を作成した。 続いて、 開口端端部のトリミング 加工、 フランジ加工を行って、 高さ 4 5. 5 mmの絞り缶を作成した。 一方、 得 られた樹脂被覆金属板の一部を用いて、 定法により、 3 0 7径のフルオープン蓋 に成形した。
4. 内容品充填試験
このようにして作成した缶胴および缶蓋を用いて、缶胴にツナ油漬けを充填後、 フルオープン蓋を 2重巻締めし、 1 1 5 °C 6 0分のレ トル ト殺菌処理を行った。
5. 表面処理金属板の評価
実施例 1 7と同様に、 重量膜厚測定、 表面原子比の測定を実施した。
6. 容器評価
開缶後硫化変色の有無を調べた以外は、 実施例 1 7と同様に容器評価を実施し
(実施例 1 9 )
1. 表面処理金属板の作成
金属板として厚み 0. 2 2 mm、 調質度 T 4の冷延鋼板を、 電解脱脂、 酸 水洗、 純水洗し、 前処理を行い、 片面あたりすずを 2. O g Zm2にめつき後、 リフロー処理を行い、 続いて、 表 2の Aの処理浴中で電流密度 0. 6 AZ d rr>2 とし 0. 6秒通電ー 0. 4秒停止を 8回繰り返して陰極電解した以外は、 実施例 1 と同様に陰極電解処理を行って、 缶胴用表面処理金属板を得た。
一方、 0. 2 1 mmの調質度 T 4の冷延鋼板についても、上記と同様に処理し、 缶蓋用表面処理金属板を得た。
2. 樹脂被覆金属板、 缶胴および缶蓋の作成
缶胴用表面処理金属板を用いて、 エポキシァクリル系水性塗料を缶胴の継目部 分にあたる場所を除いて、 焼付け後の膜厚が内面側 5 m、 外面側 3 i mになる ようにマージン塗装し、 200°Cの熱風乾燥炉中で 1 0分間焼付け硬化させて樹 脂被覆金属板を得た。 作成した樹脂被覆金属板をブランク状に切断し、 そのブラ ンクを線電極を用いた市販の電気抵抗溶接機にて円筒状にて溶接し、 次に、 缶胴 の溶接継ぎ目部の内外面側に溶剤型エポキシユリァ系補修塗料を乾燥塗膜厚みが
40 i rr>になるようにスプレー塗装した後 250 °Cの熱風乾燥炉中で 3分間焼付 け、 継ぎ目部分を被覆して溶接缶胴 (缶径 6 5. 4 mm, 缶胴高さ 1 2 2 mm) を作成した。
一方、 缶蓋用表面処理金属板に、 エポキシアクリル系水性塗料を、 焼付け後の 塗膜厚みが 1 0 mになるように両面にロールコー卜し、 200°C 1 0分間の焼 付け処理を行った後、 定法により、 209径のシ Iル蓋に成形した。
缶胴の一方の開口端を、 フランジ加工、 ネックイン加工し、 前記 2 09径の蓋 を巻締めた後、 もう一方の開口端を トリプルネックイン、 フランジ加工した。
3. 内容品充填試験
50°Cでコーヒー飲料を充填した後、 市販の 206径アルミ S O T蓋を 2重卷 締めし、 1 25 °C 2 5分のレトルト殺菌処理を行った。
4. 表面処理金属板の評価
実施例 1 7と同様に、 重量膜厚測定、 表面原子比の測定を実施した。
5. 容器評価 開缶後の鉄溶出量も測定した以外は、実施例 1 7と同様に容器評価を実施した。 (実施例 2 0)
1 . 表面処理金属板の作成
金属板として厚み 0. 2 2 mm、 調質度 T 4の冷延鋼板を、 電解脱脂、 酸洗、 水洗、 純水洗し、 前処理を行い、 片面あたりニッケルを 0. 0 3 g Zm2にめつ きした後、 片面あたりすずを 1 . 3 gZm2にめつき後、 リフ口一処理を行い、 続 いて、 実施例 1 9と同様に、 表 2の Aの処理浴中で陰極電解処理を行って缶胴用 表面処理金属板を得た。
一方、 0. 2 1 の調質度丁 4の冷延鋼板についても、上記と同様に処理し、 缶蓋用表面処理金属板を得た。
2. 樹脂被覆金属板、 缶胴および缶蓋の作成
缶胴用表面処理金属板を用いて、 エポキシフエノール溶剤型塗料を缶胴の継目 部分にあたる場所を除いて、 焼付け後の膜厚が内面側 5 m、 外面側 3 mにな るようにマージン塗装し、 2 0 0°Cの熱風乾燥炉中で 1 0分間焼付け硬化させて 樹脂被覆金属板を得た。 作成した樹脂被覆金属板をブランク状に切断し、 そのブ ランクを線電極を用いた市販の電気抵抗溶接機にて円筒状にて溶接し、 次に、 缶 胴の溶接継ぎ目部の内外面側に溶剤型エポキシユリァ系補修塗料を乾燥塗膜厚み が 4 0 mになるようにスプレー塗装した後 2 5 0°Cの熱風乾燥炉中で 3分間焼 付け、 継ぎ目部分を被覆して溶接缶胴 (缶径 6 5. 4 mm, 缶胴高さ 1 2 2 mm) を作成した。
一方、 缶蓋用表面処理金属板に、 エポキシフエノール溶剤型塗料を、 焼付け後 の塗膜厚みが 1 0 μ mになるように両面にロールコー卜し、 2 0 0 °C 1 0分間の 焼付け処理を行った後、 定法により、 2 0 9径のシヱル蓋に成形した。
缶胴の一方の開口端を、 フランジ加工、 ネックイン加工し、 前記 2 0 9径の蓋 を卷締めた後、 もう一方の開口端をトリプルネックイン、 フランジ加工した。
3. 内容品充填試験
9 3°Cでオレンジジュースをホッ 卜パックした後、 市販の 2 0 6径アルミ S O 丁蓋を 2重巻締めて密封した。
4. 表面処理金属板の評価
実施例 1 7と同様に、 重量膜厚測定、 表面原子比の測定を実施した。
5. 容器評価
実施例 1 9と同様に容器評価を実施した。
(実施例 2 1 )
1 . 表面処理金属板の作成
金属板として厚み 0. 1 9 5 mm、調質度 T 3の冷延鋼板を、電解脱脂、酸洗、 水洗、 純水洗し、 前処理を行い、 片面あたりすずを 1 . O g Zm2にめつきした 後、続いて、実施例 1 9と同様に、表 2の Aの処理浴中で陰極電解処理を行って、 缶胴用表面処理金属板を得た。
一方、 金属板として厚み 0. 28 5 mmの J I S 5 1 8 2 H 1 9アルミ合金板 を用いて表 2の Aの処理浴中で電流密度を 5 AZ d m2とし、 0、 6秒通電一 0. 4秒停止を 8回繰り返して陰極電解した以外は、 実施例 1 と同様にして缶蓋用表 面処理金属板を得た。
2. 樹脂被覆金属板の作成
得られた缶胴用および缶蓋用表面処理金属板を予め板温度 250°Cに加熱して おき、 片面上に表 4の ( e ) のキャス トフイルムの下層側が接して被覆され、 外 面側となるもう一方の片面上に表 4の ( d ) のキャストフィルムが被覆されるよ うに、 ラミネートロールを介して熱圧着後、 直ちに水冷することにより、 樹脂被 覆金属板を得た。
3. 缶胴および缶蓋の作成
缶胴用樹脂被覆金属板の両面にパラフィンワックスを静電塗油後、 直径 1 40 mmの円形に打抜き、 定法に従い浅絞りカップを作成した。 ついでこの絞りカツ プを再紋リ ■ しごき加工を 2回繰り返して径が小さくハイ 卜の大きい、 深紋リー しごきカップを得た。 この様にして得られたカツプの諸特性は以下の通リであつ 力力ッッププ径径 55 22 mmmm、、
力力ッッププ高高ささ 11 3388 mm mm、、
元元板板厚厚にに対対すするる缶缶壁壁部部のの厚厚みみ 一一 5500%%
ここのの力力ッッププははドドーーミミンンググ成成形形後後、、 樹樹脂脂フフィィルルムムのの歪歪みみををととるるたためめにに 22 22 00°°CCでで 66 00秒秒間間熱熱処処理理をを行行いい、、 続続いいてて開開口口端端端端部部ののトトリリミミンンググ加加工工、、 曲曲面面印印刷刷、、 22 0000 径径へへネネッッケケイインン加加工工、、 フフラランンジジ加加工工、、 リリフフラランンジジ加加工工をを行行っってて 22 5500 ggシシーームムレレ スス缶缶をを作作成成ししたた。。
ままたた、、缶缶蓋蓋用用樹樹脂脂被被覆覆金金属属板板かからら定定法法にに従従いい、、 220000径径のの SS OO TT蓋蓋をを作作成成ししたた。。
44.. 内内容容品品充充填填試試験験
前前記記 22 55 OO gg缶缶にに 55 °°CCででココーーララををココーールルドドパパッッククしし、、 直直ちちにに、、 前前記記 SS OO TT蓋蓋をを 22重重卷卷締締めめししてて密密封封ししたた。。
55.. 表表面面処処理理金金属属板板のの評評価価
実実施施例例 11 77とと同同様様にに、、 重重量量膜膜厚厚測測定定、、 表表面面原原子子比比のの測測定定をを実実施施ししたた。。
66.. 容容器器評評価価
実実施施例例 11 99とと同同様様にに容容器器評評価価をを実実施施ししたた。。
((実実施施例例 22 22))
11 .. 表表面面処処理理金金属属板板おおよよびび樹樹脂脂被被覆覆金金属属板板のの作作成成
缶缶胴胴用用金金属属板板ととししてて厚厚みみ 00.. 2288 mmmmのの JJ II SS 33000044 HH 11 99アアルルミミ合合金金板板をを、、 缶缶蓋蓋用用金金属属板板ととししてて厚厚みみ 00.. 22 55mmmmのの JJ II SS 55 11 8822 HH 11 99アアルルミミ合合金金板板をを用用 いいてて、、 両両面面にに表表 44のの (( aa )) ののキキャャスス トトフフィィルルムムをを被被覆覆ししたた以以外外はは、、 実実施施例例 22とと同同 様様ににししてて、、 前前処処理理、、 表表面面処処理理、、 樹樹脂脂被被覆覆をを行行っったた。。
得得らられれたた缶缶胴胴用用樹樹脂脂被被覆覆金金属属板板のの両両面面にに、、 パパララフフィィンンワワッッククススをを両両面面にに静静電電塗塗 油油後後、、 直直径径 11 66 66 mmmmのの円円形形にに打打抜抜きき、、 定定法法にに従従いい、、 浅浅絞絞りりカカッッププをを作作成成ししたた。。 次次いいでで、、 ここのの浅浅絞絞りりカカッッププをを、、 再再絞絞リリーーししごごきき加加工工をを行行いい、、 深深絞絞リリーーししごごきき加加工工 にによよりり缶缶体体をを得得たた。。 ここのの様様ににししてて得得らられれたた缶缶体体のの諸諸特特性性はは以以下下のの通通りりででああっったた。。
体体径径 oo 66 mmmm、、
Figure imgf000063_0001
元板厚に対する缶壁部の厚み 一 6 3 <½
この缶体を、 定法に従い、 ドーミング成形後、 樹脂フィルムの歪みをとるため に 2 2 0°Cで 60秒間熱処理を行い、 続いて開口端端部のトリミング加工、 曲面 印刷、 20 6径へネックイン加工、 フランジ加工、 リフランジ加工を行って 3 5 0 gシームレス缶を作成した。 一方、 缶蓋用樹脂被覆金属板から定法に従い、 2 06径の S O T蓋を作成した。
2. 内容品充填試験
前記 3 50 g缶に 5 °Cでビールをコールドパック後、 前記 S O T蓋を 2重巻締 めして密封した。
3. 表面処理金属板の評価
実施例 1 7と同様に、 重量膜厚測定、 表面原子比の測定を実施した。
4. 容器評価
開缶後のアルミ溶出量も測定した以外は、 実施例 1 7と同様に容器評価を実施 した。
一 ε9—
Figure imgf000065_0001
..8llO/SOOZdf/X3d T66CZl/S00Z OAV 表 3 ポリエステル成分 アイオノマー トコフェロール 2酸化チタン 共重合 含有量 . 含有量 含有量 共重合 含有量 割合
成分 (重量%) (重量%) (重量%)
(mol%) (重量%)
A イソフタレ酸 12 100 一 - -
B イソフタレ酸 5 100 - - ―
C イソフタル酸 5 84 15 1 -
D イソフタル酸 12 75 -. - 25
Ξ イソフタ Jレ酸 1 5 84 15 1 -
F • イソフタル酸 1 5 100 ― 一 ―
表 4 表 層 下 層 樹脂組成 厚 み 樹脂組成 βρ- み
(M m) 、μ m)
(a) A 12 ― ―
(b) B 5 C 25
(c) C 30 ― ―
(d) A 5 D 10
(e) B 5 E 25
(f ) B 5 E 10
(g) B 5 F 10
表 5
表面処理金属板評価 容器評価 重量膜厚 mgZm2 表面原子比
Si表面 接着 缶
Τί Zr Si C 被覆率 性 開口性 密着性 耐食性 実施例 1 23 - 一 ― 2.68 . 0.23 0.00 一 〇 〇 - 一 実施例 2 65 一 ― 一 2.37 0.36 0.00 ― 〇 〇 - ― 実施例 3 15 54 - 一 2.37 0.37 0.00 一 © 一 - 実施例 4 14 59 ― 2.72 0.44 0.00 ― ◎ 一 ― 実施例 5 36 49 一 一 2.76 0.47 0.00 一 ◎ 一 ― 実施例 6 18 7 一 一 2.65 0.35 0.00 一 ◎ ◎ - 一 実施例 7 42 —― 33 - 2.63 0.60 0.00 20 〇 〇 一 一 実施例 8 43 10 一 20 3.05 0.46 0.14 ◎ - ■ - 実施例 9 52 一 - 一 3.80 0.72 0.20 一 〇 〇 - ■ - 実施例 1 0 40 ― 38 2.72 0.60 0.00 20 ◎ 一 一 実施例 1 1 78 ― 一 一 3.90 0.70 0.00 ― 〇 一 〇 ό 実施例 1 2 27 一 一 ― 2.75 0.27 0.00 ― 〇 一 〇 〇 荑 ffi«1 3 17 48 ― 一 2.42 0.38 0.00 一 〇 一 〇 〇 実施例 1 4 51 8 —— 20 3.12 0.49 0.12 一 〇 一 〇 〇 実施例 1 5 22 一 5 一 2.68 0.23 0.00 一 ◎ 一 © 〇 実施例 1 6 20 ― 一 15 2.68 0.23 0.00 一 ◎ ― ◎ 〇 比較例 1 14 - 一 一 12.3 0.42 1.20 一 X X 一 一 比較例 2 342 一 一 一 19.0 0.00 0.00 ― X X 一 ― 比較例 3 28 一 一 ― 125 18.5 0.00 一 X X 一 ― 比較例 4 38 一 — 一 4.52 1.48 1.20 一 X X 一 一 比較例 5 25 ― - 50 一 2.68 0.23 0.00 一 X X ,― ― 比較例 6 17 ―■ ― 一 1 1.2 0.38 1.23 一 X 一 X X
表 6
表面処理金属板評価 容器 容器性能評価
成形性
Ti重量 表面原子比 容器内面状態
膜厚 金属 用途
Figure imgf000069_0001
有機被膜 容器内面 溶出量
F/Ti P/Ti 有機被膜
mg/m- の状態 状態 の状態 PPm
変色 缶胴 · .
実施例 17 35 1.7 1.2 0 異常なし 異常なし
缶蓋用 異常なし - - 缶胴 ·
実施例 18 33 2.1 0.7 0 異常なし 異常なし
缶盖用 異常なし 異常なし - 缶胴用 24 2.3 0.6 0
実施例 1 9 異常なし 異常なし 異常なし - 0.00
缶盖用 26 2.8 0.6 0
缶胴用 26 2.7 0.7 0
実施例 20 異常なし 異常なし 異常なし 一 0.12
缶盖用 28 2.6 0.6 0
缶胴用 28 2.9 0.5 0
実施例 21 異常なし 異常なし 異常なし - 0.03
缶蓋用 63 2.4 0.4 0
缶胴用 58 2.4 0.5 0
実施例 22 異常なし 異常なし 異常なし - 0.00
缶蓋用 52 2.5 0.6 0
[処理浴の調製]
ジルコニウムイオンおよびフッ素イオンの濃度がそれぞれ、 Z rおよび Fとし て表 7に示すモル濃度の水溶液となるよう調整し、 処理浴とした。 但し、 ジルコ ニゥム薬剤として、 処理浴 G, Hにフッ化ジルコニウムカリウム、 処理浴 I , J にォキシ硝酸ジルコニウム、 処理浴 Kにフッ化ジルコニウムアンモニゥムを用い た。 また、 フッ素薬剤として、 処理浴 Hの一部と処理浴 I , Jの全部にフッ化ナ 卜リウ厶を用いた。
[フヱノール系水溶性有機化合物]
フエノール系水溶性有機化合物としては、 上記式 ( I ) の水溶性重合体を用い
[ポリエステルフィルムの作製]
2台の押出機から 2層 Tダイを介して表 3に示す組成のポリエステル樹脂を溶 融押出し後、 冷却ロールにて冷却して得られたフィルムを巻き取り、 表 4に示す 構成のキャストフィルムを得た。
表面処理金属材料を 5 mm幅で 8 0 mm長さに短冊状に切断し、 表 4の ( c ) に示すキャス トフィルムを 5 mm幅で 80 m m長さに短冊状に切段した。 得られ た 2枚の表面処理短冊切片間に上記ポリエステルフィルム切片を挟み、 2. O k g c m2の圧力下で 2 50°C 3秒間加熱して Tピール試験片とした。 その後、 1 1 0°C 60分間のレトルト処理を行ない、 終了後すぐに水中に浸潰し、 引張試 験機による測定直前に水中から引き上げて、 引張速度 1 OmmZ分で接着強度を 測定した。
(実施例 2 3)
1 . 表面処理金属板の作成
金属板として厚み 0. 2 5 mmの J I S 502 1 H 1 8アルミ合金板を用い、 脱脂剤 3 2 2 N 8 (日本ペイント社製) を用いて、 定法により、 70°Cの浴中で
1 0秒間処理し、水洗後、 40°Cの 1 Oύ硫酸中に 5秒間浸潰し、水洗、純水洗し、 前処理を行なった。 ついで、 浴温 45°Cの表 7の Gに示す処理浴中で、 攪拌を行 ないながら、 極間距離 1 7 mmの位置に配置した酸化イリジウム被覆チタン板を 陽極として、 電流密度 5 AZ d m2で、 0. 6秒通電ー 0. 4秒停止を 3回繰り 返して断続的に陰極電解を行ない、 その後すぐに、 流水による水洗、 純水洗、 乾 燥の後処理を行なった。 引き続いて、 -ァミノプロピルトリメ トキシシラン (製 品名 K BM 9 0 3、 信越化学工業社製) の 30/0水溶液にディップしロール絞り後 1 2 0°Cで 1分間乾燥して、 無機処理層の上にシランカップリング剤層を有する 表面処理金属板を得た。
2. 樹脂被覆金属板の作成
得られた表面処理金属板を用いて、 以下の方法で製蓋用の樹脂被覆金属板を作 成した。まず、予め板温度 2 5 0°Cに加熱しておいた表面処理金属板の片面上に、 表 4の ( b ) のキャス卜フィルムの下層側が接するようにラミネートロールを介 して熱圧着後、直ちに水冷することにより、片面にフイルムをコーティングした。 次に、 蓋外面側となる、 金属板のもう一方の片面にエポキシアクリル系塗料を口 ールコートにより塗装し、 1 8 5°C 1 0分間加熱の焼付け処理を行なった。
3. 表面処理金属板の評価
得られた表面処理金属板の一部は、 Z rなどの重量膜厚測定、表面原子比測定、 接着性評価に供した。 結果を表 8に示した。
表中、 接着性の評価は、 引張試験機により試験片を 1 O mm以上剥離した後の 最大引張強度が、 1 . 0 k g 5 mm以上のものを◎、 0. 4 k gZ5 mm以上 1 . 0 k g Z 5 mm未満のものを O、 0. 4 k g Z 5 mm未満のものを Xとした。
4. 缶蓋の開口性評価
得られた樹脂被覆金属板を用いて、 定法によリ 3 0 1径のフルオープン缶蓋を 作製後、 缶胴に水を充填した缶胴に巻締めた後、 1 1 0°C 6 0分のレトルト殺菌 処理を行ない、 冷却後直ちに開口してスコア部周辺開口部の樹脂剥離状態を観察 し、 缶蓋の開口性評価を行なった。 結果を表 8に示した。
表中、 缶蓋の開口性評価は、 開口部周辺のフエザリングを観察し、 フエザリン グが全く認められないものを◎、 0. 5 mm未満で樹脂の剥離がないものを〇、 フエザリングが 0. 5 mm以上のものを Xとした。
(実施例 2 4)
処理浴として表 7の Hに示す浴を用いて電流密度を 7 AZ d m2とし、 0. 6 秒通電ー 0. 4秒停止を 4回繰り返し、 シランカップリング剤処理は行なわなか つた以外は、実施例 2 3と同様にして無機被膜を作成した。その後、前述の式( I ) に示すフヱノール系水溶性重合体固形分の 1 g /リツ トル水溶液にディップし口 一ル絞リ後 1 2 0°Cで 1分間乾燥して、 無機処理層の上にフヱノール系有機表面 処理層を有する表面処理金属板を得た。 樹脂被覆、 製蓋および評価は、 実施例 2 3と同様に行なった。
(実施例 2 5 )
前述の式 ( I ) に示すフヱノール系水溶性重合体固形分 0. 4 g Zリッ トル、 フッ化水素酸 (H F) 0. O l g Zリッ トル、
7 5 %リン酸 ( H 3 P O 4 ) 0. 2 0 g Zリッ トル、
2 00/0ジルコニウムフッ化水素酸 ( H 2 Z r F 6) 1 . 3 g Zリッ トル を含む水溶液を作成して表面処理剤とした。
実施例 2 3と同様にして金属板の前処理を行なった後、 上記表面処理剤を 4 0°Cで 2 0秒間スプレーした後水洗、 純水洗した。 引き続いて、 前処理およびシ ラン力ップリング剤処理を行なわなかった以外は、 実施例 2 3と同様にして無機 表面処理し、 樹脂被覆、 製蓋および評価を行なった。
(実施例 2 6 )
表 7の Gに示す浴にリン酸ニ水素力リウムを 0. 0 0 1 モル Zリッ トル添加し、 電流密度 1 0 AZ d m2で 0. 6秒通電ー 0. 4秒停止を 4回繰り返して無機表 面処理した以外は実施例 2 3と同様に、 シランカップリング剤処理、 樹脂被覆、 製蓋および評価を行なった。
(実施例 2 7 )
処理浴として表 7の Jに示す浴を用いて電流密度 1 O A/ d m2で 0. 6秒通 電一 0. 4秒停止を 4回繰り返して無機表面処理した以外は実施例 2 3と同様に、 シランカップリング剤処理、 樹脂被覆、 製蓋および評価を行なった。
(実施例 2 8)
表 7の Gに示す浴にスノーテックス C (日産化学工業社製) を 60 gZリッ ト ル添加した浴を用いた以外は実施例 2 3と同様に、 無機表面処理、 シランカップ リング剤処理、 樹脂被覆、 製蓋および評価を行なった。
(比較例 7 )
電流密度 2. 5 01 012で 0. 6秒通電ー 0. 4秒停止を 5回繰り返して無 機表面処理し、 シランカップリング剤処理を行なわなかった以外は、 実施例 2 3 と同様に、 無機表面処理、 樹脂被覆、 製蓋および評価を行なった。
(比較例 8 )
実施例 2 3と同様にして金属板の前処理を行なった後、 無機表面処理を行なわ なかった以外は、 実施例 2 3と同様に、 シランカップリング剤処理、 樹脂被覆、 製蓋および評価を行なった。
(比較例 9 )
実施例 2 3と同様にして金属板の前処理を行なった後、 フヱノール系有機表面 処理を行ない、 その後の無機表面処理を行なわなかった以外は、 実施例 2 5と同 様に、 樹脂被覆、 製蓋および評価を行なった。
(比較例 1 0)
実施例 2 3と同様にして金属板の前処理を行なった後、 市販のジルコニウム系 化成処理液 (ァロジン 404、 日本パーカライジング社製) を用いて定法により 浴を作製し、 液温 40°Cで 1 5秒間スプレー処理し、 その後すぐに、 水洗、 純水 洗、 乾燥の後処理を行なった。 引き続いて、 実施例 2 3と同様にシランカツプリ ング剤処理、 樹脂被覆、 製蓋および評価を行なった。
(比較例 1 1 )
市販のジルコニウム系化成処理液 (ァロジン 404、 日本パーカライジング社 製) を用いて 1 8秒間スプレー処理した以外は、 比較例 1 0と同様に前処理およ び無機表面処理を行なった。 引き続いて、 実施例 24と同様にフエノール系有機 表面処理、 樹脂被覆、 製蓋および評価を行なった。
(比較例 1 2)
処理浴として表 7の I に示す浴を用いて、 電流密度 1 0 AZd m2で 0. 6秒 通電ー 0. 4秒停止を 4回繰り返して無機表面処理した以外は実施例 23と同様 に、 シランカップリング剤処理、 樹脂被覆、 製蓋および評価を行なった。 但し、 無檄表面処理により得られた被膜は流水で洗浄すると被膜が脱落するため、 電解 後は、 溜まり水に静かに浸した後、 乾燥した。
(比較例 1 3)
表 7の Gに示す浴にリン酸ニ水素力リウムを 0. 005モル Zリッ トル添加し、 0. 6秒通電ー 0. 4秒停止を 4回繰り返して陰極電解した以外は実施例 2 3と 同様に無機表面処理、 シランカップリング剤処理、 樹脂被覆、 製蓋および評価を 行なった。
(実施例 2 9)
1 - 表面処理金属板および樹脂被覆金属板の作成
金属板として厚み 0. 2 8 mmの J I S 3 1 04 H 1 9アルミ合金板を用いて、 両面に表 4の ( g) と表 4の ( f ) のキャストフィルムの下層側がそれぞれ金属 面と接するように被覆し、 実施例 2 3と同様にして、 前処理、 無機表面処理、 シ ランカップリング剤処理、 樹脂被覆を行なった。
得られた樹脂被覆金属板の両面に、 パラフィンワックスを両面に静電塗油後、 直径 1 6 6 mmの円形に打抜き、 定法に従い、 表 4の ( f ) のフィルムが被覆し てある面が内面側となるように浅絞りカップを作成した。 次いで、 この浅絞リカ ップを、 再絞リーしごき加工を行ない、 深絞リーしごき加工により缶体を得た。 この様にして得られた缶体の諸特性は以下の通りであった。
缶体径 6 6 mmN
体高さ 1 2 8 mm、
元板厚に対する缶壁部の厚み — 6 3 %
この缶体を、 定法に従い、 ドーミング成形後、 樹脂フィルムの歪みをとるため に 2 2 0 °Cで 6 0秒間熱処理を行ない、 続いて開口端端部のトリ ミング加工、 曲 面印刷、 2 0 6径へネックイン加工、 フランジ加工、 リフランジ加工を行なって 3 5 0 gシームレス缶を作成した。
2 . 金属缶のレトルト密着性評価
リフランジ加工後の缶の開口端よリ 5 m m下部に缶内面側および缶外面側の全 周に亘つて素地に達する傷を入れ、 空缶の状態で 1 2 5 °Cの熱水蒸気中に 3 0分 間保持し、 缶内外面側傷周辺部の被覆樹脂の剥離程度を観察し、 レトルト密着性 を評価した。 結果を表 8に示した。
表中、金属缶のレトルト密着性評価は、 2 0缶中剥離した缶が全くない時を◎、 2 0缶中缶内面側の剥離が無く、 缶外面側の剥離が一部でもある缶が 2缶以内の 時を 0、缶内面側に剥離があるか缶外面側の剥離が 3缶以上ある場合を Xとした。
3 . 金属缶の耐食性評価
2 5 °Cでの缶内圧が 3 . 5 k g Z c m 2となるように炭酸水をパック した金属 缶を 3 7 °Cで 1 週間貯蔵後、 缶温を 5 °Cに下げた後、 金属缶を正立の状態から、 水平方向に対し 1 5 ° 傾斜した厚さ 1 0 m mの鋼板上に、 5 0 c mの高さから落 下させボトムラジアス部を変形させた。 その後、 ボトムラジアス部を含む缶底部 を円周方向に切り出し、 0 . 1 %塩化ナトリウム水溶液に 5 0 °Cで 2週間経時後 のボトムラジアス変形部周辺の腐食状態を観察し、 耐食性を評価した。 結果を表 4に示した。 表中、 金属缶の耐食性評価は、 ボトムラジアスの変形部周辺を実体 顕微鏡観察し、 腐食が認められない場合を〇、 少しでも腐食している場合を Xと した。
(実施例 3 0 )
実施例 2 4と同様の表面処理を行なった以外は、 実施例 2 9と同様の樹脂被覆 金属板の作成、 缶のレトルト密着性評価、 耐食性評価を行なった。
(実施例 3 1 )
実施例 2 5と同様の表面処理を行なった以外は、 実施例 2 9と同様の樹脂被覆 金属板の作成、 缶のレトルト密着性評価、 耐食性評価を行なった。 (実施例 3 2)
実施例 2 8と同様の表面処理を行なった以外は、 実施例 2 9と同様の樹脂被覆 金属板の作成、 缶のレ トル ト密着性評価、 耐食性評価を行なった。
(実施例 3 3)
表 7の Gに示す浴にスノーテックス C (日産化学工業社製) を 60 gZリッ ト ル添加した浴を用いて電流密度 1 AZ d m2で 0. 6秒通電ー 0. 4秒停止を 3 回繰り返して無機表面処理し、 有機処理を行なわなかったつた以外は、 実施例 2 9と同様の樹脂被覆金属板の作成、 缶のレトルト密着性評価、 耐食性評価を行な た o
(比較例 1 4)
比較例 7と同様の表面処理を行なった以外は、 実施例 2 9と同様の樹脂被覆金 属板の作成、 缶のレ トル ト密着性評価、 耐食性評価を行なった。
(比較例 1 5)
比較例 8と同様の表面処理を行なった以外は、 実施例 2 9と同様の樹脂被覆金 属板の作成、 缶のレ トル ト密着性評価、 耐食性評価を行なった。
(比較例 1 6)
比較例 9と同様の表面処理を行なった以外は、 実施例 2 9と同様の樹脂被覆金 属板の作成、 缶のレトルト密着性評価、 耐食性評価を行なった。
(実施例 3 4)
1 . 表面処理金属板の作成
金属板として厚み 0. 1 9 5 mm、調質度 T 3の冷延鋼板を、電解脱脂、酸洗、 水洗、 純水洗し、 前処理を行ない、 片面あたりすずを 1 . O gZm2にめつきし た後、 ついで、 表 7の Kの処理浴中で電流密度 0. 6 A/ d m2とし 0. 6秒通 電ー 0. 4秒停止を 8回繰り返して陰極電解した以外は、 実施例 2 3と同様に無 機表面処理、 シランカップリング剤処理を行なって、 表面処理金属板を得た。
2. 樹脂被覆金属板の作成
得られた表面処理金属板を予め板温度 2 50°Cに加熱しておき、 片面上に表 4 の ( e ) のキャス トフィルムの下層側が接して被覆され、 外面側となるもう一方 の片面上に表 4の ( d ) のキャストフィルムが被覆されるように、 ラミネート口 ールを介して熱圧着後、 直ちに水冷することにより、 樹脂被覆金属板を得た。
3. 缶胴の作成
樹脂被覆金属板の両面にパラフィンワックスを静電塗油後、 直径 1 4 O mmの 円形に打抜き、 定法に従い浅絞りカップを作成した。 ついでこの絞りカップを再 絞り ■ しごき加工を 2回繰り返して径が小さくハイ 卜の大きい、 深絞リーしごき カップを得た。 この様にして得られたカツプの諸特性は以下の通りであった。
力ップ径 5 2 mm、
力ップ高さ 1 3 8 mm、
元板厚に対する缶壁部の厚み 一 5 0 %
このカップはドーミング成形後、 樹脂フィルムの歪みをとるために 2 2 0°Cで 6 0秒間熱処理を行ない、 続いて開口端端部のトリ ミング加工、 曲面印刷、 2 0 0径へネックイン加工、 フランジ加工、 リフランジ加工を行なって 2 5 0 gシー ムレス缶を作成した。
4. 表面処理金属板の評価
実施例 2 4と同様に、 重量膜厚測定、 表面原子比の測定を実施した。
5. 成形時密着性評価
浅絞りカップ成形後、 カップ先端部の樹脂の追従状態を観察した。 カップ先端 から 0. 5 mm以上樹脂が下がっている場合を X、 カップ先端から 0. 5 mm以 下、 0. 1 mm以上樹脂が下がっている場合を厶、 0. 1 mm未満の場合を Oと した。
6. レトルト密着性評価
リフランジ加工後の缶の開口端よリ 5 mm下部に缶外面側の全周に亘つて素地 に達する傷を入れ、 空缶の状態で 1 2 5 °Cの熱水蒸気中に 3 0分間保持し、 缶外 面側傷周辺部の被覆樹脂の剥離程度を観察し、 レトルト密着性を評価した。 結果 を表 9に示した。 表中、 金属缶のレ トル ト密着性評価は、 剥離が全くない時を o、 剥離が一部で もある時を△、 全周に亘つて剥離している場合を Xとした。
(実施例 3 5 )
実施例 3 4と同様に鋼板上にすずをめつきをした後、 表 7の Kに示す浴にスノ 一テックス C (日産化学工業社製) を 6 0 g Zリッ トル添加した浴を用いて電流 密度 1 A d m 2で 0 . 6秒通電ー 0 . 4秒停止を 3回繰り返して無機表面処理 し、 ついで、 実施例 3 4と同様に、 シランカップリング剤処理、 樹脂被覆、 製缶 および評価を行なった。
(実施例 3 6 )
実施例 3 4と同様に鋼板上にすずをめつき、 および、 陰極電解による無機表面 処理を行なった後、 実施例 2 4と同様のフエノール系有機表面処理層を行ない、 無機表面処理の上に有機表面処理を有する表面処理金属板を得た。 ついで、 実施 例 3 4と同様に、 樹脂被覆、 製缶および評価を行なった。
(比較例 1 7 )
シラン力ップリング剤処理を行なわなかった以外は、 実施例 3 4と同様に表面 処理、 樹脂被覆、 製缶および評価を行なった。
(比較例 1 8 )
すずめつき後、 無機表面処理およびシランカップリング剤処理を行なわず、 す ずめつき上に直接樹脂被覆した以外は、実施例 3 4と同様に表面処理、樹脂被覆、 製缶および評価を行なった。
(比較例 1 9 )
実施例 3 4と同様に鋼板上にすずをめつきをした後、 重クロム酸ナトリウム 3 0 g Zリ ツ トルの水溶液中で陰極電解し、 クロム酸化物 5 m g Z m 2の無機被膜 を作成して表面処理金属板を得た。 続いて、 実施例 3 4と同様に樹脂被覆、 製缶 および評価を行なった。
(比較例 2 0 )
実施例 3 4と同様にして鋼板上にすずめつき、 および、 無機表面処理を行なつ た後、 r-ァミノプロビルトリメ トキシシラン (製品名 K BM 903、 信越化学ェ 業社製) の 30%水溶液にディップしロール絞り後 1 20°Cで 1分間乾燥して、 無機処理層の上に S i 換算で 5 O m g /m2の膜厚に相当するシランカツプリン グ剤層を有する表面処理金属板を得た。 続いて、 実施例 3 4と同様に樹脂被覆、 製缶および評価を行なった。
(比較例 2 1 )
実施例 34と同様にして鋼板上にすずめつき、 および、 無機表面処理を行なつ た後、 丫-ァミノプロピルトリメ 卜キシシラン (製品名 Κ ΒΜ 903、 信越化学ェ 業社製)の 0. 5%水溶液にディップしロール絞り後 1 20°Cで 1 分間乾燥して、 無機処理層の上に S i 換算で 0. 3 m g Zm 2の膜厚に相当するシラン力ップリ ング剤層を有する表面処理金属板を得た。続いて、実施例 34と同様に樹脂被覆、 製缶および評価を行なった。
(比較例 2 2)
実施例 3 4と同様にして鋼板上にすずめつきを行なった後、 無機表面処理を行 わずに実施例 3 6と同様のフエノール系有機表面処理層を行ない、 表面処理金属 板を得た。 続いて、 実施例 3 4と同様に樹脂被覆、 樹脂被覆、 製缶および評価を 行なった。
(実施例 3 7 )
1 . 表面処理金属板の作成
金属板として厚み 0. 1 7 mm、調質度 D R 8の冷延鋼板を、電解脱脂、酸洗、 水洗、 純水洗し、 前処理を行ない、 片面あたりニッケルを 0. 3 gZm2にめつ きした後、 片面あたりすずを 0. 6 gZm2にめつきし、 リフロー処理を行なつ て、 ニッケル一すず一鉄の合金層を形成した。 続いて、 実施例 34と同様に、 表 7の Kの処理浴中で陰極電解およびシランカツプリング剤処理を行なって、 表面 処理金属板を得た。
2. 樹脂被覆金属板の作成
得られた表面処理金属板を、 エポキシアクリル系水性塗料を用い、 焼付け後の 塗膜厚みが 1 0 i mになるように両面にロールコー卜し、 2 0 0°C 1 0分間の焼 付け処理を行なうことによリ、 樹脂被覆金属板を得た。
3. 缶胴および缶蓋の作成
得られた樹脂被覆金属板に加工用潤滑剤を塗油後、 紋リ加工 (紋リ比 1 . 3 ) を行ない、 内径 8 3. 3 mmの缶胴を作成した。 続いて、 開口端端部のトリ ミン グカ Πェ、 フランジ加工を行なって、高さ 4 5. 5 mmの絞り缶を作成した。一方、 得られた樹脂被覆金属板の一部を用いて、 定法により、 3 0 7径のフルオープン 蓋に成形した。
4. 内容品充填試験
このようにして作成した缶胴および缶蓋を用いて、缶胴にツナ油漬けを充填後、 フルオープン蓋を 2重巻締めし、 1 1 5°C 6 0分のレトルト殺菌処理を行なった。
5. 耐硫性評価
内容物充填およびレトル卜殺菌後 3 7 °Cで 6ヶ月貯蔵後開缶し、 缶胴及び缶蓋 内面側の硫化変色を調べ、 激しく変色している場合を X、 大きな変色が認められ ない場合を Oとし、 結果を表 9に示した。
(比較例 2 3 )
実施例 3 7と同様にしてニッケルめっき、 すずめつき、 リフロー処理による二 ッケルーすず一鉄の合金層を形成した後、 無機表面処理を行わずに実施例 3 7と 同様のシランカップリング剤処理を行なって、 表面処理金属板を得た。 続いて、 実施例 3 7と同様に樹脂被覆、 缶胴および缶蓋の作成、 評価を行なった。
(実施例 3 8 )
1. 表面処理金属板の作成
金属板として厚み 0. 2 2 mm、 調質度 T 4の冷延鋼板を、 電解脱脂、 酸洗、 水洗、 純水洗し、 前処理を行ない、 片面あたりニッケルを 0. 0 3 g Zm2にめ つきした後、 片面あたりすずを 1 . 3 g Zm2にめつき後、 リフロー処理を行な い、 続いて、 無機表面処理、 シランカップリング剤処理を行なって、 缶胴用表面 処理金属板を得た。 一方、 0. 2 1 mmの調質度 T 4の冷延鋼板についても、上記と同様に処理し、 缶蓋用表面処理金属板を得た。
2. 樹脂被覆金属板、 缶胴および缶蓋の作成
缶胴用表面処理金属板を用いて、 エポキシフエノール溶剤型塗料を缶胴の継目 部分にあたる場所を除いて、 焼付け後の膜厚が内面側 5; m、 外面側 3 mにな るようにマージン塗装し、 2 0 0°Cの熱風乾燥炉中で 1 0分間焼付け硬化させて 樹脂被覆金属板を得た。 作成した樹脂被覆金属板をブランク状に切断し、 そのブ ランクを線電極を用いた市販の電気抵抗溶接機にて円筒状にて溶接し、 次に、 缶 胴の溶接継ぎ目部の内外面側に溶剤型エポキシユリァ系補修塗料を乾燥塗膜厚み が 40 mになるようにスプレー塗装した後 2 5 0°Cの熱風乾燥炉中で 3分間焼 付け、 継ぎ目部分を被覆して溶接缶胴 (缶径 6 5. 4 mm、 缶胴高さ 1 2 2 m m ) を作成した。
一方、 缶蓋用表面処理金属板に、 エポキシフエノール溶剤型塗料を、 焼付け後 の塗膜厚みが 1 0 mになるように両面にロールコー卜し、 2 0 0°C 1 0分間の 焼付け処理を行なった後、 定法により、 2 0 9径のシェル蓋に成形した。
缶胴の一方の開口端を、 フランジ加工、 ネックイン加工し、 前記 2 0 9径の蓋 を卷締めた後、 もう一方の開口端を トリプルネックイン、 フランジ加工した。
3. 内容品充填試験
9 3 °Cでオレンジジュースをホッ トバックした後、 市販の 2 0 6径アルミ S O T蓋を 2重巻締めて密封した。
4. 耐食性評価
内容物充填後 3 7 °Cで 6ヶ月貯蔵後開缶し、 開缶後の鉄溶出量も測定した。 溶 出量 0. 2 p p m以上のものを X、 0. 1 p p m以上 0. 2 p 卩 1^未満を〇、 0. 1 p p m未満を◎とし、 結果を表 9に示した。
(実施例 3 9 )
実施例 3 8と同様にニッケルめっき、 すずめつき、 リフロー処理後、 表 7の K に示す浴にスノーテックス C (日産化学工業社製) を 6 0 g リッ トル添加した 浴を用いて電流密度 5 AZ d m2で 0. 6秒通電ー 0. 4秒停止を 3回繰り返し て無機表面処理し、 ついで、 実施例 3 8と同様に、 シランカップリング剤処理、 樹脂被覆、 製缶および製蓋、 評価を行なった。
(比較例 24)
実施例 3 8と同様にニッケルめっき、 すずめつき、 リフロー処理後、 表 7の K に示す浴を用いて電流密度 0. 6 01 2で 0. 6秒通電ー 0. 4秒停止を 8 回繰り返して無機表面処理し、 シランカツプリング剤処理を行なわなかった以外 は、 実施例 3 8と同様に樹脂被覆、 製缶および製蓋、 評価を行なった。
(実施例 40)
1 . 表面処理金属板の作成
金属板として厚み 0. 2 2 mm、 調質度 D R 8の冷延鋼板を電解脱脂、 酸洗、 水洗、純水洗し、前処理を行なった。ついで、表 7の Kの処理浴中で電流密度 0. 6 01 01 2とし 0. 6秒通電 _ 0. 4秒停止を 8回繰り返して陰極電解した以 外は、実施例 23と同様に無機表面処理、シラン力ップリング剤処理を行なった。
2. 樹脂被覆金属板の作成
得られた表面処理金属板を予め板温度 2 50°Cに加熱しておき、 片面上に表 4 の ( b ) のキャス トフィルムの下層側が接して被覆され、 外面側となるもう一方 の片面上に表 4の ( d ) のキャストフィルムが被覆されるように、 ラミネート口 ールを介して熱圧着後、 直ちに水冷することにより、 樹脂被覆金属板を得た。
3. 缶胴および缶蓋の作成
得られた樹脂被覆金属板に加工用潤滑剤を塗油後、 再絞り加工 (絞り比 2. 5) を行ない、 内径 6 5. 3 mmの缶胴を作成した。 続いて、 樹脂フィルムの歪みを とるために 220°Cで 60秒間熱処理を行ない、 開口端端部のトリ ミング加工、 フランジ加工を行なって、 高さ 1 0 1 . 1 mm深絞り缶を作成した。 一方、 得ら れた樹脂被覆金属板の一部を用いて、 定法により、 2 1 1 径のフルオープン蓋に 成形した。
4. 内容品充填試験 このようにして作成した缶胴および缶蓋を用いて、 缶胴にミートソースを充填 後、 フルオープン蓋を 2重卷締めし、 1 2 0 °C 3 0分のレトルト殺菌処理を行な つた。
5 . 容器内面状態評価
容器成形後の有機被膜の状態を調べ、 剥離、 穴あき等の異常がないかを観察し た。 また、 内容物充填後、 3 7 °Cで 6ヶ月貯蔵後開缶し、 容器内面側の腐食や有 機被膜の浮きなどが発生していないかを調べ、 結果を表 9に示した。
表 7 処理浴 , Z r F
mo 1/1 mo 1 /1
G 0. 022 0. 1 32
H 0. O i l 0. 090
I 0. 100 0. 400
J 0. 020 0. 050
K 0. 022 0. 132
表面処理金属板評価 容器評価: 重量膜' J ; mg/m2 Sis. 缶. .
ffl被 接着
; ::' Zr. :: Si C ■ OVZtr ·■' F Zr - P/Zr 覆率 . 性 開口性 密着性 fflft食性 ;.
' 実施例 ¾23,29 ■:. 67 ■' 5 '.' 一 :: 2.4 · 0.4 0.0 ― 〇 © :: ©··. i 0: 荑施例 ^30 . ;. 2. :. ― 10 ., 2.8 0.9 :: 0.0 - ■ 0.. ; ◎ ; 。:···:■ 実施例25,31 i 7 V :, 一 12: :' 3.1 0.5 ' 0.2 - . 〇 ◎ ◎ : ·: σ .
" 実施例; 26 ' 79··. 6;. ',+ - :. 2.S, 1.1 ■· 0.2 - 0 ― ;'. '― . ;. 実施例'27' V 23 S - 3.8 0.7 0.0 - 0 . © ― ― 実施》:2 32. :·. 7 30 ■一 2.6 0:5 0.0 . 23 ◎ . :- ◎ α
: 実施解 ί 33 . ■· 48 26 - 5.5 1.ひ 0.0 25 - - • O ο
■.比驅 7, 14 ■:■ 32·: . 一 :. 一 2.6 1.Ϊ 0.0 - 〇 〇. 〇 ο .
: 比較例 , 15 .. - . ' 5; .. 一 - - ― - - X X 〇 X 比 ,9, 16 '.· 5 :■■'· ― 13 6.0 0.5 1.2 - X X 〇
比麵 10 ,·■' 9 ' 一 9.1 0.5 1.1 - X X 一 -
. 比較 13 - ■ 15 11 0.3 0.9 - X X - ―
, 画列 :'·12 - 69 5. ― 593 22 0.0 - X X - - 比删' :13 70 5 - 5.5 2.1 1.1 一 0 〇 - ―
表 9
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[処理浴の調製]
アルミニウムイオン, チタンイオン、 ジルコニウムイオン及びフッ素イオンの 濃度がそれぞれ、 A I 、 T i 、 Z r及び Fとして表 1 0に示すモル濃度の水溶液 となるよう調整し、処理浴とした。但し、 アルミニウム薬剤として処理浴 L, M, N , 0, P, Q, U , V, W, X, Υ , Zには硝酸アルミニウム A I (N 03) 3 ■ 9 H 2 Oを、 処理浴 Rには硫酸アルミニゥム A I 2 ( S O 4) 3 - 1 3 H 20を、 処 理浴 Sにはリン酸二水素アルミニウム液 A I (H 2 P 04) 3を用い、 処理浴丁で は、 モル比で、 リン酸二水素アルミニウム液 A I (H 2 P 04) 3が 2に対して、 硝酸アルミニウムリン酸二水素アルミニウム液 A I ( H 2 P O 4) 3 I ( N O 3) 3 - 9 H 20を 8の割合で混合した薬剤を用いた。また、ジルコニウム薬剤として、 処理浴 U, Wにはフッ化ジルコニウムアンモニゥム (N H 4) 2 Z r F 6、 チタン 薬剤として処理浴 V, Wにはチタンフッ化アンモニゥム (N H 4) 2 T i F6、 を 用いた。 他に、 フッ素源として、 処理浴 M, O, Q, Τ, Xについては、 フッ化 ナトリウム N a Fを、 処理浴 P, Zについてはフッ化アンモニゥム N H 4 Fを用 い、 処理浴 M, Oには、 緩衝剤として、 ホウ酸 H 3 B O 3を用いた。
[ポリエステルフィルムの作製]
2台の押出機から 2層 Tダイを介して表 1 1 に示す組成のポリエステル樹脂を 溶融押出し後、 冷却ロールにて冷却して得られたフィルムを巻き取り、 表 1 2に 示す構成のキャス トフィルム ( h ) , ( i ) , ( j ) , ( k) , ( I ) , (m) ,
( n ) を得た。
<スチール材の評価 >
[接着性評価]
表面処理金属材料を 5 mm幅で 80 m m長さに短冊状に切断し、表 1 2の ( n ) に示すキャストフィル厶を 5 mm幅で 80 m m長さに短冊状に切段した。 得られ た 2枚の表面処理短冊切片間に上記ポリエステルフィルム切片を挟み、 2. O k g c m 2の圧力下で 2 20 °C 3秒間加熱して Tピール試験片とした。 その後、 1 1 0°C 6 0分間のレトルト処理を行い、 終了後すぐに水中に浸潰し、 引張試験 機による測定直前に水中から引き上げて、 引張速度 1 OmmZ分で接着強度を測 定した。
[耐食性評価]
表面処理金属材料を 7 0 mm幅で 1 50 m m長さに短冊状に切断後、 切断部 3 mm幅をテープで保護し、 3 5°C5«½N a C I 水溶液を 6時間噴霧した後の鉄さ びの発生状態を観察した。
[耐硫性評価]
表面処理金属材料を 7 0 mm角に切断後、 エリクセン試験機によリ 3 mmの張 リ出し加工を行った。 次いで、 切断部 3 mm幅をテープで保護し、 4. 5 g/リ ツ トルのリン酸ニ水素力リウム K H 2 P O 4と 1 2 g リ ッ トルのリン酸水素ナ 卜 リウム N a 2 H P 04 . 1 2 H 2 O 及び 2 gZリツ トルの L一システィン塩酸塩 1水和物の混合液から成るモデル液中に入れ、 密封容器中で 1 1 5 °C 60分のレ トルト処理を行った。
[変色性評価]
表面処理金属材料を 7 0 mm角に切断後、 200°Cで 1 時間加熱し、 加熱後の 変色の程度を比較した。
(実施例 4 1 )
1 . 表面処理金属材料の作成
金属板として厚み 0. 1 9 5 mm、調質度 T 3の冷延鋼板を、電解脱脂、酸洗、 水洗、 純水洗し、 前処理を行ない、 片面あたり錫を 1 · 3 gZm2にめつきした 後、 リフロー処理を行い、 ついで、 浴温 4 5 °Cの表 1 0のしの処理浴中で攪拌を 行いながら、 極間距離 1 7 mmの位置に配置した酸化イリジウム被覆チタン板を 陽極として、 電流密度 2 AZ d m2と し 1 2秒間陰極電解し、 その後すぐに、 流 水による水洗、 純水洗、 乾燥の後処理を行なった。
2. 表面処理金属材料の評価
得られた表面処理金属材料の一部は、 A I , T i , Z rなどの重量膜厚測定、 表面原子比測定、 表面露出率測定、 耐食性評価、 接着性評価に供した。 結果を表 1 3に示した。
表中、 接着性の評価は、 引張試験機により試験片を 1 O mm以上剥離した後の 最大引張強度が、 0. 6 k g 5 mm以上のものを◎、 0. 3 k gZ 5 mm以上 0 · 6 k g 5 mm未満のものを 0、 0. 2 k g Z 5 mm以上 0. 3 k g Z 5 m m未満のものを厶、 0. 2 k gZ 5 mm未満のものを Xとした。
また、 耐食性の評価は、 ほとんど鯖が発生していない場合を◎、 鯖がわずかに 認められるものを 0、鯖が表面積の 1 0 <½以上 2 0%未満のものを△、鯖が表面積 の 2 0 %以上存在するものを Xとして評価した。
更に、 耐硫性の評価は、 加工部に変色のないものを◎、 加工部の変色が面積率 で 25%未満のものを 0、 それ以上のものを Xとした。
また、変色性の評価は、目視によリ評価した。変色のほとんどしていないもの、 及び変色部が面積率で 2 0 %未満のものを〇、 2 0 %以上が変色しているものを Xとした。
(実施例 4 2 )
錫めつき量を 5. 6 g Zm2とし、 表 1 0の Mの処理浴中で電流密度 2 AZ d m2として、 0. 6秒通電ー 0. 4秒停止を 8回繰り返して断続的に陰極電解を 行なって表面処理金属材料を得た以外は、 実施例 4 1 と同様に評価を行った。 (実施例 4 3 )
表 1 0の Nの処理浴中で電流密度 1 AZ d m2で 2 4秒間陰極電解を行なって 表面処理金属材料を得た以外は、 実施例 4 1 と同様に評価を行った。
(実施例 4 4)
錫めつき量を 0. 4 g Zm2とし、 リフローにより合金層を形成して、 表面に フリー錫がない状態とした以外は、実施例 4 3と同様に無機表面処理層を形成し、 実施例 4 0と同様に評価を行った。
(実施例 4 5 )
表 1 0の Mの処理浴中で電流密度 1 AZ d m2で 1 2秒間陰極電解を行なって 表面処理金属材料を得た以外は、 実施例 4 1 と同様に評価を行った。 (実施例 46)
錫めつき量を 0. 4 gZm2とし、 リフローにより合金層を形成して、 表面に フリー錫がない状態とし、 表 1 0の Mの処理浴中で電流密度 1 AZ d m 2で 4秒 間陰極電解を行なって表面処理金属材料を得た以外は、 実施例 4 1 と同様に評価 を 了った。
(実施例 47)
錫めつき量を 2. 8 g Zm2とし、 表 1 0の Μの処理浴中で電流密度 1 . 2 A ノ d m2として、 0. 6秒通電ー 0. 4秒停止を 1 6回繰り返して断続的に陰極 電解を行なって表面処理金属材料を得た以外は、 実施例 4 1 と同様に評価を行つ
(実施例 4 8)
実施例 4 1 と同様の錫めつき量でリフロー処理を行わずに、 表 1 0の Oの処理 浴中で電流密度 1 AZ d m 2で 4秒間陰極電解を行なって表面処理金属材料を得 た以外は、 実施例 4 1 と同様に評価を行った。
(実施例 49)
錫めつき量を 0. 9 gZm2とし、 表 1 0の Pの処理浴中で電流密度 1 AZ d m2と して、 0. 6秒通電ー 0. 4秒停止を 6回繰り返して断続的に陰極電解を 行なって表面処理金属材料を得た以外は、 実施例 4 1 と同様に評価を行った。
(実施例 50)
表 1 0の Qの処理浴中で電流密度 1 AZ d m2で 8秒間陰極電解を行なって表 面処理金属材料を得た以外は、 実施例 4 1 と同様に評価を行った。
(実施例 5 1 )
表 1 0の Rの処理浴中で電流密度 2 AZd m2として、 0. 6秒通電ー 0. 4 秒停止を 8回繰り返して断続的に陰極電解を行なって表面処理金属材料を得た以 外は、 実施例 4 1 と同様に評価を行った。
(実施例 5 2)
表 1 0の Sの処理浴中で電流密度 2 AZd m2で 2 4秒間陰極電解を行なって 表面処理金属材料を得た以外は、 実施例 4 1 と同様に評価を行った。
(実施例 5 3)
表 1 0の Tの処理浴中で電流密度 1 A d m2で 8秒間陰極電解を行なって表 面処理金属材料を得た以外は、 実施例 4 1 と同様に評価を行った。
(実施例 5 4)
錫めつき量を 0. 7 8 1^2とし、 表 1 0のリの処理浴中で電流密度 1 AZ d m2と して、 0. 6秒通電ー 0. 4秒停止を 8回繰り返して断続的に陰極電解を 行なって表面処理金属材料を得た以外は、 実施例 4 1 と同様に評価を行った。
(実施例 5 5)
錫めつき量を 2. 8 gZm2とし、 リフロー処理を行わずに、 表 1 0の Vの処 理浴中で電流密度 2 AZ d m2で 8秒間陰極電解を行なって表面処理金属材料を 得た以外は、 実施例 4 1 と同様に評価を行った。
(実施例 5 6)
表 1 0の Wの処理浴中で電流密度 2 AZ d m2として、 0. 6秒通電ー 0. 4 秒停止を 1 6回繰り返して断続的に陰極電解を行なって表面処理金属材料を得た 以外は、 実施例 4 1 と同様に評価を行った。
(実施例 5 7)
表 1 0の Xの処理浴中で電流密度 2 AZ d m 2で 8秒間陰極電解を行なって表 面処理金属材料を得た以外は、 実施例 4 1 と同様に評価を行った。
(実施例 5 7)
錫めつき量を 1 1 . 2 g Zm2とし、 表 1 0の Pの処理浴中で電流密度 1 AZ d m2として、 0. 6秒通電ー 0. 4秒停止を 4回繰り返して断続的に陰極電解 を行なって表面処理金属材料を得た以外は、 実施例 4 1 と同様に評価を行った。 (比較例 2 5)
表 1 0の Qの処理浴中で電流密度 1 AZd m2で 1 6秒間陰極電解を行なって 表面処理金属材料を得た以外は、 実施例 4 1 と同様に評価を行った。
(比較例 2 6) 錫めつき量を 0. 4 g Zm2とし、 リフローにより合金層を形成して、 表面に フリ一錫がない状態とし、 表 1 0の Sの処理浴中で電流密度 2 AZ d m 2として、 0. 6秒通電ー 0. 4秒停止を 4回繰り返して断続的に陰極電解を行なって表面 処理金属材料を得た以外は、 実施例 4 1 と同様に評価を行った。
(比較例 2 7 )
表 1 0の Sの処理浴中で電流密度 2 A / d m 2で 4秒間陰極電解を行なって表 面処理金属材料を得た以外は、 実施例 4 1 と同様に評価を行った。
(比較例 2 8 )
錫めつき量を 0. 4 g Zm 2とし、 リフローにより合金層を形成して、 表面に フリ一錫がない状態とし、 表 1 0の Zの処理浴中で電流密度 2 AZ d m2として、 0. 6秒通電ー 0. 4秒停止を 4回繰り返して断続的に陰極電解を行なって表面 処理金属材料を得た以外は、 実施例 4 1 と同様に評価を行った。
(比較例 2 9 )
錫めつき量を 2. 8 g Zm2とし、 重クロム酸ソーダ水溶液中で陰極電解処理 を行い、 定法により、 ォキサイ ドクロム量 3 m g Zm 2のクロム系表面処理によ る表面処理金属材料を得た以外は、実施例 4 1 にしたがって、性能評価を行った。 (比較例 3 0 )
無水クロム酸と硫酸の水溶液中で陰極電解処理を行い、 定法により、 金属クロ ム量 7 m g Zm2、ォキサイ ドクロム量 1 2 m g Zm 2のクロム系表面処理による 表面処理金属材料を得た以外は、 実施例 4 1 にしたがって、 性能評価を行った。
(比較例 3 1 )
実施例 4 1 と同様に、 錫めつき及びリフロー処理までを行い、 フッ化ジルコ二 ゥムアンモニゥム 0. 0 2 5 m o I Zリッ トルと硝酸カリウム 0. 0 0 5 m o l Zリッ トルからなる水溶液中で、 電流密度 7. 5 AZ d m2として、 0. 6秒通 電ー 0. 4秒停止を 4回繰り返して断続的に陰極電解を行なって表面処理金属材 料を得た。 経時後の変色が激しかったため、 変色性以外の評価は行わなかった。
(実施例 5 9 ) 1 . フエノール系水溶性有機化合物を主体とする表面処理剤の作成
フエノール系水溶性有機化合物としては前記式 ( I ) のものを用いた。
2. 表面処理金属材料の作成と評価
実施例 4 1 で作成した無機表面処理層の上に、 上記 1 で作成したフ Xノール系 水溶性有機化合物を主体とする表面処理剤を 40°Cで 2 0秒間スプレーした後水 洗、 純水洗し、 無機表面処理層の上に有機表面処理層が存在する表面処理金属材 料を得た。 その後、 実施例 4 1 と同様にして、 接着性、 耐食性、 耐硫性評価を行 ない、 結果を表 1 4に示した。
(実施例 60)
実施例 42で作成した無機表面処理層の上に、 フエノール系水溶性有機化合物 層を形成した以外は、 実施例 5 9と同様に処理及び評価を行った。 また、 有機表 面処理前後の表面の X P S分析を行ったところ、有機様面処理前にはなかった N1 sピークが確認できた。
(実施例 6 1 )
実施例 43で作成した無機表面処理層の上に、 フエノール系水溶性有機化合物 層を形成した以外は、 実施例 5 9と同様に処理及び評価を行った。
(実施例 6 2)
実施例 4 1 で作成した無機表面処理層の上に、 -ァミノプロビルトリメ トキシ シラン (製品名 K BM 903、 信越化学工業社製) の 3%水溶液にディップし口 一ル絞リ後 1 20°Cで 1分間乾燥して、 無機処理層の上に S i 換算で 5m gZm 2の膜厚に相当するシランカツプリング剤層を有する表面処理金属材料を得た。 その後、 実施例 5 9と同様に評価を行った。
(実施例 6 3)
実施例 42で作成した無機表面処理層の上に、 シランカツプリング剤層を形成 した以外は、 実施例 62と同様に処理及び評価を行った。 また、 有機表面処理前 後の表面の X P S分析を行ったところ、 有機様面処理前にはなかった N1Sピーク が確認できた。 (実施例 6 4 )
実施例 4 6で作成した無機表面処理層の上に、 シラン力ップリング剤層を形成 した以外は、 実施例 6 2と同様に処理及び評価を行った。
(実施例 6 5 )
実施例 5 1 で作成した無機表面処理層の上に、 シランカツプリング剤層を形成 した以外は、 実施例 6 2と同様に処理及び評価を行った。 また、 有機表面処理前 後の表面の X P S分析を行ったところ、 有機様面処理前にはなかった N 1 Sピーク が確認できた。
(実施例 6 6 )
実施例 5 1 で作成した無機表面処理層の上に、 シランカツプリング剤層を形成 した以外は、 実施例 6 2と同様に処理及び評価を行った。
(実施例 6 7 )
比較例 2 5で作成した無機表面処理層の上に、 シラン力ップリング剤層を形成 した以外は、 実施例 6 2と同様に処理及び評価を行った。
(実施例 6 8 )
比較例 2 6で作成した無機表面処理層の上に、 シランカップリング剤層を形成 した以外は、 実施例 6 2と同様に処理及び評価を行った。
(実施例 6 9 )
比較例 2 7で作成した無機表面処理層の上に、 シランカップリング剤層を形成 した以外は、 実施例 6 2と同様に処理及び評価を行った。
(実施例 7 0 )
比較例 2 8で作成した無機表面処理層の上に、 シランカップリング剤層を形成 した以外は、 実施例 6 2と同様に処理及び評価を行った。
(比較例 3 2 )
実施例 4 1で作成した無機表面処理層の上に、 -アミノプロピルトリメ トキシ シラン (製品名 K B M 9 0 3、 信越化学工業社製) の 3 0 %水溶液にディップし ロール絞リ後 1 2 0 °Cで 1分間乾燥して、 無機処理層の上に S i 換算で 5 0 m g ノ m2の膜厚に相当するシランカツプリング剤層を有する.表面処理金属材料を得 た。 その後、 実施例 59と同様に評価を行った。
<アルミニウム材の評価 >
(実施例 7 1 )
1 . 表面処理金属材料の作成
金属板として厚み 0. 2 5 mmの J I S 502 1 H 1 8アルミ合金板を用い、 脱脂剤 3 22 N 8 (日本ペイント社製) を用いて、 定法により、 70°Cの浴中で 1 0秒間処理し、水洗後、 40°Cの 1 %硫酸中に 5秒間浸潰し、水洗、純水洗し、 前処理を行った。 ついで、 表 1 0の Qに示す処理浴中で、 電流密度 7 AZ d m2 で、 0. 4秒通電ー 0. 6秒停止を 4回繰り返して断続的に陰極電解を行った以 外は実施例 4 1 と同様に処理を行い、 表面処理アルミニウム板を得た。
2. 樹脂被覆金属材料の作成
得られた表面処理金属材料を用いて、 以下の方法で製蓋用の樹脂被覆金属材料 を作成した。 まず、 予め板温度 2 5 0°Cに加熱しておいた表面処理金属材料の片 面上に、 表 1 2の ( h ) のキャス トフィルムの下層側が接するようにラミネー卜 ロールを介して熱圧着後、 直ちに水冷することにより、 片面にフィルムをコーテ イングした。 次に、 蓋外面側となる、 金属板のもう一方の片面にエポキシァクリ ル系塗料をロールコートにより塗装し、 1 8 5°C 1 0分間加熱の焼付け処理を行
3. 表面処理金属材料の評価
得られた無機表面処理金属材料の一部は、 重量膜厚測定、 表面原子比測定、 接 着性評価に供した。 結果を表 1 5に示した。
ここで、 接着試験片は、 表 1 2の ( i ) に示すフィルムを 250°Cで圧着して Tピール試験片とし、 接着性の評価において、 引張試験機により試験片を 1 Om m以上剥離した後の最大引張強度が、 0. 6 k g 5 mm以上のものを◎、 0. 3 k gZ 5 mm以上 0. 6 k g Z 5 m m未満のものを O、 0. 3 k gZ5 mm未 満のものを Xとした以外は、 実施例 4 1 と同様に作成した。 4. 缶蓋の開口性評価
得られた樹脂被覆金属材料を用いて、 定法によリ 3 0 1径のフルオープン缶蓋 を作製後、 缶胴に水を充填した缶胴に巻締めた後、 1 1 0°C 6 0分のレトルト殺 菌処理を行い、 冷却後直ちに開口してスコア部周辺開口部の樹脂剥離状態を観察 し、 缶蓋の開口性評価を行った。 結果を表 1 5に示した。
表中、 缶蓋の開口性評価は、 開口部周辺のフエザリングを観察し、 フエザリン グが全く認められないものを◎、 0. 5 mm未満で樹脂の剥離がないものを 0、 フエザリングが 0. 5 mm以上のものを Xとした。
(実施例 7 2 )
1 . 表面処理金属材料の作成
金属板として厚み 0. 2 6 mmの J I S 3 0 0 4 H 1 9アルミ合金板を用いた 以外は、 実施例 7 1 と同様に表面処理を行った。
2. 樹脂被覆金属材料の作成
得られた表面処理金属材料を、 予め板温度 2 5 0°Cに加熱しておき、 金属板の 片面上に表 1 2の ( h ) のキャス トフィルムの下層側が、 缶外面側となるもう一 方の片面上に表 1 2の (m) のキャス トフィルムが、 接して被覆されるように、 ラミネートロールを介して熱圧着後、 直ちに水冷することにより、 樹脂被覆金属 材料を得た。
3. 金属缶の作成
得られた樹脂被覆金属材料の両面に ラフィンワックスを両面に静電塗油後、 直径 1 5 4 mmの円形に打抜き、 定法に従い浅絞りカップを作成した。 ついでこ の絞りカップを同時絞り しごき加工を 2回繰り返して径が小さくハイ 卜の大きい 力ップに成形した。この様にして得られたカップの諸特性は以下の通りであった。
力ップ径 6 6 m m
力ップ高さ 1 2 8 mm、
元板厚に対する缶壁部の厚み 一 6 0 %
この力ップはドーミング成形後、 樹脂フィルムの歪みをとるために 2 2 0°Cで 6 0秒間熱処理を行い、 続いて開口端端部のトリ ミング加工、 曲面印刷、 2 0 6 径へネックイン加工、 フランジ加工、 リフランジ加工を行って 3 5 0 gシームレ ス缶を作成した。
4. 表面処理金属材料の評価
得られた無機表面処理金属材料の一部は、実施例 4 1 と同様に、重量膜厚測定、 表面原子比測定の測定に供し、 結果を表 1 5に示した。
5. 金属缶のレトルト密着性評価
リフランジ加工後の缶の開口端よリ 5 mm下部に缶内面側の全周に亘つて素地 に達する傷を入れ、 空缶の状態で 1 2 5°Cの熱水蒸気中に 3 0分間保持し、 缶内 面側傷周辺部の被覆樹脂の剥離程度を観察し、 レトルト密着性を評価した。 結果 を表 7に示した。
表中、 金属缶のレトルト密着性評価は、 2 0缶中一部でも剥離した缶が全くな い時を 0、 2 0缶中一部でも剥離した金属缶がある場合を Xとした。
6. 金属缶の耐食性評価
2 5 °Cでの缶内圧が 3. 5 k g c m2となるように炭酸水をパック した金属 缶を 3 7 °Cで 1週間貯蔵後、 缶温を 5°Cに下げた後、 金属缶を正立の状態から、 水平方向に対し 1 5° 傾斜した厚さ 1 0 mmの鋼板上に、 5 0 c mの高さから落 下させボトムラジアス部を変形させた。 その後、 ボトムラジアス部を含む缶底部 を円周方向に切り出し、 0. 1 %塩化ナトリウム水溶液に 5 0°Cで 2週間経時後 のボトムラジアス変形部周辺の腐食状態を観察し、 耐食性を評価した。 結果を表 1 5に示した。
表中、 金属缶の耐食性評価は、 ボトムラジアスの変形部周辺を実体顕微鏡観察 し、 腐食が認められない場合を〇、 少しでも腐食している場合を Xとした。
(実施例 7 3 )
実施例 7 1 と同様に金属板を処理し、 無機表面処理層を形成した後、 実施例 6 2と同様にして、 無機処理層の上に S i 換算で 5 m g m2の膜厚に相当するシ ラン力ップリング剤層を形成し表面処理金属材料とした以外は、 実施例 7 1 と同 様に、 樹脂被覆、 製蓋及び評価を行なった。
(実施例 7 4)
実施例 7 2と同様に金属板を処理し、 無機表面処理層を形成した後、 実施例 6 2と同様にして、 無機処理層の上に S i 換算で 5 m g Zm 2の膜厚に相当するシ ラン力ップリング剤層を形成し表面処理金属材料とした以外は、 実施例 7 2と同 様に、 樹脂被覆、 製缶及び評価を行なった。
(比較例 3 3)
実施例 7 1 と同様にして、 厚み 0. 2 5 mmの J I S 502 1 H 1 8アルミ合 金板の前処理を行なった後、 無機表面処理を行わずに、 実施例 5 9と同様にフエ ノール系有機表面処理を行ない、 実施例 7 1 と同様に、 樹脂被覆、 製蓋及び評価 を行なった。 このとき形成された有機表面処理の重量膜厚は、 C量で 1 3 m gZ m2、 Z r亶で 5 m gZm2でめつに。
(比較例 3 4)
実施例 7 1 と同様にして、 厚み 0. 2 5mmの J I S 502 1 H I 8アルミ合 金板の前処理を行なった後、市販のジルコニウム系化成処理液(ァロジン 404、 日本パーカライジング社製) を用いて定法により浴を作製し、 液温 40°Cで 1 5 秒間スプレー処理し、 その後すぐに、 水洗、 純水洗、 乾燥の後処理を行い、 実施 例 7 1 と同様に、 樹脂被覆、 製蓋及び評価を行なった。
(比較例 3 5)
実施例 7 2と同様にして、 厚み 0. 2 6 mmの J I S 3 004 H 1 9アルミ合 金板の前処理を行なった後、 実施例 5 9と同様にフエノール系有機表面処理を行 ない、 実施例 7 2と同様に、 樹脂被覆、 製缶及び評価を行なった。 但し、 表面処 理金属材料の評価は、 フエノール系有機表面処理形成後の金属板を評価した。
(比較例 3 6)
実施例 7 2と同様にして、 厚み 0. 2 6 mmの J I S 3 004 H 1 9アルミ合 金板の前処理を行なった後、 比較例 3 4と同様に無機表面処理を行い、 実施例 7 2と同様に、 樹脂被覆、 製缶及び評価を行なった。 (比較例 37 )
表 1 0の Yの処理浴中で電流密度 2 AZ d m 2で 9秒間陰極電解を行なって表 面処理金属材料を得た以外は、 実施例 7 1 と同様に、 樹脂被覆、 製蓋及び評価を 行なった。
(比較例 3 8)
表 1 0の Yの処理浴中で電流密度 2 AZ d m2で 9秒間陰極電解を行なって表 面処理金属材料を得た以外は、 実施例 7 2と同様に、 樹脂被覆、 製缶及び評価を 行なった。
(比較例 3 9)
実施例 7 1 と同様に金属板を処理し、 無機表面処理層を形成した後、 比較例 3 2と同様にして、 無機処理層の上に S i 換算で 5 Om gZm2の膜厚に相当する シラン力ップリング剤層を形成し表面処理金属材料とした以外は、 実施例 7 1 と 同様に、 樹脂被覆、 製蓋及び評価を行なった。
(比較例 40)
実施例 7 2と同様に金属板を処理し、 無機表面処理層を形成した後、 比較例 3 2と同様にして、 無機処理層の上に S i 換算で 5 0 m gZm2の膜厚に相当する シラン力ップリング剤層を形成し表面処理金属材料とした以外は、 実施例 7 2と 同様に、 樹脂被覆、 製缶及び評価を行なった。
(比較例 4 1 )
重量%で 1 5 %の硫酸水溶液を作成し、 対極をアルミニウム板として、 液温 4 0°Cで 1 5 V 1 5秒間の陽極酸化処理を行った後すぐに、 水洗、 純水洗、 乾燥の 後処理を行った以外は、 実施例 7 1 と同様に、 樹脂被覆、 製蓋及び評価を行なつ
(比較例 4 2)
比較例 4 1 と同様に陽極酸化処理を行なった以外は、 実施例 7 2と同様に、 樹 脂被覆、 製缶及び評価を行なった。
<実缶評価 > (実施例 7 5)
1. 表面処理金属材料の作成
金属板として厚み 0. 2 2 mm、 調質度 D R 8の冷延鋼板を電解脱脂、 酸洗、 水洗、 純水洗し、 前処理を行った。 ついで、 表 1 0の Oの処理浴中で電流密度 1 / 01 2と し 0. 6秒通電ー 0. 4秒停止を 1 2回繰り返して陰極電解した以 外は、 実施例 4 1 と同様に処理を行った。続いてさらに、 ァミノプロピル卜リ メ トキシシラン (製品名 K BM 90 3、 信越化学工業社製) の 3 %水溶液にディ ップしロール絞り後 1 20°Cで 1分間乾燥して、 無機処理層の上に S i 換算で 5 m g Zm 2の膜厚に相当するシランカツプリング剤層を有する表面処理金属材料 を得た。
2. 樹脂被覆金属材料の作成
得られた表面処理金属材料を予め板温度 2 50°Cに加熱しておき、 片面上に表 1 2の ( h ) のキャス トフイルムの下層側が接して被覆され、 外面側となるもう 一方の片面上に表 1 2の ( j ) のキャス トフイルムが被覆されるように、 ラミネ 一卜ロールを介して熱圧着後、 直ちに水冷することにより、 樹脂被覆金属材料を 得た。
3. 缶胴及び缶蓋の作成
得られた樹脂被覆金属材料に加工用潤滑剤を塗油後、 再絞り加工 (絞り比 2. 5) を行い、 内径 6 5. 3 mmの缶胴を作成した。 続いて、 樹脂フィルムの歪み をとるために 22 0°Cで 6 0秒間熱処理を行い、 開口端端部のトリミング加工、 フランジ加工を行って、 高さ 1 0 1 . 1 mm深絞り缶を作成した。 一方、 得られ た樹脂被覆金属材料の一部を用いて、 定法により、 2 1 1 径のフルオープン蓋に 成形した。
4. 内容品充填試験
このようにして作成した缶胴及び缶蓋を用いて、缶胴にミートソースを充填後、 フルオープン蓋を 2重巻締めし、 1 2 0°C30分のレトルト殺菌処理を行った。
5. 表面処理金属材料の評価 得られた有機表面処理前の無機表面処理金属材料の一部は、 実施例 4 1 と同様 に、 重量膜厚測定、 表面原子比の測定に供し、 結果を表 1 6に示した。
6. 容器評価
容器成形後の有機被膜の状態を調べ、 剥離、 穴あき等の異常がないかを観察し た。 また、 内容物充填後、 3 7 °Cで 6ヶ月貯蔵後開缶し、 容器内面側の腐食や有 機被膜の浮きなどが発生していないかを調べ、 結果を表 1 6に示した。
(実施例 7 6 )
1 . 表面処理金属材料の作成
金属板として厚み 0. 1 7 mm、調質度 D R 8の冷延鋼板を、電解脱脂、酸洗、 水洗、 純水洗し、 前処理を行い、 片面あたりニッケルを 0. 3 g Zm2にめつき した後、 片面あたり錫を 0. 6gZm2にめつきし、 リフロー処理を行って、 ニッ ゲル—錫一鉄の合金層を形成した。 続いて、 実施例 7 5と同様に、 表 1 0の Oの 処理浴中で陰極電解及びシランカツプリング剤処理を行って、 表面処理金属材料 を得た。
2. 樹脂被覆金属材料の作成
得られた表面処理金属材料を、 エポキシアクリル系水性塗料を用い、 焼付け後 の塗膜厚みが 1 0 mになるように両面にロールコートし、 2 0 0°C 1 0分間の 焼付け処理を行うことにより、 樹脂被覆金属材料を得た。
3. 缶胴及び缶蓋の作成
得られた樹脂被覆金属材料に加工用潤滑剤を塗油後、 絞り加工 (絞り比 1 . 3 ) を行い、 内径 8 3. 3 mmの缶胴を作成した。 続いて、 開口端端部のトリ ミング 加工、 フランジ加工を行って、 高さ 4 5. 5 mmの絞り缶を作成した。 一方、 得 られた樹脂被覆金属材料の一部を用いて、 定法により、 3 0 7径のフルオープン 蓋に成形した。
4. 内容品充填試験
このようにして作成した缶胴及び缶蓋を用いて、 缶胴にツナ油漬けを充填後、 フルオープン蓋を 2重巻締めし、 1 1 5°C 6 0分のレ トルト殺菌処理を行った。 5. 表面処理金属材料の評価
実施例 7 5と同様に、 無機表面処理層の重量膜厚測定、 表面原子比の測定を実 施した。
6. 容器評価
開缶後硫化変色の有無を調べた以外は、 実施例 7 5と同様に容器評価を実施し (実施例 7 7 )
1 . 表面処理金属材料の作成
金属板として厚み 0. 2 2 mm、 調質度 T 4の冷延鋼板を、 電解脱脂、 酸洗、 水洗、 純水洗し、 前処理を行い、 片面あたり錫を 2. O g Zm2にめつき後、 リ フロー処理を行い、 続いて、 表 1 0の Lの処理浴中で電流密度 0. 6 AZ d m2 とし 0. 6秒通電ー 0. 4秒停止を 1 6回繰り返して陰極電解した以外は、 実施 例 4 1 と同様に陰極電解処理を行って、 缶胴用表面処理金属材料を得た。
一方、 0. 2 1 の調質度丁 4の冷延鋼板についても、上記と同様に処理し、 缶蓋用表面処理金属材料を得た。
2. 樹脂被覆金属材料、 缶胴及び缶蓋の作成
缶胴用表面処理金属材料を用いて、 エポキシァクリル系水性塗料を缶胴の継目 部分にあたる場所を除いて、 焼付け後の膜厚が内面側 5 j[ m、 外面側 3 mにな るようにマージン塗装し、 熱風乾燥炉中で 1 0分間焼付け硬化させて樹脂被覆金 属材料を得た。 作成した樹脂被覆金属材料をブランク状に切断し、 そのブランク を線電極を用いた市販の電気抵抗溶接機にて円筒状に溶接し、 次に、 缶胴の溶接 継ぎ目部の内外面側に溶剤型エポキシユリァ系補修塗料を乾燥塗膜厚みが 4 0 μ mになるようにスプレー塗装した後、 熱風乾燥炉中で 3分間焼付け、 継ぎ目部分 を被覆して溶接缶胴 (缶径 6 5. 4 mm、 缶胴高さ 1 2 2 mm) を作成した。
一方、 缶蓋用表面処理金属材料に、 エポキシァクリル系水性塗料を、 焼付け後 の塗膜厚みが 1 0 mになるように両面に口一ルコー卜し、 2 0 0°C 1 0分間の 焼付け処理を行った後、 定法により、 2 0 9径のシ Iル蓋に成形した。 缶胴の一方の開口端を、 フランジ加工、 ネックイン加工し、 前記 209径の蓋 を卷締めた後、 もう一方の開口端を卜リプルネックイン、 フランジ加工した。
3. 内容品充填試験
50°Cでコーヒー飲料を充填した後、 206径アルミ S O T蓋を 2重巻締めし、 1 25 °C 2 5分のレトルト殺菌処理を行った。
4. 表面処理金属材料の評価
実施例 7 5と同様に、 重量膜厚測定、 表面原子比の測定を実施した。
5. 容器評価
開缶後の鉄溶出量も測定した以外は、実施例 7 5と同様に容器評価を実施した。 (実施例 7 8)
1 . 表面処理金属材料の作成
片面あたり錫を 1 1 . 2 gZm2にめつき後、 リフロー処理を行った以外は、 実施例 7 7と同様に処理し、 缶胴用表面処理鋼板を得た。 一方、 缶蓋用表面処理 金属材料は実施例 7 7と同一の処理板を用いた。
2. 樹脂被覆金属材料、 缶胴及び缶蓋の作成
缶胴用表面処理金属材料は、 塗装せずにブランク状に切断し、 そのブランクを 線電極を用いた市販の電気抵抗溶接機にて円筒状に溶接し、 缶胴の溶接継ぎ目部 の内外面側に溶剤型エポキシユリア系補修塗料を乾燥塗膜厚みが 40 mになる ようにスプレー塗装した後、 熱風乾燥炉中で 3分間焼付け、 継ぎ目部分を被覆し て缶胴 (缶径 74. 1 mm, 缶胴高さ 8 1 . 2 mm) を作成した。
一方、 缶蓋用表面処理金属材料に、 エポキシアクリル系水性塗料を、 焼付け後 の塗膜厚みが 1 0 mになるように両面にロールコートし、 200°C 1 0分間の 焼付け処理を行った後、 定法により、 3 0 1径のシェル蓋に成形した。
缶胴の一方の開口端を、 フランジ加工、 ネックイン加工し、 前記 3 0 1径の蓋 を巻締めた後、 もう一方の開口端をトリプルネックイン、 フランジ加工した。
3. 内容品充填試験
得られた缶にみかんシロップ漬けをホッ トバック充填した後、 開口部にも前記 3 0 1径蓋を 2重巻締めし、 湯殺菌処理をおこなった。
4. 表面処理金属材料の評価
実施例 7 5と同様に、 重量膜厚測定、 表面原子比の測定を実施した。
5. 容器評価
3 7 °Cで 6ヶ月貯蔵後開缶し、 容器内面の不均一な変色が発生していないか、 及び、 内容物の褐変など生じていないかを評価した他は、 実施例 7 5と同様に評 価した。
(実施例 7 9 )
1 . 表面処理金属材料の作成
金属板として厚み 0. 2 2 mm、 調質度 T 4の冷延鋼板を、 電解脱脂、 酸洗、 水洗、 純水洗し、 前処理を行い、 片面あたりニッケルを 0. 0 3 g Zm2にめつ きした後、 片面あたり錫を 1 . 3gZm2にめつき後、 リフロー処理を行い、 続い て、 実施例 7 7と同様に、 表 1 0の Lの処理浴中で陰極電解処理を行って缶胴用 表面処理金属材料を得た。
一方、 0. 2 1 mmの調質度 T 4の冷延鋼板についても、上記と同様に処理し、 缶蓋用表面処理金属材料を得た。
2. 樹脂被覆金属材料、 缶胴及び缶蓋の作成
缶胴用表面処理金属材料を用いて、 エポキシフヱノール溶剤型塗料を缶胴の継 目部分にあたる場所を除いて、 焼付け後の膜厚が内面側 5 m、 外面側 3 / mに なるようにマージン塗装し、 熱風乾燥炉中で 1 0分間焼付け硬化させて樹脂被覆 金属材料を得た。 作成した樹脂被覆金属材料をブランク状に切断し、 そのブラン クを線電極を用いた市販の電気抵抗溶接機にて円筒状に溶接し、 次に、 缶胴の溶 接継ぎ目部の内外面側に溶剤型エポキシユリア系補修塗料を乾燥塗膜厚みが 4 0 mになるようにスプレー塗装した後、 熱風乾燥炉中で 3分間焼付け、 継ぎ目部 分を被覆して溶接缶胴 (缶径 6 5. 4 mm、 缶胴高さ 1 2 2 mm) を作成した。 一方、 缶蓋用表面処理金属材料に、 エポキシフエノール溶剤型塗料を、 焼付け 後の塗膜厚みが 1 0 mになるように両面にロールコー卜し、 2 0 0°C 1 0分間 の焼付け処理を行った後、 定法により、 2 09径のシヱル蓋に成形した。
缶胴の一方の開口端を、 フランジ加工、 ネックイン加工し、 前記 209径の蓋 を卷締めた後、 もう一方の開口端を トリプルネックイン、 フランジ加工した。
3. 内容品充填試験
9 3°Cでオレンジジュースをホッ トバックした後、 市販の 206径アルミ S O T蓋を 2重巻締めて密封した。
4. 表面処理金属材料の評価
実施例 7 5と同様に、 重量膜厚測定、 表面原子比の測定を実施した。
5. 容器評価
実施例 7 7と同様に容器評価を実施した。
(実施例 80)
1 . 表面処理金属材料の作成
金属板として厚み 0. 1 9 5 mm、調質度 T 3の冷延鋼板を、電解脱脂、酸洗、 水洗、 純水洗し、 前処理を行い、 片面あたり錫を 1. O gZm2にめつきした後、 続いて、 実施例 7 7と同様に、 表 1 0の Lの処理浴中で陰極電解処理を行って、 缶胴用表面処理金属材料を得た。
一方、 金属板として厚み 0. 2 8 5 mmの J I S 5 1 82 H 1 9アルミ合金板 を用いて表 1 0の Lの処理浴中で電流密度を 5 AZ d m2と し、 0. 6秒通電ー 0. 4秒停止を 8回繰り返して陰極電解した以外は、 実施例 7 1 と同様にして缶 蓋用表面処理金属材料を得た。
2. 樹脂被覆金属材料の作成
得られた缶胴用及び缶蓋用表面処理金属材料を予め板温度 220°Cに加熱して おき、 片面上に表 1 2の ( I ) のキャス トフイルムの下層側が接して被覆され、 外面側となるもう一方の片面上に表 1 2の ( k ) のキャス トフイルムが被覆され るように、 ラミネートロールを介して熱圧着後、 直ちに水冷することにより、 樹 脂被覆金属材料を得た。
3. 缶胴及び缶蓋の作成 缶胴用樹脂被覆金属材料の両面にパラフィンワックスを静電塗油後、 直径 1 4 Ommの円形に打抜き、 定法に従い浅紋リカップを作成した。 ついでこの絞リカ ップを再絞り ■ しごき加工を 2回繰り返して径が小さくハイ 卜の大きい、 深絞り 一しごきカップを得た。 この様にして得られたカツプの諸特性は以下の通リであ つ†:。
力ップ径 5 2 mm、
カップ高さ 1 3 8 mm、
元板厚に対する缶壁部の厚み 一 50%
このカツプはドーミング成形後、 樹脂フィルムの歪みをとるために 220°Cで 60秒間熱処理を行い、 続いて開口端端部のトリ ミング加工、 曲面印刷、 200 径へネックイン加工、 フランジ加工、 リフランジ加工を行って 2 50 gシームレ ス缶を作成した。
また、 缶蓋用樹脂被覆金属材料から定法に従い、 200径の S O T蓋を作成し た。
4. 内容品充填試験
前記 2 5 0 g缶に 5°Cでコーラをコールドパック し、 直ちに、 前記 S O T蓋を 2重巻締めして密封した。
5. 表面処理金属材料の評価
実施例 7 5と同様に、 重量膜厚測定、 表面原子比の測定を実施した。
6. 容器評価
実施例 7 7と同様に容器評価を実施した。
(実施例 8 1 )
1 . 表面処理金属材料及び樹脂被覆金属材料の作成
缶胴用金属板として厚み 0. 2 8 mmの J I S 3 004 H 1 9アルミ合金板を、 缶蓋用金属板と して厚み 0. 25 mmの J I S 5 1 8 2 H 1 9アルミ合金板を 用いて、 表 1 0の Lに示す処理浴中で、 電流密度 1 O AZ d m2で、 0. 4秒通 電ー 0. 6秒停止を 2回繰り返して断続的に陰極電解を行いった以外は、 実施例 7 2と同様に処理を行って表面処理アルミニウム板を得た。 樹脂被覆は、 両面に 表 1 2の(m )のキャス 卜フイルムを被覆した以外は、実施例 7 5と同様にして、 樹脂被覆を行った。
得られた缶胴用樹脂被覆金属材料の両面に、 パラフィンワックスを両面に静電 塗油後、直径 1 6 6 m mの円形に打抜き、定法に従い、浅絞りカップを作成した。 次いで、 この浅絞りカップを、 再絞リーしごき加工を行い、 深絞リーしごき加工 により缶体を得た。 この様にして得られた缶体の諸特性は以下の通りであった。
体 D 6 m m ¾
体高さ 1 2 8 m m、
元板厚に対する缶壁部の厚み 一 6 3 <½
この缶体を、 定法に従い、 ドーミング成形後、 樹脂フィルムの歪みをとるため に 2 2 0 °Cで 6 0秒間熱処理を行い、 続いて開口端端部のトリミング加工、 曲面 印刷、 2 0 6径へネックイン加工、 フランジ加工、 リフランジ加工を行って 3 5 0 gシームレス缶を作成した。 一方、 缶蓋用樹脂被覆金属材料から定法に従い、 2 0 6径の S◦ T蓋を作成した。
2 . 内容品充填試験
前記 3 5 0 g缶に 5 °Cでビールをコールドパック後、 前記 S O T蓋を 2重巻締 めして密封した。
3 . 表面処理金属材料の評価
実施例 7 5と同様に、 重量膜厚測定、 表面原子比の測定を実施した。
4 . 容器評価
開缶後のアルミ溶出量も測定した以外は、 実施例 7 2と同様に容器評価を実施 した。 1 0
処理浴 A 1 Z r T i F B mo 1 / 1 mo 1 / 1 mo 1 / 1 m o 1 / 1 mo 1 / 1
L 0. 0 2 ― ― ― 一
M 0. 0 2 ― 一 0. 0 2 0. 0 5
N 0. 0 1 ― 一 ― ―
O 0. 0 1 ― ― 0. 0 2 0. 0 5
P 0. 0 1 ― ― 0. 1 5 ―
Q 0. 0 1 ― ― 0. 0 7 ―
R 0. 0 2 ― ― ― ―
S 0. 0 2 ― ―■ 一 ―
T 0. 0 1 ― ― 0. 0 1 ―
U 0. 0 1 0. 0 0 3 ― ― ―
V 0. 0 1 ― 0. 0 04 ― ―
W 0. 0 2 0. 0 0 3 0. 00 3 ― ―
X 0. 04 ― ― 0. 0 1 ―
Y 0. 0 7 ― ― ― 一
Z 0. 0 1 ― 一 0. 2 5 ― 1
ポリエステル成分 アイオノ 卜コフエ 2 酸化 マー Π ^"ノレ チタン 共重合成分 ~H- A 含有量 含有量 含有量 含有量 割合 重量%
mol%
G ィソフタル酸 1 2 1 0 0 一 一 ―
H イソフタル酸 5 1 0 0 ― ― ―
I イソフタル酸 5 8 4 1 5 1 1
J イソフタル酸 1 2 7 5 ' 一 ― 一
K イソフタル酸 1 5 8 4 1 5 1 1
L イソフタル酸 1 5 1 0 0 ― ― ―
2 表 層 下 層 樹脂組成 厚 み 樹脂組成 厚 み
(μ m)
(h) B 5 C 25
( i ) C 30 ― ―
(j ) A 5 D 10
(k) B 5 E 25
(1) B 5 E 10
(m) B 5 F 10
(n) F 30 一 ―
重量膜厚 mg/m- 表面原子比 性能
(P+S) 接着 耐食 耐硫 変色 処理の
AI Zr Ti 0/M
/ M (Sn%) 性 . 性 性 性 種類 冥施例 · 14 ― ― 2.23 0.11 0.00 1.5 〇 〇 O o ノンクロム 宴施例 42 28 一 一 1.80 0.60 0.00 1.2 ◎ ◎ O 〇 ノンクロム 冥施例 15 一 '一 2.36 0.06 0.00 1.3 〇 〇 ©· J O ノンクロム 実施例 44 15 ― ― 2.25 0.06 0.00 0.5 〇 〇 ◎ 〇 ノンクロム 奚施例 5 37 ― ― 1.90 1.02 0.00 0.3 〇 ◎ o ノンクロム 施例 46 9 一 ― 1.92 0.7.61 0.00 0.3 〇 〇 ◎ 〇 ノンクロム 冥施例 47 42 -一 -一 1.74 0.42 0.00 0.2 ◎ ◎ 〇■ 〇 ノンクロム 実施例 48 14. 一 一 1.S5 1.10 0.00 0.6 ◎ ◎ 〇 ソンクロム 実施例 49 42 — 1.83 2.25 0.00 0.3 @ 〇 ◎ 〇 ノンクロム 冥施例 50 75 2.23 1.92 0.00 0.1 〇 〇 〇 〇 ノンクロム 旲施例 ·5 Ί 30 — ■ 3.06 0.03 0,18 1.6 〇 〇 〇 0 ノンクロム 宾施倒 52 50 — — . 5.13 0.00 1.00 0.9 〇 〇 〇 〇 ノンク Πム 施例 5Ξ. 5 3.28 0.36 0.19 0.2 〇 〇 〇 0 ノンク ώム 実施例 54 12 2.85 0.42 0.00 1.2 〇 〇 〇 0 ノンウロム 莫施例 18 5 3.12 0.35 0.00 1.7 〇 ◎ 〇 〇 ノンクロム 実施例 56 26 10 8 3.32 0.56 0.00 0.8 〇 〇 〇 〇 ノンクロム 実施例' 57 43 4.25 0.32 0.00 3.5 . 〇 〇 〇 ノンクロム 実施例 58 25 ' 1.76 1.92 0.00 0.8 0 ◎ 〇 〇 ノンクロム 比較例 25 175 3.22 1,85 0.00 0.1 A 〇 〇 〇 ソンクロム 比較例 2S 15 一 5:73 0.00 1.19 7.0 A A 〇 〇 ノンクロム 比鲛例 2了 10 6.07 0.02 1.30 5.5 〇 〇 ノンクロム 比 ¾例 2β 12 2.85 3.33 0.00 4.5 A A 〇 〇 ノンクロム 比較例 〇 A 0 〇 クロム ¾ 比較例 30 〇 〇 〇 〇 ク 比較例 31 一 26 ― 4.17 0.95 0.00 22.0 ― 一 一 X ノンクロム 05 011877
表 1 4
性 能 '
接着性 耐食性 耐硫性
実施例 5 9 〇 〇 ◎
実施例 6 0 .◎ ◎ ◎
実施例 6 1 ◎ ◎ ◎
実施例 6 2 〇 〇 ◎
実施例 6 3 ◎ ◎ ◎
実施例 6 4 〇 ◎
実施例 6 5 ◎ 〇 ◎
実施例 6 6 ◎ 〇 ◎
実施例 6 7 〇 〇 ◎
実施例 6 8 〇 〇 ◎
実施例 6 9 〇 〇 ◎
実施例 7 0 〇 〇 ◎
比較例 3 2 ◎ X 〇
Figure imgf000113_0001
ここで、 Mは膜厚を代表する元素 (Aほたは Zr)
表' fら
評 価
AI 表面原子比 容器 容 器 性 能 用 途 成形性 容器内面状態 金属 臈厚
(P+S) 内容 溶出量 mg/m2 Ο/ΑΙ F/AI 有機被瞑 腐食 有機被膜 容器内
1 AI 変色 pprn の状態 状態 の状態 面変色
缶胴 - 実施例; 75 42 1.34 1.06 0.00 常なし 異常なし 異常なし
击 用 ― 一 ― 缶胴 ·
実施例; 76 35 1.66 1.16 0.00 異営なし 異常なし 異常なし 異常なし ― ― 実施例 77 缶胴用 22 2.08 0.12 0.00
31 異常なし
1.92 0.1.1 0.00 異常なし 異常なし 一 ― 0.00
15 1.97 0.13 0.00
実施例 78 缶胴用
缶 g用 31 1.92 0.1 1 0.00 異常なし 異常なし ― 異常なし ― 缶胴用 35 2.33 0.15 0.00
施例:79 なし
43 2.4フ 0.11 0.00 異常なし 異常なし 異常 ― 一 0.05 缶腼用 30 1.3.3 0.14 0.00
実施例 80 異常なし ― ― 0.00 缶蘯用 45 2.26 0.12 0.00 異常なし 異常なし
2.45 0.14 0.00
.異常なし
実施例 81 缶胴用 21
異常なし 異常なし 一 一 0.00 缶 §用 45 2.38 0.16 0.00
産業上の利用可能性
本発明の表面処理金属材料及び樹脂被覆金属材料においては、 特に金属缶及び 缶蓋に有効に使用できるが、 これ以外にも自動車、 家電製品、 建材等の用途にも 有効に使用することができる。
また本発明の表面処理法は、 アルミニウム板や鋼板の他、 錫めつき鋼板や亜鉛 めっき鋼板といった表面処理鋼板にも適用することができ、 例えば、 亜鉛めつき 鋼板や錫めつき鋼板に適用することによって、 亜鉛や錫の防食性と、 ノンクロム 表面処理の密着性や耐食性との相乗効果を得ることができ、 多様な基材に処理で きることで、 よリ広い用途に適用可能な表面処理鋼板を提供することが可能とな る。

Claims

言青 求 の 範 囲
1 . 金属基体表面に無機成分を含有する表面処理層が形成されている表面処理 金属材料であって、 該無機表面処理層が少なく とも T i , O, Fを含有すると共 に、 リン酸イオンを含有しないことを特徴とする表面処理金属材料。
2. 前記表面処理層が Z rを含有する請求項 1記載の表面処理金属材料。
3. 前記表面処理層の最表面に含有される Pと M (但し、 Mは、 T i 或いは T i 及び Z rを表す) の原子比が 0≤ PZM< 0. 6である請求項 1記載の表面処 理金属材料。
4. 前記表面処理層の最表面に含有される Oと M (但し、 Mは、 T i 或いは T i 及び Z rを表す) の原子比が 1 < OZM< 1 0である請求項 1記載の表面処理 金属材料。
5. 前記表面処理層の最表面に含有される Fと M (但し、 Mは、 T i 或いは T i 及び Z r を表す) の原子比が 0· 1 < F M< 2. 5である請求項 1記載の表 面処理金属材料。
6. 金属基体表面に無機成分を含有する表面処理層が形成されている表面処理 金属材料であって、 該無機表面処理層が少なく とも T i 及び 又は Z O, F を含有すると共に、 S i 02粒子を含有し、 リン酸イオンを含有しないことを特 徴とする表面処理金属材料。
7. 金属基体表面に無機成分を含有する表面処理層 (A) と有機成分を含有す る有機表面処理層 (B) が形成されている表面処理金属材料であって、 該無機表 面処理層 (A) が M (但し、 Mは T i 及び 又は Z rを表す) , 0, Fを含有す ることを特徴とする表面処理金属材料。
8. 前記無機表面処理層 (A) 力 リン酸イオンを含有しないものである請求 項 7記載の表面処理金属材料。
9. 前記無機表面処理層 (A) の最表面に含有される Pと M (但し、 Mは、 T i 及び Z又は Z rを表す) の原子比が 0≤ PZM< 0. 6である請求項 7記載の 表面処理金属材料。
1 0. 前記無機表面処理層 (A) の最表面に含有される Oと M (但し、 Mは、 T i 及びノ又は Z r を表す) の原子比が 1 ぐ OZM< 1 0である請求項 7記載の 表面処理金属材料。
1 1 . 前記無機表面処理層 (A) の最表面に含有される Fと M (但し、 Mは、 T i 及び Z又は Z rを表す) の原子比が 0. 1 < FZM< 2. 5である請求項 7 記載の表面処理金属材料。
1 2. 前記無機表面処理層 (A) が、 S i 02粒子を含有する請求項 7記載の 表面処理金属材料。
1 3. 前記有機表面処理層 (B) 力^ 0. 8〜 3 0 m gZm2の S i 量を有す るシランカツプリング剤処理層である請求項 7記載の表面処理金属材料。
1 4. 前記有機表面処理層 (B) が、 フエノール系水溶性有機化合物から成る 有機表面処理層である請求項 7記載の表面処理金属材料。
1 5. T i 及び Fを含有し、 リン酸イオン濃度が P 04として 0. 003モル リッ トル未満である水溶液中で陰極電解処理を行い、 金属基体表面に無機被膜を 形成することを特徴とする金属基体の表面処理方法。
1 6. 前記水溶液が Z r を含有する請求項 1 5記載の表面処理方法。
1 7. 前記水溶液の浴濃度が、 M (但し、 Mは、 T i 或いは T i 及び Z r ) と して 0. 0 1 0〜 0. 0 50モル リッ トル、 Fとして 0. 03〜 0. 3 5モル リッ トルの範囲にある請求項 1 5記載の表面処理方法。
1 8. 前記水溶液が水分散性シリカを含有する請求項 1 5記載の表面処理方法。
1 9. 前記陰極電解処理を断続的に行う請求項 1 5記載の表面処理方法。
2 0. Z r , F及び水分散性シリカを含有し、 リン酸イオン濃度が P 04とし て 0. 003モル/リッ トル未満である水溶液中で陰極電解処理を行い、 金属基 体表面に無機被膜を形成することを特徴とする金属基体の表面処理方法。
2 1. 前記水溶液の浴濃度が、 Z r として 0. 0 1 0 ~ 0. 0 5 0モル リッ トル、 Fとして 0. 03〜 0. 3 5モル Zリッ トルの範囲にある請求項 20記載 の表面処理方法。
2 2. 前記陰極電解処理を断続的に行う請求項 20記載の表面処理方法。
2 3. 金属基体 (A I を除く) の表面に少なく とも A I 及び Oを含有する無機 表面処理層が形成されていることを特徴とする表面処理金属材料。 .
24. 金属基体の表面に, 水溶液からの陰極電解により析出して形成された無 機表面処理層を有する表面処理金属材料であって、 該無機表面処理層が少なく と も Α Ι , Ο及び Fを含有し, 無機表面処理層の最表面に含有される Fと Μ (但し、
Μは A I 、 または A I と、 T i , Z rのうち少なく とも 1種以上を含む) の原子 比が、 0. 1 < FZMであることを特徴とする表面処理金属材料。
2 5. 前記無機表面処理層がアルミニウムの水酸化物またはォキシ水酸化物を 含有する請求項 2 3記載の表面処理金属材料。
2 6. 前記無機表面処理層が Z r , T i のうち、 少なく とも 1種を含有するこ とを特徴とする請求項 2 3記載の表面処理金属材料。
2 7. 前記無機表面処理層の最表面に含有される Oと M (但し、 Mは A I 、 又 は A I と、 T i , Z rのうち少なく とも 1種以上を含む) の原子比が、 1 <0ノ M< 5. 5である請求項 2 3記載の表面処理金属材料。
2 8. 前記無機表面処理層の最表面に含有される Fと M (但し、 Mは A I 、 また は A I と、 T i , Z rのうち少なく とも 1種以上を含む) の原子比が、 FZM< 2. 5である請求項 23記載の表面処理金属材料。
2 9. 前記無機表面処理層の最表層に含有される (P + S) と M (但し、 Mは A I 、 または A I と、 T Z rのうち少なくとも 1種以上を含む) の原子比が、
(P + S) /M< 0. 2 5である請求項 2 3記載の表面処理金属材料。
3 0. 前記無機表面処理層の膜厚が、 A I の重量膜厚で、 5〜 1 00m gZm 2である請求項 2 3記載の表面処理金属材料。
3 1. 前記金属基体が、 錫、 ニッケル、 亜鉛、 鉄の 1種以上を含むめっき層を 有している表面処理鋼板であることを特徴とする請求項 2 3記載の表面処理金属 材料。
32. 前記金属基体の主元素の表面露出率が 5 <½未満であることを特徴とする 請求項 2 3記載の表面処理金属材料。
3 3. 前記無機表面処理層の上に、 S i 量として 0. 8~ 30m gZm2のシラ ンカツプリング剤を主体とする有機表面処理層が形成されている請求項 2 3記載 の表面処理金属材料。
34. 前記無機表面処理層の上に、フエノール系水溶性有機化合物を主体とする 有機表面処理層が形成されている請求項 2 3記載の表面処理金属材料。
3 5. A I イオン濃度が 0. 00 1 〜 0. 0 5モル Zリッ トルの範囲にある水 溶液中で陰極電解処理を行い、 金属基体表面にアルミニウムの水酸化物またはォ キシ水酸化物を含有する被膜を形成することを特徴とする金属基体の表面処理方 法。
3 6. 前記水溶液中に Fイオンを含むことを特徴とする請求項 35記載の表面 処理方法。
3 7. 丁 ; 及び 又は し O, Fを含有する無機表面処理層が金属基体表面 に形成された表面処理金属材料の少なく とも片面上に、 有機樹脂が被覆されてな ることを特徴とする樹脂被覆金属材料。
3 8. 前記無機表面処理層が Z r を含有する請求項 3 7記載の樹脂被覆金属材 料。
3 9. T i , Z r , A I の少なく とも一つ, O及び Fを含有する無機表面処理 層、 及び該無機表面処理層上に、 S i 量として 0. 8〜 3 0m gZm2のシラン カツプリング剤を主体とする有機表面処理層又はフエノール系水溶性有機化合物 を主体とする有機表面処理層が形成された表面処理金属材料の少なく とも片面上 に、 有機樹脂が被覆されてなることを特徴とする樹脂被覆金属材料。
40. 請求項 3 7 ~ 3 9の何れかに記載の樹脂被覆金属材料から成ることを特 徴とする金属缶。
4 1. 請求項 3 7〜 3 9の何れかに記載の樹脂被覆金属材料から成ることを特 徴とする缶蓋。
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