WO2004092839A1

WO2004092839A1 - 感光性樹脂組成物用基板密着性向上剤及びそれを含有する感光性樹脂組成物

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Publication number: WO2004092839A1
Application number: PCT/JP2004/004920
Authority: WO
Inventors: Takashi Takeda; Satoshi Kobayashi; Dong-Myung Shin
Original assignee: Az Electronic Materials (Japan) K.K.; Az Electronic Materials Usa Corp.
Priority date: 2003-04-11
Filing date: 2004-04-05
Publication date: 2004-10-28
Also published as: CN1771466A; CN100552546C; TW200508804A; KR20060006809A; US20070003860A1; JP2004347617A; TWI326804B

Description

明細書感光性樹脂組成物用基板密着性向上剤及ぴそれを含有する感光性樹脂組成物技術分野

本発明は、感光性樹脂組成物用基板密着性向上剤及びこの感光性樹脂組成物用基板密着性向上剤を含有する感光性樹脂組成物に関する。更に詳しくは、本発明は、半導体集積回路素子、液晶表示素子等のフラット · パネル ' ディスプレー（F P D ) 製造などにおいて、シリコン基板、ガラス基板や、これら基板上にモリブデン（M o ) などの金属膜や金属酸化膜、非金属酸化膜などを有する基板に対する感光性樹脂組成物の密着性を改善するために用いられる密着性向上剤及びこの密着性向上剤を含有する感光性樹脂組成物に関する。背景技術

I Cや L S Iなどの半導体集積回路素子、カラーフィルター、液晶表示素子などのフラット · パネル · ディスプレー ( F P D ) 製造などにおいては、従来から微細加工を行なうためにリソグラフィー技術が用いられている。近年では、これら微細加工には、サブミクロンあるいはさらにクォーターミク口ンオーダーでの微細加工が要求され、これを可能にするリソグラフィー技術の開発が進められている。

ところで、このようなリソグラフィー技術においては、通常次のような方法により基板上にレジストパターンが形成される。すなわち、まず、基板上に必要に応じ反射防止膜が形成された後、ポジ型あるいはネガ型の感光性樹脂組成物が塗布され、加熱処理（プリベータ）されてフォトレジスト膜が形成される。その後、このフォトレジスト膜は、紫外線、遠紫外線、電子線、 X線等の各種放射線によりパターン露光された後現像されて、レジストパターンが形成される。上記感光性樹脂組成物を塗布する方法としては、スピンコート法、ロールコート法、ランドコート法、流延塗布法、ドクターコート法、浸漬塗布法、スリットコート法など種々の方法が用いられている。

こうして得られたレジストパターンは、エッチングやイオン注入の際のマスクとして用いられる他、カラーフィルターの製造においては、フィルター形成材料としても利用される。レジスト素材としては、半導体集積回路素子の製造においては、ポジ型の感光性樹脂組成物が多く利用され、その塗布方法としてはスビンコ一ト法が多く用いられている。また、液晶表示素子などのフラットパネルディスプレイ ( F P D ) の製造においても、レジスト材料としてポジ型の感光性樹脂組成物が多く用いられている。

ところで、従来から、 I Cや L S Iなどの半導体デバイス、薄膜トランジスタ（T F T )、あるいは液晶表示素子などの製造プロセスにおいては、基板としてシリコン基板やガラス基板が用いられている。そしてこれらの基板には、必要に応じ、更に金属膜、非金属膜、金属酸化膜、非金属酸化膜なども設けられている。これら基板上に設けられる膜を具体的に例示すると、アモルファスシリコン膜、ポリシリコン膜、窒化シリコン膜、シリコン酸化膜、インジユウム錫酸化物（ I T O )、酸化錫、 A 1、 T a、 M o、 C rなどである。これらの膜は、 C V D、スパッタリング、真空蒸着、熱酸化法などの方法により設けられる。感光性樹脂組成物は、基板材料、基板膜材料を含むこれら基板材上に塗布され、基板上にレジストパターンが形成される。得られたレジストパターンは、例えば保護膜（マスク）として用いられ、ドライエッチングあるいはゥェットエッチングにより、基板に微細凹凸パターンが形成される。

上記のごときフォトエッチング法では、基板上の金属膜などを精度良くエッチングするためには、塗布される感光性樹脂組成物や形成されたレジストパターンと基板との密着性が重要であることが知られている。なぜなら、感光性樹脂組成物と基板との密着性が良好でないと、感光性樹脂組成物を塗布して形成されたフォトレジスト膜をパターン露光し、現像する際に、形成されたレジストパターンの倒れや剥れが起きる。またレジストパターンと基板との密着性が良好でないと、エッチング時にもパターン倒れやパターン剥れが起きることもある。このようなパターン倒れやパターン剥れが起ると、エッチングにより形成された配線に、配線の切断や短絡などの欠陥が生じるなどして、量産プロセスでの歩留まりが低下するという問題が生じる。このような感光性樹脂組成物の基板に対する密着性の欠如に起因するパターン欠陥は、感光性樹脂組成物が塗布される膜が M o膜や T a膜である場合に特に起こり易い。

このような感光性樹脂組成物と基板との密着性を改善するために、従来密着性向上剤を感光性樹脂組成物に添加することが知られている。これら密着性向上剤による感光性樹脂の密着性の改善の例としては、例えば、ベンゾィミダゾール類ゃポリベンゾィミダゾールをポジ型フォトレジスト組成物に配合することにより、ポジ型フォトレジスト組成物と基板との密着性を向上させること（例えば、特開平 6 — 2 7 6 5 7号公報参照）や、特定のベンゾトリァゾール類をポジ型またはネガ型フォトレジスト組成物中に含有させることにより、ポジ型またはネガ型フォトレジスト組成物と基板との密着性を向上させること（例えば、特開 2 0 0 0 - 1 7 1 9 6 8号公報、特開平 8— 3 3 9 0 8 7号公報参照）などが知られている。しかしながら何れの場合も、フォトレジスト組成物の保存安定性が損なわれると力、厳しい条件下での密着性が十分でないなどの問題があり、更なる改善が求められているのが現状である。

本発明は、上記のごとき従来の問題を有さない感光性樹脂組成物用基板密着性向上剤、及びそれを含有する感光性樹脂組成物を提供することを目的とするものである。

すなわち、本発明の目的は、感光性樹脂組成物に添加された場合、添加された感光性樹脂組成物の保存安定性の低下がなく、しかも基板との密着性付与能が極めて優れた感光性樹脂組成物用基板密着性向上剤を提供することである。

また、本発明の他の目的は、上記感光性樹脂組成物用基板密着性向上剤を含有する、優れた基板との密着性を有する感光性樹脂組成物を提供することである。

更に、本発明の更に他の目的は、現像あるいはエッチング時に、基板となる金属、非金属、金属酸化膜及び非金属酸化膜などとの密着性が良好で、精度良くエッチング加工を行うことができ、また量産歩留まり向上に寄与することのできる感光性樹脂組成物用基板密着性向上剤、及ぴそれを含有する感光性榭脂組成物を提供することである。発明の開示

本発明者らは、鋭意研究、検討を重ねた結果、 N—フエ二ルー 2 H— ベンゾトリァゾール化合物を感光性樹脂組成物の基板密着性向上剤として用いることにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を成したものである。

すなわち、本発明は、下記一般式（1 ) で表される N—フエ二ルー 2 H—べンゾトリァゾール化合物からなる感光性樹脂組成物用基板密着性向上剤に関する。

(式中、！^¹〜！^⁴は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子または C のアルキル基を表し、 R⁵〜R⁹は、各々独立して、水素原子、水酸基、じ〜。のアルキル基、ァリール基、 C ₇〜 ₂のァラルキル基、一 R ^COOR¹ \ または一 R¹⁰CO— (OCH₂CH₂) n— OHで、かつ R ⁵および R ⁹の少なくともいずれかが水酸基である基を表し、 R ^{1 0} は C ₂〜₅のアルキレン基を表し、 R ^{1 1}は C 〜₈のアルキル基を表し、 n は 2〜 2 0の整数を表す。）

また、本発明は、上記一般式（ 1 ) で表される N—フエ二ルー 2 H— ベンゾトリァゾール化合物の少なくとも 1種を含有することを特徴とするアル力リ可溶性樹脂及ぴ感光剤を含有する感光性樹脂組成物に関す以下、本発明を更に詳細に説明する。

本発明の感光性樹脂組成物用基板密着性向上剤は、前記一般式（ 1 ) で表される N—フエ二ルー 2 H—べンゾトリ了ゾ一ル化合物であれば特に制限はない。これら一般式（ 1 ) で表される N—フエ二ルー 2 H—べンゾトリァゾール化合物は、公知の製造法にしたがって製造することができる。一般式 ( 1 ) で表される N—フエニル一 2 H—ベンゾトリァゾール化合物としては、例えば、下記式（ 2) で表される 2— （ 3 , 5一ジー t—ブチノレー 2—ヒドロキシフエ二ノレ) — 2 H—べンゾトリアゾール、式 ( 3 ) で表される 2― ( 2—ヒドロキシー 5— t一ブチルフエ二ル）一 2 H—べンゾトリァゾール、式（ 4 ) で表される 2— ( 2 H—ベンゾトリアゾール一 2—ィル）一 p—クレゾール、式（5) で表される 2 - ( 2 H—べンゾトリアゾール一 2—ィル）一 4, 6—ジ _ t一ペンチルフエノール、式（6) で表される 2— （ 2 H—べンゾトリアゾール一 2—ィル）一 4, 6—ビス（ 1ーメチノレ一 1一フエニノレエチル）フエノール、式（7) で表される 2— （ 2 H—ベンゾトリァゾールー 2—ィノレ）一 6— （ 1—メチノレー 1—フエ二ルェチノレ）一 4一（ 1 , 1 , 3, 3、ーテトラメチルブチル) フエノール、式（ 8 ) で表される如きベンゼンプロピオン酸， 3— （ 2 H—ベンゾトリアゾール _ 2—ィル）一 5 一（ 1 , 1ージメチルェチル) _4ーヒドロキシ一， C ₇_₉—分岐または直鎖アルキルエステル、式（ 9 ) で表される如き a— [ 3— [ 3— （ 2 H—ベンゾトリアゾール一 2—ィル) — 5— ( 1 , 1—ジメチルェチル）一 4—ヒドロキシフエニル] 一 1一ォキソプロピル] — ω—ヒドロキシポリ (ォキソー 1， 2—エタンジィル）、式（ 1 0 ) で表されるオタチル — 3— [ 3 _ t—ブチノレー 4—ヒドロキシ _ 5 ( 5—クロロー 2 H—ベンゾトリァゾールー 2—ィル) フエニル] プロピオネートなどが挙げられる。

¾C CH₃

HO 、

(2)

Ζ6簡 tOOZdf/ェ:) d 6£8Z60請 OAV

これら化合物の内、 2— （ 3 , 5—ジ一 t 一プチルー 2—ヒドロキシフエニル）一 2 H—べンゾトリアゾールは、例えばランカスター社（英国）から市販されており、容易に市場で入手可能であるとともに、優れた密着性向上特性を示し、このため本発明の感光性樹脂組成物用密着性向上剤として好ましい化合物である。

本発明の感光性樹脂組成物用基板密着性向上剤の添加量は、通常、感光性樹脂組成物の樹脂固形分に対して 1 0〜5 0， 0 0 0 p p mであり、好ましくは、 1 0 0〜5， 0 0 0 p p mである。感光性樹脂組成物用基板密着性向上剤の添加量が 1 0 p p mより少ないと、密着性向上効果が発揮されず、他方添加量が 5 0 , 0 0 0 p p mより多いと現像不良に起因するパターン形成不良、感度低下、昇華物発生等の問題が発生する。

N—フエ二ルー 2 H—ベンゾトリァゾール化合物が、感光性樹脂組成物、特にアル力リ可溶性樹脂と感光剤からなる感光性樹脂組成物に添加された場合に、従来の密着性向上剤に比べ優れた特性を示すのは、次のような理由によると推察される。しかし、本発明がこれにより何ら限定されるものではない。

すなわち、 N—フエ二ルー 2 H—べンゾトリアゾール化合物は、金属膜や酸化膜に対して親和性のある窒素を含有している。また、これら窒素上の非共有電子対は、その芳香環構造や結合しているフニニル基により、類似のイミダゾール、イミダゾリンなどの窒素複素環化合物の中でも非常に活性が高いものと思われる。このように、 N—フエ二ルー 2 H 一べンゾトリァゾール化合物は活性の高い窒素を 3個有しており、構造上窒素原子を 2個或いは 4個含有する他の化合物と比べた場合よりバランスが良いものである。さらに、フエニル基置換により、類似のベンゾトリァゾール化合物と比較して、ベースポリマーとの親和性が高く、したがって N—フエ二ルー 2 H—ベンゾトリァゾール化合物は、金属膜あるいは酸化膜側並びにべ一スポリマ一側の両方に対し親和性を有する。これらのことから、一般式（ 1 ) で表される N—フエ二ルー 2 H—ベンゾトリァゾール化合物を感光性樹脂組成物に添加することにより、感光性樹脂組成物と金属膜並びに酸化膜との密着性が向上するものと思われる。

一方、本発明の感光性樹脂組成物のアルカリ可溶性樹脂としては、例えばノボラック樹脂、フエノール性水酸基を有するビニル重合体、カルボキシル基を有するビニル重合体などが挙げられ、ノポラック樹脂が好ましいものである。アルカリ可溶性ノポラック樹脂は、フエノール類の少なくとも 1種とホルムアルデヒドなどのアルデヒド類とを重縮合することによって得られる .ノボラック型のフエノール樹脂である。

このアル力リ可溶性ノボラック榭脂を製造するために用いられるフエノール類としては、例えば o—クレゾール、 p —クレゾ一ル及ぴ m—クレゾールなどのクレゾ一ノレ類； 3 ， 5—キシレノーノレ、 2 , 5—キシレノーノレ、 2 , 3—キシレノール、 3 , 4—キシレノーノレなどのキシレノール類； 2 , 3 ， 4 _ トリメチルフエノール、 2 ， 3 ， 5— トリメチノレフエノーノレ、 2 , 4 , 5— トリメチノレフェノ一ノレ、 3 , 4 ， 5— トリメチルフエノールなどのトリメチルフエノール類； 2 - t -プチルフエノ一ノレ、 3— t 一ブチルフエノール、 4一 t ーブチノレフエノー/レなどの t —プチルフエノール類； 2—メトキシフエノール、 3 —メトキシフエノール、 4—メトキシフエノール、 2 , 3—ジメトキシフエノ一ノレ、 2 ， 5—ジメトキシフエノーノレ、 3 , 5—ジメトキシフエノーノレなどのメトキシフエノール類； 2—ェチルフエノーノレ、 3—ェチノレフエノーノレ、 4 —ェチノレフエノーノレ、 2 , 3—ジェチノレフエノーノレ、 3 ， 5一ジェチノレフエノーノレ、 2 ， 3 ， 5 — トリエチノレフエノーノレ、 3 , 4 , 5 — トリエチノレフエノーノレなどのェチノレフエノーノレ類； o —クロ口フエノーノレ、 m 一クロ口フエノーノレ、 p—クロ口フエノースレ、 2 , 3—ジクロロフエノ一ノレなどのクロ口フエノーノレ類；レゾノレシノー/レ、 2—メチノレレゾノレシノーノレ、 4—メチノレレゾノレシノーノレ、 5—メチノレレゾノレシノーノレなどのレゾルシノール類； 5—メチルカテコールなどのカテコール類； 5—メチルピロガロ一ノレなどのピロガロール類；ビスフエノ一ノレ A、 B、 C、 D、 E、 Fなどのビスフエノール類； 2， 6—ジメチロール一 p—タレゾールなどのメチロール化クレゾール類； α—ナフトール、 ]3—ナフトールなどのナフトール類などを挙げることができる。これらは、単独でまたは複数種の混合物として用いられる。

また、アルデヒド類としては、ホルムアルデヒドの他、サリチルアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ァセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、クロロアセトアルデヒドなどが挙げられ、これらは単独でまたは複数種の混合物として用いられる。

一方、アルカリ可溶性ノボラック樹脂は、低分子量成分を分別除去したものであっても、低分子量成分を分別除去しないものであってもよい。ノポラック樹脂の低分子量成分を分別除去する方法としては、例えば、異なる溶解能を有する 2種の溶剤中でノボラック樹脂を分別する液一液分別法や、低分子成分を遠心分離により除去する方法等を挙げることができる。

また、感光剤としては、キノンジアジド基を含む感光剤が代表的なものとして挙げられる。キノンジアジド基を含む感光剤としては、従来キノンジアジド一ノボラック系レジストで用いられている公知の感光剤のいずれのものをも用いることができる。このような感光剤としては、ナフトキノンジアジドスルホン酸ク口リドやべンゾキノンジアジドスルホン酸クロリド等のキノンジアジドスルホン酸ハライドと、これら酸ハラィドと縮合反応可能な官能基を有する低分子化合物または高分子化合物とを反応させることによって得られた化合物が好ましい。ここで酸ハラィドと縮合可能な官能基としては水酸基、アミノ基等が挙げられるが、特に水酸基が好適である。酸ハライドと縮合可能な水酸基を含む化合物としては、例えばハイドロキノン、レゾルシン、 2 , 4—ジヒドロキシベンゾフエノン、 2 , 3， 4一トリヒドロキシベンゾフエノン、 2 , 4， 6 _ トリヒドロキシベンゾフエノン、 2， 4, 4 ' 一トリヒドロキシべンゾフエノン、 2 , 3 , 4, 4 ' —テトラヒドロキシベンゾフエノン、 2, 2 ' , 4 , 4，ーテトラヒドロキシベンゾフエノン、 2， 2 3 , 4, 6，一ペンタヒドロキシべンゾフエノン等のヒドロキシベンゾフエノン類、ビス（ 2， 4—ジヒドロキシフエニル）メタン、ビス（ 2， 3， 4一トリヒドロキシフエニル) メタン、ビス（ 2, 4—ジヒドロキシフェニノレ）プロパン等のヒドロキシフエニノレアルカン-類、 4， 4 '， 3 ", 4" ーテトラヒドロキシー 3， 5 , 3，， 5 ' —テトラメチルトリフエ二ルメタン、 4 , 4 ', 2 "， 3 ", 4 " —ペンタヒドロキシ一 3 , 5 , 3 '， 5 ' ーテトラメチルトリフェニルメタン等のヒドロキシトリフエニノレメタン類等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、また 2種以上を組み合わせて用いてもよい。キノンジアジド基を含む感光剤の配合量は、アルカリ可溶性樹脂 1 0 0重量部当たり、通常 5〜5 0重量部、好ましくは 1 0〜4 0重量部である。

本発明の感光性樹脂組成物の溶剤としては、エチレングリコールモノメチノレエーテル、エチレングリコーノレモノエチノレエーテノレ等のエチレングリコ一ノレモノアルキルエーテノレ類、ェチレングリコールモノメチノレエ一テルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルァセテ一ト等のエチレングリコールモノアルキルエーテルァセテ一ト類、プロピレングリコーノレモノメチノレエーテノレ、プロピレングリコーノレモノェチノレエーテノレ等のプロピレングリコールモノァノレキノレエ一テル類、プロピレングリコーノレモノメチ /レエーテノレアセテート、プロピレングリコ一/レモノェチノレエーテ /レアセテート等のプロピレングリコーノレモノァノレキ /レエ一テルアセテート類、乳酸メチル、乳酸ェチル等の乳酸エステル類、トルェン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチルェチルケトン、 2 _ヘプタノン、シクロへキサノン等のケトン類、 N , N—ジメチルァセトアミド、 N—メチルピロリドン等のァミド類、 yーブチロラクトン等のラクトン類等を挙げることができる。これらの溶剤は、単独でまたは 2種以上を混合して使用される。

本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じ染料、接着助剤等を配合することができる。染料の例としては、メチルバィォレツト、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン等が、接着助剤の例としては、了ノレキルイミダゾリン、酪酸、アルキル酸、ボリヒドロキシスチレン、ポリビエルメチノレエーテノレ、 t —プチノレノポラック、エポキシシラン、ェポキシポリマー、シラン等が挙げられる。

本発明の感光性樹脂組成物は、上記アルカリ可溶性樹脂、感光剤、一般式（ 1 ) で示される N—フエ二ルー 2 H—べンゾトリアゾール化合物及び更に必要であれば他の添加剤を所定量溶剤に溶解し、必要に応じフィルターでろ過して製造される。こうして製造された感光性樹脂組成物は、半導体集積回路素子、カラーフィルター、液晶表示素子等の F P D などの製造のため基板上に塗布される。本発明の感光性樹脂組成物が塗布される基板としては、ガラス基板、シリコン基板など任意の基板が挙げられ、その大きさも任意の大きさであってよい。またこれら基板は、クロム膜、酸化ケィ素膜などの被膜が形成されたものであってよい。感光性樹脂組成物の基板への塗布は、例えば、スピンコート法、ロールコート法、ランドコート法、流延塗布法、ドクターコート法、浸漬塗布法、スリツトコ一ト法など従来知られた何れの方法であってもよい。感光性樹脂組成物は基板に塗布された後プリベータされて、フォトレジスト膜が形成される。次いでフォトレジスト膜を従来公知あるいは周知の方法により露光、現像することにより、線幅のバラツキがなく、かつ形状の良好なレジストパターンが形成される。

上記現像の際に用いられる現像剤としては、従来感光性樹脂組成物の現像に用いられている任意の現像剤を用いることができる。好ましい現像剤としては、水酸化テトラアルキルアンモニゥム、コリン、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属メタ珪酸塩（水和物）、アルカリ金属燐酸塩 (水和物）、アンモニア水、アルキルァミン、アルカノールァミン、複素環式ァミンなどのアル力リ性化合物の水溶液であるアル力リ現像液が挙げられ、特に好ましいアル力リ現像液は、水酸化テトラメチルアンモニゥム水溶液である。これらアルカリ現像液には、必要に応じ更にメタノール、エタノールなどの水溶性有機溶剤、あるいは界面活性剤が含まれていてもよい。アルカリ現像液により現像が行われた後には、通常水洗がなされる。発明を実施するための最良の形態

以下に本発明を実施例をもって更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。

実施例 1

重量平均分子量がポリスチレン換算で 1 5 , 0 0 0のノボラック樹脂 1 0 0重量部に対し、 2 , 3 , 4 , 4 ' —テトラヒドロキシベンゾフエノンと 1 , 2 —ナフトキノンジアジド一 5 —スルフォニルクロライドとのエステル化物 1 5重量部、フッ素系界面活性剤であるフロラード一 4 7 2 (住友 3 M社製）を前記ノボラック樹脂に対し 3 0 0 p p m、さらに密着性向上剤として、 2— ( 3 , 5—ジ一 t e r t —ブチルー 2—ヒドロキシフエニル）一 2 H—べンゾトリァゾールを前記ノボラック樹脂に対し 1 , 0 0 O p p m添加し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解、攪拌した後、 0. 2 μ mのフィルターでろ過して、感光性樹脂組成物を調製した。この組成物を M o (モリブデン）膜を成膜した 4インチシリコンウェハー上に回転塗布し、 1 0 0 °C、 9 0 秒間ホットプレートにてベーク後、 1 . 5 μ m厚のレジスト膜を得た。このレジスト膜にニコン社製ステッパー F X 6 0 4 Fにてラインとスぺース幅が 1 ： 1 となった種々の線幅がそろったテストパターンを用いて露光した後、クラリアントジャパン社製 A Z 3 0 0 M I F現像液（2. 3 8重量⁰ /₀水酸化テトラメチルアンモニゥム水溶液）により、 2 3 °C、 8 0秒間現像した。現像後、 5 μ Hiのライン ' アンド ' スペースが 1 ： 1に解像されている露光量を最適露光量とすると、最適露光量は 4 0 m J / c m²であった。次に密着性の確認は、より厳しい状況下、すなわち最適露光量の 1 . 4倍の露光量（ 5 6 m j Z c m²) で、 5 μ πι、 4 μ m及び 3 ,u mのライン · ァンド ' スペースのパターンを観察することにより行い、パターン剥れのないものを〇、パターンが一部剥がれているものを△、全パターンが剥がれているものを Xとして評価し、表 1の結果を得た。

比較例 1

密着性向上剤を添加しないこと以外は、実施例 1 と同様に行い、表 1 の結果を得た。

比較例 2

2 — （3， 5—ジ一 t e r t —プチノレ一 2—ヒドロキシフエ二ノレ） ― 2 H—ベンゾトリアゾールの代わりに、下記式（ 1 1 ) で表されるジェチノレ（ベンゾトリアゾール一 1 —ィノレ）ィミノマロネート (ランカスタ一社製）とすることを除き実施例 1 と同様に行い、表 1 の結果を得た。

比較例 3

2— （ 3 ' 5—ジー t e r tーブチルー 2 _ヒドロキシフエ二ノレ) ― 2 H—ベンゾトリアゾールの代わりに、 1—ヒドロキシェチル一 2—ォキシー 1 ' 3—イミダゾリンラウレートに代表される下記一般式 ( 1 2) で表される 1—ヒドロキシェチルー 2一ォキシ一 1 , 3—イミダゾリン C₈〜C₁₆ アルカン酸エステル (アルカノエート） (モナ . ィンダストリ一社製、モナゾリン C ；レークランド社製、ィミダゾリン 1 2 0 H等）とすることを除き実施例 1 と同様に行い、表 1の結果を得た。

(式中、 Rは一 OC OR' を表し、 R' は C₇〜C₁₅の直鎖状または分岐状のアルキル基を表す。）表 1

以上の結果から、本発明の密着性向上剤を添加することにより、従来から知られているベンゾトリァゾールゃィミダゾール類を用いる場合と比べて、基板に対する高い密着性が得られることが分る。また、本発明の密着性向上剤は、現像時剥れが特に問題とされる M o膜上でも有効であることがわ力る。

さらに、実施例 1 の感光性樹脂組成物を室温下、 6 ヶ月間保管後、同様の試験を行ったところ、感度の劣化など観察されず、実施例 1と同様の結果が得られ、保存安定性についても問題は無かった。発明の効果

以上詳述したように、本発明は、一般式（ 1 ) で表される N—フニ二ルー 2 H—べンゾトリァゾール化合物を感光性樹脂組成物用基板密着性向上剤として用い、これを感光性樹脂組成物に添加することにより、現像時、エッチング時に見られるパターン剥れ、パターン倒れが無く、また、高密着性でかつ保存安定性の良い優れた感光性樹脂組成物を得ることができる。この結果、本発明の感光性樹脂組成物を用いて F P Dなどを製造する際に、パターン剥れなどに起因による歩留まり低下を改善することができるという極めて優れた効果を得ることができる。産業上の利用可能性

本発明の感光性樹脂組成物は、 I Cや L S I などの半導体集積回路素子、液晶表示素子などの F P Dなどを製造する際において、エッチングマスク、イオン注入マスクなどを形成するレジスト材料として、また力ラーフィルター製造時においては、カラーフィルターのフィルター形成材料として有用である。また、本発明の感光性樹脂組成物用基板密着性向上剤は、感光性樹脂組成物に添加され、感光性樹脂組成物と半導体回路素子基板、 F P D基板、カラーフィルター基板などの基板との密着性を向上させるために有用に用いられる。

Claims

請求の範囲

1. 下記一般式（ 1 ) で表される N—フエ二ルー 2 H—べンゾトリァゾール化合物からなる感光性樹脂組成物用基板密着性向上剤。

(式中、 R ^R⁴は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子または C i〜₅のアルキル基を表し、 R⁵〜R⁹は、各々独立して、水素原子、水酸基、 C 。のアルキル基、ァリール基、 C ₇〜i ₂のァラルキル基、 ― R ¹⁰ C O O R ^{1 1} , または一 R¹⁰C〇一（〇 CH₂ CH₂) n_OHで、かつ R ⁵および R ⁹の少なくともいずれかが水酸基である基を表し、 R ^{1 0} は C ₂〜₅のアルキレン基を表し、 R ^{1 1}は C 〜₈のアルキル基を表し、 n は 2〜 2 0の整数を表す。） 2. アルカリ可溶性樹脂及び感光剤を含有する感光性樹脂組成物において、該感光性樹脂組成物が請求の範囲第 1項の一般式（ 1 ) で表される N—フエ二ルー 2 H—べンゾトリアゾール化合物の少なくとも 1種を含有する感光性樹脂組成物。 3. 請求の範囲第 2項記載の感光性樹脂組成物において、アルカリ可溶性樹脂がノボラック樹脂であり、感光剤がキノンジアジド基を含む化合物である感光性樹脂組成物。