WO2003098115A1

WO2003098115A1 - Plaque de cuisson superieure

Info

Publication number: WO2003098115A1
Application number: PCT/JP2003/005969
Authority: WO
Inventors: Narutoshi Shimatani; Toshimasa Kanai; Ukon Ishihara; Takeshi Nagata; Tsutomu Imamura
Original assignee: Nippon Electric Glass Co., Ltd.
Priority date: 2002-05-16
Filing date: 2003-05-14
Publication date: 2003-11-27
Also published as: US20050172829A1; AU2003235268A1; CN1646862A; US20070056961A1; US7208703B2; EP1505354A1; CN100398915C; EP1505354B1; US7718929B2; EP1505354A4

Description

明細書調理器用トッププレート発明の背景

本発明は、調理器用トッププレートに関するものである。

家庭用や業務用の調理器として、従来からのガスコンロを採用したガス調理器だけでなく、ラジェントヒー夕一やハロゲンヒータ一を採用した赤外線加熱調理器、電磁加熱 ( I H) 調理器が使用されるようになってきた。

例えば、電磁加熱調理器に用いられるトッププレートには、熱効率、安全性、熱衝撃性の点から、電磁誘導加熱量が小さく、低熱膨張であるガラス、セラミツクス、結晶化ガラス等の材料が使用されてきた。

また、トッププレートとして、琺瑯やステンレスを使用していたガス調理器においても、材料の美観や清掃性が優れていることから、低熱膨張のガラス、セラミヅクス、結晶化ガラス等の非金属系材料が使用されるようになってきた。調理器用トッププレートの本来の役割は、加熱装置に対して、水、調味料、食品等が飛散するのを防止することであるが、最近では、この役割に加え、加熱装置、配線等の調理器の内部構造を隠蔽して美観を向上させることも求められるようになつてきた。

トヅププレートに非金属系材料を用いた場合において、トッププレートにより調理器の内部構造を隠蔽するための第 1の方法は、トッププレートとして、金属遷移元素を用いた濃色に着色した低膨張結晶化ガラス、例えば、ブラウン色の日本電気硝子社製の G C—1 9 0やショヅト社製のセランを用いることである。第 2の方法は、透明な低膨張ガラスからなる基板の表面に印刷法を用いて遮光膜を形成することである。例えば、特開平 1 0— 2 7 3 3 4 2号には、透明な低膨張結晶化ガラス製の基板の表面に、ガラスと無機顔料からなる遮光膜を設けたトッププレートが記載されている。この遮光月莫は、低膨張結晶化ガラスからなる基板よりも熱膨張係数が高いため、特開平 1 0— 2 7 3 3 4 2号では、遮光膜を多孔質にすることによって、この膜にクラックが発生することを抑えている。また、特公平 7— 1 7 4 0 9号には、透明な低膨張結晶化ガラスからなる *ί反の表面に、貴金属と卑金属からなるラスター彩の皮膜を設けたトッププレートが記載されている。

しかし、上記の第 1の方法では、色の異なるトッププレートを製造するにあたり、色毎にガラス生地を用意しなければならず、コストアップとなり、またガラスに適した遷移金属元素が限られているため、多彩な色を出すことに限界があつた。また、電磁加熱調理器のトッププレートの場合、印加される電力量等を表示するインジケータをトッププレートの非使用面（調理器の内部に臨む表面）の側に設ける場合が多いが、使用面（調理器の外部に臨む表面）の側からは赤色のィンジケ一夕の光がかろうじて見えるだけであり、インジケ一夕が赤色以外の色を発光する ±易合であっても、トッププレートが赤色以外の光を全く透過しないために、その色の光は使用面の側には表示されない。従って、インジケータが赤色以外の色を発光する場合には、その色の光を使用面の側に表示させるため、トッププレートに穴をあける必要があり、そのために、トッププレートに欠けや割れが生じ易くなるという問題があつた。

また、従来、上記の第 2の方法は、遮光膜の耐摩耗性が低く、簡単に剥がれてしまうため、取扱いが難しいという問題を有していた。特に、ガラスと無機顔料からなる多孔質の遮光膜は、耐摩耗性が非常に低いため、トヅププレートの非使用面側に設けざるをえない。また、遮光膜の上に、温度センサーを耐熱樹脂で接着する場合には、耐熱樹脂が遮光膜に浸透し、トッププレートの使用面側から見たときに、耐熱樹脂が付けられた部分が異質に見えることも問題となっていた。さらに、遮光膜を構成する無機顔料や貴金属は、トッププレートをリサイクルした際に、ガラスを着色させたり、ブヅ等のガラス欠陥を発生させたりするという問題も有していた。発明の要約

本発明の目的は、一種類のガラス生地で多色ィ匕を達成することができ、耐摩耗性に優れ、温度センサーを耐熱樹脂で接着しても、耐熱樹脂が接着した部分が異質に見えることがない調理器用トッププレートを提供することである。上記目的を達成するため、本発明は、低膨張ガラスからなり、調理器の外部側に臨む第 1面と内部側に臨む第 2面とを有する基板と、基板の第 1面及び第 2面のうち少なくとも一方に蒸着法により形成された遮光層とを備えた調理器用トッププレートを提供する。

化学蒸着法（C VD ) 、物理蒸着法、イオンプレーティング法、スパッ夕法等の蒸着法により形成された遮光層は、その材質を変えることにより様々な色調を発色させることができ、この遮光層を基板の第 1面及び/又は第 2面に形成することにより、基板として一種類のガラス生地を用いた場合でも、様々な色調を有するトッププレートを得ることができる。また、この遮光層は緻密構造を有しているため、耐摩耗にも優れている。さらに、この遮光層は 2〃m以下の非常に薄い膜であっても、高い遮光能力を有するため、加熱装置、配線等の調理器の内部構造を効果的に隠蔽することができる。しかも、温度センサ一を取り付けるための耐熱樹脂が遮光層中に浸透することがないので、耐熱樹脂が接着した部分が異質に見えることもない。

また、この遮光層は遮光性能が高く、非常に薄くても十分な遮光性能を有するため、基板との熱膨張係数差が大きい材料を用いる場合であっても、基板の表面に薄く形成することで、遮光層にクラックが生じることを防止しつつ、充分な遮光性能を得ることができる。

遮光層を形成する蒸着法としては、スパッ夕法を採用するのが好ましい。スパッ夕法により形成された遮光層は、平滑で、より緻密な構造を有し、また、基板の表面に強固に形成される。そのため、この遮光層を基板の第 1面（使用面）に形成したトッププレートでは、使用時に第 1面に付着した食品、調味料等の汚れを簡単に除去することができ、あるいは、汚れを落とすために、クレンザ一ゃブラシを使っても、耐摩耗性に優れるため、膜が剥がれにくい。

本発明の調理器用トッププレートは、波長 0 . 4〜0 . 8〃mにおける平均透過率が 1 0 %以下、好ましくは 7 %以下、さらに好ましくは 6 %以下であると、遮光能力に優れ、加熱装置、配線等の調理器の内部構造を隠蔽することができる ο

また、本発明の調理器用トヅププレートは、波長 0 . 4 5〜0 . 7 5〃mにわたって、透過率が、 0. 25%以上、好ましくは 0. 5%以上、さらに好ましくは 1%以上であると、印加される電力量等を表示するインジケータを基板の第 2 面（非使用面）の側に設けても、青色、緑色、黄色、赤色等の、全ての色のインジケ一夕の光が遮光層を透過し、それを第 1面（使用面）の側から視認できるため好ましい。

また、遮光層が、可視光や赤外光を透過しない膜であっても、インジケ一夕と対向する遮光層の所定領域に、部分的に開孔を有するパターン（例えばメッシュパターン）または全体的に開孔を有するパターンを形成しておくと、青色、緑色、黄色、赤色等の全ての色のインジケータの光を透過できる。特に、赤色の可視光から赤外線の光だけを透過すればよい場合には、上記の開孔に、波長 0. 6〜 2. 5〃mの光を透過し、波長 4〜0. 6〃mの光を隠蔽する赤外線透過膜を形成すれば、加熱装置、配線等の調理器の内部構造を隠蔽することができるため好ましい。この赤外線透過膜としては、有機塗料やラス夕一膜が好適である。また、本発明の調理器用トッププレートは、波長 0. 4〜0. 8〃mにおける平均透過率が 0. 5%以上、好ましくは 1%以上、さらに好ましくは 2%以上であると、波長 0. 45〜0. 75 mにわたつて、透過率が、 0. 25 %以上、好ましくは 0. 5%以上、さらに好ましくは 1%以上となりやすいため好ましいまた、本発明の調理器用トッププレートは、波長 1〜2. 5 zmにおける平均透過率が 10%以上、好ましくは、 20%以上であると、赤外線による加熱が可能となるため、ラジェントヒ一夕一やハロゲンヒ一夕一を用いた赤外線加熱調理器のトッププレートとして好適である。

上記の遮光層は遮光膜を含み、遮光膜が、 Si、 Ti、 Al、 Nb、 W、 Mo 、 Sn、 Cr、 P t及び Auからなる群より選ばれた 1種の金属、ステンレス、ハステロイ、インコネル及びニクロムからなる群より選ばれた 1種の合金、ステンレス、ハステロイ、インコネル及びニクロムからなる群より選ばれた 1種の合金の窒化物、又は Ti、 Nb、 W、及び Moからなる群より選ばれた 1種もしくは 2種以上の金属の窒ィ匕物を含むことが好ましい。このような遮光層を有するトヅププレートは、遮光能力に優れるため、加熱装置、酉 3線等の調理器の内部構造を隠蔽することができ、また、正反射率が高く、金属光沢を有する外観となるため、調理器周囲にあるステンレス等の金属製の調理台や壁と良く調和する。さらに、この遮光層は化学的耐久性に優れるため、水、洗剤、調味料等によって変色したり、浸食されたりすることがない。

ラジェントヒーターやハロゲンヒーターと対向する遮光層の所定領域に、部分的に開孔を有するパターン (例えばメッシュパターン) または全体的に閧孔を有するパターンを形成すると、トッププレートの波長 1〜2 . 5 /mにおける平均透過率が 1 0 %以上になりやすく、これらのヒー夕一の熱効率が高くなるため好ましい。

本発明の調理器用トヅププレートは、液晶表示部において遮光層が抜けていると、液晶表示が見やすくなるため好ましい。また、液晶表示部に相当する基板の少なくとも一方の面、好ましくは第 1面及び第 2面に反射防止膜を形成すると、照明等からの光が反射しにくく、さらに液晶表示が見やすくなるため好ましい。また、遮光膜の材料として、上記した金属、合金あるいは金属窒化物にアルミニゥムを導入すると、アルミ二ゥムが遮光膜の界面で酸ィ匕物となりバリアとして働くため、遮光膜の耐熱性が向上して好ましい。

特に窒化チ夕ンからなる遮光膜は、膜中の窒素含有量を変ィ匕させることによつて、窒素の少ない順に、銀色、金色、赤黒色、黒色と無段階的に外観が変ィ匕するため、所望の色調を容易に得ることができる。

また、本発明の調理器用トッププレートは、遮光膜が S i (金属）からなると、波長 1〜2 . 5 zmにおける平均透過率が 1 0 %以上になりやすいため好ましい。

尚、遮光膜は、 1層の膜で構成しても良いし、材料が相互に異なる 2層以上の膜で構成しても良い。後者の場合、例えば、遮光膜を S i膜と、その上層又は下層の i膜との 2層の膜で構成すると、 S i膜の赤外線透過特性をあまり下げることなく、遮光性と耐熱性を向上させることができる。

上記の遮光層は、遮光膜に加え、酸化防止膜を含んでいることが好ましい。この酸化防止膜は、遮光膜の上層に形成し、及び/又は、基板の表面と遮光膜との間に形成することができる。酸化防止膜により、遮光膜が酸化されにくくなり、熱による遮光膜の変質が抑制される。すなわち、酸ィ匕防止膜が遮光膜の上層（空気側）に形成されている場合は、酸ィ匕防止膜は空気中の酸素によって遮光膜が酸化されるのを阻止し、また、酸化防止膜が基板の表面と遮光膜との間に形成されている場合は、酸化防止膜は基板中（低膨張ガラス中）の酸素によって遮光膜が酸化されるのを阻止する働きを有する。特に、基板の第 1面（使用面）に遮光膜を形成し、その上層に酸ィ匕防止膜を形成した場合、あるいは、基板の第 2面（非使用面）に酸ィ匕防止膜を形成し、その上層に遮光膜を形成した場合、膜材質や膜厚を調整することによって、トッププレートとして、光の干渉を利用した種々の色調を得ることができる。

上記の酸化防止膜は、 Si、 Ti、 Al、 Nb、 W、 Mo、 Ta及び Snからなる群より選ばれた 1種もしくは 2種以上の金属の窒ィ匕物、又は、 Si、 A1及び T iからなる群より選ばれた 1種の金属の酸ィ匕物を含むと、遮光膜の酸化防止能力が高いため好ましい。

また、遮光膜や酸ィ匕防止膜が、基板中（低膨張ガラス中）に含まれる成分、具体的には、 Ti、 Si又は Al、これらの金属の窒化物又は酸化物からなると、トッププレートをガラス原料として再溶融する際、ガラスを着色させたり、ブッ等のガラス欠陥を発生させたりすることがないため好ましい。

遮光層の好ましい第 1の形態は、基板の表面から順に、 10〜 1000 nm、好ましくは 15〜70 Onmの幾何学的厚みを有する遮光膜からなる第 1の層と、 10〜 1000 nm、好ましくは 15〜 700 nmの幾何学的厚みを有する酸化防止膜からなる第 2の層を備えたものである。

遮光層の好ましい第 2の形態は、基板の表面から順に、 10〜 1000 nm、好ましくは 20〜70 Onmの幾何学的厚みを有する酸化防止膜からなる第 1の層と、 10〜100 Onm、好ましくは 15~700 nmの幾何学的厚みを有する遮光膜からなる第 2の層と、 10〜； L 00 Onm、好ましくは 20~70 On mの幾何学的厚みを有する酸化防止膜からなる第 3の層を備えたものである。上記した第 1及び第 2の実施形態において、特に、遮光膜が、 TiN、 Si、 Ti、 AlTiN、 W又は WNを含むと、耐熱性に優れるため好ましい。また、酸化防止膜が、 SiN、 A1N、 Si0₂、 A 1₂0₃、又は Ti0₂を含むと、遮光膜の酸化防止効果に優れるため好ましい。

本発明の調理器用トヅププレートは、遮光層の他に装飾膜を適宜設けても良い

。尚、遮光層を第 2面（非使用面）の側に設けた場合には、装飾膜は、基板と遮光層と間、あるいは、第 1面（使用面）に形成する。また、遮光層を第 1面（使用面）の側に形成した場合には、装飾膜は、遮光層の上層に設けると良い。特に、基板の第 2面（非使用面）に遮光層を形成した場合において、基板と遮光層との間に、使用の際の注意文や警告文、温度や火力を表示するインジケータの説明文等の文字又は図形を形成すると、文字や図形が二重写りすることが無く、しかも陶器のような硬い材料の調理器具を使用しても、文字や図形が削れることがないので好ましい。なぜならば、文字や図形が遮光層と接して形成されるため、文字や図形の遮光層での反射像が生成されず、また、文字や図形が基板の第 2面（非使用面）に形成されるため、陶器のような硬い材料の調理器具と文字や図形が直接接触することがないからである。

また、装飾膜や、文字又は図形は、遮光層と異なる色調、又は遮光層と異なる光沢を有していると、装飾膜や、文字又は図形が見やすくなるので好ましい。このような装飾膜や、文字又は図形は、蒸着法や印刷法のいずれの方法を用いて形成しても構わない。例えば、文字又は図形をスクリーン印刷法で形成すると、メヅシュ（孔版）の種類やインクを変えるだけで、多種類の文字や図形を形成することが可能であるので、製品の品種を容易に増やすことができて好ましい。基板を構成する低膨張ガラスとしては、 6 0 0 °Cからの急冷に耐える、いわゆる耐熱衝撃性の高い材料が使用でき、具体的には 5 0 X 1 0一⁷ノ。 C以下の熱膨張係数を有する材料が好適であり、低膨張の硼珪酸ガラス、石英ガラスあるいはー石英固溶体を主結晶とする低膨張結晶化ガラスが使用可能である。特に、 3 0 - 5 0 0 °Cにおける平均熱膨張係数が、一 1 0〜+ 3 0 X 1 0— ⁷/°C、さらに好ましくは一 1 0〜十 2 0 X 1 0— ⁷/°Cのガラスは、耐熱衝撃性がさらに高く、燃焼時に、低膨張ガラス板内での温度分布が大きくなつてもストレスが発生しにくく割れにくいため好ましい。基板を構成する低膨張ガラスは、透光性（可視光を透過する性質）を有することが好ましく、その限りにおいて、着色していても構わない。また、基板が透光性を有する（可視光を透過させる）低膨張ガラスで形成されていると、電磁加熱調理器用トッププレートの場合において、印加される電力量等を表示するインジケータを基板の第 2面（非使用面）の側に設けても、基板の第 1面（使用面）の側からインジケ一夕の光を視認することができる。従って、ィンジケ一夕の光を視認するための穴を基板にあける必要がないので、トヅププレートに欠けや割れが発生しにくい。

また、基板の第 1面及び Z又は第 2面が粗面であると、基板の第 2面（非使用面）に光沢を有する遮光層が形成されても、照明等からの光が遮光層で反射して直接目に入ることがなく、照明等からの光が散乱するため眩しくない。特に、基板の第 2面（非使用面）が粗面であり、第 1面（使用面）が平滑面であると、第 1面（使用面）に調味料、食品等の汚れがつきにくく、ふき取りやすいため好ましい。

上記の粗面の表面粗さは Rma x 0 . 5〜 3 0〃mであることが好ましく、粗面の表面粗さが 0 . 5〃mよりも小さいと、照明等からの光が散乱しにくく、粗面の表面粗さが 3 0〃mよりも大きいと、遮光層を均一な厚さに成膜しにくく、文字や図形を印刷しにくくなる。またトッププレートの機械的強度も低下しやすい。尚、上記の平滑面とは、 0 . 5〃m未満の表面粗さ（Rma x) を有する面をいう。

また、本発明の調理器用トッププレートは、遮光膜、酸ィ匕防止膜あるいは装飾膜の上から、フッ素コート等の防汚処理がなされていると、洗浄性に優れるため好ましい。

本発明の調理器用トッププレートは、ラジェントヒー夕一やハロゲンヒーターを用いた赤外線加熱調理器、電磁加熱（I H)調理器、ガス調理器のトッププレートとして好適である。図面の簡単な説明

図 1は、本発明の実施例に係る調理器用トッププレートの部分断面図である。図 2は、本発明の他の実施例に係る調理器用トッププレートの部分断面図である。図 3は、本発明の他の実施例に係る調理器用トッププレートの部分断面図である <

図 4は、本発明の一実施例に係る調理器用トヅププレートの透過率曲線である図 5は、本発明の他の実施例に係る調理器用トッププレートの部分断面図である。、一 "- Z

発明の詳細な説明

本発明の調理器用トヅププレートを、実施例に基づいて詳細に説明する。表 1〜7は、本発明の実施例 1~28を、表 8は、実施例 29、 30及び比較例 1、 2示す。図 1は実施例 1〜12の調理器用トッププレートの説明図、図 2 は実施例 13-28の調理器用トヅププレートの説明図、図 3は実施例 29、 3 0の調理器用トッププレートの説明図である。図 4は、実施例 6の調理器用トヅ」

ププレートの透過率曲線である。

実施例 1 実施例 2 実施例 3 実施例 4 低膨張低膨張低膨張低膨張基板糸吉晶化ガラス結晶化ガラス結晶化ガラス結晶化ガラス第 1層 ★ Ti N

:[ 膜厚（nm) (200) 第 2層 S i N S i N S i N S i N 光

膜厚 (nm) (50) (100) (150) (200) 層

第 3層

膜厚 (nm)

色調銅金

0. ·~0.8 ζηηでの

1 1.5 1 2 平均透過率（％)

耐摩耗性 500 700 800 1000 (往復回数）

耐熱性 (°C) 500 520 550 560 表 2 実施例 5 実施例 6 実施例 7 実施例 8 低膨張低膨張低膨張低膨張基板結晶化ガラス結晶化ガラス結晶化ガラス $吉晶化ガラス

★ Ti ★ Ti ★ Ti ★ Ti 膜厚 (nm) (80) (65) (70) (200) 遮

S i N S i N S i N S i N 光

膜厚（nm) (150) (100) (75) (200) 層

第 3層 - - 一一膜厚 (nm)

色調銀銀銀銀

0.4〜0.8 171での 1 3.5 2 2 平均透過率（％)

耐摩耗性 700 600 500 1000 (往復回数）

耐熱性 (°C) 550 500 500 550

実施例 9 実施例 1 0 実施例 1 1 実施例 1 2 低膨張低膨張低膨張低膨張基板結晶化ガラス結晶化ガラス結晶化ガラス結晶化ガラス

★ Ti ★ S i ★ s i ★ S i 膜厚 (nm) (20) (200) (20) (400) 遮

第 2層 S i N S i N S i N S i N 光

膜厚 (nm) (500) (100) (150) (200) 層

第 3層

膜厚（nm)

色調灰銀灰 'ン 5、

0.4〜0.8Aimでの

20 5 50 2 平均透過率（％)

耐摩耗性 1000 600 700 TOO (往復回数）

耐熱性 (°C) 580 550 570 600 表 4

実施例 13 実施例 14 実施例 1 5 実施例 1 6 使膨張 ®膨張低膨張低膨張基板 $吉晶化ガラス結晶化ガラス結晶化ガラス結晶化ガラス第 1層 S 1 S i N S i N T i 0₂ 膜厚（nm) (150) (500) (300) ( 25 ) 遮

第 2層 ★ S i ★ S i ★ S 1 ★ T 1 光

膜厚 (nm) (200) (50) (500) ( 200 ) 層

第 3層 S i N S i N S i N S i N 膜厚 (nm) (100) (500) (300) ( 150 ) 色調

0.4~0.8 171での 5 40

平均透過率（％) 1 0.5 耐摩耗性 800 1000 1200

(往復回数） 500 耐熱性 CO 550 600 600 520

実施例 17 実施例 18 実施例 1 9 実施例 20 低膨張低膨張低膨張低膨張基板結晶化ガラス結晶化ガラス結晶化ガラス結晶化ガラス第 1層 τ i 0₂ S i N S i N S i N 膜厚 (nm) ( 50 ) ( 150 ) ( 150 ) ( 150 ) 遮

第 2層 ★ T i ★ Ti ★ Ti ★ Ti 光

膜厚（nm) ( 200 ) ( 200 ) ( 200 ) ( 200 ) 層

第 3層 Ti 0₂ S i N S i N S i N 膜厚 (nm) ( 100 ) ( 150 ) ( 150 ) ( 150 ) 色調水色金ワインレッドワインレツド

0.4~0.8 171での 0.5 0.5 0.5

平均透過率 (%) 0.5 耐摩耗性 500 800 800

(往復回数） 800 耐熱性 (°C) 500 600 600 600 表 6 実施例 21 実施例 22 実施例 23 実施例 24 低膨張低膨張低膨張低膨張基板 $吉晶化ガラス結晶化ガラス結晶化ガラス結晶化ガラス

S i N S i N S i N S i N 膜厚 (nm) (100) (150) (225) (100) 遮

第 2層 ★ T i N ★ T i N ★ T i N ★ T 1 N 光

膜厚（nm) (300) (100) (100) (30) 層

第 3層 S i N S i N S i N S i N 膜厚 (nm) (100) (150) (150) (100) メタ 1リック

色調金ブルー薄紫

0.4〜0.8 ζηηでの

0.5 2 2 10 平均透過率 (%)

耐摩耗性

900 1000 1000 800 (往復回数）

耐熱性（。c) 600 600 600 600

実施例 25 実施例 26 実施例 27 実施例 28 低膨張低膨張低膨張低膨張基板結晶化ガラス結晶化ガラス結晶化ガラス結晶化ガラス第 1層 S i N S i N S i N S i N 膜厚 (nm) (150) (50) (200) ( 20 ) 第 2層 ★ A 1 T i N ★W ★ bN ★ Ti 遮

膜厚 (nm) (300) (200) (300) ( 20 ) 光

第 3層 S i N S i N S i N ★ Si 層

膜厚 (nm) (150) (200) (150) ( 200 ) 第 4層 S i N 膜厚（nm) ( 150 ) 色調黄灰冃銀

0.4~0.8 mでの

0.5 1 0.5 2 平均透過率（％)

耐摩耗性

1000 800 800 700 (往復回数）

耐熱性（。c) 700 520 510 530 表 8

まず、サンドブラストによって梨地状に表面加工した金属ロールを用いて、口 —ルアウト法によってガラスを板状に成形し、一方の面が粗面、他方の面が平滑面である結晶性ガラス板を得た。次に、図 1〜図 3に示すように、この結晶性ガラス板を熱処理することによって、透明結晶化ガラス（日本電気硝子社製 N— 0 30 500°Cにおける平均線熱膨張係数が— 5 X 10- °C) からなる基板 11を得た。基板 11の第 1面（使用面） 11 aは表面粗さが Rmaxで 0. 5〃m未満の平滑面であり、第 2面（非使用面） 1 lbは表面粗さが Rmaxで 4 zmの粗面であった。そして、図 1及び図 2に示すように、基板 11の第 2面 1 lbに、表 1 7に示す膜材質と膜厚になるようにスパッ夕法で遮光膜 12 a 及び酸化防止膜 12 bからなる遮光層 12を形成して、実施例:!〜 28の調理器用トッププレート 10を作製した。また、図 3に示すように、基板; 11の第 2面 1 lbに、表 8に示す膜材質と膜厚になるようにスパッ夕法で遮光膜 12 aからなる遮光層 12を形成して、実施例 29 30の調理器用トヅププレート 10を作製した。尚、表 1 7の遮光層の欄において、遮光膜 12 aは材質名の左に星印をつけて示している。例えば、実施例 1の遮光層 12は、 TiNからなる第 1 層の遮光膜 12 aと、 S iNからなる第 2層の酸化防止膜 12 bとで構成されている。また、実施例 13の遮光層 12は、 SiNからなる第 1層の酸ィ匕防止膜 1 2bと、 S iからなる第 2層の遮光膜 12 aと、 S i Nからなる第 3層の酸化防止膜 12bとで構成されている。実施例 28の遮光層 12は、 2層の遮光膜 12 aを有し、 SiNからなる第 1層の酸化防止膜 12bと、 Tiからなる第 2層の遮光膜 12 aと、 S iからなる第 3層の遮光膜 12 aと、 SiNからなる第 4層の酸ィ匕防止莫 12 bとで構成されている。実施例 29の遮光層 12は、 S iからなる遮光膜 12 aのみで構成されている。 '

比較例 1では、まず、質量％で、 Li₂0 4. 0%、 Al₂〇₃ 15. 0% 、 S i 0₂ 34. 0%、 PbO 40. 0%、 B₂0₃ 4. 0%、 Ti0₂ 2. 0%、 Zr0₂ 1. 0%の組成を有するガラスフリットを準備した。次に、質量％で、 Cr₂0₃ 15. 0%、 Fe ₂0₃ 45. 0 %、 Co₃0₄ 30 . 0%、 NiO 5. 0%、 Al₂〇₃ 3. 0 %、 Si〇₂ 2. 0%の組成を有する黒色顔料粉末を準備した。上記ガラスフリヅト 40質量％と黒色顔料粉末 60質量％とを混合し、この混合物 100質量部に対して、アクリル系の有機バインダ一 60質量部を加え、印刷しやすい粘度となるように、プチルカルビトールアセテートをさらに添加し、ペーストを作製した。そして、実施例と同じ透明結晶化ガラスからなる基板上に、このペーストを印刷法によって塗布し、 820 °Cで焼成して、調理器用トヅププレートを作製した。

比較例 2では、実施例と同じ透明結晶化ガラスからなる基板上に、黒色のラスターペースト（SL— 900X— 3) を 250メッシュのスクリーンを用いて塗布し、乾燥後、 830°Cにて焼き付けて、調理器用トヅププレートを作製した。上記のように形成した遮光層の上に、部分的に耐熱樹脂（大信ペイント製 GS X) を塗布し、遮光層が形成されていない面の側から耐熱樹脂が塗布された部分が異質に見えるかどうかを、目視で確認した。

波長 4〜0. 8 IDにおける透過率及び波長 1. 0〜2. 5〃mにおける平均透過率は、分光光度計を使用して測定した。尚、波長 0. 4〜0. 8 ΖΠ1における透過率は、遮光層が形成されていない面の側から、波長 1. 0〜2. 5 mにおける平均透過率は、遮光膜が形成された面の側から、それそれの波長の光を入射して測定した。耐摩耗性は、トッププレートの遮光層上に、水をスポィトで 1滴垂らし、底面 ( x8 cm) に #220の S i Cサンドペーパーを貼り付けた重さ 1. 3 kg の直方体の重しを遮光層上に載せ、振幅長 10 cmで重しを往復運動させ、摩耗により遮光層が削られて基板の表面が認められるようになつた重しの往復回数によって評価した。つまり、基板表面が見えるような摩耗の跡が認められた重しの往復回数が多いほど、耐摩耗性が高いことを表している。

耐熱性は、トッププレートを電気炉中で加熱し、色調変化等の膜質変化が観測された温度によって評価した。つまり、色調変化等の膜質変化が観測された温度が高いほど、耐熱性が高いことを示す。

以上の試験の結果、実施例 1〜 30は、耐摩耗性が高く、特に実施例 1〜 28 は、耐熱性についても問題がないことが確認された。また、耐熱樹脂を部分的に遮光層上に塗布しても、遮光層が形成されていない面の側から耐熱樹脂が接着した部分が異質に見えることはなく、また、照明等からの光が遮光層で反射しても、直接目に入ることがなく、眩しくなかった。

さらに、実施例 10、 11、 12、 13、 14、 15、 28、 29、 30は、波長 1. 0〜2. 5μπιにおける平均透過率が、それぞれ 65%、 80%、 45 %、 60%、 75%、 35%、 50%、 67%, 61 %と高かった。また、図 4 から分かるように、実施例 6は、波長 0. 45〜0. 75〃mにわたつて、透過率が、 1. 5〜6. 0%であり、印加される電力量等を表示するインジケ一夕を基板の第 2面（非使用面）の側に設けても、青色、緑色、黄色、赤色等の全ての色のィンジケ一夕の光が遮光層を透過し、それを視認できた。

一方、比較例 1、 2は、耐摩耗性が低く、特に、比較例 1は、耐熱樹脂を部分的に遮光層上に塗布した場合、遮光層が形成されていない面の側から耐熱樹脂が接着した部分が異質に見えた。

図 5に示す実施例の調理器用トッププレート 20は、基板 1 1の第 2面（非使用面） l ibに、文字及び Z又は図形を構成する、ガラスフリットと顔料とを含む印刷層 13 (膜厚 5〃m) をスクリーン印刷法によって形成し、その上に、スパッ夕法で遮光膜 12 a及び酸ィ匕防止膜 12 bからなる遮光層 12を形成したものである。基板 11の材質及び形態、遮光層 12の層構成、各層の膜材質及び膜厚等はすべて前述した実施例に準じるので、重複する説明を省略する,

Claims

請求の範囲

1. 低膨張ガラスからなり、調理器の外部側に臨む第 1面と内部側に臨む第 2面とを有する基板と、前記基板の第 1面及び第 2面のうち少なくとも一方に蒸着法により形成された遮光層とを備えた調理器用トッププレート。

2. 前記蒸着法がスパヅ夕法である請求の範囲 1に記載の調理器用トヅププレート。

3. 前記遮光層が遮光膜を含み、前記遮光膜が下記の（a)、（b) 、 ( c)、及び（d)の中から選ばれた 1の成分を含み、

(a)は Si、 Ti、 Al、 Nb、 W、 Mo、 S n、 Cr、 Pt及び Auからなる群より選ばれた 1種の金属であり、

(b) はステンレス、ハステロイ、インコネル及びニクロムからなる群より選ばれた 1種の合金であり、

(c) はステンレス、ハステロイ、インコネル及びニクロムからなる群より選ばれた 1種の合金の窒ィ匕物であり、

(d)は Ti、 Nb、 W、及び Moからなる群より選ばれた 1種もしくは 2 種以上の金属の窒化物である、請求の範囲 1又は 2に記載の調理器用トッププレート。

4. 前記遮光層がさらに酸化防止膜を含む請求の範囲 1〜 3の何れかに記載の調理器用トヅププレート。

5. 前記酸化防止膜は前記遮光膜の上に形成されている請求の範囲 4に記載の調理器用トッププレート。

6. 前記酸ィ匕防止膜は前記基板の表面と前記遮光膜との間に形成されている請求の範囲 4又は 5に記載の調理器用トヅププレート。

7. 前記酸化 (5方止膜が、下記の（e)及び（f )の中から選ばれた 1の成分を含み、

(e)は Si、 Ti、 Al、 Nb、 W、 Mo、 T a、及び Snからなる群より選ばれた 1種もしくは 2種以上の金属の窒化物であり、

(f) は Si、 Al、及び Tiからなる群より選ばれた 1種の金属の酸化物である、請求の範囲 4〜 6の何れかに記載の調理器用トッププレート。

8. 前記遮光層が前記基板の第 2面に形成されており、かつ、前記基板と前記遮光層との間に、文字又は図形が形成されている請求の範囲 1〜 7の何れかに記載の調理器用トヅププレート。

9. 前記文字又は図形が、前記遮光層と異なる色、または、前記遮光層と異なる光沢を有する請求の範囲 8に記載の調理器用トップフ。レート。

10. 前記基板の第 1面及び第 2面のうち少なくとも一方が粗面である請求の範囲 1〜 9の何れかに記載の調理器用トッププレート。

11. 前記基板の第 2面が粗面であり、第 1面が平滑面である請求の範囲 1 〜10の何れかに記載の調理器用トッププレート。

12. 前記粗面の表面粗さが RmaxO. 5〜 30〃mである請求の範囲 1 0又は 11に記載の調理器用トッププレート。