JP4872803B2 - 装飾層、それを設けた加熱調理器用ガラストッププレート、及び加熱調理器用ガラストッププレートの製造方法 - Google Patents

装飾層、それを設けた加熱調理器用ガラストッププレート、及び加熱調理器用ガラストッププレートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガラス板、磁器、琺瑯基板等の基材に形成する装飾層、それを設けた加熱調理器用ガラストッププレート、装飾層の形成方法、及び加熱調理器用ガラストッププレートの製造方法に関する。
例えば、ガラス板の基材に装飾を施したものとして、電磁調理器やガス調理器等の調理器の上部に設置されている、ガラス板よりなる加熱調理器用ガラストッププレートが挙げられる。
この加熱調理器用ガラストッププレートには、ナベ等の被加熱物が設置され、該被加熱物は調理器内部の加熱装置により加熱調理できる。特に、電磁調理器は、安全性が高いため、近年ますますその需要が増加する傾向にあり、それに伴い加熱調理器用ガラストッププレートの需要も増大している。
上記加熱調理器の需要が増加するにつれて、加熱調理器用ガラストッププレートには、耐衝撃性等の物理的特性の他に、様々な特性が要求されるようになってきた。例えば、基板ガラスの表面に様々な模様を施した意匠性に優れたガラストッププレートがある(特許文献1)。
また、基材に金属表面のような光沢(金属調光沢効果)を付与しようとする場合には、一般的に、メタリック顔料(パール顔料)を使用した装飾が行われてきた。
しかしながら、パール顔料を使用する場合には、基材表面がガサガサとなり、汚れが溜まり易くなったり、汚れが取れにくくなったり、摩耗強度が低下し、洗浄作業時の摩耗や鍋等の接触により表面が摩耗し易くなる欠点があった。
また、基材は、全く無欠点の基材を作製することは難易度が高く、基材表面にピンホールや、筋キズや、汚れ等の何らかの欠点が観察される場合がある。上記ピンホールとは、基板の結晶化工程中に使用される球状粒子が基材表面に食い込み、それがとれるためにできる、大きさが1mm前後までの円形状の穴である。また、上記筋キズとは、基材表面に直線状に凹んだキズが残ったものであり、幅も長さも様々である。
そして、このような欠点を有する基材に対して装飾を行う場合には、装飾によってその欠点が強調される場合があり、製品の質感が劣るおそれがあった。そして、それを防ぐために、基材の表面の欠点を十分調査する必要があり、コスト的に高いものになるという問題があった。
また、このような問題は、基材がガラス板である場合だけに限らず、磁器、琺瑯基板等の基材に装飾層を設ける場合にも同様である。
特開昭62−27348号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、安定した意匠特性を有し、摩耗強度が高い装飾層、それを有する加熱調理器用ガラストッププレート及び加熱調理器用ガラストッププレートの製造方法を提供しようとするものである。
第1の発明は、加熱調理器用ガラストッププレートの基板ガラスの調理面に設けてなる装飾層であって、
該装飾層は、上記基板ガラス上記調理面の全面又は一部を覆うように積層してなるガラス装飾層と、
該ガラス装飾層全面又は一部を覆うように更に積層してなる高反射膜と、
上記高反射膜の一部を覆うように更に積層してなる絵付けガラス装飾層とからなり、
上記ガラス装飾層は、ガラス組成物からなり、厚みが0.5〜15μmであると共に、表面粗さRaが1.5μm以下であり、
上記高反射膜は、TiO2、CeO2、ZrO2のうち1種以上を主成分とし、厚みが20〜300nmであり、
上記絵付けガラス装飾層は、ガラス組成物からなると共に厚みが1〜15μmであることを特徴とする装飾層にある(請求項1)。
本発明の装飾層の最も注目すべき点は、基板ガラス調理面に表面粗さの低いガラス装飾層を形成し、その表面の全面又は一部を覆うように高反射膜を形成し、その一部を覆うように更に絵付けガラス装飾層を形成することにある。これにより、高い摩耗強度を有すると共に、安定した意匠特性を有する装飾層を得ることができる。
上記ガラス装飾層は、ガラス組成物からなり、厚みが0.5〜15μmであると共に、表面粗さRaが1.5μm以下である。
上記基板ガラスが表面にピンホールや、筋キズ、汚れ等の欠点を有する場合でも、上記ガラス装飾層が形成されていることにより、その欠点を隠したり目立たなくして質感を向上することができ、また、上述のように、表面粗さRaが1.5μm以下である平坦な面上に上記高反射膜を形成することができる。そのため、幅広い種類の基板ガラスに対して、安定した意匠特性を付与することができる。
また、上記基板ガラスの表面粗さが粗い場合には、上記ガラス装飾層を形成することにより、その表面粗さを低くすることもできる。
上記高反射膜は、TiO2、CeO2、ZrO2のうち1種以上を主成分とすると共に厚みが20〜300nmである。
上記TiO2、CeO2、及びZrO2は屈折率が高く、表面粗さRaが1.5μm未満の平坦な表面を有するガラス装飾層に、TiO2、CeO2、ZrO2のうち1種以上を主成分とする高反射膜を形成すると、基板ガラス表面に安定した所望の意匠表現を付与することができる。
上記所望の意匠表現としては、輝度の高い金属表面のような質感を有する金属調光沢や、マットな金属表面のような質感を有するつや消し金属調等がある。これらの意匠表現は、ガラス装飾層及び高反射膜の装飾条件を調整することによって発現させることができ、その装飾条件は、実験によって導き出すことができる。
上記絵付けガラス装飾層は、ガラス組成物からなると共に厚みが1〜15μmである。
これにより、この絵付けガラス装飾層が、基板ガラス表面上では高反射膜よりも高い位置に存在することとなり、他の物と装飾層表面とが接触する際に、高反射膜が上記物と直接接触することを抑制することができ、上記高反射膜の摩耗を抑制することができる。
また、絵付けガラス装飾層がなく上記高反射膜が露出した部分は上記高反射膜による上述の所望の意匠、又は後述するホログラム調の奥行きのある意匠が、上記基板ガラスの欠点を隠して安定して表現され、上記高反射膜の上に絵付けガラス装飾層が形成されている部分は、光沢のない表現となる。そのため、上記装飾層全体としては、上記高反射膜と上記絵付けガラス装飾層のコントラストにより、意匠に多様性を付与することができる。
このように、本発明によれば、安定した意匠特性を有し、摩耗強度が高い装飾層を得ることができる。
第2の発明は、低膨張結晶化ガラスよりなる基板ガラスの調理面に、第1の発明の装飾層を積層してなることを特徴とする加熱調理器用ガラストッププレートにある(請求項7)。
すなわち、本発明の加熱調理器用ガラストッププレートは、低膨張結晶化ガラスよりなる基板ガラスの調理面に、第1の発明の優れた装飾層を設けたものである。
すなわち、絵付けガラス装飾層がなく上記高反射膜が露出した部分は、上記高反射膜による所望の意匠又はホログラム調の奥行きのある意匠が、基板ガラス表面の欠点を隠して安定して表現され、上記高反射膜の上に絵付けガラス装飾層が形成されている部分は、光沢のない表現となっている。
また、上記絵付けガラス装飾層は、調理面上では高反射膜よりも高い位置に存在することとなり、高反射膜が鍋等の被加熱物と直接接触することを抑制することができる。そのため、基板ガラス本来の強度を低下させることなく、上記高反射膜の摩耗を抑制することができる。
このように、本発明によれば、安定した意匠特性を有し、摩耗強度が高い、加熱調理器用ガラストッププレートを得ることができる。なお、上記調理面とは、加熱調理器を使用する際に、鍋などを置く面である。
参考発明は、ガラス組成物と有機樹脂とからなるガラス装飾層用ペーストを基材の表面の全面又は一部を覆うように塗布し、750〜1200℃で焼成することによりガラス装飾層を形成し、
Ti、Ce、Zrのうち1種以上の金属レジネートと有機樹脂とからなる高反射膜用ペーストを上記ガラス装飾層の全面又は一部を覆うように塗布し、600〜1200℃で焼成することにより高反射膜を形成し、
ガラス組成物と有機樹脂とからなる絵付けガラス装飾層用ペーストを上記高反射膜の一部を覆うように塗布し、750〜1200℃で焼成することにより絵付けガラス装飾層を形成することを特徴とする装飾層の形成方法にある
上記参考発明の装飾層の形成方法は、まず、組成物と有機樹脂とからなるガラス装飾層用ペーストを基材の表面の全面又は一部を覆うように塗布し、750〜1200℃で焼成することによりガラス装飾層を形成する。
これにより、上記基材表面の欠点に影響されることなく、基板表面の欠陥を隠し、所定の表面粗さを有するガラス装飾層を形成することができる。
そして、Ti、Ce、Zrのうち1種以上の金属レジネートと有機樹脂とからなる高反射膜用ペーストを上記ガラス装飾層の全面又は一部を覆うように塗布し、600〜1200℃で焼成する。これにより、基材の欠点を隠し、所定の表面粗さを有する上記ガラス装飾層上にTiO2、CeO2、ZrO2のうち1種以上を主成分とする高反射膜を形成することができる。そのため、安定した意匠特性を発揮する高反射膜を形成することができる。
そして、上記高反射膜を形成した後、ガラス組成物と有機樹脂とからなる絵付けガラス装飾層用ペーストを上記高反射膜の上に該高反射膜の一部を覆うように塗布し、750〜1200℃で焼成することにより、ガラス組成物からなる絵付けガラス装飾層を形成する。そのため、上記高反射膜の摩耗を抑制すると共に、意匠に多様性を付与する装飾層を形成することができる。
このように、参考発明によれば、安定した意匠特性を有し、摩耗強度が高い装飾層を形成することができる。
第3の発明は、第2の発明の加熱調理器用ガラストッププレートを製造する方法であって、
ガラス組成物と有機樹脂とからなるガラス装飾層用ペーストを上記基板ガラスにおける上記調理面の全面又は一部に塗布し、750〜1200℃で焼成することにより、厚みが0.5〜15μmであると共に表面粗さRa1.5μm以下のガラス装飾層を形成するガラス装飾層形成工程と、
Ti、Ce、Zrのうち1種以上を金属の主成分とする金属レジネートと有機樹脂とからなる高反射膜用ペーストを上記ガラス装飾層の全面又は一部を覆うように塗布し、600〜1200℃で焼成することにより、TiO 2 、CeO 2 、ZrO 2 のうち1種以上を主成分とし、厚みが20〜300nmの高反射膜を形成する高反射膜形成工程と、
ガラス組成物と有機樹脂とからなる絵付けガラス装飾層用ペーストを上記高反射膜の一部を覆うように塗布し、750〜1200℃で焼成することにより、厚み1〜15μmの絵付けガラス装飾層を形成する絵付けガラス装飾層形成工程とを有することを特徴とする加熱調理器用ガラストッププレートの製造方法にある(請求項)。
本発明の加熱調理器用ガラストッププレートの製造方法は、基材として低膨張結晶化ガラスよりなる基板ガラスを用いて、その調理面に、上記参考発明と同一の装飾層の形成方法によって装飾層を形成することにより、第2の発明の加熱調理器用ガラストッププレートを製造する方法である。
そのため、基板ガラスの調理面に、基板ガラス表面の欠点を隠し、所定の表面粗さを有するガラス装飾層と、所望の意匠を発揮する高反射膜と、該高反射膜の摩耗を抑制すると共に、意匠に多様性を付与する装飾層とからなる装飾層を形成することができる。
このように、本発明によれば、安定した意匠特性を有し、摩耗強度が高い、加熱調理器用ガラストッププレートを製造することができる。
第1の発明の装飾層は、上述したように、基板ガラスの調理面に、該調理面の全面又一部を覆うように積層してなるガラス装飾層と、該ガラス装飾層の全面又一部を覆うように更に積層してなる高反射膜と、上記高反射膜上に、該高反射膜の一部を覆うように更に積層してなる絵付けガラス装飾層とからなる。
すなわち、上記装飾層は、少なくとも、基板ガラスからなる基材の調理面に上記ガラス装飾層と上記高反射膜が積層されて、これが露出している部分と、該ガラス装飾層と高反射膜が積層された上に更に絵付けガラス装飾層が積層された部分が存在することとなる。また、基材表面が露出した部分があってもよいし、上記ガラス装飾層が露出した部分があってもよいし、基材表面の上に高反射膜もしくは絵付けガラス装飾層のみが形成された部分があってもよい
上記ガラス装飾層は、ガラス組成物からなり、厚みが0.5〜15μmである。
上記ガラス装飾層の厚みが0.5μm未満の場合には、ガラス装飾層の膜厚が十分ではなく、基材表面のピンホールや筋キズ等の欠点を十分に隠すことができず、高反射膜を形成すると、その欠点が強調されるおそれがある。一方、上記ガラス装飾層の厚みが15μmを超える場合には、基材から上記ガラス装飾層が剥離するという問題がある。
上記ガラス装飾層の厚みは、好ましくは、1〜10μmである。
また、上記ガラス装飾層は、表面粗さRaが1.5μm以下である。
そして、上記ガラス装飾層の表面が平坦であるほど、上記高反射膜を設けた際に所望の意匠特性を付与することができる。上記ガラス装飾層の表面粗さRaが1.5μmを超える場合には、高反射膜を形成しても、表面が平坦でなく光が乱反射するため、所望の意匠特性を得ることができないという問題がある。
より好ましくは、上記ガラス装飾層の表面は、表面粗さRaが0.7μm未満である。
なお、ここでいう表面粗さRaは、JIS B0601−2001に準拠するものである。
上記ガラス組成物としては、リサイクル性などを考慮し、無鉛ガラス組成物であることが好ましい。
また、上記ガラス組成物は、軟化点が650℃以下であることが好ましい。また、上記ガラス組成物は、SiO2、Al23、B23、Li2O、Na2O、及びK2Oを必須成分として含有し、必要に応じてCaO、SrO、BaO、ZnO、TiO2、ZrO2うち1種以上を添加成分として含有し、750〜1200℃で熱処理することにより熔着する無鉛ガラス組成物を用いることがより好ましい。
また、上記ガラス組成物の熱処理温度は780〜930℃がより好ましい。更に好ましくは、上記ガラス組成物の熱処理温度は790〜890℃である。
また、上記装飾層の上記高反射膜は、TiO2、CeO2、ZrO2のうち1種以上を主成分とする。
上記高反射膜において、TiO2、CeO2、ZrO2のうち1種以上の含有量は、焼成後の高反射膜全体の重量を100%とすると(以下同様)、50〜100%の範囲であることが好ましい。
上記含有量が50%未満の場合には、反射率が低下し、十分な意匠特性を得ることができないおそれがある。上記TiO2、CeO2、ZrO2のうち1種以上の含有量は、より好ましくは、80〜100%である。
また、高反射膜は、その意匠特性を妨げない範囲で、SiO2、Al23、MgO、Bi23、SnO2、In23、Sb23、遷移金属元素(Fe、Co、Ni、Cu、Mn、Cr等)の金属酸化物、貴金属元素(Au、Pt、Pd等)等のうち1種又は2種以上を含有してもよい。
また、上記高反射膜は厚みが20〜300nmである。
上記高反射膜の厚みが20nm未満の場合には、所望の意匠特性が十分に表現得られないという問題があり、一方、上記厚みが300nmを超える場合には、ガラス装飾層と高反射膜の熱膨張差によりクラックが発生し、光の乱反射により所望の意匠特性が得られなくなったり、剥離が発生するという問題がある。
また、上記高反射膜の厚みは、更に好ましくは、40〜110nmである。
また、上記絵付けガラス装飾層は、ガラス組成物からなると共に厚みが1〜15μmである。
上記絵付けガラス装飾層の膜厚が1μm未満の場合には、物と装飾層とが接触する際に、物と上記高反射膜の位置が近くなり、直接接触により、上記高反射膜が剥がれ易くなり、耐摩耗性が低下するという問題がある。一方、上記膜厚が15μmを超える場合には、上記絵付けガラス装飾層が剥離するという問題がある。
また、上記絵付けガラス装飾層の厚みは、更に好ましくは2〜10μmである。
上記ガラス組成物としては、上述のガラス組成物と同様のものを用いることが好ましい。
また、上記絵付けガラス装飾層は、透明であってもよいし、ガラス組成物のほかに無機顔料等を含有して着色されていてもよい。
上記絵付けガラス装飾層が透明である場合には、上記高反射膜の上にこの絵付けガラス装飾層が形成されている部分は、光沢がなく、ガラス装飾層あるいは基材の色を呈するよう構成することができる。
上記無機顔料としては、例えば、白色無機顔料、黒色無機顔料、灰色無機顔料、黄色無機顔料、茶色無機顔料、緑色無機顔料、青色無機顔料、桃色無機顔料、赤色無機顔料等がある。
具体的には、上記白色無機顔料としては、例えば、TiO2、ZrO2、ZrSiO4、Al23、3Al23−2SiO2、Li2O−Al23−8SiO2、Al2TiO6等が挙げられる。
また、上記黒色無機顔料としては、例えば、Cr−Fe系酸化物、Co−Mn−Cr−Fe系酸化物、Co−Ni−Cr−Fe系酸化物、Co−Ni−Cr−Fe−Mn系酸化物等が挙げられる。
また、上記灰色無機顔料としては、例えば、Sn−Sb系酸化物、Sn−Sb−V系酸化物等が挙げられる。
また、上記黄色無機顔料としては、例えば、Sn−V系酸化物、Zr−V系酸化物、Zr−Si−Pr系酸化物、Ti−Cr−Sb系酸化物等が挙げられる。
また、上記茶色無機顔料としては、例えば、Zn−Al−Cr−Fe系酸化物、Zn−Mn−Al−Cr−Fe系酸化物等が挙げられる。
また、緑色無機顔料としては、例えば、Ca−Cr−Si系酸化物、Cr−Al系酸化物、Co−Zn−Al−Cr系酸化物、Zr−Si−Pr−V系酸化物等が挙げられる。
また、上記青色粉末としては、例えば、Co−Al−Zn系酸化物、Co−Al系酸化物、Co−Si系酸化物等が挙げられる。
また、上記桃色無機顔料としては、例えば、Mn−Al系酸化物、Ca−Sn−Si−
Cr系酸化物、Sn−Cr系酸化物、Zr−Si−Fe系酸化物等が挙げられる。
また、上記赤色無機顔料としては、例えば、Fe23等が挙げられる。
また、上記絵付けガラス装飾層は、上記高反射膜の意匠特性を発揮させるために、ある面積以上のベタ面積で形成されていることが好ましいが、任意のパターンとなるように形成されていてもよい。上記任意のパターンとしては、例えば、石目状、ライン状、ドット状等がある。
また、上記高反射膜は、上記基板ガラス表面よりも反射率が高いことが好ましい(請求項2)。
この場合には、上記高反射膜の意匠表現は、輝度の高い金属表面のような質感を有する金属調光沢となる。
そして、この場合には、上記装飾層は、絵付けガラス装飾層がなく上記高反射膜が露出した部分は上記高反射膜による金属調光沢が上記基板ガラスの欠点を隠して安定して表現され、上記高反射膜の上に絵付けガラス装飾層が形成されている部分は、光沢のない表現となる。
また、上記高反射膜は、上記基板ガラス表面よりも反射率が低いことが好ましい(請求項3)。
この場合には、上記高反射膜の意匠表現は、マットな金属表面のような質感を有するつや消し金属調となる。
そして、この場合には、上記装飾層は、絵付けガラス装飾層がなく上記高反射膜が露出した部分は上記高反射膜によるつや消し金属調、又は後述するホログラム調の奥行きのある意匠が上記基板ガラスの欠点を隠して安定して表現され、上記高反射膜の上に絵付けガラス装飾層が形成されている部分は、光沢のない表現となる。
上記ホログラム調の奥行きのある意匠とは、装飾層の表面に光を当てた際に、上記高反射膜が露出した部分において、上記絵付けガラス装飾層の柄が立体的に見える意匠表現が発現するものである。
ここで、ホログラムとは、物体から反射する光で二次元の物体が立体的に見える現象である。
また、上記ホログラム調の奥行きのある意匠表現が発現するメカニズムは明確ではないが、ガラス装飾層、高反射膜、絵付けガラス装飾層の三層構造を有し、さらに、各々の材料、膜厚等が特定条件を満たす場合に、ホログラム調の奥行きのある意匠表現が発現する。
本発明の構成範囲内で、特に、上記ガラス装飾層の厚み、上記ガラス装飾層を構成する上記ガラス組成物の種類、後述する無機顔料の種類及び含有量を調整した場合や、上記高反射膜が、主成分がTiO2であり、厚みが30〜110nmの範囲である場合、また、上記ガラス装飾層と上記高反射膜とが重なる面積のうち、上記絵付けガラス装飾層が90%以下の形状パターン面積で形成されている場合等に、上記ホログラム調の奥行きのある意匠表現が発現している。
ただし、上述したごとく、ホログラム調の奥行きのある意匠表現が発現するメカニズムは明確ではなく、必要十分な条件の範囲についても現在のところ明確ではない。
また、上記装飾層のガラス装飾層は、ガラス組成物のほかに、無機顔料を含有することが好ましい(請求項4)。
従来のように、メタリック顔料(パール顔料)を使用して金属のような質感を得る場合には、表面がガサガサになり汚れ易く、摩耗強度が低く、耐熱性が不十分で、色調が限られていたが、この場合には、上記無機顔料の配合を調整することにより所望の色を表現することができ、また、ガラス装飾層の表面はガサガサとなることがないため、種々の色の所望の意匠特性を付与することができると共に、耐摩耗性を有することが可能である。
上記無機顔料としては、上述の無機顔料と同様のものを用いることができる。
また、上記絵付けガラス装飾層上記基板ガラスの表面に占める割合は、10〜90%であることが好ましい(請求項5)。
この場合には、意匠性を損なうことなく、摩耗強度を維持することができる。
上記絵付けガラス装飾層の上記基板ガラス表面に占める割合とは、基板ガラス表面における上記絵付けガラス装飾層が形成されている部分の面積率である。
上記絵付けガラス装飾層の上記調理面に占める割合が10%未満の場合には、上記高反射膜が剥がれ易くなるおそれがあり、一方、上記割合が90%を超える場合には、上記高反射膜の露出部分が小さくなり、意匠性が低下するおそれがある。
上記絵付けガラス装飾層の上記調理面に占める割合は、より好ましくは、20〜80%である。
また、上記ガラス装飾層、上記高反射膜、上記絵付けガラス装飾層の合計膜厚の最大値は15μm以下であることが好ましい(請求項6)。
上記合計膜厚の最大値が15μmを超える場合には、上記ガラス装飾層、上記高反射膜、及び上記絵付けガラス装飾層が積層した部分、もしくは単独で存在する部分が剥離するおそれがある。
第2の発明の加熱調理器用ガラストッププレートは、上述したように、低膨張結晶化ガラスよりなる基板ガラスの調理面に、第1の発明に記載の装飾層を積層している。
上記基板ガラスは、線熱膨張係数が−10〜80×10−7/K(at30〜500℃)であることが好ましい(請求項8)。
上記基板ガラスの線熱膨張係数が−10〜80×10−7/K(at30〜500℃)の範囲から外れる場合には、加熱調理器用ガラストッププレートに用いる基板ガラスとして適していないというおそれがある。
また、上記基板ガラスは、β−石英及びβ−スポジューメンの少なくとも一方を主結晶とすることが好ましい。
また、上記基板ガラスは、特に限定されるものではないが、白色、半透明、透明、又は黒色である基板ガラスを用いることが好ましい。
ここで、上記白色とは、測色色差計で測定された白色度Wが70以上である場合を言う。
また、上記半透明とは、測色色差計で測定された白色度Wが30以上70未満である場合をいう。
また、上記透明とは、測色色差計で測定された白色度Wが30未満であり、かつ、JISR3106に準じ算出された日本工業規格「板ガラスの透過率・反射率・日射取得率試験方法」の可視光透過率・可視光反射率より算出した可視光吸収率が50%以下の場合をいう。
また、黒色とは、測色色差計で測定された白色度Wが30未満であり、かつ、JISR3106に準じ算出された日本工業規格「板ガラスの透過率・反射率・日射取得率試験方法」の可視光透過率・可視光反射率より算出した可視光吸収率が80%を超える場合をいう。
<白色度>
上記白色度Wとは、酸化マグネシウム標準白板の光の反射量を100、真黒を0とし、光の反射量の割合により示される数値である。具体的には、測色色差計(例えば、日本電色工業株式会社製ZE2000)により、C2光源でL,a,b値を測定し、次式W(白色度)=100−[(100−L)2+a2+b21/2より求められた値である。
<可視光吸収率>
日本分光株式会社製の、紫外可視近赤外分光光度計V−570及び積分球装置ISN−470を使用することにより透過・反射スペクトルの測定を行った。この場合の透過・反射スペクトルは積分球を使用することで、試料に入射し、あらゆる方向に透過・反射した殆どの光を取り込んで求めた値である。得られた透過・反射スペクトルから日本工業規格「板ガラスの透過率・日射取得率試験方法」JIS R 3106に準拠し、可視光透過率・可視光反射率を求め、次式、可視光吸収率=100−可視光透過率−可視光反射率より求められた値である。
そして、上記黒色の基板ガラスとしては、大別して、黒色着色低膨張結晶化ガラスと、黒薄膜透明低膨張結晶化ガラスの2種類を挙げることができる。
上記黒色着色低膨張結晶化ガラスは、ガラス自体にCo、Mn、V等の遷移金属元素の酸化物着色剤を含有しているものである。この場合には、ガラス自体が紫色又は茶色に着色され、反射光で見ると黒色に見える黒色ガラス(例えば、ドイツSchott社製結晶化ガラス 商品名Ceran)となる。
上記黒薄膜透明低膨張結晶化ガラスは、透明低膨張結晶化ガラスの裏側面に金属ペースト(ラスターペースト)を塗布して焼成し、薄膜化したものである。この場合には、反射光が黒色になるガラスとなる。
ここで、基板ガラスの裏側面とは、加熱調理器を使用する際に、鍋などを置く面である調理面とは反対の加熱装置側(下側)の面である。
上記参考発明の装飾層の形成方法、及び第3の発明の加熱調理器用ガラストッププレートの製造方法は、上述したように、まず、ガラス組成物と有機樹脂とからなるガラス装飾用ペーストを、加熱調理器用ガラストッププレートの基板ガラスの調理面の全面又は一部を覆うように塗布し、750〜1200℃で焼成することによりガラス装飾層を形成する。
上記ガラス組成物としては、上述のガラス組成物を用いることが好ましい。
また、上記有機樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、アルキッド系樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられる。
また、上記ガラス装飾用ペーストは、必要に応じて有機溶剤を含有してもよい。
上記ガラス装飾用ペーストは、上記基板ガラスの調理面の表面の全面又は一部を覆うように塗布する。これは、スクリーン印刷法等により塗布することにより、容易に対応することが可能である。
上記ペーストを塗布する方法としては、スクリーン印刷法を行うことが好ましい。
上記焼成の温度が750℃未満の場合には、ガラス装飾層の焼付けが十分に行われ難く、焼き付け後にガラス装飾層が基板ガラスから剥離するおそれがある。一方、上記焼成温度が1200℃を超える場合には、基板ガラス自体の軟化による変形等により、表面粗さRaが1.5μmを超えるおそれがある。
また、上記焼成の温度は、より好ましくは790〜890℃である。
また、Ti、Ce、Zrのうち1種以上を金属の主成分とする金属レジネートと有機樹脂とからなる高反射膜用ペーストを上記ガラス装飾層の全面又は一部を覆うように塗布し、600〜1200℃で焼成することにより高反射膜を形成する。
上記金属レジネートは、有機金属化合物の希釈液であり、分散性が良好な液体であるため、高反射膜を形成する際に、均一な膜を形成することができる。
また、上記有機樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、アルキッド系樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられる。
上記高反射膜用ペーストは、上記ガラス装飾層全面又は一部を覆うように塗布する。これは、スクリーン印刷法等により塗布することにより、容易に対応することが可能である。
上記高反射膜用ペーストを塗布する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、ディッピング法、スクリーン印刷法、及びバーコート印刷法等が挙げられる。
上記焼成の温度が600℃未満の場合には、密着力が十分な均一な膜が形成できないというおそれがある。一方、上記焼成温度が1200℃を超える場合には、基材自体の軟化による変形等により、高反射膜の効果がなくなるおそれがある。
また、上記焼成の温度は、より好ましくは700〜900℃である。
また、ガラス組成物と有機樹脂とからなる絵付けガラス装飾層用ペーストを上記高反射膜の上に該高反射膜の一部を覆うように塗布し、750〜1200℃で焼成することにより絵付けガラス装飾層を形成する。
上記ガラス組成物としては、上述のガラス組成物を用いることが好ましい。
また、上記有機樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、アルキッド系樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられる。
また、上記ペーストは、必要に応じて有機溶剤を含有してもよい。
絵付けガラス装飾層用ペーストは、高反射膜の一部を覆うように塗布する。これは、スクリーン印刷法等により塗布することにより、容易に対応することが可能である。
上記ペーストを塗布する方法としては、スクリーン印刷法を行うことが好ましい。
上記焼成の温度が750℃未満の場合には、絵付けガラス装飾層の焼付けが十分に行われ難く、焼付け後に絵付けガラス装飾層が高反射膜から剥離するおそれがある。一方、上記焼成温度が1200℃を超える場合には、基材自体の軟化による変形等により、高反射膜の効果がなくなるおそれがある。
また、上記焼成の温度は、より好ましくは790〜890℃である。
また、第3の発明において、上記基板ガラスとして、透明基板ガラス、半透明基板ガラス、あるいは白色以外の着色基板ガラスを用いる場合には、上記ガラス装飾層形成工程の焼成温度は750〜900℃であり、上記高反射膜形成工程の焼成温度は600〜900℃であり、上記絵付けガラス装飾層形成工程の焼成温度は750〜900℃であることが好ましい。
また、上記ガラス装飾層形成工程の焼成温度が750℃未満の場合には、ガラス装飾層の焼き付けが十分に行われ難く、焼き付け後に絵付けガラス装飾層が高反射膜から剥離するおそれがある。一方、上記焼成温度が900℃を上回る場合には、基板ガラスの結晶化が進行して白濁し、基板ガラスが変色するおそれがある。より好ましくは、上記ガラス装飾層形成工程の焼成温度は790〜890℃である。
上記高反射膜形成工程の焼成温度が600℃未満の場合には、上記反射膜の焼き付けが十分に行われ難く、焼き付け後に高反射膜が剥離するおそれがある。一方、上記焼成温度が900℃を上回る場合には、基板ガラスの結晶化が進行して白濁し、基板ガラスが変色するおそれがある。より好ましくは、上記高反射膜形成工程の焼成温度は700〜900℃である。
また、上記絵付けガラス装飾層形成工程の焼成温度が750℃未満の場合には、絵付けガラス装飾層の焼き付けが十分に行われ難く、焼き付け後に絵付けガラス装飾層が高反射膜から剥離するおそれがある。一方、上記焼成温度が900℃を上回る場合には、基板ガラスの結晶化が進行して白濁し、基板ガラスが変色するおそれがある。より好ましくは、上記ガラス装飾層形成工程の焼成温度は790〜890℃である。
(実施例1)
本例は、本発明にかかる実施例として、加熱調理器用ガラストッププレート1(試料E1)を作製した。
図1に示すように、本例の加熱調理器用ガラストッププレート1は、低膨張結晶化ガラスよりなる基板ガラス(基材)2の調理面(表面)21に、該調理面21上に積層したガラス装飾層3と、該ガラス装飾層3上に積層した高反射膜4と、該高反射膜4の一部を覆うように積層した絵付けガラス装飾層5とからなる装飾層6を形成している。
以下、これを詳説する。
上記基板ガラス2としては、熱膨張係数が10×10−7/Kで、表面粗さRaが0.06μmの白色低膨張結晶化ガラスを用意した。
上記ガラス装飾層用ペーストとしては、ガラス組成物90重量%と白色顔料TiO2からなる添加剤10重量%を含有し、外掛けでアクリル樹脂100重量%を加えたペーストを用意した。
上記ガラス組成物としては、SiO2:55重量%、Al23:10重量%、B23:20重量%、Li2O:3重量%、Na2O:3重量%、K2O:3重量%、ZrO2:5重量%、CaO:1重量%からなるものを用いた。
高反射膜用ペーストとしては、チタンレジネートと有機樹脂(セルロース系樹脂)とから構成されるTi濃度1重量%のペーストを用意した。
また、絵付けガラス装飾層用ペーストとしては、ガラス組成物92重量%と白色顔料Al23からなる添加剤3重量%と、白色顔料TiO2からなる添加剤5重量%を含有し、外掛けでアクリル樹脂100重量%を加えたペーストを用意した。
上記ガラス組成物としては、SiO2:55重量%、Al23:10重量%、B23:20重量%、Li2O:3重量%、Na2O:3重量%、K2O:3重量%、ZrO2:5重量%、CaO:1重量%からなるものを用いた。
次に、製造方法を説明する。
まず、上記基板ガラス2の調理面21全面に、テトロン355メッシュのスクリーンを使用して上記ガラス装飾層用ペーストを塗布し、820℃で焼成を行った。これにより、膜厚が4μmの白色のガラス装飾層3を形成した。
次に、上記ガラス装飾層3の全面にステンレス250メッシュのスクリーンを使用して上記高反射膜用ペーストを塗布し、850℃で焼成を行った。これにより、膜厚100nmの高反射膜4を形成した。高反射膜の表面は、白色のつや消し金属調の表現であった。
次に、上記高反射膜4上に、テトロン255メッシュのスクリーンを使用して、上記絵付けガラス装飾層用ペーストを塗布し、820℃で焼成を行った。これにより、膜厚が8μmであり、面積率で調理面21の50%を占める絵付けガラス装飾層5を形成した。絵付けガラス装飾層5が存在せず、上記高反射膜4が露出した部分は、シルバー色のホログラム調の奥行きのある意匠が表現され、絵付けガラス装飾層5が存在する部分は、白色の表現となっている。
また、本例において、上記ガラス装飾層及び上記高反射膜4は基板ガラス2の調理面21全面に形成したが、一部分でもよい。
また、本例では、基材として基板ガラスを用いたが、磁器、琺瑯基板等の他の基材の表面に上述の装飾層を形成しても同様の安定した意匠特性、及び耐摩耗性を得ることができる。
(実施例2)
本例では、本発明の実施例として、加熱調理器用ガラストッププレート(試料E2)を作製した。
上記試料E2の基板ガラスとして、熱膨張係数が11×10−7/Kで、表面粗さRaが0.20μmの白色低膨張結晶化ガラスを用意した。
また、ガラス装飾層用ペーストとして、ガラス組成物95重量%と白色顔料TiO2からなる添加剤5重量%を含有し、外掛けでアクリル樹脂100重量%を加えたペーストを用意した。
上記ガラス組成物としては、SiO2:55重量%、Al23:10重量%、B23:20重量%、Li2O:3重量%、Na2O:3重量%、K2O:3重量%、ZrO2:5重量%、CaO:1重量%からなるものを用いた。
また、高反射膜用ペーストとして、チタンレジネートと有機樹脂(アクリル系樹脂)とから構成されるTi濃度0.75重量%のペーストを用意した。
また、絵付けガラス装飾層用ペーストとして、ガラス組成物を100重量%を含有し、外掛けでアクリル樹脂100重量%を加えたペーストを用意した。
上記ガラス組成物としては、SiO2:60重量%、Al23:8重量%、B23:20重量%、Li2O:3重量%、Na2O:2重量%、K2O:2重量%、ZrO2:5重量%からなるものを用いた。
まず、上記基板ガラスの調理面全面に、テトロン355メッシュのスクリーンを使用して上記ガラス装飾層用ペーストを塗布し、820℃で焼成を行った。これにより、膜厚が4μmの白色のガラス装飾層を形成した。
次に、上記ガラス装飾層の全面にステンレス250メッシュのスクリーンを使用して上記高反射膜用ペーストを塗布し、700℃で焼成を行った。これにより、膜厚60nmの高反射膜を形成した。高反射膜の表面は、金属調光沢の表現であった。
次に、上記高反射膜上に、上記高反射膜の一部を覆うようにステンレス350メッシュのスクリーンを使用して、上記絵付けガラス装飾層用ペーストを塗布し、790℃で焼成を行った。これにより、膜厚が9μmであり、面積率で調理面の20%を占める絵付けガラス装飾層を形成した。絵付けガラス装飾層が存在せず、上記高反射膜が露出した部分は、シルバー色の金属調光沢の意匠が表現され、絵付けガラス装飾層が存在する部分は、白色の意匠が表現されている。
(実施例3)
本例では、本発明の実施例として、加熱調理器用ガラストッププレート(試料E3)を作製した。
上記試料E3の基板ガラスとしては、熱膨張係数が15×10−7/Kで、表面粗さRaが0.05μmの半透明低膨張結晶化ガラスを用意した。
また、ガラス装飾層用ペーストとして、ガラス組成物85重量%と白色顔料TiO2からなる添加剤15重量%を含有し、外掛けでアクリル樹脂100重量%を加えたペーストを用意した。
上記ガラス組成物としては、SiO2:55重量%、Al23:10重量%、B23:20重量%、Li2O:3重量%、Na2O:3重量%、K2O:3重量%、ZrO2:5重量%、CaO:1重量%からなるものを用いた。
また、高反射膜用ペーストとして、チタンレジネートと有機樹脂(セルロース系樹脂)とから構成されるTi濃度0.5重量%のペーストを用意した。
また、絵付けガラス装飾層用ペーストとして、ガラス組成物95重量%と白色顔料TiO2からなる添加剤5重量%を含有し、外掛けでアクリル樹脂100重量%を加えたペーストを用意した。
上記ガラス組成物としては、SiO2:55重量%、Al23:7重量%、B23:20重量%、Li2O:3重量%、Na2O:4重量%、K2O:2重量%、ZrO2:5重量%、BaO:2重量%、CaO:2重量%からなるものを用いた。
まず、上記基板ガラスの調理面全面に、テトロン300メッシュのスクリーンを使用して上記ガラス装飾層用ペーストを塗布し、820℃で焼成を行った。これにより、膜厚が6μmの白色のガラス装飾層を形成した。
次に、上記ガラス装飾層の全面に、ステンレス250メッシュのスクリーンを使用して上記高反射膜用ペーストを塗布し、900℃で焼成を行った。これにより、膜厚40nmの高反射膜を形成した。金属調光沢の表現であった。
次に、上記高反射膜上に、ステンレス400メッシュのスクリーンを使用して、上記絵付けガラス装飾層用ペーストを塗布し、890℃で焼成を行った。これにより、膜厚が4μmであり、面積率で調理面の80%を占める絵付けガラス装飾層を形成した。絵付けガラス装飾層が存在せず、上記高反射膜が露出した部分は、シルバー色の金属調光沢効果が発揮され、絵付けガラス装飾層4が存在する部分は、白色の表現となっている。
(実施例4)
本例では、本発明の実施例として、加熱調理器用ガラストッププレート(試料E4)を作製した。
上記試料E4の基板ガラスとして、熱膨張係数が14×10−7/Kで、表面粗さRaが0.68μmの半透明低膨張結晶化ガラスを用意した。
また、ガラス装飾層用ペーストとして、ガラス組成物90重量%と白色顔料TiO2からなる添加剤10重量%を含有し、外掛けでアクリル樹脂100重量%を加えたペーストを用意した。
上記ガラス組成物としては、SiO2:55重量%、Al23:10重量%、B23:20重量%、Li2O:3重量%、Na2O:3重量%、K2O:3重量%、ZrO2:5重量%、CaO:1重量%からなるものを用いた。
また、高反射膜用ペーストとして、チタンレジネートと有機樹脂(セルロース系樹脂)とから構成されるTi濃度1.5重量%のペーストを用意した。
また、絵付けガラス装飾層用ペーストとして、ガラス組成物92重量%と白色顔料TiO2からなる添加剤5重量%と、白色顔料Al23からなる添加剤3重量%を含有し、外掛けでアクリル樹脂200重量%を加えたペーストを用意した。
上記ガラス組成物としては、SiO2:55重量%、Al23:10重量%、B23:20重量%、Li2O:3重量%、Na2O:3重量%、K2O:3重量%、ZrO2:5重量%、CaO:1重量%からなるものを用いた。
まず、上記基板ガラスの調理面全面に、テトロン255メッシュのスクリーンを使用して上記ガラス装飾層用ペーストを塗布し、800℃で焼成を行った。これにより、膜厚が8μmの白色のガラス装飾層を形成した。
次に、上記ガラス装飾層の全面に、ステンレス200メッシュのスクリーンを使用して上記高反射膜用ペーストを塗布し、880℃で焼成を行った。これにより、膜厚150nmの高反射膜を形成した。高反射膜の表面は、白色のつや消し金属調の表現であった。
次に、上記高反射膜上に、テトロン380メッシュのスクリーンを使用して、上記絵付けガラス装飾層用ペーストを塗布し、920℃で焼成を行った。これにより、膜厚が1μmであり、面積率で調理面の50%を占める絵付けガラス装飾層を形成した。絵付けガラス装飾層が存在せず、上記高反射膜が露出した部分は、シルバー色のホログラム調の奥行きのある意匠が表現され、絵付けガラス装飾層が存在する部分は、白色の表現となっている。
(実施例5)
本例では、本発明の実施例として、加熱調理器用ガラストッププレート(試料E5)を作製した。
上記試料E5の基板ガラスとして、熱膨張係数が−7×10−7/Kで、表面粗さRaが0.23μmの黒色低膨張結晶化ガラスを用意した。
また、ガラス装飾層用ペーストとして、ガラス組成物95重量%と白色顔料TiO2からなる添加剤5重量%を含有し、外掛けでアクリル樹脂120重量%を加えたペーストを用意した。
上記ガラス組成物としては、SiO2:65重量%、Al23:6重量%、B23:22重量%、Li2O:1重量%、Na2O:3重量%、K2O:2重量%、ZrO2:1重量%からなるものを用いた。
また、高反射膜用ペーストとして、ジルコニウムレジネートと有機樹脂(アクリル系樹脂)とから構成されるZr濃度2.5重量%のペーストを用意した。
また、絵付けガラス装飾層用ペーストとして、ガラス組成物を90重量%と白色顔料TiO2からなる添加剤7重量%と、白色顔料Al23からなる添加剤3重量%を含有し、外掛けでアクリル樹脂120重量%を加えたペーストを用意した。
上記ガラス組成物としては、SiO2:65重量%、Al23:6重量%、B23:22重量%、Li2O:1重量%、Na2O:3重量%、K2O:2重量%、ZrO2:1重量%からなるものを用いた。
まず、上記基板ガラスの調理面全面に、テトロン355メッシュのスクリーンを使用して上記ガラス装飾層用ペーストを塗布し、810℃で焼成を行った。これにより、膜厚が4μmの白色のガラス装飾層を形成した。
次に、上記ガラス装飾層の全面に、ステンレス165メッシュのスクリーンを使用して上記高反射膜用ペーストを塗布し、600℃で焼成を行った。これにより、膜厚300nmの高反射膜を形成した。高反射膜の表面は、金属調光沢の表現であった。
次に、上記高反射膜上に、テトロン300メッシュのスクリーンを使用して、上記絵付けガラス装飾層用ペーストを塗布し、900℃で焼成を行った。これにより、膜厚が6μmであり、面積率で調理面の10%を占める絵付けガラス装飾層を形成した。絵付けガラス装飾層が存在せず、上記高反射膜が露出した部分は、シルバー色の金属調光沢の意匠が表現され、絵付けガラス装飾層が存在する部分は、白色の表現となっている。
(実施例6)
本例では、本発明の実施例として、加熱調理器用ガラストッププレート(試料E6)を作製した。
上記試料E6の基板ガラスとして、熱膨張係数が−2×10−7/Kで、表面粗さRaが0.17μmの黒色低膨張結晶化ガラスを用意した。
また、ガラス装飾層用ペーストとして、ガラス組成物90重量%と白色顔料TiO2からなる添加剤10重量%を含有し、外掛けでアクリル樹脂120重量%を加えたペーストを用意した。
上記ガラス組成物としては、SiO2:65重量%、Al23:6重量%、B23:22重量%、Li2O:1重量%、Na2O:3重量%、K2O:2重量%、ZrO2:1重量%からなるものを用いた。
また、高反射膜用ペーストとして、セリウムレジネートと有機樹脂(アクリル系樹脂)とから構成されるCe濃度0.5重量%のペーストを用意した。
また、絵付けガラス装飾層用ペーストとして、ガラス組成物を92重量%と白色顔料TiO2からなる添加剤5重量%と、白色顔料Al23からなる添加剤3重量%を含有し、外掛けでアクリル樹脂120重量%を加えたペーストを用意した。
上記ガラス組成物としては、SiO2:65重量%、Al23:6重量%、B23:22重量%、Li2O:1重量%、Na2O:3重量%、K2O:2重量%、ZrO2:1重量%からなるものを用いた。
まず、上記基板ガラスの調理面全面に、テトロン300メッシュのスクリーンを使用して上記ガラス装飾層用ペーストを塗布し、820℃で焼成を行った。これにより、膜厚が4μmの白色のガラス装飾層を形成した。
次に、上記ガラス装飾層の全面に、ステンレス350メッシュのスクリーンを使用して上記高反射膜用ペーストを塗布し、900℃で焼成を行った。これにより、膜厚20nmの高反射膜を形成した。高反射膜の表面は、金属調光沢の表現であった。
次に、上記高反射膜上に、テトロン380メッシュのスクリーンを使用して、上記絵付けガラス装飾層用ペーストを塗布し、850℃で焼成を行った。これにより、膜厚が1μmであり、面積率で調理面の35%を占める絵付けガラス装飾層を形成した。絵付けガラス装飾層が存在せず、上記高反射膜が露出した部分は、シルバー色の金属調光沢の意匠が表現され、絵付けガラス装飾層が存在する部分は、白色の表現となっている。
(実施例7)
本例では、本発明の実施例として、加熱調理器用ガラストッププレート(試料E7)を作製した。
上記試料E7の基板ガラスとして、熱膨張係数が−7×10−7/Kで、表面粗さRaが0.06μmの透明低膨張結晶化ガラスを用意した。
そして、黒薄膜用のラスター彩として、黒色ラスター絵付け材料を用意した。
また、ガラス装飾層用ペーストとして、ガラス組成物85重量%と白色顔料TiO2からなる添加剤15重量%を含有し、外掛けでアクリル樹脂120重量%を加えたペーストを用意した。
上記ガラス組成物としては、SiO2:65重量%、Al23:6重量%、B23:22重量%、Li2O:1重量%、Na2O:3重量%、K2O:2重量%、ZrO2:1重量%からなるものを用いた。
また、高反射膜用ペーストとして、チタンレジネートと有機樹脂(アクリル系樹脂)とから構成されるTi濃度1.0重量%のペーストを用意した。
また、絵付けガラス装飾層用ペーストとして、ガラス組成物を90重量%と、白色顔料TiO2からなる添加剤7重量%と、白色顔料Al23からなる添加剤3重量%を含有し、外掛けでアクリル樹脂120重量%を加えたペーストを用意した。
上記ガラス組成物としては、SiO2:65重量%、Al23:6重量%、B23:22重量%、Li2O:1重量%、Na2O:3重量%、K2O:2重量%、ZrO2:1重量%からなるものを用いた。
まず、上記基板ガラスの裏側面全面に、ステンレス350メッシュのスクリーンを使用して上記黒薄膜用のラスター彩を塗布し、820℃で焼成を行った。これにより黒薄膜を形成した。
そして、上記基板ガラスの調理面全面に、テトロン380メッシュのスクリーンを使用して上記ガラス装飾層用ペーストを塗布し、850℃で焼成を行った。これにより、膜厚が3μmの白色ガラス装飾層を形成した。
次に、上記ガラス装飾層の全面に、ステンレス250メッシュのスクリーンを使用して上記高反射膜用ペーストを塗布し、840℃で焼成を行った。これにより、膜厚100nmの高反射膜を形成した。高反射膜の表面は、金属調光沢の表現であった。
次に、上記高反射膜上に、テトロン355メッシュのスクリーンを使用して、上記絵付けガラス装飾層用ペーストを塗布し、830℃で焼成を行った。これにより、膜厚が4μmであり、面積率で調理面の25%を占める絵付けガラス装飾層を形成した絵付けガラス装飾層が存在せず、上記高反射膜が露出した部分は、シルバー色の金属調光沢の意匠が表現され、絵付けガラス装飾層が存在する部分は、白色の表現となっている。
(実施例8)
本例では、本発明の実施例として、加熱調理器用ガラストッププレート(試料E8)を作製した。
上記試料E8の基板ガラスとして、熱膨張係数が−7×10−7/Kで、表面粗さRaが0.65μmの透明低膨張結晶化ガラスを用意した。
そして、黒薄膜用のラスター彩として、黒色ラスター絵付け材料を用意した。
また、ガラス装飾層用ペーストとして、ガラス組成物95重量%と白色顔料TiO2からなる添加剤5重量%を含有し、外掛けでアクリル樹脂120重量%を加えたペーストを用意した。
上記ガラス組成物としては、SiO2:65重量%、Al23:6重量%、B23:22重量%、Li2O:1重量%、Na2O:3重量%、K2O:2重量%、ZrO2:1重量%からなるものを用いた。
また、高反射膜用ペーストとして、チタンレジネートと有機樹脂(アクリル系樹脂)とから構成されるTi濃度1.5重量%のペーストを用意した。
また、絵付けガラス装飾層用ペーストとして、ガラス組成物を85重量%と、白色顔料TiO2からなる添加剤12重量%と、白色顔料Al23からなる添加剤3重量%を含有し、外掛けでアクリル樹脂120重量%を加えたペーストを用意した。
上記ガラス組成物としては、SiO2:65重量%、Al23:6重量%、B23:22重量%、Li2O:1重量%、Na2O:3重量%、K2O:2重量%、ZrO2:1重量%からなるものを用いた。
まず、上記基板ガラスの裏側面全面に、ステンレス350メッシュのスクリーンを使用して上記黒薄膜用のラスター彩を塗布し、830℃で焼成を行った。これにより黒薄膜を形成した。
そして、上記基板ガラスの調理面全面に、テトロン355メッシュのスクリーンを使用して上記ガラス装飾層用ペーストを塗布し、780℃で焼成を行った。これにより、膜厚が4μmの白色のガラス装飾層を形成した。
次に、ステンレス250メッシュのスクリーンを使用して上記高反射膜用ペーストを塗布し、800℃で焼成を行った。これにより、膜厚135nmの高反射膜を形成した。高反射膜の表面は、金属調光沢の表現であった。
次に、上記高反射膜上に、ステンレス400メッシュのスクリーンを使用して、上記絵付けガラス装飾層用ペーストを塗布し、820℃で焼成を行った。これにより、膜厚が4μmであり、面積率で調理面の15%を占める絵付けガラス装飾層を形成した。絵付けガラス装飾層が存在せず、上記高反射膜が露出した部分は、シルバー色の金属調光沢の意匠が表現され、絵付けガラス装飾層が存在する部分は、白色の表現となっている。
(実施例9)
本例では、本発明の実施例として、加熱調理器用ガラストッププレート(試料E9)を作製した。
上記試料E9の基板ガラスとして、熱膨張係数が10×10−7/Kで、表面粗さRaが0.06μmの白色低膨張結晶化ガラスを用意した。
また、ガラス装飾層用ペーストとして、ガラス組成物95重量%と青色顔料Co−Al系酸化物からなる添加剤5重量%を含有し、外掛けでアクリル樹脂120重量%を加えたペーストを用意した。
上記ガラス組成物としては、SiO2:55重量%、Al23:10重量%、B23:20重量%、Li2O:3重量%、Na2O:3重量%、K2O:3重量%、ZrO2:5重量%、CaO:1重量%からなるものを用いた。
また、高反射膜用ペーストとして、チタンレジネートと有機樹脂(セルロース系樹脂)とから構成されるTi濃度1重量%のペーストを用意した。
また、絵付けガラス装飾層用ペーストとして、ガラス組成物を92重量%と、白色顔料TiO2からなる添加剤5重量%と、白色顔料Al23からなる添加剤3重量%を含有し、外掛けでアクリル樹脂100重量%を加えたペーストを用意した。
上記ガラス組成物としては、SiO2:55重量%、Al23:10重量%、B23:20重量%、Li2O:3重量%、Na2O:3重量%、K2O:3重量%、ZrO2:5重量%、CaO:1重量%からなるものを用いた。
まず、上記基板ガラスの調理面全面に、テトロン355メッシュのスクリーンを使用して上記ガラス装飾層用ペーストを塗布し、820℃で焼成を行った。これにより、膜厚が4μmの青色のガラス装飾層を形成した。
次に、ステンレス250メッシュのスクリーンを使用して上記高反射膜用ペーストを塗布し、850℃で焼成を行った。これにより、膜厚100nmの高反射膜を形成した。高反射膜の表面は、青色のつや消し金属調の表現であった。
次に、上記高反射膜上に、テトロン255メッシュのスクリーンを使用して、上記絵付けガラス装飾層用ペーストを塗布し、820℃で焼成を行った。これにより、膜厚が8μmであり、面積率で調理面の50%を占める絵付けガラス装飾層を形成した。絵付けガラス装飾層が存在せず、上記高反射膜が露出した部分は、青色のホログラム調の奥行きのある意匠が表現され、絵付けガラス装飾層が存在する部分は、白色の表現となっている。
(実施例10)
本例では、本発明の実施例として、加熱調理器用ガラストッププレート(試料E10)を作製した。
上記試料E10の基板ガラスとして、熱膨張係数が15×10−7/Kで、表面粗さRaが0.05μmの半透明低膨張結晶化ガラスを用意した。
また、ガラス装飾層用ペーストとして、ガラス組成物90重量%と黄色顔料Ti−Cr−Sb系酸化物からなる添加剤10重量%を含有し、外掛けでアクリル樹脂100重量%を加えたペーストを用意した。
上記ガラス組成物としては、SiO2:55重量%、Al23:10重量%、B23:20重量%、Li2O:3重量%、Na2O:3重量%、K2O:3重量%、ZrO2:5重量%、CaO:1重量%からなるものを用いた。
また、高反射膜用ペーストとして、チタンレジネートと有機樹脂(セルロース系樹脂)とから構成されるTi濃度0.5重量%のペーストを用意した。
また、絵付けガラス装飾層用ペーストとして、ガラス組成物を95重量%と、白色顔料TiO2からなる添加剤5重量%を含有し、外掛けでアクリル樹脂100重量%を加えたペーストを用意した。
上記ガラス組成物としては、SiO2:55重量%、Al23:7重量%、B23:20重量%、Li2O:3重量%、Na2O:4重量%、K2O:2重量%、ZrO2:5重量%、BaO:2重量%、CaO:2重量%からなるものを用いた。
まず、上記基板ガラスの調理面全面に、テトロン300メッシュのスクリーンを使用して上記ガラス装飾層用ペーストを塗布し、820℃で焼成を行った。これにより、膜厚が6μm黄色のガラス装飾層を形成した。
次に、ステンレス250メッシュのスクリーンを使用して上記高反射膜用ペーストを塗布し、900℃で焼成を行った。これにより、膜厚40nmの高反射膜を形成した。高反射膜の表面は、黄色の金属調光沢の表現であった。
次に、上記高反射膜上に、ステンレス400メッシュのスクリーンを使用して、上記絵付けガラス装飾層用ペーストを塗布し、890℃で焼成を行った。これにより、膜厚が4μmであり、面積率で調理面の80%を占める絵付けガラス装飾層を形成した。絵付けガラス装飾層が存在せず、上記高反射膜が露出した部分は、黄色の金属調光沢が表現され、絵付けガラス装飾層が存在する部分は、白色の表現となっている。
(比較例1)
本例では、本発明の比較例として、加熱調理器用ガラストッププレート(試料C1)を用意した。
上記試料C1は、基板ガラスとして、熱膨張係数が10×10−7/Kで、表面粗さRaが0.07μmの白色低膨張結晶化ガラスを用意した。これをそのまま加熱調理器用ガラストッププレートとした。すなわち、上記基板ガラスの調理面には、ガラス装飾層、高反射膜、絵付けガラス装飾層は形成しなかった。
(比較例2)
本例では、本発明の比較例として、加熱調理器用ガラストッププレート(試料C2)を用意した。
上記試料C2の基板ガラスとして、熱膨張係数が11×10−7/Kで、表面粗さRaが0.7μmの白色低膨張結晶化ガラスを用意した。
そして、ガラス装飾層用ペーストとして、ガラス組成物90重量%と白色顔料TiO2からなる添加剤10重量%を含有し、外掛けでアクリル樹脂100重量%を加えたペーストを用意した。
上記ガラス組成物としては、SiO2:55重量%、Al23:10重量%、B23:20重量%、Li2O:3重量%、Na2O:3重量%、K2O:3重量%、ZrO2:5重量%、CaO:1重量%からなるものを用いた。
まず、上記基板ガラスの調理面全面に、テトロン355メッシュのスクリーンを使用して上記ガラス装飾層用ペーストを塗布し、820℃で焼成を行った。これにより、膜厚が4μmのガラス装飾層を形成した。そして、これを加熱調理器用ガラストッププレートとした。すなわち、基板ガラスの調理面には、高反射膜及び絵付けガラス装飾層を形成しなかった。
(比較例3)
本例では、本発明の比較例として、加熱調理器用ガラストッププレート(試料C3)を作製した。
上記試料C3の基板ガラスとして、熱膨張係数が14×10−7/Kで、表面粗さRaが0.05μmの半透明低膨張結晶化ガラスを用意した。
そして、ガラス装飾層用ペーストとして、ガラス組成物95重量%と白色顔料TiO2からなる添加剤5重量%を含有し、外掛けでアクリル樹脂100重量%を加えたペーストを用意した。
上記ガラス組成物としては、SiO2:55重量%、Al23:10重量%、B23:20重量%、Li2O:3重量%、Na2O:3重量%、K2O:3重量%、ZrO2:5重量%、CaO:1重量%からなるものを用いた。
また、高反射膜用ペーストとして、チタンレジネートと有機樹脂(アクリル系樹脂)とから構成されるTi濃度1.0重量%のペーストを用意した。
まず、上記基板ガラスの調理面全面に、テトロン300メッシュのスクリーンを使用して上記ガラス装飾層用ペーストを塗布し、820℃で焼成を行った。これにより、膜厚が6μmのガラス装飾層を形成した。
次に、上記ガラス装飾層の全面に、ステンレス250メッシュのスクリーンを使用して上記高反射膜用ペーストを塗布し、830℃で焼成を行った。これにより、膜厚100nmの高反射膜を形成した。
そして、絵付けガラス装飾層は形成しなかった。
(比較例4)
本例では、本発明の比較例として、加熱調理器用ガラストッププレート(試料C4)を作製した。
上記試料C4の基板ガラスとして、熱膨張係数が11×10−7/Kで、表面粗さRaが0.65μmの白色低膨張結晶化ガラスを用意した。
そして、ガラス装飾層用ペーストとして、ガラス組成物95重量%と白色顔料TiO2からなる添加剤5重量%を含有し、外掛けでアクリル樹脂100重量%を加えたペーストを用意した。
上記ガラス組成物としては、SiO2:55重量%、Al23:10重量%、B23:20重量%、Li2O:3重量%、Na2O:3重量%、K2O:3重量%、ZrO2:5重量%、CaO:1重量%からなるものを用いた。
また、高反射膜用ペーストとして、セリウムレジネートと有機樹脂(セルロース系樹脂)とから構成されるCe濃度0.5重量%のペーストを用意した。
また、絵付けガラス装飾層用ペーストとして、ガラス組成物100重量%に、外掛けでアクリル樹脂100重量%を加えたペーストを用意した。
上記ガラス組成物としては、SiO2:55重量%、Al23:10重量%、B23:20重量%、Li2O:3重量%、Na2O:3重量%、K2O:3重量%、ZrO2:5重量%、CaO:1重量%からなるものを用いた。
まず、上記基板ガラスの調理面全面に、テトロン355メッシュのスクリーンを使用して上記ガラス装飾層用ペーストを塗布し、820℃で焼成を行った。これにより、膜厚が4μmのガラス装飾層を形成した。
次に、テトロン380メッシュのスクリーンを使用して上記高反射膜用ペーストを塗布し、810℃で焼成を行った。これにより、膜厚10nmの高反射膜を形成した。
次に、上記高反射膜上に、ステンレス350メッシュのスクリーンを使用して、上記絵付けガラス装飾層用ペーストを塗布し、790℃で焼成を行った。これにより、膜厚が9μmであり、面積率で調理面の20%を占める絵付けガラス装飾層を形成した。
(比較例5)
本例では、本発明の比較例として、加熱調理器用ガラストッププレート(試料C5)を作製した。
上記試料C5の基板ガラスとして、熱膨張係数が−2×10−7/Kで、表面粗さRaが0.17μmの黒色低膨張結晶化ガラスを用意した。
そして、ガラス装飾層用ペーストとして、ガラス組成物90重量%と白色顔料TiO2からなる添加剤10重量%を含有し、外掛けでアクリル樹脂120重量%を加えたペーストを用意した。
上記ガラス組成物としては、SiO2:65重量%、Al23:6重量%、B23:22重量%、Li2O:1重量%、Na2O:3重量%、K2O:2重量%、ZrO2:1重量%からなるものを用いた。
また、高反射膜用ペーストとして、ジルコニウムレジネートと有機樹脂(アクリル系樹脂)とから構成されるZr濃度4重量%のペーストを用意した。
また、絵付けガラス装飾層用ペーストとして、ガラス組成物を92重量%と、白色顔料TiO2からなる添加剤5重量%と、白色顔料Al23からなる添加剤3重量%を含有し、外掛けでアクリル樹脂120重量%を加えたペーストを用意した。
上記ガラス組成物としては、SiO2:65重量%、Al23:6重量%、B23:22重量%、Li2O:1重量%、Na2O:3重量%、K2O:2重量%、ZrO2:1重量%からなるものを用いた。
まず、上記基板ガラスの調理面全面に、テトロン355メッシュのスクリーンを使用して上記ガラス装飾層用ペーストを塗布し、810℃で焼成を行った。これにより、膜厚が4μmのガラス装飾層を形成した。
次に、上記ガラス装飾層の全面に、ステンレス180メッシュのスクリーンを使用して上記高反射膜用ペーストを塗布し、850℃で焼成を行った。これにより、膜厚320nmの高反射膜を形成した。
次に、上記高反射膜上に、テトロン380メッシュのスクリーンを使用して、上記絵付けガラス装飾層用ペーストを塗布し、850℃で焼成を行った。これにより、膜厚が1μmであり、面積率で調理面の35%を占める絵付けガラス装飾層を形成した。
(比較例6)
本例では、本発明の比較例として、加熱調理器用ガラストッププレート(試料C6)を作製した。
上記試料C6の基板ガラスとして、熱膨張係数が−7×10−7/Kで、表面粗さRaが0.65μmの透明低膨張結晶化ガラスを用意した。
そして、黒薄膜用のラスター彩として、黒色ラスター絵付け材料を用意した。
また、ガラス装飾層用ペーストとして、ガラス組成物95重量%と白色顔料TiO2からなる添加剤5重量%を含有し、外掛けでアクリル樹脂120重量%を加えたペーストを用意した。
上記ガラス組成物としては、SiO2:65重量%、Al23:6重量%、B23:22重量%、Li2O:1重量%、Na2O:3重量%、K2O:2重量%、ZrO2:1重量%からなるものを用いた。
また、高反射膜用ペーストとして、チタンレジネートと有機樹脂(アクリル系樹脂)とから構成されるTi濃度1.5重量%のペーストを用意した。
また、絵付けガラス装飾層用ペーストとして、ガラス組成物を85重量%と、白色顔料TiO2からなる添加剤12重量%と、白色顔料Al23からなる添加剤3重量%を含有し、外掛けでアクリル樹脂120重量%を加えたペーストを用意した。
上記ガラス組成物としては、SiO2:65重量%、Al23:6重量%、B23:22重量%、Li2O:1重量%、Na2O:3重量%、K2O:2重量%、ZrO2:1重量%からなるものを用いた。
まず、上記基板ガラスの裏側面全面に、ステンレス350メッシュのスクリーンを使用して上記黒薄膜用のラスター彩を塗布し、820℃で焼成を行った。これにより黒薄膜を形成した。
そして、上記基板ガラスの調理面全面に、ステンレス250メッシュのスクリーンを使用して上記ガラス装飾層用ペーストを塗布し、800℃で焼成を行った。これにより、膜厚が12μmのガラス装飾層を形成した。
次に、ステンレス250メッシュのスクリーンを使用して上記高反射膜用ペーストを塗布し、800℃で焼成を行った。これにより、膜厚135nmの高反射膜を形成した。
次に、上記高反射膜上に、ステンレス400メッシュのスクリーンを使用して、上記絵付けガラス装飾層用ペーストを塗布し、790℃で焼成を行った。これにより、膜厚が4μmであり、面積率で調理面の50%を占める絵付けガラス装飾層を形成した。
(比較例7)
本例では、本発明の比較例として、加熱調理器用ガラストッププレート(試料C7)を作製した。
上記試料C7の基板ガラスとして、熱膨張係数が10×10−7/Kで、表面粗さRaが0.06μmの白色低膨張結晶化ガラスを用意した。
また、高反射膜用ペーストとして、チタンレジネートと有機樹脂(セルロース系樹脂)とから構成されるTi濃度1重量%のペーストを用意した。
また、絵付けガラス装飾層用ペーストとして、ガラス組成物を92重量%と、白色顔料TiO2からなる添加剤5重量%と、白色顔料Al23からなる添加剤3重量%を含有し、外掛けでアクリル樹脂100重量%を加えたペーストを用意した。
上記ガラス組成物としては、SiO2:55重量%、Al23:10重量%、B23:20重量%、Li2O:3重量%、Na2O:3重量%、K2O:3重量%、ZrO2:5重量%、CaO:1重量%からなるものを用いた。
本例では、ガラス装飾層を形成せず、まず、上記基板ガラスの調理面全面に、ステンレス250メッシュのスクリーンを使用して上記高反射膜用ペーストを塗布し、850℃で焼成を行った。これにより、膜厚100nmの高反射膜を形成した。
次に、上記高反射膜上に、テトロン255メッシュのスクリーンを使用して、上記絵付けガラス装飾層用ペーストを塗布し、820℃で焼成を行った。これにより、膜厚が8μmであり、面積率で調理面の50%を占める絵付けガラス装飾層を形成した。
ここで、表1に上記実施例1〜10の加熱調理器用ガラストッププレート(試料E1〜試料E10)、表2に比較例1〜7の加熱調理器用ガラストッププレート(試料C1〜試料C7)について、基板ガラス(基材)の材料、熱膨張係数、表面粗さ、黒薄膜の有無、及び表面(調理面)の可視光反射率、基板ガラス表面の欠点の有無と種類、装飾層の、ガラス装飾層の膜厚、表面粗さRa、色調、高反射膜の主成分、膜厚、可視光反射率、及び絵付けガラス装飾層の膜厚を示す。表面粗さ及び可視光反射率の測定は以下のようにして行った。
<表面粗さ>
株式会社東京精密製SURFCOM130を用いて、基板ガラスの表面の表面粗さRaを測定した。
<可視光反射率>
日本分光株式会社製の、紫外可視近赤外分光光度計V−570、及び一回反射測定装置SLM−468を使用することにより反射スペクトルの測定を行った。この場合の反射スペクトルは鏡面反射するアルミ蒸着鏡に対する相対反射スペクトルである。可視光反射率は、得られた相対反射スペクトルから日本工業規格「板ガラスの透過率・反射率・日射取得率試験方法」JISR3106に準拠し、可視光反射率として求められた値である。
<欠点の有無>
欠点の有無は、基材表面を目視にて観察し、ピンホールや筋キズ等の欠点の有無を判断した。
Figure 0004872803
Figure 0004872803
(実験例)
本例では、上記実施例1〜10、及び比較例1〜7の加熱調理器用ガラストッププレート(試料E1〜試料E10、及び試料C1〜試料C7)について、以下の項目を評価した。結果を表3に示す。
得られた加熱調理器用ガラストッププレートについて、欠点の有無、意匠特性を評価することにより、意匠性を評価した。評価が○の場合を合格、評価が×の場合を不合格とする。
(意匠の評価基準)
○:欠点の有無、意匠特性のいずれも合格である場合。
×:欠点の有無、意匠特性のいずれか一方でも不合格である。
<欠点の有無>
欠点の有無は、装飾層の表面を目視にて観察し、ピンホールや筋キズ等の欠点の有無を判断した。欠点が確認されない場合を合格とし、表3には「無」と示した。欠点が確認された場合を不合格とし、表3には、「有」を示し、さらにその欠点の種類を示した。
<意匠特性>
意匠特性は、金属調光沢、及びつや消し金属調あるいはホログラム効果の評価を行い、いずれか一方が合格の場合を合格(評価○)とし、いずれも不合格の場合を不合格(評価×)とした。
(金属調光沢)
金属調光沢は、高反射膜の可視光反射率の値により評価を行った。基板ガラスの可視光反射率よりも高反射膜の可視光反射率が向上した場合を合格(評価○)とし、基板ガラスの可視光反射率よりも可視光反射率が低下した場合を不合格(評価×)とした。
(つや消し金属調あるいはホログラム効果)
つや消し金属調あるいはホログラム効果は、装飾層表面を目視にて観察し、高反射膜の表面が、つや消し金属調、あるいは装飾層の表面に光を当てた際に、絵付けガラス装飾層の柄が立体的に見えるホログラム調の奥行きのある意匠表現が確認された場合を合格(評価○)、つや消し金属調、ホログラム効果のいずれも確認されない場合を不合格(評価×)とした。
<高反射膜の摩耗強度>
高反射膜の摩耗強度は、実際に調理する場合を想定して、フライパンで調理面を所定回数擦った時の削れ具合を観察することにより評価した。
まず、鍋擦れ試験機に試料を置き、その上に、26cmフライパンを設置し、更に調理物を想定した1kg荷重のおもりをのせ、12cmのストロークで40回/分の速度で、7時間(16800往復)往復運動を行い、試験終了後、表面の汚れを水で軽く洗浄し、目視により、調理面表面を観察し、高反射膜の摩耗強度を評価した。評価が○の場合を合格、評価が×の場合を不合格とする。
(評価基準)
○:高反射膜が剥がれた痕跡が全く認められない場合。
×:高反射膜が剥がれた痕跡が認められた場合。
<剥離強度>
市販のセロハン粘着テープを絵付けガラス装飾層表面に貼り付け、爪等で強くこすりつけた後、斜め45°方向に勢いよくはがし、装飾層の剥離強度を評価した。評価が○の場合を合格、評価が×の場合を不合格とする。
(評価基準)
○:装飾層の剥離が認められない場合。
×:装飾層の剥離が認められた場合。
Figure 0004872803
表3より知られるごとく、実施例としての試料E1〜試料E10は、意匠、高反射膜の摩耗強度、及び絵付けガラス装飾層の剥離強度のいずれの項目においても、良好な結果を示した。
また、本発明の試料E1、試料E4、試料E9は、ホログラム調の奥行きのある意匠表現が発現している。
これにより、本発明によれば、安定した意匠特性を有し、摩耗強度が高い加熱調理器用ガラストッププレートを得ることができる。
また、比較例としての試料C1は、ガラス装飾層、高反射膜、及び絵付けガラス装飾層を形成していないため、意匠特性が不合格であった。
また、比較例としての試料C2は、高反射膜及び絵付けガラス装飾層を形成していないため、意匠特性が不合格であった。
また、比較例としての試料C3は、絵付けガラス装飾層を形成していないため、高反射膜の摩耗強度が不合格であった。
また、比較例としての試料C4は、高反射膜の膜厚が本発明の下限を下回るため、所望の意匠表現を得ることができず、意匠特性が不合格であった。
また、比較例としての試料C5は、高反射膜の膜厚が本発明の上限を上回るため、基板ガラスと高反射膜との熱膨張差でクラックが発生したため、所望の意匠表現を得ることができず、意匠特性が不合格であった。
また、比較例としての試料C6は、上記ガラス装飾層、上記高反射膜、上記絵付けガラス装飾層の厚み合計の最大値が、本発明の好ましい範囲の上限を上回るため、上記ガラス装飾層、高反射膜、及び絵付けガラス装飾層が積層した部分の剥離強度が不合格であった。また、ガラス装飾層の表面粗さRaが本発明の上限を上回るため、所望の意匠表現が得られず、意匠特性が不十分であった。
また、比較例としての試料C7は、ガラス装飾層を設けていないため、基材の欠点であるピンホールが高反射膜により、より強調されてしまい欠点が目立つため、不合格であった。
実施例1における、加熱調理器用ガラストッププレートを示す説明図。
符号の説明
1 加熱調理器用ガラストッププレート
2 基板(基板ガラス)
21 表面(調理面)
3 ガラス装飾層
4 高反射膜
5 絵付けガラス装飾層
6 装飾層

Claims (9)

  1. 加熱調理器用ガラストッププレートの基板ガラスの調理面に設けてなる装飾層であって、
    該装飾層は、上記基板ガラス上記調理面の全面又は一部を覆うように積層してなるガラス装飾層と、
    該ガラス装飾層全面又は一部を覆うように更に積層してなる高反射膜と、
    上記高反射膜の一部を覆うように更に積層してなる絵付けガラス装飾層とからなり、
    上記ガラス装飾層は、ガラス組成物からなり、厚みが0.5〜15μmであると共に、表面粗さRaが1.5μm以下であり、
    上記高反射膜は、TiO2、CeO2、ZrO2のうち1種以上を主成分とし、厚みが20〜300nmであり、
    上記絵付けガラス装飾層は、ガラス組成物からなると共に厚みが1〜15μmであることを特徴とする装飾層。
  2. 請求項1において、上記高反射膜は、上記基板ガラス表面よりも反射率が高いことを特徴とする装飾層。
  3. 請求項1において、上記高反射膜は、上記基板ガラス表面よりも反射率が低いことを特徴とする高反射膜。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、上記ガラス装飾層は、無機顔料を含有することを特徴とする装飾層。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項において、上記絵付けガラス装飾層上記基板ガラスの表面に占める割合は、10〜90%であることを特徴とする装飾層。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項において、上記ガラス装飾層、上記高反射膜、上記絵付けガラス装飾層の厚み合計の最大値が15μm以下であることを特徴とする装飾層。
  7. 低膨張結晶化ガラスよりなる基板ガラスの調理面に、請求項1〜6のいずれか1項に記載の装飾層を積層してなることを特徴とする加熱調理器用ガラストッププレート。
  8. 請求項7において、上記基板ガラスは、線熱膨張係数が−10〜80×10−7/K(at30〜500℃)であることを特徴とする加熱調理器用ガラストッププレート。
  9. 請求項7又は8に記載の加熱調理器用ガラストッププレートを製造する方法であって、
    ガラス組成物と有機樹脂とからなるガラス装飾層用ペーストを上記基板ガラスにおける上記調理面の全面又は一部に塗布し、750〜1200℃で焼成することにより、厚みが0.5〜15μmであると共に表面粗さRa1.5μm以下のガラス装飾層を形成するガラス装飾層形成工程と、
    Ti、Ce、Zrのうち1種以上を金属の主成分とする金属レジネートと有機樹脂とからなる高反射膜用ペーストを上記ガラス装飾層の全面又は一部を覆うように塗布し、600〜1200℃で焼成することにより、TiO 2 、CeO 2 、ZrO 2 のうち1種以上を主成分とし、厚みが20〜300nmの高反射膜を形成する高反射膜形成工程と、
    ガラス組成物と有機樹脂とからなる絵付けガラス装飾層用ペーストを上記高反射膜の一部を覆うように塗布し、750〜1200℃で焼成することにより、厚み1〜15μmの絵付けガラス装飾層を形成する絵付けガラス装飾層形成工程とを有することを特徴とする加熱調理器用ガラストッププレートの製造方法。
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