明 細 縫糸およびその製造方法 技術分 Sf
本発明は、 ループを する合成繊維マルチフィラメント糸条からなる、 ¾ m 製しやすい縫糸およびその製造力法に関する。 f 技術
従来よりマルチフィ ラメン ト糸条から構成される縫糸は、 短繊維から構成され る縫糸と比較して、 高強力でかつ耐摩耗性、 均 -性に俊れているため、 多川され ている。 なかでも、 フィラメント糸条に流体加-丁-を施しループを付 させたスパ ン糸のようなフィラメント加:に糸とすることにより可縫性を改 ftするこ とがいく つか提案されている。
特開昭 6 2 - 2 5 7 4 3 4 公報では、 流休乱流処理装^を川いて糸 ¾を付 - し、 ループを形成させた縫糸が提案されている。 しかし、 この縫糸は、 流体乱 流処理装鹡を用いているため加丁-コス トが ¾く、 また、 不均一な細かいループが 多いため撚糸ェ程や縫製:1:程での解舒不 が ¾ノト:するなど:1". 通過性が低いこ と や、 強力低下が大きくなるなどの問 mがあつた。
これは、ループ形態が 繊維フィラメント糸〗 本ずつネジレたループを形成し、 糸表面から剛 ftに突出するので、 糸強度に ¾f されにく く、 また糸 舒時に強レ、 ファスナー効果が生じるのである。 これが致命的な欠陥となっているので、 縫糸 と して¾用化されたものはない。
また、 特開平 5— ] 0 6 1 3 4 公報では、 Π発仲長性のフィ ラメ ン ト糸条と f'l発仲 ¼性を^しないマルチフィラメント糸条の仲度 よりルーゾゃたるみを形 成させた複合ミシン糸が ¾されている。 し力、し、 ループやたるみのサイズが小 さくループ数がほとんどカウントされないので、 随伴気流効果や針熱温度抑制効 果が小さく高速可縫性を るには不 I -分であつた
-カ、 従来より木綿縫糸は、 可縫性に俊れ、 家庭川縫糸や:に業川縫糸と して広
く使用されている。 しかし、 強力が弱い上、 染色! ^度も十分でない。 さらには、 寸法変化を受けやすく縫い Πの仕立て映えが惑いなどの欠点を有する。 ― -方、 縫 糸市場で大きなシェアを めるポリエステルスパン縫糸は、 木綿に近い可縫性で あり、 強力や染色堅 度ならびに寸法安定性も 1¾好であるが、 紡績:に程により製 造されるため、 太さや強力のバラツキが大きく、 またノ ッ トが多く れ:するなど ΛΕ' ¾管理や品質管理など ίこ f!!】題がある。 そのため、 ^級衣料の縫製には外観の乩 位が ¾くないので使川されにくいのである。
また、 縮、 ポリエステルまたはポリアミ ドのフィ ラメ ント糸から製造される ¾ 糸は、 木綿ゃポリエステルスパン縫糸の欠点を補う縫糸と して広く使川されてい る。 従来のフィ ラメ ン ト縫糸は、 下ヨ リを施した -糸を複数木引き揃えて上ヨ リ を施すことにより製造され、 その 糸の繊度と縫糸の総繊維繊度に応じた物理特 性が得られ、 安定した品質を する。
し力、し、 従来のフィラメント縫糸は、 通常の縫製、 つまり本縫いミシンでの f'lii 進縫いでは問題なく縫製できるが、 後進縫いでは縫糸の上ョ リが解撚される方 リ に力が加わるため、 ョ リ割れが起こ り糸切れするため、 頻繁に後進縫いをする [Ί 動機縫製には適用できないという致命的な欠点がある。 また、 工業川ミシンで! ¾ 逨縫製した場合には、 フイラメ ント縫糸の側而の摩擦抵抗が大きいため、 ミシン 針の熱と生地に対する貫通抵抗のため、 糸切れを生じやすい。 これは前記した針 熱温度抑制効果が全くない現象に相当するのである。
そこで、 これら従来のスパン縫糸ゃフィラメント縫糸の欠点を改良した縫糸が いくつか提案されている。 フィ ラメ ン トとスパンの芯鞘構造により コアスパン縫 糸が特公昭 6 3 - 3 9 7 7 ^公報で提案され、 スパンとフィラメントの交撚によ る縫製性を改良した縫糸が特開 2 - 3 3 3 4 1 ^公報で提案されている。
しかしながら、 これらの縫糸も、 前記したように紡綃工程を経るためにノ ッ ト や太さムラのある縫糸になり、 縫製中に糸切れしやすいという欠点を する。 また、 スパン糸が するよ うな毛羽や ';性を合成繊維マルチフィラメント糸 条に付 -することを試み、 フィラメント糸を毛羽加:にした糸の捉-案が多数ある。 下ョ リあるいは上ョ リ を施した後、マルチフィラメント糸条をガイ ドに卷き力、け、 このガィ ドに向かう往路側の糸条と復路側の糸条を交錯させて '糸条にしごきを
^えることにより毛羽加ェする力-法が、 特開平 3— 6 4 5 4 6 V/公報、 特 f}f|平 8 一 3 3 7 9 3 7 公報で提案されている。 し力、し、 これらの力法によって符られ た縫糸は、 スパンのような毛羽を するものの、 マルチフィラメント糸条に対し て交錯処理を行っているために縫糸への 荷が大きく、 特に後進縫性が低く、 ま た糸強度も -I ·分満足できる縫糸ではなかつた。 発明の開示
本発明は、 合成繊維マルチフィラメント糸条にループを付 させた加:に糸から なる、 高速縫製しやすい縫糸およびその製造方法を提供することにある。
上記 的を達成する本発明の縫糸は、 次の構成を ·する。
すなわち、 下ヨ リ を有する複数本の糸条に上ヨ リが施されてなり、 flij記糸条が
2糸条以上のマルチフィラメントから構成される芯鞘構造糸であって、 該芯 ί m 造糸の- -部が糸条¾面にループと して突出してなる縫糸であり、 rtij記ループが さ 0. 7 mm以上 1 . 2 m m未満のループが 5 0〜 3 0 0倘 Z m、 -さ 1 . 2 m m以上のループが 1 0倘 /m以下からなり、 かつ糸条強度が 4. 0〜 6. 0 c N ノ d t e Xである縫糸である。 このように -さ 0. 7 nim以上 1 . 2 mm未満の ループを多数有するため、 縫製時の糸一針熱問の摩擦抵抗が低くなり、 前記した 随伴気流効果や針熱温度抑制効果が大きくなり、 高速縫製しやすい縫糸を符るこ とができる。
また、 芯糸となるマルチフィラメント糸条のオーバーフィード率を 0. 5〜 5 %と し、 鞘糸となるマルチフィラメント糸条のオーバーフィー ド率を 3. 5〜 2 5 %と して混繊交絡した糸に下ョ リ を施し、 次いで _ίΓ記下ョ リ糸を複数本揃えて 上ョ リを施す縫糸の製造方法である。 このように、 混繊交絡を有した加: I:糸に下 ョ リ を施し、 その後で上ョ リ を施すようにしているので縫糸のループの大きさを ΕΊ山に設計しやすい上、 交絡により い強度を^ることができる。 本発明による 縫糸は、 ル一プの ¾さ力; 0. 7 mm以上 ] . 2 mm未満のループが 5 0〜 3 0 0 iH m, であるとともに、 ¾さ 1 . 2 mm以上のループが 1 OlW ιι以下であつ て、 微少ループが極めて多数であり、 かつ糸条強/ が 4. 0〜 6. 0 c N / d t e x と いため、 随作 流と針熱の徐冷効 ¾が火きく耐摩耗性も傻れているため
高速でも十分な可縫性を得ることができる。
また、 スパン糸と比較して糸強度が高く、 かつ下ヨ リ糸を構成しているフイラ メント糸条の芯糸と鞘糸が交絡であ1 ί合しているため、 縫い Πの強力が^上し、 縫 い Ηが破れにく くなるという利点を する。 さらにまた、 このミシン糸はフイラ メント糸条からなる縫糸にも関わらず、 1動機縫製すなわち前進縫いだけでなく 特に後進縫いが問題なく実施できる等優れた可縫性を有する縫糸である。 図面の簡 Ψな説明
第 1 1 (Α) は本発明に係る縫糸の一例を示す模式 である。
第 1 (R) は下ヨ リが施される前の 2糸条からなるマルチフィラメント糸の 一例を示す模式図である。
第 2 ^は実施例および比較例の各糸について、 ループ: ¾さとループ数の f 係を 示したグラフである。
第 3 | (A) は本発明に係るマルチフィラメント糸の製造工程の -例を示す:に 程概略^である。
第 3[¾1 (R) は本発明に好適な化合繊用ノズルの一例を示す斜視 である。 符号 1 は鞘糸のフィ ラメ ン ト糸、 符 2は芯糸のフィ ラメ ン ト糸、 符^ 3はフ ィ一ドローラ、 符号 4はフィ一ドローラ、 符 - 5は交絡ノズル、 符 - 6は引き取 り ローラ、 符号 7はヒータ、 符" 5j- 8は弛緩ローラ、 符 9は卷き取り ローラ、 符 1 0は卷き取りチーズ、 符号 Λは単フィラメ ン ト -本の 独のループ、 符 は複数の フィ ラメ ン トの一部がまとまつたルーブ、 符 -Cは分離体、 符 1 は 流体噴射孔、 符号 Νはル一プを^する縫糸、 符 - Υは糸条導入部、 符 Υ 1 およ び Υ 2は糸条、 符号 Y cは糸条排出 Π、 符号 Y tは流体処理部である。 発明を ¾施するための ¾良の形態
以下、 ^を参照して本発明の縫糸について説明する。 節 1 (Λ) および (H) は、 本発明に係る縫糸および縫糸を構成する下ョ リが施される fliiの 2糸条からな るマルチフイラメント糸の- -例を示す模式^である。
第 1 [ (A) において縫糸 Nは、 糸 - ¾を する少なく とも 2糸条のマルチフ
イラメント糸に下ヨ リが施された糸が、 複数本引き揃えられて上ョ リが施されて 撚り合わされた構成になっている。 各マルチフィ ラメ ン ト糸は、 複数本の フィ ラメ ン トから構成されるマルチフィ ラメ ントであり、 その単フィ ラメ ン トの -部 が畏手方向に交絡により浮き出してループ化している。 それらループは下 H リゃ 上ョ リに拘束されて、 フィラメント- -本が i 独でループを形成しているもの Λ や、 単フィラメントが複数本まとまってループ状となっているもの l もある。 縫糸の表面に突出するループは、 0. 7mm以上 1 . 2 m m未満の さを す るループの数が 5 0〜 3 00倘 /m、 であり、 かつ 1 . 2 mm以上の -さを -す るループが 1 0個 Zm以下となっている。 このように、 0. 7 mm以上 1 . 2 m m未満の さを するループの数が 5 0個 m以上と多数存在していることによ り、 随伴気流と針熱の徐冷効果が大きいため高速でも十分な可縫性を ί るこ とが できる。
しかし、 3 0 0個 以上になると縫糸の縫製張力の変動が大きく成り 縫性 不 ¾、 糸強度低下となるので好ましくないのである。
1 (B) において、 ( 1 ) は下ヨ リが施される前の 2糸条からなるマルチソ イラメント糸であり、 aは鞘糸となるフィラメント糸を、 bは芯糸となるフイラ メント糸を示し、 aはまた開繊した部分であり、 cは集束した部分の交絡部を^ したものである。
第 1 図 (B) の ( 2) は ( 1 ) に S方 に下ヨ リ を施した該マルチフィラメン ト糸を 2本引き揃えて Z方向に上ョ リ を施した本発明の縫糸であり、 dはループ 形態を示したものである。
なお、 ( 2) に示した縫糸の上撚り と下撚を元に^すと、 ( 1 ) の該マルチフィ ラメント糸 2本に復元されるのである。
本発明の縫糸におけるループの特徴を第 2 を用いて詳細に説明する。
本発明でいうループ数とは、 下ョ リ糸を構成する 2糸条以上のマルチフィラメ ン トのうち- -本の単フィラメン トの -部が畏手方 [ή]に交絡により浮き出して下 Η リゃ上ヨ リに拘束されて糸表面上でループ化したもの (第 1 [1 (Α) のループ Λ のようなもの)、下ョ リ糸を構成する 2糸条以上のマルチフィ ラメ ン トのうち ¾数 の iiiフィ ラメン トの -部がまとまつて -手方向に交絡により浮き出して ドョ リや
上ヨ リに拘束されて糸表面上でループ化したもの (第 1 ¾ (A) のループ Bのよ うなもの)、 およびタルミを含む数を総計したものである。
本発明のループ数とは流体交絡処理により形成された第 1 阅 ( H ) に示す aの 開繊部に下撚と上撚が施された時に、 生じたループあるいはループが :じる f)ijの たるみの状態の個数を測定したものである。 なお、 流体乱流処理により形成され たループには前記したようにネジレを有したり、 下撚や上燃を施される前に、 す でにループが形成されているのである。 このループに下撚ゃ上撚を施すことによ り、 よりループが突出し剛 [ft化するので、 前記したように強いファスナー効 ¾を :じるのである。
ループ数の具体的な測定方法は朿レエンジニアリ ング社製の HA] ト: SS C0UNTKK MODEL DT - 104を用いて糸走行速度 6 0 m 分にて測定することができる。
畏さ 0. 7 m m以上 1 . 2 mm未満のループ数が 5 0個 Z m未満になると随伴 気流と針熱の徐冷効果が捋られなくなる。 また、 長さ 1 . 2 nim以上のループが 1 0個 以上になると、 スラブ調になり外観上&くないばかりでなく、 針の通 りが悪くなり糸切れなどの問題が発生する。
第 2図は、 本発明に係る縫糸の一例である実-施例 1 (後述する実施例 1 で得ら れる縫糸)、 糸長差を全く付 していない比較例 1 (後述する比較例 1 で符られる 縫糸) のループ長さとループ数の関係を示したものである。
また、第 2図は束レエンジニアリ ング社製の HARNESS COUNTER MODEL DT- 104を 用いて糸 ¾行速度 6 0 m /分にて測定して得たものである。 第 2 の縦軸におけ る 「ループ数 [個 Zm]」 とは、 横軸に示された数値以上の長さを するループ数 である。
したがって、 本発明の縫糸において、 長さ 0. 7 mm l . 2 mm未満のループ が 5 0〜 3 00個 であるとは、 第 2¾の横軸にある 「ループ ¾さ [mm]」 が 0. 7 mmのときの縦軸に表される 「ループ数 [ 'lZm] カゝら 1 . 2 mm以上の 「ループ数 [個ノ m]を差し引いた値が 5 0以上になるという意味である。
また、 本発明の縫糸において、 長さ ] . 2 mm以上のループが ] OjlAlZm以下 であるということは、 第 2 [ の横軸にある 「ループ: ¾さ [mm]」 が 1 · 2 ιιιηιの ときの縦軸に表される「ループ数 [倘 Zm]」が 1 0以下になるという ¾味である。
一方、 第 2図からわかるよ うに、 糸長差およびループを有しない比較例 ] でも 下ヨ リ と上ヨ リを施すことにより糸表面糸形態に撚うねり力;生じるので、 ループ 数と して検知することができる。 しかしながら、 比較例 1 では 0 . 7 m m以上 1 . 2 m m未満のループ数が極めて少ない分布となっている。 このため、 比較例 1 は 随伴気流や針熱の徐冷効果の機能を していない縫糸となり、 十分な 速可縫性 を得ることができない。
これに対し、 本発明に係る縫糸のループは、 第 2 に示されるよ うにループ -
0 . 5 m mから 1 . 2 m mの範朗で多数のループが存在しているため、 随伴 流 や針熱の徐冷効果が大きく高速でも十分な可縫性を得ることができる。
本発明の縫糸は、 マルチフィ ラメ ン ト糸条に糸長差を付 した後に下ヨ リを施 し、 さらに上ョ リの加工を施しているために糸強力が高く、 切断強度にして 4〜 6 c N / d t e xを有する。 このように高い糸強力を有するため、 特に縫糸に用 いたとき高速でも十分な可縫性を得ることができるばかりでなく、 動縫製性を 極めて良好にすることができる。
一般に、 糸長差によるループを付与 していない 強力タイプのフィラメント糸 (下ヨ リ、 上ヨ リを施したョ リ糸) では、 切断強度にして 6〜 7 c N / d t e x を するが、 特に縫糸に使用したとき高速可縫性や ίΐ動縫製性は極めて不 ¾にな る。 この理 は、 ループや毛羽を していないため、 随伴気流の発生が少ないこ とや、 糸一針間の摩擦抵抗が高く、 そのことによって針の発熱が高くなり、 その 熱で溶融が起こ り糸切れが多発するからである。 なお、本発明でいう糸条強度は、 J I S L - 1 0 7 3の規定により測定したものである。
本発明の縫糸を構成するマルチフィ ラメン ト糸のを構成するフィ ラメ ントの木 数は、 十分なループを発現するという観点から、 マルチフィ ラメ ン ト糸条の 1 糸 条当たりの^繊維フィラメン ト本数が 6本以上とすることが好ましく、 糸条表 iiii においてネップの発生や糸面の乱れを防ぐ観点からマルチフィラメント糸条の ] 糸条 たり 2 0 0本以下とすることが望ましい。
本発明の縫糸を構成するフィラメント糸の尜材と しては、 合成繊維であれば特 に限定されるものではないが、 好ましくはポリェステル、 ナイロンなどの熱可 m 性介成繊維フィラメ ン ト糸であって、 低仲度の 強力タイプを使川するこ とが好
ましい。 また、 マルチフィラメント糸の総繊維繊度と しては、 8 0〜 5 0 0デニ ールが好ましい。
単フィ ラメ ン トの断面形状は円形が一-般的であるが、 三角形、 五角形、 屮空、 M平などの與形断面であってもよい。 また、 高光沢、 低光沢などの特殊な品稀も 用いることができる。
縫糸の下ョ リ糸を構成するマルチフィラメント糸の種類は、 好ましくは 1 種類 または 2種類であるが、 3種類以上でも差し支えない。 また、 下ヨ リ糸の構成に は、 芯鞘構造のループを有する加:に糸とマルチフィラメントが混合していても ¾ し支えない。
縫糸の下ョ リ糸を構成するマルチフィラメントを混繊交絡するにあたって付 する糸長差は、 随伴気流を伴い針熱徐冷効果を有し、 高速でも十分な可縫性を符 るためにも 2〜 2 0 %が好ましい。 糸長差が 2 %未満になると、 縫糸の糸¾面に 発現するループのループ長が小さくなりすぎて、 随伴気流や針熱徐冷効果が小さ くなり、 高速での可縫性が低下する。 また、 糸長差が 2 0 %以上になると、 糸 差を付与する加ェにおいてノズルの入 Π側で鞘糸のタルミが発生し、 加:1:が不安 定になる。 また、縫糸の糸表面に発現するループのループ長が大きくなりすぎて、 針穴への引つかかりが発生するばかりでなく、 縫糸の形態がスラブ調の外観にな るため、 縫糸と しての兒た目の美しさや縫製後の仕立て映えが悪くなる。 なお、 ここでいう糸長差とは、 鞘糸となるマルチフィラメントのオーバーフィ一ド率か ら芯糸となるマルチフィラメントのオーバーフィ一ド率を引いた差をいう。
また、 本発明でいう混繊交絡とはインターレース型のノズルを用 V、て複数本の マルチフィラメント糸に交絡処理してなり、 第 1 図 (B ) に示すように交絡部と 開繊部を交 2ι:に構成するが、 混繊交絡の状態では全くループは形成されていない のである。 ちなみに、 乱流型のノズルを用いて連続交絡されてなる混繊は、 この 状態においてすでにループは形成されている。
縫製平均張力変動率は、 ミシン機を用いて生地を縫う際の縫製張力のバラツキ を見るもので、 糸の解舒張力が直接影響される部分である。
この張力変動が小さいと縫製時の糸切れが減少し可縫性が向上したり、 製品の パッカ リ ングが少なくなるなどの品位 [ 上に繋がるものである。
本発明の縫糸の縫製平均張力変動率は ± ] 0 %以内にあり、これを越えると前記した ように、可縫性の低下やパッカリングの発生が π立ってくるので好ましくない。
次に、 本発明の縫糸の製造方法について説明する。 下ョ リ糸を構成する加:に糸 において、 芯糸のマルチフィ ラメ ン ト糸条のオーバーフィー ド率を 0 . 5〜 5 % で流体処理部に給糸し、 鞘糸のマルチフィラメント糸条のオーバーフィード率を 3 . 5〜 2 5 %で流体処理部に給糸し、 芯糸と鞘糸を混繊交絡させる。
3 ( A ) は本発明の縫糸の下ヨ リ を施す前の該マルチフィ ラメ ン ト糸を製 造するエ程の - -例を示した概略 [ である。
芯糸となるフィ ラメ ン ト糸 1 をボビンから解舒しフィードローラ 3へ、 - -方、 鞘糸となるフィラメント糸 2をボビンから解舒しフィードローラ 4へ、 それぞれ 供給して交絡ノズル 5で交絡を施し、 引き取り ローラ 6から引き出しがいマルチ フィラメント糸を製造する。
得られた該マルチフィラメント糸の粗大サイズのループを軽減する H的と し て、 引き取りローラ 6 と ヒータ 7 と リ ラックスローラ 8 との問において熱セッ ト を施しても構わないが、 熱セッ トすることなく卷き取り ローラ 9を介してチーズ 1 0に卷き上げ該マルチフィラメント糸を製造しても構わない。
フィードローラへ供給する芯糸と鞘糸のオーバーフィード率において、 芯糸の オーバーフィード率が 0 . 5 %未満であると混繊交絡時に開繊が不十分となり ¾ 繊不良となる。 また、 芯糸のオーバーフィー ド率が 5 %を越えると、 流体処现部 においてタルミが発生して糸加ェが不安定になる問題が発 -する。
鞘糸のマルチフィラメント糸条のオーバーフィード率は 3 . 5未満であると芯 糸に対して十分な糸長差を付与することができない。 また、 2 0 %を越えると、 前述したように縫糸の糸表面に発現するループのループ Kが大きくなり、 針穴へ の引つかかりが発生する。
本発明において縫糸の糸 κ を付 する際に用いる流体は、 低コス ト生 mの観 点から空気を用いることが好ましいが、 糸条に水を付 -してから流体を喷射して もよい。 また、 糸長差を付 -した芯糸と鞘糸を交絡処理する装 ^と しては、 笫 3 M ( B ) の斜視^で示したよ うに、 2つの糸条が導入【Iから導入されて介流する までの距離を規制する分離体を するマルチフィラメン ト川ノズルが好ましい。
従来のような分離体を さないノズルを用いた混繊加工においては、 鞘糸の流 体処理部分に生じた糸長差による弛みが芯糸にまで波及して、 ノズル導入 Hで糸 全体が弛むため、 混繊加ェが不安定になるという問題があった。
これに対し、 本発明のノズルにおいては、 芯糸と鞘糸とを分ける分離体の作川 により、 芯糸への弛みの波及が抑制されるため、 混繊加:には安定して行う こ とが できる。 特に芯糸と鞘糸とのォ一バ一フィード率が高 I、混繊加ェでは、 その効果 が顕著に現れる。
第 3図 ( B ) に示すノズルは、 糸条導入【I Y、 糸条排出 [ l Y e、 流体喷射孔 I を する。 糸条は、 糸条導入【1 Yからノズルに導入され、 流体喷射孔 I から喷射 される流体によって混繊され、 糸条排出【I Y cからノズルの外に排出される。 糸 条導入 t l Υと流体喰射孔〗 の間には、 分離体 Cが設けられており、 2つの糸条が 導入 Πから導入されて合流するまでの距離を分離体 Cが規制する。
第 3 121 ( B ) のよ うに、 流体噴射孔の ¾近で空気により芯糸と鞘糸を合流させ、 かつ交絡を付与することによって、 糸長差を有する嵩高な混繊糸を得ることがで きる。 また、 糸長差を有する芯糸と鞘糸を合流させて交絡処理する位 ^は、 ネッ プ (結ぴ Π ) 状の絡まりが形成されないように抑止する観点から、 流体喷射孔か ら芯糸と鞘糸が合流する点までの距離は 0 . 5 m m以上が好ましく、 また鞘側に 生じる糸長差による弛みが芯側に波及してノズル入 Πでの糸全体の弛みを抑止す る観点から、 流体噴射孔から芯糸と鞘糸が合流する点までの距離を 1 O m m以下 とすることが好ましい。 前記距離を 1 m m以上 5 m m以下とすることがより好ま しい。
3 ( B ) 分離体 cの形状と しては、 「リ柱型、 三角錘型、 中空導糸符型が適 用できるが、 そのうち円柱型のピンが糸加ェ性からもっとも好ましい使い力-であ る。
本発明において、 上ョ リを える前の下ョ リ:に程で引き揃えられる糸条本数は
2本以上であればよいが、 2〜 7本とすることが好ましく、 バランスを &くする 観点から、 衣料用では 2本、 ミシン糸用には 3本あるいは 7本とすることがさら に好ましい。 また、 引き揃えられるマルチフィラメント糸条の下ョ リ数は? いに 與なっていてもよく、 また、 下ヨ リ方向が互いに! ¾なっていてもよい。
上ヨ リ数と下ヨ リ数との関係は、 本発明の縫糸にしたときのヨ リ トルクのバラ ンスを保つようにヨ リ方向とヨ リ数を設定することが好ましく、 下ョ リ方 f 'Jと上 ョ リ方向とは互いに相反する方向であって、 上ョ リ数は下ョ リ数の 6 0〜 9 0 % にすることが好ましい。 本発明に係る縫糸の紫束性を考慮して十分な可縫性を る観点から、 下ヨ リ数をヨ リ係数と して表すならばョ リ係数 kが 4 0 0 0以上-を 付 することが好ましく、 —-方縫糸が硬くなることを防止するとともに撚加:に费 を低減する観点から、 下ヨ リはヨ リ係数 kが 1 2 0 0 0以下となるよう付 -する ことが好ましく、 7 0 0 0〜 1 0 0 0の範 [fflであることはより好ましレ、。通 -、 縫糸は β (糸を施撚後、 必要に応じて撚り止めセッ トされ、 その後、 染色 · ίヒ卜-げ 加:にされる。 染色は、 - -般的にはかせ卷きまたはチーズ形状で行われる。 なお、 ョ リ係数 k とは次式から求められるものである。
ョ リ係数 k = T · D 1/2
ここで、 T : 1 m当たりのヨ リ数 [個ノ m ]
D : 繊度 [ dtex]
本発明の縫糸は、 番手すなわち縫糸の太さが限 ¾されるものではないが、 衣料 用と しては、 # 8 0、 # 6 0、 # 5 0などが汎用縫糸と して使用でき、 産業资材 用途にはこれより太いものを使用できる。 縫糸を構成する原糸のフィラメント数 は単繊維フィラメント繊度の太さに応じて適 &設定すればよい。
実施例
实施例における縫糸の可縫性の評価 (第 1表) は、 次の評価結果を示すもので ある。
( a ) 高速可縫性
本縫いミシン機を川いて木綿ブロード 1 0枚: ί (ねで、 2 m糸切れなく迚:絞 5 |«>1 縫い上げられる縫製速度 (針 分) を表に示した。 なお、 ここで使川したミシン 機は J UKI DDL-5571 N, ミシン針はオルガン DB X 1 # 1 1 である。
( b ) バック縫性
本縫いミシン機を川いて木綿ブロ一ド 4枚 ίίΐねで、 2 m糸切れなく速絞 5 縫 い上げられる縫製速度 (針ノ分) を表に示した。 なお、 ここで使川したミシン機 は JUKI DDL-557 IN, ミ シン針はォノレガン DB X 1 # 1 1である。
( c ) 縫製平均張力変動率 t (%)
本縫いミシン機を用いて針问転数 3 0 00回転ノ分 (縫製速度が約 7. 5 m/ 分) にて縫製する際の糸張力を SHIMPO社製張力計「D F G— 0. 5 K」で、 本鏠 いミシン機の針棒部分で 1 0回測定する。
1 0问平均張力 (χ)、 平均最大張力 (tna;)、 平均最小張力 (tni) から縫製平均張 力変動率 t (%) を計算する。 縫製平均張力変動率 tは縫製時の張力安定性から 土 ioy。以内が好ましく、 ιο%を超える糸においてはミシン調整が困難となり、縫製 不良が発生しゃすい。
縫製平均張力変動率 t (%) = { (m a -m i ) X 0. 5 ) / x } X 1 0 0 で 算出する。
(d ) 乾熱収縮率 s (%)
室温中における O . l c NZd e t e x荷 fi下のカセ長さを測定しし ] とする。 乾熱処理機において、 0. 0 0 2 c d t e Xの荷重を吊しながら 1 8 0°C熱 処理を 5分間行い取り出し後、 ¾温中における 0. 1 c NZ d e t e X荷 JP:下に おけるカセ長さを測定し L 2とする。
収縮率 s (%) = { ( L 1 - L 2 ) /L 1 } X 1 0 0 にて算出する。
( e ) 沸水収縮率 、 繊度 、 強度 ·伸度
J I S L 1 0 9 0に基づいて測定した。
引っ張り強度および引っ掛け強度の測定方法は、 引っ張り試験機 ( 1 N S TK O N社製 MOD E L— 1 1 2 2 ) を用いて、 試長 2 0 c m、 引っ張り速度 2 0 c m/m i nにて測定した引っ張り強度 S 1 と、 上記ミシン糸を 「輪奈」 状でリ ンクし互いに引き合いながら、 上記条件と同様に測定した引っ張り強度 S 2とす る。
引っ張り強度 ( c N/dtex) S 1
引っ掛け強度 (c N/dtex) S 3 = S 2 / 2
引っ掛け強度利用率 (%) = (S 3/S 1 ) X I 0 0
( f ) 交絡数
約 5 0 c m角のバッ トの底に A板を沈め、 水を 5 c mの深さにはつたものを準 備する。 水の上に交絡処现を施した下ョ リ糸を構成する複合糸を浮かべ、 交絡部
分の数を読みと り、 1 m当たりに換算した個数を平均値と して算出したものであ る。 n数は 1 0回である。
( g) 糸長差
0. 1 c N/ d t e Xの荷 ffiを ftし試長 5 c mを採取する。 芯糸と鞘糸を分離 させ鞘糸を取り出し、 該鞘糸に 0. 1 c NZd t e xの荷重を吊し、 糸長さ を読みとる。
糸長差 (%) = { ( L 1 - 5 ) / 5 } X 1 0 0
で表す。 n数 1 0の平均とする。
実施例 1
6. 2 c N/ d t e Xを有する高強力タイプのポリエステルマルチフイラメン ト糸 ( 5 6デシテックス一 1 8フィラメント) 2糸条を、 第 3図 (B) に示す化 合繊用ノズルを用い、 芯糸のオーバーフィード率を 3 %、 鞘糸のオーバーフィー- ド率を 8 %と して流体交絡混繊し、 芯糸と鞘糸の糸長差が 5 %の芯鞘構造糸を符 た (ノズル圧 : 0. 4 M P a )。 この芯鞘構造糸をダウンツイスターにて S方 1 0 〗 0 T/niの下ョ リを施し、 この糸を 2糸条引き揃えダウンツイスターにて Z 方向 7 5 8 TZmの上ョ リを施した。 この後、 1 8 0 °Cの乾熱処理を行った後、 チーズ状態で染色加ェを施し、 油剤を付 - -しながら、 鏠糸用のボビンに卷き返し て仕上げた。 この縫糸の特性は第 2闵の実施例 1 に示すループ分布を有し、 次の 通りであった。
ループ長さ : 0. 7 mm以上 ] . 2 mm未満のループ数 7 8 AlZm ループ長さ : 1 . 2 mm以上のループ数 0 lZm 強 力 : 1 1 2 5. 2 c N (強度 4. 8 7 c N/ d t e x )
その結果、 縫糸用のボビンにおける染め差は肉眼では認められなく、 さらに 速自動ミシン機による縫製性を評価したところ、
高速可縫性は 1 分間に 4 0 0 0針まで、 バック縫性も 1 分間に 4 0 0 0針まで 可能であり、 可縫性に優れていた。
第 1表
※ 1 : 数値が高い方が良い結果を示す
※ : 数値が低い方が ¾い結果を示す 実施例 2
芯糸のオーバーフィ一ド率を 3 %、 鞘糸のオーバーフィ一ド率を 1 3 %と して 芯鞘構造糸の芯糸と鞘糸の糸長差を 1 0 %に変更した以外は、 実施例 ] と同様に して縫糸を作製した。 この縫糸の特性は次の通りであった。
ループ長さ : 0. 7 mm以上 1 . 2 mm未満のループ数 〗 Z^Zm ループ長さ : 1 . 2 mm以上のループ数 OfLAI/m 強 力 : 9 9 7. 4 c N (強度 4. 2 6 c N/d t e x )
この縫糸を実施例 ] と同様にミシン糸として評価したところ、
高速可縫性は実施例 1 より さらに高速の 4 5 0 0針に、 バック縫性は低下し 1 0 0 0針であつたが、 実用的な可縫性については問題ない範 Mであった。
実施例 3
芯鞘構造糸に用いるマルチフィラメント糸条を 4 4デシテックス一 1 8フイラ メントと した以外は、 实施例 2と间様にして縫糸を製造した。 この縫糸の特性は 次の通りであった。
ループ長さ : 0. 7 mm以上 ] . 2 mm未満のループ数 1 9 5 ilA]/m ループ長さ : 1 . 2 m m以上のル一プ数 7個 / m
強 力 : 8 1 6. 4 c N (強度 4. 4 9 c N/d t e x )
この縫糸を評価したところ、 実施例 2 と同様に、 高速可縫性は実施例より さら に高速の 4 5 0 0針に、 バック縫性は低下したが 1 0 0 0針であり、 可縫性に優 れていた。
¾施例 4
芯糸となる強力が 6. 1 c N Z d t e xのポリエステルマルチフィ ラメン ト 4 4 d t e X 1 8フィ ラメ ントの糸条と、 鞘糸となる強力が 6. 4 c N / d t c x のポリエステルマノレチフィラメ ン ト 4 4 d t c x 1 8フィラメ ン トのマルチフィ ラメント糸条を用いた。
芯糸のオーバーフィード率 + 2. 5 %、 鞘糸のオーバーフィー ド率 + 8. 5 %、 空気圧力 4 kg/ c m 2の交絡処理を ¾施、走行速度 4 0 0 m / m i nにて 9 0 d t e x 3 6フィラメント数の複合糸を製造した。 なお交絡ノズルの合流ガイ ドと し て鼓型ガイ ドを用いた。
製造した該複合糸をダブルツイスターにて S方向に 8 5 0 t Zmの下ヨリを加 ぇ下ョ リ糸と した。 該下ョ リ糸を 2糸条本引き揃えて Z方向に 7 5 0 tノ niの十. ョ リを加え、総繊度 2 2 0 d t e x 7 2フィラメ ン ト糸の 2子ヨ リ糸を製造した。 該 2子ヨ リ糸を ] 8 0°Cの乾熱ヒータにてセッ トを施し、 沸騰水収縮率を 2. 3 %と した。 その後、 ソフ ト卷きのチーズに卷き直し 1 3 0 Cで分散染料による チ一ズ染色加ェを施し ¾色に染め上げた。 チーズから縫糸用のコーンに卷き返し ミシン糸を製造した。
ミ シン糸特性および縫製評価の結果を第 2表に示した。
その結果、 強度は高く縫い目が美しく、 自動機対応が優れたミシン糸を得た。 なお、複合糸の糸加丁-性は、糸切れ率が 1 6錘 ' 2 4 h r たり 0. 5本であり、 糸筋も均整であった。
実施例 5〜 7
芯糸となる強力が 6. 1 c N Z d t e Xのポリエステルマルチフイラメ ン ト 4 4 d t e x 1 8フィ ラメ ントの糸条と、 鞘糸となる強力が 6. 4 c N/ d t c x のポリエステルマルチフィラメ ン ト 4 4 d t e x 1 8フィ ラメ ン トのマルチフィ ラメント糸条を用いた。
芯糸のオーバーフィード率 + 2 . 5 %、 鞘糸のオーバーフィード率 + 4 . 5 〜 + 1 0. 5 %、 空気圧力 4〜 6 kg/ c m 2の交絡処理を実施、 走行速度 4 0 0 mノ m i nにて 9 0 d t e x 3 6フィラメント数の複合糸を製造した。 なお交絡ノズ ルの合流ガイ ドと して鼓型ガイ ドを用いた。
製造した該複合糸をダブルツイスターにて S方向に 8 5 0 t /mの下ョ リ を加 え下ヨ リ糸と した。 該下ヨ リ糸を 2糸条本引き揃えて Z方向に 7 5 0 t /mの上 ョ リ を加え、総繊度 2 2 0 d t e x 7 2フイラメ ント糸の 2子ヨ リ糸を製造した。 該 2子ヨ リ糸を 1 8 0 Cの乾熱ヒータにてセッ トを施し、 沸騰水収縮率を 2 . 3 %と した。 その後、 ソフ ト卷きのチーズに卷き直し 1 3 0 Cで分散染料による チーズ染色加ェを施し黒色に染め上げた。 チーズから縫糸用のコーンに卷き返し ミシン糸を製造した。 ミシン糸特性および縫製評価の結果を第 3表に示した。 その結果、 強度は高く縫い が美しく、 動機対応が優れたミシン糸を得た。 比較例 1
芯鞘構造糸に用いるマルチフィ ラメ ン ト糸 ( 5 6デシテックス一 1 8フィラメ ン ト) の 2糸条間に糸長差を付 しないで混繊交絡したこと以外は、 实施例 1 と 同様にして縫糸を製造した。 この縫糸の特性は第 2図の比較例 1 に示すル一プ分 布を有し、 次の通りであった。
ループ長さ 0 . 7 mm以上 1 . 2 mm未満のループ数 2個 Zm ループ長さ 1 . 2 m m以上のル一プ数 0個 / m 強 力 1 1 4 3 . 8 c N (強度 5 . 5 6 c N/ d t e x )
この縫糸は糸条強力は高いが糸長差を有していないため、 0. 7 mm以上のル ープ数が極めて少ないものであった。 またこの縫糸の可縫性を評価したところ、 高速可縫性は 3 5 0 0針で本発明と比較するとやや低く、 バック縫性については この評価条件ではまったく不可となり極めて低いものであった。
比較例 2
特開平 5 — 1 0 6 1 3 4 ¾-公報に記載の製造方法をもとに、 芯糸となる強力が 6 . 1 c N/ d t e xのポリエステルマルチフィ ラメ ント 4 4 d t e x l 8 フ イラメントの糸条と、 鞘糸となる強力が 6. 4 c N/ d t e xのポリエステルマ ノレチフィ ラメン ト 4 4 d t c x 1 8 フィラメ ン トのマルチフィラメ ン ト糸条を川
いた。
芯糸のオーバ一フィ一ド率 + 0. 5 %、 鞘糸のオーバーフィ一ド率 + 3. 0 % にて空気圧力 4kgノ c m2の交絡処理を実施、走行速度 4 0 0 m/m i nにて 8 9 d t e x 3 6フイラメ ント数の交絡糸を製造した。 なお、 交絡ノズルは合流ガイ ドを使用しない通常の交ノズルを用いて複合糸を製造した。 その後、 实施例 1 と 同様にミシン糸を製造し、ミシン糸特性および縫製評価の結果を第 2表に示した。
表 実施例 4 比較例 2 製 造 条 件
オーバーフ ィ一ド率 (%)
サ心ポ、 + 2. 5 + 0. 5 鞘糸 + 8. 5 + 3. 0 空気圧力(kg/cm2) 4 4
評 価 項 目
見掛け繊度(dtex) 2 2 0. 4 2 0 5. 0 引っ張り強度(cN/dtex) 3. 9 4. 5 引っ掛け強度 (cN/dtex) 3. 4 3. 5 引っ掛け利用率 (%) 8 7. 2 7 7. 8 収縮率(%) 乾熱 2. 3 2. 5 沸水 0. 2 0. 5 交絡数(個/ m) 1 3 5 4 6 糸長差 (%) 4. 0 1 . 7 ループ数 (個/ m) 2 5 1 5 ミシン糸総合判定 © Δ 高速可縫性 5 0 0 0 3 0 0 0 自動機対応性 ◎ 〇〜△ 縫い ,品位 〇 ◎ 可縫性総合判定 ◎ △〜 X
第 3表 実施例 5 実施例 6 実施例 7 製 造 条 件
オーバ—フィード率 (0/0) 芯糸 +2.5 +2.5 +2.5 鞘糸 +4.5 +8.5
空気圧力 (kgZ c m2 ) A 6 4 評 価 項
見掛け繊度(detex) 209 221 235 引っ張り強度(cN/dtex) 4.7 3.7 3.6 引っ掛け強度 (cN/dtex) 4.1 3.2 3.1 引っ掛け強度利用率 (%) 87.2 86.4 86.1 交絡数 (倘 /m) 101 146 155 糸長差 (%) 3.0 4.1 5.4 ループ数 (個/ m) 1 5 7 2 6 0 2 o 8 7 ミシン糸総合判定 〇 〇 〇 高速可縫性 4000 5000 5000 自動機対応 〇 ◎ 〇 縫い H品位 〇 〇 〇〜△ 可縫性総合判定 〇 ◎ 〇
なお、 第 2表における縫製評価方法は以下のとおりである。
高速可縫性 : 綿ブロード ίΗΟΟΟ ( Π淸紡社製) 生地 1 0枚 If (ねを 2 m縫製可能な ミシン機 ( J U K I D D L— 5 5 7 1 N )、 の最高问転数 (針 Z分) 1 0 0 0〜 5 0 0 0 (針 Z分) の範阁をテス ト
針番号 ; I) B 1 — # 1 1使用
動機対応性 : 綿 Cブロード生地 4枚 ffiねを 1 5 0 0 (針ノ分) で 2 m縫製可能 な張力範囲
X : 縫製不可
Δ 縫製可能 (張力範囲不定)
〇 1 0 0〜 2 0 0 g
◎ 5 0〜 3 0 0 g
縫い 品位 目視評価
△ ループを発見できる
〇 ほとんど EI立たない
◎ ループなし
総合判定 相互比較評価
X ; 劣っている
Δ ; |¾くない
〇 ; 良い
◎ ; 優れている
¾施例 5のミシン糸総合判定において、 引っ掛け強度利用率が 8 0 %の ;レべ ルにあり、 縫い 強力維持が高い。 交絡数が 1 0 0倘 以上有しているので縫 製中に芯糸と鞘糸のヨ リ割れが起こ りにくい。 糸長差が 2 %以上を有し Ά Vヽの で、 ミシン針熱温度上昇を抑え高速可縫性の特性を得ることができる。
¾掛けループ数は 2 0 0倘 m以上を しているので、 毛羽糸の代わり となり随 伴気流の増加、 針熱温度抑制、 針一 ^地摩擦抵抗の減少などが大きくなり、 "ί絡 性の自動機対応が優れる。
可縫性総合判定において、 高速可縫性および自動機対応が特に優れる。
比較例 2のミシン糸総合判定'において、 従来型の交絡ノズルにより製造された
ので、 交絡数、 糸長差、 ループ数が少なく、 高速可縫性や自動機対応が低い。 実施例 6は鞘糸のオーバーフィ一ド率を実施例 4より少なく し、 交絡数、 糸^ 差、 ループ数をやや少なくすると、 高速可縫性はやや低下し、 総合判 ¾ では ¾施 例 4よりやや低下するが、 比較例 2に比べると高いレベルにある。
実施例 7は鞘糸のオーバーフィー ド率を :施例 4より多く し、 交絡数、糸 ¾ ¾、 ループ数を多くすると、 縫い目品位ははやや低下し、 総合判定では实施例 4より やや低下するが、 比較例 2に比べると高いレベルにある。 産業上の利用可能性
本発明のミシン糸は芯糸に鞘糸が均一にたるみあるいはル一プが形成されるの で、 ミシン糸の糸筋は滑らかになり、 糸解舒張力の変動や縫製中の糸切れが少な くなるので可縫性性が向上する。
また糸筋が均一であるため、 縫い iの仕上がり も美しく見栄えに優れた縫製 ', を製造することができるのである。
本発明のミシン糸の繊度は細く強力が高いので、 特に繊度が 2 5 0 d t c X以 下においては糸強度が 3 . 5〜5 . 0 c N Z d t e X となり、 耐久性に極めて傻 れている。
さらにループの存在により生地と ミシン針との摩擦発熱温度抑制や随伴気流に よる針熱温度抑制作用によう可縫性効果が向上するので、 特に高速可縫性が俊れ ているのである。
第 2表に示す縫製評価から、 本発明のミシン糸は高速可縫性、 t'l動機対応性、 縫い iの美しさなど主な縫製性能において優れており、 バランスのとれたミシン 糸であることが特徴である。