JP2582902B2 - 毛羽糸の製造方法 - Google Patents
毛羽糸の製造方法Info
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Landscapes
- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、毛羽足が短く、糸スジが均質でピリングの
生じにくいマルチフイラメント糸条からなる毛羽糸の製
造方法に関する。
生じにくいマルチフイラメント糸条からなる毛羽糸の製
造方法に関する。
[従来の技術] 従来、紡績糸が有する嵩高性をマルチフイラメント糸
条の毛羽糸によって達成しようとする試みが多数提案さ
れている。
条の毛羽糸によって達成しようとする試みが多数提案さ
れている。
その一つとして、マルチフイラメント糸条をブレード
で擦過しながら仮ヨリ加工または撚糸する方法がある。
しかし、この方法は、上記ブレードに経時的な磨耗が発
生するため、毛羽糸の糸質が次第に変化し、糸長手方向
に太さむらが大きくなるため、糸スジが不均一になり、
また強力も糸長手方向に一定せず、変動率が大きくなる
という欠点があった。さらに、これらの方法によつて得
られる糸の形態は毛羽長が2〜10mmと長く、また、特に
長い毛羽にはブレードの擦過によるクリンプが生じるの
でピリングの原因となりやすいという問題点をも有す
る。
で擦過しながら仮ヨリ加工または撚糸する方法がある。
しかし、この方法は、上記ブレードに経時的な磨耗が発
生するため、毛羽糸の糸質が次第に変化し、糸長手方向
に太さむらが大きくなるため、糸スジが不均一になり、
また強力も糸長手方向に一定せず、変動率が大きくなる
という欠点があった。さらに、これらの方法によつて得
られる糸の形態は毛羽長が2〜10mmと長く、また、特に
長い毛羽にはブレードの擦過によるクリンプが生じるの
でピリングの原因となりやすいという問題点をも有す
る。
また、他の方法として、糸長手方向に沿って間歇的に
弱点を与えたマルチフイラメント糸条を仮ヨリ加工と同
時に切断する方法がある。しかし、この方法によって得
られた毛羽糸は毛羽に捲縮が付与されており、風合が画
一的なものになってしまい、かつピリングが発生しやす
くなるという欠点があった。また、毛羽とループが混在
し、毛羽の数はスパン糸の半分程度であり、スパンの風
合として弱いものである。
弱点を与えたマルチフイラメント糸条を仮ヨリ加工と同
時に切断する方法がある。しかし、この方法によって得
られた毛羽糸は毛羽に捲縮が付与されており、風合が画
一的なものになってしまい、かつピリングが発生しやす
くなるという欠点があった。また、毛羽とループが混在
し、毛羽の数はスパン糸の半分程度であり、スパンの風
合として弱いものである。
また、他の公知例として、特公昭43−14196号公報に
記載のように、フイルム状物質から糸条を製造するもの
がある。これは細幅にスリットしたフイルム状繊状体を
加熱緊張下で摩擦走行させ、フイブリル化させるもので
あるが、フイブリル化部分の絡みがほとんどなく、強力
が低く、強度の変動率は大きくなるという欠点があっ
た。
記載のように、フイルム状物質から糸条を製造するもの
がある。これは細幅にスリットしたフイルム状繊状体を
加熱緊張下で摩擦走行させ、フイブリル化させるもので
あるが、フイブリル化部分の絡みがほとんどなく、強力
が低く、強度の変動率は大きくなるという欠点があっ
た。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、上述した従来の欠点を解消し、糸長
手方向の糸スジが均質であるとともに、毛羽足を短くし
てピリングを生じにくくした毛羽糸の製造方法を提供す
ることにある。
手方向の糸スジが均質であるとともに、毛羽足を短くし
てピリングを生じにくくした毛羽糸の製造方法を提供す
ることにある。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成する本発明の毛羽糸の製造方法は、
次の構成を有する。
次の構成を有する。
すなわち、下ヨリと上ヨリを施したマルチフイラメン
ト糸条をガイドに巻き掛け、該ガイドに向う往路側の糸
条と戻る復路側の糸条とを結ぶことなく交錯せしめて両
糸条に捩りと扱きとを与えることにより毛羽加工するこ
とを特徴とする毛羽糸の製造方法である。
ト糸条をガイドに巻き掛け、該ガイドに向う往路側の糸
条と戻る復路側の糸条とを結ぶことなく交錯せしめて両
糸条に捩りと扱きとを与えることにより毛羽加工するこ
とを特徴とする毛羽糸の製造方法である。
まず、本発明により得られる、毛羽糸の構成から説明
するならば、マルチフイラメント糸条は特に限定されな
いが、好ましくはポリエステル、ナイロンなどの熱可塑
性合成繊維フイラメントが使用される。糸品種としては
特に制限はなく、通常の衣料用、産業用のマルチフイラ
メント糸を用いることができる。また維度は10デニール
以上のものが好ましく用いられ、例えばポリエステル75
デニールの単糸であれば24本以上が、また単繊維フイラ
メントのデニールは細い方が、例えば75デニールの単糸
であれば0.2〜3デニールの範囲が好ましく、さらに断
面形状は丸形より三角形やY形、五角形など異形化の大
きいものが擦過効果が大きく、それぞれ毛羽数を多くす
るために適している。一般に毛羽数が多くなると糸強力
は低下する関係にあるので、6.3〜9g/dの高強力タイプ
のマルチフイラメント糸を用いることがさらに適してい
る。その他、下ヨリを施し引揃えて上ヨリを施す糸条の
組合せとして、素材が異なるもの、糸品種が異なるもの
などあらゆる糸条の適用が可能である。また、構成する
糸条の本数も2本以上の複数本が可能である。
するならば、マルチフイラメント糸条は特に限定されな
いが、好ましくはポリエステル、ナイロンなどの熱可塑
性合成繊維フイラメントが使用される。糸品種としては
特に制限はなく、通常の衣料用、産業用のマルチフイラ
メント糸を用いることができる。また維度は10デニール
以上のものが好ましく用いられ、例えばポリエステル75
デニールの単糸であれば24本以上が、また単繊維フイラ
メントのデニールは細い方が、例えば75デニールの単糸
であれば0.2〜3デニールの範囲が好ましく、さらに断
面形状は丸形より三角形やY形、五角形など異形化の大
きいものが擦過効果が大きく、それぞれ毛羽数を多くす
るために適している。一般に毛羽数が多くなると糸強力
は低下する関係にあるので、6.3〜9g/dの高強力タイプ
のマルチフイラメント糸を用いることがさらに適してい
る。その他、下ヨリを施し引揃えて上ヨリを施す糸条の
組合せとして、素材が異なるもの、糸品種が異なるもの
などあらゆる糸条の適用が可能である。また、構成する
糸条の本数も2本以上の複数本が可能である。
毛羽糸の構成糸条はこのように単糸が同一あるいは品
種素材の異なる複合体であってもよく、供給する糸条は
生糸のほかに仮ヨリ糸、空気噴射糸等の嵩高加工糸のい
ずれであってもよい。
種素材の異なる複合体であってもよく、供給する糸条は
生糸のほかに仮ヨリ糸、空気噴射糸等の嵩高加工糸のい
ずれであってもよい。
このマルチフイラメント糸条は、フイラメント単糸が
ランダムに切断され、第1図に示すように、糸条の表面
に一様に毛羽を突出し、スパン糸調の糸外観を呈するよ
うになっている。
ランダムに切断され、第1図に示すように、糸条の表面
に一様に毛羽を突出し、スパン糸調の糸外観を呈するよ
うになっている。
本発明により得られる毛羽糸は、マルチフイラメント
糸条に下よりと上ヨリが与えられていることが重要であ
り、該マルチフイラメント糸条に与えられた下ヨリと上
ヨリによって毛羽を拘束状態にさせる作用をもつ。
糸条に下よりと上ヨリが与えられていることが重要であ
り、該マルチフイラメント糸条に与えられた下ヨリと上
ヨリによって毛羽を拘束状態にさせる作用をもつ。
このように下ヨリと上ヨリとによって突出した毛羽を
糸条に拘束し、毛羽が糸条から素抜けすることを防止
し、毛羽糸を構造的に安定した状態にする。その結果、
糸スジが糸長手方向に均一化し、糸ムラによる「イラツ
キ」やピリングの発生を防止するようになるのである。
糸条に拘束し、毛羽が糸条から素抜けすることを防止
し、毛羽糸を構造的に安定した状態にする。その結果、
糸スジが糸長手方向に均一化し、糸ムラによる「イラツ
キ」やピリングの発生を防止するようになるのである。
この下ヨリと上ヨリは挿入数を多くすると毛羽糸の強
力をアップすることができ、突出した毛羽の素抜けの防
止やピリング防止の効果をより向上させ、また糸長手方
向の糸スジの均一化や強力変動率の低減化を図ることが
できる。
力をアップすることができ、突出した毛羽の素抜けの防
止やピリング防止の効果をより向上させ、また糸長手方
向の糸スジの均一化や強力変動率の低減化を図ることが
できる。
また、本発明により得られる毛羽糸は、毛羽長が短い
ほど好ましく、総毛羽数の半分以上はマルチフイラメン
ト糸条の表面から1mm以内で占められるようにすると、
外観上の糸スジが良くなり、高感度なソフトスパンライ
ク風合を得ることができるのである。また、毛羽となる
短繊維化されたフイラメント糸の短繊維長は、総毛羽数
の半分以上は150mm以下のものであって、短繊維長が150
mm以下のものを含むことにより、毛羽はより短く、毛羽
数も多くなるが、150mmを越えるものを多く含むことに
より、毛羽長は逆に長く、毛羽数も少くなくなるので、
実用上は150mm以下が好ましいのである。ここで、総毛
羽数とはインチ当り10コ〜200コの範囲である。なお、
本発明において突出する毛羽の長さ、毛羽の数、および
短繊維長とは、次のようにして測定、算出されたもので
ある。
ほど好ましく、総毛羽数の半分以上はマルチフイラメン
ト糸条の表面から1mm以内で占められるようにすると、
外観上の糸スジが良くなり、高感度なソフトスパンライ
ク風合を得ることができるのである。また、毛羽となる
短繊維化されたフイラメント糸の短繊維長は、総毛羽数
の半分以上は150mm以下のものであって、短繊維長が150
mm以下のものを含むことにより、毛羽はより短く、毛羽
数も多くなるが、150mmを越えるものを多く含むことに
より、毛羽長は逆に長く、毛羽数も少くなくなるので、
実用上は150mm以下が好ましいのである。ここで、総毛
羽数とはインチ当り10コ〜200コの範囲である。なお、
本発明において突出する毛羽の長さ、毛羽の数、および
短繊維長とは、次のようにして測定、算出されたもので
ある。
すなわち、毛羽糸を試長1インチ採取し、それを10倍
以上に拡大した投影側面写真において、1インチ当りの
毛羽長および毛羽数を実測し、N数10回の平均値を算出
したものである。また、短繊維長は上ヨリを解ネンし
て、それぞれ単糸に分繊し、さらに単糸の下ヨリを解ネ
ンして無ヨリ状とする。そして、短繊維化されたフイラ
メント糸を1本づつ取出し、全フイラメント糸について
長さを測定したものである。
以上に拡大した投影側面写真において、1インチ当りの
毛羽長および毛羽数を実測し、N数10回の平均値を算出
したものである。また、短繊維長は上ヨリを解ネンし
て、それぞれ単糸に分繊し、さらに単糸の下ヨリを解ネ
ンして無ヨリ状とする。そして、短繊維化されたフイラ
メント糸を1本づつ取出し、全フイラメント糸について
長さを測定したものである。
なお、本発明において短繊維化されたフイラメント糸
は、長繊維のマルチフイラメント糸条が切断されたもの
であるが、マルチフイラメント糸条の一部が切断されず
に残っている場合は、毛羽の数は少いので本発明の効果
は小さいが、切断本数が多くなると毛羽数は多くなり、
よりスパン糸様の特徴を得る。そして全本数が切断され
ると極めて本発明の効果を大きくするもので最も好まし
い糸構成である。ここで短繊維化されたマルチフイラメ
ント糸の切断長は通常50cm以下である。
は、長繊維のマルチフイラメント糸条が切断されたもの
であるが、マルチフイラメント糸条の一部が切断されず
に残っている場合は、毛羽の数は少いので本発明の効果
は小さいが、切断本数が多くなると毛羽数は多くなり、
よりスパン糸様の特徴を得る。そして全本数が切断され
ると極めて本発明の効果を大きくするもので最も好まし
い糸構成である。ここで短繊維化されたマルチフイラメ
ント糸の切断長は通常50cm以下である。
次に本発明の毛羽糸を製造する方法について説明する
ならば、前述したようにマルチフイラメント糸条に下ヨ
リを施し、さらに2糸条以上を引揃えて上ヨリを与えた
糸条をガイドに巻き掛け、ガイドに向かう往路側の糸条
と戻る復路側の糸条とを緊張下に互いに結ぶことなく交
錯させ、それら両糸条に捩りと扱きとを与えることによ
つ製造することができる。
ならば、前述したようにマルチフイラメント糸条に下ヨ
リを施し、さらに2糸条以上を引揃えて上ヨリを与えた
糸条をガイドに巻き掛け、ガイドに向かう往路側の糸条
と戻る復路側の糸条とを緊張下に互いに結ぶことなく交
錯させ、それら両糸条に捩りと扱きとを与えることによ
つ製造することができる。
この製造方法において、マルチフイラメント糸条の交
錯処理の前に与える下ヨリと上ヨリは、毛羽長および短
繊維長を調整することができる。
錯処理の前に与える下ヨリと上ヨリは、毛羽長および短
繊維長を調整することができる。
ここで、挿入する下ヨリ数、引揃え本数、あるいは上
ヨリ数は毛羽糸の用途によって全く異なるものである
が、ほぼ次の範囲に入る。マルチフイラメント糸のデニ
ールは10〜250デニールであって、下ヨリ数は200〜1500
T/m、上ヨリ数は下ヨリ数の3〜7割、引揃え本数は2
〜3本とするのが好ましい。例えばミシン糸用では、75
デニールのポリエステル糸の場合、下ヨリ数はS方向に
800〜1400T/m、引揃え本数は3本、上ヨリ数はZ方向に
500〜900T/mの3子ヨリ状態が好ましく、薄地高級スパ
ンライク糸では、50デニールのポリエステル糸の場合、
下ヨリは300〜1500T/m、引揃え本数は2本,上ヨリは20
0〜1000T/mが好ましい。
ヨリ数は毛羽糸の用途によって全く異なるものである
が、ほぼ次の範囲に入る。マルチフイラメント糸のデニ
ールは10〜250デニールであって、下ヨリ数は200〜1500
T/m、上ヨリ数は下ヨリ数の3〜7割、引揃え本数は2
〜3本とするのが好ましい。例えばミシン糸用では、75
デニールのポリエステル糸の場合、下ヨリ数はS方向に
800〜1400T/m、引揃え本数は3本、上ヨリ数はZ方向に
500〜900T/mの3子ヨリ状態が好ましく、薄地高級スパ
ンライク糸では、50デニールのポリエステル糸の場合、
下ヨリは300〜1500T/m、引揃え本数は2本,上ヨリは20
0〜1000T/mが好ましい。
なお、下ヨリを施す原糸は前記したように、同一素材
や同一品種、あるいは異素材や異品種などあらゆる組合
せが可能である。例えば、その代表的なものとしてデニ
ール差、収縮差、染色差、太細差を有する組合せ等はス
パン感、ふくらみ感、異色染め、糸ムラ感を表現するの
で好ましい。
や同一品種、あるいは異素材や異品種などあらゆる組合
せが可能である。例えば、その代表的なものとしてデニ
ール差、収縮差、染色差、太細差を有する組合せ等はス
パン感、ふくらみ感、異色染め、糸ムラ感を表現するの
で好ましい。
引揃える本数は2本以上とするが、下ヨリ数が異なる
場合や無撚糸を引揃えた場合、下撚り方向が異なる場合
についての組合せ等の特殊な場合も可能である。この場
合、毛羽が発生しやすい単糸は特定化される。
場合や無撚糸を引揃えた場合、下撚り方向が異なる場合
についての組合せ等の特殊な場合も可能である。この場
合、毛羽が発生しやすい単糸は特定化される。
上ヨリ数は、下ヨリとのトルクバランスを保つようヨ
リ方向とヨリ数を設定する必要がある。一般的には下ヨ
リ方向と上ヨリ方向は相反する方向であって、上ヨリ数
は下ヨリ数の3〜7割の範囲が好ましい。
リ方向とヨリ数を設定する必要がある。一般的には下ヨ
リ方向と上ヨリ方向は相反する方向であって、上ヨリ数
は下ヨリ数の3〜7割の範囲が好ましい。
本発明では、交錯処理を下ヨリと上ヨリが施されたマ
ルチフイラメント糸条を走行させながら糸−糸同士で行
なわせるようにするため、従来のブレードを使用するも
ののように経時的な摩耗による糸質変化をもたらすこと
はない。
ルチフイラメント糸条を走行させながら糸−糸同士で行
なわせるようにするため、従来のブレードを使用するも
ののように経時的な摩耗による糸質変化をもたらすこと
はない。
この糸−糸同士の交錯処理は緊張下に行なう必要があ
る。この緊張下における交錯処理によってマルチフイラ
メント糸条に捩りと扱きとを与えることにより、フイラ
メント単糸の少なくとも一部に毛羽を形成することがで
きる。この緊張を与えるときの張力としては、復路側に
おいて少なくとも0.5g/d以上、往路側において0.2g/d以
上であることが好ましい。
る。この緊張下における交錯処理によってマルチフイラ
メント糸条に捩りと扱きとを与えることにより、フイラ
メント単糸の少なくとも一部に毛羽を形成することがで
きる。この緊張を与えるときの張力としては、復路側に
おいて少なくとも0.5g/d以上、往路側において0.2g/d以
上であることが好ましい。
また、本発明において交錯処理によって付与する捩り
は、好ましくは180゜以上さらに好ましくは360℃以上で
ある。
は、好ましくは180゜以上さらに好ましくは360℃以上で
ある。
このように交錯処理において180゜以上の捩りを与え
ることによって、糸条外周の半周以上を相手側の糸条と
摩擦接触させることができ、それによってフイラメント
単糸の切断を糸長手方向および単糸間でランダム化させ
ることができる。したがって、この切断のランダム化に
よって糸スジを一層均一化することができるようになる
のである。
ることによって、糸条外周の半周以上を相手側の糸条と
摩擦接触させることができ、それによってフイラメント
単糸の切断を糸長手方向および単糸間でランダム化させ
ることができる。したがって、この切断のランダム化に
よって糸スジを一層均一化することができるようになる
のである。
捩り方については上ヨリ方向と交錯の捩り方向を逆方
向にすることが好ましい。これは上ヨリ方向と捩り方向
とを逆にすることによって毛羽の発生数を増加させ、し
かも毛羽足を短くすることができる。同方向では毛羽数
が少なくなり好ましくないのである。
向にすることが好ましい。これは上ヨリ方向と捩り方向
とを逆にすることによって毛羽の発生数を増加させ、し
かも毛羽足を短くすることができる。同方向では毛羽数
が少なくなり好ましくないのである。
具体的な製造方法を図面に従って説明する。
第3図は本発明の製造方法を実施する工程の一例を示
すものである。
すものである。
まず、マルチフイラメント糸条の単糸にダウンツイス
ターまたはアップツイスター、ダブルツイスター等の撚
糸機で下ヨリを施し、さらに下ヨリを施した単糸を複数
糸引揃えて下ヨリの方向とは逆方向に上ヨリを施す。
ターまたはアップツイスター、ダブルツイスター等の撚
糸機で下ヨリを施し、さらに下ヨリを施した単糸を複数
糸引揃えて下ヨリの方向とは逆方向に上ヨリを施す。
下ヨリと上ヨリが施された複数糸の原糸1を、供給ロ
ーラ2より供給し、デリベリーローラ4との間に設置さ
れた交錯処理用のガイドローラ3において交錯処理を施
し、巻取りチーズ5に巻き上げるのである。
ーラ2より供給し、デリベリーローラ4との間に設置さ
れた交錯処理用のガイドローラ3において交錯処理を施
し、巻取りチーズ5に巻き上げるのである。
このような毛羽糸の製造工程において、交錯処理をさ
らに詳細に説明するならば、下ヨリと上ヨリを施された
マルチフイラメント糸条Y′は、次いで供給ローラ2,4
の間を緊張下に走行するとき、その途中で第2図に示す
ように、ガイドローラ6に巻き掛けられる。この巻き掛
けにおいて、ガイドローラ6に向う往路側の糸条Yaと復
路側の糸条Ybとが互いに結ぶことなく交錯させられ、そ
の交錯点Pにおいて双方の糸条Ya,Ybに強い捩れと扱き
とが与えられるように糸−糸擦過を施す。
らに詳細に説明するならば、下ヨリと上ヨリを施された
マルチフイラメント糸条Y′は、次いで供給ローラ2,4
の間を緊張下に走行するとき、その途中で第2図に示す
ように、ガイドローラ6に巻き掛けられる。この巻き掛
けにおいて、ガイドローラ6に向う往路側の糸条Yaと復
路側の糸条Ybとが互いに結ぶことなく交錯させられ、そ
の交錯点Pにおいて双方の糸条Ya,Ybに強い捩れと扱き
とが与えられるように糸−糸擦過を施す。
上記交錯処理により、往路側の糸条Yaは復路側の糸条
Ybと交錯することにより約90゜の捩りが与えられ、また
復路側の糸条Ybにも往路側の糸条Yaと交錯することによ
り約90゜の捩りが与えられる。したがって、マルチフイ
ラメント糸条Y′が交錯点Pを往復して通過することに
より、合計して約180゜の捩りが与えられることにな
る。
Ybと交錯することにより約90゜の捩りが与えられ、また
復路側の糸条Ybにも往路側の糸条Yaと交錯することによ
り約90゜の捩りが与えられる。したがって、マルチフイ
ラメント糸条Y′が交錯点Pを往復して通過することに
より、合計して約180゜の捩りが与えられることにな
る。
マルチフイラメント糸条Y′はこのように上記交錯点
Pで捩られながら表面を扱かれることらより、フイラメ
ント単糸の一部が切断され、毛羽になる。このような交
錯処理において、上記交錯点Pでの捩りと扱き作用を安
定化させるには、第2図に示すように交錯点Pの内側に
ピン22またはローラを配置するようにするとよい。さら
に好ましくは、交錯点Pの供給側に案内用のローラ21ま
たはピンを配置すると共に、糸出側にも案内用のローラ
23またはピンを配置し、後者を矢印の方向に移動させる
ことによって糸の出入り側と出側とのなす入出角θを変
更調整することもできる。
Pで捩られながら表面を扱かれることらより、フイラメ
ント単糸の一部が切断され、毛羽になる。このような交
錯処理において、上記交錯点Pでの捩りと扱き作用を安
定化させるには、第2図に示すように交錯点Pの内側に
ピン22またはローラを配置するようにするとよい。さら
に好ましくは、交錯点Pの供給側に案内用のローラ21ま
たはピンを配置すると共に、糸出側にも案内用のローラ
23またはピンを配置し、後者を矢印の方向に移動させる
ことによって糸の出入り側と出側とのなす入出角θを変
更調整することもできる。
上述のような交錯処理によって毛羽をフイラメント糸
条に与えることができる。
条に与えることができる。
[本発明の効果] 上述したように、本発明により得られるマルチフイラ
メント光条からなる毛羽糸によれば、糸長手方向の糸ス
ジが均一である。擦過体を用いていないので経時的な毛
羽の発生変化が起らない。
メント光条からなる毛羽糸によれば、糸長手方向の糸ス
ジが均一である。擦過体を用いていないので経時的な毛
羽の発生変化が起らない。
毛羽加工前に、下ヨリおよび上ヨリを施しているの
で、ネップ、糸の太さムラはほとんど起らなく極めてス
ムースなフイラメント糸に近いスパン糸状の毛羽糸が得
られる。
で、ネップ、糸の太さムラはほとんど起らなく極めてス
ムースなフイラメント糸に近いスパン糸状の毛羽糸が得
られる。
毛羽糸の毛羽長は1mm以下の極めて短いもので、布帛
にした場合、桃の皮のうぶ毛のような極めて短く多い毛
羽で覆われ、超長綿などの高級綿タッチの風合が得ら
れ、ミシン糸にした場合、コーンからのスムースな解舒
性、針とミシン糸との平滑性良好による可縫性の向上や
均一な糸スジと短い毛羽による縫製後の見栄えの良さが
得られる。
にした場合、桃の皮のうぶ毛のような極めて短く多い毛
羽で覆われ、超長綿などの高級綿タッチの風合が得ら
れ、ミシン糸にした場合、コーンからのスムースな解舒
性、針とミシン糸との平滑性良好による可縫性の向上や
均一な糸スジと短い毛羽による縫製後の見栄えの良さが
得られる。
さらに下ヨリと上ヨリを有することから布帛において
「ドレープ性」が良く、「張り」・「腰」などの風合も
改善される。
「ドレープ性」が良く、「張り」・「腰」などの風合も
改善される。
毛羽加工のコストにおいて、マルチフイラメント糸条
の単糸を毛羽加工後、複数糸とするよりも複数糸のマル
チフイラメント糸条を羽毛加工する方法が、毛羽加工さ
れて引出す糸量は多くなるので毛羽加工コストは下が
る。例えば、3本の単糸を用い、同一の毛羽加工速度で
行なえば、複数糸を毛羽加工する本発明方法の毛羽加工
は、引き出す糸量が3倍となるのである。
の単糸を毛羽加工後、複数糸とするよりも複数糸のマル
チフイラメント糸条を羽毛加工する方法が、毛羽加工さ
れて引出す糸量は多くなるので毛羽加工コストは下が
る。例えば、3本の単糸を用い、同一の毛羽加工速度で
行なえば、複数糸を毛羽加工する本発明方法の毛羽加工
は、引き出す糸量が3倍となるのである。
[実施例] 実施例1 第3図に示すような製造工程に従って、70デニール、
48フイラメントのポリエステルマルチフイラメント3糸
条にそれぞれ、S方向90T/mの下ヨリを施し、次いで3
条糸を引揃えてZ方向600T/mの上ヨリを施し複数糸条と
なし、該複数糸を走行速度160m/min、往路側150g、復路
側375gの高張力下にガイドローラに巻き掛け、その往路
側の糸条と復路側の糸条とを結ぶことなく交錯させるこ
とにより、約360゜の捩りと扱きとを与え毛羽糸を製造
した。
48フイラメントのポリエステルマルチフイラメント3糸
条にそれぞれ、S方向90T/mの下ヨリを施し、次いで3
条糸を引揃えてZ方向600T/mの上ヨリを施し複数糸条と
なし、該複数糸を走行速度160m/min、往路側150g、復路
側375gの高張力下にガイドローラに巻き掛け、その往路
側の糸条と復路側の糸条とを結ぶことなく交錯させるこ
とにより、約360゜の捩りと扱きとを与え毛羽糸を製造
した。
得られた毛羽糸の特性は次のとおりである。
毛羽長 0.3〜0.7mm 短繊維長 平均36mm (最大短繊維長は213mm、最小短繊維長は8mm) 強 力 890g 協力変動率(CV) 3.5% 毛羽数 62コ/インチ 突出した毛羽の95%以上は毛羽長が1mm以下、短繊維
が150mm以下であった。
が150mm以下であった。
該毛羽糸を染色仕上加工後、ミシン糸として評価した
ところ、可撓性は良好であり、縫い上りの見栄えも毛羽
が短く美しいものであった。
ところ、可撓性は良好であり、縫い上りの見栄えも毛羽
が短く美しいものであった。
第1図は本発明による毛羽糸の一例を示す外観図、第2
図は本発明の製造方法における交錯処理部の一例を示す
斜視図、第3図は本発明の毛羽糸の製造方法の一実施例
を示す工程図である。 1:原糸 2:供給ローラ 3:交錯処理ローラ 4:デリベリーローラ 5:チーズ
図は本発明の製造方法における交錯処理部の一例を示す
斜視図、第3図は本発明の毛羽糸の製造方法の一実施例
を示す工程図である。 1:原糸 2:供給ローラ 3:交錯処理ローラ 4:デリベリーローラ 5:チーズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−296132(JP,A) 特公 昭48−7891(JP,B1) 特公 昭47−30735(JP,B1) 特公 昭50−19654(JP,B1) 特公 昭51−31300(JP,B2)
Claims (2)
- 【請求項1】下ヨリと上ヨリを施したマルチフイラメン
ト糸条をガイドに巻き掛け、該ガイドに向う往路側の糸
条と戻る復路側の糸条とを結ぶことなく交錯せしめて両
糸条に捩りと扱きとを与えることにより毛羽加工するこ
とを特徴とする毛羽糸の製造方法。 - 【請求項2】上ヨリ方向と逆方向に捩りと扱きとを与え
ることを特徴とする請求項1記載の毛羽糸の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1200978A JP2582902B2 (ja) | 1989-08-02 | 1989-08-02 | 毛羽糸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1200978A JP2582902B2 (ja) | 1989-08-02 | 1989-08-02 | 毛羽糸の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0364546A JPH0364546A (ja) | 1991-03-19 |
| JP2582902B2 true JP2582902B2 (ja) | 1997-02-19 |
Family
ID=16433481
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1200978A Expired - Lifetime JP2582902B2 (ja) | 1989-08-02 | 1989-08-02 | 毛羽糸の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2582902B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH04234929A (ja) * | 1991-01-09 | 1992-08-24 | Daiwa Seiko Inc | 釣竿およびその製造方法 |
| JP4058986B2 (ja) | 2002-04-05 | 2008-03-12 | 東レ株式会社 | 縫糸およびその製造方法 |
| JP5958919B2 (ja) * | 2014-01-27 | 2016-08-02 | 日本編物株式会社 | 靴下、肌着の保温編物およびこれらのカバーリングヤーンの製造方法 |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS532137B2 (ja) * | 1973-06-25 | 1978-01-25 | ||
| JPS61296132A (ja) * | 1986-05-16 | 1986-12-26 | 東レ株式会社 | 特殊捲縮糸の製造方法 |
-
1989
- 1989-08-02 JP JP1200978A patent/JP2582902B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0364546A (ja) | 1991-03-19 |
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