JPH07316941A - 縫 糸 - Google Patents

縫 糸

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JPH07316941A
JPH07316941A JP13384194A JP13384194A JPH07316941A JP H07316941 A JPH07316941 A JP H07316941A JP 13384194 A JP13384194 A JP 13384194A JP 13384194 A JP13384194 A JP 13384194A JP H07316941 A JPH07316941 A JP H07316941A
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JP
Japan
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sewing
thread
sewing thread
fluff
fineness
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JP13384194A
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Yoshinori Hosoda
義則 細田
Masuji Kojima
眞壽士 小島
Toshihiko Kimura
俊彦 木村
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】少なくとも2デニールの繊度差を有する2種以
上の単繊維群からなる混繊フィラメント原糸を施撚して
なる縫糸であって、表面に毛羽を有し、毛羽数の80%以
上が単繊維繊度の小さい繊維からなることを特徴とする
縫糸。 【効果】フィラメント原糸からなる縫糸にもかかわら
ず、自動機縫製すなわち前進縫いだけでなく後進縫いも
問題なくでき、その上高速可縫性にも優れた可縫性を有
する縫糸が供給される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は縫糸に関する。さらに詳
しくは混繊フィラメント糸の表面に短い毛羽を有する可
縫性に優れた縫糸に関する。
【0002】
【従来の技術】木綿縫糸は可縫性に優れ、家庭用縫糸ば
かりでなく、工業用縫糸としても広く使用されている。
しかし、強力が弱く、染色堅牢度も十分でない。さらに
は、寸法変化を受けやすく縫い目の仕立て映えが悪いな
どの欠点を有する。一方、縫糸市場の半分以上のシェア
ーを占めるポリエステルスパン縫糸は木綿に近い可縫性
を有し、強力、染色堅牢度や寸法安定性も良好である
が、紡績糸から製造されるため、太さのバラツキが大き
く、ノットが存在するなど品質上の問題がある。さらに
は、長くて多い毛羽を有するため高級衣料の縫製には外
観不良のため使用されていないのが現実である。絹やポ
リエステル、ポリアミドのフィラメント糸から製造され
る縫糸は木綿やスパンポリエステル縫糸の欠点をカバー
する縫糸として広く使用されている。従来のフィラメン
ト縫糸はフィラメントを構成する単糸の太さが一定であ
る原糸を施撚することで製造され、その単糸の繊度と縫
糸の総繊度に応じた物理特性が得られ、安定した品質を
有する。
【0003】しかし、従来の縫糸は通常の縫製すなわち
本縫いミシンでの前進縫いでは問題なく縫製できるが、
後進縫いでは上ヨリ(Zヨリ)が解撚される方向の力が
加わり、ヨリ割れが起こり糸切れするため後進縫いの比
率が高い自動機縫製には適用できないという致命的欠点
がある。また、工業用ミシンで高速縫製した場合にはミ
シン針熱と生地に対する貫通抵抗のため、糸切れを生じ
やすい。
【0004】そこで、これら前述のスパン縫糸やフィラ
メント縫糸の欠点を改良した縫糸がいくつか提案されて
いる。フィラメントとスパンの芯鞘構造によるコアー縫
糸が特公昭63-3977 号公報で提案され、スパンとフィラ
メントの交撚による可縫性改良縫糸は特開平2-33341 号
公報で提案されているが、少なからず毛羽を有しかつ紡
績工程を経るためにノットや太さムラのある縫糸にな
り、縫製中に糸切れしやすい。
【0005】フィラメント単体に毛羽やループ、たるみ
を発現させたスパン調フィラメント縫糸で可縫性を改良
した提案は特開平2-104733号公報、特開平2-216233号公
報、特開平5-106134号公報などがある。
【0006】しかし、これらフィラメントの加工糸から
なる縫糸はスパンまたはスパンとフィラメントの混合縫
糸に比較し、均質で長尺化された縫糸ではあるが、高速
可縫性が不十分であり、長い毛羽のため仕立て映えが悪
いという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は上述の
ような従来の欠点を改良し、フィラメント主体の縫糸に
もかかわらず可縫性、特に自動機可縫性・高速可縫性に
優れ、かつ仕立て映えの良い縫糸を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の縫糸は、上記課
題を解決するため次の構成を有する。すなわち、少なく
とも2デニールの繊度差を有する2種以上の単繊維群か
らなる混繊フィラメント原糸を施撚してなる縫糸であっ
て、表面に毛羽を有し、毛羽数の80%以上が繊度の小さ
い単繊維からなることを特徴とする縫糸である。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明の縫糸を構成する素材は合成繊維を
用いるものである。合成繊維とはポリエステル系繊維、
ポリアミド系繊維などであり、ポリエステル系繊維は縫
糸への毛羽加工が容易であり好ましく使用される。
【0011】本発明の縫糸は、単繊維の繊度が異なる2
種以上の単繊維群よりなるものである。単繊維の繊度の
異なるフィラメントは同一ポリマーから同一口金で溶融
紡糸されることが好ましいが、繊度の小さい単繊維群と
繊度の大きい単繊維群とが別個に紡糸後、合糸された繊
度の異なるフィラメント原糸であっても何ら差支えな
い。繊度の異なるフィラメント単繊維群は2種または3
種が好ましく、4種以上であっても本発明の目的は達成
される。
【0012】そして、単繊維の繊度差は少なくとも2デ
ニール必要であり、4〜6デニールの繊度差を有するも
のが縫糸としてより好ましい。繊度差が2デニール未満
の場合には、高速可縫性と自動機可縫性の両方をともに
満足する縫糸は得られない。繊度差が2デニール以上の
場合は限定されるものではないが衣料用縫製に使用され
る縫糸ではあまり太い単繊維繊度のものは硬くなり好ま
しくない。また、繊度差が2デニール以上であるために
は必然的に大なる方の単繊維繊度は2デニールを越える
ことになる。
【0013】本発明の縫糸において、繊度の小さい(以
下、「細い」ということがある)単繊維群は縫糸の風合
いを柔軟にするだけでなく、繊度の大きい(以下、「太
い」ということがある)単繊維の隙間に細い単繊維が入
り込み、縫糸断面構成が最密充填化され、縫糸のヨリ溝
が小さくなる効果を奏する。すなわち、縫糸の断面形状
は全体として真円に近くなり、縫製時にミシン針の針溝
で縫糸が扱かれず自動機縫製においても糸切れしにくく
なる。
【0014】一方、太い単繊維群は縫糸の高速縫製時に
発生するミシン針の熱に対する耐熱性に寄与し、高速可
縫性を優れたものにする。
【0015】本発明において、単繊維の繊度比も重要な
因子である。細い単繊維の柔らかさを利用して有効に毛
羽を発生させる一方、耐熱効果も十分に保つ観点から、
太い単繊維と細い単繊維の繊度比を3以上とするのが好
ましい。3未満の場合、細い方の単繊維繊度が 1デニー
ル未満の場合には繊度比が大きい方がより好ましい。
【0016】本発明のもう一つの特徴は縫糸の表面に毛
羽を有し、その毛羽数の80%以上が単繊維繊度の細い方
の繊維からなることである。好ましくは毛羽数の90%以
上が単繊維繊度の細い方の繊維からなり、さらに好まし
くは毛羽数の100 %が単繊維繊度の細い方の繊維からな
る縫糸である。単繊維繊度の細い方の繊維からなる表面
の毛羽数が80%未満の場合には、縫製時のミシン針の発
熱を有効に抑制できず、また縫糸の収束性も不十分とな
る。
【0017】毛羽は縫製品の縫い目外観および仕立て映
えの点では不要なものであるが、可縫性の点では縫製時
のミシン針の発熱抑制および縫糸の収束性に必要であ
る。従って、毛羽はできるだけ細く、柔らかく、短いも
のが良い。そのために、縫糸の毛羽を形成する繊維の繊
維長は 5mm以上でランダムな長さのものが良い。さらに
は毛羽の長さは、縫目の外観および仕立て映えの面から
短い方がよく、毛羽数の80%以上が縫糸直径の10倍以下
の長さであるのが好ましい。さらには 8倍以下特に 4倍
以下の長さのものが好ましい。
【0018】しかし、細く、柔らかく、短い毛羽の存在
が理想であっても繊度を小さくしただけの従来の縫糸で
は本発明の目的は達成不可能であった。すなわち、単繊
維繊度が小さい縫糸に毛羽を付与した場合、縫糸の可縫
性は若干改良されるがユニフォームなど生地の厚いもの
の高速縫製には適さない。つまり、縫製時に発生するミ
シン針熱と生地への貫通負荷に耐えられないのである。
【0019】一方、単繊維繊度が大きいフィラメントに
毛羽を付与した場合、硬い毛羽になり毛羽が目立ちやす
く、かつ縫製品の縫い目部分の肌触りが良くない。
【0020】可縫性、仕立て映え、縫製品の肌触りの良
い縫糸を得る観点からは、主に細い方の単繊維繊度は1.
5 デニール以下さらには1.0 デニール以下で毛羽を構成
し、太い方の単繊維繊度は 4デニール、さらには 5〜6
デニールのもので比較的長い繊維または長い繊維からな
るものが好ましい。
【0021】繊維長は 5mm以上から長い繊維までランダ
ムな分布をしていることが好ましい。その繊維長は 5〜
200mm の範囲がさらに好ましく、特に30〜150mm の範囲
のものがよい。本発明の太細混繊糸を使用した縫糸は特
に太い繊維からなるフィラメントが300mm 以上の長い繊
維を構成し、細い繊維からなるフィラメントは毛羽を形
成する比較的短い繊維長からなることが重要である。こ
の二極化した繊維長分布を有する縫糸が本発明の意図す
る高可縫性を実現した。
【0022】高速可縫性を良好とする一方、自動機可縫
性も良好とする観点から、300mm 以上の長い繊維長を有
する繊維が縫糸の30〜80重量%を占めることが好まし
い。
【0023】本発明の縫糸表面に毛羽を発現させる方法
は、従来の方法すなわちスパンとフィラメントの混合紡
績や混撚では得にくく、原糸の状態で毛羽を付与する方
法でも短い毛羽は得にくい。下ヨリを掛ける工程で、あ
るいは下ヨリを掛けた後、糸と糸の擦過により毛羽立て
する方法または下ヨリと上ヨリを掛けた後、糸と糸の擦
過により毛羽立てする方法が好ましい。
【0024】縫糸の加工は、縫糸の収束性を良好として
十分な可縫性を得る一方、縫糸が硬くなることを防止す
るとともに撚加工費を低減する観点から、下ヨリはヨリ
係数kが4000〜12000 の範囲で設定される。ここで、ヨ
リ係数kはT・D1/2 (T:1m当たりヨリ数,D:繊
度)である。好ましくはkが7000〜11000 のヨリ係数の
もである。ヨリ係数が4000未満の場合には縫糸の収束性
が悪く十分な可縫性が得られない。ヨリ係数が12000 を
越える場合には縫糸が硬くなり加工費用も高くなる。上
ヨリはZ方向に下ヨリ数の60〜90%である。通常、縫糸
は原糸を施撚後、必要に応じてヨリ止めセットされ、そ
の後、染色・仕上加工される。染色はかせ巻きまたはチ
ーズ形状で染色するのが一般的である。
【0025】本発明の縫糸は特に縫糸の番手すなわち縫
糸の太さを限定するものでないが、衣料縫製用縫糸とし
ては、#80(40デニールの三子ヨリ),#60(50デ
ニールの三子ヨリ),#50(70デニールの三子ヨリ)
などが汎用縫糸として使用され、産業資材用途にはさら
に太い縫糸が使用される。従って、縫糸を構成する原糸
のフィラメントの数は単繊維の太さによっておのずと制
約される。
【0026】本発明において、毛羽数に対する単繊維繊
度の小さい方の繊維の割合は次の方法で求めた。長さ30
0mm の縫糸の中央一点を把持し、縫糸のヨリを解撚・分
解する。続いて、把持されていない単繊維を引き抜き除
去した。一点でを把持され残った単繊維をた繊維の太さ
別に1本づつ並べ測長し25mmごとに単繊維の長さと本数
のヒストグラムを作成し、その単繊維の太さ別平均繊維
長から1m当たりの理論毛羽数を算出し、全毛羽数に対
する割合を求めた。300mm 以上の長さのものは長い繊維
とみなした。
【0027】縫糸を構成する300mm 以上の長い繊維の占
める重量割合は、上記単繊維の太さ別長さと本数から算
出した。
【0028】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに説明
する。 [実施例1]同一ポリマー(産業資材用ポリエチレンテ
レフタレート)からなるポリエステル原糸を作製した。
この際、繊度の異なるフィラメントを同一口金から紡糸
・延伸し、35デニール 6フィラメントと35デニール36フ
ィラメントの混繊糸を得た。
【0029】この原糸に下ヨリ(Sヨリ)960 T/m をか
け、さらに3本を引き揃えて上ヨリ(Zヨリ)を760T/
m かけた。このヨリ糸を互いに緊張下(延伸率 6%)で
200m/min. の速度で走行交錯させ毛羽を発現し、次にソ
フトワインダーでチーズ形状に巻取り、高圧染色機を用
いて分散染料で染色した。続いて、シリコーン系仕上げ
剤を一定条件で付与し、縫糸を作製した。
【0030】得られた縫糸の可縫性を市販の縫糸と比較
し表1に示した。
【0031】
【表1】 表中、A〜Dの試料は次の内容の縫糸を用いた。すなわ
ち、A:発明品、B:市販縫糸“ハイスパン”((株)
フジックス製)、C:市販縫糸“ロフティ”(グンゼ
(株)製)、D:市販縫糸“キングポリエステル”
((株)フジックス製)である。
【0032】ここで、縫糸の形態はリコーマイクロ写真
株式会社製RIMAC3500により10倍に拡大したも
のを観察し、毛羽の長さは拡大図から範囲で示した。
【0033】繊維長分布は縫糸を分解し、各単繊維の繊
維長を測定し求めた。
【0034】ここで自動機可縫性はブラザー製BAS−
325を用いてミシン針#11,1000ステッチ/分の縫製
速度で綿ブロード(目付:130 g/cm2 ) 4 枚重ねを縫製
布として50ステッチ(1 ステッチ2mm )を前進、後進各
10回づつ繰り返しで1000ステッチ縫製し、各縫糸につい
て5 回の評価を実施し糸切れの有無を次のように判定し
た。
【0035】◎:5回中1回も糸切れなし、 ○:5回
中1回糸切れあり △:5回中2〜4回糸切れあり、×:5回中5回とも糸
切れ 高速可縫性はジューキ製本縫いミシン回転数5000回/分
でT/C (80/20) ツイル(目付:220 g/cm2 ) 4 枚重ね10
0cm をミシン針#11,縫目ステッチ 2mmで5 枚づつ縫製
し、自動機可縫性同様糸切れ回数で判定した。
【0036】なお、高速縫製時のミシン針温度はJIS
B 9062に基づいて測定した。
【0037】仕立て映えは縫目を観察し相対比較した。
【0038】仕立て栄えはポリエステルフィラメント織
物を本縫いミシンで縫製し、電子顕微鏡(SEM)によ
り20倍に拡大したものと視感判定で観察し相対比較し
た。
【0039】ヨリ溝(真円率)は縫糸断面に外接円の面
積に対する縫糸断面が占める面積割合で示した。
【0040】また、これらの縫糸の毛羽形態を図1〜図
4に、縫製品の縫目外観を図5〜図8に、本発明の縫糸
Aの繊維長分布を図9に示す。
【0041】本発明の縫糸Aは毛羽の出方が従来のスパ
ン縫糸やスパンライク縫糸と異なり非常に短い毛羽であ
り、しかも図9から明らかなように太い方の単繊維(斜
線)は全て長い繊維のまま残り、細い方の単繊維が選択
的に毛羽となり、毛羽数の100 %が細い方の単繊維から
構成されていることが明らかになった。また、毛羽の長
さは縫糸直径の6倍までに集中した短いものであった。
見た目にはフィラメント縫糸に近い外観を呈したのはこ
のためである。この縫糸表面の毛羽形態が従来の縫糸で
は得られなかった優れた可縫性にも寄与した。本発明品
縫糸Aは比較品のスパン縫糸Bと同レベルに自動機縫製
・高速縫製で糸切れすることなく良好な可縫性を示し
た。高速縫製時のミシ針熱の昇温抑制効果も高いことが
証明された。一方、比較品のスパンライク縫糸Cは自動
機・高速可縫性とも本発明品およびスパン縫糸に比較し
不十分であった。比較品のフィラメント縫糸Dは自動機
で後進縫いされる時縫糸にヨリの解撚作用がはたらきヨ
リ割れ現象を起こし、ヨリ割れにより乱れた糸にミシン
釜の剣先が引っ掛かり糸切れした。高速可縫性は熱溶融
で糸切れした。
【0042】ヨリ溝の大きさと自動機可縫性にも強い相
関性があり、ヨリ溝の少ない真円率の高い縫糸は糸切れ
がなかった。すなわち、本発明の縫糸はヨリ溝が少なく
しかも短かく、柔らかい毛羽が高い可縫性に寄与し、そ
の上スパンのような長い毛羽がないため、仕立て映えの
良いフィラメント縫糸に近い外観を呈する縫糸が得られ
た。
【0043】[実施例2]同一ポリマー(産業資材用ポ
リエチレンテレフタレート)からなるポリエステル原糸
5水準を作製した。この際、繊度の異なるフィラメント
は同一口金から紡糸・延伸した。
【0044】これら原糸にそれぞれ下ヨリ(Sヨリ)96
0 T/m をかけ、さらに3本を引き揃えて上ヨリ(Zヨ
リ)を760T/ m かけた。ヨリ糸を互いに緊張下(延伸率
5%)で交錯させ毛羽を発現したものを各々作製した。
次に、ソフトワインダーでチーズ形状に巻取り、高圧染
色機を用いて分散染料で染色した。次にシリコーン系仕
上げ剤を一定条件で付与し、縫糸を作製した。
【0045】得られた縫糸の物理特性および可縫性を表
2に示す。
【0046】
【表2】 本発明の縫糸E,Fは比較品H,Iと同数のフィラメン
ト数にかかわらず単繊維の繊度差が2デニール以上あ
り、毛羽を構成する繊維は全て細い方の単繊維からなる
ため、自動機縫製・高速縫製でも糸切れすることなく良
好な可縫性を示した。一方、比較品Aの縫糸は自動機で
後進縫いされる時縫糸にヨリの解撚作用がはたらきヨリ
割れ現象を起こし、ヨリ割れにより乱れた糸にミシン釜
の剣先が引っ掛かり糸切れした。比較品Hは高速可縫性
および仕立て映えが不十分であり、比較品Iは自動機縫
製では発明品と同レベルであったが、高速可縫性では糸
切れが発生した。このことから本発明縫糸の毛羽による
放冷効果および細い単繊維と太い単繊維の適度な組合わ
せによる耐熱性向上効果が明らかにされた。さらに細く
て、短い毛羽は従来のスパン縫糸には見られないフィラ
メント調外観を示した。 [実施例3]同一ポリマー(産業資材用ポリエチレンテ
レフタレート)からなるポリエステル原糸を作製した。
この際、繊度の異なるフィラメントを同一口金から紡糸
・延伸し、35デニール 6フィラメントと35デニール36フ
ィラメントの混繊糸を得た。
【0047】この原糸に下ヨリ(Sヨリ)960 T/m をか
け、さらに3本を引き揃えて上ヨリ(Zヨリ)を760T/
m かけた。このヨリ糸を互いに緊張下で走行交錯させ毛
羽を発現した。この場合、緊張条件を変更し毛羽形態の
異なるものを作製した。次にソフトワインダーでチーズ
形状に巻取り、高圧染色機を用いて分散染料で染色し
た。続いて、シリコーン系仕上げ剤を一定条件で付与
し、縫糸を作製した。この際、比較のため70デニール42
フィラメントの同一単繊維繊度からなる原糸についても
同様に縫糸を作製した。
【0048】得られた縫糸の物理特性および可縫性を表
3に示した。
【0049】
【表3】 本発明の縫糸J,K,Lは毛羽加工条件の強弱にかかわ
らず、単繊維繊維長は5 mm以上のランダム繊維長からな
り、かつ毛羽の長さは縫糸直径の10倍以下であった。
さらに細い方の単繊維(0.97 d)が全ての毛羽を構成
し、300 mm以上の長い繊維は縫糸の30〜80重量%の範囲
内にあり、太い方の単繊維(5.83 d)は全て300 mm以上
の長い繊維を構成していた。
【0050】一方、単繊維繊度が同一(1.67 d)である
原糸からなる縫糸M,N,Oは毛羽加工条件を強化する
と全ての単繊維が均一に毛羽立てされ、300 mm以上の長
い繊維の縫糸に占める割合は限りなく0に近付くものに
なり、強力低下が大きくJIS規格を満足しない。その
結果、縫糸としての強力を維持し、可縫性の良好な縫糸
は本発明品のみから得られた。
【0051】
【発明の効果】本発明の縫糸はフィラメント原糸からな
る縫糸にもかかわらず、自動機縫製すなわち前進縫いだ
けでなく後進縫いも問題なくでき、その上高速可縫性に
も優れた可縫性を有する縫糸が供給される。
【図面の簡単な説明】
【図1】縫糸の毛羽形態を示す顕微鏡写真。
【図2】縫糸の毛羽形態を示す顕微鏡写真。
【図3】縫糸の毛羽形態を示す顕微鏡写真。
【図4】縫糸の毛羽形態を示す顕微鏡写真。
【図5】縫製品の縫目外観を示す顕微鏡写真。
【図6】縫製品の縫目外観を示す顕微鏡写真。
【図7】縫製品の縫目外観を示す顕微鏡写真。
【図8】縫製品の縫目外観を示す顕微鏡写真。
【図9】本発明の縫糸Aの繊維長分布を示すグラフ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも2デニールの繊度差を有する2
    種以上の単繊維群からなる混繊フィラメント原糸を施撚
    してなる縫糸であって、表面に毛羽を有し、毛羽数の80
    %以上が繊度の小さい単繊維からなることを特徴とする
    縫糸。
  2. 【請求項2】繊度の大きい単繊維と繊度の小さい単繊維
    の繊度比が3以上であることを特徴とする請求項1記載
    の縫糸。
  3. 【請求項3】縫糸を構成する繊維の繊維長が5mm以上で
    ランダムな分布を有し、縫糸を構成する繊維の30〜80重
    量%が300mm 以上の長い繊維からなることを特徴とする
    請求項1記載の縫糸。
  4. 【請求項4】縫糸表面の毛羽数の80%以上が縫糸直径の
    10倍以下の長さであることを特徴とする請求項1記載の
    縫糸。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003085181A1 (fr) * 2002-04-05 2003-10-16 Toray Industries, Inc. Fil a coudre et procede de production de celui-ci
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