JP2946535B2 - 合成繊維ミシン糸の製造方法 - Google Patents

合成繊維ミシン糸の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は可縫性に優れ、かつ高強力であるにも拘らず
スパンライクである合成繊維ミシン糸の製造方法に関す
る。
[従来の技術] 従来、ミシン糸は短繊維を紡績し、さらにヨリ合わせ
たスパンミシン糸、マルチフィラメントをヨリ合わせた
フィラメントミシン糸およびフィラメント糸を短繊維で
カバーリングまたは交絡させたコアーヤーンミシン糸な
どがある。
また、スパンとフィラメントの長所を兼備えたスパン
ライクなミシン糸の開発も近年活発になり、いくつかの
提案がある。たとえば、特公昭63−3977号公報にみられ
るようなマルチフィラメントに通常の短繊維からなる甘
ヨリのスパン糸を交絡させながら紡績したものや、特開
昭63−92743号公報のようなマルチフィラメント糸条を
流体交絡させてループを形成したもの、さらには特開昭
61−252335号公報のようなマルチフィラメント糸条をブ
レードで擦過したものなどが提案されている。
[発明が解決しようとする課題] しかし、スパンミシン糸は、高速ミシンでの可縫性、
縫製部分の寸法安定性は優れているが、ミシン糸の太さ
の不均一性、縫目強力不良、結び目による自動縫製不良
などの欠点を有していた。
また、フィラメントミシン糸は、強度、縫目の美し
さ、品質の均一性などに優れるが、高速縫製時のミシン
針の発熱に起因する糸切れ、目とがなどの欠点を有して
いた。
さらにコアーヤーンミシン糸は、スパンとフィラメン
トの組合せにより糸物性と可縫性の両立をはかろうとし
たものであるが、糸の均一性に劣り、強度不足で細物糸
とすることができないなどの欠点のために使用用途が限
られていた。
また、上述の従来スパンライクミシン糸は、いずれも
平均繊維長約30〜50mm短繊維を使用する点で一致してお
り、かかる短繊維から得られるミシン糸は、太さの不均
一性、強力不足、結び目による自動縫製不良ならびに細
物糸を形成できないなどの欠点を有し、さらに流体交絡
によるミシン糸は形成されるループによる目とび、縫目
縮みが多いという欠点をも有するものであった。
したがって、従来のミシン糸では高速縫製される業界
での要求と縫製品の品質、品位とを両立したミシン糸は
現実には存在しなかった。
本発明は、かかる技術背景に鑑み、高速縫製において
も糸切れ、目とび、縫目縮みがなく寸法安定性に優れ、
かつ高強度、高品位なミシン糸を提供するものである。
[課題を解決するための手段] 本発明はかかる目的を達成するために次の構成を採用
する。
すなわち、本発明の合成繊維ミシン糸の製造方法は、
単糸強力の比較的大きいマルチフィラメントと単糸強力
の比較的小さいマルチフィラメントとを引揃えてマルチ
フィラメント糸条とした後、このマルチフィラメント糸
条に交絡処理を施し、次いで緊張下で糸−糸擦過処理を
施して、単糸強力の比較的小さいマルチフィラメントの
少なくとも一部を、平均繊維長60〜700mmに切断した後
に、再び交絡処理を施してなる糸条を加ネンすることを
特徴とするものである。
[作用] 本発明のミシン糸は、合成繊維で構成されており、か
つ比較的単糸強力の大きいマルチフィラメント成分によ
って強度機能を持たせ、この成分に比して比較的単糸強
力の小さい有限長繊維によって表面平滑性機能ならびに
放熱性機能を持たせたものである。
かかる合成繊維としては繊維形成性合成樹脂からなる
繊維があげられるが、たとえば、ポリエステル系繊維、
ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリアクリ
ロニトリル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリ
塩化ビニル系繊維、芳香族ポリアミド系繊維、ポリスル
フィド系繊維、ポリイミド系繊維、フッ素系繊維など各
種合成繊維を使用することができる。
これらの合成繊維の中でも通常の産業用ミシン糸とし
ては、ポリエステル系繊維およびポリアミド系繊維が、
ミシン糸特性の上から一般的に好ましく使用される。
しかし、特に高強力のミシン糸を望む場合には、上述
のマルチフィラメント成分として単糸強度が少なくとも
20g/d、好ましくは30g/d以上の繊維を使用することがで
きる。かかる繊維としては、たとえば高強力ポリエステ
ル系繊維、高強力ポリビニルアルコール系繊維、高強力
ポリエチレン系繊維、高強力ポリアクリロニトリル系繊
維、芳香族ポリアミド系繊維およびポリスルフィド系繊
維などをあげることができる。
一方、マルチフィラメント成分に比して比較的単糸強
力の弱い有限繊維長繊維は、ミシン糸の表面平滑性、放
熱性などの機能を達成するものであり、その機能性は繊
維が細い程高くなるので好ましい。すなわち、この有限
繊維長繊維成分はマルチフィラメント成分に比して単糸
強力が小さく、フィブリル化し易いことが好ましい。ま
た、表面活性ならびに放熱性は繊維表面積が大きい程、
つまり細い繊維であるほど大きくなる。かかる機能性は
毛羽を構成する有限繊維長繊維が、好ましくは糸条の10
〜45重量%、特に好ましくは15〜30重量%の範囲で存在
するのが、ミシン糸強度、平滑性、放熱作用の上から好
ましい。
本発明の有限繊維長繊維は平均繊維長60〜7000mm、好
ましくは80〜300mmの短繊維である。平均繊維長が60mm
未満の場合はネン糸後の糸の嵩が高くなるばかりで、糸
の有限繊維長繊維に対する把持力が小さく、嵩張る上に
糸の太さに均一性がなく、短繊維単糸の抜けが多く、可
縫性が低下する傾向を示し、また糸強度の上からもよい
影響を与えない。平均繊維長が700mmを越える場合は毛
羽の数が少なくなりすぎ、平滑性ならびに放熱性が不足
してくるので、高速縫製には好ましくなくなる。
上述の如く本発明のミシン糸を構成する有限繊維長繊
維は平均繊維長で示すが、これは上述理由からわかるよ
うに長い繊維長繊維の特徴と短い繊維長繊維の特徴を兼
備えているものが最も好ましい性質を発揮するからであ
る。したがって、該有限繊維長繊維は定長であるものよ
りはランダムな繊維長を有するものの集合であるのが好
ましく、繊維長分布としては正規分布であるのが好まし
い。
かかる有限繊維長繊維の強度はフィブリル化のし易さ
や毛羽数の調整のし易さなどからマルチフィラメントの
それ以下であるのが好ましい。
すなわち、本発明のミシン糸は、代表的には単糸強力
の異なる2種または3種以上のマルチフィラメントを合
糸し、この合糸を伸長して強力の小さい方を選択的に切
断して有限繊維長繊維を形成する方法が採用される。し
たがって、より好ましくはマルチフィラメント成分の単
糸繊維は有限繊維長繊維分の単糸繊度以上であるのが、
単糸強力的な差異がはっきりして好ましい。同じく、両
成分ともに繊度が同等の場合は有限繊維長繊維成分の単
糸強度が小さい方が、単糸強力的な差異がはっきりして
好ましい。
これらの点を総合すると、本発明のミシン糸を構成す
るマルチフィラメント成分は、好ましくは30〜250デニ
ールで、フィラメント数は好ましくは10〜100であり、
単糸繊度としては1.4〜5.0デニールの範囲のものが好ま
しく使用される。
一方、主として毛羽を構成する有限繊維長繊維は、マ
ルチフィラメント成分より単糸強力が小さく、好ましく
は短糸繊度も小さく、具体的には好ましくは0.8〜3.0デ
ニールの範囲のものが使用される。単糸繊度が上記範囲
から外れる単糸では、縫製時での放熱作用が小さくな
り、平滑性に劣る傾向を示す。
本発明でいう毛羽とは、通常の毛羽の他にループ状の
ものやたるみなどの毛羽状物、突出物を含むものであ
る。
かかる毛羽を有する糸条(以下毛羽糸という)は、強
力の異なる2種以上のマルチフィラメントからなる引揃
え糸、混繊糸などを、仮ヨリ加工や流体交絡処理などで
交絡させる工程と、延伸(緊張)、擦過などの方法で合
糸の一部を切断する工程とを組合せた手段により製造さ
れる。これらの方法の中でも、前記合糸を、緊張条件下
で糸−糸擦過処理する工程と流体交絡処理工程とを併用
する手段が好ましい。すなわち、糸−糸擦過処理はラン
ダム(平均繊維長60〜700mm)な繊維長の短繊維を、ま
た流体交絡処理は毛羽、ループ、たるみの全てを同時に
有する毛羽糸を形成する。なお、毛羽数、毛羽長や繊維
長は糸−糸擦過処理の条件により適宜調整することがで
きる。
次に、ミシン糸の強度はミシン糸を構成する素材、構
成比、毛羽の出方などにより左右されるものであるが、
主としてマルチフィラメントの強度によって律速され
る。
本発明の合成繊維ミシン糸の強度は、好ましくは4.0g
/d以上、さらに好ましくは4.5g/d以上、特に好ましくは
5.0g/d以上のものが産業用ミシン糸として好ましい。
本発明の合成繊維ミシン糸における毛羽数は、好まし
くは30個/m以上であり、さらに好ましくは80〜500個/m
有するものが、放熱性、平滑性の上から好ましい。
本発明の合成繊維ミシン糸は、1.5g/d荷重時の伸度が
好ましくは3〜12%であるという優れた性質を有するも
のであるから、高速縫製時での糸切れ、溶断、目飛びな
どの欠点が一挙に解決されるという特徴を発揮するもの
である。
さらに本発明の合成繊維ミシン糸は、切断伸度13〜30
%、沸騰水収縮率2%以下、180℃における乾熱収縮率
5%以下という性質も併有するものである。
次に、本発明の合成繊維ミシン糸の製造方法について
具体的に説明する。
まず、単糸強力の異なる2種のマルチフィラメントを
引揃えて合糸し、この合糸された糸に緊張条件下で糸−
糸擦過処理と流体交絡処理とを併用した方法により、毛
羽糸を形成する。この方法によれば、毛羽、ループおよ
びたるみを同時に付与することができる。
この毛羽糸を形成する工程の概略を、第1図に示す。
すなわち、供給ローラ1と2の間に、交絡処理用の空
気ノズル3が設置され、次の供給ローラ2と4との間に
は糸−糸擦過処理用のガイドローラ5が設置され、さら
に次の供給ローラ4と6との間には再び交絡処理用の空
気ノズル7が設置されている。前述の供給ローラ1と4
は、それぞれ供給ローラ3と6に対し、若干オーバフィ
ード状態に設定されている。これに対し、供給ローラ2
は供給ローラ4に対しマイナスフィード状態に設定され
ており、マルチフィラメント糸条に緊張張力が与えられ
るように設定されている。
10は加工前のマルチフィラメン糸条Y′を巻いたパッ
ケージであり、20は加工後の本発明の毛羽糸Yを巻き上
げたパッケージである。
このような毛羽糸の製造工程において、パッケージ10
から供給されたマルチフィラメント糸条Y′は、空気ノ
ズル3によって交絡処理が施されてフィラメント単糸相
互が絡み合わされた状態にされる。交絡を与えられたフ
ィラメント糸条Y′は、次いで供給ローラ2,4の間を緊
張下に走行するとき、その途中で第2図に示すようなガ
イドローラ5に巻き掛けられる。この巻き掛けにおいて
は、ガイドローラ5に向かう往路側の糸条Yaと復路側の
糸条Ybとは互いに交錯せしめられ、その交錯点Pにおい
て双方の糸条Ya,Ybに強い捩りと扱きとが与えられる。
その結果、フィラメント糸条Y′に糸−糸擦過処理が施
される。
すなわち、往路側の糸条Yaは、往路側の糸条Ybと交錯
することにより約90゜の捩じりが与えられ、また復路側
の糸条Ybにも往路側の糸条Yaと交錯することにより約90
゜の捩じりが与えられる。したがって、マルチフィラメ
ント糸条Y′が交錯点Pを往復して通過することによ
り、合計して約180゜の捩じりが与えられることにな
る。
マルチフィラメント糸条Y′は、このように上記交錯
点Pで捩じられながら表面に扱きが与えられるために、
フィラメント単糸の一部、つまりマルチフィラメント糸
条のうち、糸表面に存在する単糸強力の比較的小さいフ
ィラメント単糸の一部が切断され、毛羽になったり、た
るんだり、あるいはループになったりする。
このような糸−糸擦過処理において、上記交錯点Pで
の捩じりと扱き作用を安定化させるために、第2図に示
すように交錯点Pの内側にピン(またはローラ)22を配
置するのが好ましい。さらに好ましくは、交錯点Pの供
給側に案内用ピン(またはローラ)21を配置すると共
に、糸出側にも案内用ピン(またはローラ)23を配置
し、後者を矢印の方向に移動させることによって入出角
θを変更調整することもできる。
上述のような糸−糸擦過処理によって毛羽が与えられ
た糸条は、次の空気ノズル6によって、さらに交絡処理
されて上述の毛羽を糸条表面に拘束状態にして毛羽糸Y
を形成する。この毛羽糸Yは、次いでパッケージ20とし
て巻き上げられる。
かかる方法で得られた毛羽糸の毛羽を構成する有限繊
維長繊維は、平均繊維長60〜700mmの範囲にある。
かかる毛羽糸は、次に加ネンされてミシン糸に形成さ
れる。すなわち、たとえば代表的には、まず、S方向に
500〜1500T/mの下ヨリを加える。この下ヨリ糸を2〜7
本引揃えて、Z方向の上ヨリを加えてヨリ糸を形成する
が、この上ヨリ数は、下ヨリ数に対し50〜100%とする
のがよい。
もちろん、かかる毛羽糸のみで本発明のミシン糸を形
成する必要はなく、適宜、他のフィラメント糸やスパン
糸と合ネンされて本発明のミシン糸としてもよい。
該ミシン糸で、特に耐熱性の高いミシン糸を望む場合
には、該合ネンするフィラメントミシン糸やスパン糸と
して、高融点の合成繊維を使用することができる。
このヨリ糸を80〜130℃でスチーム処理し、ヨリ止セ
ットを行ない、次いで通常の染色加工および仕上加工を
施して、本発明の合成繊維ミシン糸に仕上げる。
かくして得られる本発明による合成繊維ミシン糸は、
放熱性、平滑性に優れ、高強度を有し、しかも1.5g/d荷
重時の伸度が小さいという優れた性質を有するものであ
るから、高速縫製時での糸切れ、溶断、目飛びなどの欠
点を一挙に解決し得るという特徴を有するものである。
[実施例] 本発明において、ミシン糸の物性、可縫性、品位は次
の方法で評価した。
ミシン糸の強伸度は、JIS−L1013に準拠して定速伸長
型試験機でつかみ間隔20cm、引張速度20cm/分で測定
し、乾熱収縮率もJIS−L1013に準じた。
ミシン糸の可縫性は、JUKI(株)製本縫ミシンDDL−5
55を用いて綿ブロード#4000(敷島紡績社製)を4m連続
本縫し、糸切れの有無を5回縫製して判定した。
縫製条件は、ミシン回転数5000rpm、ステッチ間隔15
針/3cmで、布の重ね枚数を変更した。
ミシン糸の品位は、ミシン糸外観の拡大写真によりネ
ップの有無、毛羽の発生状態、可縫性および縫目の美し
さ、縫糸の布帛とのなじみの見地から視感判定した。
ミシン糸の毛羽数は、東レ(株)製フライカウンター
(DT104S型)で1.0mm以上の数を測定し1m当りに換算し
た。
該毛羽数は、通常の毛羽の他にループ状のものやたる
みなどの毛羽状物、突出物を含めて求めたものである。
平均繊維長は、JIS−L1095の撚数計測に準じ、所定の
試験長のミシン糸を解撚した後、該ミシン糸からランダ
ムに抽出した有限繊維長繊維50本の長さを実測し、その
算術平均値で示した。
実施例1 原糸強度7.8g/dのポリエステルマルチフィラメントで
50デニール20フィラメントの糸条の原糸強度3.4g/dのポ
リエステルマルチフィラメントで20デニール10フィラメ
ントの糸条を引揃えて、合計70デニール30フィラメント
の引揃え糸を得た。
この引揃え糸を第1図の工程に通した。すなわち、該
引揃え糸をオーバーフィード率3%にて流体圧(空気
圧)3kg/cm2の交絡処理を施こし、次いで走行速度300m/
min、往路側25g、復路側60gの高張力下で該糸条をガイ
ドローラを巻き掛け、その往路側の糸条と復路側の糸条
を互いに交錯させることにより約360゜の捩りと扱きを
与え、次いで再び3kg/cm2の交絡ノズルにより交絡処理
し、有限繊維長繊維の平均繊維長が267mmである、毛羽
糸を作製した。
この糸条に1100T/mのSヨリを加え下ヨリ糸を得、こ
の下ヨリ糸を3本引揃えて680T/mの上ヨリ(Z方向)を
加えて三子ヨリミシン糸を作製した。
次に、このミシン糸に110℃×20分間の高圧スチーム
処理を施してヨリ止セットした後、ソフトワインダーを
用いてチーズ形状に巻取り、130℃で40分間の高温染色
を行ない、次いで還元洗浄、湯水洗後、ワックス・シリ
コーン系の柔軟平滑剤処理を施してミシン糸を製造し
た。
比較例1 原糸強度7.4g/dのポリエステルマルチフィラメントの
70デニール24フィラメントからなる糸条を実施例1と同
一方法により、平均繊維長296mmの有限繊維長繊維から
なる毛羽を有するミシン糸を作製した。その他の処理は
実施例1と同一方法により処理した。
比較例2 繊維長38mmの市販のスパンポリエステルミシン糸#60
を用意した。
実施例1、比較例1および比較例2のそれぞれのミシ
ン糸の評価結果を第1表に示した。
実施例2 単糸繊度1.0デニールの30フィラメントからなるポリ
エステルマルチフィラメントと、単糸繊度2.0デニール
の20フィラメントからなるポリエステルマルチフィラメ
ントを引揃え、70デニール70フィラメントの引揃え糸を
得た。
この引揃え糸を第1図のプロセスに通して毛羽糸を得
た。
すなわち、該引揃え糸を第1段目の交絡処理をする際
にオーバーフィード率2%にて供給する以外は実施例1
と同じ条件で交絡処理した。
次いでこの糸条を実施例1と同一方法により三子ヨリ
ミシン糸に作製し、さらに実施例1と同一の方法によ
り、ヨリ止セット、高温染色、還元染色、湯水洗ならび
に柔軟平滑処理を施してミシン糸を得た。
比較例3 実施例1で用いた同一ポリマーからなる単糸繊度2.9
デニール、24フィラメントからなるポリエステルマルチ
フィラメント糸条のみを用いる他は、実施例1と同一方
法により同程度の毛羽を有するミシン糸を得た。
比較例4 市販のスパンポリエステルミシン糸#60を用意した。
これらのミシン糸の評価結果を第2表に示す。
実施例3、比較例5 単糸繊度1.1デニールの18フィラメントからなるポリ
エステルマルチフィラメントと単糸繊度2.9デニールの2
0フィラメントからなるポリエステルマルチフィラメン
トを準備した。
これら2種のフィラメントの内、該1.1デニールのマ
ルチフィラメントのみを用いて、オーバフィード率2%
にて流体圧(空気圧)2kg/cm2の交絡処理を施し、次い
で走行速度200m/min、往路側15g、復路側40gの張力下
(実施例1に低し低目)で実施例1と同様に該糸条をガ
イドローラに巻き掛け、その往路側の糸条と復路側の糸
条を互いに交錯させることにより約360゜の捩りと扱き
を与えて一部切断し、次いで再び上述の2kg/cm2の交絡
処理を施して、平均繊維長85mmの有限繊維長繊維からな
る毛羽糸を得た。
この毛羽糸と、前述の2.9デニールで20フィラメント
のポリエステルマルチフィラメントとを一定張力(20
g)下で引揃えて合糸した。
一方、比較例5として、実施例3で準備した単糸繊度
の異なる2種のポリエステルマルチフィラメントを一定
張力(20g)下で引揃えて合糸して、フィラメント糸を
得た。
実施例3と比較例5のそれぞれの糸条に1000T/mのS
ヨリを加え下ヨリ糸を得、さらに下ヨリ糸を3本引揃え
て720T/mの上ヨリ(Z方向)を加えて三子ヨリのミシン
糸を2種作製した。
これらのミシン糸を、実施例1と同一の方法により、
ヨリ止セット、高温染色、還元洗浄、湯水洗ならびに柔
軟平滑処理を施してミシン糸を作製した。
得られたミシン糸の糸物性、可縫性を第3表に示す。
なお、比較例5のフィラメントミシン糸には毛羽は存
在しないが、実施例3の本発明の合成繊維ミシン糸の毛
羽数は210個/mであった。
[発明の効果] 本発明は、高速縫製においても糸切れ、目とび、縫目
ずれがなく寸法安定性に優れ、かつ高強度、高品位の合
成繊維ミシン糸を提供するものである。
本発明の合成繊維ミシン糸は、平滑性ならびに放熱性
に優れた特徴を有する上に高い強度を有し、可縫性に優
れた特徴を有するので、高速縫製用として最適である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の合成繊維ミシン糸の原糸である毛羽糸
の製造プロセスの一例を示す工程図であり、第2図は第
1図における交錯プロセスの機構の一例を示す斜視図で
ある。 1,2,4,6……供給ローラ 3,6……空気ノズル 5……ガイドローラ Y……毛羽糸 Y′……マルチフィラメント糸条

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単糸強力の比較的大きいマルチフィラメン
    トと単糸強力の比較的小さいマルチフィラメントとを引
    揃えてマルチフィラメント糸条とした後、このマルチフ
    ィラメント糸条に交絡処理を施し、次いで緊張下で糸−
    糸擦過処理を施して、単糸強力の比較的小さいマルチフ
    ィラメントの少なくとも一部を、平均繊維長60〜700mm
    に切断した後に、再び交絡処理を施してなる糸条を加ネ
    ンすることを特徴とする合成繊維ミシン糸の製造方法。
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