JPS6242059B2 - - Google Patents

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JPS6242059B2
JPS6242059B2 JP55135790A JP13579080A JPS6242059B2 JP S6242059 B2 JPS6242059 B2 JP S6242059B2 JP 55135790 A JP55135790 A JP 55135790A JP 13579080 A JP13579080 A JP 13579080A JP S6242059 B2 JPS6242059 B2 JP S6242059B2
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JP
Japan
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yarn
constituent
yarns
twist
twisted
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JP55135790A
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JPS5761726A (en
Inventor
Takao Negishi
Teisuke Kojima
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Publication date
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Publication of JPS5761726A publication Critical patent/JPS5761726A/ja
Publication of JPS6242059B2 publication Critical patent/JPS6242059B2/ja
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、新規な複合糸に関する。かつまた改
良された撚斑のある糸に関する。
更に詳しくは、少なくとも1本の糸軸に沿つて
撚密度を互いに異にする複数種の部分が存在して
いる糸を構成糸とし、3本以上の構成糸が引き揃
えられた状態にあり、糸軸に沿つた少なくとも1
部分に構成糸相互が交絡している糸部分を有する
ことによつて構成糸相互が合体してなる複合糸に
関するものである。
[従来技術] 従来から、撚斑のある糸、つまり糸軸に沿つて
撚密度が一様でない糸については、よく知られて
いる。特に、S・Zの各撚が交互にある交互撚糸
については撚斑糸として顕著な例である。
撚斑糸は布帛にて、撚糸の風合と撚斑に起因す
る糸斑が織りなす独特の模様を呈し、その価値は
高く評価されるものがある。
また撚斑のある糸、例えば特に交互撚糸の形成
においては、実撚糸の形成に比較して、撚掛け能
率が高く、生産性の面からもその価値は高い。
しかし、撚斑のある糸は張力を受けた際に糸軸
に沿つて撚密度が均一化する方向に変化する傾向
を示し、特に交互撚糸においては張力を受けた
際、糸軸に沿つたS撚糸部分とZ撚糸部分との撚
が相殺し、無撚糸に変化する傾向を示す。また、
糸軸に沿つて撚密度と相関関係を持つた旋回力を
その糸が有している場合においては、糸の側面か
ら束縛を受けない自由状態に置くだけでも、張力
を特に受けなくても上記と同様の変化をする傾向
を示す。従つて、このような糸は通常の糸張力下
で、例えば、糸が形成されてから巻き取られるま
での間、製偏織準備工程の間、さらには製編織工
程を経て布帛を形成するまでの間などにおいて、
糸に作用する張力下で撚斑が減少し易く、形成さ
れた撚斑を布帛成形後まで保つことは極めて難し
く、所期の目的を十分には達成し得ていない。
従来においても上記問題点を回避するため、数
多くの試みがなされているが、いずれも効果が不
十分である。
例えば、撚密度に対応する旋回力を弱めるため
に、熱処理等を施すという方法があるが、このよ
うな処置をしたとしても張力の作用に対してはほ
とんど効果がない。更に、熱処理等を強化した
り、糸に他成分を付着させたりして糸の構成繊維
相互を接・融着するという方法がある。この方法
は、張力の作用に対し、該接・融着の程度が強い
ほど撚斑を保つという点では効果的であるが、反
面、撚糸としての風合が損われ、かつ糸が硬化し
て好ましくないものとなる。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明者らは、上記した如き従来の技術の欠陥
を解消し優れた撚斑のある糸を得ることを目的に
鋭意研究した結果、交絡複合化技術をうまく活用
することによつて目的を達し得たものであり、こ
こに本発明の複合糸を提供するに至つたものであ
る。
[問題点を解決するための手段] すなわち、本発明の複合糸は、少なくとも3本
の構成糸よりなる複合糸であつて、そのうちの少
なくとも1本の構成糸Aは多繊条糸でありかつ糸
軸に沿つて撚密度が他の部分の撚密度とは実質的
に異なつた複数の部分が少なとも存在する糸条で
あり、かつ、該複合糸は、全ての構成糸がそのう
ちの少なくとも1本の多繊条糸である構成糸Bの
有する開繊部分により互いに交絡絡合されて一体
化せしめられてなる複合糸構造部分を有するもの
であることを特徴とする複合糸である。
[作用] 以下、さらに詳しく本発明について説明する。
本発明において、撚密度を異にする複合の部分
を有する糸とは、撚密度の分布が均一・一様でな
い糸をさすものであつて、撚加工工程において意
識的に糸軸に沿つて撚密度を異ならせたものを言
う。例えば、交互撚を有するものをはじめとし、
一方向撚しか有さないものであつても撚数分布が
均一でないもの等、一般的に撚斑があるとされる
糸の全てが含まれる。交互撚を有するものにあつ
ては、S撚、Z撚のトータルが、ゼロ(無撚)の
ものでもよく、あるいはトータルで有撚のもので
あつてもよい。また、交互撚のもの、一方向撚の
いずれにおいても、無撚の部分を一部含んでいて
もよいものである。
また、多繊条糸とは、マルチフイラメント糸や
その加工糸(フイラメント繊維束)、紡績糸(ス
テープル繊維束)、さらにステープル繊維とフイ
ラメント繊維とを混用・併用した繊維束等、多数
の繊維から構成されている糸条を言うものであ
る。
さらに、本発明において、構成糸とは、複合糸
を構成している個々の糸条であつて複合糸を形成
してなる状態下にての該糸条の状態について論じ
るものであり、多繊条糸、単繊条糸(モノフイラ
メント糸)の別を問わず、また、構成繊維の一部
がループ、タルミ、スナール、毛羽等の突出繊維
を形成しているもの、糸軸方向に沿つて、構造等
の変化する糸、例えば、スラブを有する糸、染差
を有する糸、熱収縮率差を有する糸、強度差を有
する糸、伸度差を有する糸等の形態差や物性差の
ある糸、さらには、熱収縮差、伸度差、強度差、
色差、染着性差、繊度差、断面形態差、光沢差、
その他素材差、物性差のある繊維の混繊糸等であ
つてもよいものである。
また、本発明においては、複合糸を構成する
個々の糸条であつて複合糸を形成する前の状態の
糸条を構成原糸と言い、上記構成糸とは明らかに
区別される性格のものである。
さらに、本発明において複合糸とは、複数本の
構成糸からなるものを言うものであり、構成糸―
構成糸間で、熱収縮差、伸度差、強度差、色差、
染着性差、繊度差、断面形態差、光沢差、その他
素材差、物性差等のあるものでも構わない。該複
合糸は、上撚、交互撚等が存在しているものでも
よい。
また、開繊部分とは、多繊条糸である構成糸を
構成している繊維相互の間に、他の構成糸ないし
は他の構成糸の構成繊維が存在している状態にお
ける該多繊条糸条である構成糸の部分を言うもの
である。しかして、本発明においては、複合糸に
関して、複合糸になつている状態下にての該複合
糸を構成している糸どうしの複合状態に特徴のあ
るものであり、例えば、複合前に、単に1本の構
成原糸だけについて見た場合、その糸に一般的に
言つて開繊していると認められる部分があつたと
しても、複合後において該開繊していると認めら
れる部分に他の糸ないしは他の糸の構成繊維が実
質的に全く存在していないものの場合には、その
複合糸は本発明の複合糸とは大幅に異なるもので
あるし、また、少なとも本発明でねらいとする効
果は到底得られないものである。この理由につい
ては、以下の説明で順次明らかになるであろう。
以上の如き前提下において、本発明の複合糸
は、3本以上の構成糸からなるものであり、少な
くとも1本の構成糸は糸軸に沿つて撚密度を互い
に異にする複数種の部分が存在している多繊条糸
Aであり、また、少なくとも1本の構成糸は糸軸
に沿つた少なくとも1部分に開繊状態で交絡して
いる糸部分を有する多繊条糸Bであるものであ
る。
かかる糸構成について図面により説明すると、
第1図は、本発明の複合糸の1例構造をモデル的
に説明した外観概略図であり、構成糸1,2およ
び3は、それぞれ多繊条糸であり、互いに交絡絡
合して一体化している構造を示している。
構成糸1において、複合糸部分4から5にかけ
ては、無撚部分を示し、その左右はそれぞれS撚
部分とZ撚部分を示す。したがつて構成糸1は前
記糸条構造Aをもつ多繊条糸である。
さらに構成糸1において、複合糸部分4と5は
構成糸1を構成する繊維相互の間に構成糸2の存
在する開繊状態を示す。したがつて、構成糸1は
前記糸条構造Bをもつ多繊条糸でもある。
構成糸2において、複合糸部分7から8にかけ
ては、無撚部分を示し、その左右はそれぞれZ撚
部分とS撚部分を示す。したがつて、構成糸2も
また糸条構造Aをもつ多繊条糸である。
さらに、構成糸2において複合糸部分7と8は
構成糸2を構成する繊維相互の間に構成糸1の存
在する開繊状態を示す。したがつて構成糸2は糸
条構造Bをもつ多繊条糸でもある。また、構成糸
3において、複合糸部分4,6,8,9は、構成
糸3を構成する繊維相互の間に構成糸1と2の存
在する開繊状態を示す。したがつて、構成糸3は
糸条構造Bをもつ多繊条糸である。
なお、本発明において上記多繊条糸A,Bにつ
いてそれぞれが別個の構成糸である必要は必ずし
もなく、多繊条糸A,Bが同一の構成糸であつて
もよく、つまり1本の構成糸に関し観点を変える
ことによつて多繊条糸Aであるとも言え、また多
繊条糸Bであるとも言えるものである場合にはそ
れでもよく、そして、その場合には他の構成糸の
構造の如何にかかわらず、本発明の複合糸に含ま
れるものである。
該複合糸は3本以上の構成糸からなるものであ
つて、上記A,B以外の構成糸として、つまり、
撚密度を異にする複数種の部分を有さず、かつ開
繊状態で交絡している糸部分を有さない糸とし
て、例えば、モノフイラメント糸や、融着、均一
撚、連続交絡等の多繊条糸や、各種糸からなる鎖
編糸、等からなる第3の構造の糸を含んでいても
よい。また、もちろん、本発明の複合糸は、少な
くとも上記A,Bの構造であると言うことができ
る構成糸があれば足りるものであつて、第3の構
成糸としては、これもまた糸軸に沿つて撚密度を
異にする複数種の部分を有する多繊条糸、もしく
は糸軸に沿つた少なくとも1部分に開繊状態で交
絡している糸部分を有する多繊条糸等の多繊条糸
であつても構わないものであり、むしろ、このよ
うな組合せとするのが、上記のモノフイラメント
糸などが用いられている場合と比べてより実際的
である。
上記多繊条糸A,Bについてさらに詳しく説明
すると、多繊条糸Aは撚密度を異にする複数種の
部分を有するものであり、撚は、糸軸方向に沿つ
て実質的に全域に存在するものでも一部分域に存
在するものでもよい。撚が一部分域にしか存在し
ないものの場合、他部分域の構造は特に限定され
なく、例えば、代表的には開繊状態で交絡してい
る部分と認められる構造などであつてもよいもの
であり、さらには、開繊状態であつても交絡して
いるとは認められない開繊・非交絡部、開繊状態
とも交絡状態とも認められない非開繊・非交絡
部、あるいは非開繊・交絡部(多繊条糸A中だけ
で交絡している部分)等を有していてもよいもの
である。
多繊条糸Bは、糸軸方向に沿つて一部分域ない
は全域に開繊状態で交絡している構造を有するも
のであり、一部分域が該構造の場合、他部分域の
構造は特に限定されなく、撚等により集束してい
る部分であつたり、開繊状態であつても交絡して
いるとは認められない開繊・非開繊部、開繊状態
とも交絡状態とも認められない非開繊・非交絡
部、あるいは、非開繊・交絡部(自己の構成糸中
だけで交絡している部分)等であつてもよい。
しかして、開繊状態の部分の全領域・全部分に
おいて交絡しているものである必要は必ずしもな
く、もちろん該全領域において交絡しているもの
の他、たとえば、一区間の開繊状態部の間におい
て、非交絡部と交絡部が交互に存在するもの等で
あつてもよいものである。そしてさらに、該多繊
条糸Bも、撚を持つものの場合、撚の観点から見
れば、多繊条糸Aと同様に撚密度を異にする多数
種の部分を有する糸と一般に認められるものであ
つても差支えない。多繊条糸Bの、「開繊状態で
交絡している」とは、前述の如く自己の多繊条糸
を構成している繊維相互の間に他の糸ないしは他
の糸の構成繊維が存在している状態下にて交絡し
ていることであり、この開繊・交絡の相手糸に関
しては、該相手糸においてもその部分で開繊・交
絡していると認められる状態のものであつてもよ
く、またあるいは、該相手糸は集束、非開繊の状
態にあると認められる状態のものでもよい。さら
に該相手糸は、多繊条糸Aであつても、あるいは
第3の構成糸であつてもよいものである。
さらに本発明においては、前述の如く、上記多
繊条糸A,Bが同一の構成糸、つまり、ある構成
糸が多繊条糸A兼多繊条糸Bであつてもよく、こ
の場合、該構成糸は、、糸軸に沿つて撚密度を異
にする複数種の部分を有し、かつ糸軸に沿つて少
なくとも1部分に開繊状態で交絡している糸部分
を有する多繊条糸でなければならない。なおさら
に、この場合には他の構成糸は特に限定されず、
前記第3の構造の糸であつてよい。
本発明の複合糸がもつ効果について述べると、
従来撚斑糸の1本からなる糸に比べて、さらに各
種の特性を持つ付加価値の高いものと容易になし
得るものであるほか、構成糸相互が交絡している
糸部分を有するため撚密度を異にする複数種の部
分のある構成糸の撚斑を極めて減少しにくいもの
となすことができるものである。すなわち、たと
えば、撚を有している糸部分が他の構成糸にとり
「開繊状態」にて交絡をしている場合、該撚を有
している部分の撚は該交絡によつて直接束縛さ
れ、撚密度の変化はどのような作用を該糸が受け
ても極めて起りにくいものである。そしてまた、
そのような構成下において、該撚を有している糸
部分の糸軸方向に沿つての両側に撚密度差、それ
も本来互いに相殺など消滅されやすい撚密度差が
あつたとしても、そしてかつ、該両側の撚密度差
を有する糸部分は直接的には開繊・交絡はされて
いないものであつても、その間に上記の如き開
繊・交絡部分が存在するために該開繊・交絡部分
を通しては、そのような撚密度差が均一化されに
くいものである。
また、本発明の複合糸は、前述説明からも明ら
かなように、1本の構成糸において糸軸に沿つて
撚密度の異なる複数種の部分を有しているととも
に、開繊状態で交絡している糸部分をも有してい
ても差支えないものであるが、そのような開繊・
交絡部分の該糸の軸方向に沿つての両側に撚密度
差のある場合、それも本来互いに相殺など消滅さ
れやすい撚密度差があつたとしても、上記の場合
と同様に、そのような撚密度差は、該開繊・交絡
部を通して均一化されることが実質上ほとんどな
いのである。
本発明において、撚密度を異にする複数種の部
分は、交互撚によりもたらされるものである場合
が実際的であるし、またその場合が前述の如く生
産性等の面からも好ましいものである。
構成糸は、接・融着構造を全く持つていないも
のが望ましいと言えるが、本発明の構成を満足す
る限り内において多少の接・融着構造を構成糸が
持つていても差支えない。
本発明の複合糸において、開繊状態の部分イコ
ール無撚の部分を意味するものでは必ずしもな
く、特に交互撚糸が構成糸の場合などにおいて
は、該構成糸相互が自然に撚合わされる(セルフ
ツイスト)状態をなすことも多く、そのときに
は、該開繊状態部分にも、上撚、交互撚等により
撚が存在すると言えるものである。そして、ただ
し、そのような構造下にても糸のある部分につい
て開繊状態であるかどうかは、複合糸を見れば容
易に判断することができる。
本発明の複合糸は、前述の如く、1本の構成糸
において糸軸に沿つて撚密度を異にする複数種の
部分を有しているとともに、開繊状態で交絡して
いる糸部分をも有していても差支えないが、その
ような構成糸が複数本で複合糸を構成している場
合、撚を有する部分どうしが複合されている複合
糸部分は、それがS―S、S―Z、Z―Zの組合
せのいずれであつても撚糸としての効果が大き
く、またその部分は糸に丸みがなく糸軸方向に沿
つての形態的特徴が極立つているものである。ま
た、撚を有する部分と開繊・交絡部との複合糸部
分は、既述の如く、構成糸相互を交絡合体せしめ
るに効果が大きく、該部分は撚糸の効果をもつと
ともに糸がソフトである。そして、該部分は糸に
丸みがあり、上記撚の有る部分どうしの複合糸部
分は形態的にも差の大きいものである。さらに、
開繊・交絡部どうしの複合糸部分は、構成糸相互
を合体せしめるに効果が極めて大であり、やはり
上記撚の有る部分どうしの複合糸部分とは形態的
に差の大きいものである。
本発明の複合糸を製造する方法は、3本以上の
構成原糸を引き揃えて、流体噴射による交絡付与
装置に係合せしめ、構成原糸相互を交絡させて一
体化させて複合糸となすものである。
ここで、例えば3本以上の構成原糸のうち少な
くとも1本の構成原糸は糸軸に沿つて撚密度を異
にする複数種の部分を有する多繊条糸とし、また
少なくとも1本の構成原糸は少なくとも1部分に
無集束のマルチフイラメント糸の如く上記流体噴
射による交絡付与装置にて交絡を付与され得る状
態にある糸部分を有する多繊条糸とするものであ
る。既述の説明からも明らかく如く、ある構成原
糸がそのもの1本で、上記2種の多繊条糸を兼ね
ているものであつてもよい。
また、流体噴射による交絡付与装置は、走行糸
の糸軸に沿つて連続的に交絡を付与する機能を持
つたものでもよく、また間歇的に交絡を付与する
機能を持つたもつたものでもよい。さらに、交絡
以外の作用を合わせ持つたものでもよい。
全ての構成原糸のそれぞれが少なくとも1部分
に集束した糸部分を有し、かつ引き揃えられた構
成原糸の糸軸に沿つた同一部分に全ての構成原糸
のそれぞれの集束した糸部分が揃つた場合など、
連続的に交絡を付与する機能を持つた装置にて複
合糸を形成しても複合糸は間歇的に交絡を付与さ
れたものとなることがある。
3本以上の構成原糸を引き揃える際に、全ての
構成原糸又は一部の構成原糸をパツケージとして
準備してもよく、あるいは構成原糸を製造する工
程から連続して導いてもよい。
本発明の複合糸を製造するに際して、使用可能
な構成原糸の形態およびその構成原糸の製造方法
の態様例を分類して説明すると下記の如くなる。
(1):糸軸に沿つて撚密度の異なる複数種の部分を
有し、かつ糸軸に沿つた少なくとも1部分に交
絡を付与され得る状態にある糸部分を有する多
繊条糸(この糸は構成糸として多繊条糸A,B
のいずれにもなり得る): (1)―(1):交絡撚: (1)―(1)―(1):熱可塑性マルチフイラメント系
を高温、低張力のもとでスピンドル又は流
体により仮撚加工することにより得られる
もの。
該糸は未解撚部、無撚部、オーバー解撚
部、無撚部の順で繰返し交互撚が形成され
る。そして、その際、無撚部が融着してい
ない程度の仮撚加工温度とすることにより
得られるものである。
(1)―(1)―(2):熱可塑性マルチフイラメント系
を仮撚加工する際、仮撚数を変動させるこ
とにより得られるもの。
仮撚数を変動させる方法には、例えば流
体仮撚装置を用いて供給流体圧力を変動さ
せるとか、スピンドル仮撚装置を用いてス
ピンドルの回転数を変動させるとか、摩擦
仮撚装置を用いて、糸との係合状態又は糸
張力を変動させるとか、またあるいは、仮
撚加撚域の長さを変動させる等の手段があ
る。
該糸は、撚密度変化のなだらかな糸とな
り、撚密度変化周期も一般には長周期のも
のとなる。
(1)―(2):一方向撚: (1)―(2)―(1):マルチフイラメント系を撚糸機
にて施撚する際に、糸速を変動させること
により得られるもの。そして、その際、糸
速の最も高い部分において実質的無撚にな
る程度とすることにより得られものであ
る。
(1)―(2)―(2):融着程度の弱い交互撚を持つ仮
撚加工されたマルチフイラメント系を未解
撚部の撚方向に追撚してオーバー解撚部を
実質的無撚にすることにより得られるも
の。
(2) 糸軸に沿つて撚密度の異なる複数種の部分を
有し、かつ交絡を付与され得る糸部分を実質的
に持たない多繊条糸(この糸は構成糸として多
繊条糸Aになり得る): (2)―(1):交互撚: (2)―(1)―(1):(1)―(1)―(1)において無撚部が融
着している程度に高温の仮撚加工を行なう
ことにより得られるもの。
(2)―(1)―(2):熱可塑性マルチフイラメント系
を高温、低張力のもとで摩擦仮撚加工を行
なうことにより得られるもの。
無撚部を実質的に持たない交互撚糸が得
られる。
(2)―(2):一方向撚: (2)―(2)―(1):(1)―(2)―(1)において、糸速の最
も高い部分においても実質的有撚になる程
度とすることにより得られるもの。
(2)―(2)―(2):仮撚加工によつて製造された交
絡撚糸を、オーバー解撚部が未解撚方向の
撚を持つまで追撚することにより得られる
もの。
(3):糸軸に沿つて撚密度変化を実質的に持たず、
かつ糸軸に沿つて少なくとも1部分に交絡を付
与され得る状態にある糸部分を有する多繊条糸
(この糸は構成糸として多繊条糸Bになり得
る): (3)―(1):連続的: (3)―(1)―(1):通常のマルチフイラメント系。
(3)―(1)―(2):通常の仮撚加工糸。
(3)―(2):間歇的: (3)―(2)―(1):マルチフイラメント糸を間歇的
に交絡せしめた糸。
(3)―(2)―(2):熱可塑性マルチフイラメント系
を間歇的に融着せしめた糸。
(4) 糸軸に沿つて撚密度変化を実質的に持たず、
かつ交絡を付与され得る糸部分を実質的に持た
ない糸(この糸は構成糸として前記第3の構造
の糸となる): (4)―(1):モノフイラメント糸 (4)―(2):融着マルチフイラメント糸 熱可塑性マルチフイラメント糸を高温、低
撚、高張力のもとで仮撚加工して得ることが
できるものである。
(4)―(3):マルチフイラメント糸を連続的に交絡
せしめた糸。構成繊維の一部がループを形成
することが多い。
(4)―(4):通常紡績糸やマルチフイラメント撚糸
の如く実質的に撚密度変化のない撚糸。
(4)―(5):糸条を細かく鎖編した糸。
上記のそれぞれは本発明の複合糸を製造するに
際して、使用することのできる構成原糸の一例を
単に示したものであり、これに限定されるもので
はない。
事実、いかなる糸条も上記4つの大分類のいず
れかに属するものであるから、いかなる糸条も本
発明の複合糸を製造するための構成原糸となり得
るのである。
[発明の効果] 以上述べた通りの本発明によれば、交絡複合化
することにより、従来には得られなかつた優れた
特質を有する撚斑糸が得られるものである。
本発明の糸によれば、布帛にて撚糸の風合と撚
密度の異なる複数種の部分の存在に起因する糸斑
が織り成す独特の模様を、十二分に所望の効果ど
うりに発揮することができるものである。
また上述の通り、本発明の複合糸は、従来撚斑
糸の1本からなる糸に比べて、さらに各種の特性
を持つ付加価値の高いものと容易になし得るもの
であるほか、構成糸相互が交絡している糸部分を
有するため撚密度を異にする複数種の部分のある
構成糸の撚斑を極めて減少しにくいものとなすこ
とができる。
[実施例] 以下、実施例に基づき、本発明の複合糸の具体
的構成、効果について説明をする。
実施例 1 繊度1.5d、平均繊維長102mmのPET(ポリエチ
レンテレフタレート)ステープル繊維よりなる太
さ5m/gの繊維束(粗糸)を特殊4線式ドラフ
ト装置(第1線(フロントローラ)のトツプロー
ラは直径35mm、幅30mmで、幅方向の中央15mmが半
周分だけ切り欠いてあり、間歇的にニツプする。
第2線と第4線の間でドラフトし、第3線は中ぬ
きエプロンローラである)にて20倍にドラフト
し、第1線から送出されてくる繊維束を流体噴射
仮撚装置にて仮撚した。流体噴射仮撚装置と第2
線との間が仮撚加撚域となり、第1線は仮撚加撚
域の中間を間歇的にニツプする。
しかして流体噴射仮撚装置から出てくる繊維束
は、前記(1)―(1)に分類される繊維束となつてい
る。
次いで、該繊維束と別に準備した2つのパツケ
ージから導いた糸とを合流せしめ流体噴射間歇交
絡装置にて交絡を付与し、次いで引取ローラにて
引取り巻取つた。
該パツケージの糸としては、次の2種類を用い
た。
(1) モノフイラメント糸(20D) (2) マルチフイラメント糸(75D―36fil)素材は
PETである。
得られた本発明にかかる複合糸は、上撚の形で
約100mm周期の弱い交互撚を有していて、張力を
加えると上撚の交互撚は変化するが、構成糸とな
つているステープル繊維束の交互撚はほとんど変
化することはなかつた。
実施例 2 流体噴射仮撚装置を備えた仮撚加工装置を3錘
1組で用い、それぞれの錘でPET・50D―24filを
120m/分の速度で仮撚加工した。流体噴射仮撚
装置への圧空は2秒間供給1秒間停止の間歇噴射
とし、3錘は互いに1秒間位相を異にする。
3錘によつて加工された各々の糸は、前記(1)―
(1)―(2)に分類される繊維束である。
次いで、3錘によつて加工された糸を引き揃
え、流体噴射間歇交絡装置にて交絡を付与して複
合糸を形成した。
各構成糸は、6m周期の交互撚糸であり、複合
糸は2mの周期の糸形態斑を有したものである。
交絡は複合糸全長に周期的20mmの間歇交絡で、特
に長い部分連続して交絡されていないという箇所
はなかつた。
実施例 3 PET・75D―36filよりなる前記(2)―(1)―(2)に分
類される構成原糸2本とナイロン40D―10filより
なる前記(3)―(1)―(2)に分類される構成原糸とを引
き揃えて流体噴射間歇交絡装置にて交絡を付与し
て複合糸となした。
流体噴射間歇交絡装置は、直径2.5mm、長さ30
mmの筒状糸通過孔の中央に直径0.7mmの流体噴射
孔が2孔対向して設けてあり、3Kg/cm2G.の圧
空を供給して実施した。
交絡は10〜20mm周期の間歇交絡であり、非交絡
部分も前記開繊状態である部分が多く、PETの
構成糸をナイロンの構成糸が被覆しているもので
あつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の複合糸の1例構造をモデル
的に説明した外観概略図である。 1:構成糸、2:構成糸、3:構成糸、4:複
合糸部分、5:複合糸部分、6:複合糸部分、
7:複合糸部分、8:複合糸部分、9:複合糸部
分。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 少なくとも3本の構成糸よりなる複合系であ
    つて、そのうちの少なくとも1本の構成糸Aは多
    繊条糸でありかつ糸軸に沿つて撚密度が他の部分
    の撚密度とは実質的に異なつた複数の部分が少な
    くとも存在する糸条であり、かつ、該複合糸は、
    全ての構成糸がそのうちの少なくとも1本の多繊
    条糸である構成糸Bの有する開繊部分により互い
    に交絡絡合されて一体化せしめられてなる複合糸
    構造部分を有するものであることを特徴とする複
    合糸。
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