JPH1121734A - スパンライク糸およびその製造方法 - Google Patents
スパンライク糸およびその製造方法Info
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- JPH1121734A JPH1121734A JP19790497A JP19790497A JPH1121734A JP H1121734 A JPH1121734 A JP H1121734A JP 19790497 A JP19790497 A JP 19790497A JP 19790497 A JP19790497 A JP 19790497A JP H1121734 A JPH1121734 A JP H1121734A
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- spun
- loops
- multifilament
- loop
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- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】高次通過性が良好で、十分なスパンタッチと膨
らみを有するスパンライク糸を高効率で製造できるスパ
ンライク糸とその製造方法を提供する。 【解決する手段】マルチフィラメント糸使いの仮ヨリ捲
縮糸である絡みやループを有するスパンライク糸におい
て、全ループ数に対する閉ループ数の割合が0.5〜
0.99であるスパンライク糸であり、マルチフィラメ
ント糸を下記式の仮ヨリ数Tの条件で仮ヨリした後、 【数1】 (ただし、Dは仮ヨリされるマルチフィラメント糸のデ
ニール)糸道とエアーホールのなす角度θが好ましくは
20〜40度のノズルを使用して流体加工することによ
り製造できる。
らみを有するスパンライク糸を高効率で製造できるスパ
ンライク糸とその製造方法を提供する。 【解決する手段】マルチフィラメント糸使いの仮ヨリ捲
縮糸である絡みやループを有するスパンライク糸におい
て、全ループ数に対する閉ループ数の割合が0.5〜
0.99であるスパンライク糸であり、マルチフィラメ
ント糸を下記式の仮ヨリ数Tの条件で仮ヨリした後、 【数1】 (ただし、Dは仮ヨリされるマルチフィラメント糸のデ
ニール)糸道とエアーホールのなす角度θが好ましくは
20〜40度のノズルを使用して流体加工することによ
り製造できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スパン調の織物ま
たは編物等の繊維構造物に用いられるスパンライク糸お
よびその製造方法に関するものである。
たは編物等の繊維構造物に用いられるスパンライク糸お
よびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、マルチフィラメント糸にスパンラ
イクな風合、触感を与えるためにタスラン加工が行なわ
れてきた。しかしながら、従来行なわれてきたタスラン
加工糸においては、オーバーフィード率を上げるとスパ
ン感は向上するが、大きなループが形成されるため、後
加工での解舒性や高次通過性を悪化させるという欠点が
あった。また、従来のタスラン加工では、糸速を上げて
いくと、大きなループが増えること、および加工安定性
が落ちる等の理由で高速での加工は困難であった。
イクな風合、触感を与えるためにタスラン加工が行なわ
れてきた。しかしながら、従来行なわれてきたタスラン
加工糸においては、オーバーフィード率を上げるとスパ
ン感は向上するが、大きなループが形成されるため、後
加工での解舒性や高次通過性を悪化させるという欠点が
あった。また、従来のタスラン加工では、糸速を上げて
いくと、大きなループが増えること、および加工安定性
が落ちる等の理由で高速での加工は困難であった。
【0003】また、特公昭62−33333号公報にお
いては、次式の仮ヨリ数Tで仮ヨリ後、
いては、次式の仮ヨリ数Tで仮ヨリ後、
【0004】
【数4】 (ただし、Dは仮ヨリされるマルチフィラメント糸のデ
ニール)0.02〜0.1g/dで緊張し、液体を含浸
させ流体加工する方法が提案されている。しかしなが
ら、この方法では、流体加工を施す際に、水等の液体を
付与しているためノズル洗浄周期が短くなり、また高速
加工の効果も十分とはいえず、コストタウンの効果は十
分とはいえない。
ニール)0.02〜0.1g/dで緊張し、液体を含浸
させ流体加工する方法が提案されている。しかしなが
ら、この方法では、流体加工を施す際に、水等の液体を
付与しているためノズル洗浄周期が短くなり、また高速
加工の効果も十分とはいえず、コストタウンの効果は十
分とはいえない。
【0005】また、特開昭63−315632号公報に
は、0.5mm以下の微小ループ毛羽数が全ループ数の
90%以上であることを特徴とする複合糸が提案されて
いる。しかしながら、特開昭63−315632号公報
に開示されている複合糸は、0.5mm以下のループが
全部ループの90%以上であるために、スパン感に影響
する0.7mm以上のループ数が少なく、スパン感が十
分ではなかった。
は、0.5mm以下の微小ループ毛羽数が全ループ数の
90%以上であることを特徴とする複合糸が提案されて
いる。しかしながら、特開昭63−315632号公報
に開示されている複合糸は、0.5mm以下のループが
全部ループの90%以上であるために、スパン感に影響
する0.7mm以上のループ数が少なく、スパン感が十
分ではなかった。
【0006】さらに、特開平8−113836号公報に
は、単糸繊度の異なる2種類以上のポリアミドマルチフ
ィラメント糸を仮ヨリし、芯糸より15%以上オーバー
フィードをかけてエアジェット加工し、ループ毛羽を1
00個/m以上形成させる方法が提案されている。この
特開平8−113836号公報に開示されている複合糸
の場合は、2種類以上のマルチフィラメント糸を仮ヨリ
加工後に流体処理するため、3本給糸できる特殊な設備
または2種類以上のマルチフィラメント糸からなる特殊
な原糸が必要であり、コストアップの要因となるもので
あった。
は、単糸繊度の異なる2種類以上のポリアミドマルチフ
ィラメント糸を仮ヨリし、芯糸より15%以上オーバー
フィードをかけてエアジェット加工し、ループ毛羽を1
00個/m以上形成させる方法が提案されている。この
特開平8−113836号公報に開示されている複合糸
の場合は、2種類以上のマルチフィラメント糸を仮ヨリ
加工後に流体処理するため、3本給糸できる特殊な設備
または2種類以上のマルチフィラメント糸からなる特殊
な原糸が必要であり、コストアップの要因となるもので
あった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高次
通過性が良好で、かつ十分なスパンタッチと膨らみを有
するスパンライク糸を提供することにある。
通過性が良好で、かつ十分なスパンタッチと膨らみを有
するスパンライク糸を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、高効率で上記スパン
ライク糸を製造する方法を提供することにある。
ライク糸を製造する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
せんとするものであって、本発明のスパンライク糸は、
1本以上のマルチフィラメント糸からなり、その内の少
なくとも1本が仮ヨリ捲縮糸である絡みやループを有す
るスパンライク糸において、下記式(1)、(2)を満
足するループを有することを特徴とするものであり、本
発明においては、前記全ループ数が250〜700個/
mであることが好ましい。
せんとするものであって、本発明のスパンライク糸は、
1本以上のマルチフィラメント糸からなり、その内の少
なくとも1本が仮ヨリ捲縮糸である絡みやループを有す
るスパンライク糸において、下記式(1)、(2)を満
足するループを有することを特徴とするものであり、本
発明においては、前記全ループ数が250〜700個/
mであることが好ましい。
【0010】
【数5】 (ただし、ループの大きさ均一度は、次式(3)の値の
最大値とする)
最大値とする)
【0011】
【数6】 さらに本発明のスパンライク糸においては、前記仮ヨリ
捲縮糸が鞘糸として主に糸条外側に位置し、主として糸
条内側に、該鞘糸の沸収より大きい沸収を有する芯糸が
配置されている複合糸構造を有することが好ましい実施
態様として含まれる。
捲縮糸が鞘糸として主に糸条外側に位置し、主として糸
条内側に、該鞘糸の沸収より大きい沸収を有する芯糸が
配置されている複合糸構造を有することが好ましい実施
態様として含まれる。
【0012】また、本発明のスパンライク糸の製造方法
は、マルチフィラメント糸を流体加工してなるスパンラ
イク糸の製造方法において、該マルチフィラメント糸を
下記式(4)の仮ヨリ数Tの条件で仮ヨリした後、
は、マルチフィラメント糸を流体加工してなるスパンラ
イク糸の製造方法において、該マルチフィラメント糸を
下記式(4)の仮ヨリ数Tの条件で仮ヨリした後、
【0013】
【数7】 (ただし、Dは仮ヨリされるマルチフィラメント糸のデ
ニール)ノズルを使用して流体加工することを特徴とす
るもので、本発明では、この流体ノズルとして、糸道と
エアーホールのなす角度θが20〜40度のノズルを使
用して流体加工すること、および仮ヨリされたマルチフ
ィラメント糸Aのノズルへのオーバーフィード率を20
〜90%とし、他のマルチフィラメント糸Bのオーバー
フィード率を7〜15%として、仮ヨリ加撚部または仮
ヨリノズルに供給することが好ましい実施態様として包
含される。
ニール)ノズルを使用して流体加工することを特徴とす
るもので、本発明では、この流体ノズルとして、糸道と
エアーホールのなす角度θが20〜40度のノズルを使
用して流体加工すること、および仮ヨリされたマルチフ
ィラメント糸Aのノズルへのオーバーフィード率を20
〜90%とし、他のマルチフィラメント糸Bのオーバー
フィード率を7〜15%として、仮ヨリ加撚部または仮
ヨリノズルに供給することが好ましい実施態様として包
含される。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のスパンライク糸の構成
は、1本以上のマルチフィラメント糸からなり、その内
の少なくとも1本が仮ヨリ捲縮糸である絡みやループを
有するスパンライク糸であって、全ループ数に対する閉
ループ数の割合が0.5〜0.99で、かつループの大
きさ均一度が0.6〜0.9(ただし、ループの大きさ
均一度は、任意の大きさ±0.15mmのループ数/全
ループ数の最大値とする。)であることを特徴とするも
ので、スパン感を表現するには、0.7mm以上のルー
プが多い方がよい。しかしながら、1.5mm以上の大
きさのループは、解舒性、製織性等の高次通過性を悪化
させるため、できるかぎり少ない方が好ましい。開ルー
プは一般的に閉ループに比べ大きさのバラツキが大き
い。開ループの割合が多い従来の糸条の場合、スパン感
を出すために0.7mm以上のループを増やすと必然的
に1.5mm以上のループも増加してしまい、高次通過
性が悪化する。
は、1本以上のマルチフィラメント糸からなり、その内
の少なくとも1本が仮ヨリ捲縮糸である絡みやループを
有するスパンライク糸であって、全ループ数に対する閉
ループ数の割合が0.5〜0.99で、かつループの大
きさ均一度が0.6〜0.9(ただし、ループの大きさ
均一度は、任意の大きさ±0.15mmのループ数/全
ループ数の最大値とする。)であることを特徴とするも
ので、スパン感を表現するには、0.7mm以上のルー
プが多い方がよい。しかしながら、1.5mm以上の大
きさのループは、解舒性、製織性等の高次通過性を悪化
させるため、できるかぎり少ない方が好ましい。開ルー
プは一般的に閉ループに比べ大きさのバラツキが大き
い。開ループの割合が多い従来の糸条の場合、スパン感
を出すために0.7mm以上のループを増やすと必然的
に1.5mm以上のループも増加してしまい、高次通過
性が悪化する。
【0015】また、本発明において、全ループ数に対す
る閉ループ数の割合が0.5〜0.99である本発明の
スパンライク糸は、ループの大きさのバラツキが小さい
ため、スパン感と高次通過性の両方の特性を有する。
る閉ループ数の割合が0.5〜0.99である本発明の
スパンライク糸は、ループの大きさのバラツキが小さい
ため、スパン感と高次通過性の両方の特性を有する。
【0016】本発明において閉ループとは、繊維が輪状
をなしループを形成したとき、その根元部分の繊維が交
叉差または捩じれにより閉じられている状態のループを
いい、具体的には図5のようなループを指す。また、開
ループは、同様に繊維が輪状をなしループを形成したと
き、その根元部分の繊維が交叉することなく閉じられて
いない状態のループをいい、具体的には図6のようなル
ープを指す。
をなしループを形成したとき、その根元部分の繊維が交
叉差または捩じれにより閉じられている状態のループを
いい、具体的には図5のようなループを指す。また、開
ループは、同様に繊維が輪状をなしループを形成したと
き、その根元部分の繊維が交叉することなく閉じられて
いない状態のループをいい、具体的には図6のようなル
ープを指す。
【0017】また、本発明では、ループの大きさは、次
のようにして測定することができる。東レ株式会社製毛
羽計数装置(MODEL DT−104)でS型検出部
を用い、計数値を毛羽長設定目盛り(mm)ゼロから測
定していき、その計数値が最大になる部分を糸条表面と
し、そこからの距離(mm)をループの大きさとする。
のようにして測定することができる。東レ株式会社製毛
羽計数装置(MODEL DT−104)でS型検出部
を用い、計数値を毛羽長設定目盛り(mm)ゼロから測
定していき、その計数値が最大になる部分を糸条表面と
し、そこからの距離(mm)をループの大きさとする。
【0018】本発明のスパンライク糸は、閉ループと開
ループを合わせた全ループ数が250〜700個/mで
あると、スパン感および高次通過性がさらに優れるため
好ましい。全ループ数が少なくなると高次通過性は増す
がスパン感が不足し、また全ループ数が多くなるとスパ
ン感は増すが高次通過性に課題を残す傾向を示す。
ループを合わせた全ループ数が250〜700個/mで
あると、スパン感および高次通過性がさらに優れるため
好ましい。全ループ数が少なくなると高次通過性は増す
がスパン感が不足し、また全ループ数が多くなるとスパ
ン感は増すが高次通過性に課題を残す傾向を示す。
【0019】また本発明のスパンライク糸は、仮ヨリ捲
縮糸が鞘糸として主に糸条外側に位置し、主として糸条
内側に、その鞘糸の沸収より大きい沸収を有する芯糸が
配置されている複合糸構造であると、糸条へのふくらみ
がより増すため好ましい。
縮糸が鞘糸として主に糸条外側に位置し、主として糸条
内側に、その鞘糸の沸収より大きい沸収を有する芯糸が
配置されている複合糸構造であると、糸条へのふくらみ
がより増すため好ましい。
【0020】次に、上記本発明のスパンライク糸の製造
方法を図面に基づいて説明する。
方法を図面に基づいて説明する。
【0021】図1は、本発明のスパンライク糸の製造方
法の一例を説明するための概略工程図であり、図2は、
本発明で用いられるノズルの一例を説明する概念図であ
る。
法の一例を説明するための概略工程図であり、図2は、
本発明で用いられるノズルの一例を説明する概念図であ
る。
【0022】本発明のスパンライク糸は、熱可塑性合成
繊維マルチフィラメント糸Aを次の一般式(4)の仮ヨ
リ数Tの範囲で仮ヨリ後、
繊維マルチフィラメント糸Aを次の一般式(4)の仮ヨ
リ数Tの範囲で仮ヨリ後、
【0023】
【数8】 (ただし、Dは仮ヨリされるマルチフィラメント糸のデ
ニール)糸道とエアーホールのなす角度θが、好ましく
は20〜40度の範囲のノズルを使って流体乱流加工す
ることにより得られる。
ニール)糸道とエアーホールのなす角度θが、好ましく
は20〜40度の範囲のノズルを使って流体乱流加工す
ることにより得られる。
【0024】図1において、鞘糸原糸2はフィードロー
ラー3によって導かれ、フィードローラー3と6の間
で、ヒーター4により加熱されツイスター5で仮ヨリを
施された後、別にフィードローラー9から供給される芯
糸原糸1と共にノズル7に供給されて流体処理され、フ
ィードローラー8を経て、巻取パッケージ10に巻き取
られる。
ラー3によって導かれ、フィードローラー3と6の間
で、ヒーター4により加熱されツイスター5で仮ヨリを
施された後、別にフィードローラー9から供給される芯
糸原糸1と共にノズル7に供給されて流体処理され、フ
ィードローラー8を経て、巻取パッケージ10に巻き取
られる。
【0025】このように図1の態様においては、芯糸原
糸1(マルチフィラメント糸B)と鞘糸原糸2(マルチ
フィラメント糸A)は同時にノズル7に供給されている
が、本発明の他の実施態様として、芯糸原糸1と鞘糸原
糸2は、仮ヨリ加撚部、すなわち図1で示すとフィード
ローラー3とツイスター5の間で供給することもでき
る。
糸1(マルチフィラメント糸B)と鞘糸原糸2(マルチ
フィラメント糸A)は同時にノズル7に供給されている
が、本発明の他の実施態様として、芯糸原糸1と鞘糸原
糸2は、仮ヨリ加撚部、すなわち図1で示すとフィード
ローラー3とツイスター5の間で供給することもでき
る。
【0026】本発明において、一般式(4)の仮ヨリ数
Tが7000/D1/2 より小さいと、仮ヨリによる乱流
加工安定化の効果が少なく、また糸形態も本発明で意図
する糸条とは異なり開ループが多くなる。一方、仮ヨリ
数Tが27000/D1/2 より大きくなると、糸条の絡
みが悪化して鞘糸のずれ等が発生し、また鞘糸がループ
を形成せず、波状の形のままとなりってスパン感が不足
する。
Tが7000/D1/2 より小さいと、仮ヨリによる乱流
加工安定化の効果が少なく、また糸形態も本発明で意図
する糸条とは異なり開ループが多くなる。一方、仮ヨリ
数Tが27000/D1/2 より大きくなると、糸条の絡
みが悪化して鞘糸のずれ等が発生し、また鞘糸がループ
を形成せず、波状の形のままとなりってスパン感が不足
する。
【0027】また、本発明の流体処理加工で用いられる
ノズルの一例が図2に例示される。糸条は、糸道11を
通過中に、エアーホール12から吐出される流体により
乱流加工され、繊維が相互交絡される。
ノズルの一例が図2に例示される。糸条は、糸道11を
通過中に、エアーホール12から吐出される流体により
乱流加工され、繊維が相互交絡される。
【0028】本発明では種々の形状のノズルを使用でき
るが、本発明の実施においては、図2に示す糸道11と
エアーホール12のなす角度θ(ノズルエアホールの角
度)が20〜40度である。角度θが20度より小さい
と、糸条が絡まずノズル出口に糸が吹上げ加工が困難に
なることがある。また、角度θが40度より大きいと、
糸を吸い込む能力が小さいため、高速加工ができない。
ちなみに市販の一般的なノズルは、ノズルエアホールの
角度が大きく、高速加工ができない。
るが、本発明の実施においては、図2に示す糸道11と
エアーホール12のなす角度θ(ノズルエアホールの角
度)が20〜40度である。角度θが20度より小さい
と、糸条が絡まずノズル出口に糸が吹上げ加工が困難に
なることがある。また、角度θが40度より大きいと、
糸を吸い込む能力が小さいため、高速加工ができない。
ちなみに市販の一般的なノズルは、ノズルエアホールの
角度が大きく、高速加工ができない。
【0029】また、本発明においては、仮ヨリ加工され
たマルチフィラメント糸Aが20〜90%、そしてマル
チフィラメント糸Bが7〜15%のオーバーフィート率
でノズルに供給され乱流加工を施されると、スパン感に
優れたスパンライク加工糸が安定して得られるので好ま
しい。
たマルチフィラメント糸Aが20〜90%、そしてマル
チフィラメント糸Bが7〜15%のオーバーフィート率
でノズルに供給され乱流加工を施されると、スパン感に
優れたスパンライク加工糸が安定して得られるので好ま
しい。
【0030】マルチフィラメント糸Aのオーバーフィー
ト率が20%より少ないと、スパン感がもの足りず、9
0%より大きくなるとムラが発生する傾向を示す。ま
た、マルチフィラメント糸Bのオーバーフィート率が7
%より小さくなると絡みが悪く、15%を超えると高次
加工の際、ループが破壊されムラが発生することがあ
る。
ト率が20%より少ないと、スパン感がもの足りず、9
0%より大きくなるとムラが発生する傾向を示す。ま
た、マルチフィラメント糸Bのオーバーフィート率が7
%より小さくなると絡みが悪く、15%を超えると高次
加工の際、ループが破壊されムラが発生することがあ
る。
【0031】図3は、本発明のスパンライク糸の糸条形
態を説明するための模式図であり、閉ループ13が多
く、しかも大きさ略均等である。これに対し、図4に示
される従来のタスラン加工糸の場合は、全体としてルー
プが大きく、しかも大きい開ループが多く存在してい
る。
態を説明するための模式図であり、閉ループ13が多
く、しかも大きさ略均等である。これに対し、図4に示
される従来のタスラン加工糸の場合は、全体としてルー
プが大きく、しかも大きい開ループが多く存在してい
る。
【0032】本発明においては、全ループ数に対する閉
ループ数の割合が0.5〜0.99、かつループの大き
さ均一度が0.6〜0.9(ただし、ループの大きさ均
一度は、任意の大きさ±0.15mmのループ数/全ル
ープ数の最大値とする。)であり、ループの大きさのバ
ラツキが小さいため、スパン感に影響する0.7mm以
上のループの数を増やし、かつ高次通過性に影響する
1.5mm以上のループの数をおさえることが容易であ
る。したがって、本発明ではスパン感と高次通過性の両
立が可能となる。
ループ数の割合が0.5〜0.99、かつループの大き
さ均一度が0.6〜0.9(ただし、ループの大きさ均
一度は、任意の大きさ±0.15mmのループ数/全ル
ープ数の最大値とする。)であり、ループの大きさのバ
ラツキが小さいため、スパン感に影響する0.7mm以
上のループの数を増やし、かつ高次通過性に影響する
1.5mm以上のループの数をおさえることが容易であ
る。したがって、本発明ではスパン感と高次通過性の両
立が可能となる。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例で説明するが、本発明
はこれら実施例に限定されない。
はこれら実施例に限定されない。
【0034】(実施例1)芯糸に70d−34fのポリ
アミドマルチフィラメント糸を、また鞘糸に70d−6
8fのポリアミドマルチフィラメント糸を用いて、図1
の工程にしたがい、表1の条件で加工したところ、図3
に示される構造の加工糸が得られた。得られた加工糸の
ループ数は表1のようになった。なお、開ループ、閉ル
ープ(スナール状ループを含む)の割合は、糸形態を写
真撮影して測定した。
アミドマルチフィラメント糸を、また鞘糸に70d−6
8fのポリアミドマルチフィラメント糸を用いて、図1
の工程にしたがい、表1の条件で加工したところ、図3
に示される構造の加工糸が得られた。得られた加工糸の
ループ数は表1のようになった。なお、開ループ、閉ル
ープ(スナール状ループを含む)の割合は、糸形態を写
真撮影して測定した。
【0035】この複合加工糸を緯糸に使用し、経糸に7
0d−34fのポリアミドマルチフィラメント糸を用い
て、経密度120本/インチ、緯密度76本/インチで
平織に製織し、通常の染め仕上げを行なったところ、高
次通過性、解舒性が優れていた。また得られた織物は、
スパン感があるものであった。結果を表1に示す。
0d−34fのポリアミドマルチフィラメント糸を用い
て、経密度120本/インチ、緯密度76本/インチで
平織に製織し、通常の染め仕上げを行なったところ、高
次通過性、解舒性が優れていた。また得られた織物は、
スパン感があるものであった。結果を表1に示す。
【0036】(比較例1、2)仮ヨリ数、ノズルエアー
ホールの角度を表2のとおり代えて、実施例1と同様に
の条件で加工し、同様にして染め仕上げ加工したとこ
ろ、得られた織物はスパン感に欠けるものであった。結
果を表1に示す。
ホールの角度を表2のとおり代えて、実施例1と同様に
の条件で加工し、同様にして染め仕上げ加工したとこ
ろ、得られた織物はスパン感に欠けるものであった。結
果を表1に示す。
【0037】(実施例2)実施例1と同様に表1に示し
た条件で加工し、同様に染め仕上げ加工したところ、ス
パン感に優れる織物が得られた。結果を表1に示す。
た条件で加工し、同様に染め仕上げ加工したところ、ス
パン感に優れる織物が得られた。結果を表1に示す。
【0038】(比較例3)表1に示した条件で従来のタ
スラン加工を行なったところ、図3に示される構造の加
工糸が得られた。これを用いて実施例1と同様に製織
し、仕上げ加工した結果を表1に示す。
スラン加工を行なったところ、図3に示される構造の加
工糸が得られた。これを用いて実施例1と同様に製織
し、仕上げ加工した結果を表1に示す。
【0039】
【表1】 (a) スパン感−− ◎:ある、 ○:ややある、 ×:
なし (b) 高次通過性− ◎:良、 ○:普通、 △:やや悪
い
なし (b) 高次通過性− ◎:良、 ○:普通、 △:やや悪
い
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、次の効果が得られる。 A.全ループ数に対する閉ループ数の割合が0.5〜
0.99(ただし、ループの大きさ均一度は、任意の大
きさ±0.15mmのループ数/全ループ数の最大値と
する。)であるため、ループの大きさのバラツキが少な
くなる。 B.全部ループ数が250〜700個/mであるとスパ
ン感と高次通過性のバランスがより優れたものとなる。 C.芯糸の沸収が鞘糸の沸収より大きいと、染め仕上げ
後に沸収差で鞘糸が浮き上がりよりふくらみのある風合
いが得られる。 D.仮ヨリ数Tを特定して仮ヨリし、θを特定したノズ
ルで流体加工することにより、高速かつ安定して、スパ
ン感、高次通過性に優れた糸条を得ることができる。 E.芯糸のオーバーフィート率が7〜15%で、鞘糸の
オーバーフィート率が20〜90%であれば、スパン感
に優れた、張力がかかった際にもループが破壊されない
安定した糸条を得ることができる。
0.99(ただし、ループの大きさ均一度は、任意の大
きさ±0.15mmのループ数/全ループ数の最大値と
する。)であるため、ループの大きさのバラツキが少な
くなる。 B.全部ループ数が250〜700個/mであるとスパ
ン感と高次通過性のバランスがより優れたものとなる。 C.芯糸の沸収が鞘糸の沸収より大きいと、染め仕上げ
後に沸収差で鞘糸が浮き上がりよりふくらみのある風合
いが得られる。 D.仮ヨリ数Tを特定して仮ヨリし、θを特定したノズ
ルで流体加工することにより、高速かつ安定して、スパ
ン感、高次通過性に優れた糸条を得ることができる。 E.芯糸のオーバーフィート率が7〜15%で、鞘糸の
オーバーフィート率が20〜90%であれば、スパン感
に優れた、張力がかかった際にもループが破壊されない
安定した糸条を得ることができる。
【図1】 本発明のスパンライク糸の製造方法の一例を
説明するための概略工程図。
説明するための概略工程図。
【図2】 本発明で用いられるノズルの一例を説明する
概念図。
概念図。
【図3】 本発明のスパンライク糸の糸条形態を説明す
るための模式図。
るための模式図。
【図4】 従来のタスラン加工糸の糸条形態を説明する
ための模式図。
ための模式図。
【図5】 閉ループを例示する模式図。
【図6】 他のループを例示する模式図。
1・・・芯糸原糸 2・・・鞘糸原糸 3・・・フィードローラー 4・・・ヒーター 5・・・ツイスター 6・・・フィードローラー 7・・・ノズル 8・・・フィードローラー 9・・・フィードローラー 10・・巻取パッケージ 11・・糸道 12・・エアーホール 13・・閉ループ 14・・開ループ
Claims (6)
- 【請求項1】 1本以上のマルチフィラメント糸からな
り、その内の少なくとも1本が仮ヨリ捲縮糸である絡み
やループを有するスパンライク糸において、下記式
(1)、(2)を満足するループを有することを特徴と
するスパンライク糸。 【数1】 (ただし、ループの大きさ均一度は、次式(3)の値の
最大値とする) 【数2】 - 【請求項2】 前記全ループ数が250〜700個/m
であることを特徴とする請求項1記載のスパンライク
糸。 - 【請求項3】 前記仮ヨリ捲縮糸が鞘糸として主に糸条
外側に位置し、主として糸条内側に、該鞘糸の沸収より
大きい沸収を有する芯糸が配置されている複合糸構造を
有することを特徴とする請求項1または2記載のスパン
ライク糸。 - 【請求項4】 マルチフィラメント糸を流体加工してな
るスパンライク糸の製造方法において、該マルチフィラ
メント糸を下記式(4)の仮ヨリ数Tの条件で仮ヨリし
た後、 【数3】 (ただし、Dは仮ヨリされるマルチフィラメント糸のデ
ニール)ノズルを使用して流体加工することを特徴とす
るスパンライク糸の製造方法。 - 【請求項5】 糸道とエアーホールのなす角度θが20
〜40度のノズルを使用して流体加工することを特徴と
する請求項4記載のスパンライク糸の製造方法。 - 【請求項6】 仮ヨリされたマルチフィラメント糸Aの
ノズルへのオーバーフィード率を20〜90%とし、他
のマルチフィラメント糸Bのオーバーフィード率を7〜
15%として、仮ヨリ加撚部または仮ヨリノズルに供給
することを特徴とする請求項5記載のスパンライク糸の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19790497A JPH1121734A (ja) | 1997-07-08 | 1997-07-08 | スパンライク糸およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19790497A JPH1121734A (ja) | 1997-07-08 | 1997-07-08 | スパンライク糸およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1121734A true JPH1121734A (ja) | 1999-01-26 |
Family
ID=16382220
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19790497A Pending JPH1121734A (ja) | 1997-07-08 | 1997-07-08 | スパンライク糸およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1121734A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1024063A2 (en) | 1999-01-29 | 2000-08-02 | Nissan Motor Co., Ltd. | Vehicle bumper and hood airbag system |
JP2020139246A (ja) * | 2019-02-28 | 2020-09-03 | 東レ株式会社 | 仮撚複合加工糸および編地 |
CN116497494A (zh) * | 2023-06-30 | 2023-07-28 | 江苏恒力化纤股份有限公司 | 一种保暖起绒纱及其制备方法和装置 |
-
1997
- 1997-07-08 JP JP19790497A patent/JPH1121734A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1024063A2 (en) | 1999-01-29 | 2000-08-02 | Nissan Motor Co., Ltd. | Vehicle bumper and hood airbag system |
JP2020139246A (ja) * | 2019-02-28 | 2020-09-03 | 東レ株式会社 | 仮撚複合加工糸および編地 |
CN116497494A (zh) * | 2023-06-30 | 2023-07-28 | 江苏恒力化纤股份有限公司 | 一种保暖起绒纱及其制备方法和装置 |
CN116497494B (zh) * | 2023-06-30 | 2023-09-22 | 江苏恒力化纤股份有限公司 | 一种保暖起绒纱及其制备方法和装置 |
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