JPH07102441A - 複合フィラメント縫糸 - Google Patents

複合フィラメント縫糸

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JPH07102441A
JPH07102441A JP5245284A JP24528493A JPH07102441A JP H07102441 A JPH07102441 A JP H07102441A JP 5245284 A JP5245284 A JP 5245284A JP 24528493 A JP24528493 A JP 24528493A JP H07102441 A JPH07102441 A JP H07102441A
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JP
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filament
fiber
polybenzazole
yarn
sewing
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JP5245284A
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Katsuya Tani
勝也 谷
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Toyobo Co Ltd
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明の目的は、衣料近似品の縫製に用い
て(1)多種多様な色調の生地の縫製に適用でき、
(2)耐加水分解性の低下が抑制され、(3)紡績糸縫
糸に比して高速縫製時の可縫性や縫製物の仕立ばえに優
れ、(4)縫目強度の高い、高機能と審美性を兼ね備え
た複合フィラメント縫糸を提供することである。 【構成】 ポリベンザゾール長繊維と染色可能又は着色
された有機合成長繊維とから成る複合糸条において上記
ポリベンザゾール長繊維を芯糸とし、その外周を上記有
機合成長繊維で被覆して構成される複合フィラメント縫
糸。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフィラメント縫糸に関す
る。さらに詳しくは可縫性に優れ、縫製後も高い縫目強
力と耐熱性、耐水性を有し、さらに縫製生地の色調に適
合が可能な衣料近似品用若しくは産業用の複合フィラメ
ント縫糸に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、スーパー繊維と称される芳香族ポ
リアミド繊維や全芳香族ポリエステル繊維がその優れた
機械的性質や耐薬品性及び耐熱性等の特性を活かしてシ
ートベルト、安全ベルト等の防護品や高機能衣料、例え
ばユニフォーム等の用途分野でも需要が増えてきた。ま
たポリエステル繊維やポリアミド繊維と前記スーパー繊
維の混紡糸又は混繊糸を素材にした機能性の高い一般衣
料、例えばスポーツ、レジャー用スーツ等が開発されて
いる。最近、さらに高い強度と弾性率及び優れた耐熱性
を具備したポリベンザゾール繊維(PBZ)の工業的な
生産技術が開発され、これに伴い該繊維を素材にした縫
製品が前記の用途に展開されている。一方、これらの繊
維素材を用いて高強度及び/又は高耐熱性の縫糸の開発
が行われており、例えば実開昭52−87736号公報
はポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維をからなる
ミシン糸を、また特開平1−239132号公報はポリ
フェニレンサルファイド繊維からなる耐熱性に優れたミ
シン糸を、特開平1−272836号公報はメタアラミ
ド繊維とポリフェニレンサルファイド繊維とからなる耐
熱性と耐薬品性に優れた複合糸を、特開昭63−927
45号公報はポリエチレン繊維からなり軽量で高強力・
低伸度で且つ耐光性及び耐薬品性に優れたミシン糸をそ
れぞれ提案している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ポリエステル繊維縫糸
やビニロン繊維縫糸は従来の天然繊維や合成繊維を素材
にした布帛の縫製で優れた可縫性を示す縫糸であっても
ポリベンザゾール繊維や芳香族ポリアミド繊維若しくは
全芳香族ポリエステル繊維等を主たる素材にした布帛の
縫製において可縫性は低下の傾向を示す。芳香族ポリア
ミド繊維縫糸はポリエステル繊維縫糸やビニロン繊維縫
糸と比べて縫目強度、耐光性、耐熱性に優れるものの耐
水性に、また全芳香族ポリエステル繊維縫糸は耐熱性及
び耐光性にそれぞれ難点があった。ポリベンザゾール繊
維縫糸は高強度、低伸度、高弾性率と優れた耐熱性、耐
薬品性、寸法安定性等の特性を具備しており、衣料用並
びに産業用の縫糸として有望であるものの耐加水分解性
に改善の余地があった。また芳香族ポリアミド繊維及び
全芳香族ポリエステル繊維と同様にポリベンザゾール繊
維も黄乃至茶系統の色調を帯び、また染料に不染性であ
るためファション性や審美性が重視される衣料近似品の
縫製には使用し難いものであった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係る複合フィラ
メント縫糸は耐加水分解性の改善されたポリベンザゾー
ル長繊維と染色可能又は着色された有機合成長繊維とか
ら構成され、前記ポリベンザゾール長繊維の外周を前記
染色可能又は着色された有機合成長繊維で被覆すること
で(1)多種多様な色調の生地の縫製に適用でき、
(2)耐加水分解性の低下が抑制され、(3)長繊維同
士を組み合わせることで紡績糸縫糸に比して高速縫製時
の可縫性や縫製物の仕立ばえに優れ、(4)紡績糸縫糸
に比して高い縫目強度の複合フィラメント縫糸を提供使
用とするものである。即ち、本発明者等は前記目的を達
成すべく鋭意検討した結果、ボイド直径が30Å以下の
ポリベンザゾール長繊維と染色可能な又は着色された有
機合成長繊維とから成る複合フィラメント縫糸であっ
て、前記ポリベンザゾール長繊維を芯部に配し、その外
周を染色可能な又は着色された有機合成長繊維(含有率
は重量比で全体の0.15〜0.50)で被覆した破断
強度が3.0GPa以上、初期弾性率が100GPa以
上である複合フィラメント縫糸を主旨とするものであ
る。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
係る複合フィラメント縫糸を構成するポリベンザゾール
長繊維(PBZ)はポリベンズオキサゾール(PBO)
若しくはポリベンズチアゾール重合体(PBT)又はそ
れらのランダム若しくはブロック共重合体からなるドー
プを紡糸して得られるものである。
【0006】本発明の複合フィラメント縫糸を構成する
PBZ繊維はボイド直径が30Å以下であることが重要
である。これまでPBZ繊維が高強度・高弾性率繊維材
料として特に優れた特性を持つことは知られていたが、
最近、その引張強度が水分の存在下で低下して行く欠点
を持ち合わせていることが分かってきた。本発明者らは
PBZ繊維の引張強度が水分により低下する原因につい
て検討した結果、強度の低下が水分によるPBZ分子鎖
の加水分解によること及び比較的大きいボイドからの水
分の侵入が加水分解を加速していることを見いだした。
このことはボイド直径を小さくすれば加水分解性が改良
されることを意味している。実験の結果、耐加水分解性
はボイド直径が30Å以下の時著しく改善されることが
分かった。ボイドの直径を決定する要因を検討した結
果、凝固浴のリン酸濃度が大きな影響力を持つことを見
いだした。鋭意検討の結果、ボイドの直径を30Å以下
にする方法の一つとしてPBZを主成分とするポリマー
とポリリン酸からなるドープから紡糸して繊維を製造す
るに際し、凝固浴のリン酸濃度を5%以上にすることが
大きなへ効果を持つことが分かった。この様にして製造
したPBZ繊維はボイドの直径が30Å以下であり、こ
れを用いた縫糸は使用中に雨等に接触しても強度低下が
少なく優れた耐久性を示す。ポリベンザゾール長繊維の
単糸繊度に特に制限はないが通常1〜7デニールが好ま
しく用いられる。単糸繊度が1デニール未満では縫糸と
して用い場合にガイドとの摩擦又は生地貫通時の摩擦抵
抗により単糸が切れやすくなる。一方、単糸繊度が7デ
ニールを超えると縫糸が硬く曲げにくくなるため美しい
縫目の精製が困難になり、仕立ばえが悪化する。
【0007】本発明の複合フィラメント縫糸においてポ
リベンザゾール長繊維をその芯部又は内層部に配し、そ
の外周を染色可能な又は着色されたの有機合成長繊維で
被覆することが肝要である。ここでポリベンザゾール長
繊維は加撚された状態にあることが好ましく、ここで加
撚された状態とは撚係数が下記式で表される範囲にある
ことをいう。
【0008】
【数1】 10≦D0.5 ×Tw≦80 D ;糸条繊度(デニール) Tw;撚数(回/インチ) ポリベンザゾール長繊維の撚係数が10未満の状態にあ
ると染料に可染性の有機合成長繊維と複合するに際して
その複合手段にもよるが単繊維同士が擦れ、損傷を受け
ることによって引張強度は低下傾向を示す。また、撚係
数が80を超えた場合にも単繊維が過度に捩じられるた
め引張強度は低下傾向を示す。したがってポリベンザゾ
ール長繊維にかかる撚係数は10〜80とすることが好
ましい。
【0009】本発明の複合糸条の製造にあたっては、ポ
リベンザゾール長繊維を芯糸とし、その外周に前記可染
性又は着色された有機合成長繊維を鞘糸として螺旋状に
巻き付ける方法が一般に採用できる。なお一般に可縫性
の点から紡績糸又は長繊維を芯糸とし、その外周に短繊
維を配した複合縫糸も知られているが、縫製対象が衣料
近似品であることから仕立ばえの良さ、例えば色の鮮明
さ、光沢、縫目の整然さ及び縫目強度等が重要であるこ
とを考慮するとフィラメント縫糸が優位である。
【0010】本発明に係る複合フィラメント縫糸の鞘部
を構成する染料に可染性の有機合成長繊維とは染料、例
えば直接染料、バット染料、ナフトール染料、硫化染
料、分散染料、反応染料、酸性染料、カチオン染料等に
よって染色することができる一般衣料用や産業用に使用
されている長繊維を意味する。
【0011】一般に縫糸は縫針と布帛及び縫糸と縫針の
穴との摩擦によって発熱し、さらに縫糸の反復伸張によ
り強度の低下、極端な場合には破断することがある。耐
熱性に関連した可縫性はシリコン油剤等で縫糸を処理
し、縫針穴を通過及び布帛貫通時の摩擦抵抗を下げるこ
とで改善可能であること、縫製対象が衣料近似品である
こと、縫製物において縫目部分が占める比率の小さいこ
と、等を考慮する有機合成長繊維の融点又は熱分解開始
温度は200℃以上あればよい。耐熱温度が200℃未
満であるとシリコン油剤付与等の加工技術による耐熱性
の向上効果つまり可縫性の改善は期待できなくなる。一
方、可縫性の点から高耐熱性の有機合成長繊維が好まし
いのは当然であるが既存繊維の中で染色性及び染色堅牢
性、耐洗濯収縮性、耐熱老化性、縫目強さ等を考慮する
とポリエステルが実用的な有機合成長繊維の一つであ
る。
【0012】次に染料に可染性の長繊維が複合フィラメ
ント縫糸において占める含有割合について述べる。本発
明における複合フィラメント縫糸における染色可能又は
着色された有機合成長繊維の含有割合は複合フィラメン
ト縫糸方法と条件にもよるが0.15〜0.50(重量
比)の範囲が好ましく、0.25〜0.40の範囲がさ
らに好ましい。染色可能又は着色された有機合成長繊維
の含有割合が0.15未満では芯部に配されたポリベン
ザゾール長繊維が部分的に複合糸条の表面に露出してく
るため色調に斑を生じ、縫製物の品位が損なわれやすく
なる。他方、染色可能又は着色された有機合成長繊維の
含有割合が0.50を超えるとポリベンザゾール長繊維
の量が相対的に低下するため引張強度や初期弾性率は低
下の傾向を示す。また染色可能又は着色された有機合成
長繊維の単糸繊度に特に制限はないが通常1〜7デニー
ルが好ましく用いられる。単糸繊度が1デニール未満で
は縫糸として用い場合にガイドとの摩擦又は生地貫通時
の摩擦抵抗により単糸が切れやすくなる。一方、単糸繊
度が7デニールを超えると縫糸が硬く曲げにくくなるた
め美しい縫目の縫製が困難になる。
【0013】本発明の複合フィラメント縫糸は破断強度
が3.0GPa以上であることが必要である。破断強度
が3.0GPa未満であるとポリベンザゾール繊維や芳
香族ポリアミド繊維若しくは全芳香族ポリエステル繊維
等を主たる素材にした布帛の縫製において可縫性は低下
の傾向を示す。また縫目強度及び縫目の耐衝撃強度が維
持できず、例えばポリベンザゾール繊維で構成した縫製
物の力学特性を十分に活かすことが困難になる。また初
期弾性率は可縫性の点から少なくとも100GPa以上
が必要であり、初期弾性率が100GPa未満であると
縫製時に針糸の形成するループサイズが小さく且つルー
プ形状が不安定であるためルーパによる下糸通し時にミ
スが発生しやすくなる。これは目飛びの発生につながり
可縫性の低下、つまり縫製効率及び構成物の品質の悪化
の原因になる。他方、初期弾性率が極端に高い場合には
パッカリングの発生頻度が高くなるので初期弾性率は2
80GPa未満とするのが好ましい。
【0014】係る本発明の複合フィラメント縫糸の製造
にあたってポリベンザゾール長繊維が芯部に位置し、そ
の外周に染色可能又は着色された有機合成長繊維を鞘糸
となるように配置が可能な複合方法であればその手段に
制限はない。例えばポリベンザゾール長繊維を芯糸と
し、その外周に染色可能又は着色された有機合成長繊維
を鞘糸として螺旋状に巻き付ける方法が挙げられる。
【0015】以下に本発明において評価に用いる各尺度
は下記の方法で求めた。 <繊度>試料を標準状態(温度22+2度、相対湿度6
5+2%の状態)の試験室で24時間静置した後、ラッ
プリールを用いて試料90mを採取し、その重量を測定
して9000mの重量に換算して繊度(デニール)とし
た。 <繊維のボイド直径>小角X線散乱強度の測定はクラツ
キカメラを用いて行った。試料は長さ約6mの繊維を測
定ホルダーに巻き付けて用いた。X線の出力は45K
V、150mAで、CuKα線をニッケルフィルターで
単色化して用いた。クラツキカメラの縦制限スリットは
42mm、巾制限スリットは0.14mmで行った。測
定した範囲(2θ)0.1度〜3.0度である。ステッ
プ幅は0.025度刻みで、30秒若しくはそれ以上を
積算した。バックグラウンド散乱の補正は、試料及び空
気散乱の測定結果から次式を用いて行った。 I=μIsample−Iair μ=Iair(0)/Isample(0) ここでIは真の散乱強度、Isampleは試料を入れ
た状態での実測散乱強度、Iairは試料を入れない状
態で測定した散乱強度をそれぞれ示す。試料を測定した
後、散乱角度が0度で散乱強度の測定を行い、試料の吸
収強度を決定した。ボイドサイズの測定はギニエプロッ
トを用いて行った。散乱角度(I)の対数と散乱ベクト
ル(K)の二乗をプロットし、Kの二乗の値が0〜0.
01A2の範囲のデーターについて直線近似し、直線の
傾き(S)から次式を用いて計算した。 D=2(S)1/2 <引張特性>JISL1013(1981)の7.5.
1に準じ、標準状態の試験室でオリエンテック(株)製
のテンシロン型試験機を使用して、把み間隔20cm、
引張速度100%/分、n=10で糸条の強伸度を測定
した。 <耐水性試験>耐水性の評価尺度として湿潤状態での引
張強度を用いた。引張強度の試験は<繊維の混合状態>
樹脂で包埋した複合糸をダイヤモンドカッターを用いて
横断面をカットし、該切断端の顕微鏡写真を撮り、繊維
の分散状態を目視で判定する。 <複合フィラメント縫糸の色斑の判定>目視により色調
の均整性を判定した。ポリベンザゾール繊維が複合フィ
ラメント縫糸の表面に露出することなく均一な色調なも
のを○、ポリベンザゾール繊維の色調が反映され色調が
やや淡色であるもの△、霜降りを呈するものを×で評価
した。 <可縫枚数>本縫ミシン(シンガー770DI型)を用
い、ミシン針DB#14、ミシン回転数4000rp
m、ステイッチ数15、ステイッチ/3cmの条件でポ
リベンザゾール/ポリエステル混作業服地(目付270
g/m3)を縫製したときの縫製長2mが縫える最大重
ね枚数で評価した。 <目飛び>二重環縫ミシン(ユニオンスペシャル563
00N)を用いて天竺編地(ポリベンザゾール糸50′
s/1使い)の5枚と2枚の重ね段を有する生地をミシ
ン回転数4000rpmで縫製したときの目飛び発生度
の有無を調べた。 <パッカリング>通常のアイロンプレス及び洗濯後の縫
製品を観察してパッカングの有無を調べた。 <縫目外観>縫目をみて官能的に表現した。
【0016】
【実施例】
<実施例1>繊度45デニール/30フィラメントで破
断強度5.8GPa、初期弾性率273GPa、ボイド
直径が21Aのポリベンズオキサゾール長繊維(PBO
繊維)に繊度25デニール/12フィラメントのポリエ
ステル長繊維を1m当たり300回巻き付けて芯鞘型の
複合糸条とし、該複合糸条にS374T/mの下撚をか
けた。このとき式1で定義した撚係数は64であった。
次いで複合糸を3本合糸してZ300T/mの上撚をか
けた後、分散染料(C.I.DisperseBlue
1,C.I64500)を用いて130℃、60分の綛
染色を行い、シリコン油を0.8%付着させて#50番
手の複合フィラメント縫糸を得た。得られた複合フィラ
メント縫糸の諸特性を表1に示す。
【0017】<実施例2>複合糸におけるポリエステル
長繊維の重量比率が0.29となるように繊度50デニ
ール/34フィラメントのポリベンズオキサゾール長繊
維と繊度20デニール/10フィラメントのポリエステ
ル長繊維を用い、実施例1準じた方法で加撚と染色加工
を行なって#50番手の複合フィラメント縫糸を得た。
得られた複合フィラメント縫糸の諸特性を表1に示す。
【0018】<実施例3>繊度45デニール/30フィ
ラメントで破断強度5.8GPa、初期弾性率273G
Paのポリベンズオキサゾール長繊維に繊度25デニー
ル/12フィラメントで破断強度0.6GPa、初期弾
性率4.0GPaのナイロン6長繊維を1m当たり40
0回巻き付けて芯鞘型の複合糸条とし、該複合糸条にS
374T/mの下撚をかけ、3本合糸してZ300T/
mの上撚をかけた後、酸性染料(FastNavyBl
ue R C.I.13390)を用いて100℃、3
0分の綛染色を行い、さらにシリコン油を0.8%付着
させて#50番手の複合フィラメント縫糸を得た。得ら
れた複合フィラメント縫糸の諸特性を表1に示す。
【0019】<比較例1>繊度60デニール/40フィ
ラメントのポリベンズオキサゾール長繊維と繊度10デ
ニール/6フィラメントのポリエステル長繊維を用い、
実施例1準じた方法で加撚と染色加工を行なって複合糸
におけるポリエステル長繊維の重量比率が0.14であ
る#50番手の複合フィラメント縫糸を得た。得られた
複合フィラメント縫糸の諸特性を表1に示す。
【0020】<比較例2>繊度30デニール/20フィ
ラメントのポリベンズオキサゾール長繊維と繊度40デ
ニール/20フィラメントのポリエステル長繊維を用
い、実施例1準じた方法で加撚と染色加工を行い、#5
0番手の複合フィラメント縫糸を得た。該複合糸のポリ
エステル長繊維の重量比率は0.57であった。得られ
た複合フィラメント縫糸の諸特性を表1に示す。
【0021】<比較例3>繊度70デニール/467フ
ィラメントのポリベンズオキサゾール長繊維のみを用い
て実施例1準じた方法で加撚と染色加工を行い、#50
番手の複合フィラメント縫糸を得た。得られた複合フィ
ラメント縫糸の諸特性を表1に示す。
【0022】<比較例4>ボイド直径が28 であるポ
リベンズオキサゾール繊維を用いた以外は実施例1と同
様に加撚と染色加工を行い、#50番手の複合フィラメ
ント縫糸を得た。得られた複合フィラメント縫糸の諸特
性を表1に示す。
【0023】<比較例5>実施例1においてポリベンズ
オキサゾール長繊維に代えて繊度200デニールのケブ
ラー29(ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維、
デュポン社商品名)を用い、実施例1に記載した方法に
準じて方法で下撚と上撚をかけた後、染色加工を行なっ
て複合フィラメント縫糸を得た。得られた複合フィラメ
ント縫糸の諸特性を表1に示す。
【0024】<比較例6>繊度45デニール/30フィ
ラメントで破断強度5.8GPa、初期弾性率273G
Paのポリベンズオキサゾール長繊維に繊度25デニー
ル/12フィラメントのポリエステル長繊維を150回
/mの撚数で合撚して複合糸条を得た。該複合糸条を用
いて実施例1に記載した方法に準じて方法で下撚と上撚
をかけた後、染色加工を行なって#50番手の複合フィ
ラメント縫糸を得た。得られた複合フィラメント縫糸の
諸特性を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】表1から明らかな様に本発明に属する実施
例1〜3は良好な色調を有し、力学特性及耐久性に優れ
ていることが分かる。また可縫枚数が多く、目飛びを生
じることもなかった。縫目外観は紡績縫糸に比べてパッ
カリングの発生もない。一方、本発明に属さない比較例
1の複合フィラメント縫糸はポリベンズオキサゾール繊
維が複合フィラメント縫糸の表面に部分的に露出してお
り色調の均一性に欠け、これに対して比較例2の好複合
フィラメント縫糸は均一な色調を有するものの力学特性
が低い。比較例3のポリベンズオキサゾール繊維のみで
構成した縫糸は当然のことながら染色されず黄色であつ
た。本発明から外れるボイド直径を持つポリベンズオキ
サゾール繊維を用いた比較例4の場合は耐水性の低いこ
とが分かる。ポリベンズオキサゾール繊維に代えてポリ
パラフェニレンテレフタルアミド繊維を用いた複合フィ
ラメント縫糸では力学特性が低く可縫性や縫目強度は本
発明の目的を満足しない。また比較例6の複合フィラメ
ント縫糸は色調の均一性に欠けるものであった。
【0027】
【発明の効果】本発明の複合フィラメント縫糸は芯部に
ポリベンザゾール長繊維が配され、該糸条の表面が染色
可能又は着色された有機合成長繊維で被覆されているた
め任意の色調とすることができる。またポリベンザゾー
ル長繊維の高い力学特性が損なわれることなく維持され
ており高い縫目強度が得られ且つ紡績縫糸に比して縫目
外観も優れているためスーパー繊維で構成された生地を
衣料近似品に縫製加工するに際して好適な縫糸となる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボイド直径が30Å以下のポリベンザゾ
    ール長繊維と染料に可染性の有機合成長繊維(含有率は
    重量比で全体の0.15〜0.50)とから成る複合糸
    であって、前記ポリベンザゾール長繊維を芯部に配し、
    その外周を染料に可染性の有機合成長繊維で被覆した破
    断強度が3.0GPa以上、初期弾性率が100GPa
    以上である複合フィラメント縫糸。
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