JP2733302B2 - ポリエステル系縫糸 - Google Patents

ポリエステル系縫糸

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、縫糸に関し、シヤツ、ブラウス、紳士服、
婦人服、コート類等を縫製するのに適した、可縫性が良
好であり縫製後の強力保持率が高く、かつ、均斉度、外
観品位に優れたポリエステル系縫糸に関する。
(従来の技術) 従来より、ポリエステル系縫糸は、強力、染色堅牢
度、価格等の点で優れているため広く用いられている。
特にポリエステルフイラメント糸からなる長繊維縫糸
は、糸の均斉度に優れているために縫目の美しさから多
量に使用されている。しかし、このものは、厚地の生地
を高速度で縫製する場合に耐熱性の問題から縫製後の縫
糸の強力が著しく低下する欠点がある。またポリエステ
ル系短繊維(ステープル)紡績糸からなる縫糸は、前記
ポリエステル長繊維縫糸に比べ耐熱性は良いものの、糸
の均斉度が悪いため、縫目の美しさの点で劣る。
さらにこの紡績糸縫糸は、初期ヤングスモジユラスが
低いために目飛びが多いという欠点があり、これを改良
するため、ポリエステルステープルを繊維を繊維段階で
高モジユラス化したり、紡績糸又は撚糸段階で熱延伸処
理して、縫糸を高モジユラス化する等の対策が行なわれ
てきているが、高モジユラス化する程破断伸度が低下す
るため衝撃力に対して弱くなるという問題が起こる。一
方、マルチフイラメント糸と短繊維を複合させたコアス
パン糸が特公昭62-38457号公報に提案されている。この
コアスパン糸の場合、鞘のステープルフアイバーの繊維
長が短いために、芯繊維との絡みが悪くなり、撚糸加工
時に鞘繊維が抜けたり移動して毛玉が発生し易く、外観
品位が悪いものになる。それを解決するために特公昭63
-3977号公報において提案されているように、マルチフ
イラメントを開繊して短繊維を混繊させ、芯と鞘繊維の
絡みを向上させる方法があるが、この場合には、ヤーン
製造コストが高くなるという問題点を有していると共に
上記の問題点の改善程度も、まだ満足できるものでな
い。さらにコアスパン糸において、繊維長を長くして、
芯と鞘の絡みを向上させることが考えられる。該コアス
パン糸は比較的細番手であるため鞘成分の単繊維デニー
ルを細くしないと、繊維構成本数が少なくなり、鞘繊維
同志の絡みや、鞘繊維と芯繊維の絡みが不足して、外観
品位の悪いものになる。
しかしながら、単繊維デニールが細くかつ繊維長の長
いステープルフアイバーは一般にカードの通過性に問題
があり、得られたとしても均斉度の点で問題があり、今
のところ満足できる性能をもつた縫糸はコアスパン糸で
は未だ実用化されていない。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の目的は、かかる従来の問題点を解消し、可縫
性及び縫製後の強力保持率が良く、かつ均斉度、外観品
の良好なポリエステル系縫糸を提供することにある。
(課題を解決するための手段) すなわち本発明は、ポリエステルマルチフイラメント
を芯成分とし、ポリエステル短繊維群を鞘成分として構
成されたコアヤーンからなる縫糸であつて、該コアヤー
ンを構成する鞘成分が単繊維繊度0.3〜1.3デニール、平
均繊維長70〜150mmの範囲でかつ平均繊維長の1.5倍以上
の長さを有する短繊維の含有割合が1〜10重量%である
不等長短繊維群で構成されており、そして該コアヤーン
のトータルデニールが50〜200デニールの範囲であり、
かつ該コアヤーンからなる縫糸の斑の平均偏差率(U
%)が下記式(1)を満足していることを特徴とするポ
リエステル系縫糸である。
但し A:縫糸のU% B:コアヤーンのトータルデニール C:縫糸を構成するコアヤーンの本数 本発明で用いられるコアヤーンから構成された縫糸の
斑の平均偏差率(U%)は前記式(1)を満足する必要
があり、40未満の場合には縫糸表面の凹凸が少なくなる
ために縫製時に生地との接触面積が増加して平滑性が低
下して、高速縫製時に耐熱性が低下し好ましくない。一
方90を超える場合には、糸の均斉度が低下し縫目の美し
さが低下するため好ましくない。
ここで云う斑の平均偏差率(U%)の測定はJIS−L
−1095により計測器工業株式会社製「イブネステスタ
ー」を用いて行なう。
斑の平均偏差率(U%)を本発明で規定する範囲内と
するためには、例えば、本発明で規定するようなコアヤ
ーンを2〜3本撚合せ、そしてその際の撚数等により得
られる縫糸の表面状態を調節することにより達成され
る。
本発明において、コアヤーンを構成するポリエステル
短繊維は、単繊維繊度が0.3〜1.3デニールの範囲内であ
らねばならない。単繊維繊度が0.3デニール未満の場合
にはコアヤーンの製造時の可紡性が低下し、また得られ
る縫糸のU%も本発明で規定したものが得がたい。また
1.3デニールを越える場合には、芯成分を被覆する鞘成
分の本数が少なくなり、芯成分との絡みが悪くなる。よ
り好ましくは、0.6〜1.0デニールの範囲である。
また該ポリエステル短繊維の平均繊維長は70〜150mm
の範囲内であらねばならず、平均繊維長が70mm未満の場
合には、芯成分との絡みが悪くなり、一方、150mmを越
える場合には、コアヤーンの製造上ドラフトフオースが
高くなり、可紡性が低下する。より好ましくは90〜120m
mの範囲である。なお本発明で言う平均繊維長は、JIS L
1074に規定された方法により測定された値である。
さらに本発明で用いられるポリエステル短繊維群は、
前記した平均繊維長の1.5倍以上の長さを有する短繊維
を1〜10重量%含有していなければならない。このよう
な繊維長の長い繊維が混在していることにより、芯成分
であるポリエステルマルチフイラメントとの絡合性が得
られ、形態安定性が得られる。1重量%未満の場合には
芯成分であるポリエステルマルチフイラメントとの絡合
性が不足し、10重量%を超えるとコアヤーンの製造上ド
ラフトフオースが高くなり可紡性が低下する。また、1
〜10重量%の範囲内であつても、コアヤーンの製造上よ
り安定した可紡性を得るためには平均繊維長の1/2以下
の長さを有する短繊維成分の含有する割合が1〜10重量
%であることが好ましい。一方鞘成分が繊維長の長い等
長カツト繊維のみからなる場合には、コアヤーンの製造
上ドラフトフオースが高くなり可紡性が低下する。ま
た、可紡性が得られるように繊維長を短くしていくと芯
繊維との絡みが悪くなり、撚糸加工時に鞘繊維が抜けた
り、移動して毛玉になり易く、外観品位の悪いものとな
る。
このことからも明らかなように、本発明は、特定の繊
維長の長い繊維が存在していることにより、芯繊維との
絡みを得ると共に、平均繊維長が適度の長さであること
により優れた可紡性を得ており、そして得られる縫糸は
均斉度がよいため、美しい縫目を呈し、縫製後の強度保
持率のよいものとなる。
本発明で規定するような繊維長を有する短繊維群は、
パーロツク方式により繊維トウを牽切する方法により得
られるが、これ以外の方法、たとえば繊維長の異なる繊
維を混合する方法等によつても得られる不等長短繊維群
であつてもよい。該不等長短繊維群の繊維長分布例を第
4図に示す。
さらに本発明において、縫糸を構成するコアヤーンの
トータルデニールは50〜200デニールの範囲であらねば
ならない。50デニール未満の場合、芯成分に使用される
ポリエステルマルチフイラメントの製造上において可紡
性が低下したり、また縫糸の性能面で満足できるヤング
モジユラス、引張り強度が得られず、一方、200デニー
ルを越える場合には、均斉度が劣ることとなり、外観の
良好なものが得られない。より好ましくは、65〜165デ
ニールの範囲である。
また該コアヤーン全体に対する芯成分の重量比は、0.
2〜0.6の範囲が好ましく、より好ましくは0.3〜0.5の範
囲である。
本発明の縫糸を構成する繊維は、いずれもポリエステ
ル系のもの、すなわち繊維を構成するポリマーがポリエ
チレンテレフタレート系のポリマーであるものである。
本発明の縫糸は次の方法により製造される。第1図に
示すように、ポリエステルマルチフイラメント2の囲り
にポリエステル短繊維群3を配し、右方向に加撚してコ
アヤーン1を作る。得られたコアヤーンの側面図が第2
図である。さらにこのコアヤーン1を2本又は3本左方
向に撚合せて、第3図に示すような撚糸4を作り、染色
してストレートオイルを付与して製品とする。
本発明のポリエステル系縫糸は、以上詳述したような
特殊な繊維長を有する細デニール短繊維を鞘成分とした
コアヤーンを前述したような式(1)を満足するように
撚合せた点に特徴があり、その点、細く、均斉度、形態
安定性に優れ、かつ縫糸強度に優れたものが得られ、フ
イラメント糸とスパン糸の長所を兼ね備えた縫糸であ
る。
以下に実施例により本発明を説明する。
実施例1 単繊維デニールが0.9デニールのポリエステルトウ
(トータルデニール100万デニール)をパーロツク方式
によりけん切し、平均繊維長が95mmのバイアスな繊維長
分布を有し、その平均繊維長の1.5倍以上の長さを有す
る繊維の割合が5重量%、0.5倍以下の長さを有する繊
維の割合が3重量%である繊維からなるスライバーを得
た。該スライバーを通常の紡績工程を通した後、リング
精紡機に供給し、撚りをかける直前に芯繊維束となるポ
リエステルマルチフイラメント50d/24tを供給し、トー
タルデニール88dr、撚糸26t/インチ(s)のコアヤーン
を作製した。このコアヤーンを3本撚合せて、20t/イン
チ(z)の撚糸を作り、分散染料を用いて、130℃×30
分間で染色を行つた。さらにローラータツチ方式により
シリコーン系ストレートオイルを塗布して縫糸とした。
該縫糸の性能を第1表に示す。
比較例1 ポリエステルマルチフイラメント(70デニール/24t)
に26t/インチ(s)の撚りをかけ、さらに3本撚合せ
て、20t/インチ(z)の撚糸を作製した。この撚糸を実
施例1と同様の方法で染色加工して、縫糸とした。該縫
糸の性能を第1表に示す。
比較例2 単繊維デニールが1.2デニール、繊維長が44mm(等長
カツト)のポリエステルステープルを用い、通常のスフ
紡績方式により混打綿、梳綿、練条、粗紡、精紡工程を
通し、綿番手で62′s(86デニール)、撚数28t/インチ
(s)の紡績糸を作製した。この紡績糸を3本撚合せ
て、21t/インチ(z)の撚糸を作り、実施例1と同様の
方法で染色加工して縫糸とした。該縫糸の性能を第1表
に示す。
比較例3 単繊維デニールが1.0デニール、繊維長が44mm(等長
カツト)のポリエステルステープルを用い、通常のスフ
紡績方式により粗糸を作製し、精紡工程において、実施
例1と同様の方法によりポリエステルマルチフイラメン
ト(50デニール/24f)を供給してトータルデニール88デ
ニール、撚数26t/インチ(s)のコアヤーンを作製し
た。以下実施例1と同様の方法により撚糸、染色、仕上
加工を行ない縫糸とした。該縫糸の性能を第1表に示
す。
(発明の効果) 以上述べたように、本発明の縫糸は、従来のポリエス
テル系縫糸において、マルチフイラメント糸で構成され
た縫糸では耐熱性が低いという点、スパン糸で構成され
た縫糸では均斉度が悪いという点を解消し、縫製後の縫
糸の強力保持率が高く縫目が美しいという特長を有する
ものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を構成するコアヤーンの断面図、第2図
はその側面図、第3図は縫糸の側面図を示す。第4図は
繊維長分布を示す例の図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−144142(JP,A) 特開 昭59−106535(JP,A) 特開 昭60−81348(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステルマルチフイラメントを芯成分
    とし、ポリエステル短繊維群を鞘成分として構成された
    コアヤーンからなる縫糸であつて、該コアヤーンを構成
    する鞘成分が、単繊維繊度0.3〜1.3デニール、平均繊維
    長70〜150mmの範囲でかつ平均繊維長の1.5倍以上の長さ
    を有する短繊維の含有割合が1〜10重量%である不等長
    短繊維群で構成されており、そして該コアヤーンのトー
    タルデニールが50〜200デニールの範囲であり、かつ該
    コアヤーンからなる縫糸の斑の平均偏差率(U%)が下
    記式(1)を満足していることを特徴とするポリエステ
    ル系縫糸。 但し A:縫糸のU% B:コアヤーンのトータルデニール C:縫糸を構成するコアヤーンの本数
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