WO2002038111A1 - Agent sous forme de compresse - Google Patents

Description

明 細 書 シート状パック剤 技術分野

本発明は、 肌の小じわ防止および改善作用に優れたシート状パック剤に関する。 背景技術

肌の小じわは美肌の大敵であり、 肌の老ィヒの指標ともいうべき美容において大 変重要な位置を占める。

皮膚は、 太陽光の紫外線に直接さらされることが多いために、 他の諸臓器に比 ベて環境因子による酸化ストレスを多く受けている。 皮膚細胞の細胞膜皮表や細 胞膜には不飽和脂肪酸が多く含まれており、 紫外線がそれらの酸化を助長する。 紫外線は太陽光の約 6 %を占め、 なかでも UV B (290nm〜320nra) は電離放射 線と同様に皮膚において活性酸素種を生じる。 この活性酸素種はフリーラジカル を生じ、 それが仲介として過酸化脂質を生じるといわれている。 その結果、 酵素 失活など細胞機能が障害されたり、 また細胞死を招くことがある。 このような皮 膚細胞の劣化が表皮に現れ、 小じわを引き起こす原因 （外的要因） の一つとなつ ている。

また、 皮膚は外気に露出しているため水分が失われがちになっている。 ヒ トの 皮膚の水分含有率は通常 6 0 %ほどであるが、 皮膚の乾燥が進み 4 0 %を下回る と皮膚は、 はりゃ艷を失い、 小じわを引き起こすこと （内的要因） となる。

小じわの防止策としては、 以下の物質を含む製剤が提案されている。

トリまたはテトラペプチド （特開昭 56- 115707) 、 ペンタペプチド （特開昭 se115708) 、 新規なペプチド （特開昭 57- 2213 、 特開昭 57- 2214) などの被覆作用 のあるぺプタイド、

塩化カルプロニゥム （特開昭 62- 39512) 、 有機ゲルマニウム化合物 （特開昭 63-183507) 、 無機ゲルマニウム化合物 （特開平 01- 207217) などの血行促進作用 のあるもの、 ヒアノレロン酸 （特開平 03-63209) などの保湿作用のあるもの、 あるいは ヒアノレロン酸分解阻害剤 （特開平 06- 279255、 特開平 09- 241148、 特開平 10— 130162) などの保湿作用を助けるものなど。

し力 しながら、 これらの活性成分を用いたパック剤などでは、 皮膚の角化や小 じわを防止、 改善するのに、 必ずしも十分なものではなかった。

一方、 米国特許第 5 , 8 8 9 , 0 6 2号はュビキノン 1 0またはその誘導体とプ ラストキノンまたはその誘導体の組み合わせでの老化皮膚の処置を開示している。 更に、 ュビキノン 1 0は化粧品として老化皮膚の保護に有用であることが報告 されている （特開昭 58— 180410) 。

し力 し、 上記の二つの課題、 すなわち外的要因である皮膚の酸化ストレスの抑 制と内的要因である水分濃度の低下した皮膚への水分補給を解決したシート状パ ック剤が開発されていないのが現状である。 発明の開示

(発明が解決しようとする技術的課題）

従って、 本宪明の目的は、 皮膚の酸化ス トレスを抑制し、 皮膚への水分を捕給 できる、 小じわ防止および改善に優れたシート状パック剤を提供することにある。

(その解決方法）

本発明者は上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、 有効成分として のュビキノン 1 0が肌の小じわの外的要因である皮膚の酸化ストレスを抑制する 作用を有し、 そして水溶性高分子と水を含有する膏体組成物が肌の小じわの内的 要因である水分含有率の低い皮膚への優れた水分補給作用を有しており、 これら 二つの作用を結合させることにより、 優れた小じわ防止および改善効果があるこ とを見出し、 本発明を完成するに至った。

水溶性高分子により保持された水は、 布に含浸させた水や何もしていない水に 比べて長く保持される。 これは布に含浸させた水や何もしていない水では肌に補 給できる水の量以上に肌に水分が残り、 補給しきれなかった肌の上の水分が補給 された水分と共に蒸発してしまうためで、 従って、 水溶性高分子により保持され た水は余分な水分を水溶性高分子により吸収し、 そして肌に補給できる水分量だ けを補給することができるためであると考えられる。

本発明者らは小じわの主な内的要因が肌の水分含量低下であると考え、 水溶性 高分子と水を含有する膏体組成物を用いることによって、 肌の小じわ防止および 改善に極めて優れたシート状パック剤を製造することに成功したのである。

(従来技術より有効な効果）

本発明のシート状パック剤を使用することによって、 太陽光による紫外線スト レスによる皮膚細胞の劣化を防止し、 また、 膏体組成中の水によって皮膚への水 分捕給をおこなうことにより優れた小じわ防止および改善作用を示すことができ る。

本発明は、 膏体に水溶性高分子、 水および有効成分としてュビキノン 1 0を配 合してなるシート状パック剤に関する。

ュビキノン 1 0は下記構造式を有する化合物である。

ュビキノン 1 0は捕酵素 1 0、 Q 1 0などとも略されている。

ュビキノン 1 0は牛心筋のミトコンドリアから単離され、 心筋ミトコンドリア の電子伝達系に位置して、 エネルギー生産に重要な役割を果たすことが確認され ている。 近年、 エネノレギ一産生の低いヒト心疾患の治療に用いて心筋障害の改善 作用が認められた。 その機序として、 抗酸ィヒ活性による細胞および膨冓造の保護 が高く評価されるに至っている。 また、 そのようなュビキノン 1 0の生体膜に対 する抗酸化効果は、 紫外線による皮膚細胞膜の酸化ストレスを抑制することが明 らかになつた （久留米医学会雑誌， 第 49卷， 第 1号， 64〜68，1986) 。

本発明によれば、 ュビキノン 1 0の配合量は、 膏体組成物全量あたり 0 . 0 0 0 1〜： L 0重量⁰ /₀、 好ましくは 0 . 0 0 1〜5重量％でぁる。 0 . 0 0 0 1重 量％未満では小じわ防止およぴ改善作用が弱く、 1 0 %を越えると実際に小じわ 防止および改善作用をしないュビキノン 1 0が多くなり不経済となるので好まし くない。

また、 本発明で用いることのできるュビキノン 1 0はいかなる方法で得られた ものであってもよいが、 遺伝子工学的手法で合成した製品が特に好ましい。

本発明に用いられる水溶性高分子としては、 具体的にゼラチン、 ポリアクリル 酸またはその塩、 ポリビュルピロリドン、 カルボキシビエルポリマー、 カルボキ シメチノレセノレロースナトリゥム、 ヒドロキシプロピノレセノレロース、 ヒドロキシメ チノレセノレロース、 メチノレセノレロース、 ェチノレセノレロース、 メチノレビニノレエーテ ル ·無水マレイン酸共重合体、 デンプン ·アクリル酸ナトリウムグラフト重合体、 アルギン酸ナトリウム、 ポリエチレンオキサイド、 アラビアガム、 キサンタンガ ム、 トラガントガム等が挙げられ、 好ましくはゼラチン、 ポリアクリノレ酸または その塩、 カルボキシビュルポリマー、 カルポキシメチルセルロースナトリウム、 デンプン■ァクリル酸ナトリゥムグラフト重合体が挙げられる。 これらは 1種ま たは 2種以上混合して用いてもよい。

この水溶性高分子の配合量としては、 膏体組成物全量あたり 1〜 3 0重量％、 好ましくは 3〜 2 0重量 °/oである。 1重量％未満ではシート状パックとしての成 形性が弱く、 3 0重量％を越えると粘性が高く製造作業効率の低下をきたす。 本発明に用いられる水としては、 精製水や滅菌水等である。 水は肌への水分の 補給源として用いられる。 水の配合量は、 膏体組成物全量あたり 3 0〜9 0重 量％、 好ましくは 5 0〜7 0重量％である。 配合量が 3 0重量％未満になると肌 への水分捕給源として十分に能力を発揮できず、 またシート剤の保型性も低下し 好ましくない。 また、 9 0 %を越えると基剤 （膏体） の粘着性、 シート剤の保型 性が低下し好ましくない。

本発明のシート状パック剤は、 肌の小じわ防止おょぴ改善を目的とし、 化粧品 あるいは医薬部外品として用いられる。

本発明に使用される膏体組成物には、 上記成分に加えて通常化粧品あるいは医 薬部外品に用いられる添加剤等を適宜配合することができる。

例えば、 賦形剤 （カオリン、 ベントナイト、 酸化チタン等） 、 界面活个生剤 （グ リセリン脂肪酸エステル、 ポリオキシエチレンヒマシ油、 ポリオキシエチレン硬 化ヒマシ油、 ソルビタン脂肪酸エステル、 ポリソルベート 8 0、 ポリソルベート 6 0、 セスキォレイン酸ソルビタン等） 、 架橋剤 （乾燥水酸ィ匕アルミ-ゥムゲル、 アルミニウムグリシネート、 ジヒドロキシアルミニウムァミノアセテート、 合成 ヒドロタルサイトなどの多価金属化合物等） 、 湿潤剤 （グリセリン、 ソルビトー ル、 プロピレングリコーノレ、 1 , 3 -ブチレングリコール、 ポリエチレングリコ ール等） 、 可塑剤 （ヒマシ油、 エタノール等） 、 着色剤 （-ユーコクシン、 ター トラジン、 ブリリアントプル一 F C F等） 、 防腐剤 （パラォキシ安息香酸エステ ル、 ソノレビン酸、 イソプロピルメチルフエノール、 ヒノキチオール、 フエノキシ エタノ一ノレ等） 等を必要に応じて配合することができる。

本発明のシート状パック剤には、 ュビキノン 1 0以外にぺプチド等の被覆作用 のあるもの、 塩化カルプ口 -ゥムやゲルマニウム化合物等の血行促進作用のある もの、 ヒアル口ン酸等の保湿作用のあるもの、 ヒアル口ン酸分解阻害剤等の保湿 作用を助けるもの等を配合することもできる。

これらの各種配合剤の添加量はそれぞれの製品の種類に応じ、 適宜決定するこ とができる。

本発明のシート状パック剤に使用される基布としては、 ナイロン、 レーヨン、 ポリエステル、 ポリプロピレンなどの合成繊維、 綿などの天然 |¾锥から作製され る不織布、 織布、 編物などが用いられる。 また、 剥離紙も通常の貼付剤に用いら れるポリエステルフィルム等のプラスチックフィルムなどが使用できる。

本発明のシート状パック剤は、 短冊形、 楕円形、 三角形、 ブーメラン形または フェイスマスク等の形状をとつてもよい。 発明を実施するための形態

以下に、 本発明を実施例および試験例により更に具体的に説明するが、 本発明 はこれらに限定されるものではない。 なお、 本実施例おょぴ比較例における配合 量の値は全て重量％である。 実施例

実施例 1〜 8 表 1および 2に示した配合成分に従い、 常法により実施例 1 8のシート状パ ック斉 ljを製造した。

すなわち、 水溶性高分子の一部および多価アルコールを精製水の一部に溶解さ せ、 これに他の配合成分を加え、 十分に練合した。 次にュビキノン 10、 親油成 分を加えて練合し、 更に水溶性高分子の残部および残りの成分を加えて練合した。 最後に精製水の残部を加えて均一になるまで練合して膏体を得た。 この膏体を不 織布に均一に展延し、 所定の形状に成型後包装し、 シート状パック剤を製造した。

(表 1)

配合成分 実施例 1 実施例 2 実施例 3 実施例 4 実施例 ュビキノン 10 0.002 0.02 0.2 2 0.02

ヒア/レロン酸 一 一 _ 一 一 ポリアクリル酸 2 2 2 2 0.5

ポリアクリル酸ナトリゥム 5 5 5 5 4

ヽ：3· キ 0 ς ο ο

ゼラチン 0.4 0.4 0.4 0.4 0.3

ェデト酸ナトリウム 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1

グリセリン 20 20 20 20 15

70%ソルビトール液 10 10 10 10

乾燥水酸化アルミニゥムゲル 0.2 0.2 0.2 0.2

合成ヒドロタルサイト 0.3

ポリソノレべ ト 80 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1

ヒマシ油 1 1 1 1 1

モノステアリン酸グリセリル

流動パラフィン

メチルパラベン 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2

残量 残量 n PI 100 100 100 100 100 (表 2)

配合成分 実施例 6 実施例 7 実施例 8 比較例 2 比較例:

ュビキノン 10 0.02 0.0005 7

ヒアノレロン酸 0.5 ポリアクリル酸 2 2.5 1.25 2 2 ポリアクリル酸ナトリウム 5 6 6 5 5 力ルポキシメチノレセノレロース 5 4 5.5 5 5 ゼラチン 0.5 0.5 0.4 0.4 ェデト酸ナトリウム 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 グリセリン 20 20 20 20 20

70%ソルビ I ^一ル液 30 10 10 10 10 乾燥水酸化アルミニゥムゲル 0.2 0.2 0.2 合成ヒ ドロタルサイ 卜 0.2 0.3

ホリ ソ、 ノ，レへ八、、，一卜 8ハひ 0.1 U.1 U.1 υ.丄 ヒマシ油 1 1 1 1 モノステアリン酸グリセリル 2

15

メチルパラベン 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 精製水 残量 残量 ' . 残量 合計 100 100 100 100 100 比較例 1

表 3に示した配合成分を混合し、 それに親水性の不織布を浸し、 比較例 1のシ ート状パック剤を製造した。

(表 3)

配合成分 比較例 1

ュビキノン 10 0.002 グリセリン 20

ポリソルベート 80 0. 1

メチノレノ ラベン 0. 2

精製水

合計 100 比較例 2

実施例 1と同様に常法により、 実施例 1の配合成分から有効成分であるュビキ ノン 1 0を除いた、 比較例 2のシート状パック剤を製造した。 比較例 3

実施例 1と同様に常法により、 実施例 1の有効成分であるュビキノン 1 0に代 えてヒアノレロン酸を用いて、 比較例 3のシート状パック剤を製造した。 試験例

試験例 1

肌の保水性に対する効果

頰皮膚の水分含量が 4 0 %〜 5 0 °/oの被験者 4名を用いて、 シート状パック剤 を頰に貼付、 1 5分後剥離し、 肌の水分含量を経時的に測定した。

その結果を図 1に示す。

比較例 1のシート状パック剤では、 剥離後 1 0分の肌の水分含量は高かったが、 時間とともに肌の水分含量は減少した。 一方、 実施例 1のシート状パック剤は、 剥離後 1 0分では比較例 1のシート状パック剤よりも肌の水分含量は低かったが、 貼付する前の水分含量より高い状態を長い間維持した。

すなわち、 本発明のシート状パック剤は肌への保水という面で優れた製剤であ るといえる。 試験例 2

ュビキノン 1 0配合シート状パック剤の小じわ防止に对する効果 小じわの気になる女性 1 0名を被験者として、 実施例 2および 4、 比較例 2お よび 3のシート状パック剤を用いて小じわ防止おょぴ改善効果を検討した。 実施 例 2および 4、 比較例 2および 3を小じわの気になる個所に 1日 1回 1晚貼付し、 7日後に効果を各評価項目 （皮膚の小じわ、 皮膚の艷、 皮膚のはり、 皮膚の潤 い） の改善度について、 以下に示した評価基準で官能評価した。 評価基準

+：改善効果が認められる。

土：改善効果がやや認められる。

-：改善効果が認められない。

その結果を表 4に示す。

(表 4 )

評価項目 実施例 2 実施例 4 比較例 2 比較例 3

皮膚の小じわ + 9 10 3 6

0 3 3

0 0 4 1

皮膚の艷 + 9 10 5 7

± 1 0 2 2

0 0 3 1

皮膚のはり + 9 9 7 7

± 2 3

0 0 1 0

皮膚の潤い + 10 10 9 10

± 0 0 0

0 0 0

上記表中の数値は所定の評価をつけた人数を表す。 実施例 2および 4のュビキノン 1 0を配合したシート状パック剤は、 比較例 2 のパック剤に比べて小じわの防止および改善効果がはるかに高く、 またヒアルロ ン酸を配合した比較例 3のパック剤よりも優れた効果を示した。 図面の簡単な説明

図 1は皮膚の水分含量に対するシート状パック剤の効果を示した図である。 発明の効果

本発明のシート状パック剤を使用することによって、 太陽光による紫外線スト レスによる皮膚劣化を防止し、 また膏体組成中の水によつて皮膚への水分供給を 行なうことにより優れた小じわ防止および改善作用を示すことができる。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 膏体に、 水溶性高分子、 水および有効成分としてュビキノン 1 0を配合し てなる肌の小じわ防止および改善を目的としたシート状パック剤。

2 . 膏体全量に対して水溶性高分子が 1〜 3 0重量％、 水が 3 0〜 9 0重量％ 配合された請求項 1に記載のシート状パック剤。

3 . 膏体全量に対してュビキノン 1 0が 0 . 0 0 0 1〜： L 0重量％配合された 請求項 1に記載のシート状パック剤。

4. 水溶性高分子がゼラチン、 ポリアタリル酸、 ポリアクリル酸塩、 カルボキ シビニルポリマー、 カノレポキシメチルセルロースナトリゥムまたはデンプン ·ァ クリル酸ナトリウムグラフト重合体である請求項 1のシート状パック剤。

5 . 膏体に、 水溶性高分子、 水および有効成分としてュビキノン 1 0を配合し てなるシート状パック剤を小じわ防止および改善のためにヒトの顔に貼付する方 法。

6 . 肌の小じわ防止および改善を目的としたシート状パック剤の製造において、 膏体に、 水溶性高分子、 水および有効成分としてュビキノン 1 0を配合してなる シート状パック剤の使用。