JPH06279255A - ヒアルロニダーゼ阻害剤 - Google Patents

ヒアルロニダーゼ阻害剤

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JPH06279255A
JPH06279255A JP6690893A JP6690893A JPH06279255A JP H06279255 A JPH06279255 A JP H06279255A JP 6690893 A JP6690893 A JP 6690893A JP 6690893 A JP6690893 A JP 6690893A JP H06279255 A JPH06279255 A JP H06279255A
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JP
Japan
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substance
skin
desalting
hydrolyzing
hyaluronidase
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Pending
Application number
JP6690893A
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English (en)
Inventor
Kenji Shimomura
健次 下村
Masami Nakamura
雅美 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mikimoto Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Mikimoto Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 貝類の粘液を加水分解して得られる物質を主
成分とするヒアルロニダーゼ阻害剤。 【目的】 化粧料中のヒアルロン酸、皮膚に存在するヒ
アルロン酸の分解を防ぎ、安定に寄与する。従って皮膚
の潤滑性と柔軟性を保ち細菌感染を防止し、老化による
小ジワやかさつきを防ぎ、肌のつやや肌のはりを良好に
保つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は他の目的の食品、医薬品
等に多年内用され、安全性が保証された物質を用いて、
皮膚の潤滑性、柔軟性を保ち、老化を防ぐヒアルロン酸
を分解するヒアルロニダーゼの活性を抑制して、皮膚の
小ジワやかさつきを防ぐヒアルロニダーゼ阻害剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】本出願人は特開昭63−57507号公
報により、貝類の粘液を加水分解することを特徴とする
化粧品原料の製造方法に関して提案した。粘液の回収
は、貝類の貝殻を脱殻し(真珠を含有しているものは真
珠を取り出した後に脱殻し)、加圧して、又は加圧する
ことなくデカンテーション、濾過、遠心分離等によって
行う。
【0003】粘液源である貝類としては、アコヤ貝(P
ictada martensii)、イガイ(Myt
ilus coruscum)、イケチョウガイ(Hy
riopsis schlegelii)、カラスガイ
(Cristaria plicata)等ウグイスガ
イ科、イガイ科、イシガイ科等が好適であるが、他の貝
類も自由に使用でき、原料供給の点で問題はない。特に
好適なものは、アコヤ貝(真珠貝)である。
【0004】このようにして採取した粘液は、そのまま
加水分解または透析等の脱塩の操作を行ってもよいが、
海水を多く含むときなど処理量が多くなるので、加熱、
あるいは水溶性有機溶媒たとえばエタノール、メタノー
ル、イソプロパノール、アセトン、または無機塩類例え
ば硫酸アンモニウム、塩化ナトリウム、を加えて沈澱さ
せて遠心分離、濾過等で沈澱を集めて処理量をすくなく
する。
【0005】ただし、加熱処理では一部しか沈澱してこ
ない場合があるので、加圧して約120〜150℃まで
加熱すると大部分が沈澱する故、最適な処理を用途に応
じて選択する。沈澱処理を行うと、上記したように以後
の処理が容易となるほか、化粧品原料としての効果が更
に高まり、また保存性も高まる。これらの目的を達成す
るため、沈澱処理を行うほか、常法により凍結乾燥した
り減圧低温濃縮処理を行ってもよい。これらの処理は、
単独でもまた併用することも可能である。
【0006】貝粘液は、沈澱処理を経て又は経ることな
く、酸、アルカリ、又は酵素によって加水分解処理し
て、粘液成分を低分子化する。加水分解は、酸たとえば
塩酸、硫酸、酢酸、乳酸などを濃度、温度を必要な条件
にして用いることができる。アルカリとしては、NaO
H、NH4OH等が利用できる。
【0007】そして酵素を用いて加水分解する場合に
は、蛋白分解酵素例えばトリプシン、パパイン、プロナ
ーゼ、等動植物起源、微生物起源の酵素が適宜利用でき
る。酵素を利用すれば、酵素の特異性を利用して必要な
分子量、目的のペプチドが得られ、トリプトファン等の
分解も無く、分解による副生物も少ないので加水分解は
酵素で行うのがよい。このようにして、貝粘液を酸、ア
ルカリ、酵素を用いて、必要な分子量まで分解して脱塩
する。或いは脱塩したのち分解する。
【0008】脱塩は必ずしも必要としないが化粧品、特
にエマルジョンでは乳化の破壊が起こる場合もあるので
用途に応じて脱塩するのがよい。脱塩は、例えば次のよ
うにして行う:水又は約40〜80%のエタノール水溶
液を用いてくり返し洗浄する方法;透析、ゲル濾過、限
外濾過、塩析による方法;陽イオン交換樹脂、スネーク
ゲイジイオン交換樹脂を用いる方法;キレート交換樹脂
をCu++型にして用いる方法;クロマトグラフィーによ
る方法等。これらの脱塩処理は、単独でも又組合わせて
用いてもよい。
【0009】脱塩の方法では水を用いてあるいは40〜
80%のエタノールを用いるときは、試料を沈澱させた
のちでなければ用いることができないのは当然である。
また脱塩の方法が水を用いた場合試料の一部が流失する
ときがあるので、沈澱処理の方法が加熱して沈澱させた
方法を用いたときに利用するとよい。
【0010】40〜80%のエタノールを用いると製品
の着色が少なく、よい結果が得られる。脱塩の方法でキ
レート交換樹脂をCu++型にして用いる方法は、塩分が
多いときは他のイオン交換樹脂に比べて樹脂量が少なく
てすむという利点がある。
【0011】脱塩処理は、前記のように加水分解処理後
に行ってもよく、加水分解処理の前に行ってもよい。必
要があれば加水分解の前及び後に行うことも差支えな
い。ただし、加水分解後に行う場合は、加水分解によっ
て試料が低分子化しているので、有効成分の流亡を避け
るため、イオン交換樹脂、クロマトグラフィ等の処理を
実施するのが好適である。
【0012】この特開昭63−57507号公報では、
貝類の粘液を加水分解する化粧品原料の製造方法につい
ては記載されているが、その原料の効果については整肌
効果がある旨の記載だけである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、貝類
の粘液から得た加水分解物の新たな用途を提供すること
である。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、貝類の粘
液の加水分解物の新たな効果を研究するうちに、この物
質がヒアルロニダーゼ阻害効果を有することを見いだ
し、本発明を完成した。
【0015】すなわち本発明は、(1)貝類の粘液を加
水分解して得られる物質を主成分とするヒアルロニダー
ゼ阻害剤である。
【0016】また加水分解の前および/または後に、脱
塩処理してなる前記(1)記載のヒアルロニダーゼ阻害
剤である。
【0017】貝類の粘液の利用方法としては、貝類の粘
液なら特に種類を問わないが真珠養殖に用いるアコヤ貝
は真珠養殖後、貝柱以外は食用とはならず海洋汚染など
の問題があり、本発明者らはアコヤ貝を利用するのがよ
いと考える。この貝類の粘液を加水分解する方法につい
ては、前記の従来技術の項に記載した方法によればよ
い。本発明はこの貝類粘液の加水分解物の用途発明であ
る。
【0018】この物質の利用方法としては、この物質を
他の化粧品原料例えばスクワラン、ホホバ油等の液状
油、ミツロウ、セチルアルコール等の固体油、各種の活
性剤、グリセリン、1,3ブチレングリコール等の保湿
剤や各種薬剤等を添加してさまざまな剤形の化粧料を調
製することができる。例えばローション、クリーム、乳
液、パック等で目的に応じて利用形態を考えればよい。
【0019】ヒアルロニダーゼは、生体中に広く分布
し、皮膚にも存在する酵素で、その名の通りヒアルロン
酸を分解する。ヒアルロン酸はβ‐D‐N‐アセチルグ
ルコサミンとβ‐D‐グルクロン酸が交互に結合した直
鎖状の高分子多糖で、コンドロイチン硫酸などとともに
哺乳動物の結合組織に広く存在するグリコサミノグルカ
ンの一種である。
【0020】結合組織内でのヒアルロン酸の機能とし
て、細胞間隙に水を保持し、また組織内にジェリー状の
マトリックスを形成して細胞を保持したり、皮膚の潤滑
性と柔軟性を保ち、外力(機械的障害)および細菌感染
を防止していると考えられている。皮膚のヒアルロン酸
は齢をとるにつれて減少し、その結果小ジワやかさつき
などの老化をもたらすといわれている。
【0021】従って、これを分解するヒアルロニダーゼ
の活性を抑制することは、製剤に使用されているヒアル
ロン酸の安定性や、皮膚に塗布した後の製剤のヒアルロ
ン酸及び皮膚に存在していたヒアルロン酸の安定に寄与
すると考えられる。また、ヒアルロニダーゼは炎症酵素
としても知られ、活性抑制することは炎症を抑え、ま
た、アレルギーにも抑制的に働くことが知られている。
本発明者らは、前記貝類粘液の加水分解物が、このヒア
ルロニダーゼの活性を抑制する作用を有することを見い
だした。
【0022】
【実施例】以下に実施例によって、本発明を更に具体的
に説明するが、本発明はこの実施例によって何等限定さ
れるものではない。 (製造例)三重県産のアコヤ貝(Pictada ma
rtensi、真珠採取後の廃棄貝)を原料に用いた。
上記アコヤ貝を10.0kg脱殻し、これをデカンテーシ
ョン又は、遠心分離して粘液270gを得た。
【0023】この粘液100gにエタノールを等量くわ
えて、5℃に放置したのち遠心分離した。残留物に精製
水20mlを加えて撹拌しエタノール20mlを加えて撹拌
したのち遠心分離した。これを8回繰り返した。これに
精製水200mlを加えて撹拌したのちアクチナーゼE
(商品名)を0.5g加えて撹拌しつつ、50℃で6時
間放置した。その後100℃30分間加熱後、濾過(東
洋濾紙No5C)した。これを凍結乾燥した。
【0024】 (実施例−1)ローション オリーブ油 0.5 ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタンモノステアレート 2.0 ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 2.0 エタノール 10.0 製造例の5.0%水溶液 5.0 精製水 80.5
【0025】 (実施例−2)クリーム A スクワラン 20.0 オリーブ油 2.0 ミンク油 1.0 ホホバ油 5.0 ミツロウ 5.0 セトステアリルアルコール 2.0 グリセリンモノステアレート 1.0 ソルビタンモノステアレート 2.0
【0026】 B 精製水 43.9 ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタンモノステアレート 2.0 ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 1.0 グリセリン 5.0 製造例の5.0%水溶液 5.0 1.0%ヒアルロン酸ナトリウム水溶液 5.0 パラオキシ安息香酸メチル 0.1 AとBをそれぞれ計量し、70℃まで加温し、BにAを
撹拌しつつ徐々に加えたのち、ゆっくり撹拌しつつ30
℃まで冷却した。
【0027】(ヒアルロニダーゼ活性抑制試験) (試験方法)0.4%ヒアルロン酸ナトリウム0.1M
(pH6.0)リン酸緩衝溶液を6gはかりとり、37
℃恒温水槽で5分間放置後、試料の規定の濃度の水溶液
1.0mlを加え撹拌し、0.01%ヒアルロニダーゼ
(シグマ社製牛睾丸製、タイプI−S)0.1M(pH
6.0)リン酸緩衝溶液を1ml加えて直ちに撹拌し、6
mlを37℃の恒温水槽に入れたオストワルド粘度計に入
れた。これを1分後、5分後、10分後、20分後、4
0分後に粘度を測定した。対照として、上記試料液のか
わりに純水を加え同様に測定した。この試験では試料の
終濃度は検体の濃度の1/8となる。1分後の粘度を1
00として、結果を指数で表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】(使用テスト)女性6名の顔面を左右に分
け、一方を実施例1,2、もう一方を比較例1,2とし
て毎日、1回以上使用してもらって、3月後、アンケー
トした。なお、比較例1,2は実施例1,2より貝類粘
液の加水分解液(製造例)を水にかえたものである(比
較例1,2)
【0030】判定基準は以下のようでアンケートの結果
を合計してまとめたのが以下の表2である。 実施例の方が非常によい 3 実施例の方がかなりよい 2 実施例の方がややよい 1 差がない 0 比較例の方がややよい −1 比較例の方がかなりよい −2 比較例の方が非常によい −3
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】ヒアルロニダーゼ活性抑制試験の結果よ
り明らかなように、貝類粘液の加水分解物には顕著なヒ
アルロニダーゼ活性抑制効果が認められる。従って化粧
料に使用されているヒアルロン酸の安定性や、皮膚に塗
布した後の化粧料中のヒアルロン酸、元来皮膚に存在し
ていたヒアルロン酸の安定に寄与する。従って皮膚の潤
滑性と柔軟性を保ち、細菌感染を防止し、老化による小
ジワやかさつきを防ぎ、肌のつや、肌のはりを良好に保
つ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貝類の粘液を加水分解して得られる物質
    を主成分とするヒアルロニダーゼ阻害剤。
  2. 【請求項2】 加水分解の前及び/または後に、脱塩処
    理してなる請求項1記載のヒアルロニダーゼ阻害剤。
JP6690893A 1993-03-25 1993-03-25 ヒアルロニダーゼ阻害剤 Pending JPH06279255A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7087238B2 (en) 2000-11-09 2006-08-08 Teikoku Seiyaku Co., Ltd Sheet-like packs
US20070292527A1 (en) * 2003-11-03 2007-12-20 Daimlerchrysler Ag Composition for the cosmetic treatment of age-related dermatological symptoms
JP2014074014A (ja) * 2012-09-13 2014-04-24 Mikimoto Pharmaceut Co Ltd ヒアルロン酸合成促進剤

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