JP2014074014A - ヒアルロン酸合成促進剤 - Google Patents
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Abstract
本発明の目的は 本発明の目的はヒアルロン酸の産生を促進し、肌表面のキメを整え、肌表面の立体的な構造を支え肌にハリや艶を保ち、老化に伴う皮膚の保水力の減少を防ぎ、さらには関節リウマチ、化膿性関節炎や通風性関節炎に有効な製剤を得ることである。
【解決手段】
真珠及び/又は真珠層由来蛋白加水分解物を有効成分とするヒアルロン酸合成促進剤が本課題を解決することがわかった。
【選択図】図1
Description
ヒアルロン酸は高分子化合物であるため、皮膚の外側から表皮に供給することは困難であり、生体内で低分子の原料物質からヒアルロン酸合成酵素によって産生されているから、表皮細胞間にヒアルロン酸を供給するためにはヒアルロン酸合成酵素の発現が重要である。
表皮でヒアルロン酸の合成促進に関与するヒアルロン酸合成酵素3(HAS3)の発現を促進することで、肌表面のキメを整え、肌表面の立体的な構造を支え肌にハリや艶を保つことが可能となる。
リウマチ以外にも化膿性関節炎や通風性関節炎などでも関節リウマチ同様ヒアルロン酸含量の低下が起こることが知られている。
関節炎の治療法としては、例えば患部にヒアルロン酸を注入する方法もとられているが、医療行為のため病院で処置が必要となるうえに、ヒアルロン酸の代謝と共に改善効果が薄れ、また一回あたりの費用がかかるため、患者に対して多くの心身的、経済的な負担となっている。
真珠や真珠層由来蛋白加水分解物は加水分解コンキオリンとして化粧品に古くより、利用されており、例えば、ヒスタミン抑制、活性酸素抑制等の効果が知られている。
ここで利用する真珠及び真珠層について説明する。
まず、真珠とは,生きた真珠貝の中で球状または半球状(多少の変形を含む)に形成される代謝生産物であって,かつ,この外見しうる部分の主たる構成物質が,真珠貝の真珠層と等質であるものをいう。
真珠貝は貝殻に真珠層を有する貝類をいうが、二枚貝綱、腹足綱、頭足綱などのうち特定の古い系統の貝類を指し、例示すれば、アコヤガイ、シロチョウガイ、クロチョウガイ、ベニコチョウガイ、マベガイ、イガイ、ムラサキイガイ、ヤコウガイ、イケチョウガイ、カワシンジュガイ、カサガイ等が挙げられる。
このうち、アコヤガイ、シロチョウガイ、クロチョウガイが養殖も実施されており原料の確保の点から好ましい。
真珠層を有する貝殻を利用する場合は貝殻に付着した、触手動物、軟体動物、節足動物、環形動物、脊索動物、海藻類等々多種多様の生物や海泥等の無機物を、水、ブラシ、ヘラ等で取り除く。(勿論貝肉等もなるべく取り除いておく)
また、貝殻の内、殻皮層、稜柱層は場合によっては、ブラシ、ヘラ、グラインダーを用いて取り除く。また、特開昭62−120319号公報、特開2003−250489号公報、特開2011−72207号公報等にも種々の方法が記載されているので任意の方法を選択すればよい。
以上、真珠或いは真珠層を有する貝殻の一方又は両方より、炭酸カルシウム等を除くために脱灰する。これをスムーズに行うために破砕・粉砕工程を必要に応じて加える。
破砕・粉砕は、金槌、棒等で破砕してもよいし、ジャイレトリクラッシャー 、コーンクラッシャー、シングルロールクラッシャー、ダブルロールクラッシャー 、インパクトクラッシャー、ボールミル、ハンマーミル、ロッドミル等のクラッシャーや粉砕機を用いて破砕・粉砕を行ってもよい。
また、反応時間は粉砕の程度、反応温度等によって変化するが、10時間〜10日間程度が好ましい。
加える塩酸の量は炭酸カルシウムが溶解する程度でよいが、後工程の蛋白の加水分解工程で酸を用いる場合は加水分解時の酸濃度が変化するので、塩酸の量は炭酸カルシウムが溶解するに必要な量より若干多めにし、充分に脱灰しておく。
これを遠心分離、濾過等で不溶物を集める。用途によっては後述する脱塩工程を実施する場合、脱塩の方法によってはこの工程で充分に塩を取り除く必要があるので、不溶物に水を加えて、撹拌後、遠心分離、濾過等で不溶物を集める工程を複数回繰り返すとよい。
酸としては、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、亜硫酸、シュウ酸、クエン酸、酢酸、ギ酸、乳酸などが使用でき、アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が例示されるが、このうちの1種又は2種以上を用いて、さらには蛋白分解酵素と組み合わせて蛋白を加水分解する。この中でもよく用いられるのは、塩酸、硫酸が挙げられる。
加水分解の条件は、酸、アルカリ、酵素の種類によって選択されるが、塩酸や硫酸を用いる場合は、1〜10モル、室温〜120℃、1時間〜10日間程度がよく、加圧も加えてもよい。
加水分解後、酸やアルカリを用いた場合は中和、酵素を用いた場合は加熱等の失活操作を必要に応じて行う。さらに用途によっては、完全に或いは一部脱塩する。
その後、必要に応じて脱色工程や乾燥工程を加え、真珠及び/又は真珠層由来蛋白加水分解物を得る。
また、特開昭62−223104号公報、特開平02−076597号公報、特開平05−043444号公報の方法も参考になる。
色素類;黄色4号、青色1号、黄色202号等の厚生省令に定められたタール色素別表I及びIIの色素、クロロフィル、リボフラビン、クロシン、紅花、アントラキノン等の食品添加物として認められている天然色素等。
ビタミン類;ビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE等。
その他;殺菌剤、防腐剤、その他製剤上必要な成分等。
貝肉や貝殻に付着物を水、ブラシで除去し、約1〜5mm程度に粉砕したアコヤガイ貝殻50kgに水450kgを加えて撹拌しつつ、塩酸100kgを徐々に加えた。さらに水100kgを加え3日間撹拌した。塩酸10kgを徐々に加えた。さらに水200kgを加え2日間撹拌した。撹拌しつつ、水酸化ナトリウム3kgを徐々に加えた。
pH7になるように25%水酸化ナトリウムで調整した後水200kg加えた。これをシャープレス遠心機で沈殿を集めた。
沈殿を解砕し、0.1モル塩酸20kgを加えて24日間ゆっくり撹拌した。これに水1000kgを撹拌しつつ加えたのち、シャープレス遠心機で沈殿を集めた。
沈殿を解砕し、これに水1000kgを撹拌しつつ加えたのち、シャープレス遠心機で沈殿を集めた。
この沈殿200gに10倍希釈した硫酸を3kg加え、110℃のオイルバスで24時間加水分解した。
放冷後、水酸化バリウムを徐々に加えながらpH3.0に調整した後、遠心分離(6000rpm、15分間)し、上澄みにアンバーライトIRA910をpH7.0になるまで徐々に加えた。これを濾過して濾液に活性炭を10g加え30分間撹拌した。
これを濾過し、凍結乾燥した。
市販品の加水分解コンキオリン液をエバポレートしたのち、凍結乾燥したものを用いた。(同品は加水分解コンキオリン、エタノール、水で構成されており、アコヤガイを由来とする)
2継代目のヒト包皮由来表皮細胞(クラボウ)を50−70%コンフルエントとなるようHuMedia−KG2培地(フェノールレッド不含)で培養後、前日にカルシウム濃度を1.8mMに変更したHuMedia−KG2培地に、製造例を添加し、37℃、5%CO2インキュベータ中で2日間培養した。
細胞からの Total RNAの抽出は、トリプシン/EDTAで剥離後、SV Total RNA Isolation System(プロメガ社)を用い、プロメガ社の添付マニュアル(日本語プロトコールNoTM048J2001年6月作成)に従い調製した。RNA濃度は、NanoDrop1000(Thermo SCIENTIFIC)を用い算出した。
2.5μgのTotal RNAを使い、MMLV Reverse Transcriptase RNaseH−(東洋紡社)を用い、東洋紡社推奨プロトコール(TOYOBO BIOCHEMICALS FOR LIFE SCIENCE 2008/2009のページ1−42)に従いRT反応を行なった。
リアルタイムPCRはAppliedBiosystems 7500 リアルタイムPCR Systemを用い、以下のように実施した。SYBR Green法を用い(THUNDERBIRD SYBR qPCR Mix,東洋紡社)、7500 リアルタイムPCR Systemの操作マニュアル(AppliedBiosystems)を用いて、Comparative CT(△△CT)法(n=3)により遺伝子発現比較を実施した。内部標準としてGAPDHを使用した。
HAS3:フォワードプライマーがTGTTTTCCCTCTGCTGCTTT(配列番号1)の塩基配列と、リバースプライマーがTGCTGTCCACCTTAGTGCTG(配列番号2)の塩基配列とのセット
GAPDH:フォワードプライマーがGAGTCAACGGATTTGGTCGT(配列番号3)の塩基配列と、リバースプライマーがTTGATTTTGGAGGGATCTCG(配列番号4)の塩基配列とのセット
結果を見ると、製造例1は0.5%で作用させた場合、HAS3の遺伝子発現量を約2.2倍に増加させることがわかった。
図2は製造例2を0.5%作用させて実験した結果である。
結果を見ると、製造例2は0.5%で作用させた場合、HAS3の遺伝子発現量を約1.8倍に増加させることがわかった。
また、関節リウマチ、化膿性関節炎や通風性関節炎にも有効であった。
Claims (2)
- 真珠及び/又は真珠層由来蛋白加水分解物を有効成分とするヒアルロン酸合成促進剤。
- アコヤガイを由来とする真珠及び/又は真珠層由来蛋白加水分解物を有効成分とするヒアルロン酸合成促進剤。
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