WO1999034373A1

WO1999034373A1 - Cable et son procede de fabrication

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Publication number: WO1999034373A1
Application number: PCT/JP1998/005489
Authority: WO
Inventors: Seiichi Ueno
Original assignee: The Furukawa Electric Co., Ltd.
Priority date: 1997-12-26
Filing date: 1998-12-04
Publication date: 1999-07-08
Also published as: US6538205B2; EP0971370A4; JPH11191324A; EP0971370A1; US20020060087A1; DE69833787D1; EP0971370B1; US20010011603A1; DE69833787T2; US6631559B2; JP3682366B2

Description

明細書ケーブル及びその製造方法技術分野

本発明は、車両や電気 ·電子機器などの配線系に使用される配線束であるケ一ブルに関し、特に、フラットケーブルを複数本配列して束状に形成したケーブル及びその製造方法に関する。

背景技術

自動車等の車両において、電気配線として用いられる従来のケーブルすなわちワイヤハーネスとしては、例えば、実開昭 5 8 - 2 6 1 1 4号公報に示されたものが知られている。この公報に開示のワイヤハーネス 1 0は、図 1に示すように、円形断面をなす導線 1 0 bを絶縁材 1 0 cで被覆した複数の被覆電線 1 0 aを平面状に配列して、お互いに隣接する被覆電線 1 0 a同士を結合したものである ο

これら複数の被覆電線 1 0 aは、それぞれの被覆電線 1 0 aの絶縁材 1 0 c上の 1 8 0度離れた対称位置に、長さ方向に沿って伸長するように形成された凹状断面をなす雌型係合部 1 0 d及びこの雌型係合部 1 0 dと適合する凸状断面をなす雄型係合部 1 0 eを有しており、隣接する被覆電線 1 0 a同士の雌型係合部 1 0 dと雄型係合部 1 0 eとを互いに嵌合させることにより、平面状に結合されるものである。

また、上記実開昭 5 8 - 2 6 1 1 4号公報には、それぞれの被覆電線 1 O aの絶縁材 1 O cに、上記のような雌型係合部 1 O d及び雄型係合部 1 O eを設けることなく、隣接する被覆電線 1 O aの絶縁材 1 0 c相互を加熱溶着により結合させたワイヤハーネスも記載されている。

さらに、従来のフラットケーブルとしては、図 2に示すようなものが知られている。このフラットケーブル 1 1は、対向面に樹脂性の接着層 1 1 aを有する一対の絶縁シート 1 1 b、 1 1 bの間に、一定の間隔で平行に配列された略矩形断面をなす複数の薄板状導体 1 1 cをサンドイッチ状に挟み込んで加熱溶着したものである。

上記フラットケーブル 1 1を用いたワイヤハーネス 1 2の製造にあたっては、図 2に示すものよりも幅の広い絶縁シ一ト 1 1 b、 1 1 bを使用し、それらの絶縁シート 1 l b、 1 1 bの間により多くの薄板状導体 1 l cを挟み込んで加熱溶着することにより、図 3に示すようなワイヤハーネス 1 2を製造していた。

このワイヤハーネス 1 2は、配線の設計にしたがって、図示しないカツタ等を用いて、長さ方向に沿う複数の切り裂き状切断部 1 2 cをそれぞれ所定の長さに形成して、それぞれ 1本又は複数本の薄板状導体 1 1 cを含む複数の分岐ケープル 1 2 bを形成し、端面が揃った先端部側に図示しない収束コネクタを取り付けて制御部などに接続するとともに、各分岐ケ一ブル 1 2 bの他端部にそれぞれ図示しないコネクタを取付けて各部品に接続する要領で使用される。

また、上記フラットケーブル 1 1を用いた他のワイヤハーネスとしては、図 2 に示すようなフラットケーブル 1 1を複数個重ね、これらを結束テープなどにより部分的に結束することにより形成されたものが存在する。

ところで、上記実開昭 5 8 - 2 6 1 1 4号公報に記載されたワイヤハーネス 1 0においては、導線 1 0 bの断面が円形であることから、使用電流の大きさに応じて各被覆電線 1 0 aに断面積が異なる導線 1 O bを使用すると、各被覆電線 1 0 a相互の太さの相違からワイヤハーネス 1 0全体の断面形状がアンバランスになって配線しずらくなるため、各被覆電線 1 0 aには通常同じ断面積の導線 1 0 bを使用せざるを得ない。

したがって、使用電流に応じて各被覆電線 1 0 aにおける導線 1 O bの断面積を選択することが困難で、配線の自由度が低下する。

一方、図 3に示すワイヤハーネス 1 2においては、それぞれの薄板状導体 1 1 Cの厚みを一定にしてその幅を適宜異ならせることにより、使用電流の大きさに応じた断面積の薄板状導体 1 1 cを組み込むことができる。しかしながら、多くの場合、配線の設計上、各分岐ケーブル 1 2 bの長さが異なるので、図 3中にて斜線で示す切り捨てるべき切除部分 1 2 dが大きくなり、不経済でその分コスト高になる。また、配線の際に、カツタなどにより切り裂き状切断部 1 2 cを形成しなければならないので、配線工事に手間がかかりコスト高になる。

また、それぞれ必要な長さに切断した複数のフラットケーブル 1 1を、結束テープなどで部分的に結束してワイャハーネスを形成する場合は、前述のような切除部分 1 2 dはなくなるが、結束する際の手間がかかるためコスト高になり、又、配線時に配線保護筒や配線孔などに通す場合に、各結束部の結束テープが邪魔になることがあった。

前述の各課題は、例えば図 2に示すようなフラットケーブル 1 1を複数本平行かつ密に並べ、隣接するフラットケーブル 1 1同士を加熱溶着により結合させてワイヤハーネスを製造することで、解決することができる。

しかしながら、このようなフラットケーブル 1 1は、結合部の剝がれを防止するために、配列される複数の薄板状導体 1 0相互のピッチ間隔よりも側縁の耳部 1 1 d (図 2参照）の幅を大きくする必要がある。

したがって、上記のように、フラットケーブル 1 1同士を加熱溶着により結合して形成したワイヤハーネスは、結合部を挟んで両側に位置する薄板状導体 1 1 c同士の間隔が、他の位置の薄板状導体 1 1 c同士の間隔に比べてかなり大きくなり、その分だけワイヤハーネスの幅が大きくなる。

このような幅広のワイヤハーネスでは、車両あるいは電子機器の筐体等の限られた空間に配線する際に、より広い配線スペースが必要になり、又、ワイヤハーネスの端部をコネクタに挿入する場合、端子ピッチが共通な通常のコネクタを、その端部に取り付けることができず、専用のコネクタを設ける必要があった。一方、結合部を挟んで両側に位置する薄板状導体 1 0 c同士の間隔を、他の位置の薄板状導体 1 1 c同士の間隔に一致させるため、隣接するフラットケーブル 1 1同士の耳部 1 1 dを重ねて加熱溶着により結合すると、この結合部に段差が生じ、コネクタへ挿入し難くなるとともに、この結合部の曲げ剛性が高くなつて、配線が困難になる。

また、フラットケーブル 1 1同士を加熱溶着により結合して形成したワイヤハ一ネス 1 2は、結合部の強度が弱くてフラットケーブル 1 1同士が取扱い中に離れ易く、加熱溶着の際に、絶縁シート 1 1 bよりも接着層 1 1 aが早く溶融して、この接着層 1 1 aが結合部からはみ出すことがあり、比較的高温の環境下では、このはみ出した接着層 1 1 aが軟らかくなり、ワイヤハーネス 1 2そのものあるいは周りの周辺部材を汚す虞があつた。

発明の開示

本発明の目的は、複数のフラットケーブルを使用したケーブルにおいて、切捨て部分をほとんど生じることなく、より低コストで製造することができ、配線の際に切り裂きその他の加工をほとんど必要とせず、より低コス卜で簡単に配線することができるケーブルを提供することにある。

本発明の他の目的は、フラットケーブル相互の結合部がより強固であって、しかもこの結合部に段差がないケープルを提供することにある。

本発明のさらに他の目的は、配列される薄板状導体のピッチ間隔を一定にし易い構造であって、配線設計の自由度の高いケーブルを提供することにある。本発明のさらに他の目的は、前述のような各目的を達成することができるケーブルを、円滑かつ効率的に製造することができるケーブルの製造方法を提供することにある。

本発明のケ一ブルは、前述の課題を解決するため以下のように構成したものである。

すなわち、本発明のケーブルは、 1本又は平行に並べられた複数本の略矩形断面をなす薄板状導体と、上記薄板状導体を一体的に被覆するように平坦状に成形された絶縁被覆層とからなる複数のフラットケーブルを有し、上記複数のフラットケーブルは、平行かつ密接して平面状に配置され、隣接するフラットケーブルの側縁部同士が所定の長さにわたり連続して又は断続して結合されている、ことを特徴としている。

上記構成のケーブルにおいては、上記複数のフラットケーブルが、それぞれ上記絶縁被覆層の両側縁部に形成された一対の段部を有し、上記複数のフラットケ —ブルが、隣接するフラットケーブルの上記段部同士を相補的に接合した状態で所定の長さにわたり連続して又は断続して結合されている、構成を採用することができる。

上記構成のケーブルにおいては、上記一対の段部には係止突起がそれぞれ形成されており、隣接するフラットケーブルの段部同士を接合し状態で、上記係止突起同士がお互いに嚙み合うように係合される、構成を採用することができる。上記構成のケーブルにおいては、上記一対の段部は、上記フラットケーブルの厚み t以下の厚み t 1を有し、両方が上記フラッケーブルの一面側に又は一方が上記フラットケーブルの一面側でかつ他方が上記フラットケーブルの他面側に形成されている、構成を採用することができる。

上記構成のケーブルにおいては、上記複数のフラットケ一ブルのそれぞれの長さは、 2種類以上の長さに設定されている、構成を採用することができる。上記構成のケーブルにおいては、上記複数のフラットケーブルの少なくとも 2 つは、一方の端部が面一に揃えられている、構成を採用することができる。上記構成のケーブルにおいては、上記絶縁被覆層は熱可塑性樹脂からなり、上記フラットケーブル同士は加熱溶着により結合されている、構成を採用することができる。

また、本発明のケーブルは、 1本又は平行に並べられた複数本の略矩形断面をなす薄板状導体と、上記薄板状導体を一体的に被覆するように平坦状に成形された絶縁被覆層とからなる複数のフラットケーブルを有し、上記複数のフラットケ一ブルは、隣接するフラットケーブルの一方の側縁部同士が揃えられた状態で交互に折り重ねられ、かつ、上記一方の側縁部同士が所定の長さにわたり連続して又は断続して結合されている、ことを特徴としている。

上記構成のケ一ブルにおいては、上記複数のフラットケーブルが、上記一方の側縁部において、重ね合わされる面側にそれぞれ形成された段部を有し、上記複数のフラットケーブルが、上記段部同士が背中合わせに重ねられた状態で所定の長さにわたり連続して又は断続して溶着により結合されている、構成を採用することができる。

上記構成のケーブルにおいては、上記段部は、上記フラットケーブルの厚み t 以下の厚み t 1を有する、構成を採用することができる。

上記構成のケーブルにおいては、上記複数のフラットケ一ブルのそれぞれの長さは、 2種類以上の長さに設定されている、構成を採用することができる。上記構成のケーブルにおいては、上記複数のフラットケ一ブルの少なくとも 2 つは、一方の端部が面一に揃えられている、構成を採用することができる。上記構成のケーブルにおいては、上記絶縁被覆層は熱可塑性樹脂からなり、上記フラットケーブル同士は加熱溶着により結合されている、構成を採用することができる。

本発明のケーブルの製造方法は、複数のフラットケーブルをそれぞれ一方向へ間欠的に送り出す送り出し工程と、上記送り出し工程により送り出された複数のフラットケーブルを平行かつ密接に配列させた状態で上記送り出し工程における送りと同期して上記一方向へ間欠的に移送する移送工程と、上記移送工程により移送された複数のフラットケーブルの隣接する側縁部同士を所定の長さにわたり連続的又は断続的に溶着する溶着工程と、上記溶着工程により溶着されたフラットケーブルを上記移送工程における移送と同期して引き取る引き取り工程と、上記複数のフラットケーブルを、所定のタイミングにてそれぞれに切断する切断ェ程と、を有することを特徴としている。上記構成の製造方法においては、上記複数のフラットケーブルのうち 1本のフラットケーブルを除く他のフラットケーブルがそれぞれ所定の長さ送り出された後に、上記切断工程により前記他のフラットケーブルをそれぞれ切断すると共に切断されたフラットケーブルの送り出しを停止させ、上記 1本のフラットケープルが所定の長さ送り出された後に、送り出しが停止された前記他のフラットケ一ブルを再び送り出し、上記 1本のフラットケーブルがさらに所定の長さ送り出された後に、上記 1本のフラットケ一ブルの後端部を他のフラットケーブルの先端部と面一にして切断する、構成を採用することができる。

また、上記構成の製造方法においては、上記複数のフラットケーブルとして第

1ないし第 4のフラットケーブルを用い、上記送り出し工程において、上記第 1 及び第 2のフラットケーブルを同時に送り出し、上記第 1及び第 2のフラットケ一ブルが所定の長さ送り出された後に、上記第 3及び第 4のフラットケーブルを送り出し、上記第 3及び第 4のフラットケーブルが所定の長さ送り出された後に、上記切断工程により上記第 2のフラッ卜ケーブルを切断すると共に上記第 2のフラットケーブルの送り出しを停止させ、上記第 2のフラットケーブルを切断した後に、上記第 4のフラットケーブルを切断すると共に上記第 4のフラットケーブルの送り出しを停止させ、上記第 1及び第 3のフラットケーブルが所定の長さ送り出された後に、上記第 1及び第 3のフラットケーブルを後端部を面一にして切断する、構成を採用することができる。

図面の簡単な説明

図 1は、実開昭 5 8 - 2 6 1 1 4号公報に記載されているワイヤハーネスの部分断面図であり、

図 2は、従来のフラットケーブルの拡大断面図であり、

図 3は、図 2に示すフラットケ一ブルを用いた従来のケーブルを示す部分平面図であり、

図 4は、本発明の第 1実施形態に係るケーブルを構成するフラットケ一ブル同士を突き合わせた未溶着の状態を示す部分断面図であり、

図 5は、図 4に示す状態から各フラットケーブル同士を加熱溶着により結合した状態を示す部分断面図であり、

図 6は、第 1実施形態のケーブルの平面図であり、

図 7は、本発明の第 2実施形態に係るケーブルを構成するフラットケーブル同士を突き合わせた未溶着の状態を示す部分断面図であり、

図 8は、図 7に示す状態から各フラットケーブル同士を加熱溶着により結合した状態を示す部分断面図であり、

図 9は、本発明の第 3実施形態に係るケーブルを示す断面図であり、図 1 0は、図 9に示すケーブルを展開した状態を示す部分平面図であり、図 1 1は、本発明の第 4実施形態に係るケーブルの平面図であり、

図 1 2は、図 1 1に示すケーブルにコネクタを取り付けた状態を示す平面図であり、

図 1 3は、本発明のケーブルを構成するフラットケーブルの製造装置を示す概略正面図であり、

図 1 4は、図 1 3に示す製造装置の内部構造を部分的に拡大して示した斜視図であり、

図 1 5は、本発明のケーブルを製造する製造装置を示す平面図であり、図 1 6は、図 1 5に示す製造装置の正面図であり、

図 1 7は、本発明のケーブルを製造する製造装置の変形例を示す部分平面図であり、

図 1 8は、本発明のケーブルを製造する製造装置の他の変形例を示す部分正面図である。

発明を実施するための最良の形態

以下、本発明のケーブル及びその製造方法の最良の実施形態として、図 4〜図 1 8に基づいてワイヤハーネス及びその製造方法を詳細に説明する。図 4ないし図 6は、本発明の第 1実施形態に係るワイャハーネスを示すものである。この実施形態に係るワイヤハーネス 3 0は、長尺な複数のフラットケープル 3 1が平面状に配列されて、隣接するフラットケーブル 3 1同士が結合されることにより形成されている。

このワイヤハーネス 3 0を構成する各々のフラットケーブル 3 1は、図 4に示すように、銅又は銅合金などにより断面が略矩形形状をなすように形成されて、お互いに所定の間隔を空けて平行に配列された複数本（ここでは、 2本）の薄板状導体 3 1 aと、これら薄板状導体 3 1 aを一体的に被覆するように形成された絶縁被覆層 3 1 bとにより構成されている。

絶縁被覆層 3 1 bは、薄板状導体 3 1 aに向けて、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリオレフイン系樹脂、ポリエステル系樹脂、その他の熱可塑性樹脂を直接押し出し成形することにより形成されるものである。

フラットケーブル 3 1には、両側縁部に位置する絶縁被覆層 3 1 bの部分に、このフラットケーブル 3 1の厚み tの 1ノ2程度の厚み t 1を有する段部 3 1 c がそれぞれ一体的に形成されており、一方の段部 1 2は上面側に、他方の段部 1 2は下面側にそれぞれ形成されている。また、隣接する薄板状導体 3 1 a、 3 1 a同士の間に位置する絶縁被覆層 1 4の部分には、その上下面において、溝状の凹部 3 1 d形成されている。

各々の段部 3 1 cは、図 4に示すように、フラットケーブル 3 1同士を並べて突き合わせ、一方のフラットケーブル 3 1の上側の段部 3 1 dと他方のフラットケーブル 3 1の下側の段部 3 1 dとがお互いに重なるようにしたとき、この突き合わせ部分の両側に位置する薄板状導体 3 1 a， 3 1 aの間隔 w lカ各々のフラットケーブル 3 1内の薄板状導体 3 1 a , 3 1 aの間隔 wとほぼ等しくなるように構成されている。

この実施形態では、 2つの段部 3 1 cのうち、一方を上側に、他方を下側にそれぞれ設けたが、同じ面側すなわち上側に 2つの段部 3 1 cを設け、あるいは、下側に 2つの段部 3 1 cを設けることも可能である。

図 6に示すワイヤハーネス 3 0は、前述のような構成をなす 4本のフラットケ一ブル 3 1を、図 4に示すように相互の段部 3 1 c , 3 1 cを重ねた状態で突き合わせて、図 5に示すように、この突き合わせ部分の段部 3 1 c 3 1 c同士を、長さ方向において、所定の長さにわたって連続的に又は断続的に加熱溶着して溶着部 3 2を形成することにより製造されている。

このワイヤハーネス 3 0は、先端部側（図 6中の左端側）が面一になるように切り揃えられており、後端部側（図 6中の右端側）には配線設計上の必要な長さにわたつて溶着しない部分が形成されている。

ワイヤハーネス 3 0の先端部側には、機器の制御部などに接続されるための収束用のコネクタ 3 3が取付けられており、一方、ワイヤハーネス 3 0の後端部側には、それぞれ各部品に接続されるための分岐接続用のコネクタ 3 4が取り付けられている。

本実施形態においては、 1つのフラットケーブル 3 1に 2本の薄板状導体 3 1 aを配置したが、配線設計を考慮すると、薄板状導体 3 1 aの本数が少なく、それぞれのフラットケーブル 3 1に設けられる薄板状導体 3 1 aの幅（断面積）が異なっており、又、それぞれのフラットケーブル 3 1に設けられる薄板状導体 3 1 aの個数が異なっているのが好ましい。

この実施形態のワイヤハーネス 3 0においては、各フラットケーブル 3 1同士が、所定の長さだけ溶着され、先端部側に溶着しない部分が形成され、又、それぞれのフラットケーブル 3 1がそれぞれ所望の長さに形成されていることから、配線の際に、切捨て部分がほとんど生じないので無駄がなく、より低コストで製造することができ、又、切り裂きその他の加工をほとんど必要としないので、より低コストで簡単に配線することができる。また、高温環境下においても溶着部が軟らかくなつて周辺部材に付着するようなこともない。

また、各フラットケーブル 3 1は、薄板状導体 3 1 aを被覆するように、熱可塑性樹脂からなる絶縁被覆層 3 1 bを押し出し成形することにより形成されているので、強度上両側縁部の幅を大きくする必要がなく、これらのフラットケープル 3 1の側縁部を突き合わせて溶着したワイヤハーネスにおける薄板状導体 3 1 a相互の間隔を、コネクタ 3 3， 3 4における電極のピッチと容易に一致させることができる。したがって、ワイヤハーネスの端部へコネクタを円滑に取り付けることが可能になる。

また、フラットケーブル 3 1に形成した段部 3 1 c同士を重ねた状態で突き合わせ、この突き合わせ部を連続的に又は断続的に溶着して結合していることから、結合部が強固に結合されると共に、この結合部に段差を生じることもない。さらに、薄板状導体 3 1 aの本数を少なくし、それぞれのフラットケーブル 3 1の薄板状導体 3 1 aの幅（断面積）及び個数を異ならせることによって、配線設計の自由度が向上する。

さらにまた、各フラットケーブル 3 1には、溝状の凹部 3 1 dが形成されているので、必要に応じて、この凹部 3 1 dの部分からフラットケーブル 3 1を容易に引き裂いて分岐することができる。

図 7及び図 8は、本発明の第 2実施形態に係るワイヤハーネスを示すものであり、図 7はワイヤハーネス 4 0を構成するフラットケーブル 4 1同士を加熱溶着する前の状態を示す部分断面図であり、図 8はフラットケーブル 4 1同士を加熱溶着した状態を示す部分断面図である。

この実施形態に係るワイヤハーネス 4 0は、前述の実施形態と同様に、薄板状導体 4 1 a及びこの薄板状導体 4 1 aを一体的に被覆するように成形された絶縁被覆層 4 1 bとからなるフラットケーブル 4 1を複数配列して結合することにより構成されている。また、各フラットケーブル 4 1の両側縁部には段部 4 1 cが形成されており、この段部 4 1 cの端部には、均一な高さで上下方向に突出した凸状断面をなす係止突起 4 1 d形成されている。

そして、相互の係止突起 4 1 dが嚙み合うように、隣接するフラットケーブル 4 1同士の段部 4 1 cを重ねて突き合わせ、各突き合わせ部分を必要な長さにわたって連続的に加熱溶着している。この加熱溶着により、係止突起 4 1 dは、図 8に示すように、潰れて一体的に結合されることになる。

このように、各段部 4 1 cの端部において、係止突起 4 1 dを設けたことにより、フラットケーブル 4 1相互の結合に際して、段部 4 1 c同士を嚙み合い状に重ね合わせる作業が非常に容易になる。

この第 2実施形態に係るワイヤハーネス 4 0の他の構成、作用、及び効果は、前述の第 1実施形態に係るワイヤハーネス 3 0と同様であるため、それらの説明は省略する。

図 9及び図 1 0は、本発明の第 3実施形態に係るワイヤハーネスを示すものであり、図 9はその断面図、図 1 0はワイヤハーネス 5 0を構成するフラットケーブル 5 1を展開した状態を示す部分平面図である。

この実施形態に係るワイヤハーネス 5 0は、前述の実施形態と同様に、薄板状導体 5 1 a及びこの薄板状導体 5 1 aを一体的に被覆するように成形された絶縁被覆層 5 1 bとからなるフラットケーブル 5 1を 3本配列して結合し、この結合部分から折り曲げて相互に重ね合わせられるように構成されている。

すなわち、隣接するフラットケーブル 5 1の側縁部に形成された段部 5 1 c 5 1 cの端面同士を突き合わせるように配列し、この突き合わせ部を必要な長さにわたつて連続的又は断続的に加熱溶着して、折り曲げ自在な溶着部（結合部） 5 1 dを形成することにより製造されている。

このワイヤハーネス 5 0は、図 1 0に示すように、前述の第 1実施形態と同様に、その先端部側（図 1 0中の左側）が面一に切り揃えられ、後端部側（図 1 0 中の右側）には必要な長さにわたってフラットケーブル 5 1同士を溶着しない部分が形成されている。また、ワイヤハーネス 5 0の先端部側に図示しない収束用のコネクタが取り付けられ、又、後端部側に図示しない分岐接続用のコネクタが取り付けられる。この第 3実施形態に係るワイヤハーネス 5 0は、各フラットケーブル 5 1を折り重ねた状態で使用するのに適しているが、その他の構成、作用、及び効果は、前述の第 1実施形態に係るワイヤハーネス 3 0と同様であるので、それらの説明は省略する。

尚、前述の第 1及び第 2実施形態さらには後述の第 4実施形態に係るヮィャハ —ネスの各フラットケーブルを、その結合部に沿って交互に折り重ねることにより、第 3実施形態のようなワイヤハーネスを製造することもできる。

図 1 1及び図 1 2は、本発明の第 4実施形態に係るワイヤハーネスを示すものであり、図 1 1は平面図、図 1 2はワイヤハーネス 6 0の端部にコネクタを取り付けた状態を示す平面図である。

この実施形態に係るワイヤハーネス 6 0は、 4本のフラットケ一ブル 6 1 a , 6 1 b , 6 1 c , 6 1 dを結合することにより構成されている。図 1 1に示すように、最長である第 1のフラットケ一ブル 6 1 aは、その先端部（図 1 1中の左端部）が第 2のフラットケーブル 6 1 bの先端部と面一に揃えられ、その後端部 (図 1 1中の右端部）が第 3のフラットケーブル 6 1 cの後端部と面一に揃えられている。第 3のフラットケーブル 6 1 cは、その先端部が第 4のフラットケーブル 6 1 dの先端部と面一に揃えられている。

第 1のフラットケ一ブル 6 1 a及び第 2のフラットケーブル 6 1 bは、それぞれ両側縁部に形成された段部 6 2同士を先端部側の所定長さにわたって加熱溶着した溶着部 6 3により結合されている。第 1のフラットケーブル 6 1 a及び第 3 のフラットケーブル 6 1 cは、それぞれ両側縁部に形成された段部 6 2同士を、後端部側の所定長さにわたって加熱溶着した溶着部 6 3と、第 3のフラットケ一ブル 6 1 cの先端部側及び第 1のフラットケーブル 6 1 aの途中部分において短い長さにわたって溶着された仮止め部 6 4とにより結合されている。また、第 3 のフラットケ一ブル 6 1 c及び第 4のフラットケーブル 6 1 dは、それぞれ両側縁部に形成された段部 6 2同士を先端部側の所定長さにわたつて加熱溶着した溶着部 6 3により結合されている。

このワイヤハーネス 6 0においては、図 1 2に示すように、仮止め部 6 4を引き離し、第 1のフラットケーブル 6 1 a及び第 2のフラットケーブル 6 1 bの先端部分と、第 1のフラットケーブル 6 1 a及び第 3のフラットケーブル 6 1 cの後端部分と、第 3のフラットケーブル 6 1 c及び第 4のフラットケーブル 6 1 d の先端部分とに、それぞれ収束用のコネクタ 6 5が取り付けられ、又、第 2のフラットケーブル 6 1 bの後端部と、第 4のフラットケーブル 6 1 dの後端部とに、それぞれ分岐用のコネクタ 6 6が取り付けられる。

この第 4の実施形態に係るワイヤハーネス 6 0は、図示しない機器ないし装置において、中央制御系及びこの中央制御系に制御される複数の周辺制御系が存在する場合に、各周辺制御系を介して中央制御系と各周辺制御系の端末部品とを接続するのに適している。

したがって、一方の端部が揃えられたフラットケーブル 6 1は、図示のように二本でなく三本以上の形態で実施されてもよい。

この第 4実施形態に係るワイ一ハーネス 6 0の他の構成、作用、及び効果は、前述の第 1実施形態に係るワイヤハーネス 3 0とほぼ同様であるため、それらの説明は省略する。

なお、前述第 3実施形態のように、各フラットケーブル 5 1同士を重ねた形態においても、第 4実施形態のワイヤハーネス 6 0のように、二本以上の隣接するフラットケーブル 5 1同士の少なくとも一方の端部を揃えた状態で、この揃えた端部部分の側縁部同士を必要な長さにわたって連続的又は断続的に加熱溶着により結合することができる。

以上述べた第 2〜第 4の実施形態においては、段部 4 1 c , 5 1 c , 6 2の厚み t 1を、フラットケーブル 4 1， 5 1 , 6 1の厚み tの 1 Z 2程度に形成した、強度上問題がなければ 1 Z 2以下に形成することができ、又、配線上問題がなければ、 1 2から同等の厚み tまでの範囲で形成することができる。次に、前述第 1実施形態及び第 2実施形態に係るワイャハーネスの製造方法について説明する。

図 1 3はフラットケ一ブル 3 1 (4 1 ) を製造する際に用いる製造装置 8 0の正面図、図 1 4は図 1 3に示す製造装置 8 0の一部を拡大した斜視図、図 1 5は本発明のワイヤハーネス 3 0 ( 4 0 ) を製造する際に用いる製造装置 1 0 0の平面図、図 1 6は図 1 5に示す製造装置 1 0 0の正面図である。

図 1 3に示すように、この製造装置 8 0は、薄板状導体 3 1 a ( 4 1 a ) を所定のピッチで平行に並べた状態で繰り出す繰り出しボビン 8 1 と、上部にクロスへッド 8 2を有する押出機 8 3と、製造されたフラットケーブル 3 1 (4 1 ) を巻き取る巻き取りボビン 8 4等を、その基本構成として備えている。

上記繰り出しボビン 8 1により、平行に配列された状態で繰り出された複数本の薄板状導体 3 1 a (4 1 a) は、図 1 4に示すように、クロスヘッド 8 2内に設置された押出ニップル 8 2 aを通る際に、お互いに平行に伸長するように形成された複数のニップル孔 8 2 bによりガイドされる。

そして、各薄板状導体 3 l a (4 1 a) は、クロスへッド 8 2内に加圧されて充塡されている加熱溶融状態にある熱可塑性樹脂と共に、押出ダイス 8 2 cのダイス孔 8 2 dを通じて押し出され、図 4及び図 7に示すように、平行に並べられた薄板状導体 3 1 a (4 1 a) に対して絶縁被覆層 3 l b (4 1 b) がー体的に被覆されることにより、フラットケーブル 3 1 (4 1 ) が製造される。製造されたフラットケーブル 3 1 (4 1 ) は、空冷の後、巻き取りボビン 8 4により順次巻き取られる。

フラットケーブル 3 1 (4 1 ) を巻き取った巻き取りボビン 8 4は、その後、図 1 5及び図 1 6に示す製造装置 1 0 0すなわちワイヤハーネス製造ラインの始端側に設置される。

この製造装置 1 0 0は、巻き取りボビン 8 4に巻き取られたフラットケーブル 3 1 , 4 1をそれぞれ間欠的に送り出す第 1送り装置 1 1 0と、この第 1送り装置 1 1 0の下流に配置されてフラットケーブルを切断する第 1カツ夕 1 2 0と、この第 1カツ夕 1 2 0の下流に配置されてフラットケーブルを間欠的に移送する第 2送り装置 1 3 0と、この第 2送り装置 1 3 0の下流に配置されてフラットケ —ブル同士を加熱して溶着する溶着装置 1 4 0と、溶着により結合されたフラットケ一ブルを引き取る引取装置 1 5 0と、この引取装置 1 5 0の下流に配置されてフラットケーブルを切断する第 2カツ夕 1 6 0等を、その基本構成として備えている。

各巻き取りボビン 8 4のフラットケーブル 3 1 (4 1 ) は、フラットケーブル毎に対応させてそれぞれに設置された一対のピンチローラ 1 1 0 a, 1 1 0 b, 1 1 0 c, 1 1 0 dにより構成されており、それぞれのフラットケーブルを一方向（図 1 5及び図 1 6中の右から左方向）へ間欠的に送り出すものである。

第 1実施形態のワイヤハーネス 3 0を製造する場合においては、製造ラインのスタート時には、各フラットケーブル 3 1は先端部が揃えられた状態で一斉に送り出される。

続いて、各フラットケーブル 3 1 (4 1 ) は、第 2送り装置 1 3 0により、平行かつ密接に並べられた状態で、第 1送り装置 1 1 0と同期して左方向へ間欠的に移送される。この移送の過程において、隣接するフラットケーブル 3 1 (4 1 ) の側縁部同士は、それぞれの溶着装置 1 4 0 a, 1 4 0 b, 1 4 0 cにより、所定の長さにわたって連続的又は断続的に加熱溶着される。

ここで、第 2送り装置 1 3 0は、各フラットケーブル毎に対応させてそれぞれに設置されたピンチローラにより構成されてもよいが、この実施形態では、各フラットケーブル 3 1 (4 1 ) を一様に挟むように上下に配置された一対の長尺なピンチローラによって構成されている。

上記のように、隣接するフラットケーブル 3 1 (4 1 ) の側縁部同士を加熱溶着するとき、側縁部に形成されている段部 3 1 c (4 1 c) を嚙み合うように重ねて溶着するため、この実施形態では、隣接するフラットケーブル 3 1 (4 1 ) 相互間において、上に重なる段部 3 1 c (4 1 c) を有する一方のフラットケーブル 3 1 (4 1 ) が巻かれた巻き取りボビン 8 4は、他方のフラットケーブル 3 1 (4 1 ) が巻かれた巻き取りボビン 84よりも、製造ラインの後方（上流）に配置されている。

また、第 2送り装置 1 3 0の位置において、各フラットケーブル 3 1 (4 1 ) の側縁部相互の段部 3 1 c (4 1 c) が嚙み合い状態で確実に重なるように、各フラットケ一ブル 3 1 (4 1 ) の幅方向の動きを規制するため、この実施形態では、フラットケーブル 3 1 ( 4 1 ) の移送ラインの側部に，ガイドレール 1 7 0 が設置されている。

上記加熱溶着の後、各フラットケ一ブル 3 1 (4 1 ) は、ガイドレール 1 5 3 (図 1 6参照）上に沿って間欠的に移送される過程で、それぞれの溶着部 3 2が空冷され、第 2送り装置 1 3 0の間欠的移送と同期して作動する引取装置 1 5 0 により引き取られる。

この実施形態において、引取装置 1 5 0は、移送ラインの下部に設置されたべルトコンベア 1 5 1 と、このベルトコンベア 1 5 1の前後の端部の上部へ設置されたピンチローラ 1 5 1 とにより構成されているが、巻取りドラムなどによって構成されていてもよい。

前述の一連の工程中において、製造されるワイヤハーネス 3 0を構成するフラットケーブル 3 1のうち、最長である一本のフラットケーブル 3 1 (A) を除く他のフラットケーブル 3 1は、第 1送り装置 1 1 0によりそれぞれ所定長さ送り出される毎に、第 1送り装置 1 1 0と第 2送り装置 1 3 0との間で、第 1カツ夕 1 20 ( 1 20 a, 1 2 0 b， 1 2 0 c) によりそれぞれ切断される。切断されたフラットケ一ブル 3 1を送り出していた第 1送り装置 1 1 0 a, 1 1 0 c, 1 1 0 dの作動は、この切断と同時に停止される。

前述の最長のフラットケーブル 3 1 (A) は、他のフラットケーブル 3 1の移送や引き取りの際の案内の役割をなしており、このフラットケーブル 3 1 (A) が所定の長さ送り出されると、停止状態にある第 1送り装置 1 1 0 a , 1 1 0 c ， 1 1 0 dは再び駆動され、他のフラットケーブル 3 1は、最長のフラットケーブル 3 1 ( A ) の先端部と面一に揃えられた状態で再び一斉に送り出される。そして、所定の長さだけ送りだされて、引取装置 1 5 0で引き取られた各フラットケーブル 3 1のうちの最長のフラットケーブル 3 1 ( A ) は、後続するワイャハ一ネス 3 0における他のフラットケーブル 3 1の先端部と面一になる位置で、第 2カツ夕 1 6 0により切断される。

以上の工程により、第 1実施形態のようなワイヤハーネス 3 0 ( 4 0 ) が効率良くかつ連続的に製造される。

尚、引取装置 1 5 0が巻取りドラムなどで構成されている場合には、最長のフラットケーブル 3 1 ( A ) を前述のように切断せずに、配線作業の際に、後続する他ワイヤハーネスの他のフラットケーブル 3 1の先端部に合わせて切断する。次に、前述第 4実施形態に係るワイヤハーネス 6 0の製造方法について説明する。このワイヤハーネス 6 0の製造方法は、基本的には前述の製造方法と同じであるが、第 1送り装置 1 1 0、第 1カツ夕 1 2 0、及び溶着装置 1 4 0の作動のタイミングが異なるので、主としてその相違点について以下説明する。

先ず、最長の長さに設定される第 1のフラットケーブル 6 1 aと第 2のフラットケーブル 6 1 bとが、対応する第 1送り装置 1 1 0 b , 1 1 0 aにより、先端部が面一に揃えられた状態で同期して間欠的に送り出され、かつ、段部 6 2同士が重ねられた状態で第 2送り装置 1 3 0によって間欠的に移送される。この移送過程において、第 1のフラットケーブル 6 1 aと第 2のフラットケーブル 6 1 b の先部領域の側縁部同士は、溶着装置 1 4 0 aにより、所定の長さにわたって連続的又は断続的に加熱溶着される。

続いて、第 3のフラットケーブル 6 1 cと第 4のフラットケーブル 6 1 dとが、対応する第 1送り装置 1 1 0 c , 1 1 0 dにより、先端部が面一に揃えられた状態で同期して間欠的に送り出され、かつ、段部 6 2同士が重ねられた状態で第 2送り装置 1 3 0によって間欠的に移送される。このとき、第 3のフラットケ一ブル 6 1 cの他方の側縁部の段部 6 2は、第 1のフラットケーブル 6 1 aの対応する段部 6 2と重ねられる。

上記移送過程において、第 3のフラットケーブル 6 1 cと第 4のフラットケーブル 6 1 dとの先端部領域の側縁部同士が、溶着装置 1 4 0 cにより、所定の長さにわたって連続的又は断続的に溶着され、同時に、第 3のフラットケーブル 6 1 cの先端部領域と第 1のフラットケーブル 6 1 aの側縁部同士が短い長さにわたって溶着され、相互の間に仮止め部 6 4が形成される。

そして、各フラットケーブル 6 1は、引取装置 1 5 0によって順に引き取られ、所定の位置に達すると、第 2及び第 4のフラットケーブル 6 1 b , 6 1 dは、それぞれ対応する第 1カツ夕 1 2 0 a , 1 2 0 dにより切断される。これら各々の切断と同時に、対応する第 1送り装置 1 1 0 a , 1 1 0 dはそれぞれ作動を停止する。

その後、第 1のフラットケーブル 6 1 a及び第 3のフラットケーブル 6 1 cが所定の長さ送り出されると、第 1送り装置 1 1 0 aが再び駆動されて第 2のフラットケ一ブル 6 1 bが送り出され、第 1及び第 3フラットケーブル 6 1 a , 6 1 cの側縁部が所定長さにわたって溶着装置 1 4 O bにより溶着される。そして、後続のワイヤハーネス 6 0の第 2のフラットケーブル 6 1 bの先端部に合わせたところで、第 1及び第 3フラットケーブル 6 1 a , 6 1 cの後端部が、第 2カツタ 1 6 0 , 1 6 0 ' により切断される。

以下、前述の工程が繰り返されることにより、ワイヤハーネス 6 0が連続的に製造される。

以上述べた製造方法においては、隣接するフラットケーブル 3 1， 4 1， 6 1 の側縁部に形成された段部 3 1 c， 4 1 c , 6 2同士を嚙み合うように上下方向から重ねて溶着するにあたり、上方から重なる段部 3 1 c 4 1 c， 6 2を有する一方のフラットケーブル 3 し 4 1 , 6 1が巻かれた巻き取りボビン 8 4を、下方から重なる段部 3 1 c , 4 1 c， 6 2を有する他方のフラットケーブル 3 1 ， 4 1， 6 1が巻かれた巻き取りボビン 8 4よりも、製造ラインの後方に配置した構成としている。

しかしながら、巻き取りボビン 8 4の配置は、上記の構成に限定されるものではなく、例えば、図 1 7に示すように、第 2送り装置 1 3 0を起点として、各巻き取りボビン 8 4を水平面内において扇形に末広がり状に並べて設置し、第 2送り装置 1 3 0によって、隣接するフラットケーブル 3 1 , 4 1 , 6 1の側縁部に形成された段部同士が上下方向から重ねられるように構成することができる。また、図 1 8に示すように、各巻き取りボビン 8 4を平面視において近接させて配置し、上から重なる段部 3 1 c , 4 1 c， 6 2を有するフラットケーブル 3 1， 4 1 , 6 1を保持する巻き取りボビン 8 4を、より上方に設置し、第 2送り装置 1 3 0によって、隣接するフラットケーブル 3 1， 4 1 , 6 1の側縁部に形成された段部同士が上下方向から重ねられるように構成することができる。

以上述べたように、本発明のワイヤハーネスによれば、配線の際に、切捨てる部分がほとんど生じないので、無駄がなく、より低コストのワイヤハーネスを提供することができる。

また、配線の際に、切り裂き、その他の加工をほとんど必要としないので、より低コストで簡単に配線することができる。

また、各フラットケーブルは、薄板状導体を覆うように熱可塑性樹脂を押し出して絶縁被覆層を形成しているので、機械的強度が高められる。従って、従来のように両側耳部の幅を大きくする必要がなく、得られたワイヤハーネスの端部に、所定規格のコネクタを正常な状態で容易に取り付けることができる。さらに、高温環境下においても、溶着部が軟化して配線周りの周辺部材に付着するのを防止することができる。

また、フラットケーブルに組み込まれる薄板状導体の本数を少なくし、又、各

Claims

フラットケーブル毎の薄板状導体の幅（断面積）あるいは個数を異ならせることによって、配線設計の自由度が向上する。また、各々のフラットケーブルに形成した段部同士を嚙み合うように重ねた状態で突き合わせ、この突き合わせ部を連続的又は残続的に加熱溶着して結合することにより、フラットケーブル同士の結合を容易に行なうことができる。また、フラットケーブル同士を積層し、それらの側縁部に設けた段部同士を加熱溶着することにより、フラットケーブル同士の結合を容易に行なうことができる o 本発明のケーブルすなわちワイヤハーネスの製造方法によれば、円滑に、かつ、効率的にワイヤハーネスを製造することができる。また、最長のフラットケーブルを、後続のワイヤハーネスの先端部に合わせて切断することにより、配線の際に、従来のようにワイヤハーネス相互を切り離す手間が省け、作業性が向上する。産業上の利用可能性以上のように、本発明のケーブル及びその製造方法によれば、低コストで無駄なく配線自由度の高いケーブルが提供されるため、自動車等の車両においては電気配線用のワイヤハーネスとして、又、電子機器等においては電気配線用のケ一ブルとして用いるのに有用である。請求の範囲

1 . 1本又は平行に並べられた複数本の略矩形断面をなす薄板状導体と、前記薄板状導体を一体的に被覆するように平坦状に成形された絶縁被覆層と、からなる複数のフラットケーブルを有し、

前記複数のフラットケーブルは、平行かつ密接して平面状に配置され、隣接するフラットケーブルの側縁部同士が所定の長さにわたり連続して又は断続して結合されている、

ケーブル。

2 . 前記複数のフラットケーブルは、それぞれ前記絶縁被覆層の両側縁部に形成された一対の段部を有し、

前記複数のフラットケーブルは、隣接するフラットケーブルの前記段部同士が相補的に接合された状態で所定の長さにわたり連続して又は断続して結合されている、

請求の範囲第 1項記載のケーブル。

3 . 前記一対の段部には係止突起がそれぞれ形成されており、隣接するフラットケーブルの段部同士が接合された状態で、前記係止突起はお互いに嚙み合うように係合する、

請求の範囲第 2項記載のケ一ブル。

4 . 前記一対の段部は、前記フラットケーブルの厚み t以下の厚み t 1を有し、両方が前記フラッケーブルの一面側に又は一方が前記フラットケーブルの一面側でかつ他方が前記フラットケ一ブルの他面側に形成されている、

請求の範囲第 2項記載のケーブル。

5 . 前記複数のフラットケーブルのそれぞれの長さは、 2種類以上の長さに設定されている、

請求の範囲第 1項記載のケーブル。

6 . 前記複数のフラットケーブルの少なくとも 2つは、一方の端部が面一に揃えられている、

請求の範囲第 1項記載のケーブル。

7 . 前記絶縁被覆層は熱可塑性樹脂からなり、前記フラットケーブル同士は加熱溶着により結合されている、

請求の範囲第 1項記載のケーブル。

8 . 1本又は平行に並べられた複数本の略矩形断面をなす薄板状導体と、前記薄板状導体を一体的に被覆するように平坦状に成形された絶縁被覆層と、からなる複数のフラットケーブルを有し、

前記複数のプラットケーブルは、隣接するフラットケ一ブルの一方の側縁部同士が揃えられた状態で交互に折り重ねられ、かつ、前記一方の側縁部同士が所定の長さにわたり連続して又は断続して結合されている、

ケーブル。

9 . 前記複数のフラットケーブルは、前記一方の側縁部において、重ね合わされる面側にそれぞれ形成された段部を有し、

前記複数のフラットケーブルは、前記段部同士が背中合わせに重ねられた状態で所定の長さにわたり連続して又は断続して溶着により結合されている、請求の範囲第 8項記載のケーブル。

1 0 . 前記段部は、前記フラットケーブルの厚み t以下の厚み t 1を有する、請求の範囲第 9項記載のケーブル。

1 1 . 前記複数のフラットケーブルのそれぞれの長さは、 2種類以上の長さに設定されている、

請求の範囲第 8項記載のケ—ブル。

1 2 . 前記複数のフラットケーブルの少なくとも 2つは、一方の端部が面一に揃えられている、

請求の範囲第 8項記載のケーブル。

1 3 . 前記絶縁被覆層は熱可塑性樹脂からなり、前記フラットケーブル同士は加熱溶着により結合されている、

請求の範囲第 8項記載のケーブル。

1 4 . 複数のフラットケーブルをそれぞれ一方向へ間欠的に送り出す送り出しェ程と、

前記送り出し工程により送り出された複数のフラットケ一ブルを平行かつ密接に配列させた状態で前記送り出し工程における送りと同期して前記一方向へ間欠的に移送する移送工程と、

前記移送工程により移送された複数のフラットケーブルの隣接する側縁部同士を所定の長さにわたり連続的又は断続的に溶着する溶着工程と、

前記溶着工程により溶着されたフラットケ一ブルを前記移送工程における移送と同期して引き取る引き取り工程と、

前記複数のフラットケーブルを、所定のタイミングにてそれぞれに切断する切断工程と、

を有するケーブルの製造方法。

1 5 . 前記複数のフラットケ一ブルのうち 1本のフラットケーブルを除く他のフラットケーブルがそれぞれ所定の長さ送り出された後に、前記切断工程により前記他のフラットケーブルをそれぞれ切断すると共に切断されたフラットケーブルの送り出しを停止させ、

前記 1本のフラットケーブルが所定の長さ送り出された後に、送り出しが停止された前記他のフラットケーブルを再び送り出し、

前記 1本のフラットケーブルがさらに所定の長さ送り出された後に、前記 1本のフラットケ一ブルの後端部を他のフラットケーブルの先端部と面一にして切断する、

請求の範囲第 1 4項記載のケーブルの製造方法。

1 6 . 前記複数のフラットケ一ブルとして第 1ないし第 4のフラットケ一ブルを用い、

前記送り出し工程において、前記第 1及び第 2のフラットケーブルを同時に送り出し、

前記第 1及び第 2のフラットケーブルが所定の長さ送り出された後に、前記第 3及び第 4のフラットケーブルを送り出し、

前記第 3及び第 4のフラットケーブルが所定の長さ送り出された後に、前記切断工程により前記第 2のフラットケーブルを切断すると共に前記第 2のフラットケーブルの送り出しを停止させ、

前記第 2のフラットケ一ブルを切断した後に、前記第 4のフラットケーブルを切断すると共に前記第 4のフラットケーブルの送り出しを停止させ、

前記第 1及び第 3のフラットケ一ブルが所定の長さ送り出された後に、前記第 1及び第 3のフラットケーブルの後端部を面一にして切断する、

請求の範囲第 1 4項記載のケーブルの製造方法。